ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2013年 11月 24日

ちょっと悲しい少数民族のおばさんの日常着(ラオス北部ムアンシンの朝市)

ラオス北部のルアンナムターからバスで2時間ほど山奥に向かうと、少数民族の集落へのトレッキングで知られるムアンシンという町があります。中国国境のあるパーントーン(パンハイ/班海)から10数㎞という場所にあります。
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ムアンシンは朝市が有名です。周辺の山村から少数民族たちが自分の採った山菜や野菜を売りに来るからです。
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場所は町はずれのバスターミナルの向かいにあります。屋根の下はおそらく地元の人たちの売り場で、周辺の山村から来た少数民族たちは、屋根のない道端に布を広げ、売り物を並べます。
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ヒキガエルも網の中にいます。
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ラオ・ラーオという自家製の米焼酎もペットボトルで売っています。

こうしてみると、ビエンチャンの朝市がずいぶん都会のように思えてきます。屋根の中に入ってみましょう。

肉売り場です。牛の頭が置いてあったりします。魚もあります。
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妊婦のお母さんが鴨の売買をしています。気の強い女の人のようで、もっと高く買ってよと売り手のおばさんが懇願しても、頑として聞き入れませんでした。
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揚げ菓子屋もあります。ほくほくでおいしかったです。
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もちろん、この市場にも屋台があります。ひき肉入りの麺でした。平たい米の麺でベトナムのフォーに似ています。人によっては衛生状態を気にするかもしれませんが、淡い鶏ダシのスープに香辛料が利いてうまいです。
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大きな鍋が湯気をたてています。この女の子はフォー屋の娘です。
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少数民族とおぼしき女性もたくさんいました。でも、彼女らは民族衣装を身につけてはいません。独特に結った髪型で、巻きスカートのおばさんもいましたが、たいていは中国製と思われる柄物のスカーフを頭に巻き、長靴を履いていたりします。
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おばあちゃん3人組がフォーを食べています。
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それにしても、ラオスの最辺境に位置するこの土地の人たちですら、手の込んだ刺繍を織り込んだ色鮮やかな民族衣装をふだん身に付ける機会はほとんどないようです。あるとしても、ツーリスト向けの一種の見世物になっていることが考えられます。

中国製の安価な衣料品が大量に入ってきており、それを日常的には代用してしまうのでしょう。これは、ここに限らず、アジア各地の少数民族エリアでよく見られる光景となっています。ちょっと悲しい気がしますが、無理もないことでしょう。

市場内には、両替商もいます。タイバーツや人民元との両替が可能なようです。
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もっとも、市場の入り口に、「ここではラオス通貨(キップ)を使うように」と地元政府の告知が書かれた大きな看板があります。
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その内容がわかったのは、漢字の看板もあったからです。これを見ても、ここが国境の町であることを実感します。実際、この市場では中国語がふつうに通じました。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-24 23:19 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2013年 11月 21日

ラオスの北朝鮮レストランはわりとゆるくてオープンな店だった

ビエンチャン滞在中、つい北朝鮮レストランに足を運んでしまいました。べつにぼくは「北レス」マニアでもないつもりですけど、今年5月、北朝鮮からの脱北者がラオスで身柄を拘束され、強制送還されたという報道もあり、遠く離れたこの2国が中国を介して複雑な関係にあることを知ったばかりでしたから、興味本位にすぎませんが、行ってみようかということになったのです。
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ラオス、脱北者9人を北朝鮮に強制送還 異例の措置の見方(CNN)2013.06.01
http://www.cnn.co.jp/world/35032834.html

さて、ビエンチャンの北朝鮮レストラン「朝鮮平壌飯店」は、市内中心部から北東の方角にある黄金の仏塔「タートルアン」の近くにあります。
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朝鮮平壌飯店(Korea Pyongyang Restaurant)
Unit19,Nongbone, Xaysettha District, Vientiane
Tel:021-263118 kpr.lao@gmail.com

トゥクトゥクに乗って店の前で降りると、白頭山の天池の大きな写真の飾られたレストランがありました。その日は雨が降っていて周辺の通りは暗く、うまく写真が撮れませんでしたが、事情通の人なら一目で北朝鮮レストランとわかります。
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店内には、朝鮮の美人画や風景画が飾られています。カラオケ用のテレビもありました。

客は、中国の中高年の男女6人組(といっても女性はひとり)や韓国系の男性ふたり、北欧系のツーリストのカップルでした。あとで奥の個室からぞろぞろ男たちが5~6名出てきたのですが、おそらく彼らはラオス在住の北朝鮮の関係者でしょう。
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メニューはこんな感じです。ドリンクは地元ラオビヤーやカールスベルグ、ペプシなど、料理は冷麺やビビンバ、プルコギなど定番朝鮮料理が並びます。その日ぼくが頼んだのは、特製豆乳スープ冷麺(コングッス)で40000kip(約400円)。
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これは中国客のテーブルです。席が空いているのは、いよいよ北朝鮮の歌謡ショーが始まるということで、彼らは総立ちになり、席を離れたからです。
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8時を過ぎるとショータイムがスタートします。海金剛と呼ばれる北朝鮮の名勝、金剛山の岩の柱の大きな写真を背景に、ピンクのチマチョゴリ姿の4人の北朝鮮ガールズがおなじみの「ようこそ共和国へ」を歌い始めました。この曲の妙に浮かれたリズムやアレンジ、彼女たちの甲高い歌声は、北朝鮮のこわばったイメージを腰砕けにさせるような脱力感を外国客に与えるのが特徴です。しかも、曲調の単純さから一度聴いたら耳を離れないわかりやすさがある。この曲が流れると、気分がはしゃいでくるような暗示効果が仕込まれているようで、まったくクセモノです。
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【動画】ラオスの北朝鮮レストランの踊りと歌(2013年8月)

その後、彼女たちは客層を意識して、朝鮮の歌だけでなく、中国の歌を歌ったり、ちょっとした踊りを披露したりしていました。4人のうち、ふたりはふくよかな美人です。
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そのうち、席を立った中国おやじ5人組は、ビデオやカメラで彼女たちのショーの撮影に本格着手し始めました。とってもうれしそうです。
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ショーが終わると、カラオケタイム。ひとりの中国おじさんは、お気に入りの彼女の手を取り、デュエットを始めました。彼は最後まで彼女の手を放そうとしません。

でも、曲が終わると、さっと彼女は奥に消えてしまいます。

これまで中国各地の北朝鮮レストランをいくつか覗いてみましたが、ここラオスの店は、わりとゆるくてオープンな印象です。北朝鮮ガールズたちも、北京あたりだと、どこかツンケンしていますが、ここでは物腰もやわらかいのです。やはり、平壌から距離が離れるほど、彼女たちもゆるくなるのか。それともラオスという土地柄ゆえ、中国客の強引さがまかり通りやすくてこうなってしまうのか。いずれにせよ、いいことじゃないでしょうかね。

この場でちょっと浮いていたのが、北欧系のカップルとぼくでした。その感じが伝わったのか、彼らに目くばせすると、ニコッと微笑んでいました。なにしろ娯楽の少ないビエンチャンですから、コリアン・ショー・レストランを観るのは、外国人旅行者にとってちょっとしたイベントかもしれません。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-21 09:41 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2013年 11月 17日

これが本場中国の「文革レストラン」です

東京・池袋に10月下旬、オープンした「文革レストラン」を訪ねたことを前回報告したので、今回は本場中国の「文革レストラン」を紹介することにしましょう。
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とはいっても、前回説明したように、そもそも中国における「文革レストラン」の流行はすでに終わっており、閉店した店も多いのです。最盛期は、場所にもよりますが、北京や上海で2000年代前半、地方に行くと2000年代後半だったと思います。

今回紹介するのは、大連にかつてあった『東方紅風味酒楼』です。2007年12月にオープンしましたが、現在は閉店しています。ぼくがその店を訪ねたのは、08年5月下旬のことです。何よりそこで観た「文革歌謡ショー」が印象に残っています。以下、レストランの内装や一連のショーをお見せしようと思います。

写真は佐藤憲一さんです。
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まずレストランの外観はこんな感じです。場所は、大連市中山区中山広場万達大廈の西側にありました。
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店内です。客は中高年がほとんど。白酒とノスタルジーがこの店の売りです。
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壁には文革時代のポスターがたくさん貼られています。
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厨房も一部公開していて、そこには東北地方の料理(東北菜)が並んでいます。煮物が多いです。
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毛沢東の好物だった紅焼肉もあります。
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料理はざっとこんな感じ。おそらく当時はこんなにふんだんに肉を使った料理なんて口にできなかったのでしょうが、中国も飽食の時代です。いまこうして豊かさを手にしているのですから、当時はどんなに貧しくても、それは思い出というものです。
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彼はこれから観る「文革歌謡ショー」の広報係です。日本人が来店したというので、ちょっと緊張した面持ちです。きびきびとした動きで、当時の紅衛兵を演じているのでしょうが、もちろんその時代に彼は生まれていません。
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さて、ショーが始まりました。舞台の中央には毛沢東の肖像画が飾られています。
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前半は、歌と舞踊のショーです。いまや懐かしい紅衛兵の姿に扮した劇団員たちは、大音量のスピーカーから流れる当時の流行歌に合わせて熱唱します。

※【動画あり】中国文革レストラン(大連)のショーにて(歌と踊りと文革世代の観客たち 2008年5月
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ドラムやシンセサイザー、そして横笛や胡弓の演奏者もいます。
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客にマイクを向けて一緒に歌おうとステージを降りて、呼びかけます。
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大きな紅旗を翻しながら、派手なパフォーマンスを繰り広げます。
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前半のショーが終了すると、劇団員たちは観客の座るテーブルを周回し始めます。客の中には、劇団員に握手を求める人もいます。当時を知らない若者がこのように演じていることに対して、中高年の観客たちはどんな思いを抱いているのか。それとも、今日ではまったく否定されてしまった文革時代にこうして光を当ててくれたことに感激しているとでもいうのか。
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幕間には、中国絵画のオークションなども行われます。50元払って花輪を買って、劇団員の首にかけるのもお約束です。
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後半は、いわゆる「抗日」寸劇です。抗日ドラマでおなじみの日本軍兵士(左)と漢奸=売国奴(右)が登場します。日本兵はちょびひげと丸眼鏡というのもお約束です。
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その後、人民解放軍の活躍で漢奸は取り押さえられ、日本兵はつるし上げられます。ひたすら滑稽に演じてみせるのも日本兵の役割です。

※【動画あり】中国文革レストラン(大連)のショーにて(日本兵を成敗するシーン 2008年5月)
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最後は、勝利の歌でしめくくられます。

一連のショーを観ながらいろんなことを感じたものですが、舞台の迫力はなかなかのもので、いま中国で「文革歌謡ショー」を演じることの意味は何か? という文脈を無視すれば、いかにも中国らしいエンターテインメントだと思ったものです。そこには、一種の様式美すらあります。劇団員の青年、女子の皆さんに対して、聞いてみたいことは山ほどありましたが、あの場で話を聞いてもしかたがないと考えて、店をあとにしました。

最初に書いたように、この店は現在存在しません。このショーに出演していた青年たちは、いまどうしていて、何を考えているのか。反日デモのとき、毛沢東の肖像画を掲げた一連のグループとはなんらかの精神的なつながりがあるのか?

上海のある文化研究者によると、2000年代前半に中国各地の都市部にオープンした「文革レストラン(当時は「北大荒菜館」とも呼ばれました)」は、所詮消費社会の中のひとつの流行現象にすぎないとの見立てです。一般に中国の研究者は、こういうすました言い方を好んでしますが、そう簡単に割り切れる話なのか、ぼくにはちょっと疑問です。

突如池袋に出現した「文革レストラン」の話題はともかく、中国における昨今の「毛沢東」現象について考えてみるのは面白いと思います。

【追記】
なぜ中国の東北三省(遼寧省、吉林省、黒龍江省)に「文革レストラン」(実際には、文革のイメージというより、1970年代の中国の社会風俗をノスタルジー化したレストランであるのがほとんど)が多く開店したかについては、こんな推測も成り立ちます。

新中国成立以降、満州国の近代インフラを有する東北三省は、最も先進的な工業地域でした。ですから、建国後の混乱も収まる1950年代以降、東北三省の人たちは先進地域に住む住民としてのそれなりの自負を持っていたはずです。それが変わったのは、80年代の改革開放以降です。広東省を中心にした華南地方に集中的に投資が進むことで、東北三省は地盤沈下していきます。とくに90年代は失業者のあふれる後進地域となってしまいます。

つまり、大連などの「文革レストラン」に足を運んだ中高年世代の人たちは、文革という悲惨な時代とともに、東北三省の栄光の時代を懐かしんでいるのかもしれないのです。2000年代に入り、中国政府の東北振興策で、再び発展モードに転換した東北三省の人たちが“古きよき時代”の思い出を手軽に体験できる「文革レストラン」を愛好したたのも、わかる気がしないではありません。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-17 10:25 | のんしゃらん中国論 | Comments(0)
2013年 11月 16日

【続編】「ロボットレストラン」はなぜ欧米客に人気なのか?

新宿歌舞伎町にある「ロボットレストラン」はなぜ欧米客に人気なのでしょうか。「やまとごころ.jp」のインタビュー記事で書ききれなかったこぼれ話を紹介します。

まず、『女戦~ジョセン~』のダンスショーの内容と構成について、もう少し詳しく見せちゃいましょう。ショーは2013年11月現在、以下の5部構成です。ダンサー兼社長の大澤奈美恵さんも語っているように、ショーの内容は随時リニューアルされているそうです。

①女性ダンサーによる和太鼓演奏
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和太鼓から始まるショーって悪くないですね。ジャパネスクな感じで、カッコいいと思います。

②「バーレスク」のショー
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これもなかなかステキです。なぜか大澤さんがポールダンスを披露しているところが面白いです。

③「太古の森」を舞台にしたロボット対戦(森の住人と宇宙から来たロボット軍団との戦い)
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この設定はかなり唐突ですが、女の子がロボットを叩きのめすシーンは爽快です。欧米の女性客の皆さんも一斉にカメラを向けています。女の子が闘う姿は単純にいいですね。

④女性型ロボット「ロボコ」と女性ダンサーの共演
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これが圧巻のダンサーとロボットのダンス共演です。高さ3m超の巨大女性アンドロイド「ロボコ」の腕に抱かれ、踊り狂うダンサーたちの姿に、ぼくはしばし恍惚としてしまいました。

⑤フィナーレ「戦争パレード」:戦闘機と戦車に女の子が乗って踊る
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昔、『タンクガール』という映画がありましたが、そこから生まれたイメージを表現したもののようです。戦闘機の羽にぶら下がるダンサーの子が目の前を通り過ぎる瞬間、ぼくは思わずウォーと雄叫びを上げたくなりました(えーと、ちょっと欧米客のノリが伝染したのかもしれません)。

今回の取材に同行した「やまとごころ.jp」の此松武彦さんも話していましたが、この空間はいわゆる「芝居小屋」に近いと思います。一見派手なパフォーマンスが繰り広げられてるようで、どこか日本の小劇場的な空間が現出しているんです。加えていうと、AKB的な、なんともいえないゆるさもあります。ダンサーの女の子たちは、みんなどこか庶民的な親しみがあって、彼女たちがロボットと一緒にはじけている光景は、まるで近未来の“祭り”のようです。実は、それがロボットレストランの最大の魅力ではないか、とぼくは思います。

さらに、大澤さんも語っていますが、とにかく欧米客の素直な盛り上がりぶりは好感度が高いです。観客には、カップルの姿が目立ちます。親子連れもいます。
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4番目の演目が終わったあとに、記念撮影タイムが設定されています。欧米客の皆さんはロボットたちと記念撮影に興じます。いかにもオタクっぽい人もいます。
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ちなみにお弁当の中身はこんな感じです。東京には欧米のようにショーを観ながら食事を楽しめるエンターテイメントレストランがあまりありません。
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以下は、ロボットレストランの営業担当者が教えてくれた都内のショーレストランですが、ぼくにはどれもそれほど斬新な感じがしませんでした。なぜでしょう。実際に観なくてもだいたい中身がわかってしまうような気がするからです(本当はそうではないかもしれませんけれど)。

六本木香和
http://www.kaguwa.com/
明治時代の遊郭をイメージしたショー

六本木金魚
http://www.kingyo.co.jp/
いわゆるニューハーフショー

ロボットレストランの面白さは、ショーの内容だけでなく、店内の内装の奇抜さにあります。実は、隣接するガールズバー「ギラギラガールズ」に限りなく近い世界があるのも確かです。この界隈にいる客引きに話を聞くと、「ロボットレストランは評価が2つに分かれる」とのこと。きっとガールズバーのお楽しみを期待した客は、ロボットレストランでは裏切られたという感じを持つからでしょうね。

ショーである以上、客は見る側、ダンサーは見せる側。彼女たちとの交流は基本的にないわけですから。しかし、そういう男心をくすぐる期待感も含め、エロとパッションが渾然一体とした歌舞伎町らしさこそ、面白い。見てください。この奇態な空間に白人の女の子が紛れ込んでいる姿はなかなか絵になると思いませんか。
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ギラギラガールズ
http://giragiragirls.com/pc/

ショーの前後で楽しめる待合室もなかなかおかしくていいです。猫耳のウエイトレスも悪くありませんが、注目は給仕を担当するロボットです。
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さて、話は変わりますが、インタビューの中で大澤さんは、オープン時に「日本のメディアより先に海外のメディアが取材に来た」と語っています。欧米メディアは「ロボットレストラン」をどんな風に報じているのでしょうか。以下、ネットで読めるものを紹介しましょう。なにはともあれ、彼らが報じたから、この店は欧米客であふれているのですから。

“Peer into Japan’s raunchy robot restaurant”
(Smart Planet(アメリカ) 1 August 2012)
http://www.smartplanet.com/blog/smart-takes/peer-into-japans-raunchy-robot-restaurant/28069

“The Robot Restaurant in Tokyo”
Nippon News(東京にある外国向け通信社)20 November 2012
http://www.nipponnews.net/en/bizarre/the-robot-restaurant-in-tokyo/

“Japan's raunchy restaurant uses 'fembots' instead of woman to dance for customers – and to watch them perform costs just £25”
Mail Online(イギリス)18 February 2013
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2280465/Japans-raunchy-restaurant-uses-fembots-instead-woman-dance-customers--watch-perform-costs-just-25.html#%E2%80%A6

“Toyko: Food. Fun. Fashion.”
Hollywood on The Potomac(アメリカ) 24 June 2013
http://hollywoodonthepotomac.com/?p=31772

「セクシーアンドロイドが踊る、ロボットレストランは東京のパラダイス―米国記者レポート」
International Business Times(アメリカ) 2013年10月14日
http://jp.ibtimes.com/articles/50152/20131014/335992.htm?utm_source=twitter&utm_medium=official&utm_campaign=jpibtimes

ざっと読んでみて、「ひわい」「みだら」「セックスアトラクション」といった一見ネガティブな評価が目につきます。基本的に、日本の伝統的なイメージ「フジヤマ、ゲイシャ」的な好奇心がベースにあることがうかがわれます。まあいいんじゃないでしょうか。

実際、今年10月に来たというアメリカのWired.comの取材陣は、ショーを観た後、「女性の露出度が激しいのでは? 嫌がるお客様もいるのではありませんか。欧米人から見ると下品と観られるかもしれませんよ」だなんて、ロボットレストランの広報担当者に言ったそうです。確かに、彼女たちの露出度は高いですからね。
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なんだよ、優等生ぶるなよ、とぼくは思いましたね。白人メディアのにわかピューリタン的なスタンスって感じ悪いですよね。でも、その広報担当者ははっきり答えたそうです。「私たちは自分たちのやり方を変えるつもりはありません」と。なんだか頼もしく思ったものです。

もちろん彼らはそれだけの話に終わらせるつもりはありません。基本的には面白がっているからでしょう。『ブレードランナー』や『オースティンパワーズ』『トランスフォーマー』などの自前のハリウッドSF映画を持ち出して、ロボットレストランのショーの魅力を一生懸命解説しようと努めてくれています。『オースティンパワーズ』といえば、おっぱいから機関銃が飛び出すセクシーな女性アンドロイドのfembotsが有名です。そういうバカバカしさの延長線上でロボットレストランを解釈しようとしながらも、ロボットという意匠が放つ「ハイテク・ジャパン」という近未来のイメージと交錯もする。でもやっぱり露出度の高いお色気ダンサーのかわいさもあいまって、とにかくこんなイカした(イカれた?)空間は日本にしかないと観念するというような書きぶりでした。なかには「島国日本の古来からの儀式に思いをはせた」というコメントもあり、これはなかなか鋭いと思いましたね。

英語の記事でいうと、日本で発行されている「WAttension」というフリーペーパーの記事が詳しかったです。きっと海外から来た先入観たっぷりの記者ではなく、日本に住んである程度日本の文化状況に詳しい記者が書いたからではないでしょうか。

WAttension
http://www.wattention.com/

唯一、香港の記事もありましたが、正直いってつまらない内容ですね。もちろん、アジアにもオタクはいるのは確かですが、かの国々のメディアの人たちは、戦後いやというほどアメリカンカルチャーを吸収しつくして開花した日本のポップカルチャーに対する理解、そもそもの現代日本の文化的背景について、まだまだ認識が足りない気がします。きっとまじめすぎるんですね。

「另類日本遊」
壹週刊(香港)2013年10月3日
http://hk.next.nextmedia.com/article/1230/17068490

とはいえこれをもって、ロボットレストランに対する海外メディアの反応は「Cool Japan」だなんて、言っちゃダメだと思います。いえ、まあ言いたきゃ言ってもいいけど、最近このことばがとてもカッコ悪く聞こえるからです。

自己陶酔的なものを感じ、ちょっと引いてしまうのです。だって、もし誰かから「キミ、クールだね」って言われたとしても、そんなのスカして無視するのがフツーでしょう。「ボクってクールでしょ」なんて自分から言うのは、断然カッコ悪いと思う。

ショーが終わったあと、ある西洋人のカップルの若い男性が思わず興奮気味に上げた声が印象的でした。「なんてcrazyなんだ!」。そうです。そういう率直な感想でいいんです。

実は、昨年7月、ロボットレストランがオープンした直後、日本の雑誌メディアもずいぶん取材に来たそうです。その内容については、公式サイトで見ることができますが、ざっと見た感じ、単なるキワモノ扱いなんですね。そういう見方しかできなかったため、日本人の来店は少なかったのではないでしょうか。

ロボットレストラン公式サイト
http://www.shinjuku-robot.com/pc/top.php

ロボットレストランの広報担当者によると、「日本のテレビの地方局に出させていただいこともありましたが、日本ではまだうちの認知度が低いと感じた」そうです。

でもこの日本のメディアの不感症な感じ、よくわかるんです。ロボットレストランの面白さをどう理解していいかわからなかったのでしょう。

それは彼らが外国を旅する人の気持ちを理解していなかったからだと思います。

それはこういうことです。アジアのナイトライフには、バンコクやマニラにあるようなお色気たっぷり、乱痴気騒ぎが付き物です。その世界は、欧米メディアの記者だってよくご存知のはず。しかし、いまの東京にはそういう見世物的な空間が意外に少なかった(外国人が気軽にアクセスできる場所という意味です)。

旅に出ると、人は非日常に惹かれます。だから、ふだんはそんないかがわしい場所に行かないような人でもゴーゴーバーに繰り出すものです。

ロボットレストランはまさにそんな非日常の世界でしたから、欧米客は一斉に足を運んだのです。確かに露出は激しいけど、ニッポンの女の子はどこか幼さも感じられて、セクシーさもきつくない。カップルで訪れた欧米の女性もなんだか許せる気がしたのではないでしょうか。

大澤さんは言います。「なぜ歌舞伎町にオープンしたかというと、日本の疲れたサラリーマンを私たちのダンスで元気づけよう」と。でも、ちょっと内容がぶっ飛び過ぎていたのです。だから、サラリーマンにはウケなかったものの、非日常を求めていた欧米客にウケたのです。

店の外では、欧米客がチケット売り場に並ぶ姿が見られますが、まるでバンコクのパッポン通りのようではないですか。
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今回、ロボットレストランを訪ねて思ったのは、西新宿の焼肉屋『六歌仙』と似ているなあということです。タイ人観光客に大人気の店です。似ているというのは、この店もまったく外国人受けを考えておらず、自らの正しいと信じる道を歩んでいて、それを評価した外国客の口コミで人気となったことです。

訪日外客の誘致も、このあたりにひとつのヒントがあるのかもしれません。

最後に、ロボットレストランの宣伝カーを紹介しましょう。ぼくも新宿3丁目界隈で、この宣伝カーを何度も目撃していました。今では都内のけっこういろんな場所で見られるそうです。2体の「ロボコ」が街を凱旋するきてれつぶりがいいですね。
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そして、㈱ジョセンミュージアム取締役社長兼ダンスチーム女戦(josen)のリーダーで、ショーの演出・構成を手がける大澤奈美恵さんのここだけの個人情報。出身は埼玉県で、前職はアパレルショップで働いていたそうです。とても可憐なニッポン女子です。
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by sanyo-kansatu | 2013-11-16 11:32 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2013年 11月 15日

歌舞伎町の「ロボットレストラン」はなぜ外国客であふれているのか?

10月中旬、インバウンド(訪日外国人旅行)サイト「やまとごころ.jp」の仕事で、新宿歌舞伎町にある「ロボットレストラン」を取材しました。とても面白いスポットだったので、以下その記事を採録します。

やまとごころ.jp「ロボットレストラン」インタビュー
http://www.yamatogokoro.jp/inbound-interview/2013/index06.html
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新宿歌舞伎町に、毎夜外国客であふれる秘密のレストランがある。キュートなニッポン女子ダンサーチーム《女戦~ジョセン~》と巨大アンドロイドによるダンスショーが楽しめる「ロボットレストラン」だ。2013年9月現在、延べ6万9000人の来場者の多くは欧米からの観光客。なぜこの異次元アミューズメントレストランにこれほど多くの外国客が夜毎足を運ぶのか。ダンサーでもある社長の大澤奈美恵氏に話を聞いた。

――ロボットレストランのショーのコンセプトを教えてください。

巨大ロボットと女性ダンサーによる、世界でもオンリーワンのダンスショーをお楽しみいただけます。当レストランにはふたつの顔があります。ひとつはロボットで、高さ3.4mの巨大女性アンドロイド=通称『ロボコ』や、アメリカからやってきたロボット『KING ROBOTA』、小型のロボットダンサーなどがいます。もうひとつが総勢30名のダンサーチーム『女戦~ジョセン~』です。彼女たちは和太鼓を打ち鳴らし、異次元空間を行き交いながら、戦車や戦闘機に乗ってロボットと一緒にダンスパフォーマンスを繰り広げます。
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日本人のみならず、海外からも多くのお客様が訪れています。著名人では、『バットマン』のティム・バートン監督や『スター・トレック』のJ.Jエイブラムス監督、『パシフィック・リム』のギレルモ・デルトロ監督らがご来店いただいています。2013年9月現在、来店者数は延べ6万9000人になりました。
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ショーの構成や演出は、私自身で担当しています。「日本一の歓楽街であるはずの歌舞伎町もいまやシャッター通りになってしまった。強くて美しい女性が世界を元気にしなくては!」というのがコンセプトです。そこになぜロボットかというと、近未来のイメージを打ち出したかったからです。女性ダンサーと一緒にロボットが踊って見せたら面白いじゃないですか。世界中探しても「ここだけにしかないもの」を創りたいと考えていたのです。
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約1時間のショーにお弁当とソフトドリンク付きで料金は5000円です。アルコールなどのドリンクは追加注文できます。ショーは1日3回。その前後は、ロボットや女の子のウエイトレスのいる待合室でおくつろぎになれます。店内の装飾は、スタッフ自らがおもしろいというものを海外で見つけて買い付けました。店内のメンテナンスや営業、広報もすべて自社で行っています。
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――お客さんの反応、楽しみ方はどうですか?

ショーがはじまると、みなさんノリノリです。海外のお客様は比率でいうと欧米の方が多く、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアの方たちがメインですが、盛り上がり方がアジアのお客様と全然違います。それに便乗して日本人も盛り上がってくれます。日本人のお客様は都内の方が多いように思います。
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東京のナイトライフにはこういうショーが楽しめる場は少ないのかもしれません。大型アミューズメントショーレストランとしては、六本木に明治時代の遊郭をイメージした『香和』やニューハーフショーの『金魚』がありますが、うちとはコンセプトが少し違います。

――外国人客はいつごろからどうやって来るようになったのですか?

オープンは2012年7月18日ですが、実は海外のお客様はわりとすぐにいらっしゃいました。正直なところ、海外の方がこんなにたくさん来るとは、まったく想定していませんでした。

日本のメディアより先に海外のメディアが大勢取材にいらっしゃったんです。最初に来たのは、ドイツやアメリカ、イギリスのメディアでした。オープン当初は日本の雑誌にも紹介されたのですが、来店してきたのは、むしろ欧米のお客様だったんです。

欧米メディアの一部はネットでも読めますが、「ブレードランナー」とか「オースティン・パワーズ(007シリーズのパロディ)」のfembotsのようにハリウッドSF映画のキャラクターにうちのショーのイメージを重ねたものや、ダンサーのセクシーさを強調するものなどいろいろです。

外国のお客様はたいてい口コミでうちを知るようです。おそらくメディアの記事やネットを見て、ホテルのコンシェルジュに場所を聞いてご来店されるのでしょう。弊社では女性ロボットの『ロボコ』をトラックに載せて都内を走らせ宣伝しているのですが、そのトラックを見て「なんだろう?」と思われて、あとを付いてきて来店されたというお客様もいました。

ありがたいのは、来店されたお客様の多くがFacebookに書き込んだり、トリップアドバイザーに載せてくださったりして、知らず知らずに知名度が広がっていったことです。いまは空港や観光案内所などに置かれている英語のフリーペーパーに広告を出して、それを手に取られたお客様が……、といった流れでご来店いただいています。
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昨年11月、うちに来店された観光庁の方から新宿のPRビデオの制作のお仕事をいただき、ワンシーンで当レストランを紹介させていただいたこともあります。
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JAPAN VIDEOS Shinjuku
http://www.visitjapan.jp/en/m/player/?video=72

――今後の展望はどうお考えですか?

すべてが“後付け”なんです(笑)。オープン前には外国人向けのPRをするなんて考えていませんでしたから。

今後の展望ということですが、リピーターのお客様に喜んでもらえるよう、ショーの内容を不定期ですが、新しいロボットを登場させたり、ワイヤーアクションを取り入れたりと、どんどん進化させていくつもりです。

このショーを国内外に関わらず、どこかに出店させたり、輸出したりという考えはありません。実は、海外で出店しないかという話を持ちかけられたことはあります。でも、「絶対ここ(歌舞伎町)でしかやらない。支店もいっさい出す考えはない」とはっきりお断りしています。私たちの自慢は「ここだけにしかないもの」をやるということだからです。

自信を持っていいたいのですが、今日ショーをご覧になったら、絶対お友達に紹介したくなると思いますよ。

「ロボットレストラン」
東京都新宿区歌舞伎町1‐7‐1 新宿ロボットビルB2F
TEL:03-3200-5500 営業:18:00〜23:00(予約9:00〜22:00)
http://www.shinjuku-robot.com/pc/top.php
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

他にも興味深いエピソードが盛りだくさんの「ロボットレストラン」。ここで触れられなかったこぼれ話は次回紹介します。

※この1年後、ロボットレストランを再訪しました。その様子は、以下のレポートで。

1年ぶりに再訪。ロボットレストランの客層が変わった!?
http://inbound.exblog.jp/23664029/
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by sanyo-kansatu | 2013-11-15 15:24 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2013年 08月 05日

外国人向け富士山ツアー、続々登場! ただし、欧米客向けばかり!?【2013年上半期⑬富士山2】

富士山の世界文化遺産登録で、増加が見込まれる外国人観光客向けの新しいツアー商品が続々登場しています。

「富士山観光 外国人を狙え ガイド付き高級ツアー、乗り放題切符」(産経新聞2013年6月19日)

同記事では、旅行大手のJTBの「ガイド付き高級ツアー」とJR東日本と富士急行の提携による「乗り放題切符」などについて、以下のように紹介しています。

「JTBが6日に発売した高級ツアーは、東京の高尾山から富士山頂までの行程約100キロを、温泉旅館などに宿泊しながら4日かけて歩く。料金は1人34万8千円(2人1室)で、外国語を話すガイドが同行。登山に関する装備なども貸し出す。『ほぼ毎日問い合わせが来る』(同社)という」

これはかなり本格的なFIT向けのツアーといえそうです。ただし、対象は旅慣れた欧米客に限られるのではないでしょうか。

「JR東日本と富士急行は、外国人観光客向けに2日間有効の割引切符を7月1日から10月30日まで販売する。東京都区内から大月駅(山梨県)までのJR往復に加え、富士急行の大月駅―河口湖駅間などが乗り放題となる」

JR東海の運行する富士山眺望を売りにした臨時列車も紹介されています。

「JR東海は、静岡県の浜松駅―御殿場駅間で臨時急行列車を7月下旬~8月上旬の週末に1日1往復させる。国内、海外からの観光客が対象で、20日から購入できる。窓が大きく景色が見やすい車両に変更し、『富士山を雄大に感じられる』(同社)という」

週刊トラベルジャーナル2013年7月15日号も、「外客に優しいFUJI」と題する特集を組み、新しい外国客向け富士山ツアー商品を紹介しています。

まず訪日外客を専門に扱うJTBグローバルマーケティング&トラベル(JTB-GMT)の催行する外国人客向けツアーブランド「サンライズツアー」の中から以下の最新ツアーを挙げています。

「富士山世界遺産ネイチャーガイドウォーキング」
英語ネイチャーガイドが同行するウォーキングツアー。文化・歴史の説明に耳を傾けながら、富士山の自然を堪能。

「富士山山岳信仰サイクリング」
英語インストラクターの同行による富士山周辺サイクリングを含むツアー。レンタルマウンテンバイクにて25km約2.5 時間のサイクリングで世界遺産構成資産(河口浅間神社・富士御室神社)を巡りながら河口湖(構成資産)を一周する。

「富士山ゴールデン周遊」
本宮浅間神社、白糸の滝、忍野八海など世界遺産構成資産を中心に巡る、従来よりも「富士山」にフォーカスしたツアー。富士山の見どころを満喫。

「富士山山岳信仰ウォーク」
世界遺産登録の礎となった「山岳信仰」をテーマに富士山周辺を散策します。道者体験プログラムとして金剛杖と菅笠(すげがさ)を身につけてウォーキングいただくと共に、御師住宅などを巡り、地元在住専門ガイドより富士山の歴史や文化を学ぶ。

※詳しくは、JTBの2013年6月24日のプレスリリースを参照。
http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00001&news_no=1715

こちらは前述の「高級ツアー」に比べると誰でも参加しやすい一般的な内容ですが、やはり基本的に欧米客を対象としたツアーといえるでしょう。

一方、はとバスはこれまで中国語圏を対象にしていたバスツアーを英語圏にも広げる動きを見せています。

「はとバスでは、2005年から中国、台湾、香港などの中華圏市場を対象に中国語によるバスツアーの運行を開始。『富士山五合目と山中湖温泉』などの富士山観光の利用者も順調に増加して、11年には年間で1万人を突破する見通しだったものの、東日本大震災の影響により一時的に需要の低迷を余儀なくされる形となった。昨年から再び中華圏市場の回復が進み、『今年は年間利用者が1万人に迫るペースで推移』(はとバス広報室)

(中略)

これまで中国語だけの対応になっていた富士山観光について、より多くの外国人旅行者に楽しんでもらおうと、7月から英語で案内するバスツアーも2コース設定。人気の高い箱根と組み合わせた『富士山五合目と箱根』、富士山とフルーツを楽しむ『富士山五合目と山梨フルーツ狩り』はいずれも日帰りコースで、出発地の浜松町までは都内主要ホテルからの迎えサービスも付加し、初めて来日する外国人旅行者も参加しやすい工夫が加えられている」

「高速乗り合いバス」大手のウィラートラベルでも、外国人向けの富士山ツアーを始めています。

「ウィラートラベルの外国人向け富士山登山ツアーは、富士吉田市に登録された富士山登山専任ガイドが同行するプランに、登山開始から下山まで英語で通訳のできる添乗員が同行。富士山登山の際のペース配分や歩き方の指導を英語で行うと同時に、高山病など緊急時の応急処置や天候悪化への対処が必要な場合なども英語で説明できるようにした」

日本の旅行会社が新しく企画した多彩な富士山ツアーは、内容的にみてもクオリティの高いものが増えていますが、残念ながらその大半は英語圏の人たちを対象にしたものです。訪日客の4分の3を占めるアジア客の中にも、英語を使える東南アジア系の人たちがいるとはいえ、どこまで彼らにアピールできているかが気になります。

同誌では、台湾の女性客向けの新機軸のツアーについても紹介しています。

「台湾から富士山への旅行は、これまで富士五湖周辺が主な目的地で、一般旅行者に向けた現地の温泉やスパなどレクリエーションを中心としたものがコースに組み込まれている。(中略)台湾近畿国際旅行社では、台湾における会社設立以来さまざまな市場に向け、スポーツ、高級、女性向けといったテーマ商品を売り出している。なかでも富士山ツアーに関しては、台北/静岡直行便を利用した台湾人女性向けの富士山登山5日間のツアーを販売中だ。

このツアーは、ティー・ゲートが運営する『旅の発見』と提携したもので、台湾女性向けの富士登山1泊2日コースである。女性専用とあって、プロの女性登山ガイドと、長年の経験を持つプロの登山隊が同行し、参加者に2重の安心が保障されている。登山コースは、景観の美しい富士宮口5合目から出発し、御殿場方面へ下山する。6合目に到着後、皇太子殿下が下山したことからプリンスルートと呼ばれる道を進み、富士宮口5合目へ戻る。

登山のほか、清水港付近のちびまる子ちゃんランドや、大井川鉄道SL列車に乗車、大型アウトレットがある御殿場にも立ち寄る。台湾人女性旅行客の最も好きな要素ばかりを組み込んだ商品として話題を集めている」

2012年に就航したチャイナエアライン(CI)の台北/静岡線を利用したこのツアーは、同年6月に台湾で営業を始めた近畿日本ツーリストの現地法人の台湾近畿国際旅行社が催行したものです。本来、日本のツアーは国内の観光事情に詳しい日本の旅行会社が得意とするはずですが、中華圏の観光客の多くは、在日アジア系の旅行会社の手配するツアーに参加しているのが現実です。中身より安さに流れてしまうからでしょう。

これからは「安かろう悪かろう」に流れがちなアジア客向けにも、日本の旅行会社の現地法人による新機軸の旅行商品の存在をもっとアピールしていく必要があると思います。いつまでも「安かろう悪かろう」では彼らが気の毒ですから。
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by sanyo-kansatu | 2013-08-05 09:32 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2013年 07月 27日

富士山の世界遺産登録は訪日外客にも確実に影響を与えています【2013年上半期⑪富士山1】

「富士山が世界遺産になるらしい」と最初に報道されたのは、今年4月末のことでした。

世界的な知名度からしても、富士山は日本で最初に世界遺産になってもおかしくないと多くの人が感じていたでしょう。それは、外国の人たちにとってもそうだったようです。以下、登録をめぐる報道を書き出してみます。
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「富士山 世界遺産へ 信仰 芸術 日本文化育む」(朝日新聞2013年5月1日)

「国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に、『富士山』(山梨、静岡両県)が登録される見通しとなった。世界遺産委員会の諮問機関が勧告した。共に登録を目指している『武家の古都・鎌倉』(神奈川県)は、日本が単独で世界遺産に推薦したものでは初の『不登録』の勧告で明暗が分かれた。6月16日からカンボジアのプノンペンで開かれる世界遺産委員会で最終的に決まる」

同紙では、「富士山 積年の正夢 『日本人の心』感無量」と「20年にわたって市民らが進めてきた活動」が認められた関係者らの喜びを報じています。

それからしばらく後、プノンペンで開催された委員会で、ついに富士山の世界遺産登録が正式に発表されました。6月下旬のことです。

「富士 万感の絶景」(朝日新聞201年6月23日)

「土壇場の逆転劇だった。22日、正式に世界遺産入りが決まった富士山。事前の除外勧告を覆し、三保松原の登録も認められた」。

同紙では、各国の代表団が三保松原を登録に入れるよう応援演説してくれた様子をこう報じています。

「三保松原の逆転登録を導いたのは、20分に及ぶ各国からの応援演説だった。口火を切ったのはドイツ代表団だ。『三保松原はすばらしい景観。富士山と一体とみなすべきだ』。するとメキシコ、セネガル、タイが賛同。マレーシアの代表団が『富士山の精神文化を語るうえで三保松原は重要』と述べると、カンボジア、ロシア、フランス……と続いた。三保松原から望む富士の風景が画家にインスピレーションを与えた功績をたたえる意見陳述もあった。それぞれの代表団は、英語、仏語、スペイン語などで、たどたどしい発音ながら『ミホノマツバラ』を連呼し、登録に含めることを訴えた。賛同の意見は、日本を除く世界遺産委員会の委員国20カ国のうち19カ国からあり、登録を決定づけた」。

こうなると富士山観光が俄然注目されることになります。

「富士山ツアー有頂天 はとバス予約倍増」(毎日新聞2013年6月25日)

「世界文化遺産登録を機に、富士山(山梨、静岡県)の登山・周遊ツアーが好調だ。世界遺産の構成資産を巡るコースや、英語が話せる添乗員が付くプランを新設するなどツアー会社も知恵を絞る」

「首都圏発の富士登山ツアーを主催する『はとバス』(東京都大田区)。7月からの富士登山ツアーの予約は昨年の9割増し。広報担当者は『週末を中心に満席もある』と話す。7月からは、忍野八海→旧外川家住宅→白糸ノ滝→富士山本宮浅間神社の4カ所の構成資産を巡る新ツアーを実施する」

「富士山 路線バス売り込め 富士急『世界遺産めぐりルート』」(日本経済新聞2013年7月9日)

「富士急行は12日から『世界遺産めぐりルート』の統一名称で路線バスの需要拡大を目指す。全路線が2日間乗り放題となる切符を発売。富士急ハイランド(富士吉田市)を起点に5カ所の構成資産への立ち寄り可能な循環路線を新設した」

ちなみにぼくの地元のバス会社でも、富士急ハイランドへの往復の高速バスと入場券をパックにした「得Q PACK」のチラシを出していました。「世界遺産」をドーンと打ち出しています。
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一方、登山者の急増による環境破壊や事故を懸念する声もあります。

「弾丸登山 富士悩む 徹夜登頂 事故の恐れ 入山制限の動き」(朝日新聞2013年6月26日)

「来月1日の山開きに向け、山梨、静岡両県などが『弾丸登山』(山小屋などに泊まらず徹夜で登り下りする0泊2日の登山者を指す)の自粛を呼びかけている」。

同紙によると、富士吉田口からの昨年7~8月の登山者は25万人でしたが、今年は30万人を超すと予測されているそうです。7合目以上の山小屋は14軒で宿泊可能なのは3000人。収容能力からすれば、夏山シーズン中の登山者は18万人余りが適正とする意見もあるそうです。そんなこといっても、確実に増えるであろう登山者をどう管理するか、これは大変そうです。

ところで、富士山の世界遺産登録は訪日外客にも確実に影響を与えています。先日、そう話してくれたのは、アジアインバウンド観光振興会(AISO)の王一仁会長です。

「この夏、東南アジア方面からの訪日客が増えてていすが、そのほとんどの人たちが世界遺産に登録された富士山に行きたいと考えているはずです。実際、私の会社でもシンガポール客向けの富士山1泊2日のオプショナルツアーを企画しています。日帰りにしないのは理由があります。彼らは、富士山に登りたいというより、富士山の見える温泉旅館でゆっくり一泊したいと思っているからです。

この夏、このままだと富士山周辺はバスで大混雑になることが予想される。せっかく訪ねた富士山のイメージが悪くなってしまうのが心配です。

特にバスが集中する五合目には、私の会社のツアーでは行かないことにしています。五合目からの眺めが必ずしもいいとはいえないからです。富士山はもっと遠くから眺めたほうが美しい。そういう眺めのいいポイントを選んでお客さんを案内する必要があると感じています」。

東南アジアの人たちは山歩き、いやそもそも外で歩くことがあまり好きではありません。だとすれば、場所や季節によってさまざまに異なる富士山のビューポイントを複数取り入れて案内するといいかもしれません。

プノンペンで富士登山に直接関係のない三保松原を世界遺産登録に導いてくれた世界各国の皆さんの評価から考えても、登山にこだわらず、外国人客向けに眺望に特化したツアーを企画するのは意味があることではないでしょうか。前述の25もあるという世界遺産の構成資産からそれぞれの国の人たちが好みそうなポイントを選んで周遊する特設コースを企画してみる、なんてのはどうでしょう。

どうやらそれは外国人客だけにいえることではないようです。混雑する頂上までの登山をやめて、「ふもと登山」を楽しむというスタイルもあるそうです。

「『山麓の魅力も楽しんで』と、富士吉田市がアピールするのは『ふもと登山』だ。市は7月に4回、富士山の標高に掛けて計223人限定の1人3776円のツアーを企画。山麓の史跡や原生林に親しみながら登り、5合目の山小屋で1泊、頂上には行かず、6合目でご来光を拝んで帰る。担当するJTBコーポレートセールス(東京都新宿区)は『問い合わせが多く、半分が予約で埋まった』と話す」(毎日新聞2013年6月25日)

今年の夏は富士山周辺が相当騒がしくなることは避けられないようですね。富士山観光の新しいスタイルやさまざまなバリエーションがこれからますます求められることになるのだと思います。
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by sanyo-kansatu | 2013-07-27 18:15 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2013年 07月 27日

スカイツリーは外国人客を呼び込めるのか?【2013年上半期⑩ツリー効果】

東京スカイツリーが2013年5月22日で開業一周年を迎えました。各紙は当初の想定以上ににぎわいを見せているスカイツリー現象について、人気の背景や経済効果について分析しています。
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「ツリー人気衰えず 22日で開業1年 来場者はディズニーの1.8陪」(読売新聞2013年5月20日)

「東京スカイツリー(東京都墨田区、634m)が今月22日に開業から1年を迎える。(ツリーと商業施設『東京ソラマチ』に)想定を大きく上回る5000万人以上が訪れた」「事前予測の3200万人を大きく超え、昨年度の東京ディスニー・リゾートの1.8倍になる」と報じています。

人気の理由について、事業主体の東武鉄道は「震災の1年後に開業して、復興の象徴のように好意的に報道された。強風での休業が年間3日で済んだことも大きい」とみているそうです。

●主な観光地の最新の年間入場者数

東京スカイツリーと東京ソラマチ 5000万人(うちツリーは630万人)
六本木ヒルズ 4100万人
東京ディズニー・リゾート 2750万人
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン 975万人
東京タワー 243万人

さらに、「東京ディズニーランドの30周年、渋谷ヒカリエやお台場のダイバーシティ東京プラザの開業が重なって、東京全体が観光地化し、相乗効果が生まれている」というJTB関係者のコメントを挙げています。これら話題の商業施設はすべて震災の翌年にオープンしているんですね。

「スカイツリー1周年 笑顔も突き抜けた」(産経新聞2013年5月23日)は、「国内随一の集客力を誇り、『観光ニッポン』の新しいシンボルとなった東京スカイツリー(東京都墨田区)。『訪れる人たちみんなが笑顔』。開業1周年の22日に来た観光客はこう印象を語る。浅草など周辺の観光地では客足が伸びるなどの相乗効果も生まれている。深刻化していたごみ問題もマナー向上で改善しつつあり、ツリーのにぎわいは2年目も続きそうだ」と報じています。

また同紙でも、お台場のダイバーシティ東京プラザや渋谷ヒカリエなど同じ年に開業した商業施設がともに当初の目標を超える売上や来場者数を見せたことを「スカイツリーとの相乗効果」として分析。「スカイツリーの開業以降は観光地としての魅力が東京全体でアップした」と指摘しています。

東京の観光シーンに与えたスカイツリー効果については、「下町ツリー 首都席巻 観光、東京一人勝ち」(朝日新聞2013年5月23日)でも報じられました。

同紙で「東京一人勝ち」とコメントしているのは、はとバスの広報室長です。同社では展望デッキ入場券付きツアーが好評だといいます。

ところが、このにぎわい、日本人にだけしか共有されていないようにも見えます。そう、ツリーを訪れる外国人客はそれほど多くないかもしれないのです。

「スカイツリー特需 観光業界“ご満悦”」 (産経新聞2013年5月23日)によると、「東京スカイツリーが予想を超える人出を記録する中、関連業界が『スカイツリー特需』に沸いている。事業主体の東武鉄道だけでなく、ホテルなど幅広い企業が恩恵を受けている」「波及効果も大きい。はとバスが運行し、他の観光スポットと合わせて展望台を訪れるコースは、平均乗車率が約9割で、スカイツリーを含まないコースの6割を大きく上回る」としていますが、その一方で「外国人観光客は現在来場者の1割に満た」ないというのですから。

もっとも、今年に入って浅草には外国人客が増えてはいるようです。「浅草『昭和のにぎわい』 雷門通り路線価9%上昇」(朝日新聞2013年7月1日)では、浅草の雷門通りが東日本の路線価アップのトップになったと別の観点からツリー効果を報じ、さらに「この1年で外国人観光客が急激に増えた。浅草が一番にぎやかだった昭和30年代初めに戻ったようだ」という浅草寺参道仲見世で土産店を営む女性の声を紹介しています。

しかし、浅草に外国人客が増えたことは、ツリー効果とはそれほど関係ないのではないでしょうか。

ぼくがそう考える理由として、訪日客の4分の3を占めるアジアの新興国における近年の高層建築ラッシュがあります。

朝日新聞2012年4月25日の折り込み特集「GLOBE 巨大建築」によると、2012年、世界一高い建築物はドバイのBurj Khakifa(828m 2010)です。以下、トップ10は以下のとおりです。

2位 Taipei 101(508m 2004 台北)
3位 Shanghai World Financial Center(492m 2008 上海)
4位 International Commerce Center (484m 2010 香港)
5位 Petronas TowerⅠ(452m 1998 クアラルンプール)
5位 Petronas TowerⅡ(452m 1998 クアラルンプール)
7位 Zifeng Tower(450m 2010 南京)
8位 Willis Tower(442.1m 1974 シカゴ)
9位 Kingkey 100(441.8m 2011 深圳)
10位 Guangzhou International Finance Center(439m 2010 広州)

現在世界の高層建築のトップ10は、1970年代にシカゴで建てられたWillis Towerを除き、すべてアジアの新興国で建てられたものなのです。

それは何を意味するのか。アジアの新興国から日本を訪れる観光客は、普段から高層建築を見慣れていることから、スカイツリーに対してそれほど特別な魅力を感じていないかもしれないと考えられるのです。

多くの日本人がスカイツリーを「復興の象徴」として見るような、ある意味情緒的な捉え方を、外国人客に期待しても無理があります。このあたりの認識のズレや温度差は、いたし方ないことといえるでしょう。

前述の朝日新聞2013年5月23日では「アジア客誘致へPR」として「訪日外国人の誘客を進める観光庁は、スカイツリーの開業を、震災やウォン安の影響で落ち込んだ韓国からの観光客が増える『切り札』と位置付ける」「韓国の大手テレビ局を東京に招待。平日夜の情報番組で、スカイツリーと東京の魅力を放送してもらう」「中国や香港、台湾の旅行会社なども日本に招き、スカイツリーの魅力を押し出したツアーをつくってもらうことも予定している」とあります。

「観光庁の担当者は『欧米人は伝統的な日本を好むが、アジア人は都会的な日本が好きでスカイツリーはPRにピッタリ』と意気込」んでるそうですが、はたしてそうなのでしょうか。アジアの新興国の人たちから見て、時代の最先端を日本に求めるような感覚は、もしかしたらもう薄らいでいるかもしれないからです。むしろ日本の普段着の生活文化の質の高さに、彼らはだんだん気づき始めているということなのではないか。

そういう意味では、彼らがスカイツリーをどう見ているかという視点を加え、もう少し別の観点からアピールポイントを付加しないとアジアの新興国の人たちを納得させるのは難しいのでは、と思います。

ところで、なぜ上記のランキングにスカイツリーが入っていないかというと、「ランキングをつくった『高層建築と都市居住に関する国際委員会』(CTBUH、シカゴ)によると、高さ比較の対象は『全体の高さのうち少なくとも半分が実用フロアのビル』」だからだそうです。展望台などわずかな実用スペースを持たないスカイツリーはランキングから除外されているのです。
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by sanyo-kansatu | 2013-07-27 15:44 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2013年 07月 24日

無敵の東京ディズニーリゾートも外国人客比率はわずか3%!?【2013年上半期⑧テーマパーク】

2013年4月15日、東京ディズニーリゾート(TDR)は開業30周年を迎えました。
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「東京ディズニーリゾート 30年とけない魔法」(朝日新聞2013年4月14日)によると、「この3月までの1年は(入場者数)2750万人。過去最多だ。使うお金も前年を越す1万420円(入場券込み)との予想」「よちよち歩きの子どもが親となり、自らの子どもの手を引いて同じ場所でカメラにおさまる。入園者も、使うお金も過去最高だ。『夢と魔法の王国』はデフレにも強い」とその好調ぶりを報じています。

背景には「83年、TDLが開園し、01年には隣にディズニーシーがオープン。30年がたち、大きな強みは3世代で楽しむ人たちが増えていること」だと指摘しています。

読売新聞も3回に分けてTDRの「圧倒的な集客力の秘訣」を次のように解説しています。

「3世代でディズニー 大人のファン着実に獲得」(読売新聞2013年4月16日)

「(日本の人口構造における)ファミリー層の減少はレジャー産業には逆風となる。この課題に対応しようと、TDRを運営するオリエンタルランドは経営手法を変えてきた。07年度から『ディズニーのおとな旅』という周遊プランの販売に力を入れている。(中略)こうした取り組みで、TDRの11年度の入場者に占める40歳以上の割合は19%と、97年度から10ポイントも上昇し、全体の入場者数も右肩上がりで伸びている」

「巨額投資と集客 好循環」(同4月17日)

「TDLとTDSが、何度も訪れるリピーターを引きつける力の源泉は、入場者を飽きさせないためにアトラクションなどに投じる巨額の設備投資だ」「(その額は)この10年間、アトラクションの新設、パレード、イベント、直製ホテルの建設など年平均で約351億円」「例えば、約210億円をかけてTDSに作ったタワー・オブ・テラーが誕生した2006年度の入場者数は前年度から105万人増えた」「巨額の投資を客足の増加に確実につなげる好循環が確立しているのだ」

「おもてなし術 業界に浸透」(同4月18日)

「30年間かけて進化したTDRのきめ細かい接客は、テーマパーク業態全体に広がりつつある」と指摘し、ハウステンボスなどもTDRをお手本に接客研修を始めていることを報じています。

「主要テーマパーク好調」(日経MJ2013年4月29日)によると、TDRに限らず、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)やハウステンボスなど、日本を代表する3つのテーマパークが好調な集客を見せているとのこと。「新アトラクション効果や消費改善」が利いているそうです。その一方で、「大手は好調 中小厳しく 遊園地・テーマパーク」(日経MJ2012年11月14日)との報道もあります。テーマパークの集客にも二極化が起きているようです。

ところで、TDRに外国人客はどのくらい来ているのでしょうか。TDRを運営するオリエンタルランドのHPをみると、入場者の外国人比率は、最新の2011年が震災の影響でわずか1.3%、その年の入園者数が2534万7000人ですから、33万人弱の計算になります。過去6年間で最も比率の高かった2007年で4.2%、外国人客は約107万人になります。以後、若干減少して平均すると、わずか3%前後のようです。

TDR 入園者数データ(オリエンタルランド)
http://www.olc.co.jp/tdr/guest/

【追記】
上記データによると、2014年の外国人比率は5%のようです。

とはいえ実際のところ、この数字が少ないといえるのかどうか、判断する指標はありません。たとえば、2007年の訪日外国人数のトータルは835万人、そのうち107万人がTDRに来たとすると、13%弱ということですから、けっこう高い比率といえるかもしれません。他のアジアのテーマパークを例に出すと、香港ディズニーの2011年度の入場客数は590万人と振るいませんが、韓国のロッテワールドは758万人で、前年度比36.6%増。中国からの観光客が増えた結果、これほどの伸びを見せたそうです。

世界のテーマパーク入場者数報告(Global Attractions Attendance Report)http://10rank.blog.fc2.com/blog-entry-36.html

国内では飛びぬけた存在となったTDRは、今後「日本流の独自色を強く打ち出す」そうです。

「日本流で『祭り』に華 参加型の企画、本家も逆輸入」(日本経済新聞2013年1月8日)

たとえば、「TDS限定のダッフィーのぬいぐるみは今やグッズ販売の稼ぎ頭。11年夏には一緒に写真撮影などができるアトラクションが登場し、今回の正月イベントではミッキーと並ぶ主役に躍り出た。その評判は海を渡り、香港ディズニーランドが導入。米国のディズニーランド・リゾート(カリフォルニア州)やウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(フロリダ州)も『逆輸入』している」。

また夏のイベント「ディズニー夏祭り」は「日本の伝統的な夏祭りをディズニー流に演出したイベントは話題この演奏などに合わせ、キャラクターがダンスを披露。ちょうちんや旗で飾り付けた園内ではお面やうちわなど夏祭りの定番グッズを販売し、お好み焼きやかき氷も用意する」。

「TDLの建設・運営に関し、米ディズニーと基本合意したのは1979年。以来、オリエンタルランド(OLC)は米ディズニーを手本にしてきた。その姿勢を見直し、テーマパーク運営で独自色を打ち出すようになった背景には日本の消費者の変化がある」「参加型の企画」が求められているそうです。

こうして日々独自に進化を続けるTDRは、国内の他のアミューズメント施設のように、入場客の減少を外国人客で補う必要などなさそうです。いまやTDR発の企画が海外に「逆輸入」されるほどなのですから。すごいことですね。

※ちなみに、2013年は国内のテーマパークに多くの東南アジア客が訪れたようです。

テーマパーク、東南アジア客をつかむ
http://inbound.exblog.jp/22017310/

【追記】
この記事は3年前に書かれたものです。最近の報道によると、2015年のTDRの外国人比率は6%になっているそうです。またTDRの入園者数は伸び悩んでいて、代わりに大阪のUSJが好調といいます。

上海では6月中旬、いよいよ上海ディズニーがオープンします。

今年6月にオープンする上海ディズニーの公式ショップを覗いてみた
http://inbound.exblog.jp/25579060/

(2016.4.11)
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by sanyo-kansatu | 2013-07-24 17:58 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2013年 07月 13日

ミャンマー人の日本ツアーは奈良と鎌倉の大仏をハズさない!

今年3月下旬、ある知り合いのミャンマー人から突然ぼくの携帯に電話がかかってきました。彼はヤンゴンで旅行会社を経営しているミャンマー人で、以前ぼくがかの地を訪ねたとき、お世話になった人でした(→「ミャンマー人が日本旅行で行きたい場所は?」)。

彼が言うには「この1年でミャンマーは大きく変わりつつある。これからはミャンマー人が日本に旅行する時代になります」というわけです。彼の会社でも近いうちにミャンマーのお客さんを連れて日本旅行を始めようと考えているそうです。

「なにかお手伝いできることはありますか?」
軽い気持ちでぼくがそう言うと、彼は即座に
「だったら、日本を案内する本を一緒につくりましょう」

彼と最初に出会ったのは、もう10数年前のこと。当時旅行ビジネス系の版元に勤めていたころで、彼はぼくがいわゆるエージェントではなく、編集者であることを知っていたのです。だから、そういう提案をしてきたのだと思われます。

最初は半信半疑でしたが、それから数ヵ月後、ミャンマー人の日本7泊8日ツアーのスケジュールが書かれた書類がEMSで届きました。それが以下の3枚のミャンマー語の書類です。
b0235153_1556158.jpg
b0235153_1556899.jpg
b0235153_15561686.jpg

もちろん、ぼくにはミャンマー語を解読することはできません。彼に書類が届いた旨をメールすると、後日翻訳して返信してくれました。以下、その内容です。

1日目 ミャンマー(ヤンゴン)発バンコク経由成田へ(タイ国際航空利用)

2日目 朝成田着。浅草(観音菩薩)、皇居、東京タワー、銀座
    メトロポリタンホテルhttp://www.metropolitan.jp/(同等)泊

3日目 東京ディズニーシー、新宿で買物
    メトロポリタンホテル(同等)泊

4日目 鎌倉(大仏)、箱根、小涌谷 、芦ノ湖海賊船クルーズ
    富ノ湖ホテル(河口湖温泉)http://www.tominoko.net/(同等)泊

5日目 富士山五合目。新幹線で大阪へ
    シェラトン都ホテル大阪 http://www.miyakohotels.ne.jp/osaka/(同等)泊

6日目 京都(金閣寺、清水寺、祇園ほか)
    シェラトン都ホテル大阪(同等)泊

7日目 奈良東大寺(大仏)、興福寺、奈良公園、大阪心斎橋
    シェラトン都ホテル大阪(同等)泊

8日目 関西空港発バンコク経由ヤンゴンへ(タイ国際航空利用)

このスケジュールを見ながら思うのは、さすがは仏教に篤いミャンマー人。日本に来る以上は奈良と鎌倉の日本2大大仏の参拝をはずしていません。観光ポイントもやたらとお寺が多い。これは伊達じゃないんだろうと思います。ミャンマー人からみれば、日本もまた仏教国の仲間。海外でお寺を参拝することは、彼らにとって徳を積むことになるのでしょう。こういうメンタリティは、同じ仏教徒のタイ人にもあるようなことを聞きますが、たぶんミャンマー人ほど徹底してない気がします。

とはいえ、もちろん彼らは世界遺産となった富士山や京都にも行きますし、ディズニーシーだって行っちゃいます。温泉にもつかるし、新幹線にも乗るし、まったく盛りだくさんなツアーですね。

けっこうツアー料金はかかりそう。ホテルもそこそこのランクですし……。でも初めて日本に来るなら、やっぱりこれくらいのゼイタクをしてもらいたいものです。

さて、これからこのツアーの訪問地の情報と写真資料を集めて、彼に送ることになっています。このツアーが実現するのはいつのことになるのか。ちょっと楽しみです。
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by sanyo-kansatu | 2013-07-13 15:58 | “参与観察”日誌 | Comments(0)