ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 11月 03日

103 長白山には快適な山岳リゾートホテルがある

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長白山には、2010年頃から国際的な山岳リゾートホテルがいくつもできている。西坡にあるホライズン・リゾート(長白山天域度假酒店)は、館内に温泉施設もあり、快適な滞在が楽しめる。しかも、長白山空港から車で5分、山門まで10分の好ロケーション。(撮影/2012年7月)

※長白山の麓には5つ星の外資系ホテルもいくつかできています。このホテルは中国資本ですが、客室はラグジュアリータイプで申し分ありません。

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by sanyo-kansatu | 2017-11-03 12:22 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 31日

102 長白山北坡の天文峰展望台

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長白山登山のレジャー化は1990年代から始まったが、それが可能となったのは、北坡の天文峰展望台への自動車道路が整備されてから。展望台の下の駐車場に見えるランドクルーザーの台数やドライバーなどすべては吉林省の長白管理委員会が運営管理している。(撮影/2014年7月)

※日本の富士登山道のひとつ「富士スバルライン」が開通したのは1964年。五合目まで車で登れるようになったことが、富士登山客を急増させました。同じことが中国では1990年代に始まったのです。

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by sanyo-kansatu | 2017-10-31 07:54 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 30日

日本のシェアサイクルはツーリスト向けにサービスを特化したほうがいいのでは

今夏、中国のシェアサイクル大手のMobike(摩拝单车)やofoが日本に進出するニュースが流れ、話題になりました。

自転車シェア中国「モバイク」、日本で10カ所展開へ
23日から札幌でサービス (日本経済新聞2017/8/22)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ22HZZ_S7A820C1EA2000/

ソフトバンクとの協業で日本進出するケースもあります。

ソフトバンクC&S、Ofoと共同でシェアバイク事業を開始――まずは東京・大阪で9月から
http://jp.techcrunch.com/2017/08/09/20170809ofo-softbank-japan-dock-less-bikesncidmobilenavtrend/

中国語で「共享单车」と呼ばれるシェアサイクルは、確かに中国の都市部を中心に驚くほどのスピードで普及しました。去年の秋ごろから一気にです。

今年3月に上海に行ったときも、街中でシェアサイクルが走っている光景を見て、かなり驚きました。
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南京でも同様の光景を見かけました。
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外国人も利用していました。思うに、この種のサービスは外国人やよその土地から来た人にとって重宝するもので、出張中のぼくも利用したいと思ったのですが、中国に銀行口座をつくり、WeChatPayのような決済アプリと紐づける必要があり、時間がないので断念しました。
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これらのシェアサイクルには、QRコードが付いていて、利用者はスマホでスキャンして鍵を開けます。
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興味深いのは、中国では都市の一般住民が利用していることです。地下鉄駅から職場までの「最後の1km」が合言葉で、そのようにちょい乗りされることが多いそうです。いちばん驚くのは「好きな場所で借りて、どこでも乗り捨てできる」ことです。
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その仕組みは、中国の人たちの意識を変えるとも言われています。なぜなら、すべての自転車の位置と利用者の情報を配車アプリ企業は握っている以上「盗んでも意味がない」ため「悪いことはできないから」です。

中国を席巻するハイテク「シェア自転車」~仕組みで意識を変える試み(NECwisdom2017年02月02日)
https://wisdom.nec.com/ja/business/2017020201/index.html
中国で「シェアエコノミー」が大爆発中のワケ
「シェア自転車」人気の背後には何があるのか(東洋経済オンライン2017年06月14日)
http://toyokeizai.net/articles/-/175441

ほかにも中国でシェアサイクルが普及した理由はいろいろありそうですが、個人の自転車を路上に置くと、鍵をかけても悲惨な状況になりがちで、だったらシェアサイクルのほうがいいや、となるのかもしれません。
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このサービスを支えるために、夜になると、大型トラックが自転車の再配置のために市内を走りまわっているようです。より利用の多い地区に、夜のうちに自転車を運び去ってしまうとは。ここまでやるというのはすごいと思いました。
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こうしたことから、世界に自らの先進性を誇りたい中国政府も、ちょうど3月上旬に開かれていた全人代で「共享单车」ビジネスの支持を表明していました。
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上海で見かけたシェアサイクルは以下の5社でした。大手はMobikeとofoです。日本に進出したMobikeは日本語サイトもあります。
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Mobike(摩拝单车) https://mobike.com/cn/
Mobike Japan https://mobike.com/jp/
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ofo http://www.ofo.com/
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享骑电单车 http://www.xqchuxing.com
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小鸣单车 https://www.mingbikes.com/
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永安行单车 https://www.youonbike.com/

それぞれ保証金(利用の登録時に最初に払うデポジット)や料金が違います。また自転車のデザイン性ではofoが人気だとか、料金の安さでは小鸣单车(0.1~0.5元/30分)とか、電動自転車の享骑电单车だとか、微妙に差別化しながら個性を競い合っています。

それにしても、このようなサービスでどうやって企業は利益を得ているのでしょう。中国の友人によると「最初に利用者からもらう保証金(99元~299元)の金利ビジネスですよ」とのこと。これほど安価なサービスを提供するビジネスが超スピードで拡大したのも、どれだけ利用者を集められるかに事業の成敗がかかっていたからでもあるのです。低金利の日本ではちょっと考えられません。

さらにいえば、いまの中国の経営者の考え方も反映されていて、新しい市場が生まれると、いち早く参入し、そこそこの市場シェアを獲得しておけば、どこかの時点で大企業に買収してもらえる。そうすれば、事業自体に利益が出ていなくても、売り抜けてひと財産築ける。大企業側も最初は資金力を活かして利益度外視で市場拡大にひた走る。そのうち大半の中小企業はふるい落とされ、結局は大手の寡占状態となる。利益を取るのはそれからでいい…。このようにビジネスシーンが展開していく例は、配車アプリでいま「滴滴」が一強になったことからもわかるでしょう。

もっとも、市場の拡大は街への自転車の氾濫を引き起こします。今年7月までに、すでに1600万台の自転車が街に投入されたというのですから。

中国のシェア自転車、急増で「悲惨な運命」(WSJ2017 年 4 月 4 日)
http://jp.wsj.com/articles/SB10352219306287233570804583063854080347428

中国はかつて「自転車大国」で、通りも広く、自転車専用道路もそこそこあるため、大きな問題にはなっていないといえるのかもしれませんが、このサービスを日本に導入するのはかなり難しいだろうと言わざるを得ません。

その点について、中国事情に詳しいルポライターの安田峰俊さんも指摘しています。

シェア自転車の"上陸"を阻む日本特有の壁
福岡で"モバイク"が始まらない理由(プレジデントオンライン2017.10.24)
http://president.jp/articles/-/23406

同じことは台湾にもいえるようで、シンガポールのシェアサイクル企業が進出したところ、迷惑駐輪が多発しているそうです。

台湾各地に進出の「oBike」、迷惑駐輪多発 台北市が法整備へ/台湾(フォーカス台湾2017/07/11)
http://japan.cna.com.tw/news/atra/201707110001.aspx

そもそも日本の一般の人たちにとってシェアサイクルはどれほどのニーズがあるのでしょうか。たいてい自分の自転車は持っていて、生活圏ならそれを利用するでしょうし、職場の近くでは…そりゃあったら便利とはいえるでしょうけれど、いつ乗ればいいのでしょう。先日、都心のオフィス街でサラリーマン風の男性がレンタルサイクルに乗って横断歩道を渡っている光景を見ましたが、ちらほら見かけるというのがせいぜいです。
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むしろ、このサービスはツーリスト向けではないかと思います。外国人もそうですが、日本人だって旅行先で自転車に乗って観光地をめぐれたら楽しいものです。中国と日本の社会の違いを考慮せず、そのまま同じサービスを導入しようとしても、うまくはいかないものです。それはお互い様です。

ですから、これは進出してきた中国企業に限らず、日本のすでに始まっているシェアサイクル事業に関しても、いち早くツーリスト向けのサービスに特化していくような発想の転換をすることが利用者の支持を広げることにつながるのではないかと思えてなりません。そのためには、多言語化うんぬんもそうですが、外国人にも日本人にも徹底してわかりやすいレンタルシステムを提供する必要があります。

その意味で、中国の仕組みは(モバイル決済の普及が前提となっていますが)非常にわかりやすく、優れているといえるでしょう。日本の現状のレンタサイクルはポート式とならざるを得ないため、自転車を返却しようとしたらポートが埋まっていてできなかったり、ポートに行っても自転車がすべて使われていたりで、GPS連動で1台単位で管理し、決済もスマホのみで完結する中国式には利便性ではとても及びません。

日本の場合、GPS連動やモバイル決済はすぐには無理でも、せめて全国ネットで地方の観光地を同じプラットフォームで管理でできれば、利便性も上がると思います。つまり、東京で登録すれば、地方都市でも使える。そうなれば、プロモーション費用の効率化やシステムの共有化につながり、シェアサイクルの促進に貢献するのではないでしょうか。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-30 10:35 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 10月 22日

096 冷えた身体を温めてくれた長白温泉

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長白山の山麓には温泉がある。天池登山で心底冷えた身体を温めるには、温泉に限る。この源泉かけ流しの野趣あふれる露天風呂は、いまはなき長白山国際観光ホテルのもの。(撮影/2008年5月)

※長白山はいまから1000年ほど前、大噴火した「活火山」です。噴火で放出された岩石や灰は日本にも飛んできたという記録が残っています。最近、北朝鮮が付近で核実験をするため、火山の内部が活性化して噴火するんじゃないかなどという人もいるほどです。でも、そのおかげで周辺にはいい温泉があります。

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by sanyo-kansatu | 2017-10-22 09:41 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 20日

095  松花江の源流

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長白山の天池から零れ落ちる長白瀑布の滝口は、まさに松花江の源流といえる。手で触ると、しびれんばかりの冷たさ。この聖流が、満洲の大地をうねって下り、黒龍江(アムール河)につながり、やがてはオホーツクの海にへと注がれる。(撮影/2008年5月)

※今年の6月サハリンを訪ねたとき、オホーツク海を眺めたのですが、長白山の天池からずっとつながっていることを思うとき、とても不思議な気がしました。

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by sanyo-kansatu | 2017-10-20 12:20 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 19日

094 絶景、氷結する天地

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北坡の長白瀑布の脇にある登山道を上り、天池を訪ねた。風がヒューと鳴る以外は、無音の世界。流れゆく黒雲の合間に、時おり陽光が氷結した湖面を明るく照らす。環境保護の観点から、現在は中国側から天池に上る登山道の利用は禁止されている。(撮影/2008年5月)

※もう二度とこの場所に行くことができないと思うと、残念です。

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by sanyo-kansatu | 2017-10-19 16:29 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 18日

093 吹雪舞う長白山を訪れる中国登山客

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長白山登山の本格的オープンは、天池の氷が溶ける7月からだが、この時期でも登山客は訪れていた。麓は初夏を迎えているが、展望台は吹雪。厚手のコートは、長白山管理委員会がレンタルしてくれる。(撮影/2008年5月)

※10月もそろそろ下旬に向かい、長白山は同じように雪に覆われていて、登山客もさすがにもう少ないと思われます。シーズンは短いけれど、ひと夏に訪れる登山客は年々増えています。

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by sanyo-kansatu | 2017-10-18 12:59 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 17日

092 氷結する長白山と天池

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5月中旬、長白山を訪ねると、北坡の文峰展望台は吹雪が舞っていた。夏の季節、美しい姿を見せる天池も、1年の大半は固く氷結しているのだ。(撮影/2008年5月)

※この写真は5月に撮ったものですが、いま頃中朝国境にまたがる長白山頂は雪で覆われていることでしょう。カルデラ湖の湖面もぼちぼち凍り始めている頃かもしれません。

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by sanyo-kansatu | 2017-10-17 09:51 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 16日

「日本の紅葉はマッカッカ(真っ赤っ赤)だけじゃない」と海外のお客さんに伝えてほしい

9月下旬、中国語通訳案内士の水谷浩さんがガイドを務めるマレーシアからの華人グループは大雪山系にいました。日本でいちばん早い紅葉が見られるスポットとして知られる大雪山では、例年9月中旬から下旬が見ごろといいます。
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水谷さん率いる中国語通訳のプロ集団である彩里旅遊株式会社では、中国本土のみならず海外在住のVIP華人からの訪日旅行手配を扱っています。ここ数年、9月下旬から10月中旬にかけては北海道でのガイド業務の引き合いが多いといいます。紅葉を見たいという華人客が増えているからです。

口コミで同社の評判を聞いた海外の華人から「日本の極上の紅葉が見たい。水谷、案内してほしい」と直接指名がかかるそうです。同社は顧客それぞれの要望に合わせて一からコンテンツを組み立てる企画旅行が専門です。

彩里旅遊株式会社
http://www.ayasato.co.jp/

日本を訪れた外国人は日本の紅葉をどのように楽しみ、何を感じているのか。先週まで北海道にいた水谷さんに話を聞きました。

―今回いくつかのグループを案内したそうですが、主にどこを訪ねたのですか。

「札幌から入ってトマムや富良野、旭川をめぐる。紅葉の見どころは富良野や大雪山。日本でいちばん早く紅葉が見られるというのがポイントです」

―マレーシアのお客さんは日本の紅葉についてどんなイメージを持っているのですか。

「やはり非日常感でしょうか。彼らは熱帯に暮らしている人たちですから。冷たく新鮮な空気と艶やかな色彩に包まれた場所で写真を撮って、そこに自分が写り込みたいという願望が強い。ですから、いちばんいい状態の紅葉を見せたい。たいてい散り際が真っ赤に染まって美しい。いい写真を撮るには晴天がいい。太陽の光の向きも重要です。でも、これが難しい。紅葉のピークは同じ場所でも気候によって変わるからです。去年良くても今年いいとは限らない」
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―桜もそうですが、紅葉も年によって見ごろの時期が変わりますものね。

「ひとつメディアのみなさんにお願いがあります。日本の紅葉はマッカッカ(真っ赤っ赤)だけじゃないと伝えてほしいことです。なぜなら、一般に国内外の旅行会社やメディアが発信する日本の紅葉は真っ赤に染まった写真を使うことが多く、外国のお客さんはそれを期待して日本に来たところ、実際には黄色や緑も多く、必ずしも赤一色ではない。それでガッカリされる人がけっこういるのです。

もちろん、私はその方たちに日本の紅葉はマッカッカ(真っ赤っ赤)だけじゃない。黄色や緑や色とりどりの美しさがあると説明するのですが、先入観があるぶん、腑に落ちない気分になるようです。

実際には、中国語でいう“五彩缤纷”(たくさんの色が豪華絢爛で豊かに見える様)というべきで、最初からそのように伝えてあれば、そんなにガッカリされることもないと思うのです」

―なるほど、紅葉は「紅」と書きますから、赤一色と思いがちですね。でも、ガッカリされるのは期待値の高さから。桜とは違い、バリエーションも豊富なぶん、日本を代表する自然現象である紅葉について、もっと我々自身が深く理解し、説明することばを持たなければなりませんね。

※この点欧米のメディアは比較的バランスが取れていて、紅葉=赤一色という伝え方はしていないようです。たとえば、世界最大の現地発ツアーサイトであるviatorでは、東京の紅葉ツアーのトップページに以下のような写真を使っています。
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外国客はどうやって紅葉の時期やスポットを知るのだろう?
http://inbound.exblog.jp/27344010/

こうした説明の大切さは、相手が富裕層であれば、なおさらのことですね。

「海外のVIPほど、こうしたこだわりが強いのです。彼らはそれがいいか悪いかは常に自分で判断したがります。気に入らないと『不要(いらない)』とはっきり言う。食事も高級な料理店に連れて行けば満足するというのではなく、状況や気分によって地元の庶民的な場所で食事がしたいと言い出すかと思えば、逆のときもある。まったくうるさいことこのうえない客です。

でも、きちんと合理的な説明ができれば、彼らも納得します。そのためには、相当の知識と経験が必要です。そして、いったん満足してくれると、次回もまたお願いしたいという話になる。それが彼らのネットワークの中で口コミで伝わり、別のお客さんを呼んでくれる。それが富裕層旅行の世界です」

本州に紅葉前線が南下し始めるまでにはもうしばらくかかります。「日本の紅葉はマッカッカ(真っ赤っ赤)だけじゃない」。肝に銘じて、今後情報発信するように務めたいと思います。
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日本を訪れる外国人観光客は春より秋のほうが多いって知ってましたか?
http://inbound.exblog.jp/27325956/
どんな紅葉ツアーが外国人に人気なのか?
http://inbound.exblog.jp/27327434/
隠れたトレンドメーカー『香港ウォーカー』『Japan Walker』が伝える最新「紅葉」情報
http://inbound.exblog.jp/27354643/
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by sanyo-kansatu | 2017-10-16 09:53 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 10月 16日

隠れたトレンドメーカー『香港ウォーカー』『Japan Walker』が伝える最新「紅葉」情報

日本を訪れる外国人が事前にさまざまな紅葉情報を入手し、ツアーや目的先を選んでいることを前回までみてきました。

日本を訪れる外国人観光客は春より秋のほうが多いって知ってましたか?
http://inbound.exblog.jp/27325956/
外国客はどうやって紅葉の時期やスポットを知るのだろう?
http://inbound.exblog.jp/27344010/

なかでも香港と台湾の人たちの情報集力は他の国・地域に比べ群を抜いています。

香港では例年、8月下旬から9月上旬の頃、新聞やネット報道でその年の日本の紅葉の見ごろ時期の予想を取り上げるといいます(以下は去年の例です)。

日本公布賞楓期預測 部分地區紅葉料遲來(2016年9月07日)
http://hk.on.cc/int/bkn/cnt/news/20160907/bknint-20160907131910494-0907_17011_001.html
紅葉銀杏觀賞期延 旺秋季旅團(2016-08-23)
http://news.wenweipo.com/2016/08/23/IN1608230066.htm

こうした関心の高さは、日本政府観光局(JNTO)が継続的に他の国・地域に先駆けて香港人向けに紅葉の魅力を伝えてきたことも背景にあります。

JNTO香港 http://www.welcome2japan.hk/

しかし、それ以上に影響力があったと思われるのは、香港や台湾で株式会社KADOKAWAが発行してきた現地情報誌や日本旅行情報誌です。

たとえば、香港では2007年11月創刊の『香港ウォーカー』があります。「旅慣れた香港の人々をも満足させる日本情報が満載」の月刊誌です。
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↑2017年10月号

香港ウォーカー
https://www.facebook.com/HongkongWalker.hk/

台湾には1999年創刊の現地情報誌『台北ウォーカー』があり、早い時期から日本旅行情報を発信してきました。15年8月に創刊された『Japan Walker』は台湾で唯一の「日本旅行専門月刊情報誌」です。
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↑2016年10月号

Japan Walker
https://www.facebook.com/JapanWalker.KADOKAWA/
台北ウォーカー
http://www.taipeiwalker.com.tw/

海外には日本旅行情報を伝えるフリーペーパーはたくさんありますが、市販の雑誌があることは香港や台湾の特徴であり、なぜ彼らがこれほど日本のことをよく知っているかは、これら隠れたトレンドメーカーの地道な情報発信にあるといえます。

過去最高400万人超えの台湾客はいま日本で何を楽しみたいのか?
http://inbound.exblog.jp/26690327/

本ブログで何度も話を聞いたことのある友人の鈴木夕未さん(株式会社KADOKAWA)は、上記の2誌の現地での立ち上げに関わった編集者です。両誌が扱う日本の紅葉特集について彼女に話を聞くことができました。

―香港や台湾の人たちにとって日本の紅葉の魅力とは何なのでしょうか。

「日本のようなはっきりした四季がない台湾、自然が少なく高層ビルに囲まれた環境に暮らす香港の人たちにとって、季節感を感じられることがいちばんの魅力かと思います。これは、紅葉に限らず、桜も同様です。

なかでも彼らが強く魅力を感じるポイントは、紅葉の色の艶やかさと日本的な情緒の組み合わせにあると思います。具体的にいうと、紅葉と滝や寺社仏閣、お城など。なにしろみなさんその風景をバックに自分が写り込む写真を撮るのが好きで、“インスタ映え”を気にしています。フォトジェニックな1枚を撮ろうと必死です。最近では、湖面に映る紅葉とか、さまざまなバリエーションが生まれています。

※クラブツーリズムが催行する紅葉ツアーのイチ押しは、河口湖への日帰りバスツアーでしたが、このツアーを募集するサイトのトップの写真は、富士山と新倉山浅間神社の五重塔と紅葉の組み合わせでした。要するに、紅葉にもうひとつ日本的情緒が感じられるアイテムが加わることで、彼らの気持ちをグッとつかむことができるというわけです。
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どんな紅葉ツアーが外国人に人気なのか?
http://inbound.exblog.jp/27327434/

―『香港ウォーカー』や『Japan Walker』では日本の紅葉特集はあるのでしょうか。どんな内容ですか。

「毎年紅葉特集はやっています。ただし、香港と台湾では、それぞれ読者の求める嗜好やニーズが違います。

まず台湾の話でいうと、昨年の『Japan Walker』では「秋季賞楓微旅行(秋のもみじ狩りプチ旅行)」というタイトルの特集をやりました。内容は、紅葉旅行をいくつかのテーマ別に分けてコースを紹介しています。具体的には、以下の3つです。

・紅葉×鉄道…嵯峨野トロッコ列車(京都)、叡山電車展望列車(京都)など
・紅葉×温泉…ねぎや陸楓閣(兵庫)、吉池(神奈川)など
・紅葉×日本庭園…六義園(東京)、兼六園(石川)など

さらに“達人の旅”として、九重“夢”吊り橋(大分)や。香嵐渓(愛知)、長瀞渓谷(埼玉)、下栗の里(長野)などを紹介しています。

一方、香港は、最新号(10月号)で紅葉特集を組んでいます。タイトルは「秋の京都 紅葉単車遊(サイクリングでもみじ狩り)」です。

―台湾や香港の雑誌では、特集のタイトルやスポット名などにも日本語は普通に使われているんですね。彼らは日常的に日本語を見慣れているし、そのほうがかえって日本的なイメージが訴求できるのでしょうね。ところで、台湾と香港の違いはどこにありますか。

「香港人はアクティブです。いま台湾や香港はサイクリングブームです。特に香港では街で自由に自転車に乗れる環境ではないため、日本で体験したいという人が多いです。香港はストレス社会ですから、日本ではのんびりリラックスして過ごすことも大切にしているように感じます。だから“サイクリングでもみじ狩り”という自然の中でアクティブな体験をするような特集になるのだと思います。最近、香港では日本でグランピング(グラマラス×キャンピングの造語でラグジュラリーなアウトドア体験)を楽しみたいという人が増えています。

一方、台湾人の鉄道好きは有名です。日本全国の観光列車に乗りたい人は多く、できれば紅葉の時期に行ってみたい。温泉や日本庭園など、日本文化に対する憧れは、香港人より強いと思います。台湾の人たちは、日本人と同じことをしたいと思っているんです。

だからでしょうか。香港と台湾では同じ情報誌でも誌面づくりが違います。香港の場合は圧倒的にビジュアル優先で、情報は少なめでいいという考え方です。『香港ウォーカー』の写真は同誌のカメラマンでもある編集長が撮ったものも多く、かなり凝ったアートっぽいテイストです。『Japan Walker』が日本の情報誌同様、それぞれのスポットに関する細かい情報やアクセスなどをきちんと書き込んであるのとは対照的です。でも、台湾の読者はそれを求めています。香港の人に聞くと『情報はスマホで探せるから必要ない。行ってみたいと思わせる写真やイメージがあればいい』と答えます。両誌の編集方針がまったく異なっているのはそのためです」

双方の違いも含めて、香港や台湾の人たちが常に新しい訪日旅行のシーンを切り拓いてくれる理由がよくわかった気がします。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-16 08:11 | “参与観察”日誌 | Comments(0)