ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

inbound.exblog.jp
ブログトップ

タグ:ツアー ( 147 ) タグの人気記事


2015年 08月 07日

中国少数民族のツアー客も現れています(ツアーバス路駐台数調査 2015年8月)

8月に入り、酷暑の日々が続いています。せっかく日本に遊びに来たのに、この暑さではさぞお疲れのことでしょう。東新宿には、欧米の個人旅行客の姿もよく見かけます。子供の手を引き、スーツケースを引きずってホテルに向かっています。
b0235153_13532239.jpg

b0235153_1356625.jpg

この写真は8月上旬の新宿グランベルホテルのルーフトップバーの様子です。このホテルは歌舞伎町の中にある外国客が9割を占めるというホテルです。眺めがいいです。

新宿5丁目には、この夏もバスが大挙して現れています。実は、先日中国ツアー客ご用達の焼肉食べ放題の店「味仙荘」に行ったことをブログで書きましたが、お店の関係者によると、中国全土からやって来ているようです。今年中国客が激増した理由のひとつが、内陸からの訪日客が増えたことがあります。8月のある日には、中国の少数民族のグループもいたようです。この件は後日報告しましょう。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(土)未確認
2日(日)未確認
3日(月)13:10 5台、19:00 0台
4日(火)12:20 6台、18:10 3台
5日(水)11:50 5台
6日(木)13:10 6台
7日(金)12:20 5台
※この日も「味仙荘」でランチをしたところ、次々と中国ツアー客が入店してきました。黒龍江省ハルビンからのツアーグループがいました。「東京は暑くてたまらん」とぼやいていました。
b0235153_13534850.jpg

b0235153_1354036.jpg

この店のランチは、一般には食べ放題で1080円と超格安ですが、中国客は団体料金で一人当たりさらにお安くなっているはずです。店内はもう中国と変わらないにぎわいです。ガイドたちは、お店から弁当をもらって食べています。席が空いてないので、レジの場所に立ちながら。この仕事も大変そうですね。

8日(土)未確認
9日(日)未確認
10日(月)12:20 5台、18:00 3台
11日(火)11:20 4台
12日(水)未確認
13日(木)12:20 5台
14日(金)13:10 6台
15日(土)12:50 3台
16日(日)未確認
17日(月)13:10 4台、19:00 2台
18日(火)12:40 5台
19日(水)18:40 3台
20日(木)未確認
21日(金)12:50 4台
22日(土)未確認
23日(日)未確認
24日(月)未確認
25日(火)12:20 5台
26日(水)12:40 4台
27日(木)12:10 3台
28日(金)未確認
29日(土)未確認
30日(日)未確認
31日(月)12:40 4台
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-08-07 13:54 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2015年 08月 06日

今年7月から中国発白頭山(北朝鮮)ツアーが始まったそうです

先日、朝鮮日報2015年7月24日で報じられた「中朝、豆満江1日観光ツアー開発で合意」の記事について、知り合いの延辺朝鮮族自治州の関係者に確認したところ、確かに今年7月15日から、中国発国境越え白頭山(北朝鮮 中国名:長白山)2泊3日の登山ツアーが始まったそうです。

中朝、豆満江1日観光ツアー開発で合意 (朝鮮日報2015年7月24日)
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2015072401175

対象は中国国籍のみで、ツアーの料金は2泊3日で1880元。週2~3回催行の予定。出発地は延吉市の南西にある和龍市からだそうです。和龍市崇善税関から朝鮮に入国します。

ネットで調べると、確かに以下の記事が出ていました。

和龙赴朝旅游线路受到游客欢迎 2015-08-04
http://gb.cri.cn/42071/2015/08/04/8011s5054574.htm
b0235153_162108.jpg

b0235153_1622434.jpg

「国际在线消息(记者 吴家迎):7月15日,吉林省延边朝鲜族自治州和龙市正式开通了赴朝鲜境内的长白山东坡、茂峰国际旅游特区的跨境旅游线路。近日,本台“行进中国·魅力边境行”记者对负责运营此线路的和龙市旅行社进行了采访。旅行社经理齐蕾表示,赴朝旅游路线深受游客喜爱,在短短十多天时间里,已有近600人次通过旅行社赴朝观光旅游。另外,还有200多人已经提交了赴朝旅游的材料。

此次开通的赴朝旅游线路为朝鲜境内的长白山东坡、茂锋国际旅游特区一宿二日游;朝鲜境内的长白山东坡、茂峰国际旅游特区二宿三日游。主要包括长白山东坡、正日峰、三池渊大纪念碑、茂峰国际旅游特区、鲤明水瀑布等朝鲜著名景点。和龙市旅游局表示,今年4月23日,朝鲜发布政令设立茂峰国际旅游特区,和龙市紧抓这一契机,开拓边境旅游路线,“茂峰国际旅游特区位于图们江源头、双目峰、三池渊郡之间的三角地带,长约14公里,宽约12公里,区域总面积约84平方公里。6月朝鲜白头山地区观光委员会派出代表到我市进行考察。随后,代表团与香港盛润投资有限公司,我市与香港盛润投资股份有限公司就合作开发朝鲜茂峰国际旅游特区分别达成了协议。”

孟晨表示,茂峰国际旅游特区由香港盛润投资股份有限公司负责运营并开发,建成后将大幅提高赴朝游客的接待能力,日接待能力将达3000人次。目前一期建设正在施工中,开发面积20平方公里,预计8月末完工,建成后日接待能力可达500人次。

和龙市推出此旅游线路受到欢迎还得益于靠近长白山和中朝边境的独特区位优势。和龙市地处长白山下、图们江畔,与朝鲜咸镜北道和两江道隔江相望,边境线长达165公里,拥有2个国家级边境口岸。负责运营赴朝旅游路线的和龙市旅行社经理齐蕾表示,朝鲜境内长白山东坡景色以及沿途景点的自然风光是吸引游客的主要原因,“主要优势是看长白山景区,因为长白山唯一的东坡就是在我们这个地理位置,长白山是不可复制,其他三池渊郡各个地方的景点都非常有气魄,包括正日峰、金正日的出生地,非常能代表朝鲜非常气概的景色。三池渊郡是以前金日成抗日的主要抗战基地,和我们中国人民有很深的历史遗留的感情,它(旅游路线)文化的内容也很深。”

长白山北坡、西坡、南坡位于中国境内,东坡位于朝鲜境内。主峰海拔为2691米,天池是长白山最为著名的景观。齐蕾说,从长白山东坡看到天池的几率高达99%,“长白山的海拔比较高,像我们国内北坡、西坡、南坡,受天气影响有很多原因,有时候看不到,但是朝鲜东坡的地理位置不同,俯视基本都能看到天池,如果看不到,我们可以近距离走到天池水面,所以基本99%都能看到天池。”

齐蕾说,从长白山东坡观赏天池有两种方式,“白头山东坡有两种观赏方式:一是坐我们提供的车拉到天池主峰俯视天池,还有一种坐德国产的缆车直接下到天池水面,也可以徒步走台阶下到天池水面。”

这些优势带动了和龙赴朝旅游市场的火热。齐蕾说,在短短十多天时间里,已有近600人次通过旅行社赴朝观光旅游,“7月15日开通线路以后,到现在持续基本3天一个团,大概35人以里,首批团120人,之后每星期的周二或周三,是发散客班。团体是随时可发。两日价格是1680元,三天是1880元,包括所有到朝方的吃住行。”

齐蕾表示,去过的游客反馈都很好,由于旅游路线还没开始大规模推广宣传,因此有很大一部分新游客都是听去过的人推荐过来的。现在通过旅行社赴朝旅游需要准备的资料也特别简单,“提供报名材料是非常简便的,就是用本人的身份证正反面电子版,二寸白地照片电子版就可以,提前5天传到我们公司邮箱里,我们就可以给大家制证了,普通市民是非常方便的。”

这条旅游路线还受到一些国外游客的青睐,比如新加坡、俄罗斯等国咨询的就很多。齐蕾说,目前和龙正积极申报这条旅游路线上边境口岸的国家一级口岸资质,相信很快第三国人就可以从和龙口岸出发赴长白山东坡和茂锋国际旅游特区旅游了」。
b0235153_1624279.jpg

記事によると、開始から半月で約600人の旅行者がツアーに参加したこと。主な訪問先は、長白山東坡、正日峰、三池淵大紀念碑、茂峰国際旅游特区、鯉明水瀑布など。白頭山のふもとは金日成率いる抗日戦線の拠点だったとされることから、いわゆる革命史跡がたくさんあるようです。東ドイツ産(当時)のケーブル・カーで直接天池に下りることができるのも、白頭山観光の特典といえるでしょう(現在、中国側からは天池に行くのは禁止のため)。いまは中国国籍のみが参加できますが、シンガポールやロシアから打診もあるとか。またそもそもこの国際観光特区の開発は香港資本が関わっていることなどが書かれています。

長白山(白頭山)の周辺は、南坂、西坂、北坂と三方は中国領で、唯一東坂方面のみ朝鮮領です。延辺には多くの朝鮮族がいるので、これまでなかなか行けなかった東坂から登ってみたいと思う人は多いでしょう。

とはいえ、この中国発白頭山(北朝鮮)ツアー、実現までにずいぶん時間がかかっています。実は、以下の記事をネットで見つけました。昨年夏には実施されるはずでしたが、1年延期しています。

和龍開通赴朝長白山東坡遊 2014年6月18日
http://jl.wenweipo.com/?action-viewnews-itemid-1888

「6月中旬,吉林和龍市將正式開通本年度赴朝鮮長白山東坡旅遊線路。線路主要分為2日遊和3日遊,由和龍市旅行社負責運營。遊客自和龍市古城裏口岸過境,經朝鮮大紅丹郡抵達三池淵郡,沿途不僅可以遊覽到著名的三池淵大紀念碑、白頭館、千軍岩、鯉明水瀑布、天池等朝鮮知名旅遊景點,還可以觀看少年宮演出等文藝節目。

據瞭解,和龍地處長白山下、圖們江畔,與朝鮮鹹鏡北道和兩江道隔江相望,邊境線長達164.5公里,擁有南坪、古城裏兩個國家級邊境口岸。其獨特的區位優勢,使從這裏出境的遊客不僅可以體驗異國風土人情,還能飽覽長白山東坡風光。自1992年開通赴朝跨境遊業務以來,通過多年的努力運營和發展,這條線路已日臻成熟」。(記者張艷利)

さらにいうと、約10年前の地元新聞の記事によると、和龍から北朝鮮に入る観光コースは2006年に開通していたようです。その後の北朝鮮の核実験など、中朝関係の悪化によりこう着状態が続いていたのです。ぼく自身、このコースがオープンするという話は、当時から聞いていました。実現までに10年かかったことになります。気の長い話です。

和龍市、国際黄金観光コースが開通(吉林新聞 2006年6月30日)
「先日 《国際黄金観光コース》と呼ばれる和龍市長白山東側国際観光コースが正式に開通した。 観光客は和龍市内の古城里港から直接、北朝鮮観光に入ることが出来るだけでなく、北朝鮮国内の 長白山東側観光が出来る。 この観光コースは和龍市旅行社で単独にて運営している。

州人大常務委員会主任・韓昌鎮は開通セレモニーで、延辺は中国、北朝鮮、ロシアの 3国国境が接して いるため、地理的メリットが明らかであり、観光の潜在力が巨大だと指摘しながら、和龍市でこの 国際黄金観光コースを開通したことは州全体の観光業にとって大きな事であるだけでなく、延辺で 開放を拡大した大慶事であると述べた。 その日 25人の観光客が初めて古城里港から国境を越えて北朝鮮観光に出た」。

はたして中国人以外の外国人がいつからこのコースに参加できるのか。気になります。

それから、以下の記事に関しても、最新情報です。

北朝鮮、一部地域の「自転車ツアー」が中止に…「見所なくて、料理もイマイチ」(Daily NK2015年07月10日)
http://dailynk.jp/archives/48233

現地の関係者によると、確かにサイクリングツアーはなくなったものの、図們・南陽の日帰りツアーはウォーキングツアーとしていまも実施されているそうです。

コース内容は以下のとおりです。

10時図們税関→国境橋通過→南陽市内観光→15:00図們税関

料金は260元/名だそうです。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-08-06 16:04 | 朝鮮観光のしおり | Comments(0)
2015年 08月 03日

【続】2015年北朝鮮は観光誘致を積極的に進めています(サーフィンツアーも催行?)

今年6月上旬、北朝鮮の観光誘致に取り組むニュースをいくつか集めてみましたが、その後もいろんなニュースが出ています。

2015年北朝鮮は観光誘致を積極的に進めています(「共産主義テーマパーク」観光は実現するか?)
http://inbound.exblog.jp/24562596/

今回はその続編です。

まずはこれ。
b0235153_1654162.jpg

北朝鮮、外国人の白頭山マラソン旅行認める (朝鮮中央日報2015年06月15日)
http://japanese.joins.com/article/739/201739.html
「高麗旅行社が販売するこの4泊5日の観光商品では、白頭山一帯でのハーフマラソンを楽しむことができる。8月18日に出発し、料金は219万ウォン(約24万円)」。

これは平壌から白頭山(中国名:長白山)のふもとの三池淵まで飛んで、現地で一泊してマラソンするというツアーのようです。しかし、24万円とは高いですね。高麗旅行社(Koryo Tours)は北京にある英国人経営の北朝鮮専門旅行会社ですから、欧米客を集めているのでしょう。集まるのかな?

外国人絶賛、北朝鮮で大人気の地ビールとは
日韓の「有名ブランド」にも負けていない? (東洋経済2015年06月18日)
http://toyokeizai.net/articles/-/72972

東洋経済オンラインではよくこの手の北朝鮮ネタを配信しています。確かに、北朝鮮の国産ビールはそれほどまずいとは思いませんが…。

中朝、豆満江1日観光ツアー開発で合意 (朝鮮日報2015年7月24日)
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2015072401175
「中朝両国は先日、吉林省の延吉から北朝鮮側の白頭山をつなぐバスツアーの営業を開始したが、これが中国人にとって新たな人気観光コースになっていることも伝えられている」。

この記事は本当でしょうか。ちょっと面白いので、延辺の知人に聞いたところ、本当でした。

今年7月から中国発白頭山(北朝鮮)ツアーが始まったそうです
http://inbound.exblog.jp/24763312/

こんなニュースもあります。

北朝鮮でサーフィンツアー開催、イタリア人プロも同行 (Daily NK2015年7月30日)
http://dailynk.jp/archives/49178
「米ニュージャージー州に本社を置く北朝鮮専門旅行大手のウリツアーズは、9月に北朝鮮サーフィンツアーを開催すると発表した。

今回のサーフィンツアーは、上海の浦東国際空港を9月14日午前0時30分に出発する高麗航空便で平壌に向かい、バスで6時間かけて馬息嶺(マシンリョン)スキー場、元山(ウォンサン)市を経由して、江原道(カンウォンド)通川(トンチョン)郡の侍中(シジュン)湖のそばの侍中海岸に移動、3泊してサーフィンを楽しむ」。

ぼくは2013年の夏に侍中海岸に行ったことがあります。これがそのときの写真です。日本の山陰とか新潟あたりの海水浴場によく似ていたことを思い出します。たまたまそのとき欧米人のグループがいて、彼らは海水浴をしていました。
b0235153_15192360.jpg

b0235153_15194059.jpg

b0235153_1520986.jpg
これは翌朝の同じ海です。けっこう波が立っています。これなら9月であればサーフィンできそうですね。

考えてみると、マラソンにしろサーフィンにしろ、国家レベルの観光誘致というにはささやかすぎる話題ですが、これが北朝鮮だからニュースになるんですね。いまの北朝鮮の観光誘致は、こういう善意にあふれる奇特な欧米人たちに支えられているといってもいいのかもしれません。

ですから、こんなやり方で観光誘致なんてうまくいくはずがない。その手の論調の記事が出てきて当然です。当然ではあるんですが、わざわざそこまで言うまでもない話という気もします。

あの北朝鮮が乗り出したインバウンド大作戦の成否 (ダイヤモンド2015年7月1日)
http://diamond.jp/articles/-/74073

北朝鮮、「観光客100万人誘致を目指せ!」 観光活性化に特大級の大風呂敷(Daily NK 2015年7月18日)
http://dailynk.jp/archives/48483

北朝鮮インバウンドをめぐるこのなんともいたたまれない現実というか、いじましい感じは、これからもずっと続くのでしょうか。この国の若きリーダーが多少なりとも海外の事情を知っているからこそ、こんなことを始めたのだろうと思われますが、逆に海外を知っていれば、このままではうまくいきようがないことは、ご本人がいちばんよくご存知なのではないかと思われます。

北朝鮮、一部地域の「自転車ツアー」が中止に…「見所なくて、料理もイマイチ」(Daily NK2015年07月10日)
http://dailynk.jp/archives/48233
「中国吉林省延辺朝鮮族自治州の図們市が、豆満江を向かいにある北朝鮮の穏城(オンソン)郡に提案し、昨年5月から始まった。しかし、中国人観光客の評判がイマイチで、中止になったという」。

これは、昨年始まった中朝国境の図們から対岸の北朝鮮の南陽とその東の郊外にある穏城方面への日帰りサイクリングツアーの内容がイマイチで中止になったという記事です。

これが図們と対岸の南陽(北朝鮮)です。
b0235153_15214042.jpg

b0235153_15215329.jpg

ぼく自身は、戦前期の日本がそのまま時間が停まってしまっているように見える南陽という不思議なまちをサイクリングしてみたくてたまらないのですが、実現する日はいつでしょうか。

なおこれも現地関係者に聞いた話ですが、サイクリングツアーはなくなったものの、ウォーキングツアーは現在でも行われているそうです。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-08-03 15:22 | 朝鮮観光のしおり | Comments(0)
2015年 08月 01日

台湾版「田舎に泊まろう」ウルルンツアー密着レポート(長崎県南島原市)

7月上旬、某PR誌の仕事で長崎県南島原市に行ってきました。

南島原市というのは、島原半島の南端に位置する人口約5万人のまちです。今回訪ねた理由は、このまちが2013年から台湾の一般客を農家民泊させるツアーの受入を始めているからでした。

南島原ひまわり観光協会
http://himawari-kankou.jp/

この民泊ツアーで、台湾客たちは民泊先の畑で地元の農産品の収穫をした後、ホスト家族と一緒に料理をし、夕食を味わいます。その心温まる体験は、台湾メディアに報じられたことで人気を呼び、年間約800人の台湾客が訪れています。

実はこの話、以前ぼくのblogでも紹介したことがあります。2013年10月、台北で開催された台北国際旅行博(ITF)の会場でぼくはある現地旅行会社の女性社員に会いました。彼女は元日本留学生で、自分が日本で体験した民泊の感動を多くの人に味わってもらいたいとの思いで旅行商品として実現させたのが、この農家民泊ツアーでした。

台湾発日本行き「ウルルン滞在記」ツアーはこうして生まれた
http://inbound.exblog.jp/21429440

そんなわけで、機会があれば、そのツアーの様子を見てみたいとずっと思っていました。それが今回実現できたのです。

以下、台湾版「田舎に泊まろう」ウルルンツアー密着レポートです。

その日、台湾から来た8家族(33名)がそれぞれの受入先の農家に分かれて民泊します。
b0235153_14351914.jpg

午後3時、台湾客を乗せたバス到着。民泊先の家族が総出でお出迎えします。
b0235153_14353461.jpg

b0235153_143552100.jpg

台湾では7月に入るとすぐ夏休みだそうで、子供連れの家族がたくさんいます。
b0235153_14363910.jpg

b0235153_14365269.jpg

ホスト家族との対面を「入村式」と呼んでいます。会場は市の武道館。あらかじめそれぞれの家族のホスト農家は決められていて、テーブルごとに分かれます。
b0235153_1438157.jpg

観光協会の担当者から南島原の紹介があります。
b0235153_14372491.jpg

台湾ガイドの林尚緯さんです。
b0235153_1438455.jpg

入村式の最後は、ホスト家族とゲストが握手します。
b0235153_1439577.jpg

b0235153_14392185.jpg

その後、流しそうめんで親睦を深めるのが恒例になっているそうです。
b0235153_14393858.jpg

なにしろ南島原市はそうめん生産量全国2位。みんな大喜びです。
b0235153_1440949.jpg

そして、ホストの車に乗ってそれぞれの農家に移動します。
b0235153_14405862.jpg

ここから先はガイドがついていかないので、明日の朝までお互い言葉が通じません。
b0235153_14411345.jpg

さて、ぼくはある農家とそこに民泊する台湾の家族に密着することができました。

これがホストの園田義文さんのお宅です。
b0235153_14414118.jpg

茶の間でしばらく休みながら、ゲストの黄振穎さん一家の話を聞きました。黄さんは台北で写真館を経営する撮影師です。CANONの一眼レフを手にし、写真を撮りまくっています。奥さまと中学生のお兄ちゃん(柄越くん)と小学生の弟(柄升くん)の4人家族です。

1時間後、園田家のビニールハウスで今日の夕飯のおかずとなるナスとピーマンを収穫に行くことになりました。

ひょうきんなお父さん。黄さんは明るい人です。
b0235153_14421076.jpg

ピースしているのは園田家のお母さんです。この日大活躍です。
b0235153_14423168.jpg

長男の柄越くんがナスを採っています。
b0235153_1443036.jpg

こんなに採れました。
b0235153_14432348.jpg

b0235153_14433882.jpg

ビニールハウスの外には、少し前までイチゴを植えていた畑があります。春先に来ると、イチゴ狩りができるそうです。
b0235153_14435531.jpg

収穫のあとはみんなで一緒に食事をつくります。

先ほど採ったピーマンを肉詰めにします。
b0235153_14442190.jpg

子供たちはヒマを持て余してゲームで遊んでいます。弟の柄升くんは中学生のお兄ちゃんが持っているスマホが欲しくてたまらないそうです。
b0235153_14451136.jpg

お母さん同士はキッチンでずっと料理をつくっています。この家の嫁でもないのに、なんかいい雰囲気ですね。
b0235153_14453287.jpg

しばらくして観光協会の担当者とガイドの林さんが様子を見に来ました。手前に一緒に写っているお母さんと女の子は、今回ぼくの取材に協力してくれた観光協会の別の担当者の奥さまと娘さんです。
b0235153_14455822.jpg

先ほどまでゲームで遊んでいた柄升くんがお母さんの料理を手伝いにやって来ました。
b0235153_14461922.jpg

はい、出来上がり。長崎名物のちゃんぽんと鶏の唐揚げ、ナスの煮びたし、ゴーヤと肉の炒めもの。家庭料理ですね。
b0235153_14463970.jpg

「いただきます」。子供たちは自分で採った野菜を食べるのは初めての体験だったそうです。
b0235153_1446526.jpg

密着はここまでで、ぼくは園田家を後にしました。

さて、翌朝です。朝8時半、台湾客たちは武道館に戻ってきます。

そして、全員で記念撮影。垂れ幕には「南島原にまた来てくださいね!」と書かれています。
b0235153_14472516.jpg

各々の家族同士、みんな名残惜しそうにしています。
b0235153_14475139.jpg

b0235153_14482143.jpg

b0235153_14494348.jpg

南島原名物のそうめんがお土産です。
b0235153_14483575.jpg

黄さん一家もいます。昨晩はよく眠れたでしょうか。
b0235153_1448549.jpg

さて、退村式が始まりました。その様子をちょこっと動画に撮りました。特別なことは何もありません。
https://youtu.be/o3hdb6NoGLI

さあ、お別れです。すると、感極まって目頭を押さえてしまうホストのお母さんもいます。お互い言葉が通じないぶん、気持ちが高ぶってしまうのでしょう。
b0235153_14492050.jpg

そして、台湾客はバスに乗り込み、お別れです。
b0235153_1450491.jpg

b0235153_14501892.jpg

なんて絵に描いたような美しい世界なのでしょう。参りました。誰かがあざとい演出をしているわけでもないし、まあ進行上こうすればこうなるということは頭ではわかっているんですが、人間というのは面白いものですね。異国の人と触れあうとき、普段とは違う何かを感じてしまうのですね。

どうやらぼくの涙腺はツボにはまってしまったようです。傍で見ているのにすぎないのに、うるうるしてくるのですから。でも、きっとこういうのは台湾の人も好きに違いありません。

南島原市が農家民泊事業を始めたのは2009年からだそうです。といっても、最初は長崎県の中学生などから受け入れを始め、徐々に全国の中高生の修学旅行生へと広げていきました。そして、いまではなんと年間約1万人の民泊を受け入れています。そういう意味では、ホストの皆さんも、ベテランです。この美しい世界も、経験豊富なホスト家族がいてこそ実現できるのだと思います。南島原には160家が民泊を受け入れているそうです。

あと今回は触れませんでしたが、南島原は漁港もあるので、農家だけではなく、漁家の民泊もできます。今回台湾から来たある家族は漁船に乗せてもらって、そのとき釣ったタコを夕食でいただいたそうです。

冒頭で紹介した台湾の名生旅行社の女性社員は郭さん(日本名はYUKIさん)といいます。彼女はこうした南島原の民泊の評判を知り、同市観光協会を視察に訪れたことから、この農家民泊ツアーが始まっています。

実は、台湾客の帰国後、ぼくはゲスト一家のお父さんの黄さんとラインでやりとりしました。

―南島原での民泊はどうでしたか?

「すごく良かったですよ。日本人は親切で温かかった。私たち家族も本当に幸せでした。園田さんに感謝の思いを伝えてください。そして、ぜひ今度は台湾に遊びに来てください。歓迎します」

―今回は九州5泊6日のツアーだったそうですね。どうでしたか。

「九州は自然が豊かでとても純朴な土地でした。今度九州に来るときは、レンタカーを借りてドライブしたいです。そして、日本の風景をもっと深く見てみたいです。また今回は園田さんのお宅に泊めていただいて、日本の農家の生活を知ることができました。子供たちも喜んでいました」

ガイドの林さんともこんな話をしました。彼はガイド歴25年のベテランで、南島原の民泊ツアーにはすでに5回添乗しているそうです。

―こういう農家民泊ツアーは日本以外の国でありますか。お客さんたちはどんな感想を話していますか。

「日本しかありません。やはり民泊ツアーの魅力は心の交流ですね。こういう体験はなかなかできるものではない。日本の農村を初めて訪ねたが、食の安全・安心な理由がわかったという声もありました」。

―民泊ツアーに参加されるお客さんというのはどういう方たちなんでしょう。わざわざ民泊のツアーを選んで来られた方たちですね。

「このツアーでは、福岡や壱岐島、湯布院、長崎などを訪ねます。福岡ではグランドハイアット、湯布院では有名な温泉旅館に泊まります。そんなに安いツアーではありません。民泊は1日のみですが、やっぱり体験してみたいのです。お客さんの多くは、すでに東京や大阪、北海道などは行き尽くした、ある程度日本のことを知っているリピーターです。日本が好きになって、もっと奥まで日本のことを知りたい。そういう気持ちを持っているように思います。今回、南島原の民泊は2回目というリピーターのお客さんもいました。帰国後、アンケートを取ると、ほとんどの方が民泊がいちばん良かったと回答しています」。

台湾の人と話していると、日本のことを実力以上に評価してくれているような気恥しい気分になることがよくあります。ただ近隣諸国を見渡すと、このように言ってくれる人たちは残念ながら少数派なわけで……。なんとかその評価に応えていかなければと思ってしまいます。

ところで、長崎県は来年、南島原市にある原城(島原の乱で天草四郎が立てこもった場所)を「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産のひとつとして世界遺産登録に向けて申請するそうです。キリスト教文化の繁栄、宗教対立、そして弾圧という歴史の現場であったということが理由です。これはユネスコ好みのストーリーのように思います。

今回、原城跡や地元の歴史博物館を訪ねることができたのですが、とても面白いですね。来年はこのまちもいろんな話題を呼びそうで、楽しみです。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-08-01 14:53 | “参与観察”日誌 | Comments(1)
2015年 08月 01日

焼肉食べ放題「味仙荘」は今日も中国ツアーバス客であふれていました

新宿5丁目の中国団体ツアーバスの路駐スポットにある焼肉屋「味仙荘」は、中国ツアーバス客ご用達の食事処です。

新宿5丁目の中国団体ツアーバス路駐スポット調査
http://inbound.exblog.jp/i17

隣にある中国料理屋「林園」が中国団体客専門で、一般客を受け入れていないのに対し、「味仙荘」は一般客も入っています。ネットでみると、焼肉食べ放題の店として知られているようです。

ランチタイムと夕方には、周辺に路駐した大型バスから降りてきた中国人団体客が入店していく様子が見られます。最近は日中とても暑いので、入店できずに歩道で待っている中国客も多く、とても気の毒に感じていました。
b0235153_18104089.jpg

ある日の夕方、仕事帰りに「味仙荘」を覗いてみると、中国客が来ていました。ふとどんな店か入ってみようかなと思い、ドアを開けると、さいわい二人掛けのテーブルがひとつ空いていて、入店することができました。
b0235153_18101716.jpg

店には吉林省から来た旅行客がいました。ここは基本食べ放題の店らしく、おのおのが各種肉を取りに行き、自分で焼いて食べます。キムチとごはんとスープ付き。料金は、食べ放題で2699円、それに飲み放題が付くと3999円。さすがに食べ放題はムリと思っていたのですが、注文を取りに来た男の子が「カルビ定食が1500円、食べ放題が2699円。生ビールを2杯以上飲むなら、食べ・飲み放題がいちばんお得ですよ」。

う~ん、そうか。個人的には食べ放題より飲み放題がありがたい。ということで、飲み・食べ放題を頼んだのですが、最初に出てきた皿のカルビとタンの量がものすごいボリュームでビックリです。
b0235153_1811743.jpg

中国客が多く、バイキング形式ということですから、店の雰囲気は限りなく中国、という感じです。中国の人たちは、結局、このスタイルがいちばんラクなのでしょう。ただし、皆さんそんなにお酒を飲んでいる風ではなく、大騒ぎしている感じではありません。こう毎日暑いと、バスの移動で疲れちゃったのかもしれません。
b0235153_18112845.jpg

実は、この店、奥にもスペースがあって、そちらにも中国団体客がいました。どこから来たの? と聞くと、「揚州」といいます。最近、ツアーバス客たちの話している言葉が上海方言に近いグループが多いなと感じていましたが、やっぱりそうですか。

おそらく上海市内の人間はもう団体ツアーで来ることはほとんどなくなったかわりに(彼らは個人ビザを取ってくるようになったため)、その周辺の浙江省や江蘇省、湖北省あたりの人たちが圧倒的に多いのだと思われます。湖北省の省都の武漢からは春秋航空が関空へ飛んでいます。内陸部の人たちがゴールデンルートを旅行する時代になっているのです。

ひとつ気になったのは、この揚州から来たお父さんは、自分の中学生くらいの娘の靴を履かせてやっていたこと。一人っ子の国の親がたいそう子供を甘やかしている話はよく聞くし、中国でもそういう光景をよく見ますが、おいおい、そこまでやるか…。娘は娘で当たり前でしょ、といった表情です。最近の中国人親の子どもに対する甘やかしの光景を見ると、いつもゾッとします。

さて、中国客以外のこの店の客層はというと、壁にいまはなき「東京ウォーカー」の焼き肉特集でこの店を紹介した記事のコピーが出ていたことからも、お肉を安く腹いっぱい食べたいという若い世代が中心のようです。揚州の人たちが帰ったあと、やって来たのは、専門学校生の団体のようでした。
b0235153_18115187.jpg

「団体の中国客」と「日本の専門学校生」が集う店というわけです。なるほど。きっと中国の皆さんはお金がないわけではないのでしょうけれど、ツアーに組み込まれてしまっていることから、ここに連れてこられるのでしょう。

というわけですから、味については聞かないでください。しかし、ボリュームだけはすごくて、どーんと出された皿の肉はとても食べきれませんでした。

さて、そろそろお勘定しようかと思っていたら、欧米人ツーリストの4人家族が入店してきました。東新宿周辺のビジネスホテルを宿にしている人たちだと思われます。英語圏の人たちではありません。
b0235153_18121673.jpg

そうか、ここは「団体中国客」と「専門学校生」プラス「東新宿に宿を取る欧米人エコノミーツーリスト」の集う店でもあるんですね。さすがは東新宿FITゾーンならではの世界です。

ところで、例の「東京ウォーカー」のコピーをよく見ると、なんとこの記事、2001年のものでした。おいおい、これどうなの?

この店の経営者はオールドカマーの在日中国人です。オールドかまーというのは、1980~90年代に日本に留学して、永住権を取った人たちという意味です。以前は韓国人経営でしたが、隣の「林園」を利用する中国客が増えたことから、少しずつ「味仙荘」にも来るようになり、経営権を買ったのだと思います。急増する訪日中国客相手にひと儲けしようと考えるのは、結局、同じ中国人というわけです。

やっぱりこういう世界ってあるんですね。LAOXにもつながる世界といえるでしょう。
b0235153_18122985.jpg

※この夏、味仙荘を訪れた中国客についてちょっとした調査を行いました。中国のどの地方から来た人たちが多いか調べたものです。その結果は以下のエントリーを参照。

中国内陸客の増加がもたらす意味を覚悟しておくべき
http://inbound.exblog.jp/24845817/
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-08-01 10:09 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2015年 07月 23日

こんなに暑いのに路上で待たされるのは気の毒です(ツアーバス路駐台数調査 2015年7月)

先日、九州で台湾からの家族旅行者に会ったのですが、台湾では7月に入ると、もう夏休みのようです。上旬は中国客を乗せたバスはそんなに増えていませんが、下旬になると目立って増えてきました。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(水)13:20 3台
2日(木)12:40 4台
3日(金)18:20 2台
4日(土)未確認
5日(日)未確認
6日(月)18:20 3台
7日(火)12:50 4台
8日(水)未確認
9日(木)13:40 3台
10日(金)未確認
11日(土)未確認
12日(日)未確認
13日(月)12:20 4台
14日(火)12:10 2台
15日(水)未確認
16日(木)12:20 4台
17日(金)18:00 4台
18日(土)未確認
19日(日)未確認
20日(月)未確認
21日(火)12:20 6台
22日(水)11:50 3台
23日(木)未確認
24日(金)19:20 3台
25日(土)未確認
26日(日)未確認
27日(月)未確認
28日(火)13:10 6台
b0235153_13542011.jpg

※梅雨明け後の暑さは耐え難いものがありますが、今日も中国客の皆さんはこの炎天下、2軒の食堂前に並んで食事を待っていました。暑いので、医大通りに入って日陰で休んでいます。気持ちはわかります。でも、駐車場もないこんな場所の食堂を使わなければならないのは、とにかくツアー代金を安くしているからなんでしょうが、ちょっと気の毒に思えてなりません。

29日(水) 12:40 5台
30日(木) 12:10 6台
31日(金) 19:10 4台
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-07-23 17:57 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2015年 06月 11日

お昼は歩道に中国客があふれています(ツアーバス路駐台数調査 2015年6月)

6月に入ると、以前に比べバスの数が少し減ってきたようですが、お昼時になると、新宿5丁目御苑大通りの2軒の食堂(中華、焼肉)の前には、大勢の中国客が歩道にあふれるほどたむろしています。
b0235153_16203450.jpg

日本政府観光局(JNTO)の外客統計では、今年1~4月までの訪日中国客はすでに132万9300人とトップで、この調子で行けば、今年は300万人超えは確実のようです。

訪日外客数(2015 年4 月推計値)
単月過去最高の176 万4 千人を記録!http://www.jnto.go.jp/jpn/news/data_info_listing/pdf/150520_monthly.pdf

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(月)12:20 4台
2日(火)9:40 4台
3日(水)未確認
4日(木)未確認
5日(金)未確認
6日(土)18:00 6台
7日(日)未確認
8日(月)13:20 4台、18:00 3台
9日(火)13:40 3台、17:30 3台
10日(水)未確認
11日(木)12:45 7台
12日(金)13:20 2台
13日(土)13:00 4台
14日(日)未確認
15日(月)11:40 4台
16日(火)12:20 5台
17日(水)未確認
18日(木)11:50 6台
19日(金)12:20 6台
20日(土)未確認
21日(日)未確認
22日(月)11:50 9台、18:00 4台

23日(火) 13:40 6台
24日(水)~29日(月)未確認
30日(火)13:00 3台
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-06-11 16:22 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2015年 05月 13日

無資格ガイド問題とは何か?

通訳案内士をめぐる問題を考えるうえで、避けては通れないのが無資格ガイド問題です。一般の日本人からすると、なんのことやらわからないと思いますが、観光庁の「検討会」では初期の頃からこの問題が討議されていました。

以下の表は、観光庁がまとめた訪日旅行者数のトップ4である韓国、台湾、香港、中国におけるガイドの手配状況を整理したものです。

アジア主要国別インバウンドにおけるガイド等の手配状況(「通訳案内士の制度と現状について」2009年6月より)
b0235153_1651287.jpg

この報告は、株式会社JTBエイティーシー(当時)、NPO法人アセアンインバウンド観光振興会(当時、現社団法人)、JTBGMTの資料をもとに作成したとあります。これらは日本を代表する訪日旅行の手配を行う企業と業界団体です。

ここから何がわかるでしょうか。まず4カ国にほぼ共通する特徴が在日ネットワークで完結するビジネスモデルであることです。つまり、日本側の旅行業者を介さず、自分たちで旅行の手配を行っているわけです。なぜこういうことになっているのでしょうか。その何が問題なのでしょうか。

アジアからの訪日旅行の解禁は、さかのぼること1970年代の香港に始まり、79年の台湾、90年代の韓国と続いて動き出していました。ところが、当時の日本には彼らを観光客として受け入れようという認識やコンセンサスがまったくなかったため、彼らも在日ネットワークに頼るほかなく、ある意味野放しのまま手配が行われていたのです。当然無資格ガイドが添乗するツアーが大半でした。

1990年代の訪日外国人旅行者数はいまほど多くなく、せいぜい300~450万人でしたから、アジアからの訪日客は日本人の国内レジャーの閑散期を埋める存在に過ぎませんでした。

これが2000年代に入って変わっていきます。2000年に476万人だった訪日客は、03年の小泉政権時の「観光立国」宣言とビジットジャパンキャンペーンの開始とともに上昇カーブを描いて成長していきます。

ところが、在日ネットワークで完結するビジネスモデルはそのまま温存されてしまいます。その理由は後で述べますが、ここで確認しておくべきは、無資格ガイドの存在はいまに始まった話ではなかったということです。誰もそれをとがめることもなく20年以上経過していたわけで、それをいまさらやめろといっても、そこには彼らにとってなんのインセンティブもないわけですから、変わりようがなかったといえます。

では、この報告にもよく出てくる「スルーガイド」とは何でしょうか? 

ひとことでいうと、海外から団体客を連れて訪日し、ガイディングまでやってしまう添乗員のことです。本来日本で有償で観光案内できるのは通訳案内士という国家資格を必要とするガイドと定められているのに、それを不要としてしまうのです。

しかし、さらに根の深い問題もあります。彼らがただの添乗員であればいいのですが、そうではない場合があるからです。

台湾人や香港人には入国時にノービザで90日間の日本の滞在許可が下ります(これは相互免除という意味で、日本人が相手国に行く場合も同様です)。その間、ガイドたちは日本に自由に滞在しながら、いくつもの訪日ツアーの添乗を受け持つのです。だから、彼らは毎回ツアー客と一緒にやってくるのではありません。最初のツアーだけのことで、その後はずっと日本にいて、次々と添乗を繰り返すわけです。彼らが日本の通訳案内士資格を有していれば、まだいいのですが、必ずしもそうではなさそうです。

またその際、問題となるのは、土産店や免税店からのキックバックやバスの車内販売などで得た売上からホテル代や食事、交通費などの諸経費を引いて、そのまま自分の報酬として持ち帰ってしまうことです。彼らは観光ビザで訪日しておきながら、事実上労働していることになるわけです。何本もツアーを掛け持ちすれば、売上額は相当な金額に上ると思われますが、彼らはその営業活動に対して確定申告することもなく、帰国してしまうのです。

これらに象徴される世界が「華僑系土産店とタイアップしたビジネスモデル」あるいは「華僑系旅行会社ネットワークで完結するビジネスモデル」なのです。

観光庁の「検討会」の初期の議事録をみると、通訳案内士団体はこうした無資格ガイドの取り締りを強く要求しています。彼らに仕事を奪われていると考えているからでしょう。

2010年2月22日 第4回「検討会」議事録
http://www.mlit.go.jp/common/000060637.pdf

これを読むと、かなり乱暴で厳しい発言も見られます。

興味深いことに、2010年3月、JTB九州は九州運輸局から厳重注意処分を受けています。

2010年3月30日(レコードチャイナ)
JTB系旅行会社を厳重注意処分に=通訳案内士法違反で初、中国人留学生バイト募集に問題―九州運輸局
http://www.recordchina.co.jp/a40879.html

急増する中国からのクル―ズ客船の上陸中のバスツアーで、無資格の留学生にガイド業務をさせたことが理由のようです。

これはちょうど「検討会」でこの問題が討議された時期と重なっているので、その影響を受けたのではないかと思えなくもありません。

さて、それでは実際、彼らをどこまで取り締まるべきなのか?

その後、東日本大震災が起き、いったんこの議論はヒートダウンします。それでも、時間の経過とともに訪日客は回復し、「検討会」も再開されます。

2014年12月24日の「検討会」資料=「過去の検討会における主な意見⑦(無資格ガイド・悪質ガイドへの対応)」では、以下のような無資格・悪質ガイド問題に対する意見が出ています。
b0235153_16142286.jpg

これをみると、業界関係者の中には、取締り一辺倒ではない意見も散見されます。通訳案内士の質の問題についても厳しいコメントが見られます。

なぜなのでしょうか。ひとつ考えられるのは、日本の旅行会社の姿勢にあります。2000年代に入り、訪日アジア客の受け入れを進めていくうえで本来担わなければならなかったはずの国内の旅行手配や通訳ガイドの領域を在日ネットワークに預けてしまったこと、いや預けざるを得なかった事情があったからです。もはや急増する中国団体客の受け入れはお手上げ状態になっていたなかで、取り締まりを叫んでみても詮無いことに思えたことでしょう。

では、なぜ預けざるを得なかったのか。

それが実際に起きていたのは、時をさかのぼること、2000年代初頭のことでした。この記事をみてください。

訪日観光旅行手配 中国発中心に下落進む(日経産業新聞2003年1月22日)


「訪日観光旅行(インバウンドツアー)の手配料金が下落している。インバウンドツアーは海外の旅行会社が企画し、日本の旅行会社が日本滞在部分の手配を請け負う形が主流。アジア地域の旅行会社を中心に手配料金の引き下げ要求が急速に強まっている。訪日外国人数は増加傾向にあるが、採算性の低さなどから取り扱いに消極的な旅行会社も目立つ。(中略)

顕著なのは、2000年9月に日本向け団体観光旅行が解禁となった中国だ。インバウンドツアーでは東京から箱根、京都、大阪を巡る通称「ゴールデンルート」という定番コースが一番の売れ筋商品。近畿日本ツーリストの場合、中国の旅行会社向けの同コース(4泊5日)の手配料金は、2年前の15万~23万円程度から、現在は7万5千前後と半額以下に下がった。(中略)

日本人の国内旅行が伸び悩むなか、旅行各社は潜在需要が大きいインバウンドへの関心を高めている。ただ「現状は採算性の低いツアーが多い」(近畿日本ツーリスト)こともあり、取扱量拡大や販促活動強化については消極姿勢が目立っている」。

これは中国の爆買い客が話題になるずっと前の話です。

2000年9月に解禁された中国からの団体ツアーのツアー代金がわずか1年で半額になってしまったこと。その結果、日本の旅行会社は一斉に中国側の旅行会社が主催する訪日中国団体客の手配から手を引いてしまいました。

いまでも忘れられないある旅行大手の幹部の当時の発言があります。

「なぜ中国からの団体ツアー客の手配を日本の旅行会社が請け負えないかというと、一人当たりワンコイン(500円)の利益ではどうしようもないんですよ」。

こうして引き受け手のいなくなった訪日中国客の国内手配を引き受けたのが、新興の在日華人系のランドオペレーターでした。当然、彼らはこれまでの在日ネットワークで完結するビジネスモデルを踏襲します。訪日中国ツアーの料金が下がったぶんは、免税店や土産店へのキックバックや車内販売の売上で補い、帳尻を合わせるやり方です。これが今日の無資格ガイド問題の起源といっていいでしょう。

その後も国交省は無資格ガイドの使用禁止を日本の旅行会社に呼びかけています。

有資格の通訳ガイドの使用の徹底について(周知依頼)[観国交第65号](2013年5月14日)

「平成25年2月に通訳案内士制度の周知強化の一環として、観光庁が実態調査を行ったところ、中国人旅行者向けのツアーの中には、通訳案内士法等に基づく資格を有さない一般の添乗員に通訳案内業務を行わせるなど、法令の遵守が徹底されていない場合が複数見受けられました」(一部)

これは訪日中国客の手配を行う日本の旅行会社の業界団体である中華人民共和国訪日観光客受入旅行会社連絡協議会(中連協)に宛てられたものです。以前出した「無資格通訳ガイドの使用禁止の徹底について」(2005年4月20日付け国土交通省国総旅振第32号)の要請に効力がないことから、再度周知徹底を促す内容です。

ところが、大半の日本の旅行会社は中国の旅行会社が主催した低価格の団体ツアーの手配を請け負っていないため、効き目はほとんどないわけです。実際には、誰が中国団体客の手配を請け負っているのか、捕捉できていないのか、できていても知らないことにしているのか。まあそういうことです。

※もっとも、ここでひとこと触れておきたいのは、すべてのアジア市場が在日ネットワークモデルに侵食されているかというと、そうではないことです。アジアの新興グループであるベトナムやインドネシアなど、華僑系旅行業者の影響が少ない国々の訪日ツアーはこれまで述べた話とは事情が違っていること(まだそれほど値下がりは起きていない)も知っておきたいと思います。

それにしても、なぜこんなことになる前に手を打たなかったのか。

こんな言い訳がよく使われます。アジア市場は成長が早く、FIT化や成熟化も進んでいるから、近い将来欧米市場と同じようになるだろう。そうすれば、いずれ通訳案内士との需給ギャップは埋まっていくはずだ。

ところが、実際には、上海など一部の成熟した市場が生まれても、次々と内陸からの初来日組も増えるので、いつまでたっても団体客は減りそうもありません。

国交省はずいぶん早い時期から訪日2000万人の目標を掲げていました。その内訳として中国本土からの観光客を600万人と見積もっていました。2014年には台湾、香港を含めた中華系はすでに600万人を超えています。取り締まることより、ビザの緩和などによる数の増加を優先したことは間違いありません。それはそれでひとつの決断だったでしょう。そう決めた以上、いまの問題は織り込み済みだったはずです。

なぜなら、現在の中華圏の訪日客600万人のうち、半分が団体として、通訳案内士制度の建前(有資格ガイドを使うこと)を通そうとするなら、どれだけの数の中国語通訳ガイドを育てる必要があったのか。そのために何かを緊急に着手したようには見受けられないからです。

そして、決め台詞はこうです。「もし本当にアジアの無資格ガイドを取り締まりを徹底するとしようものなら、市場の大混乱は避けられないだろう。外交関係にも影響が出かねない」。

この問題は、通訳案内士団体の主流が英語ガイドであることも、話をかみ合わなくさせている理由のひとつのように思われます。彼らはアジア市場の特殊性に対する理解は少なく、見方によっては偏見も感じられないではありません。

繰り返しますが、だからといって誰かを悪者に仕立て上げても始まりません。

訪日アジア客の増加は、一部の排外的な人たちを除けば、特に小売業界を中心に歓迎の世論が形成されていると思います。彼らは移民労働者ではありません。レジャー消費者です。ただ旅行の中身にお金を使うことより、買物に夢中なのです。だからこそ、本来あやうげな在日ネットワークで完結するビジネスモデルが成り立ってしまうのです。

そのあやうさは、やはり気がかりです。現実を直視し、受け入れつつ、立て直しのための方策を考えなければいけないと思っています。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-05-13 16:14 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2015年 05月 13日

バスは渋谷にも現れています(ツアーバス路駐台数調査 2015年5月)

5月上旬は連休で仕事場に足を運んでいないのですが、お昼どきになるとほぼ毎日バスは列をなしています。この夏もこの調子で来るのでしょうね。
b0235153_173275.jpg

先日、ある人に話を聞いたのですが、中国の団体ツアーバスは新宿だけでなく、最近は渋谷にも現れるそうです。もちろん、新宿5丁目のように路上駐車はできないので、道玄坂で客を降ろすと、代々木公園あたりに移動して、1~2時間後、客を拾いに戻るそうです。上野や銀座、お台場などでも同じようなことになっています。これは東京だけの話ではありませんが、日本の大都市圏の都心部には大型バスを停められるような駐車スペースがないため、バスの運転手さんは大変です。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(金)11:40 5台
2日(土)12:50 4台
3日(日)未確認
4日(月)未確認
5日(火)未確認
6日(水)未確認
7日(木)12:20 5台
8日(金)12:40  4台
9日(土)未確認
10日(日)未確認
11日(月)12:50 5台
※この日は飛騨ナンバーのバスも来ていました。

12日(火)12:40 6台、17:20  3台
13日(水)13:50 6台
14日(木)未確認
15日(金)未確認
16日(土)未確認
17日(日)10:10 6台、11:40 5台
18日(月)12:20 7台
19日(火)未確認
20日(水)11:50 5台
21日(木)未確認
22日(金)12:10 5台
※この日は暑かったので、地下鉄新宿3丁目駅近くのさぬきうどんチェーン「丸亀製麺」に入ろうと思ったら、中国人観光客が列を成して店の外まで並んでいたので、入店をあきらめました。「丸亀製麺」は上海にも進出していますが、団体ツアーで来る中国客はこんな店知らないでしょうから、日本在住の中国人ガイドが連れてきたのでしょう。安くて喜ばれたに違いありません。新宿5丁目のバス路駐スポットには、年配の中国団体客がやって来ていました。色柄物の派手なシャツを着たおばさんが目に付きます。まさしく日本にもかつていた田舎のおばちゃんです。かつてヨーロッパの人はこんな感じで日本の団体客を眺めていたのでしょうか。
b0235153_13172898.jpg


23日(土)未確認
24日(日)未確認
25日(月)12:20 7台
26日(火)未確認
27日(水)12:20 8台、14:20 3台
b0235153_14431864.jpg

b0235153_14434227.jpg

※今日も中国からの団体客が東新宿界隈に姿を見せています。
b0235153_14443936.jpg

※中国客の列の合間を縫って欧米の個人客も歩いています。東新宿の医大通りは多国籍の旅行者の出没度数の高いエリアとなっています。

28日(木)12:20 6台
29日(金)未確認
30日(土)13:20 4台
31日8日)未確認
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-05-13 13:51 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2015年 04月 16日

4月に入ってもその勢いは止まりません(ツアーバス路駐台数調査 2015年4月)

4月に入っても、中国からのツアーバスの勢いは止まりません。昼どきになると、例の新宿5丁目の中国客専用食堂の周辺の路上は、バスを降りたツアー客でにぎわっています。今年は、桜が早く咲いてしまい、おまけに咲き終わったと思ったら、寒波が襲うという気候で、せっかく花見を味わいたいと思っていた中国の皆さんには、ちょっと残念な桜シーズンに終わったかもしれません。ただ、この寒波のせいで、東北以北の桜はこれからでしょう。こうしたニュースはいち早く中国にも伝わっているでしょうから(それが中国の旅行会社の宣伝には好都合のはずです)、この先も中国客は足しげくやって来るのかもしれません。
b0235153_6492170.jpg

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(水)17:40 4台
2日(木)12:20 5台
3日(金)12:20 6台
4日(土)未確認
5日(日)未確認
6日(月)12:20 6台、19:00 4台
7日(火)18:00 4台
8日(水)13:20  9台
9日(木)12:30  8台
10日(金)17:20  5台
11日(土)未確認
12日(日)11:50 7台、13:20  8台
13日(月)18:20 6台
14日(火)未確認
15日(水)未確認
16日(木)18:10 4台
17日(金)12:20 7台
18日(土)13:10 6台
19日(日)未確認
20日(月)12:30 9台
※今日のお昼も「味仙荘」の前はバスを降りた中国客であふれていました。すぐには店に入れなさそうで、どうするのでしょう。新宿にはいくらでも飲食店はあるのに、この2軒しか利用しないだなんて…。おそらく中国客の手配をしている在日中国人の業者たちも、数が増えすぎていっぱいいっぱいなのではと思われます。

21日(火)12:40 6台
22日(水)12:20 6台
23日(木)13:10 4台
24日(金)未確認
25日(土)未確認
26日(日)未確認
27日(月)11:40 5台
28日(火)19:10 3台
29日(水)未確認
30日(木)17:20 3台
31日(金)12:20 5台
[PR]

by sanyo-kansatu | 2015-04-16 06:49 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)