ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2013年 04月 30日

沖縄には欧米客を乗せたクルーズ客船も寄港します

台湾客を乗せたクルーズ客船「SUPERSTAR AQUARIUS」が那覇に寄港した翌日の2013年3月30日早朝、今度は欧米客を乗せた世界一周クルーズ客船「AMADEA」が来航しました。
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沖縄にはアジア客だけではなく、欧米客を乗せたクルーズ客船も寄港するのです。

「AMADEA」は、初代「飛鳥」を改装した3万トンクラスの客船で、台湾客を乗せた「SUPERSTAR AQUARIUS」に比べると小さいですが、約600名の欧米客を乗せています。Phenix Reisenというドイツ系のクルーズ会社の主催するコースで、今年2月26日バンクーバーからアメリカ西海岸を南下し、太平洋の島々を渡り、日本各地(大阪、別府、奄美、沖縄、石垣)を立ち寄った後、最終的には4月中旬にスリランカのコロンボまで行くのだそうです。乗客にはドイツ人の割合が多いそうです。

Phenix Reisen
http://www.phoenixreisen.com/

午前8時過ぎになると、乗客が船を降りてきました。
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船から降りてくると、クルーズのスタッフが記念撮影。約600名の乗客のうち、沖縄観光のオプショナルツアーに参加するのは約350名。10台のバスが待機しています。
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オプショナルツアーの手配を担当するJTB沖縄の関係者によると、「今年欧米系のクルーズ客船が那覇に寄港するのは7~8本ほどの予定です。欧米客は台湾客や中国客と違って、買い物にはあまり興味がありません。DFSのような免税店に行くことはない。バスで訪ねるのも、首里城など沖縄の歴史や文化に関するスポットがほとんどです」とのこと。
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確かに、彼らは2ヵ月近い長期のクルーズを楽しんでいるわけで、寄港地でそのつど高額な買い物をするとは思えません。

「一般に日本人の参加するクルーズ旅行の1日の単価は約5.5万円といわれますが、こうした欧米系の世界一周クルーズは1日120ドル相当」だそうです。

長くゆったりした旅を楽しむ欧米系と短期間でめいっぱい楽しもうとするアジアのクルーズ客では、旅のスタイルや内実がずいぶん違っているのです。

さて、バスツアーに出かけない人たちはどう過ごすのか。もちろん、個人客として那覇市内に繰り出します。那覇市観光協会では、昨日と同じように英語表記のツーリストインフォメーションを臨時に開設。英語の観光資料を用意し、個人客の質問に答えたり、資料を手渡したりします。
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面白いのは、欧米客は若狭バースから徒歩で約15分の距離にあるモノレールの県庁前駅まで歩いていく人が多いことです。確かに、2ヵ月近く客船暮らしをしていると、倹約というより、身体を動かしたくなるのは無理もないかもしれません。
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客層はやはりシルバー世代のカップルが多そうでしたが、彼らはずんずん歩いていきます。途中、福州園という中国庭園があり、そこには台湾から来たツアー客も訪れていて、彼らと一緒に庭園を歩く欧米客も見かけました。ここは入場無料なので、誰でも気軽に入れます。
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台湾客ほどの数ではありませんが、この日、国際通りや首里城など那覇市内には、欧米人旅行者の姿が多く見られたことは言うまでもありません。彼らは買い物をあまりしないため、経済効果としてはそれほどでもないのでしょうが、インバウンド振興を進める沖縄にとって大切なお客さんであることには変わりないでしょう。
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今年度、那覇港に寄港する国際クルーズ客船の入港予定は、那覇港管理組合のサイトに載っています。天候、運航スケジュールなどの事情により、変更となることがあるそうです。

那覇港クルーズ客船入港予定 (2013年)※2013年4月22日現在の予定
http://www.nahaport.jp/kyakusen/nyuukouyotei2013.htm
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by sanyo-kansatu | 2013-04-30 20:30 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 04月 30日

【後編】台湾発クルーズ客船、那覇寄港の1日ドキュメント

前編では、台湾からのクルーズ客船「SUPERSTAR AQUARIUS」の乗客のうち、沖縄本島のオプショナルツアーに参加した人たちのことを紹介しました。では、残りの約650人はどう過ごすのでしょうか。

もちろん、個人旅行者として那覇市内に繰り出すのです。
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彼ら個人客の観光をサポートするのが、那覇市観光協会のみなさんです。クルーズ船の寄港する若狭バースの乗り場の入り口に臨時のツーリストインフォメーション(観光諮訽處)を開設。中国系、台湾系などネイティブのスタッフを揃え、これから市内に向かう個人客の質問に対応し、用意した観光案内資料や市内マップを渡します。
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那覇市内観光に便利なのが、市内を走るモノレール「ゆいレール」です。しかし、これだけ大勢の台湾客が一気に駅に押しかけてチケット売り場の前に並んだら、那覇市民の利用にも支障がでてくるので、1枚600円の1日乗車券を販売しています。
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なかにはタクシーを利用する人たちもいますから、運転手たちにきちんと行き先を通訳するのも仕事です。
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スタッフを統括する那覇市観光協会の国里顕史さんに話を聞きました。

――個人客のみなさんはどこに行くのでしょうか?

「那覇市内で買い物や食事をして過ごします。たいてい国際通りや新都心(おもろまち)のショッピングモールなどに行きます。リピーターも多いので、自分の足でどこでも行かれます。なかには日本人と同じように、レンタカーで遠出される方もいますよ。

クルーズのお客様は、那覇に宿泊はされませんが、わすかな時間で一度に買い物されるので、大きな経済効果が見込めます。沖縄は台湾や上海、韓国からも近いので、クルーズ市場において優位な立地にあります。来年春には、このふ頭に13万トン級の大型客船が接岸できる那覇港若狭バースが整備される予定になっています」

こうして慌しい対応が一段落するのが、10時過ぎくらい。インフォメーションのテントを撤収し、スタッフ一同は国際通りに向かいます。今度は通りにあふれる台湾客の案内や買い物のサポートなどをスタッフ総出で行ないます。

そこで、ぼくも国際通りに繰り出してみました。すると、いるいる(当たり前ですね)。あちこちから中国語が聞こえてきます。
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面白かったのは、公設市場です。ここでは1階の市場で買った魚介類を2階の食堂で調理してくれます。
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家族連れの台湾客も多いようです。
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2階の食堂街は、この日、明らかに日本の観光客より台湾客と香港客のほうが多くいたように思います。
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各店にはたいてい英語とハングルに加え、「有中文菜単(中国語のメニューあります)」という中国語の表示があります。それはそうと、食堂のスタッフはどうやら地元の人だけではなさそうです。
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ある食堂の日本人スタッフに聞いてみました。
「もしかして、お店で働いているのは中国の人ですか?」
「ええ、そうですよ。うちでは、ぼく以外は全員中国人です」
「それは台湾の人ということですか?」
「いえ、中国本土の人ですよ」

そうあっさり答えられたので、ちょっと拍子抜けしてしまいました。ここは那覇を代表する観光名所、公設市場です。多くの観光客が沖縄のローカルな世界を味わうために来ているはずなのに、そこで働いている大半は中国本土の人たちだというのです(さすがに1階の市場は地元の人が多そうでしたけれど)。

公設市場の食堂でアルバイトする沖縄の若い人たちはもういないのでしょうか。これはかなりショッキングな出来事のようにも思います。でも……、よく考えてみれば、東京をはじめ日本の大都市の飲食店でも多くの中国本土の人たちがアルバイトをしています。同じことかもしれません。

もうひとつ気がついたのは、国際通りのお土産店などでも普通に中国語の表示があるのですが、たいてい簡体字表記になっていることです。簡体字を使う中国本土客は昨年秋以降、激減してしまっており、街にあふれるのは繁体字を使う台湾や香港の人たちなのに……。
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市内を走るタクシーの運転手の何人かに聞いてみたのですが、普段から外国客を乗せて運ぶ彼らでさえ、中国本土客と台湾・香港客の区別がついていないようです。当然、一般の那覇の人たちもそうです。

まあしかしこれは内地でも同じことでしょう。東京を歩いている中国系の観光客を見て、それが台湾客なのか香港客なのか、それとも中国本土客なのか、ひと目でわかる人はほとんどいないでしょう。それに、全国どこでも中国語表示は簡体字が基本となっています。

なぜ那覇の人たちが、台湾客や香港客を見ても、ひとくくりに中国本土客と思ってしまうかというと、そこにはひとつの理由がありそうです。

それは昨年(2012年)7月、先ごろ東京港にも寄港して話題となった豪華大型客船ボイジャー・オブ・ザ・シーズ(巨大すぎてレインボーブリッジをくぐれなかったため、東京港のコンテナふ頭に接岸)が、那覇に入港したことのインパクトが大きかったからではないか、と推測します。

那覇港管理組合のHPでは、ボイジャー・オブ・ザ・シーズの大きさについてこう説明しているほどです。

「同船は、乗員乗客最大で約5000人が乗船することが可能で、沖縄県庁と比べると、高さはほぼ同じ高さ、全長はなんと、約2倍です」

そのボイジャー・オブ・ザ・シーズが、7月5日、16日、24日、8月1日と約1か月間に4回連続で入港し、3000人超の上海からの中国本土客がいっせいに那覇に繰り出したのです。特に16日は、ボイジャー・オブ・ザ・シーズ以外にも、欧米客を乗せたクルーズ船が寄港したため、その日は5000人近い外客が那覇に上陸したのです。その日、観光バス90台が那覇港に乗りつけたといいます。

その結果、那覇の人たちはこれからどんどん中国本土客が訪れるものだと思い込んでしまったのではないでしょうか。

ところが、実際には今年は秋までボイジャー・オブ・ザ・シーズが寄港する予定はありません。もちろん、日中の尖閣問題が影を落としているからです。
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さて、岸上観光を楽しんだ台湾客たちも、遅くとも出港時刻(17時)の1時間前には船に戻ってきました。乗船前にクルーズのスタッフに頼めば、記念撮影してくれます。
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いよいよ那覇ともお別れ。その前に、今年度の初寄港ということで、地元那覇の子供たちによるエイサーがクルーズ客を楽しませてくれます。いたいけな子供たちが精一杯踊り舞う姿は心を和ませます。多くの客が甲板に出て、子供たちのエイサーをいつまでも眺めています。
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そして定刻通り、17時の出港。客船は大きな汽笛を鳴らしながら、徐々にふ頭から離れていきます。
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でも、子供たちはすぐにはエイサーをやめようとしません。客船が那覇港を遠く離れていくまでずっと手を振り続けています。「バイ、バーイ!」。こういう姿を見せられると、大人はまいってしまいますね。こうしてクルーズ客船の寄港する長い1日が終わりました。

このあとこのクルーズ客船は石垣島に向かいます。翌朝、寄港すると、石垣島や八重山の離島を訪ねることになるでしょう。

沖縄では、この夏こうした光景が毎週のように見られることになります。

※那覇に寄港するクルーズ客船は台湾からのものだけではありません。実は、翌日(3月30日)にも、欧米客を乗せた世界一周クルーズ客船が寄港しています。この客船は、初代「飛鳥」を改装した3万トンクラスの「AMADEA」で、SUPERSTAR AQUARIUSに比べると小さいですが、約600名の欧米客が那覇に上陸しました。その話は、別の機会で。

「沖縄には欧米客を乗せたクルーズ客船も寄港します」http://inbound.exblog.jp/20366268/
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by sanyo-kansatu | 2013-04-30 16:12 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 04月 30日

【前編】台湾発クルーズ客船、那覇寄港の1日ドキュメント

2013年3月29日早朝、台湾からのクルーズ客船「SUPERSTAR AQUARIUS」が那覇港新港ふ頭8号(若狭バース)に入港しました。あいにくの雨でしたが、今年度最初の入港になります。
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SUPERSTAR AQUARIUSは、ゲンティン香港(スター・クルーズ・ピーティーイー・リミテッド)が運航するカジュアルなクルーズ客船です。毎年4月から10月まで週1回、那覇港に寄港し、毎回約1500人の台湾客が観光のため上陸します。基本、3泊4日で基隆―那覇―石垣―基隆(基隆―石垣―那覇―基隆の場合もある。また基隆―那覇往復、基隆―石垣往復も)を航行します。料金は最も安いシーズンで、2泊3日の基隆―石垣往復が9900台湾ドル(約3万3000円)から。1日の単価は約1万円という破格の安さです。ただし、今回の客船に限っては基隆発ではなく、高雄発だそうです。
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スタークルーズ日本語公式サイト
http://www.starcruises.co.jp
スタークルーズ台湾公式サイト
http://www.starcruises.com.tw/

日本ではまだクルーズは豪華客船だから料金も高いというイメージがありますが、アジアや欧米ではこうした格安クルーズが多いのです。しかし、格安クルーズだといっても、館内の施設はそれなりに揃っています。

多様な娯楽施設、各種レストラン、プール、スパ、そして台湾サイトには載っていませんが、カジノもあります。実はこれが台湾客を惹きつける理由のひとつだとか。まさに“動くアミューズメントモール”。台湾でクルーズ旅行が人気というのもうなづけます。

SUPERSTAR AQUARIUS 台湾サイトの紹介
http://www.starcruises.com.tw/aquarius/info.aspx

同船のフェイスブックを見ると、台湾客がクルーズ旅行を楽しむ様子がうかがえます。
https://www.facebook.com/StarcruisesTaiwan

さて、この日は約1300人の台湾客が沖縄に上陸しました。
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そのうち約650人は、沖縄各地を周遊するオプショナルツアー(岸上観光)に参加します。お出迎えは、台湾系のランドオペレーター太陽旅行社のスタッフです。そのひとりはこう言います。「朝8時到着で17時には出港というスケジュールは、観光や食事、買い物についても十分とは言えないかもしれません。でも、一般のツアーでは移動が多くて、かえって自由時間が少ないのです。その点、クルーズではオプショナルツアーに参加しなければ、じっくり買い物を楽しむことができます。台湾のお客様は食品から家電、生活用品まで、いろいろ買っていかれますよ」。
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ふ頭にはずらりと大型バスが並んで待っています。
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乗客を乗せたバスからいざ出発。
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HPによると、以下のツアーの中から好きなコースを選べるようになっています。日本人の沖縄ツアーとさほど大きくは変わらない内容です。

①異國風情之旅 北谷町─美國村(アメリカンビレッジ沖縄
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②美食購物之旅 三郎伊勢海老專門料理店(老舗家海老料理 味の店 三郎本店 那覇市若狭1-14-10)─新都心商業圈(新都心「おもろまち」でショッピング)
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おもろまちにある那覇メインプレイスのフードコートには、たくさんの台湾客がいました。
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③海洋公園之旅 海洋博公園、水族館(沖縄美ら海水族館)、海豚秀(イルカショー)─超級市場(スーパーで買い物)

④采風探趣之旅 首里城、守禮門─新都心、藥粧店(ドラッグストアで買い物)─國際通/平和通
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⑤熱帶風情之旅 藍鯨號玻璃船(ホエールウォッチング)─萬座毛國立公園─北谷町購物(アメリカンビレッジ沖縄)
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⑥琉球傳統之旅 琉球村─沖繩婚禮教堂─北谷町美國村(アメリカンビレッジ沖縄)

⑦民俗文化之旅 王國村玉泉洞、大鼓秀─ASHIIBINAA OUTLET(あしびなーアウトレット)─藥粧店(ドラッグストアで買い物)、超級市場(スーパーで買い物)
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あしびーなアウトレットには、台湾客だけでなく、香港客の姿も見られました。

⑧沖繩風味之旅 國際通─BBQ吃到飽(含餐費)─AEON購物城

⑨那霸精華遊 Itoman魚市場─3A購物城─ASHIIBINAA OUTLET

SUPERSTAR AQUARIUSのオプショナルツアー(岸上観光)
http://www.starcruises.com.tw/aquarius/trip.aspx

コースによって所要時間は違いますが、朝9時頃に出発し、船の出航する17時の2~3時間前には戻ってきます。

実は、台湾からのクルーズ客船は1990年代から那覇に寄港していました。しかし、5万トンを超えるクラスの大型客船が入港するためには、それなりの規模の港湾施設が必要となります。そのため、もともとコンテナふ頭だった若狭バースを国際大型客船のふ頭として整備し、乗降を始めたのが2005年です。沖縄県の資料によると、SUPERSTAR AQUARIUSのような大型客船の定期運航が始まったのは2008年からのようです。以来、毎年4月から10月の夏季シーズンに毎週1回、年間で約30回台湾客が那覇を訪れるようになったのです。

台湾では、誰でも気軽に楽しめるクルーズ旅行として広く知られています。台湾客は日本への渡航がノービザなので、入国手続きも簡単です。船内でのパスポートチェックで終わりです(その点、上海からのクルーズ客は団体観光ビザが必要なため、入国手続きのための時間がそれなりにかかるのと、大きく違います)。

話は後編に続きます。
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by sanyo-kansatu | 2013-04-30 11:18 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 04月 28日

新空港開港で石垣にインバウンド客は増えるのか?

3月下旬に石垣島に行きました。
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3月7日に開港したばかりの新空港は、さすがに真新しい南国的なロビーで、たくさんの観光客がいました。
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南ぬ島 石垣空港
http://www.ishigaki-airport.co.jp/

八重山の離島に向かうフェリー乗り場に近い市街地では、あちこちに「祝!新石垣空港開港」ののぼりが出されていました。新空港は、2000mの滑走路を備え、国際線にも対応できるようになっています。3月現在、国際線の定期便はありませんでしたが、これで那覇経由ではなく、国際線の直行便の受け入れが可能となったのです。

※地元の情報では、復興航空の石垣―桃園定期便が正式に決定したようです。
5月23日から週2便。
GE686 台北桃園空港09:00 - 石垣空港10:55(※台湾時間9:55)
GE685 石垣空港12:00 - 台北桃園空港12:00(※日本時間13:00)
エアバス320(150人乗り)での就航予定だそうです。

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石垣のホテル関係者は言います。
「石垣は立地がいい。東京からフライトで3時間ですが、もっとそばに台湾や香港、上海、ソウルという大都市圏があります。台北からはわずか45分のフライト。海の美しさは周囲のどのビーチリゾートにも負けませんから、今後はプロモーションに力を入れたい」。

観光には繁忙期と閑散期があります。これは全国どこでも同じですが、日本人のピークシーズン以外の時期に外客に来てもらうことで、年間を通じてコンスタントに集客したいと考えるのが観光業界です。そのための受け皿としての国際線対応の新空港開港でもあったわけです。

では、現在の石垣を来訪する外客の主力は誰かというと、台湾の人たちです。ここ数年、3月下旬から10月いっぱいまで毎週台湾の基隆発のクルーズ客船「Superstar Aquarius」号が寄港するからです。基隆―那覇―石垣―基隆(基隆―石垣―那覇―基隆の場合もある)を3泊4日で周遊するカジュアルなクルーズ客船で、毎週1回約1500人の台湾人客が石垣を訪れます。

那覇ではツアーバスに乗って沖縄本島観光に繰り出したり、国際通りで買い物や食事を楽しんだりする台湾客も、石垣ではたいてい好みの離島にフェリーで向かいます。朝早く石垣港に着いて、夕方5時には出航するため、その日は石垣と八重山の島々に台湾客がどっとあふれます。

今回ぼくは竹富島に行ったのですが、クルーズ船が寄港する日ではなかったため、彼らの姿を見ることはありませんでした。竹富島の名物で、集落をのんびり散策する水牛車の乗り場には、英語に加えて中国語の繁体字の注意書きが貼られていました。こうして竹富島には、週に1回台湾客も現れて、日本の観光客と一緒に水牛車に揺られて過ごすのです。
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ところで、竹富島には2012年6月に開業したばかりの「星のや 竹富島」というリゾートホテルがあります。全48棟の客室の建築は、竹富島の伝統建築の様式を踏襲して造られています。宿泊客は滞在型のゆったりしたリゾートライフを楽しむことができます。
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星のや 竹富島 http://www.hoshinoyataketomijima.com/

ここでも台湾客と思われる人たちを見かけました。韓国の方もいました。星野リゾートは海外の富裕層を相手にしています。クルーズ客とはまったく別のマーケットです。竹富島という恵まれた環境を舞台にどれだけ海外から宿泊客を呼び込めるかが問われています。

さて、そんな石垣と八重山諸島のインバウンド客誘致の行く末ですが、周辺からいろんな声が聞こえてきます。たとえば、沖縄のある旅行業者は、新空港のホームページの開設が開港ぎりぎりの2か月前まで遅れたことなどを例に挙げ、空港のセキュリティや外客受け入れ態勢が不十分ではないかと指摘しています。また、先日北京で会った中国のある旅行業者も「2000mの滑走路というけれど、3000mないと大型機の乗り入れはできない」とずいぶん厳しい指摘をしていました。2000mでは中型機の発着しかできないからだそうです。そんなこと、3000人を集客してから言えばいいのに…と思いますが、一般に中国の人は沖縄のビーチリゾートとしての価値に対して厳しい評定をする傾向にあります。彼らの自慢の(?)海南島に比べると、確かに大型のビーチリゾートホテルは少ないですから。でも、沖縄の良さはそういうことじゃないのにね。

我々内地の人間からすると、沖縄も石垣もその風土や人々の暮らしのゆるさが魅力で、どうしても採点が甘くなってしまいます。別に内地みたいにキチキチしていなくてもいいじゃない。そこに魅かれて沖縄に来るのだからと。

でも、インバウンドの観点に立って海外のビーチリゾートとの競合を考えると、そうも言っていられないのは確かです。

まあしかし、石垣と八重山諸島がバリやプーケット、海南島、あるいはグアムやサイパンのようになってしまうことがいいことなのか。内地の人間としては、そうではないと思うのです。この点は一部の地元の人たちの思いとは必ずしも同じではないのかもしれません。ただ、こうした自らの立ち位置について微妙なゆらぎがあること自体、島の人たちの自主性というより、グローバルな資本によって主導的に形成されたバリやプーケットといった一見華やかではあるけれど、きわめてポストコロニアルな現代のアジアのビーチリゾートと石垣の違うところでしょう。もちろん、本土資本をどう見るかによって見解の異なるところでしょうけれど。

星のやも、徹底して地元との共生を模索することで、竹富島の唯一の大型リゾートとしての開業を許されています。アジアの他のビーチリゾートにはない新しいリゾートのあり方を見せてほしいものです。

さて、今回新空港開港にわく石垣に来て、その一方であらためてこの島々が尖閣問題の舞台であることを知らされました。石垣からフェリーに乗ると、海上保安庁の巡視船が見えます。あれが、中国の監視船と海上で向き合っている船なのだなと。
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また竹富島の歴史資料館でもある喜宝院蒐集館には、4000点に及ぶ竹富の民芸品などが展示されています。その中に沖縄の本土返還前に琉球政府が発行した尖閣諸島の切手がありました。切手には地名は記されてはいないのですが、専門家によると、その図版は明らかに尖閣諸島だというのです。
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2013年の石垣と八重山諸島は、我々内地の人間が心底くつろげる南の島であると同時に、日中の確執がぶつかりあう最前線でもあるんですね。
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by sanyo-kansatu | 2013-04-28 22:33 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 04月 25日

中国人の沖縄旅行(今は激減、今後はどうなる?)

3月下旬に沖縄に行ってきました。

昨年(2012年)、飛躍的に増加した中国本土から訪れる沖縄への観光客が、2013年4月現在、鳴りを潜めています。北京・那覇線は中国国際航空、海南航空ともに運休、上海線はかろうじて中国東方航空が週4便でつないでいますが、運休もけっこう多いようです。その反動なのかわかりませんが、沖縄は台湾客や香港客であふれていました。面白いものです。
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それでも、今後は風向きが少しずつ変わっていくかもしれません。中国国際航空が北京・那覇線を7月から運航再開するそうですし、海南航空も(4月24日現在、同航空那覇支店に尋ねたところ、再開の時期は決まっていないとのことですが)それに続く、あるいは先に運航再開する可能性があります。また那覇の旅行関係者の話では、上海線は6月以降、週4便からデイリー運航となるそうです。

いまや激減した中国からの沖縄団体旅行ですが、上海錦江旅行社のホームページである程度その中身を知ることができます。実は、今日(4月25日)現在、沖縄を訪ねているツアーがあります。ツアー行程は以下のとおりです。

★海滨度假★忘乎所以尽兴冲绳4日之旅
拥有“东方夏威夷”美誉的冲绳是日本首选的度假胜地.

4月23日発 5499.0 元 (上海錦江旅行社)

★冲绳~整年沐浴灿烂阳光的亚热带土地。碧蓝的大海与鮮花盛开的大地,位于北纬26度的地方,这是日本人心目中的香格里拉! 这个土生土长的日本小岛,不仅将阳光与海滩尽揽怀抱,而且还把种种异国情调收至麾下。这儿有海洋世界、有森林密野、有日本传统风情、有美国经典时尚……这就是冲绳~与夏威夷、迈阿密、巴哈马一起,被喻为世界四大海滨观光圣地的冲绳。兼融和风及南国血统的冲绳,既有南岛人民的乐天爽朗、又不失大和民族的雍容优雅,四季恒温的舒适气候、吹來的清爽海風、加上澄碧透蓝的海水,连日本人都难以抗拒的度假勝地!
【美丽海水族馆】— 游客可以透过堪称全世界最厚的60公分巨大压克力隔离板观看“黑潮海洋”,眺望鲸鲨与鬼蝠魟悠游水中的姿态。本水族馆以繁殖为目的所进行的复数培育,以及展示大规模的珊瑚培育,也都是全球首创之举,在此还能观赏到精彩的海豚秀。
【名护菠萝园】—坐上菠萝形状的小车参观遍布公园的菠萝种植地和亚热带植物,途中菠萝味随风飘散,心情舒畅,酒工厂内参观菠萝酒的制造过程。
【享受血拼乐趣安排】
【国际通大道】—位于那霸市中心,是冲绳观光的出发点也是那霸的中心繁华街。国际通大道充满朝气。自古便做为冲绳的中心而繁荣,第二次世界大战受到毁灭性打击,而战后又以惊人的速度得到复兴和发展,因此人称「奇迹大街」。在全长1.6公里的大道两侧,百货店、餐厅、出售美军军品的杂货店、土特产店、时装店鳞次栉比,终日游人不断,热闹非常。

第 1 天 
▲上午集合于上海浦东机场,乘坐MU287(13:30/16:30)飞往日本冲绳那霸机场,抵达后,导游接机,乘专车前往参观,途径【树屋】此为一间餐厅,由于造型独特,故为冲绳建筑奇景之一。晚餐后然后前往海边度假酒店住宿。
餐:含晚餐
宿:海边southern beach hotel度假酒店或同级
www.southernbeach-okinawa.com
出发时间:1330 抵达时间:1630 承运人:MU287

第 2 天 
▲早餐后前往【美丽海水族馆】,游客可以透过堪称全世界最厚的60公分巨大压克力隔离板观看“黑潮海洋”,眺望鲸鲨与鬼蝠魟悠游水中的姿态。本水族馆以繁殖为目的所进行的复数培育,以及展示大规模的珊瑚培育,也都是全球首创之举,在此还能观赏到精彩的海豚秀。然后前往【冲绳名护菠萝园】(无限试食各式点心、搭乘迷你菠萝观览车)近一个世纪以来,菠萝在冲绳一直作为农作物来栽培。菠萝种植园作为一个旅游热点被发展了起来。名护菠萝园就是这样的一个充满乐趣的菠萝主题公园。之后前往【万座毛】,它是冲绳县内数一数二的景观。“万座”的意思就是“万人坐下”,“毛”是冲绳的方言,指杂草丛生的空地,所以“万座毛”指的就是可以容纳万人坐下的大草坪。这个美丽的大草坪位于海边的一座断崖之上,从那里可以欣赏海天一色,也可以俯视悬崖峭壁下的珊瑚礁。之后参观之后前往【嘉守纳美国空军基地展望台】可近距离眺望到远东地区最大的嘉手纳美军基地,沿途可见美军营区、可感受到曾因政治因素的关系而造成大批美军长期驻守冲绳的特殊景观。
餐:含早午晚餐
宿:OKINAWA PORTHOTEL酒店或同级

第 3 天 
▲在慵懒和清闲的早晨,您可慢慢睁开双眼感受那份自由与惬意。。。享受没有MORNING CALL的早晨!
酒店在早餐后,全天自由活动
您可自由漫步冲绳的大街小巷,亲身感受冲绳的异域文化氛围!
或可参加自费项目【世界遗产-首里城+玉泉洞王国村欣赏太鼓表演+豪华冲绳自助午餐+冲绳DFS环球免税店+美国村+石垣牛烤肉晚餐,10人以上成行12000日元/人,3-11岁儿童10000日元/人】
【首里成公园】- 世界文化遗产, 位于俯瞰那霸市的海拔120米的高坡上,是琉球王国的象征。 14世纪末创建的首里城,是琉球历代国王的居住地,同时,也是琉球王国的政治的中心。
【玉泉洞王国村】冲绳世界(文化王国玉泉洞)内有景观溶洞——玉石泉洞、热带水果园、毒蛇博物公园、冲绳当地舞蹈广场,100年以上历史的民宅、再现了琉球王国时期的城下城、代表冲绳传统工艺的琉球玻璃王国工作室等景观。其中最大的看点莫过于冲绳特有珊瑚礁而形成的溶洞——玉石泉洞(公开展示其中890米)
【冲绳DFS环球免税店】—光临DFS环球店冲绳岛店的顾客可以享受其他国内商店没有的优惠价格。DFS已经与日本政府协商立法允许向离开冲绳岛的游客,包括即将回到日本本土的日本游客,销售商品。您可以在日本的DFS环球店冲绳岛店购买商品。在DFS环球店冲绳岛店购买的商品将在您离境前通过那霸机场的货物集散柜台送到您手中。DFS店位于交通便利的冲绳岛那霸,其购物设施充满艺术气氛,以众多的名牌精品店和奢华品零售环境,提升了奢华商品购物的艺术。DFS环球店冲绳岛店推出世界著名品牌精品屋,包括宝格丽、博柏利、卡地亚、塞琳、Coach、肖邦、迪奥、芬迪、菲拉格慕、路易威登、万宝龙、普拉达、蒂芙尼 和 Tods 等。 【美国村】-美国村设施:购物中心,家局商店,观览车,电影院,歌厅,大型游戏中心,保龄球馆。
特色:大型购物中心和精品商店。商品令郎满目应有尽有。观览车可以瞭望东中国海的壮阔蔚蓝,广场上还不时有街头艺人才艺大比拼。
餐:含早餐;午晚餐为方便游玩敬请自理
宿:OKINAWA PORTHOTEL酒店或同级

第 4 天 
▲酒店享用早餐后,前往参观琉球八大神社之一的【波之上神宫】及【孔子庙】之后,前往【国际通大道】—位于那霸市中心,是冲绳观光的出发点也是那霸的中心繁华街。国际通大道充满朝气。自古便做为冲绳的中心而繁荣,第二次世界大战受到毁灭性打击,而战后又以惊人的速度得到复兴和发展,因此人称「奇迹大街」。在全长1.6公里的大道两侧,百货店、餐厅、出售美军军品的杂货店、土特产店、时装店鳞次栉比,终日游人不断,热闹非常。之后前往【ASHIBINA奥特莱斯购物城】—拥有仿古希腊建筑的购物中心,这里的产品价廉物美,日本各大名牌以及超过70多种人气品牌的商品都集中于此,总会找到你所喜爱的产品。特别赠送试穿琉球服装体验。
出发时间:1730 抵达时间:1830 承运人:MU288

ざっとツアー行程を紹介しましょう。

初日は中国東方航空の午後便で那覇入り。夕食後、糸満にある最近リニューアルしたばかりのサザンビーチホテル(または同クラス)にチェックイン。
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2日目は、バスで沖縄北部のちゅら海水族館や名護パイナップル園、万座毛と沖縄の観光スポットを南下しながら訪ねていきます。
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興味深いのは、この日の立ち寄りスポットのひとつとして、嘉手納基地が遠望できる「道の駅 かでな」があることでしょうか。ツアー紹介文にこうあります。「可近距离眺望到远东地区最大的嘉手纳美军基地,沿途可见美军营区、可感受到曾因政治因素的关系而造成大批美军长期驻守冲绳的特殊景观(極東で最大の嘉手納米軍基地を間近で眺めることができます。政治的な理由から、これほど大量の米軍が長期にわたり駐屯することで生まれた沖縄の特殊な景観を感じることができるでしょう)」。
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この解説は、基本的に「道の駅 かでな」の3階にある「学習展示室」で展示される米軍基地の不当性に対する沖縄県民の異議申し立てを踏襲するものです。ただし、米軍基地という存在は、中国にとっては軍事的脅威の象徴として認識されているのでしょうから、ツアー客のみなさんがここでどんな思いを抱くものなのか、ちょっと興味があります。
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2日目の夜からは那覇市内のホテルに移り、夕食は那覇市内で各自が自由に取るようです。

3日目は、自由行動です。首里城や玉泉洞、日本で唯一の路面免税店のDFSギャラリア沖縄、北谷にあるアメリカンビレッジなどを訪ね、石垣牛のステーキの昼食付のオプショナルツアー12000円に参加することもできます。
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オプショナルツアーに参加しないで、那覇市内を自由に観光することもできます。

最終日は、中国東方航空の夕方便の時間までを使って那覇市内をバスで訪ねます。波之上宮や中国とのゆかりのある孔子廟、国際通りの散策などで過ごします。
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そして、最後に立ち寄るのが、アウトレットモールのあしびなーです。
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ここには中国客の大量来訪をあてこんで2012年9月にオープンしたLAOX沖縄あしびなー店があります。
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店内は閑散としていました。オープンの時期と尖閣事件が見事に重なってしまったからです。あしびなーには、台湾客や香港客をたくさん見かけましたが、LAOX店内はすべて簡体字表記で中国本土客向けのディスプレイになっていることから、彼らも足を運びにくいかもしれません。皮肉なものですね

それでも、沖縄に立ち寄ることを条件に3年間入国自由となるマルチ観光ビザ取得が可能となった2011年7月以降、中国からの個人客は確実に増えていると沖縄の旅行関係者は口を揃えて言います。ただし、北京線の運休した現在、その多くはいったん東京などで入国し、そのあとに沖縄に来るケースも多いそうで、正確な数の把握は難しいそうです。

昨年夏に4回沖縄に寄港した巨大クルーズ船ボイジャー・オブ・ザ・シーズは、一度に3000人以上の中国客を沖縄に送り込んだことから、県民に中国客の大量来訪を印象付けましたが、今年は秋まで予定はないそうです。東南アジア客が増え始めていることは事実ですが、やはり数を稼ぐには中国市場という事実は否定できないものがあります。今後、空路客が動き始めることを期待したいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2013-04-25 11:48 | “参与観察”日誌
2013年 04月 01日

タイ人客がやってきた!(ツアーバス路駐台数調査 2013年4月)

今年の桜は開花が早すぎたせいで、4月に入って花見を目的とした海外からのツアー客を失望させることになったのではないかとちょっと気がかりです。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた明治通り新宿5丁目付近における中国インバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(月)17:50 2台
2日(火)18:00 3台(うち1台小型バス)
      18:50 4台(1時間のうちに、バスが入れ替わりました)
3日(水) 未確認
4日(木)18:20 8台
※来ました来ました。あふれんばかりのインバウンドバスが新宿5丁目に集結しています。面白いのは、そのうち3台がタイ人観光客のバスだったことです。停車中のバスの運転手さんに話を聞いたところ、「最近は中国人ではなく、タイ人のお客さんがいちばん多いよ」とのこと。新しいお客さんの登場で、これから新宿5丁目も面白くなりそうです。

以下の写真は、新宿5丁目インバウンドスポットで列をなして路駐するバス。タイ人観光客の乗ったバスであることは車窓のプレートを見るとわかります。いちばん下の写真は、その日たまたま立ち寄った池袋の西武百貨店の前で、タイ人観光客のみなさんが食事を終えて、バスに乗り込むところです。今日はいろんな場所でタイ人のみなさんを見かけました。
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5日(金)12:50 2台
※この時間帯は、靖国通りの中華大飯店前にも2台のバスが停まっていました。うち1台は韓国のツアーでした。花園神社の入り口のファミマの中は韓国客でいっぱいです。
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     18:50 1台

6日(土)~14日(日)海外出張で未確認。

15日(月)12:20 2台(下の写真はお昼どき「林園」周辺でにぎわう中国客たち)
      18:20 2台
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16日(火)17:50 2台
17日(水)19:20 1台

【番外編】ようこそ!インドネシアのみなさん
この日の夜遅く、池袋の街を歩いていたら、ビジャーブ(イスラム女性が頭を覆うスカーフ)姿の女の子が立ち食いそば屋に入る姿を発見。「おやっ」。インバウンド“参与観察”者を自認しているぼくですから、そっとあとをついてお店に入りました。女の子3人組で、そばを注文しています。

「where are you from?」と聞くと、「Indonesia」。「Welcome」と笑顔で応じておきました。食事がすむと、店の外で彼女たちが立ち食いそば屋を記念撮影しているので、「this is traditonal Japanese fastfood」とつい解説してしまいました。ぼくってかなり怪しい存在だったでしょうね。でも、ひとりの子が「oishii」と、たぶんお愛想だと思いますけど、答えてくれました。

駅に向かって歩いていく彼女らを見ながら、きっとサンシャインプリンスあたりに泊まっているんだろうな。せっかく東京に来たんだから、もっと安くておいしいお店もいっぱいあるだろうに、インドネシア語の情報はまだないのだろうなあ、と思ったものです。
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18日(木)13:00 1台
      19:30 2台
19日(金)11:50 2台
この日の正午前、横断歩道を渡ろうとしたら、バスから降りてきた中国客の人たちに囲まれてしまいました。彼らは向かいの「林園」でお昼を取るためにここに来たのです。添乗員らしき中国の女性に「このツアーはどこから来たお客さんですか?」と聞くと、「上海ですよ」とのこと。もう一台のバスは「西安」からでした。

「林園」の近くで警備員のおじさんが中国客がぞろぞろ歩いているのを面白そうに眺めているので、「あの人たち何ですか?」とあえて聞いてみたら、「中国の観光客ですよ。ぼくは毎日ここに立っているからわかるけど、あの中華料理屋にみんな入りますよ」「そうなんですか」「でもそういや、昨日は隣の焼肉屋にも入ったかな」とのこと。

「林園」の隣には確かにランチ1000円で食べ放題の焼肉屋「味仙荘」(新宿5丁目15-2 Tel.03-3350-5204)があります。ここの店長は韓国人のヤンさんで、中国人スタッフも揃っています。
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     19:40 2台(うち1台は上海錦江旅行社のツアーバスでした)
20日(土)未確認
21日(日)未確認
22日(月)18:00 1台
23日(火)19:50 2台
24日(水)18:50 2台(うち1台は上海錦江旅行社のツアーバス)
25日(木)18:20 1台(タイのツアーバス)
26日(金)17:20  1台
27日(土)未確認
28日(日)未確認
29日(月)未確認
30日(火)12:20 3台
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by sanyo-kansatu | 2013-04-01 09:13 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2013年 03月 10日

境港(鳥取県)発ウラジオストク行き航路をご存知ですか?

たぶん世間ではほとんど知られていないことだと思いますが、鳥取県の境港から極東ロシアのウラジオストク行きの定期航路があるんです。

DBSクルーズフェリーといいます。韓国の海運会社が日本の境港、韓国の東海、ロシアのウラジオストクを結ぶフェリーを2009年7月から定期運航させているのです。ぼくも最近までまったく知りませんでした。

境港~ウラジオストク間を週1便・2日で運行。料金は、スタンダードクラスの相部屋で、境港-ウラジオストクが片道22,500円、往復37,000円(2013年度)だそうです。
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DBSクルーズフェリー
http://www.dbsferry.com/jp/02_ticket/ticket03.asp

いったいこんな航路を誰が利用するのだろう。しかも2日もかけてウラジオストクへ? という気はしますが、鳥取県の関係者に聞くと、大半を占める客層は、韓国から日本の山陰地方に遊びに来る韓国人だそうです。なにしろ東海・境港間は片道9000円で来られるのですから。ロシア人もたまに利用するそうです。山陰にはいい温泉がいっぱいありますからね。でも、ウラジオストク方面に乗る人はどれだけいるのか?

実際にこの航路でウラジオストクへ行った日本人をぼくはひとり知っています。その人は鳥取県庁の職員で、旅好きのよこぢよしてるさんといいます。彼の乗船記は「地球の歩き方 大連 瀋陽 ハルビン2013-14年版」のp335に掲載されています。客船内にはバーやレストラン、共同浴場などもあって、そこそこ快適だそうです。日本海を渡る定期航路がほぼ絶滅してしまっているいま、時間を見つけて一度は乗ってみたいと思います。

定期航路開設の経緯や現状については、以下を参照。
鳥取県庁 http://www.pref.tottori.lg.jp/dbs/
境港市役所 http://www.city.sakaiminato.lg.jp/index.php?view=7345

また実際の予約については、ここに問い合わせを。
DBSクルーズフェリージャパン(株) 
鳥取県境港市昭和町9-23 国際旅客ターミナル内
TEL:(0859)30-2332
http://www.dbsferry.com/jp/main/main.asp
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by sanyo-kansatu | 2013-03-10 18:36 | ノービザ解禁!極東ロシア | Comments(0)
2013年 03月 06日

ウラジオストクにはいろんな乗り物があります

ウラジオストクはシベリア鉄道の終着駅であり、モスクワまで9288km。あまり知られていませんが、鳥取県境港と国際フェリー航路を結ぶ国際港でもあります。沿海地方の近郊の町や中国吉林省に向かう国際・国内バス路線があり、郊外電車もあります。半島の先端に位置するウラジオストクは、対岸の町に渡るにはフェリーを利用するのが便利です。市内には路面バス、そしてレトロな路面電車がまだ残っています。さらに、港全貌を見渡せる丘の上に登るケーブルカーも健在です。ウラジオストクは、バリエーションに富んだ多彩な交通機関が揃っています。その一方で、近年の市民生活の最大の悩みは渋滞です。

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by sanyo-kansatu | 2013-03-06 22:43 | ノービザ解禁!極東ロシア | Comments(0)
2013年 03月 03日

春到来、バスは戻ってくるか?(ツアーバス路駐台数調査 2013年3月)

3月に入り、東京は心持ち春めいてきました。バスは戻ってくるのでしょうか。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた明治通り新宿5丁目付近における中国インバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(金)18:20 0台
2日(土)未確認
3日(日)未確認
4日(月)13:20 2台(うち1台は20人乗りマイクロバス。中国のネット大手旅行会社C-Tripのツアーでした)
5日(火)20:10 0台
6日(水)18:30 0台 
*ただし、中国団体客専門の中華料理店「林園」」のネオンはついていたので、ツアーの予約は入っていると思われる。

7日(木)18:50 0台
8日(金)18:40 0台
9日(土)未確認
10日(日)未確認
11日(月)未確認
12日(火)20:30 0台
13日(水)18:20 1台
14日(木)18:40 0台
15日(金)18:50 3台
*久しぶりに3台のバスが来ていました。うち1台は広東省からのツアーだと思われます。
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16日(土)未確認
17日(日)未確認
18日(月)18:20 2台
*今日は比較的若い人が多いツアーでした。バスを降りると、一眼レフであれこれ撮っている女の子もいます。みんな仲良く「林園」で夕食です。

19日(火)19:20 1台
20日(水)未確認
21日(木)18:10 1台
22日(金)18:40 0台
23日(土)未確認
24日(日)未確認
25日(月)18:50 1台
26日(火)~31 日(日) 沖縄出張のため、未確認
※桜シーズン真っ盛りだっただけに、どの程度のバスが来たか知りたかったのですが、申し訳ありません。
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by sanyo-kansatu | 2013-03-03 15:05 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2013年 02月 14日

定点観測ツアーバス調査のまとめ(中間報告)

2月13日、「二水会」という観光関連の交流会で、お話をすることになりました。幹事の方から「中国インバウンドの話をしてください」といわれていたのですが、日中関係が政治的に緊張するさなか、大局的な意味での今後の展望などぼくにはできるわけありませんし、そもそも3月の習近平政権の本格的始動で、再びどんな揺り戻しがおこるかわかりません(いまは北朝鮮核実験の直後で、中国政府も日本に対する挑発を一時的に緩めているだけかもしれません)。

その一方で、昨年秋の尖閣問題再発以降、新宿5丁目に現れるバスはめっきり姿を消していたものの、1月下旬ころから徐々に姿を現わし始めていました。中国からの団体ツアーは数は少ないながらも、動き始めていたのです。さらに春節期間中、とくにそのピークと思われる13日、新宿5丁目および歌舞伎町界隈にはインバウンドバスを多く見かけました(さすがに、2012年、11年、10年とこの3年間の春節に比べるとその勢いは控え目だったとはいえますが)。

いうまでもないことかもしれませんが、中国の民間レベルでは、政治向きの話とは違った動きが起こるものだということをあらためて実感します。

さて、そんなわけで、「二水会」では、日中間の大局の話とは真逆のミクロな世界――再び姿を現し始めた中国ツアー客の動向や実態についてお話しすることにしました。そのうえで、ふだん定点観測している「新宿5丁目中国ツアーバス路駐台数調査」の2011年11月~13年2月までのデータをこの機にまとめてみようかと考えました。以下、「定点観測ツアーバス調査のまとめ(中間報告)」ということで、お話しをするために用意したレジュメとメモを記すことにします。

新宿5丁目ツアーバス路駐スポットから見る中国インバウンドの現在   2013.2.13

ぼくの事務所は、東新宿にあります。そのすぐそば、新宿5丁目にある伊勢丹パークシティをはさんだ明治通り沿いは、中国客を中心にアジアからの団体ツアーが歌舞伎町散策と夕食をとるために訪れる、知る人ぞ知る「インバウンドバス路駐スポット」です。

仕事帰り、ぼくは毎日そこを通るので、以前からたまにバスが何台停まっているか、カウントしたりしていました。暇なときには、運転手さんに声をかけて、中国のどの省から来た人たちか。何人くらいのどんなツアーなのか、尋ねることもあります。

2011年11月以降、ツアーバスの路駐台数をカウントしてブログに載せることにしました。実際、中国客が大挙して来日した2010年、12年の夏は多い日には5~7台も停まっていましたが、尖閣問題が再発した2012年の秋以降はほとんど見かけません。

こうしたミクロな世界から見えてくる中国インバウンドの現在を、今回は報告します。

【MEMO】
●調査のきっかけ(定点観測-新宿5丁目中国ツアーバス路駐台数調査)

・2010年4月東新宿に事務所移転。通勤途上の横断歩道で中国団体客に遭遇。いったい彼らは何者か?
・伊勢丹パークシティ前――ツアーバスの路駐スポット(都心の駐車場不足問題と関連) 
・東新宿という場所――都内におけるホテル集中地区のひとつ。ただし、西新宿と違い、宿泊特化型ホテルが多い。近年新規オープン多し。実際、欧米系、アジア系のFITの姿を多く見かけるエリア。 
・中国客専用中華食堂の存在(「林園」「馥園」) 

一般にメディアでは中国インバウンドの話題は小売店で中国客が見せる購買実態と結び付けられて語られることが多かったが(とくに2008年以降)、彼ら旅行者の視点に立てば、滞在中のすべての「体験」が「日本」を評価する対象になる。リピーターもそこから生まれる。そこで、この定点観測では、ひとまず日々の路駐バス台数をカウントするのを基本としながら、ときに運転手やガイドなどにも話を聞くことで、日本ツアーの実態を探ることにした。

●経過 2011年11月~13年2月

震災の影響未だありか(ツアーバス路駐台数調査 2011年11月)
回復の兆し見える(ツアーバス路駐台数調査 2011年12月)
春節つかのまのバスラッシュ(ツアーバス路駐台数調査 2012年1月)
すっかり姿を消す(ツアーバス路駐台数調査 2012年2月)
あいかわらずバスは来ず(ツアーバス路駐台数調査 2012年3月)
花見のピークにバスも過去最多(ツアーバス路駐台数調査 2012年4月)
ついに中国専用食堂に潜入(ツアーバス路駐台数調査 2012年5月)
ほぼ毎日バス来訪(ツアーバス路駐台数調査 2012年6月)
バスの数目立って増加(ツアーバス路駐台数調査 2012年7月)
都心に駐車場がない問題(ツアーバス路駐台数調査 2012年8月)
尖閣問題再発(ツアーバス路駐台数調査 2012年9月)
国慶節もバス現れず(ツアーバス路駐台数調査 2012年10月)
昨年に比べさびしすぎる(ツアーバス路駐台数調査 2012年11月)
ちらほら現れる(ツアーバス路駐台数調査 2012年12月)
南湖国旅のバス現る(ツアーバス路駐台数調査 2013年1月)
春節くらいはこうでなくちゃ?(ツアーバス路駐台数調査 2013年2月)

●中間報告(わかってきたこと・考えたこと)

・この1年数か月の日中関係の変転とツアーバス台数には、当然のことながら、強い相関関係がある。
・12年4月(桜シーズン)と8月(夏休み)は過去最多→12年の訪日中国人数143万人はこの時期稼いだことがわかる。
・ここに来るのは初来日のゴールデンルート組。ツアーの実態は「弾丸バスツアー」→中国旅行会社のHPでツアー造成状況がチェックできるため、検証可能(やまとごころ連載18回で報告します)。
・ここには市場の成熟度が進んだ上海客はいない(と思っていたが、そんなことはないようでした→ツアーバス調査2013年2月参照)。多くは、広東省を筆頭に一級都市かたまに二級都市の住民。そのせいか、ある友人が新宿5丁目で中国客に遭遇したときのことば―「なんだ、(連中、金持ってるというけど)ただの田舎モンじゃないか」―も一般の日本人の目から見れば無理もない面もある(中国人は一般に海外旅行だからと着飾ったりしないし、そもそも「弾丸バスツアー」の乗客である。ファッションにうとい中高年が多いので、洗練された印象はまずない)。

(参考)
一級都市:北京、天津、沈阳、大连、哈尔滨、济南、青岛、南京、上海、杭州、武汉、广州、深圳、香港、澳门、重庆、成都、西安
二級都市:石家庄、长春、呼和浩特、太原、郑州、合肥、无锡、苏州、宁波、福州、厦门、南昌、长沙、汕头、珠海、海口、三亚、南宁、贵阳、昆明、拉萨、兰州、西宁、银川、乌鲁木齐

訪日中国客とひとくちで言っても、143万人のうち、商務・公務旅行や親族訪問、留学生など、観光以外の目的の渡航者も3~4割はいる。また観光目的でも、近年個人ビザ取得者が増えている。

それでも、全体でみれば団体ツアー客の比率はまだ高いといえる。中国にはまだたくさんの潜在的な「初来日組」がいることは確か。

である以上、もし訪日客数を稼ぎたいのであれば、この層を増やすのが手っ取り早い。でも……それでいいのか?

なぜなら、中国からの団体ツアーが抱えるふたつの問題があるからだ。これが、今回の「まとめ(中間報告)」の結論である。

①低すぎる日本ツアー価格の相場観の定着 ……中国では日本ツアーの価格は5000元くらい、という相場観が定着。「安かろう悪かろう」ツアーが蔓延した結果、日本という旅行先は、中国からみて実情以下に低く見積もられてしまった。残念である。

②ツアーのマンネリ化 ……現状では、定着しているコースは東京・大阪ゴールデンルート+北海道しかほぼない。

今後の課題は、それをいかに打破するか。

そのためには、こつこつとツアーのバリエーションを増やすことだろう。安いツアーがあってもいいが、現状のように「それだけ」では困る。なんとしても、従来にはない高価格のツアーを造成することで、価格帯の幅を広げることだろう。これからは単なる地域の観光PRではなく、どうやったら価格帯を上げることができるか、具体的な方策を考えなければならないと思う。
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by sanyo-kansatu | 2013-02-14 07:55 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)