タグ:アジア ( 88 ) タグの人気記事


2016年 04月 28日

タイ語版の「るるぶ情報版」を入手。これはなんと斬新な日本だろうか

休暇をとって、以前からずっと訪ねてみたかった地方のまちを旅する楽しさというのは、かけがえのないものです。国内旅行ですから、忙しさにかまけ、関心のある見どころ以外の食事や遊びの情報などは、ネットで事前にあれこれ調べる時間がなくても、新幹線駅の書店でその土地の「るるぶ情報版」をとりあえず買っておけば、ひとまず大丈夫。移動中じっくり予習をする時間はあります。

現地に着くと、さっそく地図にここぞとマーキングした見どころやおいしいと評判のお店などを訪ねてみる。すると、いまどきたいていどこでも外国人の小グループをよく見かけます。

「どうして彼らはこの店を知っているのだろう?」

その理由は、前回書いたとおりです。「るるぶ情報版」の多言語版がいまや海外のふつうの書店で売られているからです。

「るるぶ情報版」(中国語版)が上海の本屋で売られていた!(その意味を考えてみる)
http://inbound.exblog.jp/25723467/

しかも、それは中国や台湾、香港などの中華系の人たちだけでなく、タイやマレーシア、インドネシア、シンガポールといった東南アジアの人たちにまでいえることなのです。

昨日、発行元のJTBパブリッシングに確認したところ、2016年3月現在、以下の国・地域で多言語化された「るるぶ情報版」が発行されています。

■中国本土/中国語簡体字版
 タイトル 北海道、東京、京都、九州、沖縄
 発売 2015年12月

■台湾/中国語繁体字版
 タイトル 北海道、東京、京都、九州、沖縄
 発売 2015年12月

■香港/中国語繁体字版
 タイトル 北海道、東京、京都、九州、沖縄
 発売 2015年12月

■タイ/タイ語版
 タイトル 京都、九州
 発売 2015年2月より随時

■シンガポール/英語版
 タイトル 九州
 2016年3月

■マレーシア/英語版
 タイトル 北海道、東京、京都、九州、沖縄
 発売 2016年3月

■インドネシア/インドネシア語版
 タイトル 北海道、東京、京都、九州、沖縄
 発売 2016年3月

驚いたことに、タイ語やインドネシア語版まで発行されているんです。実際、タイの出版社のサイトをみると、「new araival」のコーナーに確かに「るるぶ情報版 九州」が見つかりました(右から2番目の本)。タイ語版としては、京都もあります。
b0235153_12184024.jpg

Jamsai(タイの出版社)
http://www.jamsai.com/

JTBパブリッシングさんからタイ語版の「るるぶ京都」をいただきました。この表紙、えらくインパクトがありますね。派手な色使いもそうですが、ふだん見慣れぬタイ語がからむと、いったいここはどこなんじゃ? という気がしてきます。なにしろかの国のお寺はキンキラ金に輝いていますから、このくらいインパクトがあってこそ、彼らの旅心を刺激するということなのかもしれません。
b0235153_1219939.jpg

中もめくってみましょうか。

これは金閣寺のページです。
b0235153_12192613.jpg

これは祇園。
b0235153_12194241.jpg

こちらはグルメページで、京懐石でしょうか。
b0235153_122085.jpg

最後のこれはお土産ページ。京小物のコーナーです。
b0235153_122023100.jpg

金閣寺や祇園、京料理の写真の合間をはうように綴られるタイ語がなんとも新鮮です。

2015年、約80万人のタイ人観光客が日本を訪れました。すごい勢いで増えています。タイは2013年以降、日本の観光ビザが免除されていますから、多くの場合、個人旅行でやって来ます。特に若い世代の大半はそうで、最近では全国各地で彼らの姿を見かけます。

これは3月末、京都駅で見かけたタイ人の若い女の子の小グループでした。彼女らの誰かひとりくらいは「るるぶ情報版」を手にしているかもしれません。
b0235153_12211784.jpg

タイ人というのは、男の子も女の子もシャイで控えめなところがあり、好感度が高いです。見ていてかわいいので、ぼくは電車の中でタイ人に隣り合わせると、つい声をかけてしまいます。「これからどこ行くの?」「明治神宮」「じゃああと4つめの駅だよ」……。そんなささやかな会話だけでも、ほっこり気分にさせてくれる人たちです。

そんな彼ら彼女たちが、いまや日本人と同じ内容が書かれた「るるぶ情報版」を手にしている、つまり同じ情報源をもとに旅しているのだとしたら、これからもいろんな場所で彼らと出会う機会は増えることになりそうです。

ひとつ気がかりなのは、先般の熊本の地震です。当時そこそこ多くのタイ人が熊本に個人旅行していたようです。タイ人の知り合いに聞くと、「本当に怖かった」「もう2度と日本には来たくない」とトラウマになってしまった人もいるそうです。

無理もありません。生まれてこのかた、彼らはあのように大地が激しく震える体験などしたことがないからです。

である以上、今後はただ「来てくれ」というメッセージだけでなく、もっと地震に対する外国人の心のケアを考えた情報発信に努めていく必要がありそうです。安全情報の出し方も、「もう大丈夫」といくら日本人が言っても、彼らは素直に受け取る気持ちにはなれないかもしれません。彼らにすれば、「あななたち(日本人)はなぜそんなに平気なの?」と、かえって不信感を募らせてしまうかもしれないからです。東日本大震災後の被災者の冷静なふるまいが世界的に賞賛されたのは事実ですが、それを外国人に求めるのはコクというものです。

外客向けの情報提供において、非常時の対策や心のケアをもっと充実して行かなければならないと思いました。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-04-28 12:23 | “参与観察”日誌 | Comments(2)
2016年 04月 13日

麻辣烫をご存知ですか? 上野アメ横は中国屋台が増殖していた

先日、上野で友人とお酒を飲んだのですが、夜10時も過ぎ、そろそろ帰ろうとアメ横を歩いていたら、ショップはすべてしまっているのに、屋台がぎっしり並んでいました。
b0235153_13471252.jpg

夜にアメ横に来るのはすごく久しぶりだったので、どんな屋台が出ているのか、上野駅に向かって歩きながら覗いてみました。韓国やインド、タイなどの店もあり、多国籍の様相を呈していましたが、圧倒的な数を占めるは中国屋台でした。
b0235153_21451986.jpg

b0235153_2146516.jpg

b0235153_21464495.jpg

b0235153_2147466.jpg

b0235153_13481867.jpg

その屋台では、四川料理の麻辣烫(マーラータン:激辛野菜鍋)まであって、これは明らかに日本人向けのメニューではなく、中国人客向けだと思いました。おそらくこの時間にここで小吃(軽食)を食べているのは、日本人ではなさそうです。経営も中国人でしょう。

こうしたアメ横の多国籍屋台化については、ネットでも2年くらい前から話題になっていたようです。

アメ横で食べたい!オススメの上野の食べ歩きグルメ30選
http://find-travel.jp/article/947

“異界”になりつつある上野アメ横 街角裏散歩(2014.5.5)
http://www.gonzoshouts.com/place/7998/

でも、まさか中国人観光客相手の店がこれほど増えていたとは…。

上野・御徒町界隈といえば、昔からディスカウントショップ「多慶屋」が中国人観光客の間で有名でしたし、一時期、やはり中国人向けに金や宝石を扱う店が多くあり、個人・団体含めて、彼らが必ず足を運ぶ場所でした。アメ横の雰囲気は、いまさらいうまでもなくアジア的で、東京でも数少ない、彼らが好みそうなスポットでしょう。

多慶屋
https://takeya.co.jp/

大阪の黒門市場がアジア系観光客向けに屋台を始めていますが、こういうちょこっと座って軽くつまめたり、立ち食いできたりする、昔ながらの市場的な世界が彼らは大好きなんですね。そして、一部とはいえ、アメ横の風景を変えているんです。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-04-13 13:51 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2016年 02月 11日

訪日客の沖縄、札幌、福岡のエクスペディア予約件数が伸びている

訪日外国人旅行者数の拡大に伴い、ホテル予約サイトのエクスペディアで地方都市の宿泊施設を予約する件数が増えています。

2015年の国内都市別の予約総数のランキングは以下の通り。
b0235153_16495122.jpg

東京、大阪、京都が圧倒的に多いですが、前年度からの伸び率でいうと、上記右上トップ5、特に熊本のような地方都市でも予約が増えています。なんでも「くまもん」人気で香港人の熊本訪問が増えたことも理由だそうです。もっとも、上記右上5都市はもともと母数が少なかったため、伸び率が大きく見えますが、全体でみると以下の5都市の伸びが要注目です。

沖縄 230%
札幌 203%
福岡 201%
名古屋 175%
大阪 172%

海外FITの地方への分散化にエクスペディアが貢献していることがわかります。同社はさらに地方の宿泊施設の取り込みを進めるため、昨年9月に九州支社、10月に名古屋支社、そして今年2月に沖縄支社を開設しています。

エクスペディアでは、各都市の外客の傾向についてリリースを配信していて、とても興味深い結果が現れています。

まず沖縄から。今年2月のリリースによると、以下のとおりです。
b0235153_1650163.jpg

「香港」と「韓国」からの訪日外国人が全体の約7割超え!

「エクスペディアの海外サイト経由で沖縄に来ている訪日外国人を国別で比較してみると、香港から38%、韓国から35%と、両国からの訪日客が全体の7割を超えていることがわかりました。

また沖縄における訪日外国人の予約件数を2012年から比較すると、14年から15年にかけて大きく伸びていることがわかります。その背景は、円安により日本に旅行がしやすくなったこと、そしてLCCの新規就航が挙げられます。2015年だけでも、ピーチのソウル・沖縄線、タイガーエア台湾の台北・沖縄線、春秋航空の上海・沖縄線が就航しました」


月別の訪日客の推移も出ています。
b0235153_16505221.jpg

「香港」は6月、「韓国」は12月が沖縄訪問のピーク

「月別に国ごとの訪問数を比較してみると、香港からの訪問は6月がピーク、韓国においては12月がピークということがわかります。香港においては6月に大型連休があること、韓国では12月の寒い時期に沖縄に来てゴルフをする方が多いことが要因になっています。

日本人が沖縄に旅行する際は、7~8月がピークになります。日本人が少ない4~6月に香港人、冬季に韓国人の旅行客が来ることによって、沖縄への旅行需要を年間を通して高めることにつながっているといえます」

もっとも、上記はエクスペディア出ホテル予約をした件数をもとにしたデータで、実際に沖縄を訪れる外国人のうち、最も数が多いのは台湾客です。
b0235153_16521475.jpg

平成27年入域観光客統計概況(平成28年1月21日発表)
http://www.pref.okinawa.jp/site/bunka-sports/kankoseisaku/kikaku/statistics/tourists/h27-c-tourists.html

ただし、台湾客の多い背景には、クルーズ客船による2泊3日のツアーが盛況なことがあります。彼らは客船内に泊まるため、ホテルを利用しません。エクスペディアの予約件数では韓国や香港より少なくなっているのはそのためです。

【前編】台湾発クルーズ客船、那覇寄港の1日ドキュメント
http://inbound.exblog.jp/20363867/

札幌のリリースはまだ出ていないようなので、福岡のエクスペディア利用者の動向を見てみましょう。
b0235153_1652184.jpg

福岡が最も好きな訪日外国人は「韓国人」で全体の約4割!

「福岡に来ている訪日外国人を国別でみると、韓国人が半数に近い41%、そして全体ではアジア人が81%を占めていることがわかります。

また福岡における訪日外国人の予約件数を2012年から比較すると、14年から15年にかけて大きく伸びていることがわかります。その背景は円安により日本に旅行がしやすくなったこと、そしてLCCの新規就航が挙げられます。特に韓国と香港においては、チェジュ航空が2015年4月より福岡・釜山線、14年4月より福岡・香港線を就航している香港エクスプレスが15年10月から増便させています」


福岡でも、昨年約260回クルーズ客船が寄港し、中国客を中心に多くの外国人が上陸しましたが、沖縄の台湾客同様、彼らもホテルを利用しないため、エクスペディアの統計には入ってきません。また多くの台湾客が福岡を訪れていますが、彼らはFITではなく、ツアーに参加する比率が高いため、エクスペディアの予約件数は、タイより少なくなっています。

東シナ海クルーズラッシュの背景:博多港にいつ頃から現れていたのか?
http://inbound.exblog.jp/24665654/

沖縄や九州方面に海外の個人客が増えるのはとてもいい傾向だと思います。ここでも中国のFITの動向がよくわかりませんので、シートリップへのヒアリングが必要ですね。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-02-11 16:53 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 02月 11日

アジアの旅行者は東京より大阪が好き?(エクスペディア調べ)

「いま日本で最もインバウンドが熱い場所はどこなのか? それは大阪です」

先月末、ぼくは以下の記事でそう書きました。

大阪と東京のインバウンドの特徴の違いを外国人の視点で考えてみる
http://inbound.exblog.jp/25315756/

昨年の大阪の訪日外国人数の伸び率は東京より大きかったこと。関空のLCC比率の高さ。東京に比べてコンパクトなぶん、外国人にとって親しみを感じやすいのではないか、などとその理由を説明しました。

先日、エクスペディアのPR会社の人に会い、昨年8月大阪支社が配信したリリースを見せてもらったところ、彼らも同様の指摘をしていることを知りました。

2015年にエクスペディアで予約した件数によるアジア訪日主要国(韓国、台湾、香港、タイ)の人気都市ランキングが以下のとおりです。
b0235153_12432593.jpg

台湾、香港、タイでは大阪は東京には及びませんが、上位3位にすべて入っています。韓国は大阪が東京を抜き1位。総数では、東京は多いですが、大阪の人気ぶりは注目です。

興味深いのは、次の指摘です。※ただし、これは2015年上半期のデータを元にしています。

欧米人は東京・京都、アジア人は大阪を選ぶ傾向にあり そのワケは?
b0235153_12354912.jpg

「東京と大阪で、エクスペディア経由の外国人旅行客の比率を調べてみると、東京にはアメリカ人が30%と一番大きな割合を占めているのに対し、大阪では12%という結果になりました。

また東京では韓国・香港の人達の割合が合わせて20%に対して、大阪では46%と約半数を占めています。東京と大阪で集客層が大きく違うことがわかります。

一方で、東京と京都とを比較すると、傾向が非常に似ています。同じ関西でも、アジアが多い大阪に対し、京都には欧米の人達が多く集まっています。

これらの結果は、欧米の人達とアジアの人達とで、日本への旅行目的が違うからといえます。

上記の日本観光協会の「訪日旅行前の期待」に関する調査でアメリカ人は「歴史的・伝統的な景観、旧跡」や「日本人の生活・日本人との交流」を挙げているのに対し、香港人や韓国人は「ショッピング」メインに訪れていることがわかります。

「伝統」を好むアメリカをはじめとした欧米の人達は、関東近辺でも、箱根や日光といった場所を好みます。そして東京に来る際には、合わせて新幹線で京都を訪れることが多いです。その際、目的は京都なので、大阪に寄ることはほとんどありません。一方、アジアの人達は、1つの旅行で1都市に寄ります。「ショッピング」をメインとしているため、大阪に訪問した際には大阪観光が中心になります。

上記の理由から、大阪においてアジア比率が高くなり、また東京と京都が似た傾向になります」

この分析は、大阪観光局の担当者に聞いた以下の指摘と共通しています。

「関西を訪れる外国客の特徴は、買い物を好む東アジアや東南アジアからの観光客が多いこと。なにしろ関空に乗り入れるLCC比率は全体の30%超と全国一。LCCを利用して賢く旅する外国人旅行者のことを「関西バジェットトラベラー」と呼んでいます。一般に東京には出張や公費で訪れる旅客も多いのに対し、関西は「自分のお金で楽しみたい人が訪れる」といわれ、リピーター比率も東京より高いことも指摘されています」。

エクスペディアのリリースは「なぜアジア人に大阪は人気なの?」と題して以下の理由を挙げています。

①東京より物価が安い
②東京よりも料理の味が濃く、アジア人の舌に合う
③商店街の多さがアジア人には魅力的
④大阪城が人気
⑤「京都」や「神戸」などの観光スポットが近い

①については、日本薬粧研究家の鄭世彬さんも同様のことを話していたので、そうなのでしょう。ただし②はそうなのでしょうか。一般に関西のほうが味が薄口という印象があるのですが、どんな料理を指しているのかな。たとえば、串かつとかお好み焼きのソースのことでしょうか。

③の指摘も面白いですね。ぼくもそうだと思うのですが、なぜアジアの人は商店街が好きなのでしょう。知りたいですね。もしそうなら、圧倒的な大阪の強みでしょう。

④大阪城の日本的でユニークなシルエットもきっと人気なのでしょう。⑤も、大阪を基点にすれば便利ということだと思います。アジアの人たちにとって「ショッピング」が主要関心事だとすれば、大阪をベースに動くというのが合理的です。

エクスペディアでは、さらに面白い分析をしています。

欧米人とアジア人でみる関西観光の流れ

b0235153_12364054.jpg

「大阪ではどのエリアが人気かをエクスペディアの予約数を元に国籍別で調べてみたところ、国籍を問わず、難波が人気ということが明らかになりました。

しかしその中でも欧米人は、難波と梅田の宿泊率が約30%とほぼ同じであるのに対して、アジア人は約半数以上が難波に宿泊していることがわかります。

この結果から、欧米人が大阪に来る際には、東京・京都という新幹線ルートの流れで入り、そのまま梅田に宿泊して新幹線で東京に帰るか、難波に宿泊して関西空港から帰っていることがうかがえます。

一方でアジア人は、関空から大阪に入り、大阪を周遊するため、アクセスのいい難波へ宿泊する率が集中するようです」


なるほど、関西観光もアジア人と欧米人ではこんなに違うんですね。確かに、欧米人の多くは東京を基点に箱根や富士山、関西、広島などに行って、また戻ってくるというのは、都内のホテル関係者からよく聞く話です。

また難波人気という話も、大阪観光局の人から言われました。「難波への偏りがひどく、もっと分散化させたい」というのが悩みだそうです。

エクスペディアを利用しているのは、海外のFITです。ツアー客と違い、個人で旅する彼らの動態はつかみにくいだけに、エクスペディアのデータは貴重です。

ただし、訪日旅行者数で最大シェアとなった中国人のFITは一般にシートリップを利用しているといわれます。同社でもこのようなリリースを出してもらえると面白いと思います。近いうちに取材をしてみたいです。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-02-11 12:37 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 02月 10日

銀座のドンキ、LAOXに徹底対抗!価格以外でも負けません!?

春節の2月8日、ドン・キホーテ銀座本店も訪ねてみました。場所は、銀座ナインという首都高下のショッピング街の中にあります。

銀座本店
http://www.donki.com/store/shop_detail.php?shop_id=92

中央通りから首都高沿いに歩いていくと、そこは「春節」商戦真っ盛りでした。
b0235153_1812060.jpg

b0235153_1815072.jpg

b0235153_18151510.jpg

興味深いのは、入り口に貼られていた「3万円買うと2000円キャッシュバック」キャンペーンです。これはどういうことでしょう? 
b0235153_18121638.jpg

以下の記事によると、「中国大手決済サービス「アリペイ」利用者を対象にしたキャッシュバックキャンペーンだそうです。もともとアリペイはECのための決済サービスですが、中国ではスマホを使って買い物にも使えるようになっているので、これをドンキでも採用しているのです。はたして利用者はどのくらいいるのでしょうか。気になりますね。

ドン・キホーテ、店舗で中国大手決済「アリペイ」導入、春節(旧正月)向けて「888万円」の豪華福袋も(トラベルボイス2016年1月28日)
http://www.travelvoice.jp/20160128-59854
b0235153_18131416.jpg

もちろん、おなじみの銀聯カードも使えます。ただし、銀聯カードは昨年秋、中国政府が突然海外での引き出し額の制限を年間10万元にすること(16年1月1日から)を通達したように、ちょっと旗色が悪そうです。アリババの馬さん、してやったりでしょうか。

中国人“爆買い”にブレーキ? 大人気のカードに引き出し制限、幹部の資金流出を牽制か(産経ニュース2015年10月1日)
http://www.sankei.com/world/news/151001/wor1510010029-n1.html

さて、店内は「さすがドンキ」という品揃えと中国語をメインとした外国語表記であふれています。
b0235153_1814216.jpg

中国語やハングル、タイ語までは最近どこでも見かけますが、これはベトナム語でしょうか。
b0235153_1814112.jpg

ここは免税専用カウンターです。
b0235153_18153121.jpg

「爆買い」客は健在ですね。
b0235153_1815418.jpg

さて、今回いちばん面白かったのが、これです。
b0235153_18155495.jpg

「徹底対抗 ラオックス価格」。銀座のドンキは、打倒ラオックス宣言をしていたのです。

こんな話があります。周知のとおり、中国の団体ツアーは、日本に限らず海外の免税店での買い物による売上の一部を手配業者へキックバックすることで成り立っています。それは当然、免税店の販売価格に影響を与えます。それを知っている中国客は、なるべくガイドが連れていく免税店で買い物をしたくないという気持ちがあります。ドンキはそこを突いているのです。

ラオックスは銀座のドンキの目と鼻の先にあります。

これも春節商戦の一幕です。

今年の春節、銀座はそこそこにぎわっていたけれど……
http://inbound.exblog.jp/25347749/
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-02-10 18:16 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2016年 01月 28日

日本の地方空港にいつ頃から国際線が増えてきたのか?(オープンスカイとLCCのおかげ)

ここ数回、本ブログでは日本の一部の地方空港に東アジアからの国際線が多数乗り入れるようになった状況を見てきましたが、これはいつ頃からのことなのでしょうか?

米国との航空便の路線や発着枠、便数を自由化させるオープンスカイ協定を締結させた2010年10月以降、続々とアジア各国との同様の協定を進めたことが背景にあります。

2010年以降の主なオープンスカイ協定締結国

2010
米国、韓国(12月)
2011
シンガポール(1月)、マレーシア(2月)、香港(5月)、ベトナム(6月)、マカオ(7月)、インドネシア(8月)、カナダ、オーストラリア、ブルネイ、台湾(11月)
2012
英国、ニュージーランド、スリランカ、フィンランド、フランス、中国(8月)、オランダ、スカンジナビア3国、タイ(11月)
2013
スイス、フィリピン(9月)、ミャンマー(10月)

特に地方空港への国際線乗り入れ増加に最も影響を与えたのは、2010年の韓国、11年の台湾、12年の中国との協定締結でしょう。

過去最高200万人超えなるか!台湾客急増の背景にはオープンスカイがある(台北ITF報告その5)(2013年11月1日)
http://inbound.exblog.jp/21387914/

さらに、2000年代以降に日本に先駆けて急成長していたアジアのLCCも、この協定によって成田や関空だけでなく、北海道などの一部の人気レジャー路線に乗り入れを始めました。台湾や中国では、まずLCCが地方空港への乗り入れを開始し、それに国営キャリアが後追いするような動きが起こり、路線数を拡充していった流れがあります。

LCCはアジア客の訪日旅行の促進につながるか?【2013年上半期⑫LCC】(2013年7月29日)
http://inbound.exblog.jp/20789404/

すべてが日本に乗り入れているわけではありませんが、アジアの空には以下のような多くのLCCが運航しています。

ローコストキャリア / LCC 格安航空会社一覧
http://airline.arukikata.co.jp/lcc/list.html

●韓国
エアプサン http://flyairbusan.com/
ジンエアー http://www.jinair.com/
チェジュ航空 http://www.jejuair.net/
ティーウェイ航空 http://www.twayair.com/
イースター航空 http://www.eastarjet.com/
b0235153_15125871.jpg

●シンガポール
シルクエアー http://www.silkair.com/
ジェットスター・アジア航空 http://www.jetstar.com/3k/
タイガーエア http://www.tigerairways.com/
スクート http://www.flyscoot.com/
b0235153_15134098.jpg

●マレーシア
エアアジア http://www.airasia.com/
エアアジア X http://www.airasiax.com/
ファイアフライ http://www.fireflyz.com.my/
b0235153_15141157.jpg

●香港
香港エクスプレス航空 http://www.hkexpress.com/

●ベトナム
ジェットスター・パシフィック航空 http://www.jetstar.com/

●インドネシア
ライオン・エア http://www2.lionair.co.id/
インドネシア・エアアジア http://www.airasia.com/jp/ja/
シティリンク http://www.flycitylink.com/

●台湾
V エア http://www.vair.com.tw/
タイガーエア台湾 http://www.tigerair.com/tw/zh/

●中国
春秋航空 http://www.ch.com/
吉祥航空 http://www.juneyaoair.com/jp/home.html
b0235153_15152596.jpg

●タイ
タイ・エアアジア http://www.airasia.com/site/th/
ノックエア http://www.nokair.com/
オリエント・タイ航空 http://www.orient-thai.com/
タイ・ライオン・エア http://www.lionairthai.com/en
b0235153_1516634.jpg

●フィリピン
セブパシフィック航空 http://www.cebupacificair.com/
エアアジア・ゼスト(旧ゼストエアウェイズ) http://www.airasia.com/ph/en/home.page
エアフィル・エクスプレス http://www.airphilexpress.com/

おかげで日本の地方空港をアジア各国のエアラインがにぎわせてくれています。ただし、一部の、としかまだいえないのがもうひとつの現状ではありますけれど。昨年末に、以下のような報道がありましたが、地方空港への国際線の乗り入れを推進するための施策です。とにかく国内需要をこれ以上増やせない日本にとって、海外の近隣諸国からの航空便を誘致することが地域経済の活性化につながることは間違いないでしょう。

国際線の着陸料が1年間無料に 国交省、就航・増便対象(朝日新聞2015年12月19日)
http://www.asahi.com/articles/ASHDL5V25HDLULFA02Y.html

国土交通省は来年度から、国が管理する空港に新たに就航したり増便したりする「国際定期便」の着陸料を1年間、実質無料にする方針を固めた。羽田、札幌(新千歳)、福岡、仙台(運営を民間委託)の各空港をのぞく15空港が対象で、訪日外国人を地方に誘客するねらいだ。

対象は稚内、釧路、函館、新潟、広島、高松、松山、高知、北九州、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、那覇の15空港。

例えば中型のボーイング「767‐300」が国管理空港に着陸する場合、航空会社は1回17万6330円を国に支払う。この半分を地方自治体などが負担することを条件に、国が残りを免除する。地方負担は着陸料に充てるだけでなく、同額を航空会社に対する別の支援策に使うことも認める。国際チャーター便の着陸料も、同じしくみで免除する。

国交省によると、羽田、成田、関西、中部国際をのぞく国内空港の国際定期便は692便(2015年の夏ダイヤ)で、10年から約6割増えた。海外の格安航空会社(LCC)の就航が増えているためだ。

自治体などはLCCの誘致を競っているが、自治体管理の空港は着陸料を自由に下げられるのに、国管理空港は着陸料が一律で不公平との指摘があった。


※国土交通省 空港一覧
http://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000310.html
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-01-28 15:10 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2015年 12月 26日

クリスマスの山手線で見かけたアジア系ツーリスト、いい話と気になる話

今年のクリスマスは、去年にもまして都内でたくさんの外国人ツーリストの姿を見かけました。いかにも外人向けバーというような雰囲気の店だけでなく、ごく普通の日本人の多いレストランや居酒屋にも、欧米人客の姿がありました。彼らの存在はちょっぴりクリスマス気分を盛り上げてくれます。

都内の交通機関でも外国人ツーリストは当たり前のように見かけました。これからする話は、どちらもJR山手線の話です。まずいい話から。

昨日の正午過ぎ、ぼくは大塚駅から新宿駅に向かう内回りの山手線の中にいました。車両は比較的すいていました。見ると、座席にアジア系のツーリストの家族と小グループが一列に並んで座っていました。話し声からすると、香港人か東南アジア華人の人たちです(もしシンガポール人なら英語を話すからで、彼らは南方中国語を話していました)。

同じ車両に一組の日本人の老夫婦が乗ってきました。すると、彼らはすぐに立ち上がり、ことばもかけずにふたりに席を譲るのです。「ありがとうね」と日本語でおばあさんはお礼していました。

目の前で起きた出来事だったので、つい「香港か東南アジアの皆さんだと思いますよ」とぼくはご主人に伝えたくなりました。「そうですか」。ご主人は不思議そうに彼らを見つめていました。

彼らのように個人旅行で訪日しているアジア系のツーリストは若い家族連れやグループが多く、みんな明るく楽しそうです。彼らの文化圏の作法では、老人に席を譲るのはごく自然のことなのでしょう。いい光景だなあと思いました。

おそらく彼らは日本に来ると、社会に占める老人の多さに気づくのではないでしょうか。ぼくも東南アジアの旅行から帰ってきて都内の交通機関に乗ると、日本は老人大国だと実感します。日本に比べ、アジアの国々は社会に占める若者の数が多いからです。確か、ベトナム人の平均年齢は29歳だったと思います。

さて、次はちょっと気になる話です。おとといの夜、新宿駅の外回りの山手線ホームは大混雑でした。なんでも高田馬場駅で乗客が荷物を線路に落としたため、10分以上電車が停まっていたからです。

しばらくすると、ようやく電車が動き出し、大勢の乗客を乗せた車両がホームに入ってきました。ドアが開き、乗客が吐き出されてきたのですが、ぼくが乗ろうとして列を待っていたドアの近くで、その出来事は起きました。ドアのそばに立っていたふたりの女性が決して降りようとしないため、乗客同士が次々とぶつかり、一触即発のような険悪なムードになりかけていたのです。

なぜいったん車両の外に出ようとしないのか…。ぼくは思いました。彼女たちは中国人観光客であるに違いないと。いったん車両の外に出て、降りる人を降ろして再び乗り込めばいいという作法を知らないのです。

最近、中国の主要都市には次々と地下鉄が開通しています。特に北京と上海ではすでに20路線近い地下鉄網が広がっています。ぼくもよく利用するのですが、中国の乗客にはドアに近い人がいったん外に出て、中の乗客を降りやすくするというような作法は身についていません。毎回駅に着くたびに、ドアの近くで乗客同士が押し合いへしあい、ぶつかり合うのです。降りる人がまだいるのに、乗り込んでくる輩もいるほどです。ぼくはそんな光景を見るに見かねて、駅に着くと、いったんドアの外に出て、乗客を降りやすくする日本式の心遣いをパフォーマンスしてみせるのですが、その意図はこの国の人たちには伝わりません。基本的に、中国は引いたら負けの社会だからでしょう。いったん誰かが身を引けば、別の誰かがすぐに割り込む、そういう社会なのです。これはいい悪いの問題ではなく、社会の特性というほかありません。

電車に乗り込み、件のふたりの女性の話し声を聞きました。案の定、中国語でした。山手線を利用しているくらいですから、個人ビザで訪日した北京や上海などの沿海都市部の中国人でしょう。

中国の個人客が増えるなか、誰かが彼らに日本での電車の乗り降りの仕方を教えなければいけないと思いました。日本では、車両が混雑している場合、ドアの近くに立っている人は、いったんドアの外に出て乗客が降りるのを手助けするという作法があることを。そうでないと、最近の日本人は切れやすい人もいるので、ひと騒ぎ起きてしまいかねません。中国人はちょっとぶつかったぐらいでは気にしませんが、日本人はそうはいきません。日本人の側が手でも出したら、彼らはとたんに狂ったように大声で騒ぎ立てるでしょう。彼らはなぜ自分が非難されているか理解できないからです。

もちろん、教えなければならない日本のルールはこれだけではありません。

先月でしたか、北海道のコンビニで商品を勝手に開けた中国の女性客を注意した店員が中国人の旦那から殴られるというような事件が発生したように、この種のトラブルがそこらかしこで多発することが予測されるからです。

中国の個人客の中には、基本的な日本の社会に対する理解が欠けている人たちがけっこういます。彼らが増えることで、つまらぬトラブルが起きないよう中国側の関係者はこうしたささいなこともぜひ自国民に知らせてほしいものです。

※以上の話とは関係ないですが、この写真はおととし訪ねた台北の地下鉄のホームの光景です。ぼくはこれを見て驚いたのですが、台湾の人たちは日本人以上に列にきちんと並ぶことです。同じ華人でも、台湾や香港の人たちと中国の人たちはまったく異なる旅客であることを我々も理解する必要がありますね。
b0235153_1020312.jpg

[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-12-26 10:20 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2015年 11月 18日

いまや「ニッポンヤスイネ」の時代~今年1~10月の訪日外客1600万人突破!

ぼくの手元に一冊の興味深い写真集があります。

b0235153_12494237.jpg
1999年に刊行された『ニッポンタカイネ(NIPPON EXPENSIVE!)』(メディアファクトリー刊)です。撮影は吉永マサユキさんという写真家で、1990年代に日本で暮らすモンゴル人や中国人、フィリピン人、ベトナム人、パキスタン人、トルコ人など14カ国のアジア人たちのドキュメンタリー作品です。ネットで調べると、2010年に河出書房新社から復刻版が出ていて、以下の関連イベントもあったようです。

写真家・吉永マサユキ「ニッポンタカイネ展」
http://openers.jp/article/9877

ぼくは吉永さんと同世代で、1980年代以降激増した在日アジア人の事情についてはそこそこ詳しいこともあり、同写真集が刊行されるとすぐに購入したことを思い出します。自分のよく知る世界が描かれていて、シンパシーを感じたからです。

さて、本日JNTO(日本政府観光局)による毎月恒例のリリースが公表され、2015 年1~10 月の訪日外国人数の推計値が1631 万人に達し、累計で過去最高を更新したことがわかりました。

訪日外客数(2015 年10 月推計値)
http://www.jnto.go.jp/jpn/news/data_info_listing/pdf/151118_monthly.pdf

これまで何度か本ブログでも書いてきましたが、今年は45年ぶりに訪日外国人数が出国日本人数を越えることは確実となっています。

言うまでもないことですが、この数年、訪日外国人旅行者が急増している背景に、円安があります。

いまや「ニッポンヤスイネ」の時代なのです。『ニッポンタカイネ』が刊行された約15年前のことを思うと、隔世の感があると思わざるを得ません。いまでは多くのアジアの人たちが円安の日本を訪れ「爆買い」していくからです。

だからといって、今日の状況に至った「失われた20年」をめぐって自虐的、悲観的にになる必要はないとぼくは思っています。逆をいえば、1990年代に移民労働者に過ぎなかった彼らが、経済力をつけ、日本にレジャー消費者として訪れるに至った事実は、我々にとって決して悪い話ではないと思うからです。

『ニッポンタカイネ』が刊行された1999年当時、正直なことをいうと、もうこれからはそんなこと言っても始まらない時代が来るとぼくは先読みしていました。その翌年、中国本土の団体観光客が解禁されることを知っていたからです。この写真集が描く日本とアジアの関係は、すでに1990年代半ば頃から少しずつ変わり始めていたのです。個人的な感覚では、1980年代末から90年代前半、いわばバブル時代の東京の裏面の記録であり、社会のリアルな実態からは少し遅れて出てきた作品だと思ったものです。

繰り返しますが、「ニッポンヤスイネ」という時代は、我々にとってそんなに悪い話ではない。それを活かすかどうかはその人次第。連日のパリのテロ報道を見るたび、周辺の国々が経済成長し、購買力を持つに至るという、いまアジアで起きていることは、ヨーロッパとはずいぶん事情が違うなと思います。

日中の物価が完全に逆転しています(訪日客急増と「爆買い」の背景)
http://inbound.exblog.jp/24162197/
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-11-18 20:22 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2015年 10月 23日

ムスリム・ジャンピング・ガール目撃!? ようこそ、21世紀の新宿御苑へ

仕事がうまくはかどらず、無気力症候群に陥ってしまうことってありませんか? ぼくはよくそうなります。そんなとき、新宿御苑の芝生の上にごろりとしに行きます。仕事場から近いせいで、逃避グセがついてしまいました。困ったものです。でも、きっとぼくみたいな人も多いんじゃないかな、などと心の中で言い訳しながら、新宿門をくぐると、今日もたくさんの人たちが芝生に寝そべっていました。
b0235153_154302.jpg

ふと見ると、西洋人のカップルがいます。新宿御苑では見慣れた光景です。その向こうには、子連れのママさんグループがいて、ハロウィンに近いせいか、オレンジのかぼちゃの衣装を着せられた赤ちゃんもいます。意外にひとりでやって来ている若い女性も多いです。

しばらくすると、頭にスカーフを巻いたマレー系と思われるカップルも来ました。お約束の自撮り棒を手にしています。新宿門の入口あたりでは、広東語も聞かれました。やはり、パッと見でわかるのは、西洋人とムスリムの人たちで、中国や韓国などの東アジアの人たちは話し声を直接聞かない限り、もう日本人の中に溶け込んでいます。ここは団体客が来るようなスポットではないので、香港やシンガポールなどの中華系の人たちものんびり過ごしているようです。

新宿御苑は外国人ツーリストが多いことで有名です。なにしろトリップアドバイザーによる新宿区の観光部門でトップにランキングされているくらいですから。
b0235153_1544543.jpg

新宿御苑 トリップアドバイザーによる「新宿区の観光」で 114 軒中 1 位
http://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1066457-d479258-Reviews-Shinjuku_Gyoen_National_Garden-Shinjuku_Tokyo_Tokyo_Prefecture_Kanto.html

それにしても、若いマレー系のカップルを見ていると、時代は変わったなあとあらためて思います。彼らはノービザで日本に来ているのです。

これは20世紀の東京には見られなかった光景といえるでしょう。なぜなら、当時アジアから来日する人たちの多くは、留学生(厳密にいうと外交官やビジネスマンも)を除くとほぼ出稼ぎ目的だったからです。

都内の公園でくつろぐ外国人の光景について、いまでも思い出すのが、1980年代後半のある時期、毎週日曜になると、代々木公園にイランやパキスタン、バングラディシュなどのイスラム圏の人々が集まり、エスニック料理を出す露店が出てにぎわっていたことです。当時は、かの国々と日本の間で相互ビザ免除協定が残っていた関係で、多くのイスラム圏の若者が日本に出稼ぎに来ていたのです。彼らの多くは不法就労だったため、数年後、ビザ免除協定を日本政府が打ち切ると、帰国していきました。

しかし、いま我々が見ているのは、アジアの人たちが日本に遊びに来ている光景です。すでに海外旅行に出かけられる所得を有するミドルクラスがアジアには大勢生まれていて、気軽に日本旅行を楽しめるようになったのですね。

ようこそ、21世紀の新宿御苑へ。思わず、そんな言葉が口をついて出てきてしまいました。せっかく来たんだから、楽しんで帰ってくださいな。ぼくは彼らの姿を見ていると癒されるところがあります。
b0235153_159161.jpg

ちなみに、この写真は今年の春、新宿御苑に来ていた若いマレー系のグループが記念撮影に興じていたワンシーンです。なぜだか彼女らはピョンと飛び上がって宙に浮いた瞬間をカメラに収めてもらいたいようで、何度もジャンプを繰り返していました。

ぼくは彼女のことを「ムスリム・ジャンピング・ガール」と命名しました。

一般にアジアの人たちは、カメラの前で過剰なポーズを取りたがるようですが、これは新しいバージョンなのかもしれません。それぞれの国で流行のポーズがあるのでしょう。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-10-23 15:09 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2015年 09月 06日

海外客がTocoo!でレンタカーを予約する理由

海外個人客のホテル予約は、エクスペディアやBooking.comなどの海外ホテル予約サイトの利用が普及していますが、同じことはレンタカー予約でも起きていました。

個人客が航空券とホテルを手配した後、日本での移動の手段としてレンタカーを利用する動きは、これまで見てきたように、香港や台湾、韓国、タイ、シンガポールなどのアジアを中心とした訪日旅行者の間で急速に進んでいます。

外国人ツーリストのレンタカー利用が増えています(ニッポンレンタカーに聞く)
http://inbound.exblog.jp/24799845/

国内のレンタカー事業者は、それぞれ予約サイトの多言語化を進めていますが、やはり各事業者の情報を横断的に閲覧でき、利用者の細かいニーズに対応したサービスを提供する予約サイトが重宝されるのは当然でしょう。

その第一人者が、レンタカー予約サイトのTocoo!です。
b0235153_1281039.jpg

Tocoo!(中文版)
http://www2.tocoo.jp/cn

同サイトを運営しているのは、1997年創業のクーコム株式会社で、もともと有料会員制の宿泊予約サイトでした。同社は2000年代の早い時期から海外客向けのレンタカー予約サービスを開始しています。同社の牛田隆夫取締役に話を聞きました。

―いつ頃から海外客向けサービスを始めたのですか。

「2003年頃からです。弊社にアメリカ留学体験者がいて、早い時期から海外のお客様を日本に呼び込むインバウンド事業に取り組もうという考えはありました。そのときから、ホテルだけでなく、レンタカーもやろうかと思っていました。

当時宿の世界は保守的で、外国人を泊めるなんて、という声が多かった。レンタカー業界も同じで、当時レンタカー会社に海外客の予約サイトを立ち上げる話をしたとき、外国人なんかには貸せないよ、という感じでした。

なぜですか? とこちらは思うわけです。では、外国人が国際免許証を持ってカウンターを訪ねたとき、あなたたちは貸さないのですか? と聞くと、いや、そんなことはないと答えました。だったら、始めてみよう。こうしてなかば強引にスタートさせたのです。

ネットの社会というのは、世界中から見られるのです。言語を日本語から英語にすれば、日本に来るお客様もレンタカーを使う可能性がある。当時はまだ「観光立国」という言葉が使われ始めたばかりでしたが、私は今後絶対そうなると思っていた。

すでに2001年から国内客のレンタカーの予約サイトを始めていました。それ相応の取引があったので、レンタカー会社も当社をおろそかにはできない。まずはサイトの英語化から始めました。

誰かが強引に走り出さないと日本の社会は動かないんです。とはいえ、急に利用者が増えるというわけではないから、細々と始めることにしました」。

―2003年当時の予約状況はどうでしたか。

「当初は月に数台程度。予約が入るたびに、電話で確認したことを覚えています。

海外で認知度がなければ、そもそもサイトを見つけてもらえないわけですから。その後、実際に日本で利用した外国客がブログで紹介してくれたりして、徐々に利用が増えてきました。

これまでPRにお金を使ったことはほとんどないんです。唯一かけたのが、米国版のYahoo!のデイレクトリーに載せるため。当時は「Japan car Rental」にエントリーされているサイトがひとつもなかったんです。そこに載せるのに2万円かかりました。それだけです」。

―いつ頃から海外客の予約が増えてきたと感じましたか。

「2007、8年くらいから。この頃から月100台を超えるようになりました。11年の震災の前には、海外が国内を逆転する勢いになっていました。いまでは国内予約より海外予約のほうが圧倒的に多い。震災直後は半年分の予約99%がキャンセルとなったので、東電は保証してくれました」。

―最近の予約状況はいかがですか。

「国籍でいうと、ほとんど東南アジア。香港、台湾、韓国、シンガポール、タイなど。売り上げは前年比90%増です。国数でいうと60カ国がすでに利用していますが、半分以上が中国語圏。2007年9月に台湾人のドライブが可能となったことを機に中文版を立ち上げ、その後すぐにハングル版も始めました」。

―国内のどのエリアの利用が多いですか。

「全体の3割は北海道。でも、最近は関空や中部国際空港利用も多い。雪を見るために、名古屋から高山や白川郷に向かう人が増えています」。

―大阪のレジャーホテルの話では、ロードサイド店に関空からレンタカーで直接来てチェックウインするそうです

「そうでしょう。その場合はうちのサイトを利用されている方が多いと思います」。

―海外客の実際の利用状況はどうですか。国内客との違いはありますか。

「まず一回あたりのレンタル料金が国内客の3倍近い。利用日数の平均は、国内は2.5日で海外は5日。海外客の特徴は、ワンボックス車が人気で、乗り捨て利用が多いこと。なかには札幌で借りて大阪で返す人もいる。中華系が多いのでファミリー利用が多い。レンタル料金の単価が上がるのは、乗り捨てが多いからでもある。

当社ではETCを貸し出ししています。カードは空港のカウンターか初日に泊まるホテルに送ります。回収用の封筒を付けて戻してもらうのですが、回収率は100%。問題はありません。

ETCを貸し出すことで、海外のお客様がどんなルートを走っているか解析できます。たとえば、御殿場や河口湖で高速を乗り降りする人が多いとか。こうしたデータを持っているのはおそらくうちだけですが、海外客は首都高速も平気で乗っているし、日本各地を普通に運転されていることがわかります。

ご存知のように、アジアの交通事情はめちゃくちゃで、一般の日本人はまず運転できません。でも、日本には無茶な運転をする人はほとんどいないので、彼らにすれば楽勝なんです」。

―車はたいてい空港で借りるんでしょうか。

「いやいや、そうでもない。空港からダウンタウンに来てホテルで一泊して、翌日にホテルの近くで借りるのが40%。空港は39%で残りの2割は駅など」。

―客層はどうですか。

「海外客でレンタカーを借りる人は圧倒的に富裕層ですね。アンケートをすると、年収は1億円以上もたくさんいます。約50%が年収1000万円以上。だから、単価が高い。車のグレードがよければ喜んで利用される。アルファード(トヨタの大型ミニバン高級車)とエルグランド(日産のワンボックス型ミニバン)があれば、確実にアルファードを選ぶ。海外客はキャンセルチャージも100%回収している。はっきり言って、金払いは海外客のほうがいい。

実際、国内客の場合は安くしないと売れないので、海外客のほうが儲かります。レンタカー料金も20万~30万使う人はたくさんいる。しかも、当社の海外利用客の7割はリピーターです」。

―海外客からはどんな要望がありますか。

「クレームとして多いのは「日本のカーナビは古い」という声です。日本では一般にカーナビは3年で交換する。そんなに新しい道路がどんどんできるわけではないのになぜ? と思って調べたら、いろんなことがわかってきた。一般に日本のカーナビは施設の電話番号で目的地が登録されている。その場合、温泉旅館は問題ないが、最近アジア客に人気のフルーツ狩り農園や漁港などは見つからないことが多い。日本人なら電話番号がダメなら、施設名や住所で探せるが、アイウエオがわからない海外客はお手上げになる。実は、もうひとつの検索手段として、緯度経度でコード化されるマップコードで探す方法がある。だだし、このサービスは多言語化しておらず、海外のお客様は調べられない。そこで、我々は有料でマップコードを教えるサービスをやっています。

もうひとつはホテルへの配車サービス。都内の高級外資ホテルの宿泊客は富裕層だから、予約のついでに配車してほしいという声がある。だが、残念ながらレンタカー会社の中にはこうしたサービスに対応できないケースが多い。

だったら、手数料をとって配車したらどうか。ホテルの玄関で車と鍵を渡すだけのこと。料金は事前決済なのだから。富裕層相手に配車手数料2000円は全然問題ない。今後、レンタカー会社とホテル側と協議して進めたい。

一般に日本のレンタカー会社が用意しているのは、国内市場に合わせたコンパクトカーが多い。富裕層はこの種の車にはまず乗らない。2000ccクラスの車をもっと用意すべきではないか」。

―海外客のニーズやマーケットの動向を詳しく知る立場にある御社としては、今後どんな展開を考えておられますか。

「これからますます海外客が増えると思う。政府が外客誘致を進めているわけだから、増えるにきまっている。いまから30年前、ハワイに日本の農協などの団体がどんどんツアーで行っていたが、いまは団体で行く人はいない。同じように、訪日旅行もリピーターが増えていくと、同じことが起きる。

今後は海外個人客の足をどうするかがいちばんの問題になる。いまは大都市圏には海外客は多いが、伊豆半島や房総の先にはまだ来ていない。東京のホテルは潤っているが、伊豆半島はそうではない。我々の役目は、そこにお客さんを送ることだと考えている。

やはり二次交通が重要なのです。いくら地元をPRしても足がなければお客さんは行けないのだから。

いま団体ツアーのバス不足問題が起きています。この問題はしばらく続くと思う。訪日外国人全体の7割はエージェント経由。団体でバス利用が多いから不足が起こるのだが、今後はエージェント経由で個人もレンタカーという時代になるでしょう。そこで、いま海外のエージェントにBtoBで我々を利用してもらうよう話を進めています。

実は、すでに海外のエージェントからも予約が入っています。当社のようなサイトを使ってエージェントが代理予約しているケースが見られるのです。であれば、門戸を広げると、もっと使いやすくなるのではと考えています」。

―レンタカー予約の次は何を考えておられますか。

「これから外客向けの宿泊予約サービスを始める予定です。現在、一部の日本の旅行会社は海外サイトに客室を供給し、販売してもらっているようだが、それはまずいと思う。結局、販売力のある者だけが生き残るのだから。エクスペディアやBooking.comに日本側から対抗する動きがないとおかしい。我々は小さいながらそれに取り組む考えです。

もともと当社は国内向けの会員宿泊予約サイトをやっていました。ですから、まずはリピーターの海外のレンタカー利用客にホテルも予約してもらうという流れです。我々の強みは、ただホテルを紹介するだけでなく、足も提供できること。そうやって、地方の旅館に外客を送り込めるようにしたい。それが本来我々のやるべきことだと思う。

旅館側も、外国人なんて、と言っている時代ではない。どんどん取り込むべきです。

今後は外国人の消費を増やさないとしょうがない。いかに彼らに気持ちよくお金を使わせるか。その際、安売りすべきではない。おもてなしをしつつ、きっちりお金を取るべきです」。

レンタカー市場の内実をいちばんリアルに理解しているからこそ、次の手が打てる。Tocoo! の今後の展開は要注目です。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-09-06 12:08 | “参与観察”日誌 | Comments(0)