ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2016年 05月 18日

熊本地震が心配でしたが、4月も訪日客数は過去最高(ツアーバス路駐台数調査 2016年5月)

GW中は仕事場に来ることがなかったので、前半は調査があまりできませんでしたが、先月突如「駐車禁止」の看板が立ったにもかかわらず、バスに限らず、大型トラックなど、相変わらず新宿5丁目に路駐する車両の状況は変わりません。

この時期、バスを降りてくる中国客の大半は、中年以上の人たちです。地方都市出身で、初めての日本旅行に来た人たちでしょう。身に着けているものが、確かに中国の地方都市で見かける姿と同じなので、なんだか面白いです。

路駐スポットの信号の前にあるローソンは、お昼過ぎになると、いつも中国客でにぎわいます。その日も、レジの前に3人の中国客がいて、あとでバスの中のみんなに配るのでしょうか。ドリンクやらお菓子やらをまとめ買いし、1万4000円も使っていました。

あとで店員さんに「このコンビニは中国の人がよく来ますね」と聞くと、困ったような顔をするので、「いえ、それはべつに悪いことじゃないですよね」と付け加えると、「でも、列に並ばないんですよね。英語も通じないので、毎回レジの前でああだこうだと時間がかかるんです」と、節目がちに話します。確かに、中国客を見ていると、仲間どうし大声で話しているのですが、言葉が通じないので仕方がないと思っているのか、店員さんに言葉を交わそうとしないし、店員さんが何を言っても聞いてないようです。

こういう感覚というのは、どういうものなのでしょう? 「この近くには欧米の人も多く泊まっているので、店にもよく来るんですが、彼らは私のつたない英語でもわかってくれるし、そんなに困ることはないのに、中国人はどうやってコミュニケーションすればいいのか、よくわからないんですよ」とぼやいていました。

せっかく外国に来て、その国の人とコミュニケーションしようとしない中国人というのは、いったい何を考えているのでしょう? もしかしたら、昔の日本人も少しそういうところがあったかもしれませんが、彼らの多くは、北京や上海など外国人の多い都市の人たちではなく、地方の人たちなので、そもそもが言葉の通じない相手にコミュニケーションを取ることに慣れていないのだと思われます。団体客の場合はたいていそうでしょう。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(日)未確認
2日(月)12:20 6台 
3日(火)未確認
4日(水)未確認
5日(木)未確認
6日(金)13:00 4台
7日(土)未確認
8日(日)未確認
9日(月)未確認
10日(火)11:40 5台
11日(水)12:20 3台
12日(木)12:20 4台
13日(金)11:50 5台
14日(土)未確認
15日(日)11:30 4台
16日(月)12:20 5台
17日(火)11:40 4台
18日(水)12:30 3台、

※この日、日本政府観光局の統計がリリースされました。

2016 年4 月の訪日外客数は、前年同月比18.0%増の208 万2 千人。3 月に続いて2 か月連続で200 万人を超え、過去最高の記録となったようです。

訪日外客数(2016年4月推計値) JNTO調べ
http://www.jnto.go.jp/jpn/news/data_info_listing/pdf/160518_monthly.pdf

確かに、前年同月比18%というと、これまでの勢いからするとかなり減速した印象ですが、あれほどの地震が熊本で起きたのに、それでも伸びているというのはすごいことではないでしょうか。

同リリースによると、中国発クルーズ客船もほぼ予定通り福岡に寄航しているようです。今月はまさにクルーズシーズンの始まり。今後もにぎわうことでしょう。

19日(木)11:20 4台
20日(金)未確認
21日(土)未確認
22日(日)12:40 3台

※この日、新宿5丁目の明治通りから東京医大通りに入った先にあるコビニでドリンクを買っていたら、店内にロシア語っぽい言葉を話す7人くらいの外国人ツーリストが入店してきました。彼らはお弁当やドリンクなど買い込み、近所のビジネスホテル(たぶん東京ビジネスホテルではないかな?)に帰っていきました。

なにしろこの界隈は、欧米人ツーリストが多く泊まっているので、通りはいつも外国人だらけです。顔見知りのコンビニのお姉さんに「このコンビニ、外国人の人多いですよね」といつもの調子で話しかけると、やはり一瞬困ったような顔をして「ホントに多いですよね。いろんな国の人がいて、英語も通じないことも多い」と答えてくれました。「でも、売上には貢献してくれているでしょう」「まあそうなんですけど…」。ここ数年の外国人、特に欧米系ツーリストの激増で、新宿5、6丁目界隈の住人たちは、ちょっと戸惑いを隠せないところがあるようです。

23日(月)11:40 2台

※ついに、この日、明治通り沿いの焼肉店「味仙荘」に警察の人たちが事情を聞いている様子が見られました。サミットが近いことと関係あるのかもしれません。
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焼肉食べ放題「味仙荘」は今日も中国ツアーバス客であふれていました(2015年 08月 01日 )
http://inbound.exblog.jp/24747719/

さあ、これからどうなるのでしょう? 東京医大通りに入った先にある「金鍋」では、中国客がいつものように昼食を取っていました。最近、この店は一般営業をあきらめ、インバウンド専用店になりつつあります。

24日(火)11:40 0台

そして、バスは消えました。
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25日(水)18:20 1台
26日(木)11:40 5台
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バスは戻っていました。なんだかホッとしました。
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「金鍋」にも、以前のように中国客がお昼に来ていました。

27日(金)12:30 5台
28日(土)未確認
29日(日)17:40 2台
30日(月)11:40 3台
31日(火)12:10 4台
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by sanyo-kansatu | 2016-05-18 09:58 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2016年 04月 11日

2016年の外航クルーズ客船の動向を占うための客観情勢

3月上旬、中国発クルーズ客船が多数寄航する福岡で、中国人不法ガイドが逮捕されたニュースが報じられたばかりですが、今年も昨年以上の勢いで外航クルーズが日本にやって来るようです。

中国人不法ガイドの摘発は全国に波及するのか。訪日旅行市場に与える影響は?
http://inbound.exblog.jp/25461430/

これまで本ブログでも、沖縄や福岡、境港などのクルーズ寄港地を訪ね、現地の事情を報告してきました。

クルーズ寄港ラッシュで沸くインバウンド先進県、沖縄(日経ビジネスONLINE 2014年4月8日)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140402/262219/
東シナ海クルーズラッシュの背景:博多港にいつ頃から現れていたのか?
http://inbound.exblog.jp/24665654/
4500人の中国クルーズ客が山陰の人口3000人の村に押し寄せ、住民を困窮させたというのは本当か?
http://inbound.exblog.jp/25247278/

こうした寄航数が増えている地域ばかりが話題になるのは無理もないことですが、日本全体に寄港する外航クルーズの客観情勢はどうなっているのでしょうか。

トラベルジャーナル2016年4月4日号の特集「激増する訪日クルーズ 恩恵を受けた地域、受けない地域」は、それを知る手がかりとなります。

ざっと同特集のポイントを整理してみましょう。

まず特集の冒頭で告げられる以下の一文に注目です。「訪日クルーズ旅客数が、昨年始めて100万人を突破した。20年に100万人の政府目標を5年も前倒しで達成した背景には、受け入れ環境整備の成果だけでなく、中国市場の急拡大がある。果たして、地域にはどのような影響を及ぼしているのか」。
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そうなんです。昨年日本を訪れた外国人旅行者のうち、約100万人はクルーズ客船で寄航し、上陸した人たちなのです。その数が多いかどうかはともかく、2015年の寄航数は昨年の1.5倍増(965回)、乗客数になると3倍増(111万6000人)に近い勢いで伸びたことがデータで示されます。

国土交通省が制作した以下のサイトをみると、クルーズ寄港地がわかります。2015年の寄航回数のランキングは以下のとおりです。

1位 博多(245回)
2位 長崎(128回)
3位 那覇(105回)
4位 石垣(79回)
5位 鹿児島(51回)
6位 神戸(42回)
7位 横浜(37回)
8位 佐世保(34回)
9位 広島(25回)
10位 大阪(18回)

CRUISE PORT GUIDE OF JAPAN
http://www.mlit.go.jp/kankocho/cruise/jp/

このランキングを見れば一目瞭然、上位を占めるのは九州と沖縄で、それぞれ中国発、台湾発のクルーズ客船が寄航回数を押し上げていることがわかります。

なかでもトップの博多港への外航クルーズ寄航回数のデータは以下のとおりです。

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東日本大震災の2011年と尖閣問題が再燃した2012年9月以降の影響で13年に数を減らしているものの、14年から15年にかけて2.5倍の伸びを見せています。福岡市では、「平成27年博多港寄港クルーズ船乗客実態調査」を実施していて、以下のような興味深い指摘をしています。

①乗客一人当たりの平均消費額 10万7000円
②福岡での購入品目 1位化粧品 2位健康食品 3位お菓子 4位医薬品 5位電化製品
③乗客の女性比率が61%と高く、30代と50代が多い。
④乗客の在住都市は上海が4割と最大だが、地方都市も増えている。
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15年博多港寄港クルーズ船乗客実態調査
http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/52066/1/cruise.pdf

この調査からうかがえるのは、10万円超という買い物購入額がクルーズ旅行商品を成り立たせていること。購入品目の大半がドラッグストア系商品であること。30代と50代が多いということは、1980年代生まれの「80后」世代とその親の世代のファミリー旅行がメインの客層として想定されること。そして、すでに半分以上は、上海以外の地方都市の住人であることがわかります。

ところで、同特集は次のようにも述べています。

「16年の寄航予定数は400回は箱崎ふ頭も駆使した格好で、博多港のキャパシティーはほぼ飽和状態にあるといえよう。そんななか、福岡市はポートセールスでやみくもに寄航回数を増やすのではなく、ラグジュアリータイプの船や日本人の海外クルーズを伴う寄航を促進するなど、利用者の幅を広げる施策にシフトしている」。

福岡市のクルーズ関係者に今年初め、話を聞いたことがあるのですが、やはり中国発クルーズ客船の勢いはすざまじいものがあり、今年は400回の予約がすでにあり、来年は700回などといわれているそうです。しかし、中国人不法ガイドに代表されるさまざまな問題をはらんだ中国発クルーズがこのままいつまで持続可能性のあるビジネスとしてあり続けるのか、中国側の事情もよく見ていく必要があるように思います。

さて、同誌では、逆に寄航回数が減少している北海道の事例も紹介しています。

同誌によると、北海道に寄航するクルーズ客船数は14年に過去最高の157回となりましたが、15年に半数以下の69回に落ち込みました。急増・急落の要因は、外国船社の寄航数の増減によるものだといいます。九州でこれだけ増えている中国発クルーズ客船は、長くても1週間程度のカジュアルクルーズがメインであるため、北海道は距離的に遠く、寄港地の候補からはずされているといいます。
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同誌はさらに次のような面白い指摘をしています。

「訪日クルーズ拡大は、日本人のクルーズ市場にも少なからぬ影響を及ぼしている。華やかな大型客船の寄航によるクルーズ旅行への関心の高まりが期待される一方で、日本人の乗船機会が奪われるとの懸念もある」。

これはどういうことでしょうか。
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実は、日本人のクルーズ旅行市場は、2000年代からずっと伸び悩んでいます。日本人にとってクルーズ旅行は「高価な贅沢旅行」「退屈」「船酔い」といったネガティブなイメージを引きずっているのだといいます。

中国発クルーズの増加は、日本人にクルーズ旅行は必ずしも「贅沢」とは限らないことを教えてくれたという功績はある一方、一部とはいえ寄航回数の激増した港のキャパが飽和状態だとしたら、日本人のクルーズ旅行にも支障が出るおそれがあるというわけです。同誌は触れていませんが、いくらカジュアルクルーズだからといって、中国客がたくさん乗船している客船には乗りたくないという気持ちも出てくる気もします。

日本のクルーズ市場を取り巻く客観情勢をざっと眺めてきましたが、寄港地でのさまざまな取り組みがもっと注目されてもいいと思います。もし機会があったら、長崎や鹿児島、北陸などを訪ねてみたいものです。
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by sanyo-kansatu | 2016-04-11 09:02 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 04月 06日

イースター(復活祭)を迎えて欧米客が目につく今日この頃(ツアーバス路駐台数調査 2016年4月)

3月27日は、キリスト教圏に暮らす人たちにとっての休暇シーズンであるイースター(復活祭)の日に当たります。

そのせいで、ここ1週間ほど、新宿界隈では欧米客の姿を多く見かけます。実は、3月末に京都と大阪に出張に行ったのですが、やはり欧米客だらけでした。

桜も満開になり、もちろん中国の団体客のバスも多いです。昼どきには、新宿5丁目の明治通り沿いの歩道は中国客であふれて、にぎやかです。
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※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(金)13:30 7台、18:40 4台
2日(土)未確認 
3日(日)未確認
4日(月)12:20 6台、19:10 4台
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※この日、歌舞伎町の前の靖国通りは多国籍の人たちであふれかえっていました。欧米系、東南アジア系、マレー系の人たちなど、本当にいろいろです。最近よく見かけるのが、髪をブルーやピンクに染めて、アニメのコスプレをした西洋人の女の子の姿です。きっとアニメファンなのでしょうね。

5日(火)12:30 7台、17:40 3台
6日(水)12:20 6台、19:20 3台
7日(木)13:30 6台、18:20 4台
8日(金)13:20 3台、16:40 2台
9日(土)未確認
10日(日)未確認
11日(月)11:30 8台
※この日、昼前から多くの中国客が新宿5丁目界隈に現れていました。

12日(火)19:20 2台
13日(水)12:10 9台
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※この日も「金鍋」の前は中国客で列をなしていました。
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※「味仙荘」の前も彼らであふれています。

14日(木)11:20 3台、18:20 2台
15日(金)11:50 7台
16日(土)未確認
17日(日)未確認
18日(月)14:10 2台、17:30 4台
19日(火)12:10 9台、18:10 3台
20日(水)未確認
21日(木)12:40 3台、18:00 2台
22日(金)未確認
23日(土)未確認
24日(日)未確認
25日(月)未確認
26日(火)12:40 2台
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※正午過ぎ新宿5丁目を歩いているとき、この看板を見かけました。この通りへの路上駐車は禁じられてしまったようです。実際、路駐しに来たバスを警察関係者が追い払っている光景を目撃しました。

ついにこの日が来たようです。

もっとも、「味仙荘」のある通りの反対側は問題ないようです。

こうなると、もうここにはバスが現れることはなくなるのでしょうか。でも、団体客の食事場所がここにある以上、どこかで乗客を降ろさなければなりません。

はてさて、今後どうなるのか? 

ところが、その日夕刻そこを通ると、バスが4台並んでいました。

なるほど。そういうもんなんですね。様子を見守ることにしましょう。

27日(水)12:10 5台、20:20 1台
28日(木)13:10 3台、18:20 2台

※「路駐禁止」の看板はあまり気にされていないようです。実際、バス以外にトラックなど、いろんな関係者の車が路駐しています。

29日(金)未確認
30日(土)未確認
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by sanyo-kansatu | 2016-04-06 13:45 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2016年 03月 09日

まもなく桜の季節が来ますが、今年はどうかな?(ツアーバス路駐台数調査 2016年3月)

3月に入って、寒暖の差が大きい日が続いています。いよいよ今月下旬頃には、外国人にとっての訪日旅行のメインイベントのひとつである桜のシーズンがやって来ます。

先日、訪日中国ツアーを手配しているランドオペレーター2社の関係者に話を聞いたのですが、「今年はそれほどでもないかもよ」と揃っておっしゃいたのが印象的でした。どういうことなのでしょうか。日本政府観光局(JNTO)の配信する統計データでは、今年もすごい勢いで訪日客が増えているのに、なぜ?

その理由として、「想像する以上のスピードで中国客の個人旅行化が進んでいるようだ」というコメントをしてくれた関係者もいました。この意味は今後じっくり検証する必要がありそうです。

さて、今年の桜シーズンはバスの数はどうなるのか? 

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(火)未確認
2日(水)20:10 2台 
3日(木)12:30 4台
4日(金)12:10 5台
5日(土)未確認
6日(日)未確認
7日(月)未確認
8日(火)12:50 6台
9日(水)12:40 5台

10日(木)~17日(木) 海外出張のため未確認

18日(金)18:20 2台
19日(土)未確認
20日(日)未確認
21日(月)未確認
22日(火)19:20 2台
※ただし、この日歌舞伎町方面、靖国通り沿いには東南アジアの団体客の姿が多く見られました。
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23日(水)13:10 6台、18:40 4台
※この日のお昼過ぎの新宿5丁目は中国団体客であふれていました。例の居酒屋「金鍋」の前も食事を終えた中国客が路上に群がっていました。さすがに東京も桜の開花が始まり、ツアー客が増えてきました。
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24日(木)13:15 7台、18:00 3台
25日(金)12:20 5台、17:10 3台
26日(土)未確認
27日(日)未確認
28日(月)12:20 6台、18:20 2台
29日(火)13:20 5台、19:10 2台
30日(水)未確認
31日(木)未確認
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by sanyo-kansatu | 2016-03-09 17:42 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2016年 02月 21日

今年も中国客は来るぞ。そう実感させたSJ重慶・成田線で見たツアー客の一部始終

重慶からのスプリングジャパンの帰国便の話を書きます。

スプリングジャパン初の国際線(成田・重慶)に乗ってみた(第3ターミナルも初利用)
http://inbound.exblog.jp/25378551/
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市内から40分ほどモノレールに乗り、空港駅を下車して約200mほど歩くと、国際線ターミナルがあります。
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チェックインカウンターは大勢の出国客でにぎわっていました。カウンターこそ7か所くらいですが、いまの中国の地方都市の国際線はたいていこんな感じです。
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よく見ると、そこは国営キャリアの中国国際航空や山東航空、深圳航空、西蔵航空、澳門航空などの専用カウンターでした。
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スプリングジャパンと地元四川航空のカウンターは少しはずれた場所にありました。
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ひときわ目を引くのが「重慶―東京 299元から」の看板です。そう、いまや重慶の人たちは片道5000円ほどで東京に来られるのです。この衝撃的な意味については、別の機会に説明します。
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チェックインカウンターは成田と同様、「個人」と「団体」に分かれていました。圧倒的に多いのは団体客です。
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団体客に向かってツアーの注意事項を話しているのは、添乗員の男性です。スタジャンに黒縁メガネといういでたちは、いまから30年前の1980年代頃の日本を思い起こさせます。
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出国手続きをすませ、搭乗ロビーに足を運ぶと、先ほどの団体客が待っていました。機内食が有料だからでしょうか、タッパーに入れたおかずを食べてる人もいます。いかにも中国的なのどかさです。
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重慶空港の国際線は、19社のエアラインが運航しているようです。フィンエアーやマレーシア航空、カタール航空、アシアナ航空、チャイナエアラインなどナショナルフラッグ系に加え、エアアジア、ドラゴンエアー、復興航空(台湾系)、そしてスプリングジャパンなどLCCも多いことがわかります。
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機内はほぼ埋まっていました。ぼくの席は最後尾の一つ前の32番でしたが、その後ろが一列空いているだけでしたから。日本人客はざっと見た感じ5~6名です。
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一方、この便の客室乗務員は全員日本人。スプリングジャパンは日本のエアラインだということを印象付けようとしているようです。乗務員には男性も3名いて、みんな若々しく、他の日本のエアラインではちょっと見られないフレッシュさを感じさせます。現在、重慶線は週4便なので、重慶に宿泊するフライト日もあるそうで「初めて重慶の火鍋を食べた」とひとりの男性乗務員が話してくれました。
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とはいえ、中国客が大半を占めるだけに、機内はまさに中国です。機体が離陸し、まだ水平飛行にもなっていないとき、突然「お席を立つのはおやめください」と機内アナウンスが轟きました。見ると、ひとりの女性客が席を立ち、荷物を勝手に開けようとしていました。

こういうことは、中国以外ではまず見たことはありません。まったく彼らはルールに縛られることなく、どこまでも自由気ままです。

ひとりのおばさんはトイレに入っても、ロックをかけていませんでした。乗務員が戸を開けそうになったので、思わず「おばさんが入ってますよ」と止めなければなりませんでした。

とにかく機内はにぎやかです。フライト時間が長いせいか、延々トイレの列が並んでいます。シートピッチが狭くて座っていられないのか、立っている人もやたらといる。最後尾の空いてる席を見つけ、そこに座ろうとして、乗務員に注意されている光景もしばしばです。

個人的には、空いてるんだから座らせてあげればいいじゃない、という気もしますが、乗務員は全員日本人ですから、そのへんはきちっとしています。他のお客様もいるのだから、例外は許さないということのようです。

だからでしょうか、中国客たちも「排队、排队(列に並びましょう)」と苦笑しながら、それに応えています。彼らも気持ちの上では、ここは(ルールに厳しい)日本なのかもしれません。

まったく中国客というのは子供のような無邪気なところがあります。海外慣れしていないせいか、「ちょっとびっくりするようなこともしがちですが、きちんと注意すれば、たいてい聞いてくれる」と乗務員は言います。

乗務員たちは乗客からいろいろ質問もされています。「いま日本で桜は見られるのか?」「いいえ、さくらは東京では3月下旬くらいからです」「それは残念」「でも、いま伊豆の河津で桜が見られますよ」「それはどこで見られるのか」……。

そんなこと事前に調べてくればいいのに…。そう思わないでもありませんが、たいていの団体客は日本に対する知識はほとんどないのが普通です。添乗員が案内してくれるので、調べてくる必要を感じていないのです。「ネットで事前にいろいろ調べてくる」というのは、あくまで若い個人客の話。最近、よくメディアで中国人観光客の行動スタイルが「モノからコトへ」と変わったなどといっていますが、それは少し先走りすぎの見方です。実際には、異なるふたつの層(団体客と個人客)に分かれているだけのこと。それが実態です。

最近増えてきた個人客には「モノからコトへ」というニーズが生まれていることは確かですが、後発の内陸都市から来た団体客はまだビギナーで、彼らが変わるにはまだ少し時間がかかります。そして、いま内陸都市からのフライトが急増し、従来型の中国団体客が増えているのです。ですから、こうした全体像が見えていないと、判断を誤ります。

中国「爆買い」の主役は内陸都市からの団体ツアー客
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/IB-BU/010400002/

中国沿海都市から新タイプの個人客、ニーズが多様化し新たな商機生まれる
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/IB-BU/011800003/

ツアーに参加した大学生は、2日目の自由行動の1日、都内を同行の友人たちと探索しようと計画しているそうです。彼の場合は、多少は事前にネットで日本のことを下調べしてきたでしょうが、実際に目にした東京の地下鉄路線網のあまりの複雑ぶりに面食らっているようでした。きっと次回はツアーなどには参加せず、日本を個人旅行したいと彼は思うはずです。
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帰国便でぼくの隣の席にいたのは、米国留学経験のある60代の男性で、奥さんは日本在住経験もあるというご夫婦でした。中学生の娘と3人の家族旅行です。ご主人は英語がお得意で、いろいろ話したのですが、孤児だった娘さんをひきとり、おふたりで養育しているそうです。おとなしそうな女の子でしたが、奥さんは機内で彼女の勉強を見たり、大切に育てていることが感じられました。

「今回、どうして日本旅行に来ようと思われたのですか」と尋ねると、奥さんはこう言いました。

「中国の学校教育では、日本のことを悪くばかり教えている。でも、そうではないことを私は知っている。だから、娘にも実際の日本を見せたかったの」。

まいりました。こういう品のいい旅客もいるのですね。

スプリングジャパンの成田・重慶線が就航したことで、重慶の人たち(武漢も同様)の日本旅行のアクセスはとても便利になります。これまで重慶から成田には中国国際航空の上海経由便しかなく、春秋航空も関空にしか運航していませんでした。そのため、以前は経由便で往復2日が丸まる移動に費やされ、春秋便でも関空から入国し、東京まで行くと、再び関空に戻って帰国しなければならなかったのですが、その必要がなくなったからです。

スプリングジャパンはこれからも続々と成田からの中国地方路線への運航を計画しているようです。

先週、日本政府観光局(JNTO)の2016年1月の訪日外国人旅行者数の発表がありましたが、中国客は47万5000人と昨年の2倍増で、数、伸び率ともにトップでした。

訪日外客数2016年1月推計値を発表 前年同月比52.0%増の185万2千人
http://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/index.html

今年も訪日中国客の勢いは止まりそうもありません。
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by sanyo-kansatu | 2016-02-21 16:24 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2016年 02月 21日

スプリングジャパン初の国際線(成田・重慶)に乗ってみた(第3ターミナルも初利用)

2月13日、国内LCCのスプリングジャパン(春秋航空日本)が初の国際線として成田・武漢、重慶(14日)線の運航を開始しました。

スプリングジャパンは中国の民営企業でLCCの春秋航空の日本法人です。

成田―武漢(週3便)
IJ1011 成田発10:20-武漢着14:15
IJ1012 武漢発15:15-成田着19:40

成田―重慶(週4便)
IJ1021 成田発9:00-重慶着14:15
IJ1022 重慶発15:15-成田着20:25

スプリングジャパン(春秋航空日本)
http://jp.ch.com/

今回、ぼくは重慶線の初便に乗りました。片道約5時間のフライトでした。

今回成田空港の第3ターミナルを初めて利用しました。第2ターミナルから約600m歩いて移動します。また5分おきにバスが出ていますが、こちらは大回りして行くので10分以上かかります。
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第3ターミナルは、天井の低い簡素なつくりの建物で、陸上競技場のトラックのようなラインが敷かれています。思わず「よーい、ドン!!」と走り出したくなるような気にさせ、面白いです。いかにもLCC専用という感じです。
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それでも、近隣アジアやオセアニア方面へのフライトが充実しています。
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入り口のいちばん手前がスプリングジャパンのチェックインカウンターでした。
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カウンターは「個人」と「団体」に分かれますが、この日は日本からの便ということで、団体は少なめでした。
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チェックインをすませて、出国ロビーに向かう途中にフードコートとショップがあります。さぬきうどんとかハンバーガーとか、空港グルメながらもコストを抑えたラインナップであることが特徴です。
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しかも、隣にベッドとしても使えそうなソファーがあり、実際早朝便を利用するオージーたちは爆睡しています。これもいかにもLCC専用ターミナルっぽい光景でしょう。
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出国手続きをすませ、免税店やお土産ショップを抜けると、「市中免税店引渡しカウンター」があります。ここは今年1月27日にオープンしたばかりの銀座三越店の免税コーナーで購入した商品を受け取れるようになっています。
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市中免税店引渡しカウンター
http://www.naa.jp/jp/press/pdf/20160118-taxfreecounter.pdf

その隣にはムスリム用の礼拝室もあります。
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搭乗ロビーからスプリングジャパンの機体が見えてきました。春秋航空とは違い、B737 だそうです。
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さて、いよいよ搭乗です。初便ということで、すべての乗客にお土産を手渡してくれます。
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機内では、いま同社が企画している「三国志」キャンペーンをPRしていました。重慶や武漢は三国志の舞台のひとつでもあるからです。実は、現地でぼくは4日間滞在したのですが、時間があったので、劉備玄徳らの建国した蜀の都だった成都まで行ってきました。
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ただし、成田便はそれほど席は埋まっていませんでした(帰国便は中国客でいっぱいでしたけれど)。なかなか日本客の取り込みが難しいようです。そもそも日本人はいま中国にあまり行きたがらないから、仕方がないのですけれど。

LCCですから、機内食はないのですが、ここは試しと食事を注文してみました。メニューは数種類あり、親子丼や中華丼、そしてこの写真の牛卵丼などで、900円。ふつうに考えれば安くはありませんが、注文してから客室乗務員がつくってくれます。自分はもともと機内食は口にしないほうなのですが、これは量も少なめでちょうどいいし、味もまずくはありません。少なくとも、中華料理漬けになって帰る便でこれを食べるとほっと一息つけそうです。
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スプリングジャパンが初めての就航地として武漢、重慶を選んだ理由として、日系企業が多く進出していること。中国内陸部の観光地のアクセスに便利と、同社ではあくまで日本客の利用を想定したプレスリリースを出していましたが、実際に乗客の大半は中国客で、日本客は10数名の春秋旅行のツアーに参加したグループ客のようでした。
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隣の席にいた女の子に中国語で声をかけたところ、「私、日本語できます」と言うので、少しおしゃべりしました。彼女は、重慶にある四川外国語学院日本語学科の3年生で、同級生とふたりで日本にインターンで来ていたとか。彼女の両親はともに中学の教師だそうで、「同級生の多くは日本語の教師になりたいと言っているが、教師の家に生まれると裕福にはなれないから、私は一般企業に就職したい」などと話していました。いわゆる「90后(90年代生まれ)」の子らしく、年長世代の80后の皆さんに比べ、人生に対するちょっと冷めた語り口が印象的でした。その後、彼女とは微信友だちになり、重慶の火鍋屋をはじめ、面白いスポットなどを教えてもらいました。
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実は、今回あちこちで彼女と同じ四川外国語学院の卒業生たちに出会うことになるのですが、重慶人たちのほぼ全員が、自分たちと成都人の違いについて語ってくれたことが面白かったです。彼らによると、「成都人はのんびりしていて、重慶人のようにあくせくしていない。いつも茶館で時間を過ごしている。でも、プライドが高くて、つきあいづらい」とかなんとか。かつて四川省の一部だった重慶は直轄都市として独立するのですが、どうやら成都に対するコンプレックスがあるようです。というのも、成都の人たちは重慶人ほどお互いの違いについて気にしていないせいか、そんな話はしないからです。古都と新興都市の違いから来るのでしょうか。

重慶空港に到着し、タラップを降りると、多くの報道陣や花束を抱えた空港の女性スタッフなどが待ち構えていました。
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「熱烈祝賀春秋航空開通重慶=東京航線」の垂れ幕もあります。

このご夫婦は、なんでも春秋旅行のツアーを最初に申し込んだ日本人だそうです。あとで写真を撮ったことを話すと、ぜひ送ってほしいといわれました。横浜在住の方でした。隣に立っているのは、スプリングジャパンの王会長(春秋旅行社の王会長の次男)です。
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重慶空港の国際ターミナルは国内ターミナルのはずれにあり、市内にはモノレール(軽軌)で約40分ほどでした。

重慶の様子については、また今度。
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by sanyo-kansatu | 2016-02-21 12:22 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2016年 02月 11日

2016年は名古屋のインバウンド躍進に要注目

名古屋というのは、日本の主な大都市の中で、これまでドメスティックなイメージがつきまとっていました。インバウンド市場が盛り上がるなか、これも首都圏と関西圏にはさまれたせいなのか、いまいちぱっとしませんでした。中部地区を売り込むため、中部国際空港をゲートウエイにした「昇龍道」という観光ルートを立ち上げて、ここ数年海外に向けてPRしてきましたが、もうひとつピンとこず、白川郷のような一部の世界遺産のようなスポットを除くと、他の地区の後塵を拝してきた印象は否めません。

そんな名古屋のインバウンドの躍進がようやく注目され始めています。

エクスペディアの国内都市別ランキングでは、名古屋は7位です。しかし、東京や大阪より伸び率は上がってきました。
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エクスペディアの名古屋支社は、昨年10月以下のリリースを配信しています。
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地方都市、札幌や福岡に比べた名古屋におけるアジアからの注目度

「上記の「主要都市における訪問客の構成」を比較してみると、アジア人の割合に差があることがわかります。韓国、香港、タイ、台湾というアジアの主要地域が占める構成比を見てみると、札幌の訪問客の72%、福岡の訪問客の83%をアジア人が占めていますが、名古屋はまだ60%とアジアからの注目度が低いことがわかります。これはアジアにおいて影響力の大きいLCCの便数がまだ名古屋では少ないことが要因のひとつと考えられるため、今後のLCCの就航により市場が成長していくことが予想されます」

名古屋が最も好きな訪日外国人は「香港人」で全体の約4割!

「名古屋に来ている訪日外国人を国別で比較してみると、香港からの旅行客が半数に近い42%も占めていることがわかります。

また名古屋における訪日香港人の2014年1-9月と15年の1-9月の予約件数を比べてみると、572%と急激に伸びており、香港における名古屋の注目度が高いことがうかがえます。

2014年9月に香港エクスプレスが名古屋・香港線を就航したことが要因のひとつであり、今後エアアジアやジェットスターが新たに名古屋と台北を結ぶ便の就航を予定していることから、台湾からの訪日が増え、アジアからの注目度が伸びることが予想されます」


中部国際空港における台湾便LCCの就航
・ジェットスター・ジャパン 2015年12月12日新規就航(週7便)
・Vエア 2015年12月15日新規就航(週4便)
・タイガーエア台湾 2016年1月29日より就航予定(週7便)
・エアアジア・ジャパン 2016年春就航予定

そんな期待の高まる中部国際空港でしたが、エアアジア・ジャパンの名古屋便が延期になることが昨日、発表されました。

エアアジア、中部空港就航先送りへ (日本経済新聞2016/2/10)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO97116790Z00C16A2L91000/

その背景については、以下のレポートを参照ください。

エアアジア・ジャパン就航への課題とは - CEO交代の裏で起きていたこと
http://news.mynavi.jp/articles/2016/01/22/airasia/

もっとも、中部国際空港へ運航する国際線は確実に増えています。背景には関空の入国手続きや大阪府内の宿泊施設はすでに「キャパオーバー」の兆候があり、中国系エアラインなどの新規就航が中部国際空港へとシフトする傾向も見られるからです。

実際、中部国際空港の中国路線は、すでに以下の24都市に就航しています。

北京、上海、長春、長沙、常州、大連、福州、杭州、貴陽、ハルビン、合肥、フフホト、昆明、南通、寧波、青島、瀋陽、石家荘、太原、天津、武漢、西安、煙台、銀川

中部国際空港フライトスケジュール(2016年2月1日~2016年2月29日)より
http://www.centrair.jp/airport/flight_info/monthly/1198613_1744.html

中国の地方都市からの路線は団体客が大半のため、エクスペディアを利用する層ではありません。しかし、訪日客の最大シェアである中国客の増加は名古屋のインバウンドに大きなインパクトを与えていることでしょう。また常に日本旅行の最先端を駆け抜けてきた香港人を乗せた香港エクスプレスの就航の意味は大きいと思います。中部国際空港からレンタカーを利用して「昇龍道」を走るというような動きが起こることも考えられます。

昇龍道
http://go-centraljapan.jp/ja/special/shoryudo/index.html
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by sanyo-kansatu | 2016-02-11 17:54 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 02月 07日

東アジア航空網新時代 - 国際線が続々と地方空港に乗り入れている!

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2015年の訪日外国人旅行者数は2000万人(約1974万人)まであとわずかに迫ったが、島国である日本においてその最大の要因となったのは、東アジアの国々と結ぶ航空路線の飛躍的な拡充にある。

2015年国・地域別訪日外国人旅行者数(日本政府観光局(JNTO)調べ) 
1位 中国 499万3800人
2位 韓国 400万2100人
3位 台湾 367万7100人
4位 香港 152万4300人 
5位 米国 103万3200人

訪日外国人旅行者の内訳をみると、中国、韓国、台湾、香港の東アジア4国・地域で全体の7割を占めている。なかでも国別で初めてトップとなった中国市場は500万人(499万人)規模にふくらんだが、15年の日中間の新規路線の増加は目を見張るものがあった。これまでの主なゲートウェイだった成田や関空、羽田、新千歳といった主要空港のみならず、地方空港への就航も相次いでいる。これは地方へ訪日客の分散化を進めるうえで重要な進展といえるだろう。

2015年、国際定期便が3→16に増えた静岡空港

いまや東アジアの航空網は新時代を迎えているのだ。

なかでも2015年、地方空港として大きく躍進したのが静岡空港である。
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09年6月、全国で98番目の空港として誕生した静岡空港は、開港当初から需要予測の甘さが指摘され、赤字経営が続いていた。

ところが、15年に入り、それまで上海、台北、ソウルまでの週13便しか定期便のなかった国際線に、中国13都市から一気に新規就航が相次いだ。現在は、冬期スケジュールに入っているため運休便もあるが、一時最大16路線週53便になった。わずか1年で静岡空港の国際線の便数は4倍になったのだ。地方管理空港ではいまや全国一の規模である。

背景にはもちろん、中国の訪日旅行需要の急激な拡大がある。成田や関空の乗り入れがいっぱいになり、東京・大阪ゴールデンルートの第3のゲートウェイとして静岡空港に白羽の矢が立ったのだ。

静岡県観光部空港利用促進課の稲垣孝博課長は「開港以来、東日本大震災の影響などで国際線は低迷していたが、14年頃から徐々に上昇し、15年には初めて国内客を国際客が上回った。その理由は、中国からの路線が一気に増えたためだが、呼び水となったのが15年1月に定期便となった天津航空の天津線」だという。

中国大手エアラインの海南航空グループに属する天津航空は14年春からすでに週5便のチャーター便を運航していたが、搭乗率は8~9割と好調だった。14年12月には北京首都航空の杭州線のチャーター便も始まり、翌年から中国東方航空や中国南方航空なども一斉に乗り入れてきた。
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〜2015年静岡空港の中国系エアラインの新規就航状況 ※( )は就航日。中国東方航空上海線を除く〜

中国東方航空 寧波(2015.3.31)※チャーター便は15.2.17~
          温州(2015.7.1)
          南京(2015.7.4)
          合肥(2015.9.23)
天津航空    天津(2015.1.28)※チャーター便は14.5.28~
          西安(2015.5.16)
中国南方航空 武漢(2015.5.15)
          南寧(2015.5.15)
          鄭州(2015.6.28)
          長沙(2015.7.2)
北京首都航空 杭州(2015.7.2)※チャーター便は14.12.25~
          塩城(海口)(2015.9.3)※チャーター便は15.5.27~
          石家荘(2015.9.5)※チャーター便は15.5.27~

※北京首都航空も海南航空グループに属している。
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路線数は急に増えたが、上海線や天津線を除くと、内陸の地方都市からの便が多いのが静岡線の特徴だ。中国の地方都市から日本の地方都市への直行便が結ばれたという意味では画期的ともいえるが、内陸都市の旅客は団体が大半なので、県内には1泊程度の滞在しかないのが現状だ。「富士山は誰でも知っているが、それが静岡県にあることはあまり知られていない」と語る山梨利之国際観光班長は、今後県内の連伯や外国客向けの観光プランの造成を進めていきたいという。
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関空の中国路線増加の呼び水は春秋航空

中国からの新規路線が増えているのは静岡空港だけではない。中国路線の数でいえば、関西国際空港が国内最大だ。

もともと関空はアジア方面からのLCCの運航数の比率も31.7%(15年冬期)と突出しているが、以下のリリースをみても、国際線の就航便数は2011年以降、右肩上がりである。関空に乗り入れる東アジアの航空路線が急増しているからだが、特に14年以降、中国路線の勢いが目につく。
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東日本大震災の年も国際線の運航数が伸びていた関西国際空港

関西国際空港の国際定期便運航計画について(2015年冬期スケジュール)
http://www.nkiac.co.jp/news/2015/2277/2015winter.pdf

15年冬期の関西国際空港の国際旅客便の方面別内訳(週)をみると、以下のとおり。

韓国 245便 3都市
中国 441便 41都市
台湾 147便 3都市
他アジア 121便 11都市
北米 35便 3都市
欧州 27便 5都市
その他 53便 7都市

そのためこの数年、関西を訪れる訪日外国人も急増している。15年は全国的に増えたことは確かだが、関西の伸び率は全国平均を大きく上回っている。

関西を訪れる外国客の特徴は、買い物を好む東アジアや東南アジアからの観光客が多いことだ。こうしたLCCを利用して賢く旅する旅行者を「関西バジェットトラベラー」と呼ぶ。一般に東京には出張や公費で訪れる旅客も多いのに対し、関西は「自分のお金で楽しみたい人が訪れる」といわれ、リピーター比率も東京より高い。

大阪観光局によると、関空の中国路線は、14年3月の春秋航空の上海線の就航が呼び水となったという。さらに、4月に上海吉祥空港が就航し、中国のLCC2社が揃うと、その後国営キャリアやその傘下にあるローカルエアラインが中国の地方都市からの就航を加速させたことで、これほど拡大したのだ。

関空には、一般の日本人は知らないような中国の地方都市からのフライトがあることに加え、山東航空や深圳航空のような聞きなれないエアラインも乗り入れている。直行便も増えたが、地方都市から上海や北京などの乗継便も急増しており、中国全土から訪日旅行客が現れていることを物語っている。これが15年に中国市場が前年2倍増の500万人規模にふくらんだ大きな理由なのである。

※そのプッシュ要員となったのは、15年1月に実施された日本政府によるビザ緩和である。以下のやまとごころレポート参照。

19回 「爆買い」はいつまで続くのか? 500万人市場になった中国インバウンド大盛況の舞台裏
http://www.yamatogokoro.jp/report/2015/report_19.html

ただし、関係者によると、関空の入国手続きや大阪府内の宿泊施設はすでに「キャパオーバー」の兆候を見せており、最近では中国系エアラインの新規就航が中部国際空港へとシフトする傾向も見られるという。

実際、中部国際空港の中国路線も、すでに以下の24都市に就航している。

北京、上海、長春、長沙、常州、大連、福州、杭州、貴陽、ハルビン、合肥、フフホト、昆明、南通、寧波、青島、瀋陽、石家荘、太原、天津、武漢、西安、煙台、銀川

中部国際空港フライトスケジュール(2016年2月1日~2016年2月29日)より
http://www.centrair.jp/airport/flight_info/monthly/1198613_1744.html

中国の内陸都市からこれほど多くの航空便が中部地区に乗り入れるという状況は、数年前には考えられなかっただろう。

背景にはオープンスカイとLCC市場の拡大

では、いつ頃から地方都市への国際線の就航が増えてきたのか。その背景には、米国との航空便の路線や発着枠、便数を自由化させるオープンスカイ協定を締結させた2010年10月以降、続々とアジア各国と同様の協定を進めたことがある。

2010年以降の主なアジアのオープンスカイ協定締結国
2010 韓国 
2011 シンガポール、マレーシア、香港、インドネシア、台湾
2012 中国、タイ
2013 フィリピン

特に地方空港への国際線乗り入れ増加に影響を与えたのは、2010年の韓国、11年の台湾、12年の中国との協定締結だろう。

2000年代以降急成長していたアジアのLCCも、この協定によって成田や関空だけでなく、北海道や沖縄などの人気レジャー路線に乗り入れを始めた。たとえば、韓国のエアプサンやジンエアー、チェジュ航空、ティーウェイ航空、シンガポールのジェットスター・アジア航空やスクート航空、マレーシアのエアアジアやエアアジアXなどだ。また中国では、まず春秋航空のようなLCCやローカルエアラインが地方空港への乗り入れを開始し、それに国営キャリアが後追いするような動きが起こり、路線数を拡充していった流れがある。
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関空や新千歳、福岡、長崎、那覇に乗り入れている韓国のLCC、ジンエアー

こうして日本の地方空港は、アジア各国の国際線が飛んでくる時代になった。ただし、まだ「一部の」としかいえないのが現状だ。

そこで、国も地方空港への国際線の乗り入れを推進するための施策を打ち出している。

16年度から国が管理する空港に新たに就航したり増便したりする国際定期便の着陸料を1年間、実質無料にする方針を固めた。少子高齢化で国内需要をこれ以上増やすことが難しい日本にとって、海外の近隣諸国からの航空便を誘致することで地域経済の活性化を促すことが狙いだ。

※対象は稚内、釧路、函館、新潟、広島、高松、松山、高知、北九州、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、那覇の15空港。

佐賀空港の誘致サクセスストーリーに学べ

日本の地方空港への乗り入れに積極的な外国系エアラインといえば、中国の春秋航空が筆頭に挙げられるだろう。なにしろ日本法人のスプリングジャパン(春秋航空日本)を立ち上げ、日中両国から双方向で国際線を運航させるという発想は並大抵のものではない。そして、ついに今年2月中旬、スプリングジャパンは初めての国際線として成田・武漢、重慶線を就航させる。
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2010年7月、茨城空港に初の国際線の運航を開始して以降、東日本大震災や日中関係の悪化など、航空需要に悪影響を与える要因が頻発したが、春秋航空はブレることなく、日本市場を開拓してきた。しかし、それは彼らの一方的な営業努力だけで実ったわけではない。誘致を図りたい地方空港の取り組みもなければ実現しなかった。

春秋航空の日本路線として茨城、高松に次ぐ第3の就航地となったのが佐賀空港だ。なぜ佐賀空港が選ばれたのか。その理由は、佐賀県が徹底して誘致に取り組んだからである。
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話は5年半前にさかのぼる。

日本の地方空港の赤字問題は深刻で、利用者促進と新規航空路線の誘致は大命題となっている。茨城線の就航以降、春秋航空を誘致しようと全国の自治体関係者がこぞって上海詣でをしたのもそのためだった。春秋側の関係者によると、全国の半分近い都道府県が同社に足を運んだというほど誘致合戦は過熱していた。

春秋側にとって就航先の選定は「自治体がコスト削減のためにどこまで協力してくれるかが条件」(孫振誠日本市場開発部長・当時)だった。古川康佐賀県知事(当時)は、上海線の誘致に佐賀空港が成功した理由について「早い時期から県庁職員が一丸となって空港セールスに取り組んできたことが評価された」と語っている。

その取り組みとは? 関係者の話をまとめるとこうなる。

佐賀県が春秋航空に最初に誘致の話をしたのは、10年9月末のことだった。当時、中国では上海万博が開催されており、佐賀県は日本館にブースを出展していた。

そのとき、問題となったのは、佐賀空港の滑走路が2000mしかないことだった。実際をいえば、集客の問題や空港と市内へのアクセスなど他にも課題があったのだが、春秋側としては、安全性の面からその点を指摘したのである。春秋航空の日本路線はエアバスA320-200型機を使用していて、滑走路は2500mが必要だという判断だった。
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はたして2000mの滑走路では本当に発着が難しいのか? 

佐賀県は、この課題をいかに解決するかを問われた。当時の県の空港担当者は、まず全日空に話を聞いた。当時全日空の羽田・佐賀線は同じA320 を使用していたからだ。全日空の回答は「なんら不自由していない」とのことだった。

さらに、安全性に問題はないというデータを用意するために、担当者は10年秋から冬にかけでの約3か月間、1日4回の全日空機の離発着状況を映像に収め、記録を続けた。

ここまでなら誰でも考えつくかもしれない。だが、その担当者は中国国内の春秋航空の路線がある空港のデータをすべて調べ上げ、2000m滑走路の空港がないか探した。すると湖南省の懐化空港が2000mだったことを突き止めた。その空港は、侗族という少数民族の住む自治区の芷江(ZhiJiang)にあった。

その後、彼は実際に懐化空港を訪ねている。同空港の関係者らに事情を聞き、「2000m滑走路でも問題ない」との言質をとって帰国した。

この話は、佐賀県と春秋航空との折衝の際、最も効いたという。合理主義に徹する春秋航空担当者らも「そこまでやられたら就航させていただくしかない」と佐賀県の熱意に舌を巻いたのだった。
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これは5年ほど前の話だが、時代はずいぶん変わったものだ。佐賀県のように誘致のための念入りな調査や積極的な取り組みを経ることなく就航が実現する静岡空港のような例も出てきたからだ。

もちろん、静岡空港には東京・大阪ゴールデンルートの中間に位置し、日本のシンボルでもある富士山に近いという圧倒的な地の利がある。ゆえに、単純には比較できないし、むしろ大半の地方空港は佐賀空港と立場は変わらない。このサクセスストーリーから学べることは多いというべきだろう。

慎重な日系エアラインと供給過剰の声

中国系エアラインの精力的な日本路線拡充の一方、日系の動きはどうか。対照的に慎重な姿勢を崩していないようだ。

それでも、先ごろ全日空は今年4月より成田・武漢線の開設を発表している。もっとも、中国路線としては北京、上海、広州、青島、大連、杭州、成都などの主要都市のみ。日本航空も中国系とのコードシェアも含めれば15都市になるが、基本は北京、上海、広州だけだ。

背景には、訪中日本人、特にレジャー客の激減に加え、ここ数年の日本企業による中国進出や投資の減速もあり、慎重にならざるを得ない面がある。実際、訪日中国客の旺盛な購買力は相変わらず目立つ一方、中国経済の減速は日ましに現実のものとなり、建設・工作機械や電子部品の対中輸出がマイナスとなるなどの経済指標も出ているからだ。さらに、中国系の新規路線開設や増便が相次いだ結果、やや供給過剰の声も聞かれる。

確かに、この1年の中国系エアラインの日本路線の拡充には、前のめり感があったことも否めない。日本旅行が中国でブームとなり、富裕層のみならず、全国の中間層にまで市場が広がった。気がかりなのは、中国の訪日旅行需要の今後の行方だ。わずか1年でこれほど一気に航空便が増えたのであれば、逆に一気に減ることもまったく考えられなくはないからだ。

静岡県の関係者にすれば、他の地方空港とは事情が違って、特別誘致活動をしなくても就航が実現したことは、逆に怖さもあるだろう。

それでも、「開港したばかりの頃は国際線なんてまったく考えていなかった。それがいまでは国内客を逆転し、いかに外国客の受入を推進するかということに取り組みが移っている。時代は大きく変わった」と静岡県の山梨利之国際観光班長は言う。これも素直な実感だろう。

最大シェアとなった中国の経済の減速ばかりがメディアで報じられる昨今、今後の訪日旅行市場をどう見ればいいのか。まずは客観情勢をふまえたうえで、海外の市場動向に対して受身になるだけでなく、こちらからも能動的に手を打っていく道を探っていくしかないだろう。2014年に日本法人を開設して以降、ついに国際線の運航も開始する春秋グループの辛抱強い日本市場開拓の取り組みは、長期的な視点に基づくもので、大いに学ぶところがあるはずだ。この1、2年で急に日本路線を増やしてきた他の中国系とは明らかに姿勢が違うからだ。

※やまとごころ.jp
http://www.yamatogokoro.jp/report/2016/report_21.html
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by sanyo-kansatu | 2016-02-07 18:41 | やまとごころ.jp コラム | Comments(0)
2016年 02月 04日

今年の春節は「思っていたほどでもなかった」?(ツアーバス路駐台数調査 2016年2月)

今年も春節がやって来ました。今年は2月8日(月)です。そのせいか2月に入ると、新宿5丁目界隈には中国団体客を乗せたバスが少し増えてきました。

中国経済がさすがに怪しくなってきて、今年は昨年のような爆発的な数の伸びは期待できない気はしますが、たまに例の専用食堂の前の路上でバスを待っている中国客に話をしてみると、そんな感じはまったくしません。まあ当たり前か、彼らは遊びに来ているのですから。不景気な顔をしているはずもありません。

新宿には団体客ばかりでなく、欧米人も含めた個人客や小グループの若い旅行者の姿もよく見かけます。これは午前中、靖国通りを新宿駅方面に向かって重いスーツケースをガラガラ引いている中華系の若い小グループです。
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彼らのような個人旅行者は東新宿では、ほぼ1日中出くわします。なんでも先ごろ出たホテル予約サイトのエクスぺディアのプレスリリースによると、昨年エクスぺディアで都内のホテルを予約した外国人の3人に1人は新宿に宿泊したそうです。新宿には高級ホテルからカプセルホテル、ゲストハウスまでさまざまな価格帯とカテゴリーの異なる宿泊施設が豊富に揃っているからです。
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欧米のバックパッカーの姿もよく見かけます。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(月)12:20 4台
2日(火)12:10 4台、18:20 5台 
3日(水)17:30 2台
4日(木)11:50 5台
※この日たまたま新宿5丁目の交差点を歩いていたら、ひとりの中国人観光客の女性が道の真ん中でなにやらスマホで写真を撮っていたところ、トラックが左折してきたので、思わず「危险(あぶないよ)」と声をかけたことをきっかけに、彼女と同行の旅行グループの子たちとちょっと立ち話することになりました。

「きみたち、中国人旅行者だよね。中国のどっから来たの?」
「鄭州よ。河南省」
「えっ、ぼく去年の10月に河南省行ったよ。少林寺のあるところだよね」
「知ってるの? 面白かった?」
「少林寺は面白かったよ。河南省は歴史がある見どころがいっぱいあるね」
(ひとしきり、河南省の話をしたあと…)
「ところで、あなた日本人?」
「そうだよ」
「不像(似てない。見えない)」

……確かに、いきなり声をかけてくるおじさんにすぎないぼくは、彼女らから見れば相当怪しいですね。でも、こんなとき、思うのです。昔インドに旅行に行ったとき、まちを歩いていると、暇そうなおじさんからよく声をかけられたものです。「Hello」と言われると、つい振り向いてしまいます。「えっ、何?(あんまりしつこいと、ちょっと声を上げて What do you want?)」と聞くと、ニヤニヤしています。まさか自分がそんなアジアのおじさんみたいになるとは当時は思っていませんでしたが…。でも、せっかくですから彼女たちをパチリ。
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「那我走吧.一路平安!(じゃあぼくは行きます。いい旅を!」
「謝謝」

東新宿の昼下がりには、こんなのどかなひとときがあります。

5日(金)12:20 4台
6日(土)未確認
7日(日)未確認
8日(月)12:30 6台、13:40 4台、18:50 2台
※この日は春節にあたり、昼間多くのバスが訪れていました。でも、夕方は少ないですね。ここ数年の春節の時期としては、バスの台数は決して多いとはいえません。同じ日の午後、お台場に楽天トラベルのカンファレンスがあり、取材に行ったのですが、お台場も少なかったです。ただし、ゆりかもめで新橋に戻り、銀座方面に歩くと、さすがに銀座7~8丁目あたりはラオックスもあるせいか、多くの中国人観光客とバスであふれていました。

9日(火)12:30 0台、19:10 0台
※この日、正午過ぎにバスは1台もいませんでした。ただ、中国団体客専用居酒屋「金鍋」の前には多くの団体客が食事をすませて、バスが来るのを待っている様子でした。去年の春節に比べ、今年はバスの台数が少なく感じます。

10日(水)12:10 4台(ただし、信号を待つ間(2分ほど)、インバウンドバス5台が通り過ぎる)
11日(木)未確認
12日(金)12:20 8台、12:50 6台、19:00 4台
※この日の新宿5丁目はバスラッシュとなりました。次々とバスがやってきて、中国客を降ろしてすぐに移動していきます。例の金鍋にも何台ものバスの客が来店していました。実はぼくも近所の店でランチをすませ、店を出てから明治通りをみると、すでに先ほど停車していたのとは違うバスが停車していました。団体客たちは20分くらいで食事をすませているようです。そんなに急いでこれからどこに行くのでしょうか。
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13日(土)~21日(日) 未確認
22日(月)11:20 4台
※ただし、この日の正午過ぎは「金鍋」や「味仙荘」の前では、中国客が店をあふれて待っていました。

23日(火)11:40 4台
24日(水)11:30 4台、12:20 5台
25日(木)12:40 5台
※この日も食堂の前は中国客であふれていました。
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26日(金)11:40 2台
27日(土)未確認
28日(日)未確認
29日(月)12:20 2台
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by sanyo-kansatu | 2016-02-04 12:41 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2016年 01月 31日

慎重な日系エアラインとは対照的なスプリングジャパン初の国際線就航

中国系エアラインの果敢な日本路線の拡充の一方、日系はどうなのか。こちらは対照的に慎重な姿勢を崩していません。

中国の日本路線がすごいことになっている!(だから訪日中国人は500万人規模になった)
http://inbound.exblog.jp/25298672

たとえば、ANAは1月20日のプレスリリースで新規の中国(武漢)線の開設を発表していますが、中国線の定期便は10都市11空港にすぎません。以前に比べれば、これでもずいぶん増えた気はしますが、中国系に比べると、どうしても少なく見えてしまいます。
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2016年度 ANAグループ航空輸送事業計画を策定
~ 4月より成田=武漢線、9月より成田=プノンペン線を新規開設します!
https://www.ana.co.jp/pr/16_0103/15-099.html

JALはどうでしょう。中国系エアラインとのコードシェア便を含めれば15都市と結んでいるとはいえ、JAL自身は北京、上海、広州の3都市のみです。
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JAL中国線ネットワーク
https://www.jal.co.jp/inter/info/cn/

訪中日本人、特にレジャー客が激減してしまったいま、日系エアラインはビジネス需要や中国からのインバウンド需要に応じた路線展開を考えているものと思われますが、ここ数年の日本企業による中国進出や投資の減速もあり、慎重にならざるを得ないのでしょう。さらに、中国系の新規路線開設や増便が相次いだ結果、やや需給環境が悪化している(供給過剰)ともいわれます。

実際、訪日中国客の旺盛な購買力が相変わらず目立つ一方、中国経済の減速は日ましに現実のものとなり、建設・工作機械や電子部品の対中輸出がマイナスとなるなどの経済指標も続出しています。

いま中国では日本旅行がブームです。とはいえ、ここ数年、中国側にはどこか前のめり感があることも否めません。

それでも昨年末、スプリングジャパン(春秋航空日本)は初めての国際線として2月中旬より成田・武漢、重慶線の就航を発表しています。

成田―武漢(週3便)
IJ1011 成田発10:20-武漢着14:15
IJ1012 武漢発15:15-成田着19:40

成田―重慶(週4便)
IJ1021 成田発9:00-重慶着14:15
IJ1022 重慶発15:15-成田着20:25

スプリングジャパン(春秋航空日本)
http://jp.ch.com/

初めての就航地として武漢、重慶を選んだ理由として、日系企業が多く進出していること。中国内陸部の観光地のアクセスに便利と、同社ではあくまで日本客の利用を想定したプレスリリースを出しています。さらには、こんなキャンペーンも。
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http://jp.ch.com/content/Activitiesall/WUHSanguo0122/edm/edm_0122.html?cmpid=edmin_mk_manu_wuhsales_online_160122

でも、実際には中国内陸部の訪日旅行市場が盛んになっていることや、武漢・重慶から関空への運航便の搭乗率が高く、その多くは旅行団体客であることから、関西から関東に周遊した後、再び関空に戻らずに、中国へ帰国できるようになれば、さらに利便性が上がると見込んでのことでしょう。

この路線はすでに春秋航空の関空線が就航していますし、成田線でも他の中国国営キャリアと競合しています。しかし、2014年に日本法人を創設して以降、ついに国際線の運航も開始した春秋グループの息の長い日本路線構築の取り組みは、長期的な視点に基づくものです。この1、2年で急に日本路線を増やしてきた他の中国系とは違います。

もし彼らに誤算があるとしたら、これほど日本人が中国に行かなくなるとは思ってもいなかったでしょう。日本人のサイレントクレイマーぶりは、さすがに想定外だったに違いありません。春秋航空が国際線の初めての就航先として茨城空港に決めた2007年頃、訪中日本人の数は過去最高の400万人弱だったのですから(2015年はおそらく半分近くに減っているのではないでしょうか)。
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by sanyo-kansatu | 2016-01-31 15:12 | “参与観察”日誌 | Comments(0)