ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2014年 06月 10日

訪日外国人数が出国日本人数を上回った4月とインバウンドの構造問題

「外国人旅行者が日本で使ったお金から、日本人旅行者が外国で使ったお金を差し引いた4月の『旅行収支』が黒字になった。大阪万博が開かれた1970年7月以来、約44年ぶりの黒字だ」 (朝日新聞2014年6月10日)との報道がありました。これはどういうことなのか。記事にもあるように、今年4月、訪日外国人数が出国日本人数を上回ったためです。

アセアン・インドトラベルマートの最終日の夜に行われたAISO(一般社団法人アジアインバウンド観光振興会)総会の冒頭、王一仁会長もこう語りました。

「今年の4月は特別な月となりました。40数年ぶりに日本の出入国においてOUTとINが逆転したのです。これは我々インバウンド事業者にとってもそうですが、日本にとっても画期的なことです。

しかし、日本は訪日外客の受け皿ができていません。4月にインバウンドの現場で起きたことは、それを物語っています」

AISOはアジアからの訪日客の旅行手配を扱う観光業者の団体です。国内ツアー手配を行う旅行会社(ランドオペレーター)をはじめ、ホテルやレジャー施設、自治体関係者らが会員で、アジアインバウンド市場の拡大に伴い、会員数は年々増えています。

AISO
http://shadanaiso.net
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会員同士の情報交換のため、年に数回行われるAISO総会は、訪日旅行市場の現場の生々しい話が聞かれるのが常です。どんな業界でもきれいことだけではすまない裏の事情があるものです。それはその後の市場動向に確実に影響を及ぼします。早めにキャッチしておくことに如くはありません。

以下、総会で繰り広げられたさまざまな事業者のコメントを紹介したいと思います。

まずAISO理事の石井一夫氏(株式会社ジェイテック)から2013年度の活動報告がありました。

「昨年度、日本政府観光局(JNTO)との会合を数回行いました。テーマは、観光バスやホテルの需給ひっ迫問題です。昨夏北海道で起きた訪日客向けの観光バス不足問題は、今春も起こってしまいました。立川アルペンルート行きツアーに参加するはずだった台湾客の多くが、バス手配ができないため催行中止となり、お客様にツアー代金を返金するという事態が起きたのです。また3月下旬に国土交通省から通達された貸切バスの新運賃制度の施行で、現場は混乱しています。こうした現場の声をいかに行政の施策とすり合わせるか。これまで以上にAISOの果たすべき役割が重要になってきています」

河村弘之理事(株式会社トライアングル)は本年度の取り組みとして、以下の話題を提供しました。

「我々が抱えるインバウンドの問題点は、これまでもずっとそうでしたが、改善されていません。ホテルとバス不足、そしてガイド問題の3点です。訪日外客2000万人を目指すのはいいですが、いったいどこに泊めるんですか? ということです。ガイドの問題も深刻です。

先日もこんな話がありました。シンガポールから団体客を連れてひとりのガイドが成田に着いたところ、ガイドのみ入国拒否になりました。シンガポール人は日本の観光ビザが免除されていることから、そのガイドはツアー客を連れて日本への出入国を何度も繰り返していたため、出入国管理法に抵触してしまったのです。入国後、空港に残されてしまったツアー客はどうなったと思いますか?

アジア客の増加とともに、こういうことが起こり始めています。AISOとしては、今後全国でインバウンド事業者を対象にしたセミナーを始めるつもりです。またホテルやバス不足問題については、会員同士がホテルやバスの確保情報を共有し、手配を都合しあう協力体制をつくっていきたいと考えています」

続いて「インバウンドの現状と課題について」と題された討論会がありました。出席者からの質問や意見にAISO理事が答えるという形式でした。いろんな声がありました。

「訪日外客は急増し、手配不能な状況になっているといいますが、東北はどうでしょう。置き去りにされていると思わざるを得ません。AISOとして東北の外客回復のために何ができないのか」

これに対して、「確かにインバウンド事業者全体に、東北を盛り上げる気迫が欠けている。各事業者がバラバラで取り組んでも回復にはつながらない」「東京・大阪5泊6日と東京・東北5泊6日のツアーでは、どちらが高いか? 現状は後者である以上、選ぶのはお客さんであり、難しい面も」(ミッキー・ガン常務・AISC)「日本政府観光局のジャカルタ事務所が開設され、そこでは東北をプッシュし、ツアー募集は始まっている」(須田理事・株式会社フリープラス)「東北単独の商品が難しいなら、たとえばソウル青森線を使って、函館などを周遊するツアーを企画したらどうかと考えている」(鄭理事・株式会社四季の旅)「上海で祭りをテーマにしたツアー企画を1本募集しているが、中国からの集客はできていないのが現状」(清水理事・アメガジャパン株式会社)などのコメントがありました。

貸切バスを運行する株式会社平成エンタープライズの田倉貴弥社長のコメントも印象的でした。

「4月に施行された貸切バスの新運賃制度の特徴は、運行距離と時間制の併用だが、実際に1台あたりの運賃を計算してみると、旧運賃と比べてそんなに変わらないようだ。しかし、新制度施行後、バス会社に直接監査が入り、罰則規定もあることが、大きな違い。これまでランドオペレーターなどの手配業者は、バスやホテルなどが包括されているため、バス運賃の中身が見えなかった。それが過剰なダンピングにつながった面がある。問題は、運転手にきちんと給料が支払われているかどうか、にある。新運賃制度は、それを改善するためのものだ。だが、バス業界には問題は山積みだ。運転手が高齢化し、若い人が少ない。今後、運転手不足が顕在化してくるだろう」

ホテル関係者の次のコメントも気になりました。

「訪日外客のためのホテル不足が懸案となっていますが、現在、国内マーケットが堅調で、料金も上がっている。現場レベルでは、安く叩かれる海外の団体客には売り控えたいというのが本音だ。これでは、ホテル不足が起こるも当然だろう。せめて早い時期に、どの程度の客室数が必要か投げてもらえれば、検討する余地があるのだが、間際に数字を出されても対応が難しいケースが増えている」

今秋から導入される免税制度の見直しへの期待を語る理事もいました。

「今年10月から始まる新制度の下では、これまで消耗品とみなされていた商品に対しても免税扱いとなります。外客に対する免税品の幅が大きく広げられるため、免税処理手続きの認可をとることで、訪日客受け入れの入り口に立つことができる」

こうして関係者はそれぞれの立場から、日本のインバウンドの課題について率直に意見を表明したわけですが、この場にいると、いま訪日旅行の現場で何が起きているのか、よくわかってきます。そこには構造的な問題があり、徐々に顕在化してきていることも。

王会長は言います。「しかし、状況は我々を後押ししていることには変わりない。実際に訪日客を手配しているのは、他でもない、我々なのだから。この好機を逃さないよう頑張りましょう」

訪日外客に携わる事業者は業種もさまざまで、各自が個別の利益を追求してばかりいては収拾がつきません。それを強く自覚した人たちの集まりであるAISOの今後の連携に向けた取り組みを期待したいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2014-06-10 12:33 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2014年 06月 09日

インド人の日本旅行の訪問地が東京・大阪プラス広島の理由(アセアン・インドトラベルマート2014その2)

アセアン・インドトラベルマート2014会場で、もうひとり話を聞いた海外バイヤーが、ムンバイから来たNarayan Kabraさんでした。彼はインドのオンライン旅行社Yatra Online Pvt Ltdの社員で、今回初めて来日したそうです。
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Yatra Online Pvt Ltd
http://www.yatra.com

商談の合間に少し時間をつくってもらい、話を聞きました。

―インド人の日本ツアーの一般的なコースとツアー代金の相場を教えてください。

「ツアー期間は1週間で、東京3日、大阪3日、広島1日の滞在が一般的です。ツアー代金は約10万5000ルピー(約30万円)です。航空運賃が高いのが問題です」

―広島を訪ねる理由は何ですか。他のアジアの国ではあまり聞いたことがないからです。

「インド人は第二次世界大戦の歴史に関心がありますから、広島の原爆ドームや平和資料館を訪ねたいと考えているのです」

―日本旅行中、気になることはありますか。

「インド人はヴェジタリアンが多いので、食事の問題があります。ホテルを選ぶ際も、近くにインドレストランがあるのが条件です」

―最近、日本にもインドレストランのチェーン店が増えています。

「今回私もよく見かけました。でも、カウンター席しかない小さなレストランは利用しにくいです。インド人の海外旅行は家族連れが多く、使いづらいし、ビジネスマンもあのようなカジュアルなレストランは使いたがりません」

―なるほど。他には要望はありますか。

「インド人は海外旅行に行くと、ナイトライフを楽しみたいと考えていますが、日本には外国人が楽しめるようなナイトエンターテインメントがほとんどありません。インド人は夜が遅いので、食事を楽しみながら見られるショーなどがあれば、喜んで行くと思いますよ」

話を聞きながら、日本に来た以上、広島には必ず足を運ぶというインド人は、さすがパール判事を生んだ国だと思いましたね。昨年訪日したインド人は約7万5000人といいますから、富裕層やビジネスマンに限られ、基本的に知的な層が大半を占めると思われますが、その国の歴史教育によって観光地の選択も、これほど影響があるものなのだとあらためて思いました。インド向けのプロモーションにおいて、広島をどうPRするか、知恵を絞る必要があるようです。
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by sanyo-kansatu | 2014-06-09 08:59 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2014年 06月 09日

ベトナムからの日本ツアーは6泊7日1600ドルが相場(アセアン・インドトラベルマート2014その1)

6月3~4日にパシフィコ横浜で開かれたインバウンド商談会「Japan Asean+India Travel Mart2014」に行ってきました。
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観光庁と日本政府観光局が主催する今年で2年目のイベントです。東南アジアやインドからの訪日旅行市場の拡大のため、これらの国々から海外旅行を扱う旅行会社(バイヤー)を招聘し、日本からはホテルやレジャー施設などの観光素材を提供するセラーが集まり、合同商談会を行います。公式サイトによると、国内セラー約200社、海外バイヤー約150社(タイ30社、シンガポール10社、マレーシア20社、インドネシア30社、ベトナム20社、フィリピン20社、インド20社)が参加したそうです。

Japan Asean+India Travel Mart2014
http://www.j-asean-india-tm.jp/j

昨年から政府が取り組んできたアセアン諸国に対する観光ビザ緩和により、東南アジアからの訪日客が増えています。

2013年のアセアン諸国の訪日外客数(JNTO統計による)

タイ 45万3600人
シンガポール 18万9200人
マレーシア 17万6500人
インドネシア 13万6800人
フィリピン 10万8300人
ベトナム 8万4400人

2014年6月現在、タイとシンガポール、マレーシアの観光ビザが免除されていますが、7月からインドネシア、フィリピン、ベトナムの免除もいまは報道レベルですが、始まりそうですから、この地域からの訪日客の増加はさらに拍車がかかるものと思われます。
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会場に入ってみましょう。天井の高い展示場スペースに、バイヤーとセラーが分かれてデスクとブースが並び、事前にアポイントを入れた相手と20分刻みで商談をします。
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ある人の紹介で、ベトナムから来たハノイツーリストのLuu Duc Ke社長に話を聞くことができました。社長によると、ベトナムからの日本ツアー(東京・大阪ゴールデンコース)は6泊7日で1600ドル(3つ星ホテル利用)~2000ドル(4つ星ホテル利用)が相場だそうです。ベトナムの旅行シーズンは4月と6月(夏休み)、10月だそうです。昨年8万人を超えた訪日客ですが、今年は12万人を超えるだろうとのこと。7月に観光ビザが免除されれば、さらに増える可能性があるそうです。
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ハノイツーリスト
http://www.hanoitourist.vn/

同社の海外旅行ツアーパンフレット(ベトナム語)をいただきましたが、日本ツアーで掲載されていたのは東京・大阪ゴールデンルートのみでした。社長によると、これまでベトナム人の海外旅行先として人気の高かったタイでクーデターが起き、中国とは関係悪化したことから、2国を避ける動きが強まっているそうです。
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ベトナムにはまだ日本政府観光局事務所はありませんが、レップ(代理事務所)を務めるNhan Phuong代表は次のように語ります。
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日本政府観光局ベトナム代理事務所
http://www.jnto.go.jp/vietnam/

「現在、ベトナム人はアセアン10カ国のみビザ免除されています。台湾や香港、韓国でもまだビザが必要ですから、もし日本で免除となれば、間違いなくベトナム人は日本へ行きたいと思うはずです。日本の魅力は桜や紅葉に代表される自然の美しさ、近代的でありながらとても清潔な国であることです。日本料理も食べたいし、買い物もしたい。ベトナムの経済水準はまだ低いので、リピーターが現れるようになるにはまだ時間がかかりますが、いまのベトナムには日本に行きやすい環境が整い始めています。

今回、ベトナムの旅行関係者はファムトリップで医療機関を視察しました。訪ねたのは、大阪のりんくう総合医療センターや葉山ハートセンターなどです。これまでベトナムの富裕層は医療観光の場合、タイやシンガポールに行く場合が多かったのですが、今回日本の進んだ医療機関を視察してわかったのは、少なくともシンガポールと比べると日本の治療費はそれほど高くはないということです」

現在、日本・ベトナム間には成田・関空からハノイ・ホーチミンに毎日フライトがあり、7月16日からベトナム中部のダナン・羽田線が就航予定です。実は6月4日、ベトナム政府観光局の東京事務所が開設されました。ベトナムとしては世界で初めてのことだそうです。

Nhan Phuong代表は、ベトナムの訪日旅行を後押しする背景として、こんなことも話してくれました。

「政治的なことは多く語りたくありませんが、いまベトナムでは中国に対する反感が高まっています。ですから、ベトナム国内にあふれる中国製品を排斥する動きも強まっています。日本の周辺は反日国と親日国がはっきり分かれていますが、ベトナムは親日以上、尊日の国です。まだまだ時間はかかりますが、もっと多くのベトナム人が日本を旅行できるようにしていきたいし、日本の方もベトナムに来ていただきたいです」

彼の話によると、来日したベトナム人が家電量販店で電気製品を購入しようとしたとき、あまりのメイドインチャイナの氾濫ぶりに唖然とするそうです。せっかく日本に来た以上、メイドインジャパンを買いたいのに、と思ってしまうとか。家電量販店の販売員さんは、相手がどこの国の人かによって、商品の薦め方を変える必要がありそうです。またベトナム人は最近、日本の健康食品も購入するそうです。プロポリスや美白化粧品なども人気で、100円ショップにも必ず行くとか。アジアではどこの国も同じようなショッピング行動が見られるのですね。

気になったのは、今春観光バス不足のため、台湾客を中心に訪日ツアー中止が頻発しましたが、ベトナムでも同様のことが起きていたようです。ベトナムでは、まだ日本の国内事情が知られていないせいか、問題化はされていませんが、ベトナムの旅行シーズンである4月と10月は、バスはもちろん、ホテルの客室がきわめて取りにくいと前述のハノイツーリストのLuu Duc Ke社長も話していました。

バスやホテル不足のため、アジア客の訪日をお断りするような事態が今後も起きそうです。これは大変気がかりな話です。
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by sanyo-kansatu | 2014-06-09 08:49 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2014年 05月 01日

29回 好調!訪日タイ個人客のつかみ方~人気ガイドブックから学ぶ“おもてなし”

先ごろ発表された日本政府観光局(JNTO)のプレスリリースによると、今年1~3月までの訪日タイ客数は前年度比64%増と過去最高を記録しています。4月も桜の花見シーズンとタイの旧正月「ソンクラーン」の休暇が重なり、多くのタイ客が日本各地を訪れました。

タイ客の手配を扱うランドオペレーター、株式会社トライアングルの河村弘之代表取締役によると、「今年もタイ市場は勢いがあります。昨年の観光ビザ免除で、日本ツアーが出発ギリギリまで販売されており、日本側のランドは手配が大変です。ホテルの客室やバスの不足も懸念されている」とのこと。先日もタイのLCC、エアアジアXが7月から成田と関空に就航するニュースが出たばかり。この勢いはさらに加速しそうです。

観光ビザが免除された訪日タイ客の特徴は、個人旅行者の比率が高いこと。彼らの旅行意欲を盛り上げるポイントは何か。日本に来て何を楽しみ、また不便を感じているのか。それを知るうえで参考になるのが、現地の各種メディアや旅行書のコンテンツです。

タイ人の訪日旅行を盛り上げるメディア作品

2月21日、タイの国際トラベルフェア(TITF)開催に合わせて、日本政府観光局(JNTO)が訪日旅行促進に貢献した団体・個人を表彰する「Japan Tourism Award in Thailand」の授賞式がありました。同賞には、タイのトップスターから映画、テレビ番組、CMのプロモーションなど、多彩な関係者が選ばれています。これを見ると、どんな作品がタイ人の訪日旅行を盛り上げているか知ることができます。

以下、同事務所の2月24日付けリリースをもとに受賞者を紹介します。それぞれ動画で作品の概要もわかるようにしてみました。

●Thongchai McIntyre (Bird)/ トンチャイ・メーキンタイ氏
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『Praew』 2013年 5月 10 日号「沖縄特集」の表紙

トンチャイ・メーキンタイさんといえば、「バード」の愛称で知られるタイの国民的スターです。1990年代にタイを訪ねた頃、街でよく彼の曲が流れていたことを思い出します。

トンチャイさんが受賞した理由は、精力的な訪日プロモーション活動への貢献です。昨年2月に「HBC国際親善広場大使」として第64回さっぽろ雪祭りへ参加。3月には沖縄県の招請で人気女性誌『Praew』の表紙撮影のために沖縄を訪問。11月にはタイ代表として東京で開催された『日・ASEAN音楽祭』へ参加するなど、日本での活動の様子がタイでも大きく報じられたといいます。これは日・ASEAN音楽祭で歌うトンチャイさんです。
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Bird Thongchai - ASEAN-Japan Music Festival 2013【動画】
https://www.youtube.com/watch?v=Q1KMd2Paki0

さらに、彼は東日本大震災支援のためにチャリティーソング『明日のために』をリリースし、日本の震災復興支援に貢献しています。以下、チャリティーソングの動画です。一部日本語でも歌っています。

明日のため- Bird Thongchai【動画】
https://www.youtube.com/watch?v=9EmtcjNuLac

今回の表彰式のために寄せられたトンチャイさんの受賞メッセージが、日本政府観光局バンコク事務所のHPのトップページに掲載されています。タイ語のサイトなので詳しい内容はわかりませんが、彼は動画の中で日本の魅力について語っています。

トンチャイさん受賞メッセージ【動画】
http://www.yokosojapan.org/

●ジャルン・ポカパン・フード社

タイを代表する食品会社ジャルン・ポカパン・フード社(C.P.Group)は、昨年日本行きのツアーが当る消費者向けプロモーション『CP Surprise!』を実施し、大ブームとなったそうです。以下の動画はタイのテレビで放映された同社のCMフィルムです。映像を見るだけで、コミカルな楽しさが伝わってきます。

CP Surprise!【動画】
https://www.youtube.com/watch?v=d5zOEexrraU

●タイのホラー映画『Hashima Project』

2013年10月に公開されたタイのホラー映画です。タイの若い男女5人のグループが、超常現象を撮影しようと近年話題の長崎県の歴史的廃墟である軍艦島(端島)を訪ねるというストーリーです。

西日本新聞2013年5月1日によると、昨年4月18日から長崎市の平和公園や軍艦島で同作品のロケが行われたそうです。監督のピヤパン・シューペット氏(42)は、インターネットで見た端島(軍艦島)を一目で気に入り、長崎ロケを決めたといいいます。吹き替えや字幕はないため、これも内容を詳しく知ることはできませんが、これまでタイ人にまったく知られていなかった「軍艦島」の名を認知させたことは確かでしょう。ロケ地を訪れたいと実際に軍艦島に足を運ぶタイ人も出てきており、軍艦島訪問を含むツアーも造成されているそうです。以下は、同映画のプロモーションフィルムです。

Hashima Project 【動画】
https://www.youtube.com/watch?v=jQ8ZaSlVBtg

軍艦島上陸クルーズ
http://www.gunkan-jima.net/

●テレビ番組『MAJIDE JAPAN』

昨年4月よりタイのBang Channelで毎週木曜夜11時から放映されている日本旅行をテーマにした人気バラエティ番組です。受賞の理由は、中国地方(鳥取、岡山、山口)や鹿児島、新潟、群馬など、まだあまりタイで知られていない地域を紹介していることです。
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MAJIDE JAPAN【動画】
https://www.youtube.com/playlist?list=PLRVsMETJm4bXsotg7I45xLtG7famnJI9D

もともとタイでは、日本のテレビ局から版権を買ってグルメ番組や旅行番組を深夜枠で毎日のように流していたそうですが、最近は自前の番組も増えています。もしタイ語がわかれば、出演するタレントさんたちが日本の何に驚き、面白がっているのか、わかって面白いことでしょう。それがタイ人誘客のヒントにつながるに違いありません。

人気旅行ガイドブック『一人でも行ける日本の旅』

訪日タイ客たちの多くは前述したように、個人旅行者です。彼らは日本でどんな不自由を感じているのでしょうか。それを知るうえで参考になるのが、昨年の「Japan Tourism Award in Thailand」受賞作の旅行ガイドブック『一人でも行ける日本の旅』です。
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タイの人気旅行ガイドブック『一人でも行ける日本の旅』

タイ人女性カメラマンのBASさん(本名:オラウィン・メーピルン)が執筆した実践的な旅行案内書です。同書は2タイトルあり、彼女が実際に訪ねた日本全国31か所の観光地について見どころや食事、宿泊施設などを詳しく紹介しています。彼女の撮影したユニークな写真(タイ人には、日本がこんな風に見えるのかという新鮮な発見が多数あり)や女性らしいイラストを多用し、日本語がわからないタイ人でも個人旅行が楽しめるような情報が満載です。

もっとも、タイ語が読めないと、詳しい内容はお手上げです。そこで、今回知り合いのタイ人留学生にこの本を読んでもらい、コメントをもらいました。その結果、見えてきたのは、タイ人の日本旅行にとってどんな情報が有用なのか、でした。これを理解すれば、タイ客の“おもてなし”に役立つはずです。
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以下、タイ人留学生ジャムジュン・モンティチャーさんとの同書をめぐる問答集です。ちなみに、彼女はタイのペチャブリー出身で、都内某大学院で観光学を専攻する若手研究者です。

四季の違いやコーディネイト例を詳しく解説

―『一人でも行ける日本の旅』は面白かったですか?

「はい、この本はよくできているなと思いました。日本語ができないタイ人でも旅行が楽しめるよう、いろいろな工夫があります」。

―それはどんなことですか?

「まず四季の違いの解説です。タイには日本のようなはっきりした四季がありませんから、何月から何月までが冬という基本的なことから、それぞれの季節に何が見られるかなど、わかりやすく説明しています」。

―タイ人に人気があるのはどの季節ですか?

「いちばん人気は春ですね。桜の季節です。タイ人にとって満開の桜は憧れです。次は冬。タイ人は一度雪を見てみたい、触ってみたいと考えているんです。日本旅行にいつ行くべきかを決めるためには、まず四季を理解しなければなりません」。

―これは持ち物チェックリストですね。日本の旅行ガイドブックにもよくあります。右のページは何でしょうか?
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四季を経験したことのないタイ人にとって季節別のコーディネイトは必須

「季節別のコーディネイト例です。タイ人には日本の寒さや暑さの程度がよくわかりませんから、季節ごとにどんな衣類を用意し、何枚くらい重ね着すればいいのかという目安をイラストで説明しています」。

―行く時期を決めたら、次はどうやって行くか、でしょうか。

「最近、タイの旅行会社はさまざまな日本ツアーを販売しているので、そこから選ぶのもいいのですが、いまは観光ビザも免除されているので、若い人たちはツアーに参加せず、個人旅行をしたいと考えています。

ただし、日本を個人で旅行するとき、大変なのは移動手段です。交通運賃がタイに比べて高いので、JRパスのような外国人向け割引券の情報は欠かせません。成田や関空から都市圏へのアクセスや、新幹線に乗って日本各地に行く場合の大まかなルートや所要時間も知りたいです。また東京の地下鉄は複雑なので、うまく乗りこなすためには、自動販売機やスイカの使い方などを知っておくと便利です」

―確かにこの本では、交通の利用法についてたくさんのページを割いているようですね。HyperdiaやJorudanのような乗換サイトの使い方も詳しく説明されています。

「ホテルについても、5ツ星クラスからビジネスホテル、ゲストハウス、旅館、民宿と分けて解説しています。日本に住むタイ人家庭にホームステイする方法も書かれていますよ」。

撮影ポイントや温泉の入り方もイラスト入りで

―タイ人は写真を撮るのが好きだそうですね。それぞれの観光地で、どのポイントから写真を撮ればいいか、そういう細かい情報が必要だと聞きます。

「タイ人は真似するのが大好きなんです。日本旅行に行った友達のFacebookを見て、自分も同じ写真が撮りたい。その点、この本はカメラマンが書いているので、撮影のポイントについて細かく触れているのが人気の理由ではないかと思います」。

―後半には、コンビニの商品や自動販売機の使い方などもありますね。
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コインロッカーやウォシュレットにタイ語の説明があると喜ばれる

「タイにも日本のコンビニはあるのですが、日本でしか売られていない商品も多いので、タイ人は気になるのです。また個人旅行する人に欠かせないなのが、駅のコインロッカーの使い方です。そして、何より日本語のわからないタイ人が知っておきたいのは、ウォシュレットの使用法でしょう」。

―確かに、ボタンがいろいろあってわかりにくいですよね。ここではボタンごとに機能を説明しています。

「いまタイ人がいちばんほしいのはウォシュレットといわれるくらいなんです。ようやくバンコクの新しいショッピングモールなどで導入が始まっていますが、まだ一般的でないので、ウォシュレットと一緒に記念撮影するタイ人もいるほどです。それから日本の和式トイレの座り方がわからないタイ人も多い。実は、日本と逆に座るので……」
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温泉の入り方の説明もこうしてイラストにするとわかりやすい

―タイでは便座のないトイレの場合、扉のほうを向いて用を足すけど、日本の和式トイレは背を向きますものね。なるほど、トイレの使い方は重要ですね。それからこのページでは、温泉に入る作法や浴衣の着方などもイラストでわかりやすく解説しています。

「水着はNGとか、お湯につかる前に掛け湯をするといいとか、お風呂の中で日本酒を一杯というのはダメですよと」。

タイ人は日本のステーショナリーが大好き

―さて、少し話題を変えたいと思います。実はこの『Omiyage』という本は、バンコクの日系出版社が制作した都道府県別のお土産案内です。とても詳しく全国のお土産が紹介されているのですが、実際のところ、いまタイ人は日本でどんなものを買っていくのでしょうか?
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『Omiyage』(Marugoto(Thailand)CO.Ltd刊)
http://www.marugoto.co.th/

「女性の観点でいうと、まず化粧品です。資生堂とDHCのサプリメント。お菓子も大好き。なかでも抹茶味のキットカットが人気です。東京バナナやロイズの生チョコ、タイ人はイチゴが好きなので、イチゴ入りのチョコレートにも目が離せません」

―なぜ抹茶味が人気なんですか?

「なぜでしょう。ほかにも桜味やワサビ味などがありますが、こちらの人気はいまいちです。最近、ブルーベリーチーズケーキ味のキットカット(上・甲信越限定ご当地商品)が出て、これはおいしいですね。キットカットはタイにも売っているけど、少し高いので、日本のコンビニで買えば安いことをみんな知っています。空港でまとめ買いする人も多いです。私もタイに帰省するときは、荷物のほとんどがお土産で、お菓子や化粧品がいっぱい詰まってしまいます。向こうに帰っても着るものはそんなに必要ないからですが、友達に頼まれるので、仕方ないんです」。

―他にも何かありますか?

「日本のステーショナリーが人気です。ふつう人からボールペンをもらっても、何これって感じですが、日本のシャーペンとか、消えるペンをあげるとみんな喜びます。だから、最近のタイ人のツアーでは、ロフトとか東急ハンズに連れて行ってくれというお客さんのリクエストが多いそうです」。

―日本の文房具のどんなところがいいのでしょうか?

「すごくよくできているのと、タイ人は小さくて細かくて、カラフルでいろいろあるという世界が好きなんです。日本のステーショナリーを見ていると、ワクワクします」。

日本旅行ブームを支える背景

―タイ人の感性は日本人と似ていますね。

ところで、タイの皆さんは日本の旅行情報をどのようにして知るのでしょう。どんな話題があると日本に旅行に行きたいという気持ちになるのですか。

「やはり影響力が大きいのはテレビ番組です。日本を紹介する番組は昔から多かったですが、最近はタレントが実際に日本に旅行に行ってレポートする番組が増えています。たとえば、『I am Maru』とか、去年の春から放映している『MAJIDE JAPAN』。おなべの子が日本を訪ねるバラエティです。あの番組、メチャメチャ面白いです。『MAJIDE JAPAN』の影響力はマジですごいです。日本にいても、ネットで視聴できますよ」。

―その番組は、日本政府観光局から訪日旅行促進に貢献した番組として表彰されたんです。みんな観てるんですね。

最後に、モンティチャーさんにタイの観光研究者のひとりとしてご質問があります。いまのようにタイ人が海外旅行にたくさん行くようになってきたのはいつ頃からでしょうか。

「4~5年前からです。LCC(格安航空会社)が飛び始めた頃からで、タイ人の所得がだいぶ上がったことが大きいです。私が大学を卒業した頃は、新卒の初任給は日本円で2万円相当でしたが、いまは約5万円と聞きます。ですから、半年とか1年とかお金を貯めて、海外旅行に行きたいと考える若者が増えています。自分のための1年1回のプレゼントとして。最初は近場の香港やシンガポールに行くけど、本当は日本に行ってみたい」。

―日本旅行ブームの背景には何があるのでしょうか。

「これまでヨーロッパと同じように敷居の高かった日本が観光ビザを免除したり、円安になったりして、行きやすくなったことが、ブームの背景だと思います。なにしろ以前は、特にタイの女性の場合、日本に行くには、半年分の銀行口座の残高証明だとか、いろんな書類を用意しなければなりませんでした。いまはその必要がなくなったのですから。

バンコクなどの都市に暮らす一般の人たちがクレジットカードをつくりやすくなったこともあります。海外旅行ローンも気軽にできるようになった。年に2回のトラベルフェアなどで安いツアーや航空券が買えるようになり、海外旅行のチャンスが広がっているのです」。

実は、今年の「Japan Tourism Award in Thailand」でも、以下の2冊が「訪日旅行の促進に貢献した旅行ガイドブック」として受賞しています。
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●ガイドブック『ガイドやツアーに頼らずに歩く日本』
●ガイドブック『123美味しい関西』

上記2冊はまだ入手していませんが、いずれも個人旅行者向けのガイドブックのようです。さまざまな角度から日本旅行の面白さを伝え、読者に旅を楽しんでもらおうという意欲を感じさせるハイセンスなガイドブックが次々と登場してくるのがいまのタイです。機会があれば、これらの本がどんな内容なのか、確かめてみたいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2014-05-01 17:01 | やまとごころ.jp コラム | Comments(0)
2014年 04月 19日

タイの日本旅行番組『MAJIDE JAPAN』の影響力はマジですごいらしい

前回(タイ人留学生とお土産談義~なぜ日本の文房具は人気なのか?)の留学生のコメントにもあったように、タイではさまざまなメディアで盛んに日本旅行を後押しする企画が登場しているようです。では、具体的にはどんな内容の作品なのでしょうか。

参考になるのが、今年2月に開催されたタイのトラベルフェアに合わせて、日本政府観光局(JNTO)バンコク事務所が実施した訪日ツアーを精力的に販売した旅行事業者や、訪日観光に貢献した個人・団体を表彰する「Japan Tourism Award in Thailand」です。2月21日、トラベルフェア会場となるバンコクのシリキット国際会議場で4 回目となる表彰式が行われています。

以下、同事務所の2月24日付けリリースをもとに、「訪日観光に貢献した個人・団体」の受賞者を紹介します。タイのトップスターから映画、テレビ番組、CMなど、実に多様なメディアが受賞していて、興味深いです。それぞれ動画もリンクしているので、作品の概要もわかるようにしてみました。

●Thongchai McIntyre (Bird)/ トンチャイ・メーキンタイ氏

「タイ人なら知らぬ人のいないタイの国民的スター。タイのエンターテインメント界を代表する存在として、デビュー以来約30 年近くにわたり、俳優・モデル・歌手として活躍している。俳優としての代表作は、主役である日本人将校『小堀』役を演じたテレビドラマ『メナムの残照(クーカム)』(1990 年)、同名映画(1996 年)等。歌手としてもヒット曲が あるが、東日本大震災支援のためチャリティーソング『明日のために』をリリースし、タイにおける大震災復興支援に大きく貢献した。2013年は2月にHBC国際親善広場大使として第64回さっぽろ雪祭りへ参加。3月には沖縄県の招請により、人気女性誌『Praew』の表紙撮影のため、沖縄を訪問。また11月にはタイ代表として東京で開催された『日・ASEAN音楽祭』へ参加する等、彼の日本での活動の様子がタイでも大きく報じられ、タイにおける訪日機運を大きく盛り上げた」(リリースより)。

トンチャイ・メーキンタイさんといえば、「バード」の愛称で知られる国民的歌手です。1990年代にタイを訪ねた頃、よく街に流れていたことを思い出します。彼は東日本大震災のためのチャリティーソングを歌っていたのですね。以下、その曲の動画です。一部日本語でも歌っています。

อีกไม่นาน (明日のため) - Bird Thongchai
https://www.youtube.com/watch?v=9EmtcjNuLac

これは昨年11月、日・ASEAN音楽祭で歌うトンチャイさんです。

Bird Thongchai - ASEAN-Japan Music Festival 2013
https://www.youtube.com/watch?v=Q1KMd2Paki0

今回の「Japan Tourism Award in Thailand」表彰式 のために寄せられたトンチャイさんの受賞メッセージが、日本政府観光局バンコク事務所のHPのトップページに掲載されています。タイ語のサイトですから、一瞬面食らいますけど。

トンチャイさん受賞メッセージ
http://www.yokosojapan.org/
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「Praew」 2013年 5月 10 日号沖縄特集表紙

●Charoen Pokphand Foods Public Company Limited

「1978年に創業したジャルン・ポカパン・フード社(C.P.Group)は、現在タイを代表する食品企業であり、世界有数のアグリビジネス企業として、海外でも広く活動を展開している。タイ国内では、常に巧みな消費者向けキャンペーンを実施しているが、2013年の『CP Surprise!』プロモーションでは、同社の加工食品を購入すると、日本行きのツアーが当たるというもので、日本をイメージさせながら消費者の興味をそそる同社の広告は、街の話題となり、同社のプロモーションの成功は、2013年のタイの訪日市場に大きな影響を与えた」(リリースより)。
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以下の動画はタイのテレビで放映された同社のCMフィルムです。これもタイ語なので、何を言っているのかわかりませんが、コミカルな雰囲気は伝わってきます。

CP Surprise!
https://www.youtube.com/watch?v=d5zOEexrraU

●タイ映画『Hashima Project』

「2013年10月に公開されたタイのホラー映画『Hashima Project』(配給:M39制作:ForFilm)は、映画のタイトルとなったハシマが、長崎県内に実在する歴史的廃墟の端島(別名:軍艦島)であり、実際に端島で撮影が行われたことでも大きな話題を呼び、最終的な興行成績は4000万バーツ(約1.2億円)となった。同映画の長崎ロケを支援した長崎県の観光プロモーションに映画製作チームが積極的に協力した結果、ロケ地を訪れたいと実際に軍艦島に足を運ぶタイ人も増えており、軍艦島訪問を含むツアーも造成されている」(リリースより)。
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以下は、同映画のプロモーションフィルムです。

ตัวอย่าง ฮาชิมะ โปรเจกต์ - Hashima Project [Official Trailer HD]
https://www.youtube.com/watch?v=jQ8ZaSlVBtg

タイ人の若い男女5人のグループが、超常現象を撮影しようと長崎県の軍艦島(端島:ハシマ)を訪ねるという設定です。吹き替えや字幕はないため、これも内容を詳しく知ることはできませんが、タイ人にこれまでまったく無名だった「軍艦島」の存在を認知させたことは確かでしょう。

地元紙は、同映画のロケについて、以下のように伝えています。

タイ映画、長崎市でロケ 平和公園、軍艦島などで撮影(西日本新聞2013年5月1日)

長崎市を舞台にしたタイ映画「PROJECT H」のロケが市内であり、4月18日に平和公園(同市松山町)の平和祈念像前で冒頭シーンの撮影が行われた。

監督はピヤパン・シューペット氏(42)で、インターネットで見た端島(通称・軍艦島)を一目で気に入り、長崎ロケを決めたという。県観光連盟は昨年10月、タイ側からのロケ協力の呼び掛けに応じて、長崎市と計約250万円の滞在費助成をした。同連盟の土井正隆専務理事は「映画を通して長崎をPRし、タイからの観光客を増やしたい」としている。

9月にタイで上映予定の映画は、動画サイトなどに投稿するのが趣味の主人公が、仲間5人で軍艦島に撮影に訪れるという内容。主演は日本で「Kitty GYM(キティジム)」の名でデビュー経験もあるピラット・ニティパイサンクンさん(24)。「長崎は初めてだが、景色がとてもきれい。たくさんの人に映画を見てもらいたい」と笑顔で話していた。

世界遺産申請などの話題も出てきた軍艦島ですが、最近は海外からの観光客も訪れているそうです。軍艦島には、以下の航路があるようです。

軍艦島上陸クルーズ
http://www.gunkan-jima.net/

●テレビ番組『MAJIDE JAPAN』

「昨年4月よりBang Channelで毎週木曜夜11時から放映されているテレビ番組『Majide Japan』は、訪日観光に特化して、魅力的な観光地や、観光地へのアクセス方法をタイの視聴者に紹介している。レポーターのウムさんは、中国地方(鳥取、岡山、山口など)や鹿児島、新潟、群馬など、まだタイ人に知られていない日本各地の知られざる観光地を訪れ、個人旅行者向けのアクセス情報も含め、詳細かつ楽しくレポートしているため、番組で紹介した観光地を訪れるタイ人観光客も増えている」(リリースより)。
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これがタイ人留学生モンティチャーさんの教えてくれた日本旅行バラエティ番組です。彼女によると、『MAJIDE JAPAN』の影響力は「マジですごい」らしいです。以下のYou Tubeの動画で彼女もたまに見ているそうです。ちなみにMCのウムさんはおなべだとか。いかにもタイらしいですね。

MAJIDE JAPAN
https://www.youtube.com/watch?v=AskZIWDlpIQ&list=PLRVsMETJm4bXsotg7I45xLtG7famnJI9D

もともとタイでは、日本のテレビ局から版権を買って深夜枠でグルメ番組や旅行番組を毎日のように流していたそうですが、最近は自前の番組も増えているそうです。タイ語がわかれば、出演するタレントさんたちが、日本の何に驚き、面白がっているのか、わかって面白いでしょうね。それがどんなタイ人誘客のヒントにつながるかもしれません。

実は、モンティチャーさんに内容を紹介してもらった旅行ガイドブック『一人でも行ける日本の旅(Japan ญี่ปุ่น คนเดียวก็เที่ยวได้)』は、昨年の「Japan Tourism Award in Thailand」受賞作でした。今年も以下の2冊が「訪日旅行の促進に貢献した旅行ガイドブック」として受賞しています。

●ガイドブック『ガイドやツアーに頼らずに歩く日本(ญี่ปุ่น เที่ยวไม่ง้อไกด์ ไปไม่ง้อทัวร์)』
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「ガイドブック『ガイドやツアーに頼らずに歩く日本』(2013年8月Tip Thai Interbook社より発行)は、日本へ旅行する際に必要な情報を、様々な角度から紹介しており、例えば、東京周辺を5日で旅行する場合、何を用意すればよいか等の情報も網羅している。著者のポンサコーン・プラトゥムウォンさんは、今まで何度も日本を訪れ、数冊のガイドブックを執筆しているだけでなく、3年間日本へ滞在した経験を持つ。著者の詳細な観光案内と豊富な写真により、特に初めて日本を訪れる観光客にとって、非常に役立つ内容となっている」(リリースより)。

●ガイドブック『123美味しい関西(123 อิ่มอร่อยคันไซ)』

「2013年8月に出版されたガイドブック『123美味しい関西』は、大阪、神戸、京都、奈良を中心とする関西地域のレストランについて、寿司、ラーメン、カニ料理、ベーカリーから懐石料理に生鮮市場まで、幅広いジャンルの店を紹介している。著者であるピムマライさんは、自らすべての店を取材し、写真撮影と執筆を担当した。タイでは、まだ日本のレストランガイドは少なく、同ガイドブックは、日本を自分の足で旅行し、美味しい店を自分で選んで訪れたいというタイの個人旅行者のニーズに合致した内容となっている」(リリースより)。

上記2冊はまだ入手していませんが、さまざまな角度から日本旅行を面白がってやろう、楽しんでやろうという意欲を感じさせる企画が、次々と登場するのがいまのタイです。機会があれば、これらの本もどんな内容なのか、確かめてみたいと思っています。
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by sanyo-kansatu | 2014-04-19 11:24 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2014年 04月 19日

タイ人留学生とお土産談義~なぜ日本の文房具は人気なのか?

前回、タイ人留学生ジャムジュン・モンティチャーさんと一緒に、タイ語の旅行ガイドブック『一人でも行ける日本の旅(Japan ญี่ปุ่น คนเดียวก็เที่ยวได้)』をめぐる問答をお届けしましたが、今回はその続きです。タイ人の日本土産と日本旅行ブームの背景について彼女の意見を聞いています。
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―実はこの本(『Omiyage』(Marugoto(Thailand)CO.Ltd刊)も昨年夏、タイ国際旅行フェアの会場で購入したものですが、バンコクのある日系出版社が刊行した都道府県別のお土産案内です。とても詳しく全国のお土産が紹介されているのですが、実際のところ、いまタイ人は日本でどんなものを買っていくのでしょうか。

「女性の観点でいうと、まず化粧品です。資生堂とDHCのサプリメント。お菓子もいろいろ。なかでも抹茶味のキットカットが人気です。東京バナナやロイズの生チョコ、タイ人はイチゴが好きなので、イチゴ入りのチョコレートにも目が離せません」
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―なぜ抹茶味が人気なんですか。

「なぜでしょう。ほかにも桜味やワサビ味などがありますが、こちらの人気はいまいちです。最近、ブルーベリーチーズパイ味のキットカット(上・甲信越限定ご当地商品)が出て、これはおいしいですね。キットカットはタイにも売っているけど、少し高いので、日本のコンビニで買えば安いことをみんな知っています。空港でまとめ買いする人も多いです。私もタイに帰省するときは、荷物のほとんどがお土産で、お菓子や化粧品がいっぱい詰まってしまいます。向こうに帰っても着るものはそんなに必要ないからですが、友達に頼まれるので、仕方ないんです」。

―他にも何かありますか。

「日本のステーショナリーが人気です。ふつう人からペンをもらっても、何これって感じですが、日本のシャーペンとか、消えるペンとかあげるとみんな喜びます。だから、最近のタイ人のツアーでは、ロフトとか東急ハンズに連れて行ってくれというお客さんのリクエストが多いそうです」。

―日本の文房具のどんなところがいいのでしょうか。

「すごくよくできているのと、タイ人は小さくて細かくて、カラフルでいろいろあるという世界が好きなんです。日本のステーショナリーを見ていると、ワクワクします」。

―タイ人のそんな感性は日本人と似ていますね。最近、タイ人客が増えたので、百貨店やドラッグストアなどでもタイ語のポップや商品説明が増えてきた気がします。

「でもね、タイ語がちょっと変なんです。たぶん、タイ語の翻訳ソフトを使ったんじゃないかと思いますけど」

―以前、タイでもちょっと変な日本語をよく見かけたものですが、逆のことが起きているんですね。ところで、タイ人がいまのように海外旅行にたくさん行くようになってきたのはいつ頃ですか。

「4~5年前からです。LCCが飛ぶようになった頃で、タイ人の所得もだいぶ上がったことが大きいです。私が大学を卒業したころは、新卒の初任給は日本円で2万円相当でしたが、いまは約5万円と聞きます。ですから、半年とか1年とかお金を貯めて、海外旅行に行きたいと考える若者が増えています。自分のための1年1回のプレゼントとして。最初は近場の香港やシンガポールに行くけど、本当は日本に行ってみたかった。

これまでヨーロッパと同じように敷居の高かった日本が観光ビザを免除したり、円安になったりして、行きやすくなったため、日本旅行のブームが起きているのだと思います。なにしろ以前は、特にタイの女性の場合、日本に行くには、半年分の銀行口座の残高証明だとか、いろんな書類を用意しなければなりませんでした。その必要がなくなったのですから。

クレジットカードをつくりやすくなったこともあります。海外旅行ローンもできるようになった。年に2回のトラベルフェアなどで安いツアーや航空券が買えるようになったので、海外旅行のチャンスが広がっています」。

―タイの人たちは日本の情報をどのように知るのでしょうか。どんな内容だと日本に旅行に行きたいという気持ちになるのかな。

「やはり影響力が大きいのはテレビ番組です。日本を紹介する番組は昔から多かったのですが、最近はタレントが実際に日本に旅行に行ってレポートする番組が増えています。たとえば、『I am Maru』とか、去年の春から放映している『MAJIDE JAPAN』は、おなべの子が日本を訪ねるバラエティです。あの番組、メチャメチャ面白いです。日本にいても、ネットで視聴できますよ」。

ガイドブック『一人でも行ける日本の旅』の中に指宿温泉や田沢湖など、いきなり渋い観光地が出てきたりするのも、タイの出版メディアやテレビ番組の制作者たちが、まだタイ人が知らない日本を競うように探して紹介しようと努めていることの表れだと思います。これほど強力な訪日旅行プロモーターはいないといえるでしょう。

実は、今年2月にタイで訪日旅行促進に貢献したとされるメディア作品などが日本政府観光局(JNTO)によって表彰されています。タイのトップスターから映画、テレビ番組、CMのプロモーションなど、多様なメディアが受賞して、興味深いです。その話は、次回に。

※(次回)タイの日本旅行番組『MAJIDE JAPAN』の影響力はマジですごいらしい
http://inbound.exblog.jp/22471451/
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by sanyo-kansatu | 2014-04-19 11:03 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2014年 04月 19日

ガイドブック『一人でも行ける日本の旅』をめぐるタイ人留学生との問答集

昨年夏、バンコクで開催されたタイ国際旅行フェアの会場で購入した1冊のタイ語の旅行ガイドブック『一人でも行ける日本の旅(Japan ญี่ปุ่น คนเดียวก็เที่ยวได้)』は、とても楽しい本です。
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タイ人女性カメラマンのBASさん(バス:ペンネーム、本名:オラウィン・メーピルン)が執筆した実践的な旅行案内です。同書は2タイトルあり、彼女が実際に訪ねた日本全国31か所の観光地について見どころや食事、宿泊施設などを詳しく紹介しています。彼女自身が撮影したユニークな写真(タイ人には、日本がこんな風に見えるのかという新鮮な発見も多数あり)や女性らしいイラストを多用し、日本語がわからないタイ人でもひとりで旅行を楽しめるような情報が満載なのが特徴です。

またこの本は、2013年2月12日に在タイ日本国大使公邸で開催された“Reception for Japan-bound Tourism Promotion”において、訪日旅行の促進に貢献した旅行ガイドブックとして「Japan Tourism Award in Thailand」を受賞しています。

もっとも、タイ語が読めないぼくには、詳しい内容はお手上げです。そこで、知り合いのタイ人留学生にこの本を読んでもらい、読後の感想やこの本の特色について話を聞きました。その結果、見えてきたのは、タイ人の日本旅行にとってどんな情報が有用なのか。彼らが日本で何を気にし、何に困っているのか。彼らの旅行意欲を掻き立てるポイントは何か、といったことです。それを理解すれば、タイ人に対する“おもてなし”にも役立つはずです。

以下、タイ人留学生ジャムジュン・モンティチャーさんとぼくとの同書をめぐる問答集です。ちなみに、モンティチャーさんはタイのペチャブリー出身で、都内某大学院で観光学を学んでいる方です。

―『一人でも行ける日本の旅』は面白かったですか。

「はい、この本はよくできているなと思いました。最近、タイで元留学生が日本の体験を綴ったエッセイが出版されています。日本でのアパートの借り方やアルバイトなど生活のエピソードや、国内旅行の話などいろいろ書かれています。私も留学生のひとりなので、よく理解できる内容なのですが、基本的に長期間日本に滞在し、日本語ができることが前提になっています。でも、『一人でも』は、日本語はもちろん、日本のことがよくわからないタイ人でも旅行できるよう、いろいろな工夫がされています」。

―それはどんなことですか。具体的に教えてもらえますか。

「まず四季の解説です。タイには日本のようなはっきりした四季がありませんから、何月から何月までが冬という基本的なことから、それぞれの季節に何が見られるかなど、わかりやすく説明しています」。
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―タイ人に人気があるのはどの季節ですか。

「いちばん人気は春ですね。桜の季節です。タイ人にとって満開の桜は憧れです。次は冬。タイ人は一度は雪を見てみたい。触ってみたいと考えているんです。日本旅行にいつ行くべきかを決めるためには、まず四季を理解しなければなりません」。

―行く時期を決めたら、次はどうやって行くか、でしょうか。

「最近、タイの旅行会社はたくさんの日本ツアーを販売しているので、そこから選ぶのもいいのですが、いまは観光ビザも免除されているので、若い人たちほどツアーに参加せず、個人旅行をしたいと考えています。
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ただし、日本を個人で旅行しようとするとき、いちばん大変なのは移動手段です。交通運賃がタイに比べて高いので、JRパスのような外国人向け割引券の情報は欠かせません。成田や関空から都市圏へのアクセスや、新幹線に乗って日本各地に行く場合の大まかなルートや所要時間も知りたいです。また東京の地下鉄は複雑なので、うまく乗りこなすためには、自動販売機やスイカの使い方などを知っておくと便利です」

―確かにこの本では、交通の利用法についてたくさんのページを割いているようですね。HyperdiaやJorudanのような乗換サイトの使い方も詳しく説明されています。
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「ホテルについても、五ツ星クラスからビジネスホテル、ゲストハウス、旅館、民宿と分けて解説しています。日本に住むタイ人家庭にホームステイする方法も書かれていますよ」。

―これは持ち物チェックリストですね。日本の旅行ガイドブックにもよくあります。右のページは何でしょうか。
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「季節ごとの衣服のコーディネイト例です。タイ人には日本の寒さや暑さがよくわかりませんから、季節ごとにどんな衣類を用意し、何枚くらい重ね着すればいいのかという目安をイラストで説明しています。

またこの本の筆者はカメラマンなので、撮影器材やバッグの収納法なども写真付きで解説しています」

―タイ人は写真を撮るのが好きだそうですね。それぞれの観光地で、どのポイントから写真を撮ればいいか、そういう情報が重要だといいますね。

「タイ人は真似するのが大好きなんです。日本旅行に行った友達のFacebookを見て、自分も同じ写真が撮りたいと。その点、この本はカメラマンが書いているので、撮影のポイントについて細かく触れているのが人気の理由ではないかと思います」

―後半には、コンビニの商品紹介や自動販売機の使い方の解説などもありますね。

「タイにも日本のコンビニはあるのですが、日本でしか売られていない商品も多いので、タイ人はすごく気になるのです。飲み物やアイスクリームの自動販売機も使ってみたくなるんです。

それからこれはタイ人に限らないかもしれませんが、個人旅行する外国人にとって役に立つのは、コインロッカーの使い方でしょうね。駅に荷物を置いて観光したり、買い物したものを置いておいたり、すごく便利ですから。それと、日本語のわからないタイ人が何より知っておきたいのは、ウォシュレットの使用法です」。

―確かに、ボタンがいろいろあってわかりにくいですよね。ここではボタンごとに機能を説明しています。
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「いまタイ人がいちばんほしいのはウォシュレットといわれるくらいなんです。ようやくバンコクの新しいショッピングモールなどで導入が始まっていますが、まだまだ一般的でないので、ウォシュレットと一緒に記念撮影するタイ人もいるほどです。Facebookによく出てきます。あと日本の和式トイレの座り方がわからないタイ人も多い。実は、日本と逆に座るので…」

―そういえば、タイでは便座のないトイレの場合、扉のほうを向いて用を足すけど、日本の和式トイレは背を向きますものね。なるほど、トイレの使い方の情報は重要ですね。

ところで、2冊目のJapan 2には、日本語旅行会話がありますね。これを見て面白いと思ったのは、限られた誌面にタイ人にとって重要なアイテムを網羅しようとしていることです。たとえば、食べ物は全部で34個出てきます。こんな感じです。

お茶、日本酒、ラーメン、すき焼き、しゃぶしゃぶ、そば、焼きそば、そば・うどん、おでん、焼き鳥、お好み焼き、たこ焼き、幕の内弁当、かっぱ巻き、玉子、さけ、いくら、えび、かに、いか、たこ、まぐろ、かつお、さば、あなご、牛肉、とんかつ、天ぷら、丼もの、かつ丼、親子丼、牛丼、天丼、うな重

タイ人の多くは日本に来て、こういうものを食べているのだなあと。やはり、お寿司の光ものは食べないんですね。たこも気味悪がって食べたがらないという話を聞いたことがありますが、そうでもないのかな。

「タイ人は日本食が好きですからね。お寿司もそうだし、最近は日本のケーキがおいしいと評判です。私の友人も日本でケーキを食べたら、タイのケーキは食べる気にならないなんて言っています」。

―それから、温泉に入る作法や浴衣の着方などもイラストでわかりやすく解説していますね。
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「水着はNGとか、お湯につかる前に掛け湯をするといいとか、お風呂の中で日本酒を一杯というのはダメですよと」。

―この本にはたくさんの特色がありますが、まとめるとどういうことになるでしょう。

「この本の書体は若者向けのフォントを使っています。手書きに近いやわらかいフォントで、私が高校生のころ流行っていました。それがかわいいイラストとマッチしています。若い世代向けのガイドブックだと思います」。

―そういう意味でも興味深いのが、この本に紹介される場所です。書き出すとこうなります。

Japan
東京、横浜、鎌倉、富士五湖、箱根、金沢、高山、名古屋、大阪、京都、広島、熊本、指宿、別府

Japan 2
  青森、弘前、田沢湖、盛岡、角館、乳頭温泉、鳴子温泉、仙台、山寺(山形)、蔵王、日光、東京、京都、奈良、神戸、大阪

これを見て思うのは、最初の巻こそ代表的な観光地が網羅されていますが、Japan 2は東北に偏っていて、日本人の感覚からいうと、ほかにもっと王道の観光地があるだろうに、と思ったりもします。また最近タイ人の増えている北海道もありません。

でも、考えてみれば、日本人にとっての王道が必ずしも外国人から見て魅力的とは限らない。それぞれの国の人たちが自分たちの王道を決めればいいことでしょう。震災のあった東北にこの本を読んでたくさんのタイ人が訪ねてくれたらうれしいですね。

「やはり面白い旅行のルートが知りたいのです。どこにどう行けばいろいろ楽しめるか。Japan 2の最後に3つのモデルコースが紹介されています。こういう情報がもっと知りたいです」。

最初のコースが、4泊5日の関西周遊で京都と奈良を訪ねるもの。ふたつ目が9泊10日で、東京から仙台、鳴子温泉、日光をめぐり、そこから急に京都に向かい、奈良と神戸を訪ねて関空から帰国するコース。最後が13泊14日で、東京、弘前、田沢湖、青森、角館、鳴子温泉、仙台、山寺、日光、そしてここでも急に大阪に向かい、京都や奈良をめぐって関空から帰るコース。

おそらく最後のコースは、Japan 2の内容に合わせたルートですね。これを見て思うのは、タイ人にとって京都や奈良の魅力は絶大なのだなということ。仏教国のタイ人にとって古いお寺を訪ねることは大切なんですね。

タイ人が本当に行きたいところだけ行くと、こういう自由な旅になるのでしょう。こういう旅をもっと多くのタイ人が体験できたらいいですね。
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by sanyo-kansatu | 2014-04-19 10:52 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2014年 04月 14日

ゴールデントライアングルの中国カジノに潜入してみた

2013年8月中旬、タイ最北部にあるゴールデントライアングルで王冠を被せたような奇妙な建物を見かけたことを先日、書きました。地元の人に聞くと、カジノだといいます。
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インドシナ3カ国が接するゴールデントライアングル最新国境風景
http://inbound.exblog.jp/22434567/

チェンセーンのボート乗り場に戻ると、すぐにトゥクトゥクに乗ってゴールデントライアングル方面に向かいました。対岸にあるカジノに行く方法を知りたくなったからです。
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メコン沿いの道路を10km近く走ると、右手に大きな施設が見えてきました。
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「湄公河金角万庆公司(MIC)」と書かれています。
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建物の中に入ると、ひと気はなく、休業状態のように見えました。それでもくまなく探すと、「Kings Romans Resort」という旅行会社がありました。

スタッフらしき男性がいたので、「カジノに行きたいのだけど?」と尋ねると、男性は時計を見ながら「いいですよ。でも今日はもう時間がありません。明日またここに来てください。車でイミグレーションまでご案内します」。

すでに午後4時を回っていました。「パスポートを忘れないでくださいね」。やった。明日にはカジノに行けそうです。

翌朝8時、「Kings Romans Resort」を訪ねました。昨日の男性はいませんでしたが、別の男性が車に乗せてイミグレーションまで運んでくれました。
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これがチェンセーンのイミグレーションです。この町に出入国管理所があるなんて知りませんでした。数年前に開設されたそうで、対岸のカジノに行くために特設されたものと思われます。
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出国手続きをしていると、団体ツアー客が上陸してきました。手にしたパスポートを見ると台湾人のようです。なるほど、ゴールデントライアングルの中国カジノはすでに台湾など華人系のツアーの一部に組み込まれているものと思われます。子供連れの家族も多く、いったいこんな人たちもカジノに行くのだろうか、といぶかしく思いましたけど。
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さて、今度はぼくがラオスに向かう番です。ボート乗り場に行って「カジノに行きたい」というと、すぐに対岸に運んでくれました。料金はいらないそうです。
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ところが、ラオス側に上陸しても、ボート乗り場の周辺には誰もおらず、イミグレーションらしき建物も見当たりません。このままだと密入国できちゃうぞと思いながら、ボートの運転手に聞くと「あっちだ」と円形ドームのような建物を指さすだけ。仕方なく歩いていくと、確かにこの立派な建物はイミグレーションでした。
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中に入ると、出入国チェックのブースがありました。入国スタンプをもらったものの、周辺には誰もいません。今度はどうやってカジノまで行けばいいのかわからない。対岸から見た限りでは相当離れているようです。

困り果てていると、しばらくしてイミグレーションの前に車が現れました。手を振り車を停めさせ、「カジノに行きたい」というと、すぐに乗せて運んでくれました。送迎用の専用車でした。
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カジノに向かう道路は整備されていました。両脇に太いパームヤシが植えられ、広い二車線道路が延々のびていました。途中行き交うのはランドクルザーやゴルフ場にあるようなカート、あとは自転車に乗ったラオス人労働たちです。見ると、通りの名は「花园东路(花園東路)」です。
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5分ほど車で走ると、ボートの上から見た王冠の建物が見えてきました。いよいよ潜入です。
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少し緊張しましたが、なんのことはない。カジノに入るには、パスポートのチェックだけであっさりOKでした。
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そこに広がっていたのは、いかにも華人好みの趣味の悪い空間でした。中国の温浴施設やレジャー施設のロビーによくあるやたらと天井の高い構造です。ホント彼らはこういうのが好きですね。
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なおも進むと、広い賭博スペースがあり、ブラックジャックをやっていました。見ると、客層は華人ばかり。ディーラーも華人女性。フロントや両替、飲食の給仕スタッフは華人とラオス人が混じっています。
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さすがに人の顔は写せないので、角度を変えて館内をこっそり隠し撮りしたわけですが、カジノ内は飲食無料で、レストランも併設されていました。彼らはここで数日間、好きに飲み食いしながらギャンブルに興じて過ごすのでしょう。華人がなぜ自国では禁じられているカジノを周辺国の国境付近にやたらとつくりたがるのか。それはマネーロンダリングといった経済的な理由もあるでしょうが、心底こういう遊興が好きだからと思います。中国人のクルーズ好きは船内で気軽にカジノが楽しめるからだといわれるのも、同じ理由でしょう。

ぼくも含めて、一般の日本人はこういう場に慣れていないだけで、中国のカジノは、どれだけ見かけは派手に見えても、それ自体はカジュアルなアミューズメント施設といえそうです。ただし、もう一回海外旅行に来られるくらいのお金は用意しておかないと、存分には楽しめないでしょうけれど。
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奥にはスロットマシーンもありました。ただ、客はそんなに大勢いる感じはありません。
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「賭王大賽」(カジノ王大会?)。イベントもやっているようです。
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外に出て建物の周囲を見て回ると、ローマ時代風のレプリカ像が取ってつけたようにいくつも並んでいます。ラオス人労働者らの姿もあちこちに見かけます。
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車を降りて気がついたのですが、カジノの周辺には想像以上にいろんな施設があります。しばらく歩いていると、こんな立派なチャイナタウンの門がありました。「唐人街」と書かれています。中国の地方都市で、街の中心部を再開発して観光名所にした商店街などによくあるタイプです。
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奥には、これもよくあるテーマパークのような商店が並んでいました。ここにもひと気はありませんでしたが、「老挝人民民主共和国金三角经济特区唐人街揭幕処式(ラオス人民民主共和国ゴールデントライアングル経済特区中華街開幕式)」という赤い垂れ幕が通りに掲げられていました。このチャイナタウンはできたてほやほやのようです。
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ボートから見たホテル「金木花园酒店(Kapok Garden Hotel)」もありました。
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どんなホテルか覗きにいくと、ごく普通の中国のホテルでした。フロントに華人女性がいたので、「どこかで食事はできないか」と尋ねると、「ここにはありません。カジノの中で食べられますよ」とのこと。ホテルのレストランは営業していないそうです。確かに、これだけ広いリゾート施設としては客の数は少なすぎて、飲食施設もやたらと営業できないので、観光客の食事はまとめてカジノ内ですませてもらう、ということのようです。
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ほかにも「商业街(ショッピング・ストリート)」なんてのもありました。おそらくショッピングモールにするつもりだったのでしょう。
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モンゴルの民族家屋パオが並ぶ一画もありました。少数民族のテーマパークのようです。中国各地の地方料理を掲げた食堂街もありました。
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少し離れた場所には、競馬場もありました。ただし、クラブハウス風の建物と馬小屋があるだけで、肝心の馬はいませんし、そもそも中は草ぼうぼうの荒地のまま。

こうしてぼくも事態をだんだん飲みこめてきたのですが、要するにここは、いわゆる中国がラオスにこしらえた総合複合リゾート施設だったのです。いま東京湾で推進の動きが話題となっている「カジノを中核とした複合リゾート施設(Integrated Resort=IR)」というやつです。あくまで華人仕様ですけど。子供連れの台湾客がいたのもそのためでしょう。

実は、「ゴールデントライアングル経済特区」は中国の金木棉集团公司が、ラオス政府から102km²の土地を99年間租借し、リゾート開発したものです。そこでは中国の携帯電話が使え、これまで見てきたように道路の案内表示も中国語表記、チャイナタウンすらできています。2009年9月9日にラオス政府が中国と批准しました。特区内では中国の広範囲な自治権が認められています。

数日前、中国・ラオス国境のボーテンでも見たリゾートホテルが廃墟化した光景に比べると、こちらはさすがに世界的に有名な観光地であるゴールデントライアングルという地の利もあるのか、ゴーストタウンというほどの寂れ方とはいえないかもしれません。でも、欧米客はまずここには訪れそうもありません。わざわざゴールデントライアングルに来て、中国の田舎のリゾート施設に足を運ぶ理由がないからです。カジノに行きたきゃ、彼らはマカオに行くでしょう。

せいぜい華人ツアー客をコースの一部に組み込んで送客するか、年に数回イベントを開いて雲南省あたりの富裕層を集めるか。そんな集客状況ではないでしょうか。これは2000年代に地方政府によって計画され、勢いで立派なハコモノをつくってはみたものの、当初考えたほど運営はうまくいっていないという中国のリゾート開発の典型的なパターンのように思われます。

ゴーストタウンと化していた中国・ラオス国境の町ボーテン
http://inbound.exblog.jp/22437603/

なんでこんなものを作ってしまったのかなあ…。ボーテン同様、ここでもまた釈然としない思いを抱えざるを得ません。

広い敷地にひとり立ち尽くしていると、ボート乗り場に帰る交通手段がないことに気づきました。8月のラオスです。じりじり日が照りつけてきます。これは大変なことだと、かなり焦りました。

幸い、そこに救いの手が現れました。通りをひとりのラオス人青年がバイクに乗って走ってきたのです。手を大きく振り、バイクに乗せてくれと頼んだところ、彼はすぐに応じてくれました。

彼はカジノで働く労働者でした。自宅は敷地内のすぐ外の集落にあるそうです。村人の多くがここで働いているとのこと。確かに、彼の立場からすれば、もともと何もなかった村に施設を建てて、仕事を与えてくれたのは中国資本です。中国を悪くいう筋合いはなさそうです。ちなみに彼との会話は、ラオス北部で会った多くの人たちがたいていそうであるように中国語でした。

イミグレーションまで乗せてくれたので、お金を渡そうとすると、いらないといいます。なんて優しい青年なんだろう。ぼくは無理やりタイバーツを彼の手に握らせて別れました。そして、出国手続きをすませると、わずか数時間の滞在だったラオスにお別れして、タイに戻ったのでした。タイのイミグレーションでは、出入国管理官がぼくのパスポートを見て、「もう帰ってきたの」と笑いながら言いました。
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これがささやかなゴールデントライアングルの中国カジノの潜入記です。

ここ数日ぼくが見たのは、インドシナ北辺で中国がやらかしていることの一部とはいえ、共通して言えることがあります。まず、彼らは2000年代に国内でやっていたことと基本、変わらないことを海外でも同じノリでやっていたようにしか見えないこと。また、いくらラオス政府から安く土地を貸与しているからとはいえ、これらの投資の回収はそんなにたやすくないのでは、ということです。
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by sanyo-kansatu | 2014-04-14 10:47 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2014年 04月 13日

中国発アジアハイウェイ(昆曼公路)がラオス国内の移動時間を大幅に短縮させている

前回、ラオスと中国雲南省・西双版納タイ族自治州との国境であるボーテンを訪ねた話を書きましたが、ラオス北部は近年、飛躍的に交通の便が進んでいるようです。もともと山岳地帯だった地域でこんなに移動が楽になったのは道路が整備されたからです。
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のどかな山岳部に一本道が走っています。オレンジの袈裟を着た若いお坊さんが自転車を漕いでいます。

もちろん、この道路に投資したのは中国です。今回、この地域を訪ねてわかったことですが、中国は雲南省からラオス北部をタイ方面に向かって最短で突き抜ける幹線道路をすでに完成させています。中国では「昆曼公路」と呼んでいます。2008年に開通したようです。
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中国語の地図なので地名が漢字ですが、中国雲南省西双版納(シーサーパンナ)タイ族自治州のラオス国境の町・磨憨(モーハン)、そしてラオス側の町・磨丁(ボーテン)から琅南塔(ルアンナムター)を通り、会晒(フアイサーイ)まで抜けるルートです。ここでメコン河にぶつかり、対岸のタイの町はチェンコーンです。

※ボーテンについては以下参照。

ゴーストタウンと化していた中国ラオス国境の町ボーテン
http://inbound.exblog.jp/22437603/

さて、中国国境のボーテンからタイ国境のフアイサーイまでがラオスの国道3号線です。ではこれからこのルートに沿って車窓の風景を見ていきましょう。
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まずボーテン国境ゲートです。
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ゲートから2㎞先には、大型トラックの広い駐車スペースがあります。
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物流を担うのはもっぱら中国です。
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これはボーテンの集落です。以前はここも静かな山村でしたが、いまや大型車が毎日目の前を走り抜けていきます。
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雨季だったせいか、どしゃぶり雨が降ると、雨水が道路にあふれる場所もあります。
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ルアンナムターが近づくと、静かな水田地帯が見えてきます。ラオスでは、水田の中に高床式の小さな小屋があちこちに立っています。農作業の合間に農民たちがひと休みする場所だそうです。
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ルアンナムターの市街地に入ると、少数民族の衣装を着た物売りが歩いていました。ボーテンからルアンナムターまでは約60kmで、所要1時間です。
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さて、ルアンナムターは観光の町なので、若い欧米人バックパッカーの姿も多く見られ、彼らはピックアップトラックの荷台に乗ってタイ国境のフアイサーイに向かいます。
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ここから先の道路も整備されていますが、基本的に車を所有していない大半のラオスの地元の人たちは道路を歩いて通勤・通学しているようです。ジーンズ姿の女の子もいますが、民族柄の巻きスカートの子もいます。
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時折、藁葺き屋根の集落が見えてきます。電柱も立っており、電気が使える地域もあるようです。
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フアイサーイまで151kmの標識。
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途中、日本が援助していると思われる集落がありました。集落の入り口に日本とラオスの国旗が並んで描かれているパネルが立っていたからです。いかにも海外青年協力隊の現場というような写真が撮れてしまいました。
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集落には、売店もあります。
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いろんな人たちとすれ違います。家族でしょうか。
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笠をかぶっているのは、ベトナム人? この国では少数民族の扱いでしょうか。
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トイレ休憩で露店の前に停まりました。
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バナナ、マンゴー、サトウキビなど、果物を売っていました。
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道路のすぐ脇に民家があり、車窓から眺めると、目が合った村人たちはニコニコしてこっちを見ています。なんだか申し訳ないような変な感じです。このあたりは高床式の木造家屋が多いです。
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ルアンナムターから3時間ほど走ると、フアイサーイの町が見えてきました。
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ここはバスターミナルです。ルアンパバーンやビエンチャン行きのバスも出ているようです。

国道3号線の整備のおかげで、中国からラオス経由でタイに抜ける移動時間は大幅に短縮されました。この地域の旅行ガイドブックとして定評のある「旅行人ノート メコンの国」(2007年5月 旅行人刊)によると、ルアンナムターからフアイサーイまでのバス移動が所要7時間とあります。4時間も短縮されたことがわかります。

とにかく道路のすぐそばに民家があるので、車窓から人々の生活が丸見えです。なかには家の前で水浴びしている女性もいました。思うに、道路ができても、この地に暮らす人たちの生活意識はたいして変わっていないのかもしれません。道路ができたおかげで、たまにルアンナムターなどの大きな町に行くのが便利になったのは確かでしょうけど、だからといって、自分たちの生活レベルが同じように飛躍的に改善したわけではなさそうです。

少数民族の暮らす辺境と呼ばれた地は、いつの時代も、こうして地元とは無縁の意志によって拓かれていくのでしょう。今日においては、それは中国の意志ということです。

中国からタイに向かう大型トラックは、フアイサーイからメコン河を渡るため、コンテナ船に乗らなければなりません。その様子については、以下参照。

ラオスからタイへ~ボートでメコン河を渡る(フアイサーイ・チェンコーン)
http://inbound.exblog.jp/22431852/

【追記】
現在、フアイサーイとチェンコーンの間には「第4タイ・ラオス友好橋」が架けられており(2013年12月11日開通)、コンテナ船に乗る必要はなくなりました。
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by sanyo-kansatu | 2014-04-13 20:39 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2014年 04月 13日

ゴーストタウンと化していた中国・ラオス国境の町ボーテン

2013年8月中旬、ラオス北西部のルアンナムター県と中国雲南省・西双版納タイ族自治州との国境地域であるボーテンを訪ねました。中国側の町は勐臘(モンラー)といいます。

少数民族トレッキングの拠点として知られるルアンナムターの市街地から約60km、車で1時間ほどの場所にあります。
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このキンキラキンの仏教寺院のような巨大なゲートがイミグレーションです。
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「Borten International Immigration(磨丁国际口岸)」と書かれています。
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中国客を乗せた観光バスや大型トラックが次々と通過していきます。
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実は同じ日、ぼくはムアンシンというもうひとつの中国・ラオス国境の町を訪ねていたのですが、そちらのローカル色たっぷりの風情とはまったく異なっています。
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国境ゲートの2㎞ほど手前には、大型バスが駐車できる巨大な駐車場もありました。ただし、駐車場の広さに比べると、トラックの数はまばらな気がします。
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これは中国が作成したインドシナの地図ですが、中国雲南省からタイ(バンコク)とカンボジア・ベトナム(ホーチミン)に抜ける2つの幹線道路を計画しているようです。そのいずれも、ラオスのボーテン国境を起点としていることから、この地の重要性がわかります。
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国境ゲートから5分ほど歩くと、巨大な建築群が見えてきます。ふと見ると「福兴路」という中国語の道路標示があります。えっ、ここは中国? 一瞬戸惑いを覚えます。
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そこには、ラオスの首都ビエンチャンでもめったに見かけないような大型ビルが並んでいました。
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中国語とラオス語が併記された中国食堂の看板も置かれていますが、そこにはほとんどひと気が感じられません。
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中国の郵便局がありましたが、営業していないようです。テナントの看板だけ残っていますが、シャッター通りと化しています。
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それでも歩いていると、ようやく人が姿を現しました。どうやら中国人のようです。やはり、ここは中国なのか?
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「黄金大道」という通りに出ました。
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通り沿いにはビルが並んでいますが、歩いているのはラオス人建設労働者が数人です。はるか後方に巨大なマンション群も見えます。いったい誰が住むのか?

どうやらここは、いま中国で深刻な問題となっているゴーストタウン(鬼城)そっくりです。それがラオス領内にあるというわけですが、これじゃまるで中国はゴーストタウンを輸出してしまっているのも同然です。
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右手にホテルらしい建物が見えてきました。中国の地方都市によくあるタイプのホテルで、「景兰大酒店」と書かれています。
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ロビーに入ると、客はいませんでした。ためしにフロントにいた中国人女性に宿泊料金を尋ねると、当惑した表情になり、代わって奥から警備の男性が出てきました。1泊1000元だと彼は言います。

本当に営業しているのかあやしいので、「高いですね。向かいにもう一軒ホテルがあるので、そちらに行ってみます」とぼくが言うと、男は「あそこはうちより高い。1泊1200元だ」と答えました。
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ところが、そのホテル(「黄金大酒店」といいます)を訪ねると、1泊なんと100元でした。「中国人は(見ず知らずの人間に対しては)息を吐くように嘘をつく」といいますが、悪びれることもなく見え透いたことをいう警備の男は、いかにも中国人だと呆れてしまいました。
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黄金大酒店の裏には、別のホテルらしき廃墟がありました。周辺は草で荒れ放題です。
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建設労働者向けの掘立小屋の背後に見える無人のリゾートホテルのわびしさは、何ともいえません。
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これらのゴーストタウンは中国国境から1kmほど離れた国道3号線の西側に広がっているのですが、道路の東側には、これまた中国の地方都市によくある食堂街のアーケードがありました。ここもひと気はなく、シャッター街です。
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インターネットカフェもあったんですね。
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ビエンチャンと昆明をつなぐ国際バスは、いまも走っているのでしょうか。
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それにしても、なぜ中国のゴーストタウンはラオスにまで輸出されてしまったのか? その謎を解くべく、国境ゲートと廃墟地区の中間に建っていた「老挝磨丁经济开发专区(ラオスボーテン経済開発専区)」ビルを訪ねてみました。
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出迎えてくれたのは、ひとりの若い中国人女性でした。だいたいこのビルにもひと気がないのですが、四川省出身という彼女は、日本から訪ねてきた珍客に対して、お茶やらパンフレットやらを用意し、親切に接遇してくれました。

どうやらこの国境エリアは、自由貿易地区に指定されており、2003年にラオス政府が香港系企業に土地を貸与したことから開発が始まったそうです。そこでは主にカジノを中心としたリゾート開発を行う計画でした。中国・ミャンマー国境と同じことをやろうとしたわけです。

ボーテン国境地区の開発については、ラオス在住のkenichiro_yamadaさんのブログ「ラオスのビジネスを読む。 -ブログ版-」に詳しく解説されていることを、帰国後知りました。

ラオスのビジネスを読む。 -ブログ版-
laotimes.exblog.jp

kenichiro_yamadaさんにメールで問い合わせたところ、いろいろ教えていただきました。

同ブログによると、彼が初めてボーテンを訪ねたのは、2008年9月です。

ボーテン国境(2008年9月5日)
http://laotimes.exblog.jp/8569316/

そこには、こんな風に書かれていました。

「本地域はラオス国内であることを、忘れてしまいそう。ここでは食べ物から飲料水、人、通貨、言葉、全てが中国でした。面白いことにホテルの時間も中国時間。中国南下の前線がウドムサイとすれば、ここはさながら基地といったところでしょうか」。

つまり、少なくとも5年前のボーテンはゴーストタウン化していなかったようです。では、どうしてこうなってしまったのか?

後日、kenichiro_yamadaさんは以下の興味深いレポートを送ってくれました。

【SEZ】ボーテンデンガームSEZが近く開始か

2013年4月11日、ボーテンデンガームSEZを訪問する機会を得た。本SEZは03年に設立され、10年2月4日付でボーテン黄金城SEZの活動に関する首相令が発布された後、「特別経済区:ボーテンデンガームSEZ(磨丁黄金城経済特区)」としてカジノを中心とした香港資本(Hong Kong Fuk Hing Travel Entertainment Group Ltd)による開発が進められた。その後、カジノ3施設、ホテル、アパート、商業施設、13階建ての3星ホテル、18ホールのゴルフ場、大規模ショッピングセンターの建設などが進められ、総合リゾートエリアとなることが計画されていた。

しかし、カジノに関連して殺人事件などが多発したこともあり、2011年半ばから中国政府が中国側国境(モーハン:磨憨)における中国人の出国時にラオスVISAの取得を条件としたことから、1日最大1万人程度の観光客が激減していた。また、ラオス政府側もカジノ犯罪の抑制が急務となったことから、11年6月頃からカジノを閉鎖し、立て直しを図った。

2012年4月には、Hong Kong Fuk Hing Travel Entertainment Group Ltd は株式の85%を雲南省のYunnan Hai Cheng Industrial Group Stock Co.,Ltd(云南海诚实业集团)に売却した。さらに、ラオス政府との間に特別経済区から特定経済区への格下げ、カジノ事業取り下げ(その他11事業は継続)の下で、ボーテンデンガーム特定経済区(磨丁经济开发专区)(資本金5億ドル、登録資本金1億ドル)として90年間1640haのコンセッション契約を締結している。

今回訪問した際に、SEZ委員会への聞き取りを行った所、以下のような回答を得た。

①現在、国家SEZ管理委員会に対してマスタープランを提出済みで、5月の閣僚会議にて協議・承認される見込み。これにより本格的な開発が再開される予定。

②中国側は中国人の相手国VISA無しでの出国を近く認める予定。早ければ6月頃を見込む。

③カジノ事業については、これまでラオス国内にカジノを規定する法律や管理する人材がいなかったことから問題が多かった。今後法律を整備することで、カジノを再開する可能性はある。

とのことであった。カジノの再開も視野に入れていることが印象的であった。

なお、中国人のラオスVISAは北京、昆明で取得することが可能であるが、国境周辺の中国人はこれまでアライバルビザでラオスへ入国するのが通例で、はるばる昆明まで取得しに行くことは難しい。
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また、マスタープラン案では、地域を4区に分類し、中国国境エリアを第1区「国門区」と設定し、免税区や金融区、バスターミナル、中国との商品交換区として開発。旧ボーテン村を第2区「伝統村・旅游区」とし、貯水池や緑地を残し、観光リゾート、エンタテインメント施設を建設する。第3区「物流区」はボーテン税関のボーピアト村周辺で、商品倉庫やホテル、レストラン施設を建設する。第4区は国道3号線の東側でゴルフ場を建設する計画。


なるほど、そういうことだったのですね。

しかし、今後このゴーストタウンが蘇ることがあるのでしょうか。

そうした悲観的な見方は、この地の人たちには通じないところがあるようです。というのも、この惨憺たる状況を前にしても、件の経済開発専区ビルの彼女は「もうすぐゴルフ場がオープンします。また来てくださいね」とにこやかに話してくれたくらいですから。まったくめげていないというのか、このへんの感覚がすごいですね。

いずれにせよ、これがインドシナ北辺で起きている「中国の南進」を象徴するひとつの事例であることを、ぼくはこうして知ったのでした。

【追記】
この地を訪れてから4年後、フジテレビが当地の取材映像を見せてくれました。当時ゴーストタウンに成り果てていたボーデンに再び中国の投資マネーが流れているようです。

一帯一路に流れ込むチャイナマネー(FNN2017.5.12)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00357960.html

「現代版シルクロード」の一環として、現在、東南アジアのラオスでは、中国主導による大規模な経済開発が進められています。人口700万人に満たない小国ラオスに、大量の「チャイナマネー」が流れ込んでいます。その現場を取材しました。

中国と国境を接するラオスの町、ボーテン。

「一帯一路」構想によって、建設ラッシュが進んでいる。

再開発される土地は、34平方km、東京ドームおよそ730個分。

物流センターや国際金融センター、雲南省とバンコクを結ぶ高速鉄道の駅などが建設されている。
その開発の中心を担っているのはラオスではなく、中国の企業。

開発業者は「ラオスの指導者は、『ボーテンは小香港、あるいは深センのようだ』と言っていた」と話した。

ラオスの町だというのに、住民の多くは中華系で、通りには中国語の看板があふれている。

使われている標準時間も、北京時間。

さらに、町は免税特区に指定されていて、免税店には、連日、中国人観光客が「爆買い」にやってくる。

商品の値段は人民元で書かれ、支払いも、ほとんどが人民元。

キャバレーも中国人向けにつくられ、今後も、さまざまな娯楽施設が建設されることになっている。

この町を、FNNが3年前に取材した時、ここは、ゴーストタウン同然だった。

10年ほど前、中国資本を頼りに経済特区としてカジノが建設され、当時は、大勢の中国人が詰めかけた。

しかし、賭博詐欺や公金流用など、中国人によるトラブルが相次ぎ、中国政府が、中国人の渡航を厳しく制限した。

このため、客足は激減し、カジノは閉鎖。

ホテルや商店の大半も、廃業に追い込まれた。

ところが、2015年、ラオスと中国は、「一帯一路」構想のため、新たに経済協力区にすることで合意。
再び開発が始まった。

今回も、中国が地元の行政機能を実質的に握って主導している。

町が活気づく一方、複雑な思いを抱える人もいる。

もともとの住民が、数km先の村に立ち退きさせられた。

住民は、「以前の場所は、中国人がたくさん買いに来たが、今は、みんな通り過ぎるだけです」、「ボーテンは両親の故郷なので、悲しくて腹立たしいです」などと話した。

初めてのサミットが開かれる「一帯一路」構想。

中国は、地域での影響力の拡大を狙い、ラオスなど途上国の住民の生活を変えながら、開発を続けている。


中国のラオス「進出」はここだけではありません。やはり4年前に訪ねていますが、ラオス北部は中国がまるで自国であるかのように開発を進めています。

中国発アジアハイウェイ(昆曼公路)がラオス国内の移動時間を大幅に短縮させている
http://inbound.exblog.jp/22439569/

フジテレビの取材陣のみなさんは、ぜひ中国国境のボーデンからタイ国境までの幹線道路の全域を取材してみられることをおすすめします。
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by sanyo-kansatu | 2014-04-13 14:10 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)