ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2014年 01月 20日

靖国参拝は中国訪日客に影響を与えるか(ツアーバス路駐台数調査 2014年1月)

2014年の正月を迎え、このバス調査も3年目に突入しています。先日友人から「毎日調査するなんて大変ね」と言われたのですが、実はたいしたことではないんです。仕事場に通うのに必ず通る道すがら、信号待ちしながら路上駐車しているバスの台数を数えるだけのことですから。

とはいえ、たまに普段と違う客層が見られたり、何かの異変があったりしたときだけ、じっくりウォッチングすることにしています。訪日外国人旅行者と一口に言ってもいろいろ。最近は中国以外のいろんな国の人たちも現れるようになっているので、面白いのです。
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マスコミ報道によると、昨年秋ごろから「中国からの訪日旅行客が回復基調にある」(日本経済新聞2013年10月8日)といわれています。「東京や大阪の高級ホテルでは9月から利用状況が好転、中国人客が使うクレジットカード『銀聯カード』の日本での取り扱い額は過去最高を更新した」そうです。

もっとも、新宿に現れるバスの台数自体は尖閣問題が発生する直前の一昨年夏のピーク時に比べると、回復しているとは思えません。その理由として考えられるのは、「昨年9月の尖閣諸島の国有化以降、中国人の訪日客数は前年割れが続くが、富裕層を中心に持ち直しつつある」ことにありそうです。回復しているのは個人客が中心で、ツアーバスに乗ってやって来る団体客はまだというわけです。

ただし、最近では安部総理の靖国参拝が中国訪日客にどんな影響を与えるか、懸念されており、昨秋の状況とは少し空気が変わりつつあるとも聞きます。実際、今月上旬北京を訪ねた折、現地の旅行関係者にヒアリングしたところ、「(靖国の)影響がないとはいえない」とのこと。もっとも、それ以上に影響があるのは、中国政府による公務旅行に対する各機関への自粛通達だといいます。いわゆる習近平の「贅沢禁止令」です。

その一方で、大気汚染の中国から逃れたいという市民の思いを反映した「洗肺游」(肺を洗う旅行)や「逃脱PM2.5」(PM2.5からの脱出)などと謳われた海外旅行商品も販売されているそうですから、政府と民間の思いには相変わらず隔たりがあるようです。

さて、今月末にあたる旧正月(春節)に中国団体客は戻ってくるのでしょうか。今月もぼちぼちツアーバスはやって来ています。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。
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1日(水)未確認
2日(木)未確認
3日(金)未確認
4日(土)未確認
5日(日)未確認
6日(月)11:50 0台、17:50 1台
7日(火)18:20 1台
8日(水)12:40 2台 
9日(木)12:50 1台 18:00 2台
10日(金)未確認
11日(土)未確認
12日(日)未確認
13日(月)未確認
14日(火)12:30 1台
15日(水)未確認
16日(木)12:20 1台、18:20 2台
17日(金)12:40 1台、18:40 2台
18日(土)未確認
19日(日)未確認
20日(月)12:50 2台、19:20 3台
21日(火)12:10 3台
22日(水)12:40 1台、17:20 2台
23日(木)12:20 2台
24日(金)12:40 5台、18:40 5台
※来週は春節です。今日になってバスの台数が急に増えてきました。ここ連日、中国政府の報道官による対日批判が真っ盛りですが、中国客は日本を訪れているようです。昨年の春節のときとは少し様相が違っているように思われます。

中国の一般国民の皆さんからすれば、自国政府の自らを棚に上げた政敵批判の口汚さも空騒ぎも、もう慣れっこということなのかもしれません。

しかし、だからといって日本のメディアが訪日客の話題を盛り上げすぎると、かえって中国国内でのアンチキャンペーンに火をつけかねないので、そっとしておくほうがいいのではないでしょうか。中国の人たちもそれを望んでいるように思います。誰しも自分の好きなところへ海外旅行したいに決まっているのですから。そんなことをいちいち気にしなければならないなんて、おかしな話ですけど、中国の場合は仕方がないでしょう。

25日(土)未確認
26日(日)未確認
27日(月)12:50 3台、18:20 2台
28日(火)12:20 1台、18:00 1台
29日(水)12:30 3台、18:20 1台
30日(木)12:20 1台 、18:10 3台
31日(金)12:20 1台、18:10 6台
※今日は春節(中国の旧正月)です。お昼時はバスの数は多くはありませんでしたが、夕刻になると久しぶりに多くのバスが現れ、例の中国客専用食堂「林園」に入っていく姿が見られました。

では、今年の春節の中国客の海外旅行の全般的な動向はどうなのでしょうか。以下、最近のネットから挙げてみました。

靖国問題で訪日客激減も、日本観光の満足度は高水準
http://news.searchina.net/id/1521521
こんな記事がありました。中国メディアとしては、訪日客に靖国参拝の影響があると指摘するのはお約束でしょう。

春節客 めんそ~れ~ 国際線好調、ホテルも装飾(琉球新報)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140131-00000008-ryu-oki
それでも、沖縄への中国客はかなり増えているようです。昨年から話のあった中国LCCの吉祥航空の上海・那覇線が今日(1月31日)から就航するそうです。では、日本の本土への中国客は? 来月のJNTOの報告を待つことにしましょう。

JNTO外客動向プレスリリース(2014.1.17)
http://www.jnto.go.jp/jpn/news/data_info_listing/pdf/pdf/140117_monthly.pdf
ところで、こちらは先日JNTOから発表された2013年度の訪日外客動向です。公開しているすべての国の訪日客数が前年度比で大幅な伸びを見せている中、唯一中国だけが-7.8%と減らしています。政治がこれほど鮮明に数字に出るマーケットというのは、やはり中国だけですね。

なお昨年まで大量の中国客が押し寄せていた韓国やタイへの渡航に減少傾向が見られるそうです。

韓国を訪れる中国人客が減少、中国の新旅行法でツアー商品数も半減
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140129-00000043-scn-cn

タイ情勢、観光業に打撃、旧正月連休控えた中国人からキャンセル相次ぐ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140129-00000038-rcdc-cn&pos=4
特にタイの場合は、新旅行法と政情不安のダブルパンチが効いているようです。昨年夏タイを訪ねたときは、バンコクやチェンマイにあふれていた中国人観光客の姿がめっきり消えたそうです。
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by sanyo-kansatu | 2014-01-20 17:47 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2013年 12月 08日

ついにインドネシア客もやってきました(ツアーバス路駐台数調査 2013年12月)

12月に入り、ここ新宿5丁目に現れるアジアからのツアーバスの数が、また少しずつ増えてきました。

なぜ「アジアから」と言い換えているかというと、これまで圧倒的に団体客の主流だった中国客以外のアジア客を乗せたツアーバスが、最近見られるようになっているからです。

今年、訪日外客数はこのままいけば、初の1000万人を超えるといわれています。これまであまり目にすることのなかった訪日客のニューカマーたちが今後続々、姿を見せることになるのでしょう。面白い時代になってきたと思います。その一方で、中国本土客相手のときのようなずさんな受け入れ態勢が変わらないままでは、数だけ増えても彼らを満足させることができるのか、気になります。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒訪日客の動向)を記録しています。

1日(日)未確認
2日(月)未確認
3日(火)19:00 0台
4日(水)13:00 3台
5日(木)18:10 2台
6日(金)19:00 3台
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※この日のツアーバスはインドネシア客の団体でした。女性たちの多くがスカーフを巻いていたので、通りがかった添乗員らしき男性に話を聞くと、インドネシアから来たというのです。ツアー客のみなさんはとてもにこやかで楽しげなのですが、驚いたのは、彼らがなんと中国団体客専用食堂の「林園」で夕食を取っていたことです。ハラル問題で神経質になっているこのご時世なのに、大丈夫なんでしょうか? 日本の事情をよく知らない中国本土客相手に、コストを切り詰めた食事をツアー客に取らせるやり方は、今後東南アジアのツアーにも広まっていくのでしょうか。

7日(土)未確認
8日(日)未確認
9日(月)未確認
10日(火)12:50 2台
※この日、昼間伊勢丹新宿店に行ったのですが、その周辺でタイ語を話す旅行客の女性の一団に出会いました。東南アジア客が増えていることを実感します。

11日(水)18:00 3台
12日(木)17:40 2台
※新宿三丁目の「GU」には、いつもアジア客がたくさん来店しています。時間があったので、夕刻、ちょっと覗いてみると、いたいたタイ人のおばさん三人組です。ひとりのおばさんはルイヴィトンのバッグを持っています。そうかと思うと、中国系の顔の赤いおじさんが階段を上りながら、中国製のスマホに話しかけています。微信を使っているようです。「H&M」でも若いアジア系のカップルが何枚もシャツをまとめ買いしていました。新宿3丁目界隈は、いまやアジアFIT客のショッピングスポットとなっています。

13日(金)11:50 1台
14日(土)12:30 1台
15日(日)未確認
16日(月)未確認
17日(火)12:40 1台、18:40 4台
18日(水)12:40 1 台、17:40 0台(ただし「林園」のネオンが点いていたので、あとでツアー客は現れることでしょう)
19日(木)18:10 2台
20日(金)11:50 1台
21日(土)13:10 1台
22日(日)未確認
23日(月)未確認
24日(火)17:50 2台
※今日はクリスマスイブで、新宿三丁目界隈は人出でにぎわい、タイ語などもよく聞こえてきます。こうした中相変わらず中国客の皆さんは 「林園」に吸い込まれて行きます。せっかくイブなんだからもっと他の楽しみようもあるんじゃないかと思わないではありませんが、余計なお世話でしょうかね。

25日(水)17:50 0台(ただし「林園」のネオンは点いています)
26日(木)12:50 0台、18:00 1台
※新宿5丁目の東京医大通りは、今日も大きなスーツケースを転がしながらホテルに向かう欧米系ツーリストが行き交う姿を見かけます。おそらく東京ビジネスホテルあたりに予約を入れているのでしょう。このクリスマスシーズン、東南アジア客も多かったですが、欧米客も多く見られた新宿3丁目界隈でした。

27日(金)18:20 1台
28日(土)~31日(火)未確認
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by sanyo-kansatu | 2013-12-08 11:17 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2013年 11月 29日

アジアのFIT客が日本の国内バスツアーに乗る時代になった

先日、インバウンド(訪日外国人旅行)サイト「やまとごころ.jp」の仕事で、新聞広告などでおなじみの多彩なバスツアーを企画催行しているクラブツーリズムを取材しました。いま同社の国内バスツアーでは日本のツアー客とアジアからの訪日客が同じバスに乗って一緒に旅行するようになっているそうです。これは日本のインバウンド、そして国内旅行の近未来の姿を考えるうえで、とても興味深い出来事だと思います。以下その記事を採録します。

やまとごころ.jp「クラブツーリズム」インタビュー
http://www.yamatogokoro.jp/inbound-interview/2013/index07.html
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新聞広告やツアー会員誌「旅の友」でおなじみの個性あふれるバスツアーを長年企画販売してきたクラブツーリズムが、2009年から外国人客向けバスツアーの募集を開始。アジアからのFIT客の集客に手応えを感じ始めている。どんなツアーが人気なのか。集客やプロモーションはどうしているのか。クラブツーリズム株式会社インバウンド推進部リーダーの関口和郎氏に話をうかがってみた。

目次:
外国人客に人気のツアーは?
アジア客向けのサービスのポイント
集客やプロモーション方法
今後の展開

――外国人客には、どんなツアーが人気ですか?

売れ筋商品は、富士山の日帰り体験モノです。5合目を訪ね、温泉に立ち寄る一般的なコースではなく、フルーツ狩りや雪遊びが楽しめるツアーです。

人気の背景には、日本のフルーツのアジアでのブランド化があります。アジアのお客様は、食べ放題ならお値打ちと考えているのです。イチゴ、さくらんぼ、桃、ブドウと、季節によってバリエーションがあるのも飽きさせない理由となっています。

おひとりでイチゴを70個も食べた方もいらっしゃいました。もともと富士山近郊の農園が国内客相手にやっていたフルーツ狩りが、いまではアジアのお客様の人気を呼んでいるのです。

さらに、定番商品としては白川郷を訪ねるコース。特に雪のシーズンに人気があります。春先にアルペンルートの雪の壁を訪ねるコースも、台湾やタイのお客様が多いです。日帰りツアーの料金は、1万円を切る価格帯で催行するよう努めています。また羽田発北海道の2泊3日ツアーも最近増えてきました。
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――アジア客向けバスツアーのサービスのポイントは?

ポイントは3つあります。

まず、食事はお弁当ではなく温かいものをお出しすること。そして、ベジタリアンの方についても極力対応していくようにしています。これは東南アジアのお客様の受け入れには重要なポイントです。食事処との事前打ち合わせは欠かせません。

ふたつ目は、高速のサービスエリアでしっかり時間をとること。海外のお客様には、サービスエリアで売られているさまざまな地産品が魅力的に映るようです。たくさんお土産を買っていかれるので、ただのトイレ休憩ではなく、ショッピングの時間と考えています。

3つ目のポイントは、皆さん雪が大好きということです。といっても、本格的にスキーをやりたいというのではなく、雪とたわむれたいのです。ですから、ツアーにソリや雪合戦などの遊びを入れると大好評です。ただし、雪の寒さに慣れていらっしゃらないので、時間を見ながら切り上げることも大切です。

バスの移動中は、添乗員が観光地の解説DVDの外国語版をお見せします。またアトラクションとしてくじ引きをやり、当たったお客様には立ち寄り先のお土産をお渡しします。これも大変喜ばれます。

外国人向けツアーの中には日本のお客様と外国のお客様が混載するツアーも多数あります。

興味深いのは、国内客は平均50~60代の女性が多いのに対し、外国客は30代のカップルやファミリーが一般的。車内でお客様同士、交流する姿が見られることです。これからは日本人とアジアのお客様が混載して国内バスツアーに出かけることが当たり前の時代になるかもしれません。
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――外国人客向けの集客やプロモーションはどうしていますか?

弊社のインバウンド推進部の立ち上げは、2008年12月です。翌年1月、英語と中国語(繁体字/簡体字)のHPを開設しました。当初、ターゲットをどこに絞るべきかわかっていなかったので、とりあえず海外のFIT向けにやってみようと始めたところ、最初の予約は香港の方でした。それ以後も、アジアのお客様の予約がほとんどで、ターゲットは欧米のお客様ではないことがわかりました。現在、外国人客の半数は香港で、それに次いで台湾、シンガポール、今年からタイやマレーシアのお客様が増えてきました。

海外のお客様はすべてHPで集客するという考えです。現在、外国人客向けメールマガジン(英語/中国語)の会員が約5万人。毎月3回発行しています。内容は、新しいツアー商品の紹介や日本の観光ニュースなどです。

実際、現在90%がネット直販です。ツアー後のアンケートを見ると、「どうやって知ったか?」の問いに対してFacebookが必ずベスト3に入ります。やはりアジアのFIT向けにはSNSの活用は欠かせません。

今後は海外プロモーションにも力を入れていくつもりです。最初は手探りでしたが、2010年の香港のトラベルフェアに初めて出展し、以後台湾やシンガポールでも、メルマガ会員を集めることに努めてきました。会場でのツアー販売も始めています。

――今後の展開をどうお考えですか?

アジアのお客様は、国によってツアーに参加される時期がそれぞれ微妙に違っています。たとえば、マレーシアは11~12月がスクールホリデーなので、最近は大勢いらっしゃっています。台湾はこの時期少なくて、1~2月の旧正月や7~8月の夏休みが多い。シンガポールは学校の長期休みが12月なので、これから増えてきます。

一方、国内客は正月明けから2月までがオフシーズンで、この時期インバウンド客はピークを迎える。日本の観光産業の長年の課題だった閑散期をアジア客が埋めてくれているのです。

弊社はこれまで国内向けに多種多様なバスツアーを催行してきました。つまり日本の消費者相手に培ってきたノウハウと豊富な商品ラインナップがあります。

売るものは揃っている。そのうち外国のお客様にどれをどう売っていくか。どれだけご満足いただけるか。また、まだ少ない中国本土のお客様にどう売っていくかは、今後の課題です。
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クラブツーリズム株式会社
東京都新宿区西新宿6-3-1 新宿アイランドウイング16F
http://www.yokoso-japan.jp
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【追記】
今回の取材で面白かったのは、クラブツーリズムの一部の国内バスツアーで、日本客とアジアのFIT客が同じバスに混載して旅を楽しむというシーンが見られるという話でした。

ツアーに参加する日本人客のメインは50~60代の女性、アジア客は30代のカップルやファミリーだといいますから、親子くらいの世代差があるわけです。でも、クラブツーリズムの常連客は海外旅行に慣れている人もきっと多いでしょうから(アジアのFIT客も同様です)、言葉ができなくても、バスの中で同じ客同士、ささやかな交流が見られるのではないでしょうか。ツアーの中には、1泊以上するものもあり、そうなるともう旅仲間です。こういう自然な光景が見られるのって、ちょっといいですね。国内バスツアーの世界が変わろうとしているのかもしれません。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-29 11:20 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 11月 20日

平壌空港より立派なビエンチャン国際線ターミナル

この夏、ラオス国営航空(Lao Airlines)の国内線に乗りました。今年の8月はまるで「世界のマイナーエアライン試乗月間」という感じで、実は同じ月の後半高麗航空(Air Koryo)にも乗っています。
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そこで今回も、空港から搭乗、機内、降機に至るまでの間に撮った写真を並べてみましょう。高麗航空と比較してみると、面白いかもしれません。

●8月某日 QV601 ビエンチャン→ルアンナムター 12:50発
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これがラオスの首都ビエンチャンのワットタイ国際空港の国内線ターミナルです。
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国内線ロビーはのどかです。タイ製のバイクが展示されていました。
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チェックインカウンターです。
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国内線は11都市に就航しているそうですが、季節による運休や休止した路線も多いといいます。詳しくは公式サイトで調べられます。

ラオス国営航空(QV)
http://www.lao-airlines.jp/
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フライトまで時間があったので、ターミナル内の食堂に入ってみました。食堂のおばさんの娘です。
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ラオスでは国内線でもパスポートチェックがあるようです。一部の少数民族の移動に関する制限などが関係するそうです。
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待合室の風景です。
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いよいよ搭乗です。平壌国際空港と同じように、乗客は飛行機まで歩いていきます。
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機体は、中国製のMA60。プロペラ機です。実は、国際的な安全性の基準に達していないとの指摘もあるそうです。
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これが機内です。ローカル客がほとんどですが、外国人客も少しいました。日本人はぼく以外に関西から来た男性がいました。
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プロペラ機に乗るのはひさしぶりです。10年前に、ミャンマーの国内線に乗って以来かも。眼下は、最初は平野部でしたが、だんだんラオスの密林が見えてきます。
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一瞬のことでピンボケしてしまいましたが、ラオス航空の客室乗務員です。笑顔がすてきな美人さんでした。以前、といってももう20年くらい前ですが、旅行作家の下川裕治さんが「ラオス航空の国内線のスチュワーデスは、素足で機内を歩いているんだよ」と話してくれたことがあり、ぼくの中ではなかば都市伝説化していたのですが、さすがにいまどきそんなことはありません。
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ルアンナムター空港に到着しました。乗客はさっさとターミナルビルに歩いていきます。
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空港ビル内では、預けた荷物を受け取りますが、運んでくれる空港の人の姿が丸見えです。
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ルアンナムター県は、ラオス北部に位置し、中国やミャンマーと国境を接しています。少数民族の村を訪ねるトレッキングが人気ですが、8月は雨季なので、それほど観光客は多くないようです。

さて、ラオス国営航空の乗り心地ですが、プロペラ機特有の上昇時にふわっと身が浮くような感じが苦手な人もいるかもしれません。しかし、ヴィエンチャンからルアンナムターまでもしバスで行こうとしたら1日がかりだと聞いているので、乗る価値は大きいです。

ところが、今年の10月、ラオス国営航空の国内線は墜落してしまいました。

ラオス航空の旅客機が墜落、乗員乗客49人死亡(CNN) 2013.10.17
http://www.cnn.co.jp/world/35038610.html

「(墜落したのは)首都ビエンチャンからパクセに向かっていたATR72型のプロペラ機。現地では台風25号の影響で突風が吹いており、着陸準備に入っていた機体があおられて制御できなくなり、メコン川にある島の付近に墜落したという。(略)同航空によると乗客44人を含む49人が死亡」とのこと。
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まいりましたね。でも、墜落したのはぼくが乗ったMA60ではなく、フランス製のATR72です。台風の突風にあおられたとしたら、これも異常気象と関係あるのでしょうか。いやですね。

さて、ラオスの国内線はこんな感じですが、国際線はちょっと事情が異なります。今回ビエンチャン市内からトゥクトゥクでワットタイ国際空港に向かったものの、運転手が早とちりして国際線のターミナルに連れていかれました。それで知ったのですが、国際線のターミナルは国内線に比べ、ずいぶん立派な新しいビルでした。
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平壌国際空港でもこの夏、新ターミナルを建設中でしたが、ラオスのほうがはるかに規模も大きく現代的でした。これはなぜなのか。海外からの投資によるものだからでしょう。あとで触れますが、ビエンチャン市内には、2007年にできたという中国系の大きなショッピングモールがあり、華人商人と中国商品があふれていました。また中国国境とタイを結ぶラオス北部の国道もきちんと整備されています。つまり、ラオスと中国の経済関係が急速に進んでいることがうかがわれるのです。この両国の空港ビルの違いは、海外からの投資を受け入れる姿勢によるものと考えられます。

実際、ラオス国営航空は、アセアンの主要都市はもちろん、中国南方の3都市、さらにソウルへも就航しています。もちろん、他国のエアラインも多数就航しています。都市の人口規模に比べ、その路線数はなかなかのものです。
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その国際線ターミナルビルでちょっと楽しいワンシーンに出くわしました。ちょうどTVドラマの撮影をやっていたんです。おそらくラオス人だと思いますが、目のぱっちりしたきれいな女優さんでした。主人公の女性が出国するシーンを撮っていたのでしょう。いまのビエンチャンの国際線ターミナルビルであれば、ドラマのシーンに使われてもおかしくないほど現代的な空間ですからね。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-20 11:56 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2013年 11月 17日

高麗航空の乗り心地はいかに?

今年8月、初めて高麗航空(Air Koryo)に乗りました。高麗航空は北朝鮮の国営航空会社です。
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なんでも高麗航空は、英国の航空リサーチ会社、スカイトラックス社によるエアライン・スター・ランキングで1つ星の評価だといいます(ちなみにANAは今年5つ星を獲得したばかり)。国情からいって無理からぬとは思いますが、実際の乗り心地はどうたったのか。友人の中にもけっこう興味のある人が多いんです。そこで、搭乗から機内、降機に至るまでの間に撮った写真を並べてみることにしました。高麗航空のエアラインコードは「JS」です。

●8月某日 JS222 北京→平壌 12:00発
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北京第2ターミナルの高麗航空チェックインカウンターにて
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これが北朝鮮入国のための「Tourist Card」です。
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機体が見えてきました。ロシア製のTU-204-100です。
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機内はこんな感じです。これはビジネスクラスの座席です。
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ようやく北京を飛び立ちました。
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客室乗務員は真っ赤な制服を身に付けています。
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一応国際線ですから、機内食が出てきます。アップルタイザー(炭酸入りリンゴジュース)とハンバーガーでした。味は……まあ見た感じのとおりです(あとで触れますが、時事通信社がこのハンバーガーの中身を開いて撮った写真を同社のサイトで公開しています。なかなかやりますね(笑))。
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トイレも撮ってしまいました。
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平壌が近づいてきました。市内の街並みが遠望できます。
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見えました。あれが有名な柳京飯店です。ひときわ高くそびえたっています。
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着陸態勢に入り、空港のある平壌郊外の街並みが近くに見えます。
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着陸しました。平壌国際空港には、高麗航空機が多数駐機しています。
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タラップを降りると、徒歩で空港ターミナルまで歩きます。
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2013年8月現在、新空港ターミナルを建設中です。
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現空港ターミナルはちょっと薄暗い場所でした。将軍様親子の肖像画が飾られています。

●8月某日 JS155 平壌→瀋陽 11:50発
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この日、なぜか北京線がないということで、瀋陽に行くことになりました。電光掲示板を見ると、ウラジオストク線も飛んでいることがわかります。
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フライトまで時間があったので、空港にあるカフェでカプチーノを注文しました。
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チェックインをすませると、デューティーフリーショップやお土産屋を覗いてみました。朝鮮人参や朝鮮の焼酎、各種バッチ、切手などが売られています。
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いよいよ搭乗です。この日は台湾からのツアー客と一緒でした。
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高麗航空の発券するチケットには、白頭山の天池と平壌の主体思想塔が描かれていました。
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この機体は、TU-204-300です。
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フライト前にビデオを見ながら安全確認をします。瀋陽へはほぼ定刻通り到着。瀋陽桃仙国際空港には、新しいターミナルができていました。

さて、暇にあかせて撮った高麗航空の搭乗写真でしたが、帰国してから時事通信社の以下のサイトでも、ぼくと同じような写真を撮っていたカメラマンがいたことがわかり、苦笑してしまいました。同じ飛行機に乗ったわけですから、内容的にはかなりだぶっていますが、さすがはプロのカメラマンだけに、よく撮れたなと感心した写真がいくつもありました。彼らは今年の6月に搭乗しているようです(その後、9月に再度北朝鮮入りしたときの写真も加わっていました)。もしよければ、見比べていただけると面白いかもしれません。

北朝鮮唯一のエアライン「高麗航空」写真特集(時事通信社)
http://www.jiji.com/jc/d4?p=nko004&d=d4_museum

で、高麗航空の乗り心地は? というと、そもそも1時間程度のフライトでもあり、なんてことありませんでした。朝鮮の人たちは基本的に清潔好きなので、確かに機材は新しくないのでしょうけれど、きれいに使っているという印象はあります。客室乗務員の女の子には、窓から外の風景を撮るなと一度言われましたが、それほどきつい感じでもなく、気にせずばしばし撮ってしまいました。彼女たちは軍人出身と聞いています。

ちなみにこれが北朝鮮の国際線フライトの時刻表です(高麗ホテルロビーに掲示)。
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※いまどきの北朝鮮事情については「朝鮮観光のしおり」をご覧ください。

※ところで、2014年7月4日の渡航自粛解除により、北朝鮮ツアーが解禁されています。
http://inbound.exblog.jp/23661388/

【追記】
この2年後、再び高麗航空に乗りました。その変化は以下参照。

2回目の高麗航空  CAの制服が変わり、機内ビデオも洗練された!?
http://inbound.exblog.jp/24957475/
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by sanyo-kansatu | 2013-11-17 18:53 | 朝鮮観光のしおり | Comments(0)
2013年 11月 14日

今年、中国の訪日客が減少したのは上海が自粛したから(ツアーバス路駐台数調査 2013年11月)

11月上旬、久しぶりに上海に行ってきました。

10月1日の新旅游法の施行以後、現地ではどんな影響が出ているのか。関係者に話を聞いたところ、結論からいうと、年内は様子見という意見が大半を占めました。新旅游法が定めた旅行業者に対するルールや縛りがどこまで厳格に適用されるのか、罰則はどうなのか。明確な事例がまだ十分出ていないため、判断がつかないというわけです。

また今年、訪日外客が好調に伸びている中で、唯一中国客が減少している背景もだんだんわかってきました。

上海は、中国で最も大きな訪日旅行市場です。その上海市場がこの1年、訪日旅行を自粛していたせいだったのです。昨年の尖閣騒動直後、上海発のクルーズ客船が熊本港に寄航したことに対して、「こんなときに、日本に行くとは何事か!」と中国のネット上で騒ぎ立てられたことがありました。春秋航空の0円キャンペーンもこっぴどくネット世論に叩かれました。それは中国政府による意図的な対日牽制のための世論誘導に乗じた政治的な反応だったとぼくは思いますが(いつものことです)、それがトラウマとなって上海の旅行関係者が訪日旅行に取り組む意欲を失ってしまっていたのです(詳しくは、後日解説します)。

それでも10月以降、ようやく上海の旅行業界は動き始めました。果たして来年の春節にどんな動きを見せるか、要注目です。

【追記】
11月20日にJNTOが発表した10月の訪日外客数統計によると、中国の団体旅行客に強い回復基調が見られることがわかります。

JNTO 2013年11月20日発表
http://www.jnto.go.jp/jpn/news/data_info_listing/pdf/pdf/131120_monthly.pdf

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

11月はシーズンオフながら、中国からのツアーバスは、数は多くはないものの、新宿5丁目に姿を見せています(写真は、11月13日)。
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1日(金)13:00 1台
2日(土)未確認
3日(日)未確認
4日(月)未確認
5日(火)17:30 1台
6日(水)18:20 1台
7日(木)13:00 1台、17:00 1台
8日(金)12:30 4台

9日(土)~12日(火) 上海出張のため未確認

13日(水)12:30 3台
14日(木)13:00 1台、18:10 2台
15日(金)13:10 1台、19:00 2台
※中国人ツアーの皆さんと信号の前で一緒になったので、隣にいた男性に「中国のどこから来ましたか?」と聞くと、「福建」と教えてくれました。とても感じのいい人だったので、「欢迎光临(ようこそいらっしゃいました)」というと、微笑んでいました。やはり今日本に来ているのは圧倒的に南方の中国人が多いですね。
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16日(土)未確認
17日(日)未確認
18日(月)13:00 0台、17:00 0台
19日(火)17:30 1台 
※今日の1台はタイからのツアーバスでした。「Betagen」というのはタイの乳酸菌飲料の会社と思われます。ヤクルトみたいな飲み物を販売しています。その会社の社員旅行でしょうか。

Betagen
http://www.betagen.co.th/web/home/
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20日(水)17:30 2台
※ところで、新宿3丁目にあるドラッグストアの「ミネドラック新宿明治通店」(新宿区新宿3-14-22)では、華人観光客向けの薬用語の手書きの対照表がレジに置かれています。ご主人に「これどなたが書いたのですか?」と聞くと、アルバイトの中国人留学生だそうです。おそらく全国各地のドラッグストアで、同様の手書きの対照表がつくられているのでは、と推測します。留学生さんに感謝しなければなりませんね。
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21日(木)18:10 2台
22日(金)12:30 3台、15:40 2台(※1台はマイクロバス)
23日(土)未確認
24日(日)未確認
25日(月)未確認
26日(火)18:20 4台(※1台はマイクロバス)
27日(水)12:30 1台、17:30 3台(※1台はマイクロバス)
28日(木)未確認
29日(金)未確認
30日(土)未確認
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by sanyo-kansatu | 2013-11-14 17:17 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2013年 11月 01日

過去最高200万人超えなるか!台湾客急増の背景にはオープンスカイがある(台北ITF報告その5)

今年、訪日客の200万人超えが期待されている台湾。いまや訪日外客の5人に1人は台湾の人たちです。好調の背景には何があるのか。台北国際旅行博(ITF)会場でお会いした現地関係者にその理由を尋ねてみました。

――台湾の海外旅行は1979年の解禁。以来、30年以上の歴史をもつ成熟したインバウンド市場といえますね。

「台湾の訪日客は少しずつ増えていきました。当初は日本からの訪台客数のほうが多かったのですが、2000年前後一時逆転され、2005年以降はともに100万人を超えました。日台間には国交がないため、日本観光協会などが中心となって細々とPRを続けてきましたが、ビジットジャパンキャンペーンのスタートした2003年から本格的なプロモーションが始まりました。いまでも交流協会とJNTOで業務提携をしながら進めているのが現状です。

東日本大震災のあった2011年以降は、台湾からの訪日客のほうが日本の訪台客より多くなっています。昨年の訪日客数が146万人、そして今年200万人を超えそうな勢いです。ちょっとできすぎですかね」

――今年、台湾の訪日客がこんなに増えた背景には何があるのですか?

「最大の理由は、円安とオープンスカイが追い風になっていることです」

※台湾と日本の航空協定(オープンスカイ)改定は、2011年11月10日に調印されました。それによってチャイナエアライン(CI)とエバー航空(BR)の2社に加え、翌12年3月以降、マンダリン航空(AE)、トランスアジア航空(GE)の4社が定期便を就航させています。

現在、これに加えてLCCが日本と台湾を結んでいます。ジェットスター・アジア(3K)やピーチ・アビエーション(MM)、そして元エアアジアのバニラエア、シンガポールのスクート航空(TZ)です。もちろん、これに日本航空と全日空が加わります。しかも、台湾のエアラインは日本の地方都市とも多く就航していることが特徴です。

●オープンスカイ後、日台間に定期便を就航したエアライン
マンダリン航空
http://www.mandarin-airlines.com/index/index.html
トランスアジア航空(復興航空)
http://www.flytransasia.jp/
ピーチ・アビエーション
http://www.flypeach.com/jp/ja-jp/homeJP.aspx
バニラエア
http://www.vanilla-air.com/
スクート航空
http://www.flyscoot.com/index.php/ja/

――オープンスカイによる大幅な増便が背景にあることは当然として、JNTOでは早い時期からさまざまなプロモーションをしてこられたと思います。たとえば、1990年代、他の訪日マーケットに先駆けた北海道キャンペーンを打ち出し、ツアーを成功させたのも台湾市場でした。今回のITFでは、ジャパンゾーンを統括するJNTOブースはどんなテーマを掲げておられるのでしょうか。狙いや目的について一言教えてください。

「『日本で遊びまわろう』です。台湾の博覧会は即売会の意味合いが強いので、例年台湾の旅行会社を招き入れ、日本ツアーの販売増を目指しています」
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――台湾市場向けのプロモーションについてはどうですか。

「新聞やテレビ、雑誌などあらゆるメディアを使った通常のプロモーションはすべてやっていますが、台湾で特に有効なのはFacebookです。なにしろ人口2300万人の台湾で1400万人がFacebookを利用しているからです。若い世代はほぼ全員利用しているといっていい。
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日本の観光庁もFacebookのアカウントを持っています。ブロガーの意見を載せたり、おすすめコースを紹介したり、新しいデスティネーションのショートムービーををつくって公開したり、消費者の写真コンテストをやったりと、いろいろやっていますよ」

――そうしたSNSを活用した手法はいまや常道ともいえますが、仕掛けると最初に動き出すのが台湾市場なのでしょうね。

「台湾というのはありがたいことに、何かやると必ず反応が返ってくるんです。レスポンスがすごくいい。やりたいことはだいたいできている。もともと台湾の人たちは日本に行く気があるので、うまく押してあげるといいんです」

――同じことをやっても中国本土とは反応ずいぶん違うんですね。いちばん効くのは何でしょうか。

「やはりウエブ活用でしょう。最近は特に体験ものが人気があります。日本でサイクリングや農業体験、民泊をする。これといったキラーコンテンツがあるというより、目的が多様化しています。実際に体験した人がネットに書き込み、それを見て私もやりたいという動きがふつうに起きています。これからのプロモーションはFacebookやLINEが有効だと思います」

日本政府観光局(台湾)公式サイト
http://www.welcome2japan.tw/
日本旅遊活動 VISIT JAPAN NOW(Facebook)
https://www.facebook.com/VisitJapanNow

――それでも、台湾人の海外旅行は団体ツアーがかなりの割合を占めると聞きます。圧倒的にFIT化が進んだ香港とはどこが違うのですか。

「いまは台湾でも訪日旅行は団体とFITで五分五分です。香港の人たちは、考え方や行動スタイルが欧米化していて、何か気を引く情報があるとすぐに行ってみようとなるのですが、台湾の場合、最初はちょっとためらう人の割合が多いかもしれません。大丈夫かどうか、考えてから行動する慎重派が多い気がします。東京、大阪、北海道はFITでも大丈夫だけど、それ以外の地域はまだためらう人が多い。レンタカーもなかなか利用しない。中国語のナビがないからだといいます。香港人はとりあえず行って、あとで考えるという感じでしょうか。

ですから、プロモーションする側は彼らに安心感を与えてあげないといけない。後押しを丁寧にやってあげないといけません。ただ台湾の人たちはブームに弱いところもある。北海道やアルペンルートのツアーなどがそうでした。みんなが行くから私も行こう、となる」

――台湾の訪日旅行市場の特徴は他にもありますか。JNTOの重点五大市場に関する報告書によると、台湾は「M型社会」だと書かれていますね。

「それは台湾でも、中間層が減り、所得が両極端になって経済格差が起きているという話です。2000年代に入ってから言われていることです。富裕層専門の旅行会社もいくつかあります」

――鉄道旅行の可能性についても触れていますね。台湾では日本の鉄道旅行に関する雑誌の特集もよくあるようですね。
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「台湾には鉄道ファンが多いんです。九州の『ななつ星』がもし台湾でも買えれば必ず売れると思います。ジャパンレイルパスの売上がいちばん高いのは台湾でしょう。台湾は鉄道が発達していて、鉄道旅行に慣れています。だから、日本で鉄道旅をしてみたいという思いがあるのです。割引パスが普及してきたので、あとはポイントの情報をどう与えるかで、行き先が広がる。リピーターが多いのが台湾の特徴ですから、可能性はあります」

――今回のITFのフォーラムのテーマのひとつが「シルバー族」の海外旅行でした。

「台湾も少子高齢化が進んでいます。出生率は日本より低い。台湾も日本と同じで年寄りが多くて元気。これからはシニアを大事にしなければならないと思います」

――それにしても、ITFの会場を歩いて感じることは、台湾のツアーは驚くほど安いですね。その理由は何でしょうか。

「博覧会がなぜ人気があるか。割引して売ってくれるからです。香港に比べ台湾で団体ツアーの比率が高いのは、安いツアー商品が多いから。慎重派の台湾人にとってツアーは安心感があるのです」

――エアライン各社がFIT向けのスケルトンタイプ(航空券+ホテル)を破格の料金で売り出していますね。
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「台湾の場合、航空会社がキーエージェント制を敷いていて、特定の旅行会社に『座席買い取り制』に見られるようなビジネス慣行が通ってきたことが背景にあります。航空会社を頂点とした系列化で、優先的に席をあげるからと、押し売りもする。
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チャーター便は特に料金先払いで、売れないと旅行会社が損をするから、土壇場で叩き売りをする。まずいことに、消費者がそれを知ってしまったため、ぎりぎりまで待つ間際買いの傾向が出てしまった。いま日本にはビザがいらないから、前日でも申し込める。これには困っています。航空会社としては、飛ばせば飛ばすほど日本線は売れるからいいのですが、旅行会社は売り切れないと怖い」

――台湾の旅行業界は、日本のような大手は少なく小規模の会社が群雄割拠している感じでしょうか。それでもいくつか取扱規模の大きい企業はありますか。

「老舗は東南旅行社。北海道ツアーを最初に造成したのは同社です。取扱いでいうと、康福旅行社や雄獅旅行社、スタートラベルなどでしょうか」
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――今後、台湾の訪日旅行市場はどう発展していくと思われますか。

「いま台湾の海外旅行者数は年間1000万人程です。そのうち2割が日本というわけですが、これが4割や5割になることはちょっと考えられません。2~3割の間で落ち着くだろうと個人的には思います。これから先、欧米ツアーの料金が下がれば、そちらにずいぶん取られるかもしれません。

数もほしいが、質もほしい。それをどうやって実現できるか。(1990年代の日本人海外渡航者の急増を機に)アジアの安いツアーの造成のしくみを教えたのは日本です。コスト以下でランドに受けろという押し付けをやってきた。それをいまやり返されているんです。(インとアウトが拮抗してきた)ここらでお互い腹を割って話し合ういい時期になってきたかもしれませんね」

――これからの台湾向けプロモーションはどうあるべきでしょうか。

「これからはスター選手を次々作っていくことが大事だと思います。北海道の場合、東南旅行社と組んで造成したらよく売れた。すると2年後には他社もどんどん売り出し始めた。ひとつの成功事例をつくってしまえば、みんな売ってくれる。山形の蔵王もそう。どこでも売ろうと思えば売れるのが台湾です。

台湾の訪日旅行市場はますます多様化し、成熟化しているので、特別な地域を売ることも大事ですが、スポーツやグルメなど、いろんな新しい切り口での提案をすることではないでしょうか。たとえば、台湾国内ではマラソン大会が100近くあるんです。サイクリングも人気です。日本で走りたい人も多い。各種スポーツ団体と連携しながら、進めていくと面白いですね」
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by sanyo-kansatu | 2013-11-01 11:31 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 17日

冬は零下30度のまち、ハルビン(黒龍江省)の地下鉄が開通しました

先日、中国黒龍江省の知り合いから、ハルビンの地下鉄1号線が開通したというニュースが届きました。
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運行スタートは9月26日。区間はハルビン南駅からハルビン東駅までの全長17.48km、18駅だそうです。これで東北三省では瀋陽に次ぎ2番目の地下鉄となります。運賃は2元~4元と、北京の地下鉄と同じ価格帯で超格安です。
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ハルビンといえば、中国最北部にある黒龍江省の省都で、冬には零下30度以下になる厳寒のまちです。そこで、ハルビンの地下鉄は中国初の寒冷地仕様だそうで、零下38度の低温環境の中でも運行できるといいます。

このニュースを届けてくれたのは、ハルビンにある黒竜江省新世紀国際旅行社の呼海友さんと金龍珠さんです。地下鉄の写真も送ってくれました。

「ハルピンの地下鉄は最新技術を採り入れています。車両はアルミ合金の構造で、中国で最軽量。車体の雪花図案の装飾はハルビンらしいイメージを喚起しています。他の都市の地下鉄に比べ、騒音が少なく快適に乗車できます。車両内は空気浄化システムを採用しています。そして、信号システムは一部日本の技術を採用しており、安全性に優れています。そして、これがいちばん大事なことですが、座席の下にヒーターがあり、冬でも暖かいんですよ」とのこと。
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ハルビンの地下鉄工事は2008年から開始されました。現在、大連でも工事が進行中です。沿海地区に比べインフラが遅れがちだった東北三省の都市にも、ようやく現代的な都市交通システムが生まれています。来年ハルビンに行く予定があるので、ぜひ乗ってみたいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2013-10-17 09:46 | 日本人が知らない21世紀の満洲 | Comments(0)
2013年 10月 02日

新旅游法の施行で中国団体客はどうなるか?(ツアーバス路駐台数調査 2013年10月)

中国の国慶節がやってきました。中国メディアはこの時期、盛んに国内外に繰り出す中国人旅行客の盛況ぶりを喧伝しています。実際、お隣の国、韓国には中国客が大挙して訪れています。はたして日本へはどうなのか。

さらに気になるのは、10月1日から施行された新旅游法によって中国人の海外旅行はどう変わるか、という点です。新旅游法とは、簡単にいうと、これまで「安かろう悪かろう」といわれた中国人の海外ツアーにおいて、ガイドによる現地での追加費用の徴収が禁止されるというものです。

これまで中国の海外ツアーでは、募集時にはツアー料金を不当に安く設定する代わりに、海外渡航先で多額の追加料金を「オプション」と称して徴収するのが常だったからです。現地徴収という帳尻合わせがなければ、現地の旅行を手配するランドオペレーターは、ホテルやバス会社、食事代を支払うにも赤字になってしまうという、まるで博打みたいなビジネスがまかり通っているのです。

気の毒なのは、中国のツアー参加者です。このため、ツアーに参加した消費者の苦情が旅游局に多数寄せられ、中国政府もついに消費者保護に着手したというわけですが、これで本当にコスト度外視の激安ツアーは一掃できるのか?(抜け穴はないのか?)現地で旅行費用の不足分を追加徴収できなければ、ツアー料金に事前にそのぶんを組み込まなければならないことから(本来それが常識なのですが、中国ではそうでなかったのです)、ツアー価格は当然上がることが考えられます。それは中国の海外旅行市場にどんな影響を与えるのか……。その行方が気になるところです。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記う録しています。

1日(火)12:30 4台、19:40 2台
2日(水)12:40 4台、18:00 5台
※今日も雨の中、新宿5丁目には中国団体客の姿が大勢見られました。
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3日(木) 12:40 4台、18:10 3台
4日(金) 12:30) 12:40 3台、17:20 3台
6日(日) 12:40 4台
7日(月) 13:50 1台、 18:10 5台(ただし、そのうち3台はミニバス)
※国慶節の休みも終わりました。新法が施行される10月1日以前に中国を出発したツアーはほぼ帰国したと思われます。今週くらいからは、新法以後の新しい価格帯のツアーとなりそうです。今日のお昼はわずか1台。さて、明日以降バスは来るのか?

8日(火) 12:40 1台(※ただしミニバス)、19:10 0台
※今日は珍しく「林園」のネオンもついていませんでした。

9日(水) 12:40 1台(※ただしミニバス)、18:00 2台
10日(木) 12:30 0台、18:00 1台
※この日、御苑大通りを歩いていると、伊勢丹ビューティーパークの前に東南アジア系の外国客を10数名乗せたミニバスが一時停止しているのを見かけました。なんだろうと近づいてみると、数人の客が降りて、すぐにバスは発車してしまいました。そのバスの運転席の脇の車窓にこう書かれたプレートが置いてありました。

「Shiseido Professional Beauty Inovator Tokyo Tour」

なんだろうと思ってネットを検索してみると、こんなサイトが見つかりました。

BEAUTY INNOVATOR AWARD2013
http://www.pro.shiseido.co.jp/campaign/beautyinnovatoraward2013/

資生堂が主催する「ヘアスタイルのみならず、ヘア、メーキャップ、コスチュームなどのトータルな表現によるクリエーティブな作品」を日本とアジア各国(タイ、マレーシア、シンガポール、香港、中国、台湾、韓国)から応募を募り、アワードを与えるフォトコンテストのようです。おそらくバスに乗っていたのは、マレーシアかシンガポールあたりのビューティサロンにお勤めのアーティストのようです。皆さん、とてもおしゃれな雰囲気でしたから。でも、話しているのはタイ語ではなかったんです。訪日旅行といってもいろいろで、こういうツアーもあるという話でした。

11日(金)12:40 0台 、18:40 1台(ただしミニバス。また主催旅行社はsun travelとあり、中国系ではなさそう。「林園」のネオンも消灯)
12日(土)12:50 0台
13日(日)未確認
14日(月)未確認
15日(火)19:40 1台
16日(水)17:20 1台
17日(木)18:00 1台

18日~21日まで台湾出張のため未確認。

22日(火)18:20 1台
23日(水)15:30 2台
24日(木)12:40 1台、18:10 3台
25日(金)未確認
26日(土)未確認
27日(日)未確認
28日(月)12:30 1台、19:10 5台
※この日の夜は、久しぶりに多くのバスが停車していました。「林園」のネオンもついています。あるバスの団体客は「林園」の地下食堂に吸い込まれていきました。
29日(火)12:50 1台、19:30 0台(ただし「林園」のネオンは点いてます)
30日(水)16:00 1台
31日(木)17:40 1台
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by sanyo-kansatu | 2013-10-02 12:58 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2013年 09月 21日

日本でいちばん中国客の多いコンビニは?(ツアーバス路駐台数調査 2013年9月)

9月上旬は大型台風やきつい残暑に見舞われましたが、中旬を過ぎた頃からようやく過ごしやすくなってきました。8月中はほとんど海外出張に出ていて新宿5丁目のインバウンドバス調査は休業中でしたが、9月から再開しています。
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今月のインバウンドバスの来訪状況は、尖閣問題の再発によって突如中国客の激減の起こる直前だった昨年同時期に比べると若干少ないという感じでしょうか。昨年夏は過去最高数の中国客が訪れたことを考えると、今年の夏以降、中国団体客の回復が進んでいるということでしょう。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(日)未確認
2日(月)12:20 2台
     18:30 0台
3日(火)13:00 2台
     19:20 1台
4日(水)未確認
5日(木)18:20 2台
6日(金)12:30 2台
7日(土)未確認
8日(日)未確認 
9日(月)12:40 4台
10日(火)12:40 2台
11日(水)18:20 2台
12日(木)18:10 2台
13日(金)12:20 2台
14日(土)未確認
15日(日)未確認
16日(月)未確認

ところで、御苑大通りの中国団体客専用のバイキング料理店「林園」と食べ放題焼肉屋「味仙荘」の近くにあるローソン新宿5丁目店には、毎日昼食や夕食をすませた中国客がどっと入店します。皆さん、バスに乗り込む前に、飲み物を買ったり、ちょっとしたおやつを購入したりしているようです。日本でいちばん中国客の来店数の多いコンビニといえるかもしれません。
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17日(火)13:00 2台
18日(水)18:30 3台
(※バスの正面窓に「東京-大阪ゴールデンルート」のプレートが見える。中国からの団体客はいまだにゴールデンルートが多いことがわかります)
19日(木)12:30 4台
     18:30 2台
20日(金)13:00 4台
      17:40 2台
21日(土)12:40 7台
(※今日のお昼時は御苑大通りがインバウンドバスでいっぱいになりました。「林園」と「味仙荘」の前には入店できない中国客があふれていました。都心でバスの路駐ができる場所が少ないせいなのでしょうが、もう少しいろんな店を開拓すべきでは…??? いつもそう思ってしまいます)
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     18:20 2台
22日(日)未確認
23日(月)未確認
24日(火)未確認
25日(水)12:50 5台
26日(木)13:20 3台
18:00 3台
27日(金)13:30 2台
17:50 5台
28日(土)13:00 2台
29日(日)未確認
30日(月)12:00 5台
※今日のお昼どきも、御苑大通りの歩道は昼食のために現れた中国団体客であふれていました。 
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by sanyo-kansatu | 2013-09-21 13:49 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)