ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 10月 13日

どんな紅葉ツアーが外国人に人気なのか?

ここ数年、秋に日本を訪れる外国人が増えているという話を前回しました。増えている理由のひとつが紅葉です。

日本を訪れる外国人観光客は春より秋のほうが多いって知ってましたか?
http://inbound.exblog.jp/27325956/

では、彼らはどこでどのように紅葉を楽しんでいるのでしょうか。

旅行大手のクラブツーリズムは、2009年から外国人向けの国内バスツアーを催行しています。
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CLUB TOURISM YOKOSO Japan Tour
http://www.yokoso-japan.jp

同社は、東京、名古屋、大阪、九州、広島、北海道発の各種紅葉バスツアーを催行していて、ピークシーズンは10月下旬から11月にかけてだそうです。大半の商品は日帰りツアーです。

どこの国が多いかというと、トップは断然香港で、次いで台湾、シンガポール、マレーシア、タイ、最近はインドネシアの人が増えているそうです。一方、中国本土客は少なく、5%にも満たないとか。

同社はこれらアジア客をメインとした20万人のメルマガ会員がいて、季節に合わせて変わるツアーのリピーターも多いようです。

同社の担当者によると「以前は中華圏の旧正月時期や4月~5月が圧倒的に多く、秋は閑散期だったが、ここ数年はすごい勢いで増えている」といいます。実際、10月~12月のツアー客数が年々倍々ゲームで、なんと2017年10月~11月の予約数は前年同月比200%前後、12月は300%強。

なかでも最も人気があるのが、商品名が英語・中国語ともに、とても長いのですが、要するに、河口湖への日帰りツアーです。これは外国人専用ツアーで、英語や中国語のわかる添乗員が同乗します。
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Departure guaranteed! Mt. Fuji & 5-Storied Pagoda "Arakurayama Sengen Park"・Sagamiko Illumillion・Koro-kaki no Sato (Village of Dried Persimmons)・Autumn Leaves in Lake Kawaguchi
全日程保證出發! 富士山&新倉山淺間公園 五重塔・相模湖霓虹燈秀・曬柿子之里・河口湖賞楓
http://www.yokoso-japan.jp/en/05522.html
http://www.yokoso-japan.jp/tc/05522.html

日程はこうです。ツアー料金は、大人8900円、子供8600円、幼児5000円です。

ホテルグレイスリー新宿(8:10発)→新宿ワシントンホテル(8:30 発)→<首都高・中央道>→(10:00)シャトー勝沼(10:30)【買い物・試飲30分】→ころ柿の里(10:50)【散策】→信玄館(12:20 )【昼食】→(13:30)新倉山浅間公園(14:40)【散策70分】→(15:00)河口湖(16:00)【紅葉鑑賞60分】→<中央道>→(17:00)さがみ湖プレジャーフォレスト(18:00)【イルミネーション鑑賞60分】→<中央道・首都高>→新宿(19:00予定)

担当者によると「このツアーは、メインビジュアルに新倉山浅間神社を置いています。『五重塔と富士山と紅葉』という外国人が好む風景が組み合わさったもの。紅葉そのものというより、新倉山浅間神社の富士山ビューで人気を博しているものと考えます。またこのツアーは、昼食に松坂牛のローストビーフとほうとう鍋をつけています。これも人気の要因のひとつです」。

ツアー客たちが紅葉を楽しむうえでの最も重要なポイントは「紅葉を背景に自分の写真を撮ること」。それだけに、バックに富士山と紅葉、さらには五重塔まで入れることで、日本的な情緒を濃厚に伝える3点セットを丸ごと写真に収められること、そこに自分が主人公として映り込むことができる。それが河口湖ツアーが人気の理由だと思います。

実は、HISでも同じような外国人向けバスツアーを催行しています。HISのインバウンド担当者のイチ押しツアーは、クラブツーリズムと同じ河口湖への日帰りツアーでした。

でも、中身はちょっと違います。
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英語:Mt.Fuji Autumn Leaves Light-up Festival & Shosenkyo Gorge Bus Tour!(※英語添乗員付)
日本語:山梨の紅葉いいとこどりっ☆昇仙峡と河口湖もみじ回廊ライトアップ&ラストシーズン!秋めく富士山五合目
http://www.hisgo.com/j1/Contents/OptionalTour/DetailOptionalTour.aspx?TourCd=TYO1166&lang=en
(日本語:https://bus-tour.his-j.com/tyo/item/?cc=A1041

コースはこうです。ツアー料金は7990円~8490円。

新宿発→昇仙峡(秋めく渓谷美を観賞)→影絵の森美術館(世界初の影絵美術館で光と影のアートを鑑賞)→富士山五合目(ラストシーズン!標高2,305mの絶景散歩)→富士河口湖紅葉まつり(幻想的な河口湖もみじ回廊ライトアップの観賞)→新宿

HISの担当者によると「ポイントは何といっても、幻想的な河口湖もみじ回廊のライトアップをご覧になって頂けること。訪日旅行者に定番人気の富士山5合目や、今後人気が出てきそうな昇仙峡や影絵の森美術館など最新のスポットを入れております」とのこと。
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ちなみに、このバスツアーは日本人客と外国客の混乗です。11/5、11/11、11/19は、英語を話せる添乗員が同乗するそうです。実は、クラブツーリズムの場合も日本人と外国人が混載するツアーと外国人専用のツアーがあります。

このツアーのハイライトである「もみじ回廊」を訪ねる目安は16:40~17:00頃。滞在時間は約1時間~1時間半です。

このツアーは、HISの外国客向けサイトのhisgoや同社が運営する原宿の観光案内所(H.I.S. HARAJUKU Tourist Information Center)で販売しています。

hisgo
http://www.hisgo.com

H.I.S. HARAJUKU Tourist Information Center
https://www.his-j.com/japan-tourist/tyo/

どちらのツアーも1万円を切る手頃な料金で、日本人も普通に参加しても十分楽しめるし、実際、日本人と外国人が一緒にバスに混載する点も面白いと思います。いまや日本人も外国人と一緒にバスツアーを楽しむ時代なのです。

日本の旅行会社は、もう30年以上前から国内客向けに格安なのにコンテンツはボリューム満点、多種多様なバスツアーを季節ごとに催行してきました。その資源を、インバウンドの時代になって、そのまま外国客向けに提供したところ、アジア客にもウケたという話です。日本人が感じるお得感は、彼らも理解できるのでしょう。

ただし、クラブツーリズムの担当者によると、欧米客への訴求は同じようにはいかないとか。旅に対する考え方が違うせいなのでしょうが、この値段でこれだけ中身の充実した体験ができるのは彼らにとっても悪い話ではないと思います。PRの方法を考えるともに、欧米客にも好まれる商品の形とはどういうものなのか、検討する必要がありそうです。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-13 18:15 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 09月 14日

サハリンの自由市場(バザール)でコリア系や中央アジア系の人たちに会う

ユジノサハリンスクの自由市場(バザール)に行きました。
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駅からレーニン通りを左に向かって10数分ほど歩いた先の左手の路地に入った場所にあります。
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メインのプレハブの建物の中は、間仕切りされていて、日常雑貨や衣料、肉、魚、野菜、香辛料、各種食材を扱っています。面白いのは、売るものによって民族が異なっていることです。
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この肉屋はコリア系の男性が経営しています。とても人懐っこくて気さくなおじさんで、ソウルの市場にでもいるみたいです。
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衣料や女性モノのコーナーも韓国系の人たちが大半でした。
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瓶詰めや調味料、お菓子などを売っているこの店もそう。
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キャンディーやチョコは量り売りです。一部のチョコはサハリン製と思われます。
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サハリンではいまも日本時代の製糖工場でチョコレートをつくっています
http://inbound.exblog.jp/26967895/

プレハブの外にもいろんな売り場があります。いわば場外市場で、果物を売るのは、中央アジア系の人たちです。
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中央アジア3人組。こういう光景は中国でもよく見られますが、その場合は新疆ウイグル地区の少数民族。ここではもっと西の中央アジアの人たちです。彼らは戦後、労働者としてずいぶんこちらに送り込まれてきました。自ら移住してきた人もいるでしょう。
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ナッツやナツメ、ドライフルーツも彼らの担当です。
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3人組のリーダーらしきおじさんを記念撮影。はにかむ表情が人のよさを感じさせます。
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場外市場で中央アジア系の売り手にコリア糸とロシア系のおばさんというふたりの客のスリーショット。これはサハリンらしい光景です。
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赤カブを売っているコリア系のおばさんは、「一口食え」と水洗いした赤カブを手渡してくれました。少し苦味が利いておいしいです。
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魚の売り場もコリア系のおばさんでした。
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これは北海道でも捕れるキュウリウオの燻製です。サハリンの酒好きの手軽なつまみで、ビールによく合います。
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こっちの人は魚を燻製にして食べるのが一般的のようです。カニやイクラの瓶詰めもありました。
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サハリンでは、少数民族ゆえに貧しい、虐げられているというような、かつてのネガティブなイメージはなく、レストランや食材加工、市場などの食に関わるビジネスは韓国系が広く握っていると聞きます(一部の食材は中央アジア系の人たちであることは、いま見てきたとおりです)。

彼らは気さくで日本人にもあたりが柔らかいです。写真もけっこう自由に撮らせてくれますが、中には恥ずかしがって逃げてしまうおばさんもいました。

これは思うに、サハリンには華人がほとんどいないので、コリア系の人たちが東南アジアにおける華人の役割を担っている印象です。戦後直後のスターリンの時代には相当辛酸をなめたことでしょうが、ソ連が崩壊し、自由経済に変わっていく中で、資源ビジネスなどはロシア系が牛耳るとしても、それ以外の生活に関わる領域は、辛抱強くまじめに働く韓国系の人たちが商うことになっていったのでしょう。

ロシアメディアによると、「4万人強からなるの朝鮮人コミュニティのほとんどのメンバーは、ロシアの市民権を持ち、島の文化的生活および社会に完全に融合している」といいます。それはパッと見た印象にすぎませんが、本当だと思います。

この記事の中には意外なエピソードが紹介されています。ある「朝鮮系住民(女性)」は「自分を見つける」ためにモスクワとソウルに暮らしたものの、「韓国ではあまりにもロシア人的、モスクワではあまりにも韓国人的(とみなされた)」ため、サハリンに戻ったといいます。彼女にとって多民族的な社会であるサハリンがいちばん暮らしやすいというのです。

サハリンの朝鮮系住民たち(RUSSIA BEYOND2015.5.27)
https://jp.rbth.com/arts/2015/05/27/52985

今回、うまく探せませんでしたが、タラバガニなどを扱う市場もあります。サハリンの市場には、日本にはない食材も多く、必ず訪ねてみたい場所です。
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by sanyo-kansatu | 2017-09-14 09:11 | 日本に一番近いヨーロッパの話 | Comments(0)
2017年 08月 11日

032 中国側から見たノモンハン大草原

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中国内蒙古自治区のハイラルから南へ約200km。モンゴル国との国境地帯は草原がどこまでも続く。国境線に近い街道沿いにノモンハンと呼ばれる村がある。1939年5月から8月にかけて、当時の満洲国とモンゴル国の国境紛争から起きたノモンハン事件の舞台である。(撮影/2016年7月)

※国境を告げる看板には中国語とモンゴル語で「国境を越えるべからず」と書かれている。


ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう(中蒙国境(中国内蒙古自治区・モンゴル) 編)
http://border-tourism.jp/ch-mo-ne-mo/
Facebook:ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう
https://www.facebook.com/bordertourism.jp/
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by sanyo-kansatu | 2017-08-11 20:52 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 07月 22日

羽田国際ターミナルは、深夜便の増加で外国客でごった返している!

羽田空港国際ターミナル、午前0時前。静まり返った国内線ターミナルとはまったく対照的に、外国客でごった返していました。これは今年3月のことです。
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2010年の国際ターミナル開港以降、徐々に進んできたことだと思いますが、特にここ数年、アジアからの国際線の深夜便が増加したためです。

その日、ぼくは午前2時10分発のピーチアビエーションの上海便に乗るため、羽田空港に向かっていました。浜松町からモノレールに乗るとき、それほど乗客は見かけませんでしたが、国際ターミナル駅を降り、2階の到着ゲートに着くと、そこは昼間のにぎわいと変わりません。

この時間に到着ロビーにいるのは、深夜に羽田に着いて、ここで夜明かしして朝になったら都内に向かう人たちなのでしょうか。
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ヒジャブで頭を覆ったムスリム系の女性ツーリストもけっこういます。
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羽田深夜便はアジア路線が多いせいか、東南アジア客の姿が多いように見受けられます。
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3階の出発ターミナルに向かう前に、ぼくはいったん1階の一般車降り場を訪ねることにしました。なぜなら、ある人から「中国客を乗せた白タクが乗り付ている」と聞かされていたからです。

本当でした。
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そこには、タクシーもいましたが、多くは営業用ではないワゴン車で、よく見ると、中国客が降りてきました。彼らと一緒にぼくはエレベーターで3階に上りました。
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出発ロビーも、昼間のような混雑でした。フライトを待っているのか、ソファに寝ている乗客もいます。
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大きな荷物をカートに載せた中国客もいます。

4階の江戸小路に行くと、大半の店は閉店していましたが、横になっている乗客もいます。スーツケースに白いタグが付いていることから、出発客ではないことがわかります。ここで夜を明かすのでしょう。
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ひとまずぼくはピーチのチェックインカウンターに並びました。深夜便はそこそこ混雑しているようです。
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この日、上海便は他にも、上海航空や中国系LCCの春秋航空の3便がありました。どの便も混んでいるようです。この曜日は運航していませんが、中国系の吉祥航空の深夜便もあります。吉祥航空は、LCCではなく、フルサービスキャリア(「格安レガシー」という位置づけらしい)なので、LCCのような厳しい手荷物制限がなく、利用価値がありそうです。
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訪日中国人がこれほど増えた理由のひとつに、羽田をはじめとした格安の深夜便が増えたことがあるといえるでしょう。
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ところで、中国路線は上海便だけではありません。この日、山東航空の済南便や海南航空の北京便もありました。

海南航空のチェックインカウンターの前で、スーツケースに日本のドラッグストア商品を詰め込んだ(おそらく運び屋さんでしょう)男性客がいました。爆買いは終わったというけれど、誰かに頼まれたら買って帰らないといけないのでしょう。彼は旅行客ではなく、日本在住の中国人ではないでしょうか。
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出国審査をすませ、出発ロビーに行くと、免税店は営業していました。これだけ中国客がいるのですから、店を閉めない手はないのでしょう。
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乗客も多くは中国人ですが、接客をしているスタッフも多くは中国系のように思われました。
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買い物かごいっぱいに、お土産のお菓子やチョーヤの梅酒を買い込んでいます。
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アリペイやWeChatPayの支払いも対応しています。

ここはピーチの上海便のロビーです。さすがに、みなさんお疲れモードです。隣は、同じくピーチのソウル便で、こちらには日本人の若い女性のグループなどもいましたが、上海便は日本客より中国客のほうが多そうです。
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時間があったので、上海航空や山東航空の出発ロビーに行ってみましたが、こちらはほぼ全員中国客です。
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そうこうするうちに、2時が近づき、いよいよピーチに乗り込むときが来ました。
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さて、以下の時刻表(一部抜粋)は「東京国際(羽田)空港 国際線時刻表 International Flight Schedule (2017.07.01-2017.07.31)」 より、午前0時以降の深夜便を抜き出したものです。

●ソウル(仁川)
MM809 | 0155 | 0420 | | 毎日
KE720 | 0200 | 0430 | JL5257 | 毎日
●香港 Hong Kong(HKG)
UO0623 | 0025 | 0400 | | 毎日
NH821 | 0055 | 0430 | UA7931 | 月, 金, 土, 日
KA397 | 0155 | 0535 | CX5397 | 毎日
UO0625 | 0635 | 0955 | | 毎日
●上海(浦東) Shanghai Pudong(PVG)
9C8516 | 0130 | 0340 | | 月, 火, 木, 土
HO1386 | 0150 | 0410 | | 月, 水, 金
FM836 | 0200 | 0435 | | 月, 木, 土
MM899 | 0245 | 0500 | | 火, 木
   | 0250 | 0505 | | 月, 水, 金, 土, 日
●天津 Tiangjin(TSN)
GS7990 | 0130 | 0355 | | 火, 水, 金, 日
BK2990 | 0300 | 0600 | | 木, 日
●北京 Beijing(PEK)
HU7920 | 0200 | 0445 | | 月, 木, 土
●台北(桃園) Taipei Taoyuan(TPE)
IT217 | 0530 | 0810 | | 毎日
MM859 | 0555 | 0825 | | 毎日
●シンガポール Singapore(SIN)
JL035 | 0005 | 0615 | UL3335/QF4026/AA8487 | 毎日
NH843 | 0020 | 0630 | AC6228/SQ5905/UA7991 | 毎日
●バンコク Bangkok(BKK)
TG661 | 0020 | 0450 | NH5965 | 毎日
NH849 | 0030 | 0500 | AC6273/TG6106/UA8003 | 毎日
JL033 | 0040 | 0500 | UL3357/PG4152 | 毎日
●ホーチミンシティ Ho Chi Minh City(SGN)
JL079 | 0125 | 0515 | AA8493 | 毎日
●マニラ Manila(MNL)
PR423 | 0115 | 0450 | NH5331 | 月, 木, 金, 土, 日
●オークランド Auckland(AKL)
NZ092 | 0100 | 1440 | NH7970 | 月, 木, 土
●フランクフルト Frankfurt(FRA)
NH203 | 0050 | 0600 | LH4921 | 毎日
●ドーハ Doha(DOH)
QR813 | 0001 | 0550 | JL7999 | 土
   | 0001 | 0510 | JL7999 | 毎日
●ドバイ Dubai(DXB)
EK313 | 0030 | 0615 | JL5093 | 毎日

※東京国際(羽田)空港 国際線時刻表 International Flight Schedule (2017.07.01-2017.07.31) 2017年06月12日現在 より
http://www.haneda-airport.jp/inter/flight/pdf_list/flight_schedule.pdf

実際には午前0時前、22時以降の便として、上海便(NH967|2230)、クアラルンプール便(NH885|2330/D7523|2345)、シドニー便(QF26|2200/NH879|2210)、ホノルル便(HA856|2355)、ロサンゼルス便(NH106|2255)、パリ便(AF293|2255)などもあります。この時間帯の国内客の利用が終わった国内線ターミナルの閑散とした状況とはまったく別世界となっているのは、そのためなのです。

羽田深夜便、ピーチの上海便に乗ると見えてくる上海人の訪日事情
http://inbound.exblog.jp/27005226/
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by sanyo-kansatu | 2017-07-22 21:08 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 05月 02日

伊豆下田でよく見かけたインド人ツーリスト、なぜここに?

連休の前半、友人で作家の岡崎大五さんの住む伊豆下田に行ってきました。
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岡崎大五の作家生活
http://daigo-okazaki.cocolog-nifty.com/

いくつか面白いことがあったのですが、なかでも興味深く思ったのは、下田でインド人ツーリストをあちこちで見かけたことです。子供連れのファミリーインド人も多いです。
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この時期、サーファーだらけの白浜ビーチでは、下田駅行きの路線バスに突然乗り込んできたインド人の青年5人組と同乗しました。話を聞くと、彼らはインド南部のバンガロールから来たバックパッカーで1ヵ月日本を旅するそうです。バスの車窓から白浜ビーチが見えたので、昔行ったインド旅行のことを思い出して「このビーチ、ゴアみたいでしょう?」と聞いたら、「まだ自分は行ったことない」と言われてしまいました。彼らはこれから伊豆急行に乗って伊豆半島の西部を旅すると話してくれました。
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インド人バックパッカーが日本を旅する時代になったのですね。ぼくも若い頃にバックパックを背負ってインドを旅したことがあるので、とても感慨深いものがあります。
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下田駅では、伊豆急行に乗ってきたふたりの子連れのインド人ファミリーがホームを歩いていました。1854年に日米下田条約を締結した了仙寺の前でも、ベビーカーを押してきたふたりの小さな子連れファミリーが休んでいます。もっとも、彼らはインドから来た旅行者ではなく、首都圏在住のインド人なのではないかと思われます。
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連休の合間の平日だったせいか、下田の町には日本人客は少なく、インド人以外では、欧米人ファミリーや日本人女性と欧米人のカップルなどが目につきました。日本を訪れる外国人の2人に1人を占める中国語圏の旅行者はほぼ見られません。地元の関係者に聞くと「数年前までは河津桜を見に来る中国の団体バス客が多かったが、最近はめっきり減った。いまは個人の富裕層に変わった」とのこと。

毎年2月上旬から約1ヵ月間咲き続ける河津の桜は、春を先取りし、見ごろ期間がソメイヨシノと違って長いため、数年前まで中国をはじめとしたアジアの団体客がどっと押し寄せていました。団体ツアーを催行するアジアの旅行会社にとって、日本桜ツアーを銘打ってお客さんを集めたのに、年によって桜の開花時期が変わるのは悩みの種でした。その点、河津桜はハズレの少ないことから好都合だったのです。ところが、アジア客の団体から個人への移行にともない、バスで南伊豆を訪れる外国客は減ってしまったのです。おそらくこのときの大挙して現れた中国客のイメージが強く伊豆在住の人たちの記憶に残っているのでしょう。

伊豆河津桜まつり情報局
http://www.kawazuzakura.net/

下田に来る前に熱海で途中下車したのですが、駅前の観光案内所の隣の外国人向けボランティアの皆さんに話を聞くと、熱海を訪れる外国人はまだ少なく、たいてい中国人、いや実際には台湾人(そう言い直しておられました)がほとんどだそう。台湾の人たちは日本人が遊びに行く場所を好んで訪ねる人たちですから、熱海にも現れるのですね。実際、熱海の駅前の商店街は、この時期、まるで昭和のレジャー時代を思い起こさせるような、気取ったところのないにぎわいにあふれていました。

一方、先ほどの下田の関係者が言うように、欧米やインド系の個人客が「富裕層」といえるかどうかはあやしいところですが、いま伊豆半島の南端に位置する下田を訪れる外国客は、台湾や中国の人たちではなく、欧米人をメインとした個人や家族のようです。

ではなぜインド人ツーリストは下田を訪れているのでしょうか。

それは、彼らが、微信などの中国語圏のSNSとはまったく異なる情報ソースを頼りに旅しているからです。彼らの頭の中は、東アジアからではなく、欧米の英語圏から届く情報がつまっているのです。

以前、日本に来たムンバイの旅行会社のインド人に日本旅行の特徴について話を聞いたことがありますが、彼らの日本ツアーは欧米の人たちに近いコースをたどります。その一つのポイントが、中国人はほぼ訪れない広島の原爆ドームの訪問です。

インド人の日本旅行の訪問地が東京・大阪プラス広島の理由(アセアン・インドトラベルマート2014その2)
http://inbound.exblog.jp/22757002/

たとえば、下田市にある「和歌の浦遊歩道」は、フランスの旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で2つ星を獲得しているそうです。

和歌の浦遊歩道
http://shimoda100.com/event/walking-shimoda-park-2011/

世界的に有名で欧米人はたいてい手にしているガイドブックシリーズのロンリープラネットも、伊豆半島のことを詳しく説明しています。その点を地元紙ではこう指摘しています。

伊豆の今=五輪・パラ絶好の機会 取り込め世界の個人客―伊東(伊豆新聞2017年01月13日)
http://izu-np.co.jp/feature/news/20170113iz0003000002000c.html

「“バックパッカーのバイブル”の異名で知られる「ロンリープラネット」(英語版)は、旅行ガイドブックの世界シェア・ナンバーワン。欧米を中心に英語圏から来る個人旅行者の利用率が非常に高いという。2015年発売の最新刊では熱海、伊東、下田、修善寺、松崎など伊豆各地区の観光ポイント、宿泊施設、飲食店などを詳しく掲載している」。

2016年に日本を訪れたインド人は12万3000人(JNTO推計値)で、中国、台湾、香港を合わせた中国語圏の総数約1240万人のわずか100分の1にすぎません。今年に入っても、1~3月統計で前年度比8.4%増というくらいですから、インド人観光客がすごく増えているとはいえません。

そうだとしても、下田に限らず、それぞれの地域は固有の魅力と地の利と歴史があり、それを基準に外国人は旅行先を選んでいるわけです。地域によってどの国の人たちと相性がいいか、悪いかというのはあって当然です。数年前まで河津の桜が中国団体客を惹きつけたことは、むしろ一時的な現象だったといえそうで、その理由は先ほど述べたとおりです。

次に、今回あらためて知った下田のユニークな歴史とインバウンドの関係を考えてみたいと思います。

伊豆下田のユニークな歴史が持つインバウンドの可能性と気になる2、3のこと
http://inbound.exblog.jp/26831205/
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by sanyo-kansatu | 2017-05-02 13:23 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 04月 24日

「おいしい生活」は誰のもの? PARCOの前をベビーカーで歩くアジアからの観光客

昨日の夕方、池袋駅に向かって歩いていたら、双子の赤ん坊を乗せたベビーカーを押して歩くアジア系のファミリー旅行者の姿を見かけました。
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いまどき、特に珍しい光景でもないのですが、それがPARCOの前だったので、ふといろんなことを思い出してしまいました。

PARCOといえば、1980年代初頭、コピーライターの糸井重里さんの「おいしい生活」なる広告文に過剰なまでの意味が込められ、話題となった象徴的なスポットです。

糸井重里「おいしい生活」☆1980年代、西武池袋本店
https://middle-edge.jp/articles/lmVTC

当時は日本がバブル経済に向かう助走期のような時代でした。個人的には、この種の騒ぎを不機嫌かつ冷ややかにみつめていた自分ですが、それから30年以上たち、アジアから来た観光客が同じ場所で「おいしい生活」を満喫する光景を見かけることになるとは、さすがに思ってもいませんでした。そのことに気づき始めたのは、せいぜい21世紀に入ったばかりの頃です。

「おいしい生活」は、富裕層や特権階層ではなく、いわゆる一般「大衆」からなる社会が「総中流化」したとの「幻想」に多くの人が浸れる時代の到来を意味していたはずです。今日の中国やアジアの国々が、1980年代当時の日本ほど「総中流化」しているとは思えませんが、国単位でみたGDP比率は大きく変わり、アジアの国々でも、そこそこの割合の人たちが「中流化」し、アジアの近隣諸国だけでなく、日本へ海外旅行ができるようになったことは確かです。

彼らが大挙して日本に旅行に来てくれるという程度のことで、今後急ピッチで高齢化が進む日本社会の地盤沈下を押しとどめるには至らないのかもしれませんが、だからといて指をくわえているだけなんて。これを活かさない手はありません。そんな彼らの存在とその意味を考えることは、当ブログの一貫した関心事です。
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by sanyo-kansatu | 2017-04-24 16:31 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2017年 03月 16日

日本を訪れる韓国人観光客が中国客を追い抜く勢いで増えています

昨日、恒例の日本政府観光局(JNTO)による「訪日外客数(2017 年2 月推計値)」が公表されました。

◇ 2 月 : 前年同月比7.6%増の203 万6 千人
http://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/170315_monthly.pdf

これによると「2017 年2 月の訪日外客数は、前年同月比7.6%増の203 万6 千人。2016 年2 月の189万1千人を14 万人以上上回り、2 月として過去最高となった」とあります。
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今回特筆すべきは、これまで2桁の伸びを続けていた訪日客数全体の前年同月比の伸び率が1桁に留まったこと。昨年がうるう年で1日減ったせいもあるとJNTOは言っていますが、台湾や香港、シンガポール、マレーシアは久しぶりに前年割れしています。英仏もそうです。訪日旅行市場はそろそろ頭打ちが近づいているのでしょうか? 

その一方、インドネシアからの訪日客が伸びています。ビジャーブを被るムスリム女性の姿を最近、よく見かけるようになったのも、こういうわけがあったのです。
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↑先日羽田国際ターミナルで見かけたムスリム系ツーリストたち

そして、訪日客のトップが中国から韓国に入れ替わったことも特筆すべきでしょう。

訪日韓国人数はわずか2ヵ月間で「1,225,400人」。前年比で「21.8%」も伸びています(一方、ここ数年トップだった中国は「1,139,700人」、前年比「17.0%」増と、こちらもまずますです)。
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いま韓国の旅行市場は大混乱となっています。中国からの団体旅行が急停止しているからです。

今日から中国人の韓国旅行がストップします(まったくひどい話ではないか!) (2017.3.15)
http://inbound.exblog.jp/26720093/

中国の旅行禁止措置 業界と自治体は活路模索に懸命=韓国 (聨合ニュース2017/03/14)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2017/03/14/0500000000AJP20170314001400882.HTML

にもかかわらず、日本を訪れる韓国人観光客が空前の勢いで増えているのです。これはどうしたことでしょう。

JNTOのリリースでは、韓国客急増について以下のように分析しています。

「韓国は、前年同月比22.2%増の600,000 人で、2 月として過去最高を記録。韓国のアウトバウンド全体が増加傾向にある中、航空路線の拡大や訪日旅行商品の販売拡大・低価格化もあり、20%を超える好調な伸びを示した。当初、前年は2 月にあった旧正月(ソルラル)休暇が本年は1 月末に移行したことによる訪日者数の伸び悩みが懸念されたが、前年同月より約10万人増加し、これにより20 市場の中で訪日者数が最多となった」

でも、この説明からは、なぜ「韓国のアウトバウンド全体が増加傾向にある」のか、「20 市場の中で訪日者数が最多となった」理由については、よくわかりません。

今年の訪日旅行市場であらたに注目すべきは、韓国人観光客の動向といえそうです。なぜこれほど日韓関係が悪化しているこの時期、彼らは日本を訪れるのでしょう。こういうことなら、久しぶりに韓国に足を運んでみようかと思っています。

一方、韓国に客を送らなくなった中国からも多くの観光客が日本に来そうです。こうなると、ますます中韓両国の訪日旅行市場に占めるシェアが高まることになり、これはこれで気がかりといえなくもありません。訪日客の国別シェアは適度なバランスが大切で、特定の国、しかも相手と政治的に問題を抱えている場合、変動も大きく、リスクをともなう面があるからです。

まったくいつ何が起こるか、どう変化していくのか先が読めない。それが日本のインバウンド市場の難しさであり、面白さであるといっていいと思います。

【追記】
2017年7月、訪日客トップは中国が返り咲き。でも、中国客の伸びの減速は明らか (2017年08月18日)
http://inbound.exblog.jp/27057304/


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by sanyo-kansatu | 2017-03-16 11:51 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 12月 28日

パクリ疑惑の上海「大江戸温泉物語」は笑えるけど、中国にはもっと面白くて刺激的な日本式温泉がある

先日、ネット上にお台場にある「大江戸温泉物語」のパクリ施設が上海にオープンしたとの疑惑告発記事が載りました。

上海の温浴施設にパクリ疑惑 「大江戸温泉物語」そっくり 日本側は関係否定、中国側は「調印済み」主張(産経ニュース2016.12.24)
http://www.sankei.com/world/news/161224/wor1612240041-n1.html


中国上海市の宝山区にオープンした温浴施設をめぐり、日本国内で温泉旅館などを運営している「大江戸温泉物語」(東京都)の店舗の模倣ではないかとの疑惑が浮上している。上海の温浴施設は同じ名称を使い、店舗の外観も酷似している。

日本の同社は「海外のいかなる企業や団体とも資本提携、業務提携は行っていない」と上海との関係を否定した。

一方で、上海の運営会社「上海江泉酒店管理有限公司」では、「2015年11月に中国での名称使用を授権した契約に調印している」などと強硬に反論しており、今後、日中双方のトラブルに発展しそうだ。

上海の運営会社は、日本の「大江戸温泉物語株式会社」が発行したとする日本語と中国語で併記の「公認証明書」も公表。「18年10月まで公認ビジネスパートナー」と主張している。
中国版のツイッター「微博」に開設された公式サイトによると、入館料は大人1人が138元(約2300円)。名称のロゴや大浴場、レストランや漫画が読める畳敷きの部屋まで、東京都江東区にある「東京お台場・大江戸温泉物語」にそっくりな作りという。


大江戸温泉物語
http://www.ooedoonsen.jp/

上海で人気の日本のスーパー銭湯「極楽湯」(これは本物)を訪ねたことがあります。若い女性を中心ににぎわっていたので、いまの中国では日本の温浴施設が広く受け入れられているのだなあと思いました。だから、新たに浮上した「パクリ疑惑」だなんて、いかにも中国らしい話です。

上海の「極楽湯」はありがたい存在だけど、料金は「日本の3倍」の意味するもの(2016.6.24)
http://inbound.exblog.jp/25944594/

すると、数日後には現場を検証するこんな記事が出てきたので、やれやれと思いました。

パクリ疑惑の上海「大江戸温泉物語」に行ってみた
「日本人が指導にやって来た」と主張する従業員(JB PRESS2016.12.27)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48789

このルポ!?では、実際に上海の「大江戸温泉物語」に行って、お風呂や食事などのクオリティを日本人の感覚に照らしてあれこれ評価を下していますが、どうやらまずまずのようです。

とはいえ、最も基本的なつっこみをするとすれば、上海市内に「温泉」が出るとは思えないことです。地中を何千メートル掘ったとしても。そうでないのに「温泉」を名乗ることに、この施設の弱みがあります。

それもそうですが、さらにおかしいのは、日中双方の関係者が「業務提携」をめぐって対立していることです。この記事では、上海側に(正式な取材とも思えないのですが)その点を問い質しています。記事にはこうあります。

「その従業員によると、オープン前に中国側の従業員12人が東京へ研修に赴いており、また東京からも日本人が従業員の指導に上海に来ていたといいます。「提携について双方の現場は把握していたが、幹部層が知らなかっただけではないのか?」という見解を述べていました」

この発言はいかにも中国人らしくて、つい声を出して笑ってしまいました。こういう言い方するんですよね、彼らは。

筆者はその後、日本の熊本県庁くまもと商標推進課に上海の大江戸温泉物語でくまモングッズが販売されている件について電話取材を行ったそうです。

「最初に尋ねたのは、当該施設の売店内に展示されていた、日本語で書かれたくまモングッズの商品販売委託契約書についてでした。その契約書中には、熊本県庁から販売が許諾されているという日本の業者名が書かれてありました。その日本の業者に対して熊本県庁は実際にグッズの取り扱いを許諾しているのかを確かめたところ、その点については事実で間違いないという回答が得られました。

ただし、その担当者は、「(県庁が)問題視しているのはグッズ販売ではなく、当該施設の内装にくまモンのデザインを使用している点です」と述べました。中国側の業者に対して許諾は出しておらず、現在も抗議を行っているとのことでした」

「施設の内装にくまモンのデザインを使用している点」に抗議? でも、いまの中国人でこの種の抗議に聞く耳を持つ人はいるのでしょうか。大いに疑問です。

さらに、筆者は商標使用権問題の当事者である日本の大江戸温泉物語に電話取材を行っています。

「同社は既に12月22日付で「いかなる海外企業との資本・業務提携を行っていない」という発表を行っています。そこで筆者は、従業員との話に出てきた、中国側従業員の研修を受け入れたという話が事実かどうかについて尋ねてみました。すると同社からは「22日の発表の通りです」という回答しか得られず、否定も肯定もはっきりとは行われませんでした」

あれっ? これはどういうことでしょう。そして、記事はこう結ばれます。

「筆者の企業取材の経験から述べると、何かしらあったのではないかと疑わせるような対応と言わざるを得ず、案外、話を聞いた従業員の言っていた通りなのではないかという可能性も否定できません。この件については双方の対応をもっとじっくり見続ける必要があるのではないかというのが筆者個人の見解です」

このしりきれトンボ的な記事を読んで最初に思ったのは、これに類することは、これまで日中間で数え切れないくらい起きていただろう、ということです。

たとえば、これは商標使用権問題ではないのですが、日本の100円ショップそっくりの中国版<10元ショップ>の「メイソウ(名創優品)」のことをご存知でしょうか。
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MINISO
http://www.miniso.jp/

この10元ショップ、日本のダイソーと無印とユニクロをパクったといわれています。

中国で急拡大中!ダイソーと無印とユニクロをパクったチェーン店「メイソウ」がヤバすぎる
https://matome.naver.jp/odai/2139800287435985001

敵もさる者、実際には中国企業なのに、店内に日本語表示を多用するなど、まるで日本企業の出店であるように見せているところがあざといのです。しかし、よく考えてみれば、英語やフランス語のブランドイメージを活用するのは、日本でもかつてはよくあったこと(いや、いまでもそう。いかに欧文名の企業名や商品名が多いことか)。これをパクリと言われてしまうと、みんな困ってしまうことでしょう。

もしメイソウの経営者にその点を指摘したら、「イメージ戦略として使っているだけのこと。100円ショップのオリジナルは日本なので、日本風に見せることは当然」と答えるのではないでしょうか。

上記サイトをみると、どんな商品が売られているかわかりますが、おそらく日本の100円ショップチェーンが中国でつくらせていた工場で、中国国内向けの商品を大量発注しているのではないでしょうか。要するに、彼らは日本のビジネスモデルをそのまま真似して、巨大な中国市場に打って出たのです。

ぼくは3年前上海の南京路でこの店を見かけたのが最初ですが、今夏、東北地方の田舎町でもずいぶん見かけました。

さらに、驚くべきは、この中国版10元ショップの「メイソウ」が、中国国内だけでなく、オーストラリアなど、海外市場へも展開中なのです。

日本の100円ショップチェーンが海外進出にもたもたしているうちに、日本のやり方をパクった彼らはすでに世界を相手にし始めています。こういうのを見るとき、(すべてとはいいませんが)日本企業というのはなんて残念な存在なのだろうと思わざるを得ません。なぜなら、本来自身は固有の価値を持つにもかかわらず、自らの市場価値を正確に推し量ることも、その可能性を想像することも、海外の市場の動きをつかむことも、できないように見えるからです。

話を戻しましょう。日本の温浴施設が中国で支持されていることは、上海のみならず、地方都市でも続々登場していることからもうかがえます。

今夏、ぼくは中国遼寧省の瀋陽や丹東でも、「江戸」をネーミングに採り入れた、ある意味きわどい日本式温浴施設に足を運んでいます。

たとえば、瀋陽にあるのは「大江戸温泉」といいます。

瀋陽大江戸温泉
http://www.ooedo.cn/

ここは「極楽湯」の世界そのものでした。あえて「極楽湯」と比べたのは、同施設の関係者に聞く限り、地中を深く掘った温泉だということですが、本当なのかどうか怪しい気もするからです。しかし、コストをそれなりにかけているせいか、岩盤浴などの施設は日本よりはるかにゴージャス。しかも、料金は上海の半額くらいで良心的。遼寧省の冬は寒いので、地元でも人気だそうで、今年10月、市内に2号店ができたばかりです。

そして、極め付きはこれ。丹東の「江戸温泉城」です。
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北朝鮮の町並みが露天風呂から丸見え!?  丹東の「江戸温泉城」にて(2016. 12.11)
http://inbound.exblog.jp/26446784/

上記記事を読んでもらうとわかるとおり、中朝国境最大のまち、丹東にある日本式の温泉施設で、5階の露天風呂から鴨緑江をはさんで、なんと北朝鮮の町並みが望めるのです。なんと刺激的な温浴施設でしょう。中国ならではといえます。

そして、これらの両施設はともに日本の専門業者が設計を担当しています。ですから、施設のクオリティは、少なくともハード面では日本と変わりません。あとはサービスの質をいつまで維持できるか。さきほどのパクリ疑惑がささやかれている上海の「大江戸温泉物語」も、基本的に同じなのではないでしょうか。

つまり、上海の「大江戸温泉物語」も、設計は日本の業者が担当しているのでは、と考えられます。

ですから、今回の「疑惑」に関しても、彼らに話を聞くのがいちばん早いのでは、と思うのですが、どうでしょう。
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by sanyo-kansatu | 2016-12-28 22:48 | のんしゃらん中国論 | Comments(0)
2016年 11月 30日

フィリピンでも「爆買い」!?  それは中国が観光を政治の取引に使ったという話にすぎない

昨日、ネットで以下の記事を見つけました。フィリピンを訪れる中国人観光客が増えているのだそうです。

ドゥテルテ訪中効果?中国人観光客増で”爆買い”期待(WEDGE2016年11月29日)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8321

フィリピンを訪れる中国人観光客が急増している。比中関係は2012年4月以降、南シナ海における領有権争いの問題で長らく冷え込んでいたが、ドゥテルテ大統領による10月半ばの訪中で関係が回復した。また、中国当局がフィリピンへの渡航自粛勧告を解除したことも追い風になり、今後はさらなる増加が予想されている。

フィリピン観光省の統計によると、今年1~8月の中国人観光客数は約48万4500人に上り、韓国人(約97万6400人)、米国人(約58万4100人)に次いで3番目に多かった。

フィリピンへの外国人観光客数は昨年まで、上位3カ国は韓国、米国、日本の順で長らく変わることはなかった。日本と僅差で4位につけた中国は今年、現段階で4位の日本(約36万7100人)を大きく引き離しているため、通年で中国が3位にランクインするのはほぼ確実な情勢だ。中国人観光客の前年同期比の伸び率は50%と突出して高く、2位の米国をも抜く勢いで増え続けている。

フィリピン観光省によると、中国人観光客が急増している背景には、数年前からチャーター便を利用した団体客が増えたことが大きい。300人程度の団体客が、北京や上海など、中国各地の大都市からフィリピンの有名リゾート地であるボラカイ島やセブ島へ大挙して押し寄せているという。

3泊4日のツアーで客層は中年が多く、1日当たりの出費額はホテル代込みで80ドルに上る。日本で一時期話題になった「爆買い」には及ばないが、この勢いを受けて昨年、フィリピンと中国を結ぶ便数も増え、観光客増に拍車を掛けることになった。

ドゥテルテ大統領が今回の訪中で取り付けた中国からの経済協力は240億ドル(約2兆5000億円)という莫大な額だ。この影響で中国からの観光客増はさらに見込まれるが、観光省の担当者は「これまで通りボラカイ、セブ両島だけでなく、他の魅力ある島への誘致も進めたい」と意気込む。

ただし、昨年末にはボラカイ島のホテルで中国人観光客のグループ約30人が乱闘騒ぎを起こして警察に拘束される事件が起きており、マナーという点で懸念も残されている。


この話、どう思いますか? ぼくはこれを聞いて、呆れてしまいました。なぜなら、香港、台湾、韓国でいま中国政府が何をやっているかと思うと、あからさますぎるからです。

香港、台湾に続き韓国も。中国政府が訪韓中国人観光客を20%減らすよう通達を出したそうです
http://inbound.exblog.jp/26367228/
韓国は無視? 東京で日中観光大臣会談の気になる背景
http://inbound.exblog.jp/26408250/

中国政府は、自分の気に入らない国には観光客を送るのをブレーキをかけさせ、ドゥテルテ大統領の登場で対中関係を表向き改善したフィリピンには、観光客を送るよう仕向けているわけです。

この記事では、フィリピンでも「爆買い」か!? と面白がっているのかもしれませんが、 それは中国が観光を政治の取引に使ったという話にすぎません。まったくシラけた話です。

それに、増えているのは中国の団体客です。要するに、来るのはキックバックモデルの安いツアーばかり。それを成り立たせるために、土産の大量買いが起こるのでしょうが、数年もすれば、他のアジアの国々と同じように問題も出てくることは必至です。

中国客が増えても大歓迎といえないのは韓国、台湾でも同じらしい
http://inbound.exblog.jp/23872141/

フィリピンを訪れる外国人数で、昨年まで韓国、米国に次ぐ3位だった日本は、今年中国に抜かれるそうです。もっとも、昨年フィリピンを訪れた日本人は37万人相当だったようなので、今年は日本を訪れるフィリピン人の数と変わらなくなるかもしれません(2016年1~10月の訪日フィリピン人数は前年比30.9%増の27万6500人)。

こちらは時代の変化を感じさせる話です。
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by sanyo-kansatu | 2016-11-30 14:31 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 11月 19日

中国客が挙動不審に見えてしまう理由(すでに個人比率54%というけれど)

最近、都内でも中国本土の個人客が増えてきたことを実感します。こんな記事がありました。

中国人訪日観光客の買物は次第に理性的に(人民網日本語版 2016年10月05日)
http://j.people.com.cn/n3/2016/1005/c94473-9123124.html

ビザ制度の緩和、交通の整備、日本のサービス業や商品の良い評判にともない、近年日本を訪れる中国人観光客は過去最多を更新し続けている。今年の状況を見ると、中国人訪日観光客の買物は次第に理性的になり、以前のような「爆買い」ではなくなっている。新華社が伝えた。

2015年に中国人の海外旅行者数は延べ1億2000万人で、うち499万人が日本を訪れた。中国国家観光局駐日代表処の羅玉泉首席代表は取材に「今年、中国人訪日観光客は依然として比較的高い伸びを維持し、8月まですでに延べ450万人に達した。年間では延べ700万人近くになる見通しだ」と述べた。

目薬から便座まで、カメラから腕時計まで、中国人訪日観光客は元々たくさん買い物をすることで有名で、日本語にはこうした買物を専門に指す新語「爆買い」まで生まれた。だが、今年中国人訪日観光客の平均消費額は減少した。羅氏は、円高や中国人の買物がより理性的になっていることと関係があると考える。

2015年の中国人訪日観光客の1人当たり旅行支出は28万4000円近くで、うち買物の支出は16万円を超えた。一方、訪日外国人の平均買物支出は約7万4000円だった。だが今年上半期、中国人訪日観光客の1人当たり買物支出はすでに約12万4000円にまで減少した。

羅氏によると、中国人訪日観光客の変化はこれだけではない。観光客の居住地を見ると、以前は上海、北京、広東省が中心だったが、現在は江蘇省、浙江省、天津市、四川省、重慶市、遼寧省在住の観光客が増えてきている。2015年、上海、北京、広東省在住の観光客の割合は48.8%にまで下がった。

もう1つの大きな変化は自由旅行者の割合が次第に増加していることだ。2011年には自由旅行者の割合は4分の1に過ぎなかったが、2012年には30%に近づき、2013、2014年には40%に近づき、2015年には44%に達し、今年上半期は54%まで増加した。

また、中国人観光客の訪日目的も多様化してきている。伝統的な日本の風情と文化だけでなく、より日常生活に近い体験も望んでいる。新浪微博(ウェイボー)上の「日本で何をしたいか」に関する調査では、「買物」「日本料理を食べる」「温泉に入る」以外に、和服を着ての写真撮影、花見、スキー、民宿への宿泊などが挙がった。美容、そば作り体験、AKB48の握手会などへの参加を希望する若者も多かった。


この記事では、中国客の「買物は次第に理性的になり、以前のような「爆買い」ではなくなっている」としれっと書いているところに苦笑してしまいます。あの手この手で「爆買い」を「強制終了」させたのは、誰だったのでしょう? 

中国客の「爆買い」はこうして終わった で、今後はどうなる?
http://inbound.exblog.jp/26190593/

「爆買い」騒ぎで、海外から驚きと呆れ交じりのまなざしを向けられていた中国客でしたが、それは彼らの本能のようなもの。そうなる理由もいろいろあったはずです。でも、中国メディアはそれを非「理性的」だと否定的に捉えていたのです。

では、その後彼らが買い物をしなくなったかというと、そうでもないようです。

先日も中国から友人が東京に来ていましたが、ホテルの部屋に届け物をしに訪ねると、超ビッグなスーツケースを持ってきていて、「いろいろ頼まれるので、買い物が大変」と話していました。建前上、関税がかからないようにするためには、5000元(約8万円)以内に土産代を収めなければならないのですが、そういうわけにもいかないそうで、粉ミルクやもろもろ頼まれたものは、すでに郵便局から送ったそうです。

「訪日目的も多様化」していると記事にあるように、だんだん台湾や香港、タイの人たちに交じって中国本土客もこれまでとは違うスポットに出没していくのでしょう。中国メディアは、すでに全体の54%は個人ビザ客だといっています。

それはそれで心配です。その結果、何が起きているかというと、他の国々の観光客とは違い、街中で独特の異質感を漂わせる中国客の姿が目につくようになるからです。

正直なところ、香港や台湾の人たちは日本の社会に溶け込んでいるので、なかなか外国客だと気がつかなくなっているのですが、中国客は彼ら特有のどこか挙動不審の顔つきや荒っぽい話し方、洗練からはほど遠いふるまいから、すぐにそれとわかってしまうところがあります。単に言葉の問題ではなく、台湾や香港、タイの人なら、電車の座席の隣に座って「どっから来たの?」と話しかけても、ごく普通にお互いの意思や好意が伝わり、物腰の柔らかさを感じるのですが、中国の人相手では会話もこわばり、なかなかそうならない印象があります(日本に住んでいたり、日本語を話せる中国人は別ですけれど)。

台湾人やタイ人なら、日本を楽しんでいる感じが伝わってくるのです。ところが、中国客の場合、いったいこの人たち誰? 何しに来ているの? なんとも場違いな印象を周囲に与えてしまう。そのくせ、自撮りのときだけ、派手なポージングを見せるものだから、引いてしまう。結局、「爆買い」も、いろんな人から頼まれ、たくさん買わなきゃならないという理由はわかるとしても、なぜそこまでするのか。およそ外国人からすれば、理解不能に見えたことでしょう。

もともと外国人とのコミュニケーションに慣れていないところはありそうです。中国は多民族国家ですが、少数民族は「外国人」ではないので、本当の意味での異文化に慣れていないのが実情です。中国メディアも、海外との違いをごまかしがちです。しかし、問題は彼らがそもそも外国を訪ねておきながら、内輪で固まり、その国の人たちとコミュニケーションを取ろうとしている風に見えないところでしょうか。

このままでは、彼らはますます日本社会に誤解を与えてしまいそうです。こういう自らの異質性に気づいて、中国客のふるまいや態度を一般の国並みに変えるよう勧告することこそ、中国メディアに求められるのではないでしょうか。余計なお世話かもしれないけれど、やっぱり心配です。

中国個人客の増加で電車内でのトラブルが増える予感
http://inbound.exblog.jp/26380202/
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by sanyo-kansatu | 2016-11-19 18:20 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)