ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 11月 26日

民泊(事業者)と自治体&マスコミとの関係がここまで悪いのはなぜか?

先週末、知人の紹介でシェアエコノミーをテーマにした小さな集まりに出席しました。(あとで述べる理由もあって)具体的な団体名などは記しませんが、民泊をはじめ不動産の運用を実践していたり、始めてみたいと考えているみなさんの情報交換のための集まりでした。

民泊(事業者)のみなさんの生の声を聞くことができて、とても参考になりました。実際には、住宅分野のシェアエコノミーの実践事例は民泊だけでなく、むしろその一部といった方がいいほど広がっているのですが、彼らの多くの発言から伝わる自治体とマスコミに対する不信感がこれほど強いのかと思ったことが印象に残りました。

あるスピーカーは開口一番「日本はシェアがしにくい国です。社会というのは、数多くの事例が生まれてこそ、法律を変えようという動きが起こるものですが、日本では規制が多すぎて、事例が生まれにくいため、現実に合わせて法律を変えるのも時間がかかりすぎる」と話し、60数年間も古い法律が野放しにされていた通訳案内士法の事例などを挙げます。まったくそのとおりです。

世界のシェアエコノミーには、共同社会のありようを目指すヨーロッパ型と、投資と連動したアメリカ、中国型のふたつに分かれるといい、日本は「日本らしい」シェアエコを目指すべきと語ります。

さらに、シェアエコには利用者の自己責任も問われることも忘れてはならないとそのスピーカーは言います。それ自体はもっともな発言だと思われますが、おそらく日本の自治体やマスコミは、日本的な“情緒”を背景に、自己責任から生じるさまざまな懸念や問題の発生の防止を重視するため、監視を強めたり、来年6月に施行される新しい民泊のルールについても、自治体レベルの個別の条例を加えることで、民泊解禁の流れに大きなブレーキをかけようとしている。そう彼らは感じているようです。

ここでいう「自治体&マスコミ」の姿勢がよくわかるのが、今朝の日本経済新聞の報道です。

増殖するヤミ民泊 京都の「観光裏事情」
政策 現場を歩く(日本経済新聞2017/11/26)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23791560S7A121C1000000

11月上旬、京都市の祇園に近い東山地区のワンルームマンション。5階建ての一角に、めざす宿泊施設があった。チェックインカウンターはない。カギはマンション入口の郵便ポストに入っていた。民泊の物件だが、本人確認はなにもない。後にかなり高い確率で、ヤミ民泊だと感じることになる。

訪日客の関連取材で京都を訪れた。口コミ旅行サイト「トリップアドバイザー」で部屋を探すと、大手ホテルは1泊約2万円する。そこで、初めて民泊の世界最大手・米エアビーアンドビーの仲介サイトを真剣にのぞいてみた。宿泊予定を入力すると、物件が続々と出てきた。祇園に近い東山地区を売りにしている物件があり、価格も1泊7400円と手ごろだ。民泊を初体験しようと思い、サイト内でクレジットカードによって支払いを終えた。

■管理人には話しかけるな

数分後、ふと、我にかえった。「あれ、待てよ。この物件はどこにあるんだろう?」。サイトには詳しい住所の記載がない。支払いを終えると、個人のメールあてに複数の物件情報が英語で届いていた。1つは住所。2つめはダイヤル式のカギの開け方。3つめは施設利用に関する注意事項だ。

住所がわかったため、現地に行くまでカギと注意事項の確認は後回しにした。マンションの前でメールをみると、カギはダイヤルを3回まわして、帰る際にも同じ場所に戻すようにと書いてある。セルフチェックイン・アウト形式だという。

面食らったのは、注意事項の書きぶりだ。例えば「入り口に管理人がいるが、話しかけないように。トラブルになります。もし部屋番号を聞かれたら、違う番号をいってください」と常識では考えにくい内容だ。

日本の法律についても言及がある。「日本の法律はとても厳しい。誰か来ても、ドアをあけないで。部屋のオーナーは友達で、無料で泊まっていることにして。そうすれば、トラブルを避けられます」。これは明らかにヤミ民泊の物件だとうすうす感じた。部屋に入ると、それは確信に変わる。

部屋は、普通のワンルームマンション。ただ、異なる点がある。室内のインターホンにガムテープが貼られ、「さわるな」という表示がやけにめだつ。外部から問い合わせがあっても、絶対に応対できないようにしているのだ。これはヤミ物件だろう。

宿泊して朝8時ごろに部屋を出ると、携帯電話にショートメールで「滞在はどうでしたか? 5つ星のレビューを下さい!」と何度も連絡が来た。うんざりさせられたが、物件のオーナーと会うことは一度もなかった。

京都市の調べでは、2016年の外国人旅行客は661万人となり、15年に比べ37%増えた。そのうち、16%が「京都に泊まりたいが泊まれない」と答えている。調査結果だけをみると、人気観光地の京都は深刻な宿泊施設不足に陥っている。ところが、調査は「無許可の民泊施設は含まない」としている。実態は判然としない。
日本では現時点で、民泊をするためには旅館業法の認可が必要だ。もしくは民泊特区では施設の要件を満たせば営業ができる。

■客室の稼働率が落ちた

京都・東山地区である旅館の経営者に話を聞いた。「今が京都の紅葉シーズンなのに、稼働率が落ちたのは今年が初めて。急増しているヤミ民泊の影響に違いない」との見解を示す。約10年前に民泊を始め、今は正式な旅館営業の認可を得た。だが、ここ1~2年でスマートフォンを片手にワンルームマンションのヤミ民泊に向かう訪日客の姿が急増しており、客足が鈍っているという。

東山地区のシャッター街だった商店街は、町家のゲストハウスや民泊が増え、にわかに訪日客で活気を取り戻している。日本の伝統文化の象徴ともいえる京都は、訪日客を引き付けてやまない。

日本では18年6月に民泊が新しいルールのもとで運用が始まり、仲介業者や家主は国や自治体の登録制となる。ただ、旅館業法の改正案が宙に浮いており、ヤミ民泊の違反業者を自治体や保健所が取り締まれるかどうかが問題になっている。施設への立ち入り権限が限られると、これからもヤミ民泊を排除できない可能性が残る。ある観光庁幹部は「特に中国系の物件は監視が難しい」と嘆く。

本人確認がルーズなヤミ民泊は薬物や性的暴行など犯罪に使われるケースも出ている。正式な認可を得ている事業者は税負担などの面でヤミ民泊と不公平感がある。観光庁の初調査では、今年7~9月期で訪日客全体の12%が民泊を利用した。政府は20年に4000万人の訪日客誘致をめざしている。民泊を健全な宿泊施設の受け皿にするためにも、ヤミ民泊の監視強化は欠かせない大きな課題だ。(馬場燃)


この種の論調は、いまとなっては日本のマスコミの主流となっていて、さして新しい発見のない記事ではありますが、これが主流となるのも、日本では全体の8割がヤミ民泊である以上、いたし方がない面もあると思います。この記事でもひかえめに指摘しているように、台頭する「中国民泊」の実態は、彼らが日本法人を立ち上げたところで、実態は情報公開されていないため、世間の懸念が深まるのは当然といえます。

一方、この集まりに出席していたみなさんのように、法や条例の動向に敏感で、「日本らしいシェアエコ」を目指す人たちというのも当然いて、彼らの声を届けるマスコミはまだ少ないようです。

実は、彼らの議論を聞いていて、ぼくは余計なひとことを発言してしまいました。「なぜみなさんは、もっとマスコミを活用しないのですか」。

ぼくからすると、これからの日本の社会の新しいあり方を模索し、正しい民泊を目指しているのに、ただ内輪で集まったり、個別の自治体関係者や議員との関係を深めることで、実際に自分の地域で民泊をする際、縛りとなる上乗せ条例による新たな規制をされないようにと努力していることはわかるのですが、やはりこの問題は「公論」としてマスコミにも取り上げてもらう必要があると感じたからです。

ただし、この発言に対しては沈黙しかないようでした。

いったいこの人たちのマスコミ不信の根深さは何なのだろう? と最初は思ったほどです。

しかし、その後ぼそぼそと交わされるコメントの中からその理由がわかってきました。民泊新法が施行される前のいまの段階で、また民泊に対する厳しい視線のなかで、表舞台に出ることは、かえって世間を刺激し、現状ではグレーゾーンとならざるを得ない民泊従事者である自分たちが摘発の対象になるのでは、というおそれがあるからのようでした。

実際、ある自治体で民泊の条例制定に向けたパブリックコメントを求められても、推進者たちからのコメントの数は少なく、反対意見ばかりが多いそうです。そうなるのも「いま下手なことを言って、保健所に目を付けられたら…」。そんな思いがあるからだというのです。

なんという残念なことでしょう。

日本のあるべき民泊を推進するためには、ヤミ民泊事業者の摘発強化は欠かせないとはいえ、正しいあり方を目指そうと考えている人たちが、ここまで萎縮せざるを得ない状況というのは、どういうものでしょう?

そろそろマスコミや自治体も、日経の記事にあるような負の実態だけでなく、日本の社会のありようを少しずつ変えていく可能性のあるシェアエコノミーの現場の声も取り上げないといけないのでは、と思います。

一方、シェアエコ推進の方たちも、ただ「いい子ちゃん」でいるだけではどうなのか。もっと「公論」に訴えかけていく気概も必要な印象を持ちました。なぜなら、法など気にしない外国人も含めて8割がヤミ民泊という非情な現実を前にして、あまりにきれいごとで装いすぎていて、これでは現実を変えられないのでは、と思わないでもないからです。

こんなことを書くと「現実の苦労も知らないで、勝手なことを言うな」と言われてしまいそうですが、日本のシェアエコを考えるうえで、とても勉強になったことは事実です。
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by sanyo-kansatu | 2017-11-26 11:07 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 11月 24日

中朝最大の物流ルートの丹東・中朝友誼橋が一時的に閉鎖されるようですが、こういうことはよくあります

今朝、ネットで以下のニュースを知りました。中朝最大の物流ルートである遼寧省丹東市と北朝鮮新義州をつなぐ中朝友誼橋が一時的であるにせよ閉鎖されるようです。

北国境の橋、中国が閉鎖…貿易制限で北に圧力か(読売新聞2017年11月24日)
http://www.yomiuri.co.jp/world/20171123-OYT1T50091.html

(一部抜粋)【瀋陽=中川孝之】中国の政府当局が24日から、中国遼寧省丹東と北朝鮮の新義州を結ぶ鉄橋を一時閉鎖することがわかった。

丹東の税関関係者が本紙に明らかにした。鉄橋は中朝貿易の主要ルート。表向きは補修工事が理由だが、北朝鮮との貿易を一定期間制限することで、北朝鮮に圧力を加える意図があるとみられる。

一時閉鎖されるのは中朝国境の鴨緑江に架かる「中朝友誼ゆうぎ橋」。全長約940メートルの橋上を車道と線路が並行している。税関関係者は「補修工事のため、車道部分を10日間の予定で閉鎖する」と説明した。

丹東は中朝貿易の7割が通過する最大拠点。輸送には船舶も利用されるが、農業用機械や食糧など北朝鮮向け貨物の大半はこの鉄橋を往復するトラックで運ばれており、一時閉鎖は事実上の「貿易制限措置」となる。


これが中朝友誼橋です。どれだけ中朝関係が緊張しているといっても、橋のたともには中国国内や韓国などから来た観光客がくつろいでいます。
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鴨緑江の上流にあたる左が中朝友誼橋で、右にあるのが1909年に造られた「鴨緑江橋梁」で1950年に米軍の爆撃機によって破壊されたため、現在では「鴨緑江断橋」として観光スポットになっています。
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今回の報道で、中国側が中朝友誼橋を一時的に閉鎖したとのことですが、この橋はかなり老朽化しているため(日本時代の昭和18年に造られたので)、この種の閉鎖はよくあります。昨年夏も1ヵ月近く、これは北朝鮮側の事情で車両の通行が停止していました。

この写真は一見怪しげですが、昨年7月末、バスが利用できないため、中国客が歩いて新義州に渡っているときのものです。さすがに中朝関係が悪化した今年は、新義州に遊びに行く中国人は激減したようですが、昨年まではこんな光景も見られたのです。
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実は、これは北朝鮮側から見た中朝友誼橋と丹東の街並みです。
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以前、ForbesJapanの連載で以下の記事を書いたことがあります。

なぜ中国は制裁中でも北朝鮮とつなぐ橋を架けるのか(2017/10/16)
https://forbesjapan.com/articles/detail/18081

今回の閉鎖もいつまで続くのか、中国側もどこまで本気なのかはわかりません。
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by sanyo-kansatu | 2017-11-24 10:36 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 11月 04日

人手不足の日本より中国や韓国のキャッシュレス化が進んでいる東アジアの現在

昨日、ある郊外のファミレスチェーンで食事をしたところ、たまたまクレジットカードと小銭しか持っていなくて、支払いに困ってしまいました。まさか全国チェーンで、中国など海外にも多数の店舗を出店している店だったので、まさかカードが使えないとは思ってもいませんでした。

若い店員の男性も申し訳なさそうな顔で、でも「本日12時までに現金をお持ちください」と言います。

「エーッ」と思わず声を上げてしまいました。なんでも都内にはカードが使える店舗もあるそうですが、使えない店もあるそうです。なにも自分はキャッシュレス積極派でもなんでもないのですが、やはり1000円ちょっとの支払いはカードが使えるようにしてもらいたいと思いました。

結局、家に歩いて戻って、現金を持って支払うほかありませんでした。

今週、あるファミレスが都内で「現金支払いお断り」、すなはちキャッシュレス専用の店舗を実験的に始めるという報道がありました。背景には、外食産業の深刻な人手不足があります。

「現金支払いお断り」東京で実験店開店へ―ロイヤルHD(朝日新聞2017年11月1日)
http://www.asahi.com/articles/ASKC15V5KKC1ULFA02T.html

ロイヤルホールディングス(HD、福岡市)は1日、支払いを電子マネーやクレジットカードだけにした実験店を東京都内に6日に開くと発表した。現金の管理を完全になくすなどして従業員の作業効率を上げ、深刻化する人手不足に対応する狙いだ。

東京都中央区に6日、開店するレストラン「GATHERING(ギャザリング) TABLE(テーブル) PANTRY(パントリー)」は、現金のやりとりをなくすため、入り口にレジを置かず、電子マネーのチャージもできない。店舗入り口に「現金お断り」を知らせる表示を出す。

注文はテーブルのタブレット端末から。代金も同じタブレット端末で、電子マネーやクレジットカードを使って支払う。店舗運営の作業が減ることで、約40席の店を3人で運営できるとロイヤルHDはみている。

今後は、この店で得たノウハウを主力の「ロイヤルホスト」の店舗などにも導入していく方針だ。(牛尾梓)


店内にはレジがなく、入り口に「現金お断り」の表示を出すそうです。これをみて、多くの人はどう感じることでしょう。これは便利と思うのか、それとも軽い反発をおぼえるのか…。実験の結果に興味があります。

一方、同じ日の朝刊にこんな記事がありました。

ソウル、無人コンビニ出店 文政権は雇用に力を入れるが…(朝日新聞2017年11月2日)
http://www.asahi.com/articles/DA3S13209688.html

記事によると、日本よりキャッシュレス化が進んでいる韓国では、この種のサービスが増えると、かえって「雇用が減る」との懸念もあるそうです。上海でも無人コンビニができましたが、中国や韓国の方がこの方面では日本よりはるかに進んでいるのに、それが社会にとっていいことなのか。難しいものですね。

こんな記事もありました。

コンビニの人手不足、ロボットが解決 「レジロボ」登場(朝日新聞2016年12月12日)
http://www.asahi.com/articles/ASJDD5FPHJDDPLFA00V.html

記事の中の動画では、買い物籠に購入する商品のバーコードを読み取る装置が付いていて、レジロボに置くと精算してくれます。とても便利そうです。

近所のスーパーでもこれとは少し違いますが、無人レジを導入していて、有人レジの行列が長いときだけ、利用することがあります。でも、正直なところ、個人的には有人レジの方が好きです。便利で早いかどうかより、おばさんが商品を一つずつ打ってくれるのを見てる方がなんとなく安心だからかもしれません。自分はちょっと古い人間だからでしょうか。

こうしたなか、中国からモバイル決済アプリ大手が参入しており、日本の金融機関と組んで、日本人にも使える仕組みを導入しようとしています。

中国式決済、世界で台頭 スマホで簡単、日本開拓着々と(朝日新聞2017年11月3日)
http://www.asahi.com/articles/DA3S13211358.html

中国のネット通販大手阿里巴巴(アリババ)の関連会社が展開する決済システム「支付宝(アリペイ)」がグローバル規模で存在感を発揮している。中国をキャッシュレス社会にした立役者でもあり、世界銀行も注目。貧困層に金融サービスを広げる役目も期待される。日本では訪日中国人向けだが、日本人も使えるよう計画が進む。

「おつりを返す手間が省けるのでとても便利だ」

北京のビジネス街・建国門の屋台で朝食を売る黄さん(30)は、パネルに印刷したQRコードを店頭に並べる。客は、それをスマートフォンのカメラ機能で読み取り、黄さんへの支払い画面で代金を入力し電子決済する。「現金払いは3、4割」という。

中国は現金不要のスマホ決済によるキャッシュレス社会を迎えている。先導したのはアントフィナンシャルサービスグループが提供するアリペイだ。銀行口座などとつながり、支払いは口座から引き落とされる。国内常用者数は5・2億人に達する。

最初はネット通販の支払い用途だった。2011年からコードを読み取る方式により、実店舗での支払いに使えるようにした。紙幣に偽物が多く、最高額が100元(約1720円)と低額なこともあり、人々は喜んでアリペイを選んだ。クレジットカードとは異なり専用の読み取り機も不要だ。スマホのカメラで相手のコードを読み取りさえできれば決済できるので、中小企業から屋台にまで、あっという間に普及した。

10月中旬のワシントン。世界銀行総会のイベントで、キム総裁が繰り返し触れたのがアリペイだ。「中小企業の金融へのアクセスを完璧に変えた」。銀行口座を持てない人に金融サービスを提供する「金融包摂」機能への強い期待感をにじませた。

スマホにアプリを入れればお金を受け取る口座が持てる。これによって銀行口座を持てない人でも少額の融資の受け皿ができる。キム総裁は「経済発展への道を模索している国のためになる」と述べた。

アントが今、力を入れているのが外国展開だ。各国の企業と提携して参入し、アリペイを現地化している。現在、国外は34カ国・地域の3・6億人が使う。最大はインドの2・5億人だ。

井賢棟最高経営責任者(CEO)は「中国での経験を新興国で再現しようと考えた。個人や企業によい環境を提供すれば我々の成長の基礎になる」と話す。

アリペイは実は、すでに日本にも浸透している。まだ中国人しか使えないが、百貨店やコンビニエンスストア、レストランなど約3万店舗が対応。訪日中国人の買い物を促進している。
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10月上旬にあった中国の建国記念日・国慶節の休暇中、東京・日本橋の高島屋は多くの中国人観光客でにぎわっていた。同社は16年2月にアリペイ支払いを導入。「中国と同じ方法で支払えれば便利だと思ってもらえる」と営業推進部の楼ヤテイ主任は話す。

アントによると10月1~7日、日本でのアリペイ取引件数は前年同期比16倍に膨張。平均利用額は2040元で、中国国外の平均に対して1・6倍という。

アリペイは今、中国人観光客向けに整備してきた決済基盤を一気に日本人が使えるようにする計画を進めている。「現在の加盟店開拓は日本人向けの準備でもある」とアント日本法人の陳清揚執行役員。

日本は依然、現金志向が強い点にアントは潜在性を感じている。ただ、JR東日本のICカード「Suica(スイカ)」や中国国内のアリペイと同じようにQRコードを読み取って支払い可能にした楽天ペイなど、ライバルも多い。陳執行役員は「日本は難しい市場だ。今は提携先を探している段階。来春は難しいが、できるだけ早くサービスを始めたい」と話す。(福田直之)


いま東アジアで起きている急激な変化の中で、中韓と日本の社会の対比についていろいろ考えることがあります。日本は彼らの社会に比べ圧倒的な高齢化社会ですし、既存のそれなりに便利な仕組みがいくつも残っており、新しいシステムが普及するまでには時間がかかってしまいます。一方、彼らの社会は日本に比べ若いぶん、新しいシステムが次々に浸透していきますが、そのぶん雇用問題や、地域や階層による格差が生まれます。

日本でもキャッシュレス化はゆっくり進んでいくでしょうけれど、モバイル決済はどうでしょう。少なくとも、いまのところ、カードの方が軽くて財布にも入るし、ポイントもためられるので、さらにカードが使える店を増やしてもらえば、それほど不自由しない気もします。さあ、どうなっていくのか。注視していきましょう。
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by sanyo-kansatu | 2017-11-04 10:16 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 11月 04日

104 ポーランド生まれの木材商人コヴァルスキーの館(ハルビン)

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ハルビン駅から紅博広場に向かって郵政街を左に曲がった先に、かつてポーランド生まれの木材商人コヴァルスキーの建てた洋館がある。彼は東清鉄道建設が始まった1898年にハルビンに来て、木材ビジネスで巨万の富を築いた。ハルビンを代表する豪邸で、新中国建設後は毛沢東をはじめとする領袖たちの黒龍江訪問時の住居兼執務室として使われた。現在、革命領袖視察記念館となっている。(撮影/2014年7月)

※ハルビンには古い洋館がたくさん残っていて、その豪奢さに驚かされます。東京の鳩山御殿などよりずっと高い価値があるはずです。20世紀初頭のハルビンの繁栄ぶりがわかります。

ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう(ハルビン編)
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by sanyo-kansatu | 2017-11-04 08:59 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 11月 03日

103 長白山には快適な山岳リゾートホテルがある

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長白山には、2010年頃から国際的な山岳リゾートホテルがいくつもできている。西坡にあるホライズン・リゾート(長白山天域度假酒店)は、館内に温泉施設もあり、快適な滞在が楽しめる。しかも、長白山空港から車で5分、山門まで10分の好ロケーション。(撮影/2012年7月)

※長白山の麓には5つ星の外資系ホテルもいくつかできています。このホテルは中国資本ですが、客室はラグジュアリータイプで申し分ありません。

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by sanyo-kansatu | 2017-11-03 12:22 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 11月 02日

ついに中国「白タク」の逮捕者が出ちゃいました

ついに中国「白タク」の逮捕者が大阪で出たようです。

「中国式白タク」容疑で逮捕 訪日客狙い、各地で問題化(朝日新聞2017年11月1日)
http://www.asahi.com/articles/ASKB0541SKB0PTIL011.html

訪日中国人客を相手に無許可でタクシー営業をしたとして、大阪府警は31日、無職唐家栄容疑者(28)=大阪市東成区=ら中国籍の男3人を道路運送法違反(無許可一般旅客自動車運送事業経営)の疑いで逮捕し、発表した。こうした営業は、空港や観光地で訪日外国人客(インバウンド)相手の「中国式白タク」と呼ばれ、各地で問題になっている。

国際捜査課によると、他に逮捕したのは、運転手の男2人。唐容疑者らは国土交通相の許可を得ずに6~9月、7回にわたって関西空港から大阪市内などに観光客計約40人を料金を取って運送した疑いがある。唐容疑者は「来日した友達をホテルや観光地に送っただけで、金はもらっていない」と容疑を否認。運転手2人は「唐容疑者の依頼で報酬をもらい送迎した」と容疑を認めているという。

同課は、唐容疑者らの車が、多くの荷物を持つ訪日客を乗せて関空と大阪市内を何度も行き来するのを確認し、白タクとして営業していると判断したという。さらに、唐容疑者が中国語の配車アプリを介し、訪日客からの依頼を受けて営業していたとみている。アプリ上では、関空から大阪市内の片道料金は約1万3千円に設定され、決済もできる仕組みという。

国交省によると、中国式白タクは訪日客が多い沖縄や東京でも確認されているが、台数などの詳しい実態はわかっていない。正規のタクシーと違って二種免許を持たないため運転技能が担保されていないほか、任意保険への加入がない場合もあるため、事故時の補償が不十分になる恐れがあるという。


先月中旬、沖縄に続き、関西方面の「白タク」問題を産経新聞が報じていましたが、やはりこの日が来ましたか。

奈良公園周辺にも「中国式白タク」進出 主要観光地で横行か、スマホで予約・決済、摘発難しく… (産経WEST2017.10.13)
http://www.sankei.com/west/news/171013/wst1710130046-n1.html

これが全国に波及すると、けっこう大騒ぎになるかも。興味深いのは、彼らを逮捕したのは大阪府警の「国際捜査課」だということ。確かに、通常の捜査では摘発は難しいことから起用されたのでしょう。

先日、ForbesJapanの連載で「彼らを営業車として登録させ、管理する方向に呼び込むか、ツーリスト相手に限りグレーゾーンの存在としてこのまま泳がせるのか。違法営業であるという前提がある限り、今後、日本の社会が中国「白タク」の横行になんらかの制限を加えようとするのは当然だろう」と書いたばかりでしたが、そのとおりになったようです。

野放し「中国人白タク」で見えた、日本の遅れ(ForbesJapan2017/10/26)
https://forbesjapan.com/articles/detail/18241

ただし、九州に寄航する中国発大型クルーズ客船の中国人闇ガイドのときもそうだったように、一度摘発したところで、ほとぼりが冷めると実態はまったく変わらないという話になるかもしれません。

じゃあ徹底して取り締まるかといっても、実はそんなに簡単ではありません。ひとまずは「日本では違法」という認識を中国人ドライバーたちに周知することにはなったでしょうが、彼らの国では「法の裏をかくのが賢い人間」と考えるのが普通のことです。それは彼らが悪人だからそうなのではなく、民主的な社会ではないから、法に対する認識が違うだけです。中国では法は常に上から突然下りてくる理不尽極まりないものだからです。

やはり、同時に中国客に限らず、日本を訪れる海外の個人客のニーズに応えられる代替サービスを作り出さなければならないと思います。それは簡単なことではありませんが、そこに知恵を働かせなくては。また「彼らを営業車として、登録する方向に呼び込む」ことも考える必要があると思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-11-02 09:29 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)