ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

inbound.exblog.jp
ブログトップ

タグ:ツアー ( 142 ) タグの人気記事


2016年 08月 31日

夏休みだけに中国のファミリー旅行者が目立ちました(ツアーバス路駐台数調査 2016年8月)

8月3日に約1ヵ月間の中国出張から戻りましたが、とにかく東京は蒸し暑いです。とても日中外出する勇気がありません。実際、この出張の成果をまとめないといけないこともあり、8月はほぼ仕事場にこもりっきりでした。それはもう土日もお盆もない感じで(愚痴ですね)、今月は自ら「労働月間」とみなし、仕事場に通い続けていました。

で、新宿5丁目に現れる中国ツアー客の状況ですが、ひとことでいえば、夏休みだけにファミリー旅行者が目立ちました。中国人団体客専用食堂「金鍋」のある東京医科大通りは、昼どきになると、中国団体客が行列をなして歩いています。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

4日(木)11:30 5台
5日(金)12:20 4台
6日(土)18:20 3台
※この日、友人が上京してきたので、表参道の建築を案内したり、明治神宮の宝物殿を訪ねたりし、夜は新宿グランベルホテルのオープンテラスバーで夜景を見ました。帰り際、歌舞伎町のロボットレストランの通りを抜けていこうとしたら、相変わらず欧米客でにぎわっていました。驚いたのは、入場料が8000円に値上がりしていたことです。3年前のオープン時は確か4000円くらいだったのに、すごい人気ですね。

b0235153_9254211.jpg

b0235153_9255488.jpg

b0235153_9261455.jpg

7日(日)未確認
8日(月)12:20 5台、16:50 2台
9日(火)12:20 6台 
10日(水)12:30 5台
11日(木)11:50 4台
12日(金)11:20 3台
13日(土)12:20 4台
14日(日)11:50 3台
15日(月)12:40 6台
16日(火)11:30 7台
※この日は、バスが多く、新宿5丁目には大勢の中国ツアー客がいました。みなさん、暑いので、日陰に身を寄せてバスを待っているのが、ちょっと気の毒です。
b0235153_9262792.jpg

これらの群集は「金鍋」で昼食をすませた人たちです。この頃が8月のピークだったかもしれません。
b0235153_9263984.jpg

b0235153_9265325.jpg

17日(水)11:50 5台
18日(木)12:20 4台
19日(金)11:50 3台
20日(土)12:20 4台
21日(日)12:40 5台
22日(月)11:50 2台
23日(火)12:00 3台
24日(水)11:40 5台
25日(木)12:40 2台
26日(金)12:20 3台
27日(土)未確認
28日(日)未確認
29日(月)11:50 4台
30日(火)12:10 4台、18:30 2台
31日(水)11:50 5台
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-08-31 09:23 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2016年 07月 05日

中国の夏休みが始まりました(ツアーバス路駐台数調査 2016年7月)

今年は空梅雨のようで、耐え切れない暑さが続いています。7月は、中国では夏休みです。一足早く、家族連れの中国客が増えそうです。

※中国の学校は9月入学の2学期制で,1~2月(春節期間)に約4週間の冬休み,7~8月に約7週間の夏休みがあります。

実は、今月は6日から長期の中国出張に行ってしまうため、ほぼこの調査はお休みとなります。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(金)17:50 3台
2日(土)17:20 1台
3日(日)未確認
4日(月)12:40 5台、18:00 3台
5日(火)12:40 3台
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-07-05 10:24 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2016年 06月 07日

外国客に「娯楽サービス」は足りている?

前回、前々回とプロの通訳ガイドである通訳案内士の新しい動きを見てきました。

銀座と表参道をめぐる東京建築ツアー(英語)が面白い
http://inbound.exblog.jp/25882521/
通訳案内士の新しい動きに注目! 東京建築案内ユニットShowcase
http://inbound.exblog.jp/25883449/

ここで少しマクロの話をすると、観光庁が集計した「費目別にみる訪日外国人の旅行消費額」というデータがあります。

費目別にみる訪日外国人の旅行消費額(2015年)
b0235153_11443619.jpg

これをみると、費目として「宿泊」「飲食」「交通」「娯楽サービス」「買い物」「その他」に分けられていますが、外国人向けツアーは「娯楽サービス」にあたります。これにはTDRやUSJなどのテーマパークの入場費なども含まれると思いますが、比率でいうと、全体の3.0%。ふつうに考えて、旅行に不可欠な出費として「宿泊」や「飲食」「交通」、そして訪日アジア客の比率が80%を超えるいま、「買い物」が多くの割合を占めるのは当然かもしれません。でも、はたしてこれで外国客にとって日本の「娯楽サービス」は足りているといえるのでしょうか?

訪日外国人全体の旅行消費の推移(2011年~15年)
b0235153_1145399.jpg

もっとも、14年に比べ15年は総額が1.7倍と大幅に増えており、「娯楽サービス」もわずかですが比率を増やしています。今後はこのジャンルにもっと光が当たることが、日本のインバウンドを面白くするはずです。

では、いまこの市場に貢献しているのは誰か。それが、以下のようなツアーをはじめとしたアクティビティを扱うマーケットプレイスです。

viator (世界最大の現地ツアーを扱う。トリップアドバイザーの傘下に入る)
http://www.viator.com/
Voyagin (2012年にサービス開始した日本発の旅行体験予約サイト。15年、楽天の傘下に)
https://www.govoyagin.com/?lang=ja
Triplelights (2013年にサービス開始した通訳案内士と外国客のマッチングサイト)
https://triplelights.com/

これらの予約サイトやマッチングサービスの登場で、通訳案内士は外国人からダイレクトブッキングを受けられるようになってきたわけですが、このサービスに登録して集客を図る通訳案内士の側からみると、それぞれにどんな違いがあるのでしょうか。

Showcaseの木原佳弓妃さんによると「通訳案内士がこれらのサイトに登録する目的は、成約につなげることであり、登録するサイトが多ければ多いほどチャンスが増えると考えている。その際のいちばんの懸念事項は、コミッションの割合」だといいます。つまり、これらのサービスに登録する場合、発生ベースでガイド費の数%がサイト側に引かれるしくみになっており、ガイド側としては、それはなるべく低いほうがいいわけです。

さらに、「viatorは世界的に認知度の高いガイド検索サイトなので、Voyaginとはゲスト登録数の規模が違うと認識している。昨年からトリップアドバイザーと提携してviator経由で予約ができるようになったので、それまではツアー提供側の連絡先を確認して別途連絡をして予約を行う流れだったが、楽に予約できるようになった」と指摘します。

サービス提供側にも話を聞いてみましょう。

通訳案内士と外国客のマッチングサイトであるTriplelightsを運営する株式会社トラベリエンスの橋本直明社長とは、ちょうど1年前、話をしたことがあり、本ブログでも紹介しています。
b0235153_1147294.jpg

海外の観光ガイドサービスのモデルを日本に持ち込もう(2015年5月10日)
http://inbound.exblog.jp/24460875/

以下、最近お会いして話をお聞きした一問一答です。

-あれから1年、訪日客はますます増えていますが、トリプルライツはどうですか。

「昨年冬から今年の春に向けてUI(ユーザー・インターフェイス)を地道に改善し続けてきました。おかげさまでこの春、今までの4倍まで売上が伸び、現在複数名の新規採用とオフィス移転を予定しています」

-通訳案内士が外国人からダイレクトブッキングを受けるプラットホームとして、トリップアドバイザーやViator、Voyaginなどがあるようですが、御社と競合するそれぞれのサイトの特徴についてどう分析しておられますか。たとえば、どのジャンルが得意か、サービス内容の特徴は、登録している案内士の傾向、顧客層、実績などの面からみて何がいえるでしょうか。

「昨年、トリップアドバイザーがviatorを買収しました。全世界的に圧倒的な流入を実現していると思います。

たとえるなら、viatorは総合デパートのようなもので、特定なジャンルに強いというより、広く多種多様な品揃えをして、より多くのお客様を獲得していくモデルだと感じています。日本の旅行大手のパッケージツアーも扱いますが、オリジナル性の高い商品はそれほどないのでは。

一方、Voyaginは昨年、楽天に買収され、新しい成長を求められていると思います。チケット予約やレストラン予約など、よりパーソナルなトラベルコンシェルジェの機能が強化されてきました。外国人にはトラベルプランニングに手間をかけたくないというニーズがあり、そのニーズを満たすサービスだと感じます」

-では、彼らと競合するなか、トリプルライツはどう差別化していますか。

「viatorのガイド部門についていうと、海外のサービスなので、日本に支社がなく、ガイドさんへのサポートがほとんどありません。日本の通訳案内士は40代以上の方が大半を占めているため、ITリテラシーがそれほど高くなく、マニュアルやサポートがない中ではこういう海外のサービスはうまく使いこなせないのが実情ではないか。

viator expert tour guides
http://tourguides.viator.com/

その点、トリプルライツの場合は、ガイド一人ひとりに操作を説明する担当者がつくというサポート体制があります。実際、viatorに登録されている日本のガイドの数より、後から参入した弊社のほうが登録数は多く、現在約400名います」

-訪日市場におけるマーケットプレイスの現状について、いま何を感じていますか。

「まずツアー内容のバラエティがまだ少ないこと。人気なのは、サイクリングツアーやすし握りのようなフードツアーくらいでは。もうひとつが、地域の偏りです。実は、弊社のサービスに対する外国客の問い合わせの8割が東京、京都、大阪と大都市圏に集中しています。つまり、地方在住の通訳ガイドの活躍する場がまだまだ少ない。

※同じことは、トリップアドバイザーの都道府県別の外国人口コミ件数にも表れています。こちらでも、東京、京都、大阪で6割を占めています。

トリップアドバイザーで和風エンターテインメントが人気の理由
http://inbound.exblog.jp/25864340/

その理由は、圧倒的な外国語による情報不足だと考えています。問題は地方都市へのアクセスの難しさではない。たとえば、スノーモンキー(野生のサルが露天風呂に入ることで有名な長野県下高井郡山ノ内町の地獄谷温泉)のような外国人には行きにくい場所でも、広く知られるようになると、どっと彼らは現れる。もっと彼らが行きたいと思わせるような地方発の情報発信が必要です」

こうした認識は、先日知り合った名古屋在住のクリス・グレンさんと共通しています。実は、いまの日本には、外国人にしっかり届く情報がまだまだ不足しているのです。

なぜサムライは外国人の心を惹きつけるのか?
http://inbound.exblog.jp/25864895/

「こうした発想から生まれたのが、映像で見る日本最大の国内旅行ガイドブックとして昨年、立ち上げた「Planetyze(プラネタイズ)」です。

Planetyze(プラネタイズ)
http://planetyze.com

いま地方の動画コンテンツづくりに力を入れています。さらに、まだ経験の少ない地方在住の通訳案内士の方たちへのe-learningも始める計画です。情報発信と同時に、日本の通訳ガイドのスキルを向上させる必要があると考えています」

橋本さんの話を聞いていつも感心するのは、目の前のビジネスだけでなく、日本全体に欠けているインフラづくりを自ら担っていこうとする意欲があること。誰かがやらなきゃいけないなら、自分がやるという姿勢です。着地型ツアーの開発から始めて、通訳ガイドのマッチングサイト、そしていまやオンラインガイドブックの制作まで手がけているというのですから。

この領域には、ひとりの外国人(ステファン・シャウエッカーさん)が始めたジャパンガイドという先行者がいます。1996年に立ち上げられています。でも、もっといろいろあっていい。

japan-guide.com
http://www.japan-guide.com/
https://www.japan-guide.co.jp/

-ところで、昨今の通訳案内士制度の規制緩和への動きについてどう考えますか。

「よく言われているようなマーケットを奪うという話ではなく、むしろマーケットは広がり、通訳案内士にとってはチャンスだと考えます。いままで陽の当たらなかった業界が、規制緩和によって陽が当たり、多くの会社の智慧と投資が注がれ、業界が活性化します。実力のあるガイドにとってはより高単価に稼ぐことができ、経験がないガイドでも実力がつければチャンスが与えられると思います」

外国客への「娯楽サービス」をもっと提供するために、これからやることはいっぱいありそうです。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-06-07 11:49 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2016年 06月 03日

新宿界隈のコンビニでは最近、アリペイ(支付宝)が使えます(ツアーバス路駐台数調査 2016年6月)

今月上旬、歌舞伎町に沿って靖国通りを歩いていてローソンに入ったところ、中国でよく見かけるマークを見つけてちょっと驚きました。
b0235153_19145519.jpg

中国のオンライン決済サービスの支付宝(アリペイ)です。このサービスは、昨年NY市場に上場して話題となった中国電子商取引最大手の阿里巴巴(アリババ)グループが提供しています。中国では実はクレジットカッードがあまり浸透しておらず、中国版デビットカードの「銀聯」が一般的には使われていますが、 いまや支付宝の普及が進んでいます。実際のところ、これほど中国で急速にECが普及した背景には、支付宝があります。

日本より進んでいる中国ECサービス 支えているのは誰か?
http://inbound.exblog.jp/25584174/

その勢いは、こうして新宿歌舞伎町という中国人観光客密集地域にも広がっているのです。彼らもドリンク類やスナックなど、ちょっとした買い物で使えるとしたら、こんなに便利なことはないでしょう。外国人のために、こんなに至れり尽くせりのインフラを用意するなんて、よくよく考えると驚きです。ヨーロッパでいうと、ギリシャとかイタリアのような観光立国ならではの光景といえるかもしれません。

何が驚いたかというと、これまで日本国内で支付宝を見かけたのは、外国客でにぎわうドンキホーテくらいだったからです。

銀座のドンキ、LAOXに徹底対抗!価格以外でも負けません!?
http://inbound.exblog.jp/25347932/

さて、中国団体客を乗せたバスは、相変わらず訪れていると、思っていたのですが…。異変が起きているようです。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(水)11:40 3台
2日(木)12:20 4台 
b0235153_19175219.jpg

※この日、焼肉屋「味仙荘」の前に停まったバスのそばに警官が現れていました。確かにここは「路上駐車禁止」でしょうけれど、何をどうしたいのでしょう。遠くから成り行きをきにして眺めているのは、別のバスに乗っている中国人ガイドです。

3日(金)12:10 7台
4日(土)未確認
5日(日)未確認
6日(月)12:10 1台、18:20 1台
※どうやら先日来の警察の指導のせいか、この日はバスは1台しか停まっていません。でも、「味仙荘」の前には、入店できない中国客が大勢待っていましたし、「金鍋」も中国客でにぎわっていました。ちなみに、「金鍋」は夜の一般営業をやめてしまったそうです。中国団体客も、夜の食事は都内でしなくなりつつあるようです。都内から遠く離れた場所にあるホテルに戻らないといけないからでしょう。

それにしても、「金鍋」なんて、まだ開店して1年もたたないのに、市場の変化は早いというべきか。中国ビジネスの難しさを、ここ新宿にいて、実感するしだいです。
b0235153_12333190.jpg

b0235153_12334150.jpg

要は、バスがここで大手を振って路駐できなくなってきたため、周辺に分散化したということでしょう。こうなってくると、5年以上続けてきたバスの台数調査ももう潮時かもしれません。

7日(火)13:00 2台
8日(水)12:50 7台、17:50 4台
※この日、たまたま職安通りを歩いていたら、こちらにも中国客を乗せたバスをずいぶん見かけました。どうやら免税店があるからのようです。

9日(木)12:40 1台、18:10 2台 
※バスは少なくても、専用食堂前の歩道には入店できない中国客があふれていました。路駐が厳しくなり、客を降ろすと、バスは周辺を回遊しているそうです。

10日(金)12:10 1台
11日(土)未確認
12日(日)未確認
13日(月)12:20 4台
14日(火)12:50 7台
15日(水)12:20 3台
16日(木)13:30 4台、18:30 3台
17日(金)11:30 4台、12:30 5台、18:10 2台
18日(土)未確認
19日(日)未確認
20日(月)12:20 4台
21日(火)未確認
22日(水)11:20 1台
23日(木)12:10 4台
24日(金)未確認
25日(土)11:40 4台
26日(日)未確認
27日(月)14:10 3台、18:30 2台
28日(火)12:50 4台
29日(水)11:20 3台
30日(木)12:00 2台
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-06-03 19:18 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2016年 05月 18日

熊本地震が心配でしたが、4月も訪日客数は過去最高(ツアーバス路駐台数調査 2016年5月)

GW中は仕事場に来ることがなかったので、前半は調査があまりできませんでしたが、先月突如「駐車禁止」の看板が立ったにもかかわらず、バスに限らず、大型トラックなど、相変わらず新宿5丁目に路駐する車両の状況は変わりません。

この時期、バスを降りてくる中国客の大半は、中年以上の人たちです。地方都市出身で、初めての日本旅行に来た人たちでしょう。身に着けているものが、確かに中国の地方都市で見かける姿と同じなので、なんだか面白いです。

路駐スポットの信号の前にあるローソンは、お昼過ぎになると、いつも中国客でにぎわいます。その日も、レジの前に3人の中国客がいて、あとでバスの中のみんなに配るのでしょうか。ドリンクやらお菓子やらをまとめ買いし、1万4000円も使っていました。

あとで店員さんに「このコンビニは中国の人がよく来ますね」と聞くと、困ったような顔をするので、「いえ、それはべつに悪いことじゃないですよね」と付け加えると、「でも、列に並ばないんですよね。英語も通じないので、毎回レジの前でああだこうだと時間がかかるんです」と、節目がちに話します。確かに、中国客を見ていると、仲間どうし大声で話しているのですが、言葉が通じないので仕方がないと思っているのか、店員さんに言葉を交わそうとしないし、店員さんが何を言っても聞いてないようです。

こういう感覚というのは、どういうものなのでしょう? 「この近くには欧米の人も多く泊まっているので、店にもよく来るんですが、彼らは私のつたない英語でもわかってくれるし、そんなに困ることはないのに、中国人はどうやってコミュニケーションすればいいのか、よくわからないんですよ」とぼやいていました。

せっかく外国に来て、その国の人とコミュニケーションしようとしない中国人というのは、いったい何を考えているのでしょう? もしかしたら、昔の日本人も少しそういうところがあったかもしれませんが、彼らの多くは、北京や上海など外国人の多い都市の人たちではなく、地方の人たちなので、そもそもが言葉の通じない相手にコミュニケーションを取ることに慣れていないのだと思われます。団体客の場合はたいていそうでしょう。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(日)未確認
2日(月)12:20 6台 
3日(火)未確認
4日(水)未確認
5日(木)未確認
6日(金)13:00 4台
7日(土)未確認
8日(日)未確認
9日(月)未確認
10日(火)11:40 5台
11日(水)12:20 3台
12日(木)12:20 4台
13日(金)11:50 5台
14日(土)未確認
15日(日)11:30 4台
16日(月)12:20 5台
17日(火)11:40 4台
18日(水)12:30 3台、

※この日、日本政府観光局の統計がリリースされました。

2016 年4 月の訪日外客数は、前年同月比18.0%増の208 万2 千人。3 月に続いて2 か月連続で200 万人を超え、過去最高の記録となったようです。

訪日外客数(2016年4月推計値) JNTO調べ
http://www.jnto.go.jp/jpn/news/data_info_listing/pdf/160518_monthly.pdf

確かに、前年同月比18%というと、これまでの勢いからするとかなり減速した印象ですが、あれほどの地震が熊本で起きたのに、それでも伸びているというのはすごいことではないでしょうか。

同リリースによると、中国発クルーズ客船もほぼ予定通り福岡に寄航しているようです。今月はまさにクルーズシーズンの始まり。今後もにぎわうことでしょう。

19日(木)11:20 4台
20日(金)未確認
21日(土)未確認
22日(日)12:40 3台

※この日、新宿5丁目の明治通りから東京医大通りに入った先にあるコビニでドリンクを買っていたら、店内にロシア語っぽい言葉を話す7人くらいの外国人ツーリストが入店してきました。彼らはお弁当やドリンクなど買い込み、近所のビジネスホテル(たぶん東京ビジネスホテルではないかな?)に帰っていきました。

なにしろこの界隈は、欧米人ツーリストが多く泊まっているので、通りはいつも外国人だらけです。顔見知りのコンビニのお姉さんに「このコンビニ、外国人の人多いですよね」といつもの調子で話しかけると、やはり一瞬困ったような顔をして「ホントに多いですよね。いろんな国の人がいて、英語も通じないことも多い」と答えてくれました。「でも、売上には貢献してくれているでしょう」「まあそうなんですけど…」。ここ数年の外国人、特に欧米系ツーリストの激増で、新宿5、6丁目界隈の住人たちは、ちょっと戸惑いを隠せないところがあるようです。

23日(月)11:40 2台

※ついに、この日、明治通り沿いの焼肉店「味仙荘」に警察の人たちが事情を聞いている様子が見られました。サミットが近いことと関係あるのかもしれません。
b0235153_1282464.jpg

焼肉食べ放題「味仙荘」は今日も中国ツアーバス客であふれていました(2015年 08月 01日 )
http://inbound.exblog.jp/24747719/

さあ、これからどうなるのでしょう? 東京医大通りに入った先にある「金鍋」では、中国客がいつものように昼食を取っていました。最近、この店は一般営業をあきらめ、インバウンド専用店になりつつあります。

24日(火)11:40 0台

そして、バスは消えました。
b0235153_11495753.jpg

25日(水)18:20 1台
26日(木)11:40 5台
b0235153_122476.jpg

バスは戻っていました。なんだかホッとしました。
b0235153_1223716.jpg

「金鍋」にも、以前のように中国客がお昼に来ていました。

27日(金)12:30 5台
28日(土)未確認
29日(日)17:40 2台
30日(月)11:40 3台
31日(火)12:10 4台
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-05-18 09:58 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2016年 04月 06日

イースター(復活祭)を迎えて欧米客が目につく今日この頃(ツアーバス路駐台数調査 2016年4月)

3月27日は、キリスト教圏に暮らす人たちにとっての休暇シーズンであるイースター(復活祭)の日に当たります。

そのせいで、ここ1週間ほど、新宿界隈では欧米客の姿を多く見かけます。実は、3月末に京都と大阪に出張に行ったのですが、やはり欧米客だらけでした。

桜も満開になり、もちろん中国の団体客のバスも多いです。昼どきには、新宿5丁目の明治通り沿いの歩道は中国客であふれて、にぎやかです。
b0235153_13451970.jpg

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(金)13:30 7台、18:40 4台
2日(土)未確認 
3日(日)未確認
4日(月)12:20 6台、19:10 4台
b0235153_13453262.jpg

※この日、歌舞伎町の前の靖国通りは多国籍の人たちであふれかえっていました。欧米系、東南アジア系、マレー系の人たちなど、本当にいろいろです。最近よく見かけるのが、髪をブルーやピンクに染めて、アニメのコスプレをした西洋人の女の子の姿です。きっとアニメファンなのでしょうね。

5日(火)12:30 7台、17:40 3台
6日(水)12:20 6台、19:20 3台
7日(木)13:30 6台、18:20 4台
8日(金)13:20 3台、16:40 2台
9日(土)未確認
10日(日)未確認
11日(月)11:30 8台
※この日、昼前から多くの中国客が新宿5丁目界隈に現れていました。

12日(火)19:20 2台
13日(水)12:10 9台
b0235153_12421414.jpg

※この日も「金鍋」の前は中国客で列をなしていました。
b0235153_12422434.jpg

※「味仙荘」の前も彼らであふれています。

14日(木)11:20 3台、18:20 2台
15日(金)11:50 7台
16日(土)未確認
17日(日)未確認
18日(月)14:10 2台、17:30 4台
19日(火)12:10 9台、18:10 3台
20日(水)未確認
21日(木)12:40 3台、18:00 2台
22日(金)未確認
23日(土)未確認
24日(日)未確認
25日(月)未確認
26日(火)12:40 2台
b0235153_17553514.jpg

※正午過ぎ新宿5丁目を歩いているとき、この看板を見かけました。この通りへの路上駐車は禁じられてしまったようです。実際、路駐しに来たバスを警察関係者が追い払っている光景を目撃しました。

ついにこの日が来たようです。

もっとも、「味仙荘」のある通りの反対側は問題ないようです。

こうなると、もうここにはバスが現れることはなくなるのでしょうか。でも、団体客の食事場所がここにある以上、どこかで乗客を降ろさなければなりません。

はてさて、今後どうなるのか? 

ところが、その日夕刻そこを通ると、バスが4台並んでいました。

なるほど。そういうもんなんですね。様子を見守ることにしましょう。

27日(水)12:10 5台、20:20 1台
28日(木)13:10 3台、18:20 2台

※「路駐禁止」の看板はあまり気にされていないようです。実際、バス以外にトラックなど、いろんな関係者の車が路駐しています。

29日(金)未確認
30日(土)未確認
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-04-06 13:45 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2016年 03月 09日

まもなく桜の季節が来ますが、今年はどうかな?(ツアーバス路駐台数調査 2016年3月)

3月に入って、寒暖の差が大きい日が続いています。いよいよ今月下旬頃には、外国人にとっての訪日旅行のメインイベントのひとつである桜のシーズンがやって来ます。

先日、訪日中国ツアーを手配しているランドオペレーター2社の関係者に話を聞いたのですが、「今年はそれほどでもないかもよ」と揃っておっしゃいたのが印象的でした。どういうことなのでしょうか。日本政府観光局(JNTO)の配信する統計データでは、今年もすごい勢いで訪日客が増えているのに、なぜ?

その理由として、「想像する以上のスピードで中国客の個人旅行化が進んでいるようだ」というコメントをしてくれた関係者もいました。この意味は今後じっくり検証する必要がありそうです。

さて、今年の桜シーズンはバスの数はどうなるのか? 

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(火)未確認
2日(水)20:10 2台 
3日(木)12:30 4台
4日(金)12:10 5台
5日(土)未確認
6日(日)未確認
7日(月)未確認
8日(火)12:50 6台
9日(水)12:40 5台

10日(木)~17日(木) 海外出張のため未確認

18日(金)18:20 2台
19日(土)未確認
20日(日)未確認
21日(月)未確認
22日(火)19:20 2台
※ただし、この日歌舞伎町方面、靖国通り沿いには東南アジアの団体客の姿が多く見られました。
b0235153_8592957.jpg

b0235153_859433.jpg

23日(水)13:10 6台、18:40 4台
※この日のお昼過ぎの新宿5丁目は中国団体客であふれていました。例の居酒屋「金鍋」の前も食事を終えた中国客が路上に群がっていました。さすがに東京も桜の開花が始まり、ツアー客が増えてきました。
b0235153_9177.jpg

b0235153_912358.jpg

24日(木)13:15 7台、18:00 3台
25日(金)12:20 5台、17:10 3台
26日(土)未確認
27日(日)未確認
28日(月)12:20 6台、18:20 2台
29日(火)13:20 5台、19:10 2台
30日(水)未確認
31日(木)未確認
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-03-09 17:42 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2016年 03月 05日

中国人不法ガイドの摘発は全国に波及するのか。訪日旅行市場に与える影響は?

中国発クルーズ客船が多数寄港する福岡で、中国客の上陸観光のガイドとしてバスに同乗し、免税店を案内する傍ら、売上に応じたコミッションを得ていた中国人不法ガイドがついに摘発されました。

この一件は、ガイドらが書類送検された3月3日夕方にはテレビのニュースなどでも報じられていました。
b0235153_1627549.jpg

無資格「観光ガイド」2人を摘発 免税店から報酬5,000万円(FNN2016/3/03)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00317893.html

爆買い中国人のガイド役の男女が摘発された。

入管法違反の疑いで摘発されたのは、中国人の無職の女(31)と留学生の男(25)。2人は、就労ビザがないのに、2014年から2015年にかけて、観光ガイドとして、中国人観光客を福岡市の免税店に案内し、見返りに報酬を受け取った疑いが持たれている。

2人は、ボランティアと称していたが、口座には報酬として、少なくともそれぞれ、およそ5,000万円が入金されていたという。2人のうち、女は2月、裁判所から罰金の略式命令を受け、国外退去処分になっている。


翌4日、大手各紙がさらに詳細に報じています。

不法就労助長:「爆買い」無資格ガイド 中国人摘発 福岡県警(毎日新聞2016年3月4日)
http://mainichi.jp/articles/20160304/ddh/041/040/004000c

大型クルーズ船で入国した中国人観光客を案内するツアーガイドに無資格の中国人を雇ったとして、福岡県警は3日、旅行代理店や免税店6店(いずれも福岡市)の支店長ら男女6人を出入国管理法違反(不法就労助長)容疑などで福岡地検に書類送検した。ガイドの中国人男女2人も福岡地検に書類送検するなどした。「爆買い」のガイドが摘発されたのは初めて。

6人の送検容疑は2014年9月〜15年9月に男(25)=福岡市=を、15年5〜11月に女(31)=神戸市=をガイドに雇用し、客を免税店に引率させたなどとしている。2人に就労資格はなく、県警は女を今年1月に同法違反(資格外活動)容疑で逮捕。女は2月に罰金50万円の略式命令を受け、国外退去処分になった。県警は男も2月に同容疑で書類送検した。

県警によると、旅行代理店が2人にガイドを委託し、報酬として女に約3000万円、男に約4500万円が支払われた。

関与した旅行代理店3店はいずれも中国系、免税店3店はそれぞれ中国、韓国、台湾資本という。


毎日新聞は、摘発の容疑が「出入国管理法違反(不法就労助長)」であること。関与した旅行会社や免税店が、昨年の訪日外国人旅行者数トップ3の中国、韓国、台湾資本であると指摘しています。

「爆買い」ツアー、無資格でガイド 入管法違反容疑で男女2人摘発(朝日新聞2016年3月4日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12240131.html

就労資格がないのに中国人観光客のガイドをして不正に報酬を得ていたとして、福岡県警は出入国管理法違反(資格外活動)の疑いで中国人の女を逮捕、男を書類送検し3日発表した。2人は免税店で観光客の買い物を支援する報酬として、少なくとも約7600万円を免税店側から受け取っていたという。県警によると、海外からのツアー客のガイド行為に同法を適用したのは全国初。

県警は3日、2人にガイドを委託した福岡市と東京都の旅行会社3社の役員計3人を同法違反(不法就労助長)容疑で、報酬を渡した同市と東京都の免税店運営会社3社の役員計3人を不法就労助長の幇助(ほうじょ)容疑でそれぞれ書類送検した。

外事課の説明では、自称無職の女(31)は昨年5~11月、就労ビザがないのに、中国人観光客らを福岡市内の免税店に案内するなどして、約3千万円を得ていたとして今年1月に逮捕された。2月に罰金50万円の略式命令を受けて国外退去になった。留学生の男(25)は2014年9月~15年9月、同様に計約4600万円の報酬を得たとして、今年2月に書類送検された。

免税店運営会社の役員2人は「就労資格は旅行会社が確認していると思っていた」などと容疑を一部否認。ガイド2人と旅行会社役員3人、免税店運営会社の役員1人は容疑を認めているという。

同課によると、旅行会社は2人に報酬は支払わず、「ボランティア」名目で委託。実際には免税店側から2人の口座へ入金があり、県警は報酬にあたると判断した。


朝日新聞は今回の摘発を「海外からのツアー客のガイド行為に同法を適用したのは全国初」。さらに「外事課」が動いていたことを報じています。

「爆買い」無資格案内、容疑の中国人ら摘発 福岡県警(日本経済新聞2016/3/4)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO98016980U6A300C1CC1000/

就労資格がないのに、中国などから買い物に訪れる「爆買い」目的の観光客らを免税店に案内し報酬を得ていたとして、福岡県警は3日までに、入管難民法違反(資格外活動)容疑で中国人の女(31)を逮捕したほか、中国人留学生の男(25)を書類送検した。

県警によると、同容疑で中国人ツアーガイドを摘発したのは全国初。

県警は同日、この男女をガイド役として雇った旅行会社3社と免税店の運営会社3社の幹部ら計6人を同法違反(不法就労助長)の疑いで書類送検した。県警によると、免税店の運営会社の2人は容疑を否認している。

県警によると、ガイド役の男女は2014年9月~15年11月、就労資格のないビザで日本に滞在し、買い物をする中国人観光客らをボランティア名目で案内。その見返りとして案内先の免税店から計約7500万円の報酬を受け取っていたという。

女は今年1月に逮捕され、簡裁から罰金50万円の略式命令を受け、国外退去処分となった。

外国人向けに観光案内をする場合は「通訳案内士」の資格が必要だが、この男女は取得していなかった。


日本経済新聞は「無資格」「就労資格がない」「入国管理法違反」などと各紙が説明する中国人ガイドらの摘発の理由として「通訳案内士」資格を持っていなかったことだと説明しています。

さて、本ブログでは昨年来、福岡に寄港する中国発の大型クルーズ客船の動向をウォッチングしてきました。
b0235153_16295534.jpg

いまや東シナ海は中国クルーズ旅行の新ゴールデンルートです
http://inbound.exblog.jp/24720904/

その経緯からすると、今回の摘発はいつ起きてもおかしくないと思っていました。この時期になったのは、摘発する側のなんらかの事情で決まったと思われます。

実をいうと、「観光立国」の推進役である観光庁を外局にもつ国交省は、2010年無資格ガイドを手配したとしてJTB系旅行会社を処分しています。このため、その後日系旅行会社は中国発クルーズの上陸観光手配からは一部を除きほぼ手を引いたため、現状はアジア系事業者と中国系ガイドの仕切る世界になっていたのです。

JTB系旅行会社を厳重注意処分に=通訳案内士法違反で初、中国人留学生バイト募集に問題―九州運輸局(レコードチャイナ2010年3月30日)
http://www.recordchina.co.jp/a40879.html

今回の摘発の理由となった「通訳案内士」資格をめぐる問題についても、これまで本ブログでは何度も指摘してきました。

NHK報道をめぐり思う。通訳案内士って何だろう?
http://inbound.exblog.jp/24442716/

メディアは「通訳案内士」問題をどう報じてきたか
http://inbound.exblog.jp/24446629/

無資格ガイド問題とは何か?
http://inbound.exblog.jp/24472149/

こうした現状もそうですが、一般の日本人からみると、中国人不法ガイドが数千万円もの収入を得ていたことのほうが驚きかもしれません。中国人観光客による「爆買い」で最も利益を得たのは彼らだったかもしれないからです。

ある事情通は、彼らが法外な利益を得たカラクリについてこう説明してくれました。

「彼ら無資格ガイドが、免税店やアジア系旅行会社から無償または1日5000円程度でクルーズ客の上陸観光のバス1台分40名のガイド業務を引き受けるとする。免税店に連れてゆき、1人平均5万円のお買い上げで、売上総額は200万円。そのうち10%を免税店からコミッションとして受け取ると、20万円/日の実入りとなる。いまや福岡には毎日のようにクルーズ船は来るから、年間で約150日ガイドをやって、こつこつ貯めれば軽く3000万円を超える。免税店や商品によっては、コミッションが売上の20~30%の場合もあるので、もっと利益は増える。これを中国へ持ち帰ると、都市郊外のマンションが買える金額だ。まさに商才民族というべきだろう。

考えてみれば、これは中国人が中国人を食い物にする構造だ。日本人がそれをやれば、中国から袋叩きに遭うだろう。しかし、中国人同士がやっていることなので、関係者らは見て見ぬふりをしてきたというのが、これまでの経緯だったと思う」

こうしたことが起こりえた背景には、いうまでもなく中国人観光客の「爆買い」があったことは確かです。彼らが「爆買い」しなければ、こんなカラクリは成立しないからです。

実は、このニュースが各紙で報じられた昨日、ぼくはたまたま在日中国人の旅行手配業者の知り合いに会う約束になっていました。そのとき、当然この話が出たのですが、その業者によると、昨年末、ある中国系の免税店から各業者に一斉に通達があったそうです。その内容は「在留カードを持たない中国人ガイドが客を連れてきても、2016年1月1日からはコミッションは出さない」というものだったそうです。

彼らも今回の摘発を免れるための手を打っていたことがわかります。もっとも、それは「在留カード」の所持にすぎず、外国人に対してガイド業務を行う通訳案内士資格の有無ではありませんでした。各紙が報じる外国人の「就労」資格に関する判断は、単に「在留カード」があればすむことなのか、「通訳案内士」資格まで問うているのか、分かれているようにも読めます。

しかし、そんな通達は、急増する訪日中国人旅行市場の現状からいって、守られることなど到底、無理な話だったのです。

何はともあれ、パンドラの箱はついに開けられました。

はたして今回の摘発は、福岡以外の全国に波及するのか。そうなると、航空便で訪日する中国人ツアー全体に影響が出てくることが考えられます。

なぜなら、中国の訪日団体ツアーは、航空便利用の場合も、クルーズ同様、コミッションによるコスト補填で成り立っている状況は同じだからです。

だとすれば(あえてこんな言い方をしますが)今回の摘発以降、逮捕される危険を顧みず、ガイド業務を買って出る中国人がいなくなってしまえば、中国側の旅行会社ががいくら日本に客を送ってみたところで、ツアーが回せなくなってしまう可能性があるのです。

この摘発が、未曾有に拡大しつつあった訪日中国旅行市場にどんな影響を与えることになるのか。注視していきたいと思います。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-03-05 14:43 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 02月 29日

「重慶・東京5400円から」「日本旅行5泊6日6万3000円」~重慶、成都の街角にて

2月中旬、重慶と四川省の成都を訪ねたのですが、街でさまざまな日本旅行の情報を見かけました。

いま中国の内陸都市から日本に向かう航空路線が急増しています。重慶や成都でも、日本旅行が少しずつブームになり始めています。

東アジア航空網に新時代、訪日客増大の本当の理由は地方路線の大拡充
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/IB-BU/022600007/

街角で見かけた日本旅行の募集告知や案内版を紹介しましょう。

まず訪ねてみたのが、スプリングジャパンの就航で成田との直行便が実現した春秋国際旅行社です。
b0235153_1546590.jpg

春秋国際旅行社重慶支店
渝中区民生路268号
b0235153_15462379.jpg

旅行店舗の表に春秋航空の日本線が書かれています。

重慶=東京(火木土日) 5時間
重慶=大阪(月水度) 4時間
春秋航空 www.ch.com

そして、スプリングジャパンの就航で実現した「重慶・東京299元(5400円)より」が目を引きます。
b0235153_15463259.jpg

店舗に入ると、春節休暇も終わったばかりだというのに、けっこうにぎわっていました。やはり、日本旅行が一番人気のようです。ためしに客を装って、日本線やツアーの料金を尋ねてみたところ、2月18日発の重慶・成田便の片道は980元(1万8000円)、26日初の東京・大阪6泊7日のツアーが3500元(6万3000円)でした。
b0235153_15481147.jpg

これでわかるように、スプリングジャパンの片道299元(5400円)というのは最安値であって、通常は片道2万円相当のようです。春秋航空の茨城・上海線でも同様で、同社はよくキャンペーン料金を出すものの、時期と席数は限定です。だとしても、個人観光ビザを取得して、うまく日程を調整すれば、重慶の人たちも片道5000円相当で日本に来られるというわけです。

春秋国際旅行社では、今年も福岡など九州を訪れるクルーズ商品も販売しています。重慶市民の場合は、まず上海まで飛んで、そこからクルーズ船に乗船します。
b0235153_15474579.jpg

重慶に来て気がついたことがあります。中国の一定の所得層の人たちは、東シナ海のクルーズツアーの前段階として、重慶発の三峡クルーズを経験済みだろうということです。三峡クルーズもたいてい3泊4日から4泊5日ですから、東シナ海クルーズと日程的にも同じです。彼らはカジュアルなクルーズに慣れているといっていいでしょう。
b0235153_15481945.jpg

それにしても、これまで何度も指摘してきましたが、「日本旅行5泊6日3500元(6万3000円)」というのは呆れてしまいます。

実は、成都でも同じでした。街場の小さな旅行会社の店舗にこんな貼り紙があったからです。
b0235153_15483340.jpg

b0235153_1548436.jpg

すべては免税店での“爆買い”を前提として成立させている、きわどい商品です。

もっとも、新しい動きも見つけました。重慶で最もにぎやかな繁華街の解放碑地区で見かけた電光掲示板です。

これはシンガポール旅行の案内です。
b0235153_15485928.jpg

次が、日本旅行。しかも、「日本自由行」。つまり、個人観光ビザ取得者だけが可能な自由旅行の意味です。
b0235153_1549574.jpg

興味深いことに、ずいぶん細かく料金が表示されています。個人旅行の場合、個々の手配を自分でしなければならないからです。

机票(エアチケット)2700元より
4星酒店(4つ星ホテル)400元より
JR交通卡(JRパス?※これがどのパスを指すのか不明)65元
WIFI 18元/天
本州机场接送机(空港からの送迎・片道)600元/趟

新亜国際旅行社
http://www.cqxygl.com
※同社のHPをみると、重慶発の日本ツアーがいくらくらいで売り出されているかわかります。またエアチケットの値段(2700元より)からすると、春秋航空ではなく中国南方航空利用のようです。春秋航空を利用できれば、もっと安くうたえるわけですが、春秋国際旅行社の独壇場なのでしょう。

中国の内陸都市発の訪日旅行市場がいま、どのようになっているのか。これら街場の広告はそれを理解するうえで手がかりになりそうです。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-02-29 15:50 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2016年 02月 21日

今年も中国客は来るぞ。そう実感させたSJ重慶・成田線で見たツアー客の一部始終

重慶からのスプリングジャパンの帰国便の話を書きます。

スプリングジャパン初の国際線(成田・重慶)に乗ってみた(第3ターミナルも初利用)
http://inbound.exblog.jp/25378551/
b0235153_742046.jpg

市内から40分ほどモノレールに乗り、空港駅を下車して約200mほど歩くと、国際線ターミナルがあります。
b0235153_16144948.jpg

チェックインカウンターは大勢の出国客でにぎわっていました。カウンターこそ7か所くらいですが、いまの中国の地方都市の国際線はたいていこんな感じです。
b0235153_16151246.jpg

よく見ると、そこは国営キャリアの中国国際航空や山東航空、深圳航空、西蔵航空、澳門航空などの専用カウンターでした。
b0235153_1615472.jpg

スプリングジャパンと地元四川航空のカウンターは少しはずれた場所にありました。
b0235153_1616775.jpg

ひときわ目を引くのが「重慶―東京 299元から」の看板です。そう、いまや重慶の人たちは片道5000円ほどで東京に来られるのです。この衝撃的な意味については、別の機会に説明します。
b0235153_16163224.jpg

チェックインカウンターは成田と同様、「個人」と「団体」に分かれていました。圧倒的に多いのは団体客です。
b0235153_1617226.jpg

団体客に向かってツアーの注意事項を話しているのは、添乗員の男性です。スタジャンに黒縁メガネといういでたちは、いまから30年前の1980年代頃の日本を思い起こさせます。
b0235153_1618834.jpg

出国手続きをすませ、搭乗ロビーに足を運ぶと、先ほどの団体客が待っていました。機内食が有料だからでしょうか、タッパーに入れたおかずを食べてる人もいます。いかにも中国的なのどかさです。
b0235153_16174662.jpg

重慶空港の国際線は、19社のエアラインが運航しているようです。フィンエアーやマレーシア航空、カタール航空、アシアナ航空、チャイナエアラインなどナショナルフラッグ系に加え、エアアジア、ドラゴンエアー、復興航空(台湾系)、そしてスプリングジャパンなどLCCも多いことがわかります。
b0235153_1618311.jpg

機内はほぼ埋まっていました。ぼくの席は最後尾の一つ前の32番でしたが、その後ろが一列空いているだけでしたから。日本人客はざっと見た感じ5~6名です。
b0235153_16192538.jpg

一方、この便の客室乗務員は全員日本人。スプリングジャパンは日本のエアラインだということを印象付けようとしているようです。乗務員には男性も3名いて、みんな若々しく、他の日本のエアラインではちょっと見られないフレッシュさを感じさせます。現在、重慶線は週4便なので、重慶に宿泊するフライト日もあるそうで「初めて重慶の火鍋を食べた」とひとりの男性乗務員が話してくれました。
b0235153_1619060.jpg

とはいえ、中国客が大半を占めるだけに、機内はまさに中国です。機体が離陸し、まだ水平飛行にもなっていないとき、突然「お席を立つのはおやめください」と機内アナウンスが轟きました。見ると、ひとりの女性客が席を立ち、荷物を勝手に開けようとしていました。

こういうことは、中国以外ではまず見たことはありません。まったく彼らはルールに縛られることなく、どこまでも自由気ままです。

ひとりのおばさんはトイレに入っても、ロックをかけていませんでした。乗務員が戸を開けそうになったので、思わず「おばさんが入ってますよ」と止めなければなりませんでした。

とにかく機内はにぎやかです。フライト時間が長いせいか、延々トイレの列が並んでいます。シートピッチが狭くて座っていられないのか、立っている人もやたらといる。最後尾の空いてる席を見つけ、そこに座ろうとして、乗務員に注意されている光景もしばしばです。

個人的には、空いてるんだから座らせてあげればいいじゃない、という気もしますが、乗務員は全員日本人ですから、そのへんはきちっとしています。他のお客様もいるのだから、例外は許さないということのようです。

だからでしょうか、中国客たちも「排队、排队(列に並びましょう)」と苦笑しながら、それに応えています。彼らも気持ちの上では、ここは(ルールに厳しい)日本なのかもしれません。

まったく中国客というのは子供のような無邪気なところがあります。海外慣れしていないせいか、「ちょっとびっくりするようなこともしがちですが、きちんと注意すれば、たいてい聞いてくれる」と乗務員は言います。

乗務員たちは乗客からいろいろ質問もされています。「いま日本で桜は見られるのか?」「いいえ、さくらは東京では3月下旬くらいからです」「それは残念」「でも、いま伊豆の河津で桜が見られますよ」「それはどこで見られるのか」……。

そんなこと事前に調べてくればいいのに…。そう思わないでもありませんが、たいていの団体客は日本に対する知識はほとんどないのが普通です。添乗員が案内してくれるので、調べてくる必要を感じていないのです。「ネットで事前にいろいろ調べてくる」というのは、あくまで若い個人客の話。最近、よくメディアで中国人観光客の行動スタイルが「モノからコトへ」と変わったなどといっていますが、それは少し先走りすぎの見方です。実際には、異なるふたつの層(団体客と個人客)に分かれているだけのこと。それが実態です。

最近増えてきた個人客には「モノからコトへ」というニーズが生まれていることは確かですが、後発の内陸都市から来た団体客はまだビギナーで、彼らが変わるにはまだ少し時間がかかります。そして、いま内陸都市からのフライトが急増し、従来型の中国団体客が増えているのです。ですから、こうした全体像が見えていないと、判断を誤ります。

中国「爆買い」の主役は内陸都市からの団体ツアー客
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/IB-BU/010400002/

中国沿海都市から新タイプの個人客、ニーズが多様化し新たな商機生まれる
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/IB-BU/011800003/

ツアーに参加した大学生は、2日目の自由行動の1日、都内を同行の友人たちと探索しようと計画しているそうです。彼の場合は、多少は事前にネットで日本のことを下調べしてきたでしょうが、実際に目にした東京の地下鉄路線網のあまりの複雑ぶりに面食らっているようでした。きっと次回はツアーなどには参加せず、日本を個人旅行したいと彼は思うはずです。
b0235153_16221992.jpg

帰国便でぼくの隣の席にいたのは、米国留学経験のある60代の男性で、奥さんは日本在住経験もあるというご夫婦でした。中学生の娘と3人の家族旅行です。ご主人は英語がお得意で、いろいろ話したのですが、孤児だった娘さんをひきとり、おふたりで養育しているそうです。おとなしそうな女の子でしたが、奥さんは機内で彼女の勉強を見たり、大切に育てていることが感じられました。

「今回、どうして日本旅行に来ようと思われたのですか」と尋ねると、奥さんはこう言いました。

「中国の学校教育では、日本のことを悪くばかり教えている。でも、そうではないことを私は知っている。だから、娘にも実際の日本を見せたかったの」。

まいりました。こういう品のいい旅客もいるのですね。

スプリングジャパンの成田・重慶線が就航したことで、重慶の人たち(武漢も同様)の日本旅行のアクセスはとても便利になります。これまで重慶から成田には中国国際航空の上海経由便しかなく、春秋航空も関空にしか運航していませんでした。そのため、以前は経由便で往復2日が丸まる移動に費やされ、春秋便でも関空から入国し、東京まで行くと、再び関空に戻って帰国しなければならなかったのですが、その必要がなくなったからです。

スプリングジャパンはこれからも続々と成田からの中国地方路線への運航を計画しているようです。

先週、日本政府観光局(JNTO)の2016年1月の訪日外国人旅行者数の発表がありましたが、中国客は47万5000人と昨年の2倍増で、数、伸び率ともにトップでした。

訪日外客数2016年1月推計値を発表 前年同月比52.0%増の185万2千人
http://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/index.html

今年も訪日中国客の勢いは止まりそうもありません。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2016-02-21 16:24 | “参与観察”日誌 | Comments(0)