ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 10月 25日

今年の国慶節時のバスはほどほどの感じでした(ツアーバス路駐台数調査 2017年9月)

今年の国慶節休暇中に新宿5丁目に現れた中国ツアーバスの数は、普段と比べて特に多くも少なくもないという感じでした。

9月中旬に伝えられた中国の日本の団体ツアーに対する数値制限の通達の影響がどうなるのか気がかりでしたが、少なくとも10月中のツアーは早い段階で予約されていたものだと思いますから、影響らしいものは感じませんでした。問題は、11月以降です。いくつかの省や都市ではもう1本もツアーは出せないと言っていますし、まったくそんなことはないという話も聞かれます。中国ではいつもこんな感じで、地域によって通達の中身も違うのかもしれませんし、よくわかりません。

中国はついに日本への渡航制限を始めるのか? (2017年 09月 22日)
http://inbound.exblog.jp/27130164/

ただし、10月8日までの国慶節休暇中は子供連れのファミリー客が多かったのですが、中旬を過ぎると、以前と同様中高年世代のグループの比率が増えたように思います。学校を休んでまで海外旅行というわけにはいかないでしょうから、これも当然でしょう。相変わらず、新宿5丁目界隈の中国団体客専用食堂では、中国のおばちゃんたちがにぎやかです。
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※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(日)未確認
2日(月)未確認
3日(火)12:00 4台
4日(水)12:50 5台
5日(木)12:20 4台
6日(金)未確認
7日(土)未確認
8日(日)未確認
9日(月)未確認
10日(火)12:10 5台
11日(水)11:50 4台、18:20 2台
12日(木)未確認
13日(金)12:40 7台
14日(土)未確認
15日(日)未確認
16日(月)12:10 5台
17日(火)11:50 4台
18日(水)12:20 4台
19日(木)12:10 3台
20日(金)未確認
21日(土)未確認
22日(日)未確認
23日(月)12:00 5台
24日(火)12:20 4台
25日(水)12:30 3台
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by sanyo-kansatu | 2017-10-25 11:13 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2017年 10月 20日

中国政府による訪日ツアー客への数値制限と国慶節の中国メディア報道

中国の国慶節休暇が10月8日に終わり、中国メディアは今年の海外旅行動向を報じています。これらの記事を簡約して伝えるレコードチャイナなどから紹介します。

まず、あいかわらずの民族大移動を大げさに伝える話。

中国の「スーパー連休」、延べ7億人が国内を大移動(レコードチャイナ2017年10月10日)
http://www.recordchina.co.jp/b193189-s1-c30.html

(一部抜粋)中国で建国記念日にあたる国慶節と中秋節を祝う超大型の8連休が8日に終わった。中国国家観光局データセンターによると、期間中に延べ7億人が国内を移動し、観光収入は5836億元(約9兆8924億円)に上ったという。

携程旅行網(シートリップ)は、連休期間中に旅行に出かける人のうち、「親子旅行客」と「家族旅行客」がそれぞれ32%、42%を占めるとする予測。

国家観光局や携程旅行網のデータによると、8連休中に海外旅行に出かける人は延べ600万人を超えるとされ、うちツアー客は64万1900人に上ると推計されていた。国内の約300都市から88カ国・地域の1155都市に出かけ、人気の旅行先は、国別ではロシア、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシアと続き、都市別では、モスクワが最多で、以下、サンクトペテルブルク、バンコク、パタヤの順だった。


この時期、家族や親子旅行が多かったことを記事は指摘しています。さらに、人気の旅行先としてアジアの国を中心に挙げていますが、意外だったのはロシアが入っていることと、日本がないことか。

一方、別の記事は日本での消費額はあいかわらず大きいと言っています。

国慶節休暇中の訪日中国人の消費金額は1000億円以上に?―中国ネット(レコードチャイナ2017年10月10日)
http://www.recordchina.co.jp/b185947-s0-c20.html

(一部抜粋)中国のポータルサイト・今日頭条に、国慶節休暇(10月1日〜8日)に日本旅行へ行った中国人の消費金額について伝える記事。

16年の国慶節では、訪日中国人数は50万6000人となり、この傾向からすると今年の国慶節の訪日中国人数はさらに増えたと考えられるとした。

最新の統計によると、国慶節期間中に訪日中国人が消費した金額は、合わせて1000億円を超えるという。統計によると、訪日中国人のうち、買い物が目的と回答した人が7割を占め、観光はわずか3割だったという。


これ本当なんでしょうか。

次は興味深いニュースです。2014年9月の雨傘革命以降、中国政府が渡航に制限を加えていた香港で、今年は過去最高の中国客が訪れているという話です。なるほど、学生運動家らも逮捕し、中国政府のいう「動乱」は解決したから、そのご褒美に大勢の観光客を送り、消費に貢献させようという腹でしょうか。それがみえみえです。

香港、中国の大型連休で観光業が大幅回復(レコードチャイナ2017年10月10日)
http://www.recordchina.co.jp/b193020-s10-c20.html

(一部抜粋)特区政府入境事務処発表の統計では、10月1日に大陸部から香港を訪れた観光客は過去5年で最多の延べ20万6000人(前年同期比9.4%増)で、最も多いのは個人旅行だった。

香港観光の目玉は今もショッピングだ。人気ショッピングエリアの銅鑼湾では、多くの店が「大型連休イベント」「建国記念日セール」などの宣伝文句を簡体字で掲げている。大陸部の銀聯カードや「微信支付」(ウィーチャット・ペイメント)で決済し、特別割引を得られる店も少なくない。

香港観光発展局の統計では、今年1〜8月に大陸部から訪れた観光客は前年同期比1.9%増の延べ2900万人に達した。


一方、こんなニュースもあります。国慶節中にアメリカに行く中国客が減っているというのです。

なぜ?「国慶節連休の中国人観光客が減った」と米観光業者(レコードチャイナ2017年10月11日)
http://www.recordchina.co.jp/b193297-s1-c30.html

(一部抜粋)600万人を超える中国人観光客が海外を訪れると期待された今年の国慶節(建国記念日)連休だが、米カリフォルニア州の観光業者からは「中国人客の数は例年より少なかった」との声が上がっている。

米中間を行き来する航空機でも中国人団体客の利用が減ったことが指摘されており、ある旅行会社の関係者は連休中の航空料金の高さやビザ取得が困難になったこと、米国の治安に対する旅行者の不安を原因として挙げる。また、「ピーク時を避けたいという考えが(国慶節シーズンの)団体客減少につながった」と話すバス会社の関係者は「連休中、個人客は比較的多かったが中国人観光客が増えたという実感はない。ただ、連休が終われば団体客も増え始める」「庶民の海外旅行にとって航空料金は大きな問題」などとコメント。


これはどういうことでしょう。国慶節休暇中は航空運賃が跳ね上がるので、団体ツアー客のような安価な料金で海外旅行したい層が、この時期をはずして連休後に移動しているということでしょうか。もしそうなら、市場の動きとしてはそれなりに健全な話です。

ところが、韓国の災いは続いているようです。いいかげん、中国は弱いものいじめはやめるべきではないでしょうか。

中国人の韓国ボイコットはここまで!大型連休中の団体客はゼロ=中国ネット「この時期に行くわけがない」「団体客は全部日本に行ったとか」(レコードチャイナ2017年10月12日)
http://www.recordchina.co.jp/b188859-s0-c30.html

(一部抜粋)10日付の中国・海外網によると、連休中の訪韓中国人観光客について韓国メディアは「THAADの影響下で団体客は依然としてゼロ。免税店の売り上げ減は避けられず、中国人消費者のロッテ免税店での購入額(1〜7日)は昨年の国慶節連休に比べ25%減った。国内の消費者をターゲットとしたセールも実施されたが期間全体の売り上げは前年同期に比べ15%縮小」などと報道。さらに今年1〜8月のデータとして訪韓中国人の数が前年同期の52.6%(延べ302万2590人)にとどまった。

しかし、同じ矛先は日本にも向かい始めています。9月下旬、日本のメディアが中国による日本ツアーの数を制限するよう自国の旅行会社に通達を出したと報じました。

いったん中国メディアはそれを否定しましたが、中国の複数の旅行会社に確認したところ、通達は確かに出ていたことが確認できました。理由についてはいろんな説があり、後日整理して報告したいと思います。

中国はついに日本への渡航制限を始めるのか? (2017年 09月 22日 )
http://inbound.exblog.jp/27130164/
中国メディアがTBS報道「中国、訪日旅行に制限」に反論! とはいうものの… (2017年 09月 25日)
http://inbound.exblog.jp/27147682/

中国メディアは通達のことなど知らぬふりで中国人の日本旅行が「買い物から体験にシフト」したといい、人気都市として「パリ、香港、大阪、東京、バンコク」を挙げています。

中国人600万人が国慶節に海外旅行  消費スタイルは買い物から体験へシフト(人民網日本語版 2017年10月16日)
http://j.people.com.cn/n3/2017/1016/c94475-9280429.html

今年の国慶節も終わり、数値制限の通達以降、訪日中国旅行市場はどう推移していくのか。要するに、これまでの訪日ツアーの代金が安価だったからこそ「行ってみてもいい」「行ってみようか」と参加してきた地方都市を中心とした客層が、通達以降、2倍近い料金になっても、これまでどおりツアーに参加するだろうか、ということではないかと思います。

今週、日本政府観光局(JNTO)が公表した今年9月の統計では、中国客は「前年同月比29.9%増の678,300 人で、9 月として過去最高」と好調だったことを伝えています。

訪日外客数(2017 年9 月推計値)
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/171018_monthly.pdf

この時期、まだ通達の影響はないのですが、今後については中国側と情報交換しつつ、行方を探っていきたいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-20 16:27 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 10月 20日

Laox銀座本店でひな壇座りする中国客。ここは中国なんだなと思う

今週水曜、観光庁の今年第3四半期の訪日外国人消費動向調査がリリースされ、朝日新聞も以下の記事を配信しています。昨春の「爆買い」終了の影響で落ち続けていた外国人1人あたりの消費額が1年9ヵ月ぶりに増えたというのです。

【訪日外国人消費動向調査】平成29年7-9月期の調査結果(速報)
http://www.mlit.go.jp/common/001206326.pdf
リピーター効果、訪日客の消費増 1人16.5万円(朝日デジタル2017年10月19日)
http://www.asahi.com/articles/DA3S13186795.html

訪日外国人客の7~9月期の1人当たり消費額は前年同期比6・6%増の16・5万円と、7四半期(1年9カ月)ぶりに増えた。かつての「爆買い」の勢いはないが、高額品が売れ、百貨店でも客単価が上がっている。

観光庁がサンプル調査をもとにした推計値を18日発表した。1人当たり消費額は、「爆買い」が盛り上がった2015年7~9月期の18・7万円がピークで、16年以降は前年同期を下回っていた。

上昇に転じたのは、繰り返し訪れるリピーターの効果が大きい。観光庁の田村明比古長官は「リピーターほど消費額が多い傾向がある」という。同庁の推計では、リピーターは前年同期より3・5ポイント増えた。

効果は百貨店で目立っている。日本百貨店協会によると、8月の全国の百貨店の訪日客の1人当たり消費額は、前年同月比2割増の6・7万円だった。(森田岳穂)


こうした傾向は、すでに今年の春先ごろから見られていました。本ブログでも、今夏の百貨店売上が好調だったことに触れています。

訪日外国人の免税売上の伸張で、今夏の百貨店売上は好調でした(2017年 10月 04日)
http://inbound.exblog.jp/27218265/

そこでも書いたのですが、中国の「爆買い」終了で大きな痛手を負った中国系家電量販店Laoxも、今夏の売上はまずまずだったようです。

国慶節休暇も終わった今週夕方、たまたま銀座に立ち寄る機会があったので、銀座8丁目本店を訪ねてみました。
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Laox銀座8丁目本店
http://www.laox.co.jp/stores/ginza/

相変わらず店の前には入れ替わり中国ツアー客を乗せたバスが駐停車していました。とはいえ、2年前の大混雑に比べると、適度な感じとでもいうのでしょうか。おそらくバスの停車時間や買い物時間などもきっちり決められていて、整然と配車が行われているのだと思います。
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本店の前はそれなりに中国客の人だかりができていました。買い物をすませたり、そもそも最初からする気のない人たちがバスを待っているのです。
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若い女性のツアー客もそれなりにいます。どれだけ個人化が進んだといっても、中国の地方都市から来る人たちはまず団体ツアーに参加するからです。
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Laoxの店舗は表も外も、イメージキャラクターの福原愛ちゃんであふれています。
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3階まである店内を見て回って気づいたのは、それぞれのフロアに置かれる商品の構成が大きく変わっていたことです。ひとことでいえば、日本製の電気炊飯釜と温水洗浄便座以外の家電製品は、細々したものを除くと、ほぼなかったのです。

それがこの1~2年の話だとわかるのは、店内の階ごとの商品構成を書いたプレートです。3階には「デジタルカメラ」と大きく書かれているのに、置いてないからです。実は、銀座にもう一軒銀座EXITMELSA店があり、そちらにはSONYのデジカメが置かれていましたが、これをみる限り、美容家電などの一部を除き、日本の家電は中国の消費者から相手にされなくなったということがわかります。家電メーカーの人たちはすでに承知していたことでしょうが、一般の日本人にとってこれはかなり衝撃的なことといえるかもしれません。

面白いのは、店舗正面奥の1階から2階に上がる階段に、ひな壇座りしている中国客がいたことです。さすがに正面から撮るのははばかられたので、こっそり背後から撮ってみました。
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この光景を見て「ここは中国なんだな」とあらためて思った次第です。

思えば、パリのルイヴィトン本店に押しかけ買い物した後、VAT(ヨーロッパの付加価値税)払い戻しの手続きを待つため、店内の床や階段に座って、ついにはおやつを食べ始めてしまう中国客が続出したことが問題になったことがありました。いくらなんでも呆れた話なので、中国のテレビニュースでも「こんなみっともないことはやめよう」と国民に啓蒙していたのが、確か2013年頃でした。

最近では、中国メディアも中国客のマナーは改善したと言っています。

訪日中国人観光客のマナー、ガイドが語る「数年前との違い」とは?―中国メディア(Record china2017年7月11日)
http://www.recordchina.co.jp/b183996-s0-c30.html

(一部抜粋)訪日ツアーを担当してきたあるガイドは「中国人観光客の印象はここ数年で明らかに変わった。以前の訪日ツアーではごみのポイ捨てや喫煙場所について何度注意してもマナー違反がたびたび起こったが、近年は出発前に自ら旅行中の注意事項を尋ねる客が増えていて、ルールを守ろうという意識も持っている」。

さすがにそりゃそうでしょうという話ですが、店舗の階段のひな壇座りを見て、これが許されるのもLaoxだからなんだろうと思った次第。これを三越や東急プラザでやられたら、さすがに問題でしょうから。

とはいえ、中国の地方都市から来た団体ツアー客の人たちが、あれほど自国で評判の悪いLaoxに来るのも、ツアー造成上のビジネスモデルの問題であり、ある意味仕方がないことです。それが破格に安いツアー料金に参加する条件なのですから。ここで買うつもりがなくても、ガイドに連れられてくる以上、買う買わないはともかく、1時間近くずっと待っていなければならないのは辛いことでしょう。ひな壇座りしている若い人たちが多いのも、彼らは買いものにそんなに興味がないからだと思われます。

今回訪ねてあらためて思ったのは、Laoxはもう「家電量販店」と呼ぶには無理があるということです(そう思っていたのは日本人だけだったのかもしれませんけれど)。免税小売店として、中国客のニーズに合わせて短期間で細かく商品構成を変えてきたことが同店の生き残った理由であり、その小回りの早さは日本の小売店にはなかなか真似できないことだと思います。

その一方、Laoxが今後も売上を伸ばすには、中国客以外の取り込みが必要でしょう。でも、この感じだと、他の国の人たちが銀座の中からわざわざここを選んでくるだろうか。今後、中国政府の通達で訪日団体ツアーの数値制限が始まるとすれば、ますます大変だと思います。

Laoxを出ると、今年4月にオープンした銀座シックスのブランドショップの明かりが目に入りました。こちらも中に入ってみましたが、1階のツーリストサービスセンターはコンビニとカフェが一体化したスペースで、気分よく時間をつぶすのに悪くない空間でした。
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銀座シックス
https://ginza6.tokyo/
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by sanyo-kansatu | 2017-10-20 13:55 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2017年 09月 25日

中国メディアがTBS報道「中国、訪日旅行に制限」に反論! とはいうものの…

先週木曜日、TBSは中国当局が自国の旅行会社に日本行き観光ツアーを制限するよう通達したと報じました。同様の内容は日本経済新聞9月15日付でも報じられています。

「中国当局、旅行会社に日本行き観光ツアー制限を通達」(TBS News2017.9.21)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3164671.html
中国が訪日団体旅行を制限 外貨流出警戒か (日本経済新聞2017/9/15)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM14H3F_U7A910C1FF2000/

本ブログでも、これを取り上げ、今後について考察しました。

中国はついに日本への渡航制限を始めるのか? (2017年 09月 22日)
http://inbound.exblog.jp/27130164/

ところが、その2日後(9月23日)、中国メディアは日本メディアのネット記事の文面を取り上げ、以下のように反論しています。

日本メディア「中国が訪日団体旅行に制限」と報道。国家旅游局「そんな通達は出していない」(日媒称中国限制赴日团队游 国家旅游局:没有下过类似文件)(2017-09-23 国际在线 )
http://news.hexun.com/2017-09-23/190978288.html

9月21日傍晚,日本TBS电视台发布了一条新闻,称中国有关部门发出通知,要求旅行社限制赴日团体游客的数量。继韩国之后,难道赴日旅游也要受到限制了?请看记者的调查。

日媒:赴日团体游遭遇禁令
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TBS电视台的报道称,本月中旬,中国政府对旅行社发出了相关通知。各地情况各不相同,北京一些旅行社被口头通知“请减少赴日团体游数量”。而在山东、大连等地,各旅行社发团人数被限额,一些已经把一年内额度销售完毕的旅行社,甚至不再发团。关于原因,报道称还不清楚,猜测是为了防止资本流向海外。
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 《日本经济新闻》的报道说,福建省旅游相关部门要求各旅行社减少团体游数量。另外,河北、河南、湖北等地也收到了同样的指示。
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文章说,北京等大城市没有看到这样的情况,并且自由行不包含在内。中国国家旅游局也否认曾做出该类指示。

这篇文章同样分析称,限制团体游数量可能是一些地方为了防止外汇流出。

日媒报道是否属实?

对此,记者以游客的身份咨询了北京、山东、大连、河北等地的几家大型旅行社:

山东济南一家旅行社明确表示,现在不发日本团,日本、韩国旅游团均已停掉。另一家山东旅行社则透露,目前赴日团体游确实会有限额,但是具体限制到多少人,还没有决定。

辽宁大连一家旅行社的工作人员称,确实收到了限制团体游人数的通知,所以目前还没有制定今后的旅游产品。但今后赴日团体游的价格可能会提高到8000以上,从11月开始正式实行。

而河北石家庄、河南郑州的旅行社则表示,没有听说限额一事,所有旅行团照旧运作。北京一家旅行社的工作人员也表示,没有听说此事,并称如果属实,肯定会在旅游圈炸锅。

记者最后致电国家旅游局,得到的回复是:“没有下过类似文件,也没有听说过此事。”

日本网友的反应竟然是开心

TBS电视台的报道在日本雅虎新闻网上得到很多网友的回应,按照点赞最多的评论来看,网友简直是一片欢呼:
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她认为,或许限制团体游的理由是为了防止资本流出到海外。她说:“虽说‘爆买’有减速趋势,但中国游客的消费金额非常庞大,不得不表示担忧。”她提到,现在中国访日游客中,有40%是跟团游,60%是自由行,可以预想今后自由行将会迅速增加。因此,她猜测即使相关部门阻止,中国人出国游的热情也不会减退。而TBS电视台在报道中,却提到中国游客减少将对日本旅游业产生影响。

日本观光厅数据显示,2016年中国游客在日本的消费额是1.4754万亿日元,人均消费达23万1504日元。2016年日本接待2400万人次外国游客,其中中国大陆游客达637万人次。在日本政府大力发展“观光立国”的政策下,显然,失去中国游客将是一笔重大损失。


この記事では、中国メディアが実際に各地の旅行会社に取材をしています。それによると、山東省の旅行会社は「現在、日本や韓国への団体ツアーは止まっている。ただし、人数の制限は決まっていない」。大連では「確かに制限の通達を受け取っている。そのため、現在ツアー商品はない。今後ツアー価格を8000元以上に上げ、11月以降販売を開始する」。

一方、河北省や河南省、北京の旅行会社は「そのような通達はない」。国家旅游局も「そんな通達は出していない」といいます。

記事ではこの報道を聞いた日本のネット民から「うれしい」との声が出たと、そのコメントを上記のように画像にしています。どっちもどっち、嫌な話ですね。最後に「2016年に中国の観光客の日本での消費額は1兆4754円で、1人当たり23万1504円に達したこと。日本が中国の観光客を失うのは大きな損失だろう」と締めています。

それにしても、「通達を受けた」「受けていない」と、地域によって言い分が異なるのはなぜでしょう?

日本のメディアは「資本の海外流出を食い止めるための措置」との見方を示しています。そういう側面もあるかもしれませんが、中国側としては、かねてより問題となっていた安すぎる団体ツアーにつき物の「ブラックガイド」こそが問題で、その解決に向けた動きが起きているのだと主張しているように見えます。

というのも、確かに今年に入って中国からの訪日団体ツアーは減少傾向にありました。一方、個人客やリピーター、そしてクルーズ客は増えているため、中国客の数は以前に比べ伸びは落ちていますが、結果的に増えていました。

これは今年5月の中国メディアの記事で、数年前から散発的に繰り返し報じている内容でもあるのですが、なかなか興味深いことが書かれています。

低価格の海外団体旅行に繁殖する「ブラックガイド」が中国客を陥れる(出境低价团滋生海外“黑导游” 中国游客屡屡被坑)(2017/05/19 界面新闻)
http://www.jiemian.com/article/1333466.html

迅速增长的中国游客数量让海外目的地正规导游供不应求,而低价旅行团也衍生出强制购物等问题。无正规资质的黑导游破坏了出境体验,有什么可以防范的举措?

近日媒体曝光的海外“黑导游”事件引发广泛关注:日本无证黑导游夸大产品效果,联手商家诱导国内游客高价消费,并拿取回扣;5月4日,泰国也曝出黑导游甩客事件,这是今年2月泰国导游甩客之后的又一起引发国内热议的事件。随着中国游客出境游越来越普遍,海外遭遇黑导游的情形也频频发生。

黑导游一般指的是,在有导游资格认证体系的国家,没有取得资格认证而从事导游业务的人,黑导游往往可能做出伤害游客利益的行为。

一位在日本工作的导游告诉界面新闻,从2004年开始,旅行社出于竞争而压低日本旅游产品价格,尤其近两年,中国赴日旅游人数大幅增加,市场竞争激烈。旅行社为削减成本,会聘用非正规的导游来带团,带游客去购物店消费并收取佣金。

“一般是旅行社拿5%,导游拿7%,领队拿3%的佣金。去年有位导游被曝出每带一个团就能拿到至少百万日元的佣金。”这名导游说,“正规导游需要通过严格的通识考试,进入正规旅行社后有收入保障,不会刻意引导游客消费。而这两年由于非正规导游的出现,正规导游的工作越来越少。甚至有的旅行社聘用在日本的中国留学生,让他们花20至30万日元买一个没有实效的导游证,培训他们如何销售商品,欺骗客人。”

中国未来研究会旅游分会副会长刘思敏告诉界面新闻说,“东南亚、日本、韩国这些热门出境目的地的黑导游情况比较严重。中国出境旅游市场发展较快,鱼龙混杂。这种情况下,出售不合理低价团的旅行社,压低成本,就会启用黑导游,也就是薪酬低的非正规导游,并通过自费项目来补贴收入。”

2016年共有1.22亿人次中国游客出境旅游,花费高达1098亿美元。曾有业内人士透露,早在泰国等地作为出境热门目的地刚火起来不久,就有国内人去当地经营地接社、开设购物店,把国内低价团强制购物的现象延伸到出境游,中国游客的旅游消费观念也尚在提升的过程中。

中国出境游客的快速增长、当地中文导游的供不应求,也是海外黑导游出现的原因之一。“虽然日本原本有严格的导游资格考试,但由于导游严重供不应求,日本官方也放宽了要求。”刘思敏介绍说。

在泰国,2015年起国内的正规中文导游约8000人左右,而当年去泰国旅游的中国游客人数近800万人,一些旅行社只能启用有一定工作能力的非正规导游。

除了在低价旅行团中,游客自由行在海外当地雇请导游也可能遇到黑导游;或者借助网站聘请导游,而网站对导游的资质审核不严格,也可能遭遇黑导游。

刘思敏介绍,在有导游资格认证体系的国家,没有资质的黑导游就是非法执业,游客可以投诉,也可以通过旅游警察来执法;而在没有导游资质认证的国家,导游多为自由职业者或者兼职,管理的难度增加。

据上述在日工作的导游介绍,从去年起,日本国税局开始严查免税店账单,如果查到导游拿回扣,会对这些导游进行拘留、罚缴税金,部分在日工作的中国黑导游因此离开日本;另外也有几名领队因为被质疑是黑导游,在成田机场入境时被阻止入境。

该导游认为,出境旅游团都应聘用当地导游,来解决跨国管理的问题。“中国国内旅行社在出境游中往往会聘用领队兼任导游,其实旅游法规定不能如此。如果让领队兼任导游,而不雇请当地有备案的导游,一旦发生纠纷和事故,在境外目的地就很难追究责任。”

北京同创律师事务所杨航胜律师认为,对于自由行之类的当地国导游问题,国内旅游监管部门没有权力和方法进行监管,因为涉及行政权力的行使的国界范围限制,但国内旅游监管部门一定程度上也可以介入到黑导游问题的监管当中。

“比如通过对出境社做出要求,要求出境社对地接社和当地导游的选择上设置门槛,达不到门槛可以进行惩罚等。”杨航胜说,“应该对出境社加强管理,对它的合作伙伴选择进行监管,当然也可以设备黑名单、白名单制度等。”

另外,各地设置的旅游警察,作为专门针对旅游乱象设置的执法岗位,也在规范旅游市场、监督黑导游问题上起到一定作用。

去年8月开始,泰国政府开始大力打击零负团费的旅游现象,以维护泰国旅游的品牌,当地正规导游抗议黑导游扰乱了市场秩序,缺少关于泰国文化的专业知识,并损害泰国旅游的形象。据泰国当地媒体报道,今年4月,泰国特别警务警察、旅游警察和军方就突击查扣了一批正在参与导游和产品销售培训的人员。从2016年初到4月15日,泰国旅游警察已经逮捕了374个无证导游。

而在阿根廷、俄罗斯、埃及、夏威夷等地,也都有会外语的旅游警察,在酒店和旅游景区等地解决游客遇到的各类问题,包括帮忙指明方向、寻找遗失物品,或是处理与商家、导游发生的纠纷。

中国国内目前在三亚等地设立旅游警察的同时,也有与国外警察联合执法的尝试,例如今年4、5月间,有来自意大利的警察与中国警察在北京、上海有关景区联合巡逻,而在6月,中国警察将赴意大利与意方分别在罗马、米兰、佛罗伦萨、那不勒斯等4个旅游城市开展联巡。


この記事では、日本の「ブラック免税店」と結託した「ブラックガイド」の内実を簡単に紹介しています。彼らは国家の認証するガイドライセンスを持っておらず、中国側の旅行会社も価格競争のため、コスト削減の必要から正規ではないガイドを採用していると正しい指摘をしています。特に状況がひどいのが、東南アジアや日本、韓国だともいっています。

一方、日本の国税局がブラックガイドの摘発を始めたことや、昨年タイでも無資格ガイドを374名逮捕したことなども書かれています。さらには、イタリアに中国の警官をツーリストポリスとして派遣するような両国共同の取り組みも始まっているそうです。

今や日本を訪れる中国客の6割は個人客といわれますが、残りの4割は地方からの団体客で、彼らは現状では日本で「ブラックガイド」の添乗するツアーに参加せざるを得ません。一般の募集ツアーではそのような商品しかほぼないからです。この問題を解決したいというのが中国側の言い分で、それは理解できる話です。

ただし、これまで4000~5000元程度で集めていた日本ツアーの客を、大連の旅行会社のように「8000元以上」にするとなると、どれだけ集客できるのでしょうか。これまでは安かったから、多くの人が参加しただけで、結果的に、訪日中国客は、団体に限り、ますます減っていくことになるのではと思わないでもありません。

【追記】
その後、中国の複数の旅行会社に確認したところ、通達は出ていたことが確認できました。しかし、それで影響を受けるのは、団体客だけで、いまや6割以上が個人客なので、影響は限定的といえます。しかも、これまでの中国人観光客のイメージを変えていかなければなりません。ForbesJapanに以下の記事を書きました。ご参照ください。

これからの中国人観光、「爆買い」から「女子旅」へ(ForbesJapan2017.10.5)
https://forbesjapan.com/articles/detail/17954
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by sanyo-kansatu | 2017-09-25 16:56 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 09月 24日

対馬を訪れる韓国客40万人。理由はexpected unfamiliarity(似てるけどどっか違う)という国境特有の体験

今週金曜日、東京ビッグサイトで開催されているツーリスムexpoジャパンに行ってきました。

ツーリスムexpoジャパン
http://www.t-expo.jp/

会場では各種セミナーが行われています。そのひとつがボーダーツーリズム推進協議会のセミナーでした。

ボーダーツーリズム推進協議会
https://www.border-tourism.com/
ボーダーツーリズム(国境観光)って何だろう? (2017年 07月 14日 )
http://inbound.exblog.jp/26987824/

ボーダーツーリズムの魅力をテーマとしたこのセミナーでは、3つの話がありました。

第1部は、先月ロシアのハバロフスクから中国の撫遠の国境を渡った北海道大学の岩下明裕先生の旅報告でした。
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ハバロフスクから中国に船で渡る「中露国境紀行2017」ツアー募集中
http://inbound.exblog.jp/26862674/
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この国境は、昨年まで外国人が自由に渡航することができなかった場所で、1969年には中ソ国境紛争のため戦争まで起きていたのです。1990年代以降、この地域に頻繁に足を運び、中ロの国境画定に向けた辛抱強い取り組みを調査してきた岩下先生も「まさかこのような場所に、日本人が団体ツアーで訪れ、記念撮影をするような時代になったとは」と感慨もひとしおという感じでした。

この国境については、今年すでに数名の日本人が個人で渡っています。

超マニア向けボーダーツーリズム「中ロ国境(ハバロフスク・撫遠)」を渡った日本人の話 (2017年 07月 17日)
http://inbound.exblog.jp/26994535/

第2部は「ボーダーツーリズムの発信都市・稚内市からの報告」でした。
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サハリン南部が日本領だった戦前期には、稚内とサハリンの港町コルサコフ(大泊)、ネヴェリスク(本斗)の間には定期航路がありました。1999年に開始されたコルサコフとの定期航路は、乗客不足に悩まされながらも細々と続けられています。

今年6月、ぼくはサハリンに初めて行ってきましたが、まさに「日本にいちばん近いヨーロッパの田舎町」で、とてもいいところだと思いました。本ブログにかなりの文章を載せています。

ノービザ解禁!極東ロシア
http://inbound.exblog.jp/i33/

第3部は「対馬・釜山の国境を見る、感じる、渡る。学ぶ<日本で最も手頃なボーダーツーリズム>」で、九州大学の花松泰倫先生の話でした。とても興味深い報告でした。
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2012年以降、対馬を訪れる韓国人観光客は年々増えているのですが、今年はついに40万人近い人たちがこの島を訪れる勢いだそうです。なにしろ対馬と釜山の距離は福岡より圧倒的に近く、わずか50㎞です。しかも対馬の人口は3万人。一方釜山の人口はその100倍以上の345万人。いまや釜山の市民を中心に、韓国の人たちにとって対馬は近くて安くてお手軽な日帰り海外旅行先になっているのです。
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彼らは自然の豊かな対馬で、トレッキングやキャンプ、サイクリング、海水浴、釣りなどのアウトレジャーを楽しむ人が多いとか。
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なぜ対馬にこんなに韓国客が増えたかという理由について、花松先生は説明します。
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なにしろ釜山からフェリーで1時間(料金は800円)。安くておいしい日本食と免税店の買い物。そして、expected unfamiliarity(似てるけどどっか違う)という国境地域特有の体験が彼らを惹きつけているといいます。

同じ体験は日本人が対馬から釜山に渡ったとき、感じるはずです。

あまりに韓国客が増えて「韓国客お断り」の表示を出す飲食店もあり、地元での社会的軋轢も生まれているとのこと。これだけ韓国客が訪れると、その経済効果は島にとってありがたい話ですが、わずか人口3万人の島に年間40万人の外国客が訪れるということは、しかもここ数年の話ですから、島民の人たちの生活に、さまざまなストレスを与えていることでしょう。
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このセミナーでは、こうした現状も含め、もっと日本人も対馬を訪れることを推奨しています。地元の人たちから歓迎されることはうけあいですし、何より面白いのは、対馬を訪ねた後にフェリーで釜山も訪ねてみることで、まさにボーダーツーリズムの面白さを体感できるというわけです。

花松先生は現在の対馬の状況について「千島列島や竹島とは違い、対馬で両国民の往来がフリーとなっているのは、日韓の国境が画定しているからだ」といいます。確かに、国境係争地では人の往来は自由でありません。今日の対馬のにぎわいは、そのおかげといえます。

福岡から対馬経由で釜山に渡り、福岡に戻ってくるという旅は、必ずしもツアーでなくても体験できそうです。ただし、対馬の歴史を学んだり、地元のおいしい食を味わったりとなると、ガイドの人に案内されたほうがずっと面白そう。いつの日かぼくも行ってみたいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-09-24 16:53 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 09月 11日

中国の夏休みが終わり、バスは少し減ってきました(ツアーバス路駐台数調査 2017年9月)

9月になると、中国の夏休みが終わるので、めっきりバスは少なくなってきました。
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夏は家族で団体旅行に参加する中国の地方客が増えるので、子供の姿もよく見かけたものですが、最近見かけるのは、大人ばかりのツアーです。

先日は広東語も聞かれました。

さあ、この先団体客はだんだん減っていくのでしょうか。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(金)未確認
2日(土)未確認
3日(日)未確認
4日(月)11:50 3台
5日(火)12:30 4台
6日(水)12:20 2台
7日(木)12:40 3台
8日(金)12:20 2台
9日(土)未確認
10日(日)未確認
11日(月)13:30 1台
12日(火)12:20 2台、19:00 2台
13日(水)18:10 1台
14日(木)12:00 6台
※この日はバスが多かったです。新宿5丁目にあるインバウンド専門食堂3軒(林園、味仙荘、金鍋)はどの店も中国客でいっぱいでした。

15日(金)18:00 1台
16日(土)未確認
17日(日)未確認
18日(月)12:40 2台
※この日はバスの台数は少なかったけど、「金鍋」に中国客が多くいたので、久しぶりにランチしました。1階にも中国客の団体がいて、少し話を聞きました。30人くらいのグループは山東省の人たちでした。「昨日は台風でどこにいたの?」と聞くと「静岡」。「じゃあ富士山見えなかったね」というと「今日は大丈夫」と答えてくれました。

19日(火)12:50 3台
20日(水)18:20 1台
21日(木)12:20 4台
22日(金)未確認
23日(土)未確認
24日(日)未確認
25日(月)11:50 3台
※この日はバスはそれほど多くなかったのですが、「味仙荘」の前は中国客であふれていました。
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26日(火)13:10 4台
※9月後半になると、国慶節休暇が近いせいか、バスの数が増えてきました。今日も「味仙荘」と「林園」の前は中国客でいっぱいです。
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27日(水)12:40 5台
28日(木)未確認
29日(金)11:50 4台
30日(土)未確認
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by sanyo-kansatu | 2017-09-11 13:59 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2017年 09月 08日

2つも世界遺産がある広島県には欧米客が多く、インド人ツアーもいた

8月下旬、広島を訪ねました。広島といえば、原爆ドームと宮島という世界遺産が2つもあるというインバウンドでは恵まれた県です。

広島市内から宮島行きのフェリーが出る宮島口に行くには、JR山陽本線で行くか、路面電車(広電)に乗って行くかの2通りがあります。外国客の多くはJRレイルパスを持っている人も多いので、JRで行く人が多いそうですが、路面電車で沿線の風景を眺めながらのんびり行くのも乙なものです(所要時間:JR約30分、広電約1時間)。
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朝8時半過ぎ、土橋という停留所から路面電車に乗ると、外国人のグループがどっと乗り込んできました。
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中高生くらいの子供連れのツアーもいます。たまたまぼくの席の隣にお母さんらしい女性が座ったので、話を聞くと、イギリスのウェールズから来たみなさんで、日本の滞在は16日間。東京から日光、箱根、富士山、京都、大阪、そして広島に来たそうです。これが本当のゴールデンツアーです(中国人のゴールデンツアーは日程が短いため、広島や日光がはしょられるため)。

ところが、今年の8月は天候不順でしたから、箱根でも富士五合目でも富士山の姿を見ることができなかったとか。なんだか申し訳ない気になってきます。

その日は晴れていたのですが、空が霞んでいて、宮島口に近づいたとき、車窓から「あっ、鳥居が見える」と教えてあげたのですが、かなり遠く、くっきりと見せることができませんでした。
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電車を降りると、フェリー乗り場に向かいます。フェリーは松大汽船(宮島に向かって左側)とJRフェリー(右側)の2社があるのですが(料金はともに片道180円)、JRフェリーは海の中に立つ大鳥居の側を少し大回りする航路をたどるので、ひそかな人気です。
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船に乗ると、日本人よりも外国客のほうが鳥居をカメラに収めたい気持ちで満々です。
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宮島に着くと、鹿が出迎えてくれます。この女性、かわいいので鹿とのツーショットが絵になりますね。もちろん、彼女以外のさまざまな国の子供やおばさんたちが鹿ととわむれていました。
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宮島には、インド人ツアーも来ていました。広島には中国の人は少ないけれど、インドの人は多く見かけます。彼らの志向は欧米的なので、原爆ドームのある広島は必ず訪れるべき場所だと考えているからです。
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さて、宮島から戻ると、原爆ドームと資料館に行きました。実をいうと、ぼくがここに入るのは、小学生以来です。

平日のせいか、外国客が多いです。
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展示については、中国に数ある歴史記念館とは違い、特定の国を断罪するというより、原爆の悲惨さを訪問者に強くイメージ化させるしかけになっていました。子供の頃見たおどろおどろしい展示の記憶だけが残っていましたが、いまのはかなり理知的な展示です。
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これを見せられると、日本人だけでなく、外国客も原爆の意味を悟ることになるはずです。
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原爆ドームの周囲にも多くの外国客が来ています。
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資料館の書店の人に聞いたところ、やはり昨年のオバマさんの広島訪問の影響が大きく、外国客はぐっと増えているそうです。外国客にとって広島の持つ意味は、日本人が想像する以上に重要といえると思います。
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日本銀行による以下のレポートは、広島県のインバウンドの特徴について、以下のように分析しています。

・外国人延べ宿泊者数を地域別にみると、広島県は全国に比べて欧米の割合が高い一方、アジアの割合が低い
・訪日外国人一人当たりの旅行消費単価が全国平均より低い水準に止まっている。背景としては、ウェイトの高い欧米の観光客の宿泊需要を上手く取り込めていないことや、アジアでの認知度の低さが影響

広島県のインバウンド需要の現状と需要拡大に向けた取り組み(日本銀行広島支店2017年3月)
http://www3.boj.or.jp/hiroshima/Tokubetu-tyousa/inbound.pdf

広島県は国際的な知名度が高いわりには、買い物好きのアジア客の取り込みが他の地方より遅れていたこともあり、旅行消費額が低いようです。欧米客が多いと、ついインバウンドが盛り上がっていると思いがちですが、消費の面からみると、そうともいえないことがわかります。

とはいえ、毎日運航のチャイナエアラインの台北便に加え、2015年10月、香港エクスプレス(週3便)の乗り入れが始まり、さらに今年10月からシンガポール航空の子会社であるシルクエアー(週3便)が加わります。状況は少しずつ変わっていくことでしょう。

なにしろ中国四国地方は(知名度の点で広島を除くとしても)、外国人に日本で最後に発見されたインバウンドエリアといえます。何もかもがこれから。他県の事例を学んで、賢く誘客を進めてもらいたいものです。
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by sanyo-kansatu | 2017-09-08 16:01 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 09月 08日

投資や返還の話の前に、北方四島ツアーが気になります

ウラジオストクで開催されていた東方経済フォーラムにおける昨日の安倍プーチン会談、メディアは冷淡な書きぶりです。

「温度差」浮き彫り、「肩すかし」の訪ロ 日ロ首脳会談(朝日新聞2017年9月8日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK975TSYK97UTFK00W.html

安倍晋三首相が訪問先のロシア・ウラジオストクで7日、プーチン大統領と会談した。経済連携の強化を弾みに、北方領土交渉を動かす糸口をつかみたいと臨んだ19回目の会談だが、ロシア側から投資活動の鈍さを指摘されるなど「温度差」が浮き彫りに。「肩すかし」の訪ロとなった。

「北海道とサハリンを結ぶ回廊のような巨大事業ができれば、クリル諸島(北方領土と千島列島のロシア側呼称)に、より柔軟な環境をつくれる」

7日、ロシア政府主催の「東方経済フォーラム」であった日ロのビジネスイベント。日本の経営者を前に、ロシアのシュワロフ第1副首相はこう切り出し、日本の対ロシア投資の規模の小ささに不満を示した。

日ロの経済連携は、北方四島以外での「8項目の経済協力プラン」と、北方四島での「共同経済活動」。この両輪を通して信頼関係を醸成し、領土交渉につなげる戦略を描いてきた。

首脳会談で、両氏は日本側が「平和条約締結に向けた重要な一歩」(首相)と位置づける「共同経済活動」について、海産物の増養殖▽温室野菜栽培▽島の特性に応じたツアー開発▽風力発電の導入▽ゴミ減容対策、の5分野に具体的に取り組むことで合意。10月初旬をめどに現地調査を実施することで一致した。

「8項目の経済協力プラン」の具体化では、医療・健康やエネルギー開発など56本のプラン文書に署名し、事業を進めていくことを確認。日ロ両国に進出した企業の収益にかかる税金を免除したり、税率を下げたりする日ロ租税条約を改正し、日本企業のロシア進出への環境も改善した。

また、人道的理由から日本側が重視してきた北方四島への初めてとなる空路による墓参を今月下旬に実施し、高齢の元島民らへの配慮から、訪問先の島で宿泊することで一致した。日本としてはこうした成果も領土交渉へのテコにしたい考えで、安倍首相は共同記者発表で「ともに利益を享受する形として結実するよう私たちの努力は続く」と前向きな姿勢を強調した。

ただ、ロシア側が領土交渉の前提となる経済協力に期待するのは、橋やトンネル、パイプライン、送電網など国家規模のプロジェクト。日本側は今回の会談で経済連携の成果を強調したが、ロシアの評価とはほど遠い。8月にメドベージェフ首相が北方領土で経済特区「先行発展地域」を創設する決定に署名したのも、日本の投資を待ち続けるより中国や韓国などの投資を呼び込む方が得策との判断があった可能性もある。

首脳会談前のフォーラムで、プーチン氏は同じ壇上にいた安倍首相を横目に、客席にいた中国の汪洋(ワンヤン)副首相を指して「汪氏に友好勲章を与えた。極東地域への投資の8割が中国だ」と披露。続いて安倍首相に、冗談交じりで語りかけた。

「(日本の)対ロシアの経済協力担当の大臣の地位を、副首相に格上げしたらどうか」(小野甲太郎、ウラジオストク=中川仁樹)


基本的に、北方領土の返還を背負ってのロシアとの交渉は、そもそも無理筋に近く、しんどいものだと思います。相手に見透かされていますし、ロシアは日米同盟のあるかぎり、手放さないでしょう。そのうえ、今回は「極東の投資の8割は中国だ」とあてこすりを言われたようで、安倍さんがどうのこうのではなく、日本は立つ瀬がないですね。

ロシアとの経済交流について、現地在住の日本人たちはどのように考えているのでしょうか。ある関係者は、以下のように整理してくれました。

①日露の経済協力では 資源(原油・ガス・石炭・鉱石)分野ではすでにお互いにメリットを見つけていますので これらについての協力はWinWinの関係にあります。しかしほとんどが大手に握られており、新規参入が出来ない状況。

②ところが、他の分野では日本側からみて新しく興味を持てる対象がない。すなわち、通常の輸出入で協力できるものがないということ。加えて、経済協力となると、日露間格差が大きく、ほとんどの場合、ロシア側が「おんぶにだっこ」の状況。これでは日本側のリスクが大きすぎ。特に日本の中小企業では手に負えず、一方大手にとってソ連時代の不良債権などネガティヴな事例が多く、社内の法務・審査部門の許可が出ず、前に進めない。

③加えて、ロシアのさまざまな理解しにくい国内法が妨げとなっている。

また別の関係者は率直にこう話します。

「ウラジオストクではJETROや地方自治体経由で中小企業の視察や現地企業とのマッチングが盛んに行われていますが、まず実を結ばない。

極端な言い方かもしれませんが、日本からみると、ロシアは投資先でなく上納先。外交上、ロシアと日本政府は仲良くやりたいので、そのための上納です。

実際、ロシア人も日本から投資の話があると、それは日本が儲けるための投資でなくて、自分たちのために勝手にやってくれるもんだとみなす傾向があります。

ロシアの場合、プロジェクトが大きくなればなるほど国が絡んできて、そこでごっそりもっていかれるようなシステムらしく、そこを押さえるような関係性を築くのは生半可なやり方ではできません。

そもそも貿易も支払いや関税、運輸の問題など、一般企業にとってコストが高くつきすぎます」。

極東ロシアへの投資はリスクが大きすぎて、いまは彼らの望むようなことはすべきではないというのが現地の関係者の声です。そもそもウラジオストクといっても人口60万人の都市。極東全域あわせても数百万人。本格的な商売相手としては規模が小さすぎるのです。

ですから、日本側は北方四島以外での「8項目の経済協力プラン」には及び腰になりますし、北方四島の「共同経済活動」についても「海産物の増養殖▽温室野菜栽培▽島の特性に応じたツアー開発▽風力発電の導入▽ゴミ減容対策、の5分野」に取り組むというような、曖昧模糊としたしょぼい話にならざるを得ないわけです。

ただし、気になるのは「島の特性に応じたツアー開発」をどう進めるのか。6月にサハリンに行ったとき、北方四島へのツアーがいくつも催行されていることを知りました。択捉や国後へは同じサハリン州に属するユジノサハリンスクからのみ定期便が飛んでいて、豊富な北方の自然を生かしたエコツアーでした。

現地ではこんなパンフレットもできていて、国後島や択捉島、歯舞群島の地図の上には観光スポットが紹介されています。

ロシア側が打ち出す北方四島ツアーのキャッチフレーズは「手付かずの大自然」や「冒険」。オフロード車に乗って択捉島の指臼岳の温泉を訪ねたり、ボートで美しい入り江に繰り出し釣りをやったり。晴れた日には北海道から見えるという国後島にある北方四島の最高峰、爺々岳(標高1882m)や泊山の美しいカルデラ湖に歩いて登ったり。魅力的なスポットは盛りだくさんです。

もうそういう時代なのです。
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↑国後観光MAP&スポット紹介
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↑択捉観光MAP&スポット紹介
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↑色丹観光MAP&スポット紹介

※詳しくは、以下のウエブサイトを参照。

Amist. Tourism(Амист - Экскурсии на Сахалин )
http://amist.ru/upload/2017.pdf

現地の旅行会社を直接訪ねたところ、これらの北方四島ツアーは、グループに限り、日本人も参加できるといいます。サハリンで特別な入境許可書を発行するのに2ヵ月かかるそう。もっとも、ロシア側はウエルカムですが、日本政府は主権の問題がからむため、これまでどおり、北方四島へ入境しないよう自国民に要請するという立場でしょうか。

今月下旬に予定されている元島民の空路による墓参(当初は6月の予定が、濃霧で中止)では、初めて日本からチャーター便で国後島の空港に日本人が降り立つことになりますが、この件を「人道的」扱いとみるロシア側と北方領土返還の布石に見せたいという日本側の認識はかけ離れています。

なぜなら、ロシア人の頭には、サハリン州はこのクリル(千島)諸島とサハリン島のV字型のシルエットとして焼きついています。サハリンで売られているチョコレートのパッケージの地図にも、しっかり北方領土もサハリン州の一部として組み入れられていますし、昨年の戦勝70周年の記念ポスターもそう。すでに70年以上たっているのです。
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こうした現実を皮肉まじりではなく、まっすぐ受けとめたいものです。

リスクの大きい経済交流はともかく、観光を通じた人的交流を進めることは、現地の親日的な雰囲気を合わせて考えると、双方にとって意味はあると思います。現状では誰のための「ツアー開発」なのか判然と市内のですが、日本の手にかかれば、ロシア側の北方四島ツアーも、もっと多彩で面白い企画を打ち出せるはずです。特にウラジオにはさまざまな人材もいそうなので、交流が進むと、想像してなかった相乗効果が生まれるかもしれません。

日本に一番近いヨーロッパ「ウラジオストク」の意外な素顔(ForbesJapan2017/09/06 )
https://forbesjapan.com/articles/detail/17595

投資や返還の話はひとまずおいて、北方四島ツアーについて考えたい。そう思う今日この頃です。

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by sanyo-kansatu | 2017-09-08 10:55 | 日本に一番近いヨーロッパの話 | Comments(0)
2017年 08月 22日

まだ中国の夏休み中、ツアー客は来ています(ツアーバス路駐台数調査 2017年8月)

8月に入って東京は雨続き。7月はあんなに暑かったのに、過ごしやすいといえばそうですが、ヘンな夏です。中国東北地方の南部にすむ友人に聞くと、昨年は大雨で大洪水に見舞われたというのに、今年は日照りだそうです。どこも気候がおかしくなってます。

まだ中国の夏休み中ですから、ツアー客は来ています。といっても、2014年頃に比べると、その勢いはありません。いまツアーで日本に来るのは、中国の地方都市の人たちですから、日本路線も以前に比べると若干縮小傾向にあるので、こうなるのも当然なのでしょう。今年、訪日中国客は伸び悩んでいます。9月以降が気になるところです。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(火)12:20 3台
2日(水)11:50 3台
3日(木)12:30 4台
4日(金)12:00 3台
5日(土)未確認
6日(日)未確認
7日(月)11:50 3台、17:40 2台
8日(火)12:20 4台
9日(水)未確認
10日(木)12:10 5台
11日(金)未確認
12日(土)未確認
13日(日)未確認
14日(月)12:00 4台、17:30 2台
15日(火)未確認
16日(水)未確認
17日(木)未確認
18日(金)12:10 5台、17:30 2台
19日(土)未確認
20日(日)未確認
21日(月)12:30 4台
22日(火)12:40 6台
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23日(水)11:40 6台
24日(木)12:20 4台
25日(金)11:30 6台
26日(土)未確認
27日(日)~31日(木) 未確認
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by sanyo-kansatu | 2017-08-22 13:27 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2017年 08月 09日

「なぜロシア人は北朝鮮ツアーに行くのか」一緒に考えてみた

先日、ネットでこんな記事を見つけました。アメリカが同国人の北朝鮮への渡航を禁止したのと真逆の対応を見せるロシアの言い分もそうですが、彼らが実際に北朝鮮を訪ねるときに感じる本音もうかがえて、面白いです。以下、転載します。

なぜロシア人は北朝鮮ツアーに行くのか(ロシアNOW2017年7月14日)
https://jp.rbth.com/travel/2017/07/14/802820

ラトビアに拠点を置くロシア語オンラインマガジン「メドゥーザ(クラゲ)」が、ロシア極東の住民たちの北朝鮮旅行についてリポートしている。最近、同国で休暇を過ごす人が増えているというのだ。ロシアNOWは、その記事を要約して紹介する。北朝鮮ツアーでは何が期待できるか、どのくらいの費用がかかるか――。 

ハバロフスク(モスクワ東方8500キロ)のマーケティングマネージャー、アレクサンドル・ゴロフコさんは、北朝鮮を訪れて、この国の実態を自分の目で確かめることに決心。そして、有頂天で帰ってきた。「メドゥーザ」誌のダリア・ミコライチュク記者が、彼の言葉をこう伝えている。「別の惑星にいるようだ。そこには携帯電話がなくて、人々はいつも幸せ」

ゴロフコさんも、それが物事の一面にすぎないことをよく承知しているが、次の休暇では、2014年に開業した、北朝鮮の馬息嶺(マシンニョン)スキー場で過ごす予定だという。世界の他のスキーリゾートと競合できると、北朝鮮は主張しており、10の滑走コースと60のスポーツ施設を備えている。1日の費用は約100ドル(約110円)で、観光客はあまり来ていない。

全体主義へのツアー

北朝鮮ツアーを販売している会社のマネージャー、エレーナさんによれば、月に5人ほどがマシンニョン・スキー場へのツアーを購入するとのこと。スキーに加えて、ゴルフツアー、登山、結婚式、ハンティングなどを提供している。しかし人々は、北朝鮮旅行はまだ危険だと考えている。

例えば、ジャーナリストのナジェージダ・アルセーニエワさんは、こんなケースがあったことを指摘する。彼女の同僚が、列車の窓からカメラで外をのぞいたところ、国境警備員がライフルを向けたというのだ。

北朝鮮のガイドは、観光客の行くところならどこへでもついてきて、見るべきではないものを撮影したり、地元の人々と触れ合ったりすることを禁じている。しかしそれでも北朝鮮は、極東諸国の観光の一中心地になろうとしている。韓国の消息筋によると、彼らの北のパートナーは、2017年には100万人に、2020年には200万人にまで観光客を増やしたいとしている。

とはいうものの、その同じ報告によれば、2012年に北朝鮮を訪れた外国人はわずか4500人、2014年はその3分の1にすぎなかった。しかし、隣国のロシアに対しては、他国よりも低い料金が設定されている。

赤い天国

ナタリア・コチュゴワ沿海地方広報担当によると、北朝鮮での休暇は、ロシア共産党員の間で人気があり、共産主義者のための特別なホテルさえある。北朝鮮は、イデオロギーの“真の力”を目の当たりにできる国なのだ。 「あそこの人たちは本当に指導者を信じていますからね」

「もし、ろくでなしみたいに振る舞い、規則に従わないのでないかぎり」、北朝鮮の安全に問題はない、と同氏は確信している。彼女はまた、最近死亡したアメリカ人学生のオットー・ワームビアさんも、許可されているものとされていないものを事前に教えられていたはずだという。

大人だけが北朝鮮を訪れるわけではない。毎年、ロシアの児童のグループは、サマーキャンプ(松涛園〈ソンドウォン〉国際少年団野営所)に行く。 2週間のツアーの価格は約4万ルーブル(約8万円)。

ロシアの少女、エヴァさんも、このツアーに参加した。彼女によると、ロシアの子供たちは北朝鮮の児童から隔離されていたが、夕方には一緒に踊ることが許された。また、両国の子供は、通訳者を通して、メモ書きを交換した。多くの北朝鮮児童は、休暇を取らずに寄宿学校で勉強していたという。エヴァさんは、彼らの育てられ方が気に入ったとのこと。

豪華なビーチリゾート

北朝鮮には、フェリーで行く方法もある。万景峰号(マン・ギョンボン)92号が、ウラジオストクから北朝鮮に乗客を運んでいる。マリーナ・オグネワさんは、このフェリーで、羅津(ラジン)のリゾートへ旅行した。3万ルーブル(約6万円)で、7日間のオールインクルーシブのビーチツアーだった。彼女はツアーにご満悦で、現在、ビデオブログ「北朝鮮に行こう」を運営している。

「私はあそこの人たちは飢えていると聞いていたけど、食事はとても良かった。政治的宣伝についてもいろいろ聞いていたが、私たちは普通に休暇を過ごした。みんな人も良かったしね」

旅行会社「Fregat Aero」は、北朝鮮での行動規則に関するパンフレットを、客に提供している。それによると、観光客は、現地のガイドに贈物をすべきである。女性には香水や化粧品、男性にはアルコールとタバコ(ただしアメリカ製でないもの)がいい。軍人の写真を撮ることは禁止。宗教について話すのもご法度。ロシアのほうが生活が楽だと言うのもいけない。

「私たちはどんな国に行くのか分かっていたから、ツアーのガイダンスを慎重に聞き、指導者たちの記念碑にはお辞儀をし、10ユーロ分の花束を献花したけど、ツアーの最後のほうになると、イライラしてきた」

マリアさん(極東連邦大学大学院生)は、北朝鮮のビーチで休暇を過ごした。無人の浜辺で日焼けし、安価な魚介類を食べていたという。携帯電話サービスはないし、近くには工場もない。休暇には理想的な所だと思われた。ただ、ガイドはいつも観光客に目を光らしており、時々は観光客たちとおしゃべりすることもあったが、スーツをビシッと着ていて、身体を焼くことも泳ぐこともなかったという。

「私たちはどこを旅しているのかわきまえていた。そこには自由がないことも。でも何が禁止されているのか、それを常に探していた」とマリアさんは言う。彼女はあるとき、北朝鮮の少年がビーチにいるのを見て、キャンディーを贈りたいと思ったが、彼にとって危険だと分かっていた。そこで彼女は、彼の近くを何気なく通り過ぎ、キャンディーを入れた袋を地面に置いていった。彼女は、少年がすぐにそれを取って逃げたのを見た。

シルベスター・スタローンとの関係を疑われる

マリアさんが北朝鮮を出国する際、彼女の携帯電話は、国境警備員によって慎重にチェックされた。警備員の一人が、シルベスター・スタローンのミームを発見。スタローンは滑稽なヘアスタイルで、「スタローンがもしロシアに住んでいたらどうだろう?」と書いていた。警備員は、スタローンについて尋ね、マリアさんが彼を知っているかどうか、アメリカの映画を持っているか聞いた。警備員は彼女の携帯で米映画を探し、スタローンとの関係について調べるのに40分を費やした。しばらくして、全員に列車に乗ることを許可した後、警備員は彼らのコンパートメントに入ってきて、ロシア語で尋ねた。「君たち、アメリカ映画を持ってないかなあ?僕はすごく見たいんだけど」


この記事を読んで、どうお感じになったでしょうか。

いくつか気になった点を指摘したいと思います。

まずこの記事では、北朝鮮旅行を「全体主義のツアー」と呼び、「別の惑星にいるようだ。そこには携帯電話がなくて、人々はいつも幸せ」などと冒頭でうそぶきながら、だんだん本音をもらしていきます。

「北朝鮮のガイドは、観光客の行くところならどこへでもついてきて、見るべきではないものを撮影したり、地元の人々と触れ合ったりすることを禁じている」

「ガイドはいつも観光客に目を光らしており、時々は観光客たちとおしゃべりすることもあったが、スーツをビシッと着ていて、身体を焼くことも泳ぐこともなかった」

「私たちはどこを旅しているのかわきまえていた。そこには自由がないことも。でも何が禁止されているのか、それを常に探していた」

その一方で、

「北朝鮮は、イデオロギーの“真の力”を目の当たりにできる国なのだ。『あそこの人たちは本当に指導者を信じていますからね』

『もし、ろくでなしみたいに振る舞い、規則に従わないのでないかぎり』、北朝鮮の安全に問題はない」

などと、先ごろ訪朝後、拘束され死亡した米国人へのあてこすりみたいなことも書いています。

そして、興味深いのは「2012年に北朝鮮を訪れた外国人はわずか4500人、2014年はその3分の1にすぎなかった。しかし、隣国のロシアに対しては、他国よりも低い料金が設定されている」。

北京やロンドンにある英国系旅行会社の関係者に直接聞いた話では、実際にはもっと多くの外国人が北朝鮮を訪れていることから、この数字は間違っていると思われますが、ロシア人には低価格のツアーが用意されているようです。

確かに、記事でも「万景峰号(マン・ギョンボン)92号が、ウラジオストクから北朝鮮に乗客を運んでいる。マリーナ・オグネワさんは、このフェリーで、羅津(ラジン)のリゾートへ旅行した。3万ルーブル(約6万円)で、7日間のオールインクルーシブのビーチツアー」と書いています。

これは本ブログでもすでに指摘したとおり、本当です。ウラジオストクにある旅行会社のツアー募集をみると、万景峰号の往復運賃も含め、約3万ルーブルでした(船が週1回のため、7日間のツアーになる)。

ウラジオストクから万景峰号で行く北朝鮮(羅先)6泊7日」ツアーも始まり、定期運航は続く!?
http://inbound.exblog.jp/26975951/

要するに、ロシア人に対しては(中国人に対するのと同様)、他の外国人より低価格でツアーを受け入れているんですね。

この記事で出てくる北朝鮮の観光地としては、2014年にできた「馬息嶺(マシンニョン)スキー場」や元山にある「松涛園〈ソンドウォン〉国際少年団野営所」、「金剛山リゾート」、そして前述の万景峰号に乗って行く羅先特別市ツアーなど、朝鮮東海岸に偏っています。実際、北朝鮮は元山と金剛山を国際観光地区に指定し、外国客を呼び込もうとしています。この記事が、どこまで本気で北朝鮮側の意向に応えようとしているのかはわかりませんが、まさにそこに訪れているのはロシア人であるわけです。

実際に、北朝鮮を訪れるロシア人の大半は、極東ロシアの住民だと思われます。わざわざモスクワから来ることは考えにくい。彼らにとってビーチリゾートといえば、タイや中近東ですから。

極東ロシアでもウラジオストクあたりであれば、夏の一時期、海水浴を楽しめるのですが、それでもやはり水は冷たいようで、肌を焼いても積極的に海で泳ぐ人は多くなさそうです。それが元山あたりまで来ると、海水浴は存分に楽しめます。彼らが北朝鮮に旅行に来るのは、なにしろ安いし、実際に海で泳いだりできることが大きいと考えられます。

最後に記事はこんなことも書いています。

(ロシアの旅行会社は自国のツアー客に対して)「観光客は、現地のガイドに贈物をすべきである。女性には香水や化粧品、男性にはアルコールとタバコ(ただしアメリカ製でないもの)がいい」と伝えているそうです。

これは日本人の北朝鮮ツアーでも同様なので、ロシア人もわざわざ土産を用意しなければならないのかと思いましたが、こういう習慣が当然のようになっているというのはどうなんでしょう。
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by sanyo-kansatu | 2017-08-09 15:56 | 朝鮮観光のしおり | Comments(0)