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2013年 07月 24日

無敵の東京ディズニーリゾートも外国人客比率はわずか3%!?【2013年上半期⑧テーマパーク】

2013年4月15日、東京ディズニーリゾート(TDR)は開業30周年を迎えました。
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「東京ディズニーリゾート 30年とけない魔法」(朝日新聞2013年4月14日)によると、「この3月までの1年は(入場者数)2750万人。過去最多だ。使うお金も前年を越す1万420円(入場券込み)との予想」「よちよち歩きの子どもが親となり、自らの子どもの手を引いて同じ場所でカメラにおさまる。入園者も、使うお金も過去最高だ。『夢と魔法の王国』はデフレにも強い」とその好調ぶりを報じています。

背景には「83年、TDLが開園し、01年には隣にディズニーシーがオープン。30年がたち、大きな強みは3世代で楽しむ人たちが増えていること」だと指摘しています。

読売新聞も3回に分けてTDRの「圧倒的な集客力の秘訣」を次のように解説しています。

「3世代でディズニー 大人のファン着実に獲得」(読売新聞2013年4月16日)

「(日本の人口構造における)ファミリー層の減少はレジャー産業には逆風となる。この課題に対応しようと、TDRを運営するオリエンタルランドは経営手法を変えてきた。07年度から『ディズニーのおとな旅』という周遊プランの販売に力を入れている。(中略)こうした取り組みで、TDRの11年度の入場者に占める40歳以上の割合は19%と、97年度から10ポイントも上昇し、全体の入場者数も右肩上がりで伸びている」

「巨額投資と集客 好循環」(同4月17日)

「TDLとTDSが、何度も訪れるリピーターを引きつける力の源泉は、入場者を飽きさせないためにアトラクションなどに投じる巨額の設備投資だ」「(その額は)この10年間、アトラクションの新設、パレード、イベント、直製ホテルの建設など年平均で約351億円」「例えば、約210億円をかけてTDSに作ったタワー・オブ・テラーが誕生した2006年度の入場者数は前年度から105万人増えた」「巨額の投資を客足の増加に確実につなげる好循環が確立しているのだ」

「おもてなし術 業界に浸透」(同4月18日)

「30年間かけて進化したTDRのきめ細かい接客は、テーマパーク業態全体に広がりつつある」と指摘し、ハウステンボスなどもTDRをお手本に接客研修を始めていることを報じています。

「主要テーマパーク好調」(日経MJ2013年4月29日)によると、TDRに限らず、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)やハウステンボスなど、日本を代表する3つのテーマパークが好調な集客を見せているとのこと。「新アトラクション効果や消費改善」が利いているそうです。その一方で、「大手は好調 中小厳しく 遊園地・テーマパーク」(日経MJ2012年11月14日)との報道もあります。テーマパークの集客にも二極化が起きているようです。

ところで、TDRに外国人客はどのくらい来ているのでしょうか。TDRを運営するオリエンタルランドのHPをみると、入場者の外国人比率は、最新の2011年が震災の影響でわずか1.3%、その年の入園者数が2534万7000人ですから、33万人弱の計算になります。過去6年間で最も比率の高かった2007年で4.2%、外国人客は約107万人になります。以後、若干減少して平均すると、わずか3%前後のようです。

TDR 入園者数データ(オリエンタルランド)
http://www.olc.co.jp/tdr/guest/

【追記】
上記データによると、2014年の外国人比率は5%のようです。

とはいえ実際のところ、この数字が少ないといえるのかどうか、判断する指標はありません。たとえば、2007年の訪日外国人数のトータルは835万人、そのうち107万人がTDRに来たとすると、13%弱ということですから、けっこう高い比率といえるかもしれません。他のアジアのテーマパークを例に出すと、香港ディズニーの2011年度の入場客数は590万人と振るいませんが、韓国のロッテワールドは758万人で、前年度比36.6%増。中国からの観光客が増えた結果、これほどの伸びを見せたそうです。

世界のテーマパーク入場者数報告(Global Attractions Attendance Report)http://10rank.blog.fc2.com/blog-entry-36.html

国内では飛びぬけた存在となったTDRは、今後「日本流の独自色を強く打ち出す」そうです。

「日本流で『祭り』に華 参加型の企画、本家も逆輸入」(日本経済新聞2013年1月8日)

たとえば、「TDS限定のダッフィーのぬいぐるみは今やグッズ販売の稼ぎ頭。11年夏には一緒に写真撮影などができるアトラクションが登場し、今回の正月イベントではミッキーと並ぶ主役に躍り出た。その評判は海を渡り、香港ディズニーランドが導入。米国のディズニーランド・リゾート(カリフォルニア州)やウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(フロリダ州)も『逆輸入』している」。

また夏のイベント「ディズニー夏祭り」は「日本の伝統的な夏祭りをディズニー流に演出したイベントは話題この演奏などに合わせ、キャラクターがダンスを披露。ちょうちんや旗で飾り付けた園内ではお面やうちわなど夏祭りの定番グッズを販売し、お好み焼きやかき氷も用意する」。

「TDLの建設・運営に関し、米ディズニーと基本合意したのは1979年。以来、オリエンタルランド(OLC)は米ディズニーを手本にしてきた。その姿勢を見直し、テーマパーク運営で独自色を打ち出すようになった背景には日本の消費者の変化がある」「参加型の企画」が求められているそうです。

こうして日々独自に進化を続けるTDRは、国内の他のアミューズメント施設のように、入場客の減少を外国人客で補う必要などなさそうです。いまやTDR発の企画が海外に「逆輸入」されるほどなのですから。すごいことですね。

※ちなみに、2013年は国内のテーマパークに多くの東南アジア客が訪れたようです。

テーマパーク、東南アジア客をつかむ
http://inbound.exblog.jp/22017310/

【追記】
この記事は3年前に書かれたものです。最近の報道によると、2015年のTDRの外国人比率は6%になっているそうです。またTDRの入園者数は伸び悩んでいて、代わりに大阪のUSJが好調といいます。

上海では6月中旬、いよいよ上海ディズニーがオープンします。

今年6月にオープンする上海ディズニーの公式ショップを覗いてみた
http://inbound.exblog.jp/25579060/

(2016.4.11)
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# by sanyo-kansatu | 2013-07-24 17:58 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)