ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2015年 08月 18日

台湾のドラッグストア研究家の鄭世彬さんがWBSに出演しました

今年の春先、ある台湾の作家に出会いました。鄭世彬さんという日本の医薬品やコスメの研究家で、台湾で多くの関連書籍を上梓しています。彼の経歴やこれまでの活動については、以下のエントリーで紹介しています。

台湾のドラッグストア研究家、鄭世彬さんと知り合う(2015年2月27日)
http://inbound.exblog.jp/24182824/
台湾で売れてる日本のドラッグストア購入ガイドが面白い(2015年4月1日)
http://inbound.exblog.jp/24310398/
台湾で日本のクスリと美容商品が人気の理由(2015年4月2日)
http://inbound.exblog.jp/24314372/
日本ドラッグストアショーは面白くてタメになるイベントでした(2015年4月3日)
http://inbound.exblog.jp/24318021/
これはやばい!? 日本にはおかしな中国語表示があふれている(2015年4月17日)
http://inbound.exblog.jp/24370756/

仕掛け人が激白!「爆買い商品はこうつくれ」(プレジデント2015.6.1)
http://inbound.exblog.jp/24486630/

その鄭世彬さんが8月10日のテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」に出演しました。
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爆買いの新定番“神薬”
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/feature/post_95333

「今、中国人観光客に一番人気の土産物が「神薬=かみやく」。日本で一般的に売られる市販薬がこう呼ばれています。ブームのきっかけは、日本のドラッグストアで販売している化粧品や薬を紹介したガイドブック。中国では日本で絶対に買うべき薬として「12神薬」が紹介されています。福岡にある免税ドラッグストアでは、連日中国人観光客が市販薬を「爆買い」していきます。小林製薬は、「神薬」効果で、液体絆創膏「サカムケア」が去年の5倍以上売れていて、インバウンド需要への対応を強化しています。「神薬」ブームの火付け役は、台湾のドラッグストア研究家・鄭世彬さん。来日した鄭さんは10社の日本企業や自治体などと面会しました。外国人ならではの目線で、中国や台湾の観光客の好む商品の販売方法などを提案。今後も、著書などで日本の優れた商品が誤用されないように伝えたいとしています」。

まだ彼と知り合って半年もたたないのですが、どんどん活躍の場を広げていく様子がとてもうれしいです。こういう方には、もっと日本のためにもがんばってもらいたいし、こちらもできる限り応援したいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2015-08-18 14:25 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2015年 08月 15日

新しく新宿にできたLAOXを訪ねてみました(ここは消耗品がおみやげとして販売される店です)

今年6月6日、新宿にLAOXがオープンしています。

LAOX新宿本店
http://www.laox.co.jp/stores/shinjuku/

中国人ツアー客に限らず新宿は多くの外国人観光客が訪れる場所ですから、当然LAOXはいつか出店してくるだろうと思っていました。場所は伊勢丹の向かいのJTBの入っている同じビルの中です。

今日の午後、新宿三丁目を友人と歩いていて、時間があったので、中を覗いてみることにしました。
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店舗はビルの5階~8階の4フロアです。入り口からエスカレーターで5階まで上がることになります。なんとなく一般の日本人は入りにくい雰囲気です。
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各フロアの構成は以下のとおりです。
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5階は時計や宝飾関係。
6階は化粧品や医薬品、食品など。
7階は家電用品。
8階はブランド品。

6階には、コーセーの雪肌精や花王のメリーズなどの人気定番商品が置かれています。
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またこのフロアにはハラル食品の小さなコーナーもありました。
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キティちゃんのゴーフレット(焼き菓子)もハラル食品だそうです。館内にはムスリム客用の礼拝コーナーも設置されています。なんでも販売スタッフの中にムスリムもいるそうです。
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7階では、炊飯電気釜と温水洗浄便座が山積みされていました。
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これが8階です。ラオックス初の自社アパレルブランド「ORIGAMI」のショップもあります。カフェスペースも併設しています。

オンワードHDが免税店・ラオックスと新会社設立、"メイド・イン・ジャパン"のアパレルをグローバル展開
http://fashionmarketingjournal.com/2015/06/ONWARD-LAOX.html
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店内は閑散としていました。銀座や秋葉原、そして九州のLAOX博多が中国客であふれていたのと比べると、ちょっと意外です。

中国クルーズ客は博多に上陸後、どこへ行くのか?
http://inbound.exblog.jp/24731238/


理由は店の前にバスを停めることができないからでしょうか。銀座や秋葉原のLAOXの店舗の前にはたいていバスが停まっています。店の前で客を降ろすためですが、新宿では無理です。中国ツアーバスの路駐スポットとなっている新宿5丁目からは徒歩3分の近さなので、来店するのにそれほど苦労はなさそうです。ただし、歩道もそれほど広くないので、団体客には利用しにくいかもしれません。

店内にたまたま4人組の欧米の個人客が来店していました。彼らは何かを購入しに来たのでしょうが、5~6階ではさっとフロアを見るだけで、売り場に行く気はなさそうです。彼らにすれば、免税店でおむつや化粧品、医薬品などのような日用品をおみやげに買うという発想がないからです。そもそも旅先で消耗品を帰国後のために山のように買うという消費行動は中国客特有のものだからです。

8階では、浴衣などが当たる抽選会をやっていました。
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https://www.laox.co.jp/cn/laoxinfo/
Laox信息 2015.07.31 纳凉之旅:穿浴衣去哪儿?

こういうキャンペーンはスケジュールの決まった団体客には利用できず、個人客しか楽しめません。

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そういう意味では、新宿の真ん中にずいぶん特殊なショッピングスポットができたものだとあらためて思ってしまいました。もちろん、周辺のドラッグストアや家電量販店、そして伊勢丹でも外国客の買い物が増えています。ただし、それらの店とここが違うのは、中国人が旅先で日用的な消耗品をおみやげとして大量に買うという消費行動をとることと、彼らの海外ツアーがキックバックスキームに支えられているというふたつの条件が前提となって成立していることです。

とはいえ、LAOXもそのスキームだけに頼るのではなく、急増するさまざまな国籍の個人客を取り込みたいと考えているはずです。ムスリム対応もその布石なのでしょう。その試金石となるのが新宿出店なのかもしれません。
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by sanyo-kansatu | 2015-08-15 17:59 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2015年 07月 28日

中国クルーズ客専門ドラッグストア「ドラッグオン」を福岡に開店した理由

今年50万人の中国クルーズ客が押し寄せることになっている福岡で、LAOXに負けじとドラッグストアを開店した地元企業が現れています。

今年2月に開店したドラッグオン福岡(株式会社ケアルプラス)で、場所は福岡空港の裏手の住宅街にあります。
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ドラッグオン福岡(訪日外国人観光客インバウンド対応型大型免税ドラッグストア)
https://www.facebook.com/drugonfukuoka

今年上半期、中国客の“爆買い”のターゲットは、ドラッグストアで販売される日本の家庭常備薬や化粧品、健康・美容商品だったことは知られていると思います。当然、クルーズ客の購入ニーズはそこに集中します。

社長もビックリ! 「爆買い」で売れまくる日本の“神薬”
http://www.iza.ne.jp/topics/world/world-7309-m.html

だったら、誰かがその受け皿をつくらなければ…。すべてをLAOXに持っていかれてはたまらないし、もしそうなってしまうと、福岡の人たちはこう思うことでしょう。「所詮、中国人は中国人の店でしか買わない。それなら、我々には関係ない。勝手にすればいい」。

こうしたことから、福岡の人たちは現在のクルーズラッシュをどこかクールに受け流しているという声もあります。

その一方で、「せっかくこれだけ多くの人たちが福岡に来てくれるんだから、彼らのニーズに応えて儲けさせてもらおうじゃないの」。そう考える地元企業が出てきてもおかしくないでしょう。それがドラッグオン博多だというのです。

クァンタム・オブ・ザ・シーズが寄港する日の午前中、ドラッグオン博多を訪ねました。福岡空港からタクシーで15分近く走った場所にその店はありました。店頭に「热列欢迎皇家加勒比海洋量子号游轮贵宾」(ロイヤル・カリビアン社クァンタム・オブ・ザ・シーズのお客様を熱烈歓迎します)と書かれた垂れ幕が掲げられていました。
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店内にはまだクルーズ客は現れていませんでしたが、陳列される商品や中国語簡体字オンリーのポップなどを見る限り、そこは日本のドラッグストアとは思えません。
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昨年秋に中国のネット上で流通した「神薬12種」(日本で買うべき家庭常備薬リスト12種)をまとめた棚もあります。
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日本に行ったら絶対に買うべき12の“神薬”とは?
http://www.recordchina.co.jp/a96011.html

棚の上にはそれぞれのクスリに関する詳しい解説もあります。
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中国客を意識したPM2.5対策商品の棚もあります。
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この店の人気商品のラインナップも。よく中国客は事前に日本で買うべきものをリストにしているといわれますが、クルーズ客は消費が進んだ上海の人たちばかりではなく、内陸の人も多いので、店内には彼らが何を買うべきかについて懇切丁寧に情報提供されています。
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昨年10月以降、クスリなどの消耗品も外国客には免税扱いとなったことから手続きに関する解説です。
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そして、これがこの店の最大の特徴、店員のほとんどは中国人です。これでLAOXと同様に、大量のクルーズ客の受入を可能としたのです。
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ドラッグオン博多については、地元テレビ局のRKB毎日放送で平日の夕方に放映されている情報番組「今感テレビ」の中で紹介されていました。
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店内では、6月中旬に放映された「フクオカの外国人観光客 最新の人気店は免税ドラッグストア」が流されていました。

フクオカの外国人観光客 最新の人気店は免税ドラッグストアhttp://youtu.be/H6LoH61BbTo

この番組では、中国客の人気商品のランキングを伝えていました。

まず3位から。「サンテFXネオ」(参天製薬)。
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2位は「龍角散ダイレクト スティックタイプ」(龍角散)。
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そして1位は「液体ばんそうこう リュウバンS」(大木製薬)。
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この番組を中国客向けに編集した映像には音声がなく、簡体字の字幕が付いていました。それをみると「(中国人)中国国内商品不信任(中国人は国内商品を信用していない)」という番組内の解説コメントも簡体字訳されていました。確かにそれは事実なんですが、はっきり書くものですね。
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さて、同店の関係者にも話をうかがいました。以下、満園昌嗣副社長とのやりとりです。

―こちらの店をオープンされた経緯をお聞かせください。

「博多にはすでに9年前から中国のクルーズ船が寄港していたが、一般の福岡市民とクルーズ客が触れ合う機会は少なく、いわば彼らに場所貸ししているようなものだった。2012年キャナルシティにLAOXができると、クルーズ客は一気に押し寄せるようになった。

とにかく中国客は買い物がしたい。だが、一度にバス何十台ものお客様が来て対応できる店はLAOXしかなかった。それともうひとつはキックバックの問題がある。LAOXはクルーズ客を手配したランドオペレーターやガイドに自分の連れてきた客の売上に応じてキックバックを払う」。

―それは飛行機を利用した中国の団体ツアーの特徴ですが、クルーズ客も同じ構造にあるわけですね。

「そうしないと中国で安い料金のツアーを催行できないからだが、逆に安くしているから、これほどクルーズ市場が急拡大した。もし日本で彼らを相手に商売しようとしたら、この構造に合わせるしかない。つまり、LAOXと同じようにキックバックを支払うということだ」。

―いつごろから開店準備を始めたのですか。

「2014年の9月だ。とにかく中国のスピードは速いので、こちらもそれに合わせないとやっていけないところがあった」。

―そして、今年2月にオープン。クルーズ客はバスで来るから、市内に店舗を置かなくてもいいわけですね。実際のクルーズ客の買い物の様子を見て何か特徴がありますか。

「ひと口にクルーズ客といっても、ロイヤル・カリビアン社のような豪華客船の場合と中国資本の船で4泊5日のツアー代が2000元というような安いものある。客層はまったく違い、販売単価も全く違う。またバスによって旅行会社が違うので、客層も違う。もはやクルーズ客には上海人はほとんどいないといっていいかもしれない。多くは華中エリアの浙江省や江蘇省だが、最近は湖北省や四川省といった内陸からの団体が多くなった」。

―どんな商品をどれくらい買っていくのでしょうか。

「ふつうは1人1~3万円くらいだが、高い客だと一度に50万円お買い上げということもある。健康食品やサプリを1年分。498円の目薬を30個といった感じだ。

中国客は「神薬」のようにネットで流れた情報や口コミを頼りに買いにくる。そして大量購入する。となると、品揃えや在庫の考え方も、一般のドラッグストアとは店づくりも含め、変えなければならない。地元向けの店では、1商品在庫は5~6個でいい。多品種少量が基本だ。しかし、クルーズ客が来ると、1商品が1日で1000~2000個売れる。つまり、ここでは棚に置く商品を絞り込み、在庫を多く用意する必要がある。いまこの店では1200アイテムくらいに絞り込んでいる。一般の日本の店の10分の1だが、在庫は豊富に置いている。

中国客相手の商売は、彼らが欲しいものだけ用意するしかない。選択肢をなるべく減らさないと、在庫がふくれ上がるからだ。そして、最も重要なのが、店にどの商品を置くか。4月から上海事務所を置いて、現地で中国国内のSNSなどを通じて売れ筋商品のマーケティングを行うようにしている」。

―なるほど、このビジネスモデルだと、彼らが何を買いたいか事前につかんでおかないと在庫を抱えることになる。情報収集が最も重要といえるんですね。ところで、このビジネスの今後の展望についてどうお考えですか。

「はっきり言ってこのビジネスが10年続くとは考えていない。とにかく中国の変化のスピードは速いので、3~4年は続くかもしれないが、常にその先を考えておかなければならない。今後は、福岡以外の九州の寄港地にも出店を考えている。4月には長崎にオープンしたが、7月には鹿児島をオープンする予定。

実は、LAOXとは紳士協定を結び、あちらはドラッグストア関連商品を売らないかわりに、こちらも家電には手を出さないという住み分けをしている。もともと地元でクルーズ客専用のドラッグストアを出してほしいという話は中国関係者からずっとあった。彼らも中国客は福岡に来るけど、LAOXでしか買わないという状況は好ましくないと考えていたようだ。地元にも経済効果があるということでなければ、クルーズの受入にも支障をきたすからだ」。

―確かに、東京のLAOXは家電からブランド、宝飾品、クスリまで中国客の買うものはすべて揃えているという感じですが、キャナルシティのLAOXは違うんですね。それにしても、なぜ中国客はこんなに日本のクスリや健康食品を大量購入していくのだと思われますか。

「ひとことでいえば、中国人は自国商品に対する国民総不信任がある。それに加えて、輸入品が高い。関税もそうだが、中国では不動産価格の高騰で小売業が日本のように薄利多売できる環境にはない。流通コストもかかる。そこへきてこの円安。彼らはこんなに安ければ、日本に来て買うのが賢いと考えるようになるのは当然かもしれない」。

いつも思うことですが、中国人の“爆買い”の背後には、なんともいえない不遇なお国事情があるといっていいのです。中国政府もそれを承知しているので、いまのところはクルーズ客の大量送客に目をつぶっているところがあるのかもしれません。

実は、店内には血液検査のコーナーが併設してありました。
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―これは何のためですか。

「確かに、買い物にかけられる時間は限られているが、ここで血液検査をしていただき、その結果を送るので、また日本に来てもらえればと考えている。いまのクルーズ客の博多上陸の様子を見ていて、このやり方が長く続くかどうか疑問はある。なにしろ8時間の上陸で、買い物ばかりでは、ラーメンも食べられない。でも、現状ではそれを言っても仕方がないので、クルーズは次にまた福岡に来てゆっくり過ごしてもらうためのステップと考えるほかない」。

基本的に、中国人の訪日団体ツアーの現状は、クルーズ旅行についても共通していることがよくわかりました。こうした大いなる矛盾をはらみつつも急拡大する中国訪日旅行市場に向き合うには、そして実利を得るには、それらを承知の上で、ひとまず矛盾を呑み込むこと。そして、刻々と変わりゆく市場の行方をにらみ、臨機応変かつスピーディに対応していくという姿勢が必要とされるのだとあらためて思った次第です。
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by sanyo-kansatu | 2015-07-28 10:13 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2015年 07月 27日

中国クルーズ客は博多に上陸後、どこへ行くのか?

中国からの大型クルーズ客船が今年286回(7月1日現在)寄港する予定という博多港。豪華なクルーズ客船内で楽しんだ中国客も、上陸後は福岡市内にバスで繰り出します。

たいてい早朝に着岸し、夕刻には出発するクルーズの上陸時間は、長く見積もって8時間と言われます。

この間に彼らはどこに行くのか。1日に2隻同時に寄港する日は、100数十台のバスが福岡市内を駆け回ることになるのですが、この寄港地観光の訪問先は、太宰府天満宮と福岡タワー、キャナルシティ博多の3か所が最もポピュラーです。
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まず大宰府の様子を見にいきましょうか。

西鉄大宰府駅の西側に大型バス乗り場があり、何十台ものバスが停車していました。バスを降りたクルーズ客たちは大きなナンバープレートのボードを手にした添乗員について参道を抜け、太宰府天満宮に向かいます。
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首には自分が申し込んだ旅行会社のネームプレートをかけています。バスごとにスケジュールが違うので、道に迷って自分のバスに乗り遅れると大変です。
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参道のお土産屋には中国語のポップがあちこちに見られます。
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境内には中国客以外にも、個人で来たと思われる台湾客やタイ客も多く見られました。
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次に、福岡タワーです。高さ123mの展望台からは博多港全域が見渡せて悪くはないのですが、時間もないせいか、中国客たちはまず上らないそうです。
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で、何をするかというと、タワーを背景に記念撮影をするだけです。
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一応中国語併記の看板もありますが、ここでは買い物することはほとんどなく、近くのヤフオクドームのタウンモールに行くようです。
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この日、福岡市には大型バスがそこらじゅうを走っていました。
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博多港の寄港地観光のメインスポットがキャナルシティ博多です。
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中州にあるこのショッピングモールには大型バスを停めるスペースが十分ないため、周辺はバスで混雑しています。
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キャナルシティ内は中国客であふれています。今年は週に4~5回はこの調子で彼らがやって来るので、地元の人はちょっとびっくりでしょう。
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バスを降りるとみなさん一斉にショッピングモールに向かいます。
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大人から子供、おじいちゃん、おばあちゃんまで、クルーズ客の年齢層は幅広いです。3世代ファミリー旅行も多そうです。

彼らの多くがLAOXの紙袋を手にしています。
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LAOXのある4階に行ってみました。そしたら、すごいことになっていました。
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中国客だらけです。
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店内もそうでした。
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炊飯釜の大量購入コーナーもありました。
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店の外では、買い物予定のない年配の方たちが所在無くベンチに座って家族の買い物を待っていました。
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はてさて、身もふたもない話ですが、LAOXでの買い物が中国クルーズ客の博多寄港地観光のメインイベントなのです。

今年約50万人のクルーズ客が福岡に来る予定ですが、LAOXは大繁盛でしょう。

なぜ中国客がLAOXを目がけてくるのかというと、わりと単純な理由があります。

これだけ大量の中国客の受入可能な家電量販店が他にないということ。ここでは大半の販売員が中国人なのです。

そして、これも身もふたもない話ですが、LAOXで買い物すると、寄港地観光を手配している現地の旅行会社と添乗員に売上に対するキックバックが支払われるからです。

この件については、別の機会に詳しく説明したいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2015-07-27 17:00 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2015年 06月 08日

爆買いを見るにみかねた中国政府は輸入品の関税を引き下げるもよう

先週、中国のある友人から一通のメールが届きました。

「最近、円安で日本商品が安く買えるため、日本に旅行に行った中国人の爆買いが有名になりましたし、日本在住の中国人に化粧品や日用品を買わせて宅配便で送ってもらい、中国国内でネット販売する人が増えています。

こうしたなか、中国政府は6月1日から日用品の輸入関税を大幅に下げました。今後は中国でも以前より安く日本の輸入商品を買えるようになりそうです」。

彼が教えてくれたニュース記事は以下のものでした。

6月1日起中国降低部分日用消费品进口关税 (新華網2015年5月25日)
http://news.xinhuanet.com/fortune/2015-05/25/c_1115398300.htm

この記事によると、中国政府は6月1日よりアパレルや靴、スキンケア用品、紙おむつなどの輸入関税を平均50%以上引き下げるというものです。
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この図にあるように、各商品の輸入関税はこんなに下がるといいます。

スーツや毛皮 14~23%→7~10%
靴やスポーツシューズ 22~24%→12%
紙おむつ 7.5%→2%
スキンケア用品 5%→2%

この措置は中国の消費者の国外での消費があまりに拡大したため、国内の消費と民生、雇用、さらには国内産業の生産レベルを改善するためのもので、アパレルやシューズに加え、ベビー用品、キッチン器具、食器、眼鏡などの関税も下げるといいます。

この話を何人かの在日中国人にしたところ、下げると政府がいうそもそもの関税率についての疑問が出てきました。

「中国の輸入商品の関税はもともとこんなに低かったのだろうか。日本と比べると、同じ商品が2倍以上する実感がある。つまり、関税を下げただけでは、中国の消費者は輸入商品を安く買える実感は出てこないのではないか」。

中国メディアの関連記事を検索していると、いくつか見つかりました。

降低关税增设免税店 国务院五箭齐发力促消费升级 (新華網2015年4月29日)
http://news.xinhuanet.com/fortune/2015-04/29/c_127745173.htm

この記事によると、今回の輸入関税引き下げは4月下旬に開催された中国国務院常務会議で示されていた政策で、中国経済を投資に頼る現状から消費による成長へとモデルチェンジするためのものだといいます。

その施策としては、輸入関税を引き下げ、国際空港などの免税品店を増設し、国内での輸入商品の消費を増やすことです。

以下の5つの具体的な促進策があります。

①国外での日用品の消費が拡大するなか、6月末に輸入関税の引き下げと対象商品の拡大を実施する。
②アパレルや化粧品などの消費税を調整する。
③国際空港などの免税店の販売品目を拡大し、中国の消費者が輸入商品を免税価格で購入できるよう便宜を図る。
④海外で購入した商品の通関と消費税の払い戻しの手続きの簡素化を進める。
⑤中国ブランドの質を高めるために、リアル商店やオンラインショップで消費者が快適に安心して利用できるようにする。

先ごろ実施された輸入関税の引き下げは当初、6月末にやる予定だったようですが、1ヵ月前倒しになったようです。いつものことなのでしょうが、この国ではあらゆることが民意の承諾もなく、いきなり決められてしまうのですね。

さらにこの問題を掘り下げる記事もありました。

进口日用品6月底前试点下调关税 还去国外血拼吗? (新華網2015年5月4日)
http://news.xinhuanet.com/fortune/2015-05/04/c_127760514.htm

ここでは、4月中旬に発表された「2015年中国消費市場発展報告」によると、全世界の贅沢品の消費の46%を中国の消費者が占めていて、そのうち76%は国外で消費するという事実から書き出されています。

これは中国経済にとって喜ばしき話ではありませんから、国内消費を拡大するために6月末に輸入関税を引き下げることを前の記事同様、説明しています。こうして中国の消費者は海外から国内に消費の場を逆流させることができるだろうと述べています。

この記事では、関税引き下げ以外の全国各地での取り組みも紹介しています。「とにかく国内で買わせよう」ということでしょう。

広州の保税区では海外から輸入商品を直接買い上げ、販売するオンラインショッピング体験センターを5月1日にオープンさせたそうです。ここではフランスのワインや英国の粉ミルク、花王の紙おむつなどを国内の販売店より安く販売しています。

また河南省の鄭州空港で4月30日より輸入商品のオンラインショッピングサービスを始めたそうです。河南省の消費者はこれで空輸による短期間での購入ができるといいます。

こういう記事を読むと、いま盛んに行われている海外在住の中国人の爆買いおよび中国への搬送によって支えられている日本商品のネット販売という民間ビジネスを、政府が代行しようとしているようにも見えます。儲かる話は官に仕切らせろ、民間は手を出すな、という感じすらしないではありません。まあこれもいつものことでしょうけれど。

記事では、これらの取り組みは輸入商品価格の引き下げに貢献するはずだが、もうひとつの問題として、中国国内の流通コストや経営手法、販売店舗の不動産価格の高騰などがあることを指摘します。欧米の販売員に比べ中国の販売員の給料は低いのに、なぜ中国の商品価格は欧米より高いのか。そうしたあらゆるしわよせは中国の消費者が負っているといいます。結局のところ、中国の輸入商品が高いのは、関税のせいだけではないということでしょう。

そして最後に、中国人が海外で購入する商品の多くがメイドインチャイナであること。つまり、中国の国内向け商品は輸出商品より品質が低いという実態にも触れます。国内企業が海外企業の要求する水準に対応しているように、国内向け商品の生産も同じ水準に引き上げることができれば、多くの問題を解決できるとしています。

確かに、最後の指摘は昔からずっと不思議に思っていたことでした。海外でプロデュースし、中国でつくった商品を、彼らはわざわざ海外に出かけ、逆購入しているというわけですから。

いずれにせよ、この一連の施策は中国人の爆買い現象にどんな影響を与えるのか、しばらく様子を見ていこうと思います。
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by sanyo-kansatu | 2015-06-08 09:53 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2015年 05月 22日

日本の家庭薬が“爆買い”される理由~台湾のドラッグストア研究家が書いた購入ガイドがスゴイ!

今年2月、上海で著作を手にして以来、台湾のドラッグストア研究家の鄭世彬さんのことをあれこれ書いてきましたが、昨日やまとごころ.jpで記事にまとめたので、転載します。

http://www.yamatogokoro.jp/report/2015/report_13.html

日本の家庭薬が“爆買い”される理由
台湾のドラッグストア研究家が書いた購入ガイドがスゴイ!


今年の春節や桜シーズンに、中国客が最も熱心に購入したのは、ドラッグストアで販売される市販薬や化粧品だったという。その背後には、台湾のドラッグストア研究家の書いた購入ガイド書があった。同書は中国本土でも刊行され、それを持って来店する中国客も現れている。著者の鄭世彬氏が語る「台湾で日本のクスリが愛される理由」とは。

財務省が今月13日に発表した2014年度の国際収支によると、日本と海外のお金の出入りを示す経常収支の黒字幅が4年ぶりに増加。その要因のひとつが、訪日外国人旅行者の消費(朝日新聞2015年5月14日)だとメディアは報じている。

一方、春節や桜のシーズンの中国“爆買い”報道はもはや恒例だが、今年彼らが最も熱心に購入したのは、ドラッグストアで販売される市販薬や化粧品だったと中国メディア(レコードチャイナ2015年3月25日)は指摘している。

その時期、都心のドラッグストアに連日大挙して押しかける外国人観光客の姿が見られた。彼らの“爆買い”ぶりはどれほどのものなのか。どんな商品が人気なのか。まずは関係者の話から始めよう。
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人気は日本の定番家庭薬

東京と関西を中心に店舗を展開するOSドラッグチェーンの國米実支社長によると、外国客が目立って増えてきたのは去年からという。

―昨年10月からの免税改正の影響でしょうか。増えたのは秋からですか。

「いや、どっと増えたのは去年の春先から。消費税導入前に3月特需があって、4月以降はドスンと売上が落ちるかと思っていたら、そうでもなかった。これは外国客のおかげ」。

―だとすれば、外客効果は本物ですね。どこの国の客が多いですか。

「うちの場合は、売上でいうと、いちばんは中国。全体の4割。次いで台湾客が2~3割、そして韓国、マレーシア、シンガポール、タイという順。欧米客も多いが、彼らはそんなに買わない。必要なものをちょこっと買う感じ。やっぱり買い物はアジア客。

最近ではキットカットが1日100ケース(12個入り)売れる。マレーシアの人に聞くと、向こうでは1個700円らしい。抹茶味やわさび味など、日本にしかないものを買っていく」。

―中国客はやはり“爆買い”?

「彼らは値段も聞かないで買っていく。たとえば、『救心』(救心製薬)。一度に2、3箱、お一人様お買い上げ3~4万円はよくある」。

―他にはどんな商品が人気ですか。

「肝油のドロップ。中国は一人っ子政策だから、子供が大事。風邪薬やかゆみ止めなど、子供用のクスリを買っていく。ベビー用品も多い。

大人向けなら、胃腸薬の『強力わかもと』(わかもと製薬)や『エビオス錠』(アサヒフードアンドヘルスケア)、疲労回復薬の『アリナミン』(武田薬品)など。人気は日本の定番家庭薬。みなさん商品の写真をコピーして何枚も束にして持ってくる。欲しい商品の画像をスマホで見せられることも多い」。

日本チェーンドラッグストア協会によると、全国のドラッグストアの総店舗数は1万7953店(2014年)。前年より390店舗増加し、総売上高も6兆679億円(前年比101.0%)と伸びは鈍化しつつも成長している。一方、1店舗当たりの売上高は3億3799万円(前年比98.7%)と微減傾向にある。それだけに、売上に貢献してくれる外国客の消費が注目されるのは当然だろう。

中国ネットに現れた「神薬」リスト

昨年秋、中国のネットに以下の記事が掲載されたという。

日本観光、この「神薬」は買うべし!中国人の心をつかんだ日本の優れもの―中国ネット(レコードチャイナ2014年9月5日)
http://www.recordchina.co.jp/a93733.html

そこには、頭痛薬の『EVE』(エスエス製薬)や『口内炎パッチ』(大正製薬)など、日本で購入すべき12種類のクスリが紹介されていた。ドラッグストアで販売されている市販薬である。でも、いったいこの情報元はどこから来たものなのか。

そのひとつの手がかりとなるのが、昨年刊行された『東京コスメショッピング全書』という中国書だ。日本の優れた医薬品や健康・美容商品、化粧品をジャンル別に選んでカタログ風に分類し、解説した案内書である。まさにいま訪日する中国人観光客が最も知りたい情報が一冊にまとめられているというのだから、驚きだ。

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『東京コスメショッピング全書(东京美妆品购物全书)』(中国軽工業出版社 2014年)

著者は台湾出身のドラッグストア研究家の鄭世彬氏。彼が台湾で書いた本が、中国の出版社の目にとまり、簡体字版として刊行されたものだ。ドラッグストア関係者の話では、同書を手にして来店する中国客の姿も見られるという。

「フリーの翻訳家だった私のもとへ日本で買ったクスリを持ってきて何が書いてあるか教えてほしいという問い合わせがよくあった。知り合いの出版社と相談し、2012年2月、日本のOTC医薬品を解説する購入ガイドを出版した」(鄭氏)。

その後、読者から化粧品のガイドもほしいとの声があり、同年11月に刊行したのが、中国版の原本である『東京藥妝美研購』だ。これが好評で、日本の5分の1以下の人口の台湾で約1万部売れた。
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『東京藥妝美研購』(晶冠出版社 2012年)

日本のクスリはよく効き見た目もおしゃれ

3月上旬、訪日していた鄭世彬氏に話を聞いた。

―この本の読者はどのような人たちですか。

「OTC医薬品の本は20~60代までの男女で、コスメガイドは20~40代の日本好きな女性たち。台湾では読者を集めて日本のコスメセミナーも開いている」。

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鄭氏が主催する台湾のコスメセミナー会場は若い女性であふれる

―本を書いたきっかけは、知り合いから日本のクスリに関する質問が多かったからだそうですが…。

「私が日本に行くというと、家族や知り合いから必ずクスリを買ってきてと頼まれる。台湾では、日本のクスリをお土産として配る習慣がある」。

―台湾の人たちは、どんなクスリをお土産に買うのですか?

「たとえば、かゆみ止めの『ムヒ』(池田模範堂)や『ウナクール』(興和)。台湾は日本に比べて暑いから、虫が多い。胃腸薬では『キャベジンコーワ』(興和)が人気。私の母は胃腸が悪いので、いつも買ってきてほしいと頼まれる。台湾のおばさんたちの間では『キャベジン』はすごい薬だという噂が口コミで広がっている」。

―なぜ日本のクスリは人気なのでしょうか。

「効き目もそうだが、日本のクスリはパッケージがおしゃれなこと。一見クスリに見えないのがいい。それに台湾で買うより断然安い。たとえば、目薬『サンテFX』(参天製薬)は台湾では350台湾元(約1000円)くらいだが、日本のドラッグストアなら300円前後で買える」。

―そんなに値段が違うのですか。まとめ買いにしてお土産としてみんなに渡せば、喜ばれそうですね。

「化粧品も日本では台湾の半額に近い気がする。もうひとつの理由は、台湾の薬事法の関係で、同じ日本のメーカーの商品でも、台湾製では一部の成分が添加されていないケースがけっこうある。

たとえば、台湾製の『キャベジンコーワ』には脂肪を分解する酵素のリパーゼが添加されていない。いちばん肝心な成分なのに、台湾では市販品に添加してはいけない。

頭痛薬の『EVE』に含まれているイブプロフェンも、ようやく今は台湾でも解禁されたが、少し前まで禁止だった。この成分はよく効くので、『EVE』は台湾の20代~30代の若いオフィスワーカーに人気がある。男女関係なく、オフィスのデスクの引き出しに入っていると思う」。

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『EVE』(エスエス製薬)は台湾の若い世代に人気

―クスリ以外ではどんなものがありますか。

「たとえば、『休足時間』。台湾人はバイクに乗る人が多く、ふだんあまり歩かない。でも日本に行くと地下鉄に乗るので、いつもの倍以上歩くから、足が疲れる。そんなとき、ホテルでひんやりしたシートを貼ると気持ちいい」。

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ドラッグストアの店頭に置かれる『休足時間』(ライオン)

台湾の都市部に暮らす人たちは、日本と同じような現代的な生活を送りながら、気候や風土、習慣が違うため、さまざまなニーズがあるようだ。パッケージがおしゃれなことのポイントが高いというのも、なるほどである。

台湾客が中国客を先導する

―鄭さんの本は中国でも刊行されましたが、日本のクスリに対する関心は中国でも高まっているようです。昨年中国のネット上に現れた「神薬」リストの商品の多くは、鄭さんの本で紹介されたものでした。

「中国のネットに広まる日本の商品情報の大半は、台湾や香港経由のもの。たいてい数年遅れで突然広まることが多い。しかし、いったん広まると、波及するスピードは速いので、彼らは都心の量販店に殺到し、まとめ買いする。それが“爆買い”の真相だ。

でも、団体客の多い中国人と台湾人では、日本に来ても足を運ぶエリアや購入商品が違う。台湾人は日本をよく理解しているので、私の本でもなるべく中国客が行かないスポットを紹介している。たとえば、吉祥寺や自由が丘などだ。台湾人は一般の日本人が買物をするのと同じ場所に行って買物したいと考えている」。

この話は、前述したOSドラッグチェーンの國米実支店長の以下の指摘と符合する。

「店の立地によって売上は違う。都内で売上が多いのは観光客の多い上野や新宿、渋谷、原宿など、大阪なら心斎橋、難波、黒門市場、船場くらいで、郊外店は必ずしも売上が伸びているわけではない」。

日本の事情をよく知る台湾客たちが、中国本土の旅行者の一歩先を訪れていることが見えてくる。しかし、結局中国客もそれに気づき、後追いする。鄭氏の発信する情報の影響力は計り知れないといえるだろう。

5月中旬、今年4回目となる鄭氏の訪日は「東京コスメガイド」の第3弾の執筆のための取材が目的だ。どんな企画を考えているのだろうか。

「現在制作中の第3弾では、リピーターの多い台湾人読者のために、東京以外のご当地コスメの企画を考えた。台湾人にも人気のある金沢の地元コスメを紹介する予定。また都内のスーパーの取材も進めている」。

鄭氏はいまや中華圏の訪日旅行者が見せる旺盛な購買シーンの先導役といえるだろう。だが、彼がスゴイのはそれだけではない。毎月のように日本を訪れ、ドラッグストアを自分の足で視察し、医薬品や化粧品のメーカーを直接取材するという地道な積み重ねの成果が、今年1月に台湾で上梓された最新刊『日本家庭藥』に結実しているからだ。
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『日本家庭藥』(帕斯頓出版)と著者の鄭世彬氏(1980年生まれ。台南市在住)

同書は100年以上の歴史を持つ日本の老舗家庭常備薬メーカー34社を紹介したムック本だ。

「日本の家庭薬がなぜ台湾の人たちに人気があるかというと、実際に使ってみてよく効くと実感しているからだが、その背景には古くは400年もの歴史をもつ日本の老舗医薬品メーカーの存在があることに気がついた。そこで各メーカーにご協力いただき、それぞれの定番商品の誕生秘話や創業者の努力、企業の発展の歴史を紹介した。いま日本で花開いているドラッグストア文化は、これら老舗企業の歴史があってこそだと私は思う。その素晴らしさを台湾の読者に伝えたかった」。

台湾出身の鄭氏は、我々日本人が当たり前と思ってそのありがたみを忘れていた家庭薬の価値を解き明かしてくれたのである。

おかしな中国語表示が氾濫している

そんな鄭氏は最近、日本に来て気になることがあるという。

全国の観光地や家電量販店、ドラッグストアも含めて、おかしな中国語の使われ方をした表示や商品コピーが氾濫していることだ。かつて日本人は海外、特にアジアの国でおかしな日本語表示を見つけ、脱力感を味わいつつ面白がっていたものだが、同じことがいまや日本でも起きているというのである。

鄭氏が見つけたおかしな中国語表示をいくつか紹介しよう。
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「从清晨到深夜 你可以购买便利店 上午7:00~2300(全年无休)」

この表示を見たとき、鄭氏は思わず声を上げたという。なぜなら、ここには「早朝から深夜まで、あなたはコンビニ店を購入できます」と書かれているからだ。購入できるのは商品であって、コンビニ店舗そのものではない。正しくは「可以在便利店买东西 7:00~2300(全年无休息日)」だろう。

次は某量販店の告知。「万引きは犯罪です。発見次第、警察に通報します」と日本語では書かれているが、中国語簡体字の表記はこうだ。
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「高是犯罪・找到在次序和警察通」

これでは中国人にはまったく意味がわからないという。こうした不可解な中国語表示が中国客の脱力感を誘い、好意的に解釈してもらえればいいのだが、鄭氏はこのままではいろいろ支障もあるのではないか、という。

「たとえば、高額なブランド品や化粧品のコーナーでこうした間違い中国語表示を見かけると、なかには品質を疑いたくなる人も出てくるのではないか」。

でも、そんなに難しく考えることではないと鄭氏は言う。

「最近では外国客がよく利用するショッピング施設に中国人スタッフを置くことが多くなった。まずは彼らにチェックさせるといい。ただし、中国人は出身地によって方言もあり、言葉の使い方が異なるので、本当を言えば二重のチェックも必要。台湾人には中国人の使う中国語はかなり違和感がある。そうした両岸や地方による違いも理解している正式な中国語翻訳会社に発注するのがベストだと思う」。

安易に翻訳ソフトに頼るのは間違いのもとだという。もっとも、逆によく事情を理解していると感心したケースもあったそうだ。

「いま台湾では日本のオーブンレンジが人気だが、中国本土ではまだブームになっていない。先日、新宿のビックロに行ったとき、オーブンレンジのコーナーの商品表示に繁体字が使われていた。これを買うのは台湾客だけだから繁体字が使われていたわけで、この店はよくわかっているな、と思った」。

実際に、ビックロの免税品コーナーに行くと、オーブンレンジの表示は「過熱水蒸氣水波爐」と繁体字表記されていた。同店の販売スタッフは、中国本土客と台湾客の売れ筋商品の違いを理解したうえで、簡体字と繁体字を使い分けていたのだ。

外国客が増えると、これまで考えてもみなかったことが起こるものだ。彼らといかにフレンドリーなコミュニケーションを築いていけるかは販促の基本。そのためにも、こうした指摘には謙虚に耳を傾けていきたいものだ。

※鄭氏が指摘してくれたおかしな中国語表示のその他の実例については、中村の個人blogの以下の記事を参照してほしい。
「これはやばい!? 日本にはおかしな中国語表示があふれている」
http://inbound.exblog.jp/24370756/
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by sanyo-kansatu | 2015-05-22 07:58 | 最新インバウンド・レポート | Comments(0)
2015年 05月 17日

仕掛け人が激白!「爆買い商品はこうつくれ」(プレジデント2015.6.1)

中国の旧正月(春節)や桜のシーズンが来ると、中国客の“爆買い”報道が恒例になっている。中国メディアによると、今年の春節に彼らが最も熱心に購入したのは、ドラッグストアで販売されるOTC医薬品(処方箋の不要な市販薬)や化粧品だったという。

なぜ彼らは日本のクスリや化粧品をそれほど買いたがるのか。それを知るヒントとなるのが、『東京コスメショッピング全書』(中国軽工業出版社 2014年)という中国書だ。日本の優れた医薬品や健康・美容商品、化粧品をジャンル別に選んでカタログ風に分類し、解説した案内書である。
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著者は台湾出身のドラッグストア研究家の鄭世彬氏。彼が台湾で書いた本が、中国の出版社の目にとまり、簡体字版として刊行された。ドラッグストア関係者の話では、同書を手にして来店する中国客の姿も見られるという。

「フリーの翻訳家だった私のもとへ日本で買ったクスリを持ってきて何が書いてあるか教えてほしいという問い合わせがよくあった。知り合いの出版社と相談し、12年2月、日本のOTC医薬品を解説する購入ガイドを出版した」(鄭氏)

その後、読者から化粧品のガイドもほしいとの声があり、同年11月に刊行したのが、中国版の原本『東京藥妝美研購』(晶冠出版社)だ。これが好評で、日本の5分の1以下の人口の台湾で約1万部売れた。

「台湾人は昔から日本の胃腸薬やかゆみ止めがよく効くことを知っていた。だから、誰かが日本に行くというと、クスリを買ってきて、と頼む。日本のクスリをお土産に買ってくると、喜ばれることを知っているので、みんなドラッグストアに足を運ぶ。私の本が支持されたのは、日本語がわからなくても、何を買うべきか、写真付きで解説したからだろう」(同)

なぜ台湾で日本のクスリは人気なのか。「効き目がしっかりしていて、パッケージのデザインが洗練されている。たとえば、ロート製薬の目薬『リセ』は、多くの台湾女性はバッグの中にしのばせている。台湾の市販薬はいかにもクスリっぽくて地味だが、日本のドラッグストアに行くと、商品がキラキラと輝いて見える。何より台湾で買うより安い」(同)

鄭氏によると、台湾の風土や習慣も日本の健康・美容商品を愛好する背景になっているという。「亜熱帯気候の台湾では日差しが強く、美白グッズは欠かせない。虫刺されのかゆみ止めもそう。日本では次々にいい商品が発売されるから、目が離せない。台湾人はバイクに乗る人が多く、ふだんあまり歩かないから、日本に行くと、いつもの倍以上歩くので、足が疲れる。そんなとき、ホテルでひんやりした『休足時間』(ライオン)のシートを貼ると気持ちいい」。

昨年、中国のネット上に「神薬」という日本に旅行に行って買うべき医薬品リストが流れた。鄭氏の本で紹介したものも含まれていた。「中国のネットに広まる日本の商品情報の大半は、台湾や香港経由のものだ。たいてい数年遅れで突然広まることが多い。しかし、いったん広まると、波及するスピードは速いので、彼らは都心の量販店に殺到し、まとめ買いする。それが“爆買い”の真相だが、団体客の多い中国人と台湾人では出没するエリアや購入商品が違う。台湾人は日本をよく理解しているので、私の本ではなるべく中国客が行かないスポットを紹介した。吉祥寺や自由が丘などだ。台湾人は、一般の日本人が買物をするのと同じ場所に行って買物したいと考えているから」。

鄭氏は年に数回日本を訪れ、ドラッグストアを自分の足で視察し、医薬品や化粧品のメーカーを取材している。地道な積み重ねの成果は、今年1月に上梓された最新刊『日本家庭藥』(帕斯頓出版)に結実した。100年以上の歴史を持つ日本の家庭常備薬メーカー30数社の創業秘話や定番商品を紹介したムック本だ。「いま日本で花開いているドラッグストア文化は、老舗企業の歴史があってこそ。その素晴らしさを台湾の読者に伝えたかった」という。

中国“爆買い”客のバイブルを世に送り出した彼は、日本の関連業界にとっても、今後の商品開発や販促を考えるうえで心強い知恵袋になってくれることだろう。
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by sanyo-kansatu | 2015-05-17 17:13 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2015年 05月 13日

“爆買い”はいつまで続くのか?(あるドラッグストア関係者の見方)

先日、東京と関西を中心に展開する某ドラッグストアチェーンの関係者に話を聞きました。大挙してドラッグストアに押しかけているという外国人観光客の実態はどのようなものなのか、売り場の方の話をお聞きしてみたかったからです。
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※写真と文章は関係がありません。

都内某所にある店舗を訪ねると、確かに多くの外国人観光客の姿が見られました。売り場の奥にある小部屋に案内され、「実際に外国のお客さんは多いようですね」と店長に言うと、開口一番、「これ、いつまで続くんでしょうね?」と逆質問されてしまいました。

なるほど、売り場の世界にいる方は、いまの状況をそれなりに冷静に見ているのだな、と思いました。以下、話のやりとりを紹介します。

―外国客はいつ頃から増えてきたのですか。

「去年からですね」。

―やはり昨年10月からの免税枠拡大の影響でしょうか。増えたのは秋からですか。

「いいや、去年の春先からですね。どっと増えたのは。もちろん、それ以前もけっこう来ていましたが、いわゆる“爆買い”状態は去年からです。うちの店は免税カウンターを設けていないし、クレジットカードも受け付けていない。特に外国人を意識した販売をしているわけではないんですが、観光客の多い場所のせいか、大勢いらっしゃいますね」。

―外国客の恩恵はあるといってよさそうですね。

「確かにそう。去年の消費税導入前に3月特需があって、4月以降はドスンと売上が落ちるかと思っていたら、そうでもなかった。これは外国客のおかげだね。

ただし、店の立地によっても売上はずいぶん違います。都内では観光客の多い上野や新宿、渋谷、原宿など、大阪なら心斎橋、難波、黒門市場、船場くらいで、郊外店は必ずしも売り上げが伸びているわけではない」。

―だとすれば、外客効果は本物ですね。どこの国のお客さんが多いですか。

「うちの場合は、売上でいうと、やはりいちばんは中国かな。全体の4割くらい。次いで台湾客が2~3割、そして韓国、マレーシア、シンガポール、タイという順。欧米の人も多いけど、彼らはそんなに買わない。必要な物をちょこっと買う感じ。やっぱり買い物はアジア客。

最近はキットカットが1日100ケース(12個入り)売れちゃうからね。うちは1個199円で売っているからだけど、マレーシアの人に聞くと、向こうじゃ1個700円くらいらしい。抹茶味とかわさび味とか、日本にしかないものを買っていく。まあ海外旅行に行けば、チョコレートを買うってのは、別に日本に限った話じゃない。ハワイでもそうでしょう」。

―アジア客の買い方はずいぶん違うんですね。

「中国人なんて、値段も聞かないで買っていくからね。『救心』なんかはけっこう高いけど、一度に2、3個、お一人様お買い上げ3~4万円とかよくある」。

―他にはどんな商品が人気ですか。

「肝油のドロップ。向こうは一人っ子政策だから、子供が大事なんだね。風邪薬だとかかゆみ止めだとか、子供用のクスリを買っていく。ベビー用品も多い。カルシウムのサプリメントとかも。

大人向けだと、胃腸薬の『強力わかもと』や『エビオス錠』、疲労回復薬の『アリナミン』とかね。みなさん商品の写真をコピーして何枚も束にして持ってくる。欲しい商品の画像をスマホで見せてくれたりね」。

―外国のお客さんも商品知識がついてきているんですね。

「でもね、うちはまちのクスリ屋さんというスタイルでいきたいんです。一般のお客さんあっての商売ね。というのも、うちもそうだけど、多くのドラッグストアが震災後の怖さを知っているから。都心の外国客の多い店では売上80%減なんてことも起きた。やっぱり地元のお客さんを大事にしないとね。

もちろん、うちでは外国のお客さんでも、日本人と同じように接客しますよ。クスリの写真を見せられてこれがほしいと言われたとき、もっと安い商品があれば、それをおすすめします。ただ外国客専用のスタッフは置いていません。店としての営業方針に影響を与えるようなことはしたくないんです」。

店長のお話をうかがっていると、中国人は日本の家庭薬の存在をついに知ってしまったのだなあ、と思いました。豊かになった彼らだからこそ、こんなに身近でありがたいものはないことに気づいたのでしょう。

冒頭の「いつまで続くんでしょう?」という店長の問いは、いま多くの日本人が感じていることだと思います。

店長もこうおっしゃいます。

「なんでこんなに日本で買っていくのか。メーカーに聞くと、中国にも工場があるのに、そっちで作ったものは買いたがらず、わざわざ日本で買っていく。このままいくと、原材料が足りなくなるおそれもあり、日本での生産が追いつかなくなることだってありうる。まったく中国人はそこまで自国製品を信じられないのかねえ」。

中国“爆買い”の真相は、これに尽きるのでしょう。だとしたら、そんなにすぐには終わらない!?……。

―やっぱり“爆買い”はすごいですか。

「これが困ったものでね。ふつうの買い方じゃないんです。彼らは観光客ではない。店に出しているお値打ち商品を見つけて、500個くれという。根こそぎもっていこうとするんです。要は業者買いです。そんなことされたら、せっかくうちが苦労して安く仕入れた商品を一般のお客さんに販売できなくなってしまう。だから、うちでは業者買いはお断りしています」。

―いわゆる「代購」業者でしょうか。日本で買った商品を中国で売りさばく連中ですね。

※最近、都心の郵便局に行くと、中国に荷物を送る人がやたらと増えていて、以前なら1~2週間で届いていた荷物が1ヵ月以上かかるそうです。中国側でさばききれないとも聞きます。おそらく日本から中国への小口の荷物が激増しているのでしょう。その中に入っているのは、日本のドラッグストアで販売されている医薬品や化粧品に限らず、あらゆる種類のメイドインジャパンの商品だと思われます。都心の量販店にも、代購するための商品を探しに来ている中国人たちがずいぶん姿を見せているようです。目当ての商品がいくらで売られているか、こっそり写真を撮っています。これが“爆買い”のもうひとつの実情なのです。

「そういうのはほぼ中国人。台湾人はそこまでやらない。せいぜい持てるだけ。あとは留学生が帰省のとき、小遣い稼ぎにまとめ買いすることもあるけど、まあかわいいものですよ。

うちは小売店。卸じゃないからね。でもね、一部の大型ドラッグストアチェーンでは、けっこう業者買いにも対応しているという話を聞きますよ。大手ほど売上をつくらないといけないでしょうから」。

※実は、この点について台湾のドラッグストア研究家の鄭世彬さんに聞くと「代購業者は中国本土だけの話ではありません。台湾にもいます。ただし、台湾ではネットで医薬品を販売できないので、中国のようにおおっぴらにはやっていないから目立たないのかもしれない」とのこと。

また別の関係者によると、中国でも台湾同様にネットでの医薬品販売は禁じられているようで、タオバオなどで販売したことがわかると、営業中止を申し渡されることもあるとのこと。ただし、販売量にもよりますが、1週間程度の営業中止だそうです。

こうしてみると、いわゆる中国"爆買い"現象は、移り気な中国人観光客の一過性のブームに終わるかどうかということも気になりますが、もうひとつの側面としては、代購業者が中国本土に横流ししても日中の価格差があるぶん儲かると判断すればその間は続くという面もありそうです。つまり、彼らにとって利益がないと手を引けば、とたんに終わってしまうかもしれないのです。

またこの現象がいつまで続くかという話は、伝えられる中国経済の減速よりも、自国製品を買いたがらない国民に業を煮やした中国当局が日本からの小口の郵送の受け取りをストップさせるなどの手に出るかどうかが大きいかもしれません。

※そんなことを思っていたら、中国政府は輸入品の関税を引き下げ、自国での消費を促進するよう手を打ってきたようです。

爆買いを見るにみかねた中国政府は輸入品の関税を引き下げるもよう
http://inbound.exblog.jp/24564700/

しかし、この現象の背景として重要なのは、彼らが自国製品を信じられるようになるか。つまり、中国の製造業の問題がいつ解決されるかにかかっているのではないでしょうか。中国社会がこれから自国の労働者の扱いをどう変えていくか。仮にも社会主義を標榜する中国が、労働者を粗末に扱ってきたという話はおかしいと思われるかもしれませんが、実際のところそうなのですから、仕方がありません。粗末に扱われてきた労働者がまともな仕事をするはずがない…。中国の消費者がそう思い込んでいることに、彼らの不信の原点があると思います。

労働者の扱いという観点でみると、日本もいまや他人ごとではない状況になりつつありますが、いま起きていることをまっすぐ眺めながら、目先にとらわれずに、挽回を図るしかないのでしょう。

スマホなどのIT機器や家電製品には流行り廃りがありますが、日本の家庭薬は一度使うと手放せないところがあります。なんだか面白い時代になってきたと思います。
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by sanyo-kansatu | 2015-05-13 08:25 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2015年 04月 17日

これはやばい!? 日本にはおかしな中国語表示があふれている

昔アジアの国々では、おかしな日本語の使われ方をした表示や商品コピーが氾濫していました。今でも見かけることはありますが、そういう物件を見つけては脱力感を味わいつつ、面白がっていたものです。

たとえば、海外のお土産店などに書かれた「どうぞフタタビよくいらっしやいませ」(「またのお越しをお待ちしております」のつもり?)というような日本語表示です。

雑誌『宝島』で連載されていた「VOW街のヘンなもの」という読者コーナーには、国内外の看板や標識、商品コピーなどに見られる誤植や間違った日本語の例が数多く投稿されていました。海外旅行に行ってわざわざおかしな日本語を探したり、変な日本語が書かれたTシャツを土産にしたりする、なんてことを競い合っていたのです。

VOW街のヘンなもの
http://vowtv.jp/

ところがです。最近の訪日中国客とその爆買い旋風にあおられた全国各地の観光地や量販店などで、同じことが起きてしまっているようなのです。

そうなんです。いまや日本でも、間違った中国語が使われた看板や標識、商品表示が続々と現れ、中国語VOWな世界と化してしまっているのです。

海外でもそうであるように、そのまちに暮らすコミュニティの人たちはほとんどその間違いに気づいていません。この場合、それに気づくのは中国語を使っている人たちです。彼らから見れば、「なんじゃこりゃ!?」という感じでしょう。

このことをぼくに教えてくれたのは、台湾のドラッグストア研究家の鄭世彬さんです。以下、彼が見つけてぼくに送ってくれたVOWな中国語表示をいくつか紹介します。

台湾のドラッグストア研究家、鄭世彬さん
http://inbound.exblog.jp/24182824/

まず単純に笑っちゃうものから。これは大阪のあるコンビニに貼られていた中国語表示です。
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「从清晨到深夜 你可以购买便利店 上午7:00~2300(全年无休)」

これを見たとき、鄭さんは「エーっ」と思わず声を上げたそうです。なぜなら、これは「早朝から深夜まで、あなたはコンビニ店を購入できます」という意味になるからです。購入できるのは商品であって、コンビニ店舗そのものではありませんよね。

正しくはこうなります(以下すべて、ぼくが中国語を教えていただいている中国人大学院生に添削してもらったものです)。

「可以在便利店买东西 7:00~2300(全年无休息日)」

次は某量販店の告知です。「万引きは犯罪です。発見次第、警察に通報します」と日本語では書かれているのですが、中国語簡体字の表記はこうです。
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「高是犯罪,找到在次序和警察通」

ここでも、鄭さんは一瞬頭がポカーンとしたそうです。「高」って誰だ? 中国人の名字に高さんというのはよくありますが…。なぜこんな単純な間違いをしたのか、笑うしかなかったそうです。万引き=偷窃です。

正しくはこうなります。

「偷窃是犯罪,一旦被发现将被通知警察」

次はもうなんというか、たいして中国語のできないぼくから見ても、唖然としてしまいました。「多目的トイレ」の中国語繁体字表示です。
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「多功能馬桶」

「馬桶」というのは、室内で使用するふた付き簡易トイレ、要はおまるのことです。いまのように高層ビルが建つ30年くらい前、水洗化の遅れていた上海では、ふつうに使っていたそうですが……。このトイレ、ウォシュレットや赤ん坊を寝かせるベッドなども付いた最新式のものだと思われますが、なぜこういう中国語が充てられたのか。悪意すら感じられないでもない。トイレの中国語は、初級者でも知っている「洗手間」「廁所」でいいはずなのに。鄭さんも、さすがにびっくりしたそうです。

【追記】
後日、ネットで以下の記事を見つけました。

日本で爆買いされているウォシュレットが売れている理由
http://omiyagejapan.blue/omiyage/panasonicwashlet.html

この記事によると、ウォシュレットは中国では「馬桶蓋」と呼んでいるようです。そこで、鄭さんにこれは正しい理解かどうか尋ねてみました。以下、彼のメールによる回答です。

「「馬桶蓋」は台湾では、一般に便座の蓋の意味です。ウォッシュレットは「免治馬桶座」と言っています。調べたところ、中国では一部の人がウォッシュレットのことを「智能馬桶蓋」と呼んでいるようです。

もしかしてそこから略してそう呼んでいるのではないかと思います。でも、「馬桶蓋を買う」という言葉は中国人なら理解できるかもしれませんが、台湾人には便座の蓋を買うことに聞こえるため、なんで蓋だけ買うの? と理解不能かもしれません。やはり台湾と中国の言葉遣いは大きな差がありますね」。

以下は、ちょっと惜しい!という例。

これもある量販店の表示です。
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「我可以使用银联卡 可使用 各种信用卡」

「当店では、中国のデビットカードである銀聯カードが使えますよ」と伝えたかったのでしょう。でも、これでは「私は銀聯カードが使えます」と読めてしまいます。

正しくはこうなります。

「您可以使用银联卡 也可以使用各种信用卡」

あるいは、主語の「您(あなた)」を取って「可以~」でもいいはずです。

次は、成田空港行バス乗り場の表示。「未予約のお客様」という意味の中国語として以下が充てられています。
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「客户毫无保留」

「毫无保留」というのは、「保留なく(隠すことなく)、すべてを打ち明ける」といったときに使われる四文字熟語です。ただ予約の済んでいない乗客ということなのに、すごく大げさな表現になっているのです。こういうのも、中国客から見ればVOWそのものでしょう。

正しくはこうです。

「没约的乘客」

次は同じくバス乗り場の表示。
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「客人乘坐请等待巴士站」

これなどはぼくには、どこがどうおかしいかうまく説明できませんでしたが、通常お願いの場合、頭に「请」を持ってくるべきでしょうし、以下のように直すと中国人にはわかりやすいそうです。

「请乘坐(巴士的)乘客在巴士站等候」

最後の例は、かなりやばいことになっています。中国人向けにファストフード店がアルバイトの募集をしているようなのですが、鄭さんならびに中国人大学院生も、これでは何を伝えようとしているのか、よくわからないと言っていました。
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「新的船员大学招募
1周两次在1日从2小时起热烈欢迎!
每周能改变日程!
计时初次来访的用户放心,能工作。
如果日语能说的话,可以。
许多的外国人工作」

ここで仰天なのは、頭の「新的船员」です。「船員」すなはち「Crew(クルー)」という表現は日本では一般化しているようですが、中国人にはまずこれがわからないそうです。「船員」は文字通り船で働く人だからです。中国では一般にレストランなどのスタッフを募集する際、「服务员(服務員)」を使っています。

そして「如果日语能说的话,可以」ですが、これを直訳すると「もし日本語を話せればいい」というようなことになるのでしょうが、その前文の「初めての人でも安心して仕事ができます」の後に続く一文だとして、採用に当たって「日本語を話せなくてもいい」のか「話せた方がいい」のかよくわからないそうです。中国人大学院生による添削語の文章は以下のとおりです。

「新的服务员招聘
1天工作2个小时也可以
每周能改变工作日/时间
1000日元~/小时 从5:00到22:00
夜间1250日元~/小时 从22:00到6:00
第一次打工人也能放心地工作
不会说日语的人也可以(日本語が話せなくてもいい)/会说日语的话更好(日本語が話せればなおいい)
有很多外国人在这里工作」。

……とまあこんなことになっているのです。これらが中国客の脱力感を誘い、「日本人もかわいいところあるね」と好意的に解釈してもらえるといいのですが、鄭さんによると、このままではいろいろ支障もあるのではないか、といいます。

たとえば、高額なブランド品や化粧品のコーナーでこうした“とんでも”中国語表示を見かけると、なかには品質を疑いたくなる人も出てくるのではないか、というのです。笑いや脱力ではちょっとすまされないシーンであることは、確かに想像できます。

またこれは彼が台湾人であることからくるものですが、とにかく日本は簡体字に席巻されていることが不満だといいます。これは微妙な話ですが、一般に台湾の人たちは簡体字を見ると、目を背けたくなるといいます。つまり、台湾人は簡体字表記ばかりの店には足を運びたくないという心理があるということです。

鄭さんはこんなことも話してくれました。

「いま台湾では日本のオーブンレンジが人気で、購入する人が多いのですが、中国本土ではまだブームになっていません。先日、新宿のビックロに行ったとき、オーブンレンジのコーナーの商品表示に繁体字が使われていました。よくわかっているな、とぼくは思いました。オーブンレンジを買うのは、台湾客だけだから、繁体字を使っていたのです」。

ビックロの販売スタッフは、中国本土客と台湾客の売れ筋商品を理解したうえで、簡体字と繁体字を使い分けているというのです。実際に、ビックロの免税品コーナーに行くと、オーブンレンジは「過熱水蒸氣水波爐」と繁体字表記されていました。すごいですね。
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中国語をかじったことのない人からすると、こうした話をされてもお手上げと思うかもしれませんが、そんなに難しく考えることではないと鄭さんはいいます。

「最近では外国客がよく利用するショッピング施設に中国人スタッフを置いていることが多くなりました。であれば、まずは彼らにチェックしてもらうことが必要でしょう。ただし、中国人だからといって安心してはいけません。中国人は出身地によって方言もあり、言葉の使い方が異なります。正直なところ、台湾人からすると、中国本土の中国語はかなり違和感があります。ですから、そうした両岸や地方による違いも理解している正式な中国語翻訳会社に発注したほうがいいと思います。そのうえで、売れ筋ごとに簡体字と繁体字の使い分けまでできると、さすが!と思います」。

実をいうと、これは中国語に限った話ではありません。同じことは、タイ人留学生も気づいていました。日本のショッピング施設には、タイ語のおかしげなポップや表示も各所に見られるというのです。

タイ人留学生とお土産談義~なぜ日本の文房具は人気なのか?
http://inbound.exblog.jp/22471366

その留学生は、安易に翻訳ソフトを使うのは間違いのもと、と指摘しています。

訪日客が増えると、実にいろんなことが起きるものです。彼らといかにフレンドリーなコミュニケーションを築いていけるのか。そのためにも、台湾や中国、タイの皆さんからの指摘には謙虚に耳を傾けていきたいと思います。

【追記】
その後、中国本土の人たちも指摘してくるようになりました。

日本にあふれる「恥ずかしい中国語」をついに中国人に指摘されてしまいました
http://inbound.exblog.jp/26343657/
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by sanyo-kansatu | 2015-04-17 10:27 | “参与観察”日誌 | Comments(2)
2015年 04月 03日

日本ドラッグストアショーは面白くてタメになるイベントでした

3月中旬、台湾のドラッグストア研究家の鄭世彬さんに同行して幕張メッセで開かれていた日本ドラッグストアショーという展示会に行ってきました。

台湾のドラッグストア研究家、鄭世彬さんについて
http://inbound.exblog.jp/24182824/
http://inbound.exblog.jp/24310398/
http://inbound.exblog.jp/24314372/
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第15回JAPANドラッグストアショー
http://www.drugstoreshow2015.jp/

幕張メッセのサイトによると、「これからのドラッグストア業界の提案や"セルフメディケーションのさらなる理解促進と啓蒙"のための情報を発信しながら、セルフメディケーションを支える健康や美容、生活に役立つ商品を展示しています」とのこと。
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このイベントに足を運んだのは初めてのことでした。鄭さんはここ数年、毎年視察のために来ているそうです。
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会場には、日本を代表する医薬品や化粧品メーカーから各種専門メーカーに至るさまざまなブースが並んでいました。
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鄭さんによると、今年のひとつの注目は「コーセーの雪肌精が30周年を迎えたことなんです」だそう。
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「このイベントのうれしいのは、各ブースでいろんな景品をもらえることです」。そう鄭さんは言って、チョコラBBのブースに入りました。このブースでは、1年後の自分宛てにメッセージを込めたはがきを書けば、ドリンク3本がもらえます。

鄭さんはこの業界の関係者にずいぶん知り合いができているようで、行き交う人たちから声をかけられています。彼にとってこのイベントは旧知の関係者にまとめて挨拶できるうえ、さまざまな新製品や商品のトレンドなどを学べる1年で最も重要なイベントのひとつなのだそうです。
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ぼくはただ「なるほど、そうなんですねえ」と、彼のあとをついて会場を歩いていただけですが、確かに面白いイベントでした。この日は業界関係者の商談日でしたが、一般公開日は大混雑するそうです(協会の発表で、来場者数は12万9504名)。やはり健康や美容にかかわる商品というのは、女性のみならず男性も関心はないはずがないからです。

彼の最新刊『日本家庭藥』を書くために全面協力してもらったという日本家庭薬協会のブースも訪ねました。
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そこには、写真のとおり、家庭薬のロングセラー商品が勢ぞろいしていて、いくつかは見覚えのあるレトロなパッケージがそれぞれ面白かったです。
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これはシッカロール。このパッケージには記憶はありませんが、子供の頃、首や脇の下の汗をかきやすいところにつけまくっていたなあ。
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赤チンも今では見かけなくなったけど、昭和の子どもは転んで擦り傷ができたら、必ず塗っていました。

同協会のサイトには「家庭薬ロングセラー物語」というコーナーがあって、詳しく解説されています。

日本家庭薬協会
http://www.hmaj.com

今回、鄭さんにはいろいろ教えていただきました。日本人であるぼくが知らないことを彼はたくさん知っています。それは最新のトレンドだけでなく、家庭薬とその歴史が日本にとっての大切なバリューのひとつであることも。

ブースのはずれにちょっとしたお勉強コーナーがありました。この業界の市場動向を知るうえでポイントとなるデータが展示されていたので、最後にそれを並べておきます。

拡大するドラッグストア
全国総店舗数 1万7953店(2014年)※13年より390店舗増加。
※ドラッグストアは今や「国民生活の安心と安全を守るインフラ」ということなんですね。
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売上高の推移 全国総売上高6兆679億円(前年比101.0%)
※伸びは鈍化しつつも成長しているそう。
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ところが、1店舗当たりの売上高は微減傾向
3億3799万円(前年比98.7%)
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商品別売り上げ構成比
 医薬品32.1%
 化粧品21.9%
 日用雑貨21.3%
 その他24.8%
※「街の健康ステーション」の商品構成は実に絶妙なバランスなんですね。
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by sanyo-kansatu | 2015-04-03 10:34 | “参与観察”日誌 | Comments(0)