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2013年 12月 04日

実際、商談はどれほど進んでいるのか?(トラベルマート2013報告 その2)

トラベルマートの会場は、日本の出展ブースが海外バイヤーのテーブルを取り囲むような構図で配置されています。B2Cのイベントではないため、出展ブース自体は地味なので、天井が高いぶん、ちょっと殺風景に見えなくもありません。
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それでも海外から招致した304社の内訳をみると、タイ20社、ベトナム30社、フィリピン29社など東南アジアの旅行会社が多く、参加国も21カ国とバラエティ豊かです。会場にはひと目でそれとわかるアジア系の人たちと商談を進める日本の関係者の姿があちこちで見られます。
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今回ぼくはアジアFIT向けの商材として面白いものはないかという観点で日本側のブースを見て回りました。海外の旅行博に出展するのはハードルが高くても、トラベルマートなら比較的低コストで参加できますから、まだ見たことのないどんな新しい出展者がいるか、興味があったのです。会場で拾った話をいくつか紹介します。

面白かったのが、「フェリーさんふらわあ」の関西と九州を結ぶナイトクルーズです。これは大阪⇔別府、大阪⇔鹿児島(志布志)、神戸⇔大分間を最安1万円で往復できる格安プランで、現地0泊、船中2泊でリーズナブルに旅行が楽しめることから、「弾丸フェリー」として知られています。
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フェリーさんふらわあ
http://www.ferry-sunflower.co.jp/

同社の営業担当者によると、2007年~08年頃、韓国で関西&九州周遊ツアーがヒットしたことから、外客利用は当時がピークで、今年は中国客の利用も減り、国内客がメインになっているそうです。しかし、最近は海外のバックパッカーの利用も見られるようになったとか。近隣国に比べ国内移動が割高な日本ですが、これからは海外のFITにもっと利用してほしいものです。ナイトクルーズでは見ることのできない瀬戸内海の美しさを知ってもらうためには、昼間の航路でも外客向けの格安料金を打ち出す必要があるかもしれません。

もうひとつは、六本木にある大型和風ニューハーフショーレストランの「香和」です。先日、新宿歌舞伎町の「ロボットレストラン」を訪ねて以来、東京にはもっと外客向けのナイト・エンターテインメントが必要とされていると感じていました。
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香和
http://www.kaguwa.com/

同社の営業担当者によると、「香和」のコンセプトは「歌舞伎ほど高尚でなく、気軽に和風エンターテインメントを楽しめるショーレストラン」だそうです。外客の来店は1割程度で、半数ははとバスの東京ツアーなどで来店する国内のおばさま族だとか。「東京は世界一ナイトライフの種類があふれる街だと思いますが、これまで外国人に対しては閉鎖的でした。言葉の壁が大きかったのでしょう。まだまだ海外のお客さんを楽しませることのできるスポットは少ないと思います」。

その担当者も欧米客であふれる「ロボットレストラン」の評判を知っていて、なんとかしたいと考えているようですが、どうやって外客にPRすべきか、まだ妙案は見つかっていないとのこと。トラベルマートへの出展は今年で4回目だそうです。外国人にとって、日本の何がウケるのか。やはりそれは「Japan is amaging!」ということではないかとぼくは思っていますが、では何がamagingなのか。もう少し考えてみる必要がありそうです。

自治体のブースでは、島根県隠岐観光協会が目を引いていました。というのも、PRスタッフが2名の外国人女性だったからです。
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隠岐観光協会Facebook
https://www.facebook.com/okikan

おふたりは隠岐在住のオーストラリアとニュージーランド出身の現地観光職員で、ニュージーランドの方は地元の日本人男性と結婚されているそうです。隠岐では「島ガール旅」という若い女性向けの観光キャンペーンを繰り広げていることを今回初めて知りました。やはり、PRに外国人を起用するといった意外性は有効ですね。取材していたのは、ユネスコの支援する「日本ジオパーク」のひとつに選ばれた隠岐の活動を紹介するために来たNHKの地元局だったそうです。

隠岐スタイル☆島ガール旅
http://www.kankou-shimane.com/mag/12/09/geo.html

あと気になったのは、福島県のブースでした。「Welcome to Fukushima!」という英語の大きなメッセージが印象的でした。今年、東北の国内旅行はほぼ回復されたとされるなか、外国客はまだ戻っていないといわれています。
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では、どうやって外国人観光客を呼び込めばいいのか。これは地元の人たちがただちに望むことではないのかもしれませんが、日本の事情を知らない外客相手には、正攻法の観光PRではなく、海外でも多くの事例のある「被災地ツーリズム」の手法を開発しなければならないのではないかと思います。

その点に関して、評論家の東浩紀さんの提唱する「ダークツーリズム」は参考になると思います。

福島原発事故、観光でイメージ回復を-東浩紀・石川和男対談
http://blogos.com/article/70569/

さらに、東氏は「福島第一原発観光地化計画」なるプロジェクトも推進しようとしています。実に興味深い動きです。

福島第一原発観光地化計画
http://ch.nicovideo.jp/fukuichikankoproject

さて、前回紹介したキム記者から聞いた最近の韓国のインバウンド市場の話も興味深いものでした。話を聞き出すには、相手を持ち上げるのもひとつの手ですから、キム記者にぼくはこう切り出しました。

――日本からみれば韓国はインバウンド先進国。日本は韓国から学ばなければならないことがたくさんあります。今年は中国からの訪韓客が450万人になりそうだとか。すごいですね。

「でもね、10月から施行された新旅游法の影響が徐々に出ていますよ。韓国の土産店は次々に倒産しています。同法では、ツアー客の土産店への連れ込みを禁止しているのですから。中国客を専門にしていたランドオペレーターも倒産しています。もちろん、中国のツアーが正常化していくのはいいことですが、韓国政府もジレンマに陥っています。

特にひどいのが済州島です。あそこは中国人のビザを免除している関係で、ツアー客も多いですが、中国からの投資で土産物店などもたくさんつくられ、結局、地元にはお金が落ちないんですから」

――日本も同じようなものですよ。それはともかく、日韓の観光客の往来もともに減少していますね。

「これは社会心理による影響が大きいと思いますよ。私も韓国から日本へお客さんをもっと送るため、あの手この手を考えていますから、日本からも韓国へ送客してくださいよ。やはりギブ&テイクでしょう。そうでないと、このままでは先行きが見えません。韓国の観光業者も頭を痛めていますよ」

こういう本音がもっと率直かつオープンに語られるべきだと思いますが、キム記者によると、最近韓国観光公社のある幹部が日本寄りだとの理由で降格されたといいます。こういうのは本当にくだらないですね。

さて、トラベルマートは、外客を呼び込みたい日本の関係者と日本に送客したい海外の旅行会社の、いわば“集団お見合い”ともいえるイベントです。実際のところ、どれほど商談が進んでいるのでしょうか?

実は、来年開催予定の「ツーリズムEXPOジャパン」に統合されることになったトラベルマートの今後についてこんな声がありました。

そもそも旅行博との一体化は、商談会の出展者にとって有益なのか、疑問だというのです。

ある出展者は言います。「現行のトラベルマートのブース出展料は5万円。だから、これまで出展してきたが、一体化によって料金が高くなるなら出展は難しい」。

国際的な旅行博としてグレードアップしたい主催者側の思惑はともかく、出展者にとって、これまでトラベルマートは商談会としてどれほどの収穫があったのか。これを機に、検討し直す動きが出るかもしれないというのです。このあたりの認識は民間事業者と自治体では当然違うでしょうが、より本格的な商談会として機能させていくためには何が必要か。あらためて議論することは意味があると思いました。
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by sanyo-kansatu | 2013-12-04 10:45 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 12月 03日

「普遍的な日本の魅力」って何だろう?(トラベルマート2013報告 その1)

11月27日~29日、みなとみらいのパシフィコ横浜で「Visit Japan Travel Mart 2013」が開かれました。海外の旅行会社やメディアを招聘して行う観光庁主催のトラベルマート(B2B商談会)です。

観光庁の資料によると、今回海外から304社(21カ国・地域)のいわゆる「バイヤー」が来日。彼らに日本を売り込む国内の観光業者や自治体などの312社・団体が出展したそうです。

※2011年のトラベルマートについては、「インバウンド商談会って何?(トラベルマート2011 その1)」
他を参照。
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28日の9時半から開会式がありました。今年8月に就任したばかりの久保成人観光庁長官やJNTO理事長、横浜市長、海外からの来賓がスピーチし、東京オリンピック開催決定や訪日客が今年初めて1000万人を達成しそうだと報告しました。

ちなみに久保成人観光庁長官はこの方です。
http://www.mlit.go.jp/kankocho/about/message.html

開会を告げるテープカットの後、質疑応答がありました。まず、日本人記者が来年、開催される「ツーリズムEXPOジャパン」の狙いについて質問しました。

実は、「Visit Japan Travel Mart」は今年で最後の単独開催だったのです。来年からは、元海外旅行博の「JATA旅博」と国内旅行博にあたる「旅フェア日本」が統合され、「ツーリズムEXPOジャパン」(2014年9月25日~28日/東京ビッグサイト)となり、これにB2B商談会の「Visit Japan Travel Mart」も同時開催として加わることになるそうです。

ツーリズムEXPOジャパン
http://www.t-expo.jp

観光庁長官は、これら3つの旅行イベントをひとつに統合する理由について「世界を代表する旅行博覧会であるITBベルリンやWTMロンドンに負けないよう、アウト/イン/ドメスティックの日本の旅行市場のさらなる発信力アップを図りたい」とコメントしています。

もうひとつの質問は、韓国のキム記者です。彼は毎年トラベルマートに招聘されているベテラン記者です。彼は尋ねました。「来年4月、再来年と日本では消費増税が続きますが、外客への免税措置など、どんな優遇対応を考えているか」というものです。いい質問ですね。

長官のコメントは、現在検討中で、すでに決めた化粧品などに加え、免税品目の枠を広げるよう観光庁も政府に要求しているとのこと。

この点については、本ブログでも以前書いた「韓国政府は来年から外国客のホテル増値税10%を返還するそうです」からもわかるように、韓国の外客に対する免税措置は徹底しており、日本より進んでいるといえます。あとでキム記者に聞いたのですが、ホテル増値税の返還はこれまで韓国では何度かやってきたことで、来年の施策も期間限定だと思うという話でした。

さて、10時20分からは場所を移して外国人記者会見です。まず観光庁参事官から「日本のインバウンドツーリズム促進のための対応」という報告がありました。
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そこでは、2020年の東京オリンピック開催が日本の観光立国の推進に追い風となるという話から始まり、今年10月の段階で訪日外客数が過去最高だった2010年を超えたこと。今年、訪日客が増加した理由として以下の4つを挙げました。
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①ASEAN諸国を対象としたビザ緩和
②円高是正
③オープンスカイにともなう国際線フライトの増加
④日本の景気回復

さらに、観光立国を実現するための4つのアクション・プログラムとして以下を挙げています。

①日本ブランドの作り上げと発信
②ビザ要件の緩和等による訪日旅行の促進
③外国人旅行者の受入の改善
④国際会議等(MICE)の誘致や投資の促進
詳しくは、http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kankorikkoku/dai2/siryou1.pdf

そして、最後がビジットジャパンキャンペーン10周年を機に、海外プロモーションの抜本的転換を図るとして展開された「DISCOVER the SPIRIT of JAPAN」の紹介でした。詳しくは、観光庁の以下のリリースを参照していただくとわかりますが、要するに、日本の新しい売り方に対するひとつの方向性を観光庁が打ち出したということでしょう。

「震災から2年、ビジット・ジャパン事業10周年の新展開『DISCOVER the SPIRIT of JAPAN』」
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news08_000163.html

そこには「6カ国8人の外国人を含む11人の委員で構成する『普遍的な日本の魅力の再構築・発信に関する検討会』がまとめた、『訪日観光3つの価値』を踏まえ、PR映像、ウェブサイト、ガイドブックについて、震災時に世界から称賛を浴びた『日本人』を切り口に一新した」と書かれています。ここでいう「3つの価値」とは、Character、Creation、Common lifeだそうです。

日本の魅力とは何か。外国人も含む有識者の委員会で話し合ったところ、「それは日本人そのものだろう」というわけです。委員会というのは、「「普遍的な日本の魅力」の再構築・発信に関する検討会」(座長:西村幸男東京大学副学長)というもので、そこに出席した委員や議論については、以下、簡単にまとめられています。
http://www.mlit.go.jp/common/000991842.pdf

これらの議論を経た成果として、新設された160本以上の動画を配信するサイト「DISCOVER the SPIRIT of JAPAN」がこれです。
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DISCOVER the SPIRIT of JAPAN
http://www.visitjapan.jp

次に、JNTO海外マーケティング部長による「2014年、日本のツーリズムのトピックス」という報告がありました。そこでは現在、今年の訪日プロモーションのラストスパートの段階にあり、その目玉として、12月1日~2月28日まで開催される「ジャパン・ショッピング・フェスティバル」の概要が話されました。
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news08_000187.html
「ジャパン・ショッピング・フェスティバル」公式Facebook
https://www.facebook.com/pages/Meet-The-New-JAPAN/422616404469024

また、外客による写真コンテストやSNSを活用したキャンペーンの強化、ムスリム客対応の新たな取り組み、今年年末から来年にかけて世界的なブランド力を持つホテルが次々に開業する話もありました(関連する話題として「東京・大阪のホテル稼働率は震災前を大きく上回る水準に【2013年上半期①ホテル】」)。

質疑応答では、前述の韓国キム記者が「今年、ASEAN客が増加した理由は?」「韓国FITにも人気のある白川郷へのアクセスをもっと便利にできないか」と質問しています。

それに対し、観光庁参事官は「今年、『東南アジア横断プロモーション』がスタートし、ビザ緩和が進んだため」「国内観光地のアクセス向上に今後も努める」と回答。

またカナダ記者から「『DISCOVER the SPIRIT of JAPAN』というが、日本ブランドをどうプロモーションするのか? カナダマーケットへの取り組みは?」という素朴な質問がありました。彼ら外国人記者の立場としては、当然の疑問だと思われます。そもそもネット配信と連動したどんな取り組みがあるのか、これだけではよくわからないからです。

ロシア記者からは「ロシア人にとって日本ビザの取得は大きな障害。東京よりNYのほうが行きやすい」という指摘もありました。

気持ちはよくわかりますが、こればかりは日露両国が相互に緩和していく必要があると思います。この記者はそのあたりの事情をどの程度理解しているのでしょうか。実際、日本人にとっても、ロシアはビザ取得のために宿泊先のバウチャーを必要とするなど、自由旅行をするのはとても面倒な国のひとつです。

とはいえ、ロシア人の海外旅行市場は想像する以上に規模が大きいことから、今後訪日旅行のターゲットとして重要になっていくと思います。相互理解を深めたいものです。
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さて、開会式と外国人記者会見の概要はざっとこんなところですが、いくつか気になったことを書き出します。まず、相変わらずの開会式の登壇者のうつ向きがちの英語スピーチ。これもう少しなんとかならないでしょうか。せっかくの開会式がお通夜のようだ、とまではいいませんけど、まったく盛り上がらないのです。これは毎回そうです。

韓国キム記者が質問した外客に対する消費税対応が今後どこまで進展していくか、というのも気になります。海外で我々も経験することですが、免税分の払い戻し手続きというのは面倒です。このあたり、韓国はけっこううまくやっているように思いますが、日本でこれを円滑かつシステマティックに進めていくのは、そんなに簡単ではない気がします。きっとキム記者からみると、日本の外客受入の整備はあらゆる面でまだまだと感じられるのでしょうね。

ある中国の旅行関係者にこんな話を聞いたことがあります。近年、パリのルイヴィトン本店に中国客がわんさか押しかけているのですが、問題は買い物をしたあと、VAT(ヨーロッパの付加価値税)払い戻しの手続きをするため、大勢の中国客が店内で大行列をなし、なかには床や階段に座って、ついにはおやつを食べ始めてしまうので問題になっているそうです。払い戻しのためのスタッフが2名しかいなくて、時間がかかるせいだとか。その様子が、中国のテレビニュースで流され、「こんなみっともないことはやめよう」と国民に対する啓蒙として報じられたそうです。

この悪夢のような光景は、日本でも起こる可能性がないとはいえません。

さて、今回の外国人記者会見は、以前に比べ、わかりやすくなったと思いました。なにしろ訪日旅行市場は好調ですし、ポイントも絞られていたからでしょう。ただし、ここは観光庁の業績をアピールする場といえなくもありません。どれだけ外国人記者にメッセージが届いたかについては少し疑問ですが、会見終了後、今回の参事官は会見場に長く留まり、記者たちと交流していた姿が印象的でした。

いろいろ考えさせられたのが、観光庁の新しいプロモーションのテーマである「DISCOVER the SPIRIT of JAPAN」です。観光庁が制作したプロモーションDVD「DISCOVER the SPIRIT of JAPAN 感受日本之心 领略东瀛之美」にはこんなメッセージが書かれています。

「日本観光の魅力とは『日本人』そのものではないでしょうか。
そのしぐさにこめた心配りに、
作品の細部に宿る職人の技に。
ささやかなこと『a little thing』のなかにある楽しみに。
『日本人』という切り口で眺めると
これまで観光資源になるとは思いもしなかった日常が
幾千もの魅力を持った、美しい輝きを纏うものであることに気付きます」

そもそも「普遍的な日本の魅力」って何だろう? そのひとつの回答として「日本の魅力は日本人そのものにある」というのは、同じ日本人として悪い気はしないのですが、はたして外国の人たちにそれがまっすぐ伝わるものだろうか、と思ってしまいます。日本に長く暮らしてきた在日外国人の方々が日本人に好感を持っていただけているというのはうれしいことですが、海外の日本を知らない人たちに同じレベルの理解を期待することはとても難しいと思うからです。ちょっと先走り気味という気がしないではありません。

少々皮肉めいていうと、昨今これだけ近隣諸国による日本に対する国際的なネガティブキャンペーンが続くと、「日本の魅力」を正当に評価してもらいたくなる気分はわからないではない。日本人は自分の良さをアピールするのが苦手だとさんざん言われてきたわけですし。

ただし、VJC事業10周年にともなう海外プロモーションの抜本的転換というわりには、この話、今年の春に始まったようですが、国内外でどこまで知られているのでしょうか。これはけっこう気がかりです。
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by sanyo-kansatu | 2013-12-03 12:42 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 11月 21日

25回 過去最高200万人超えなるか!? 今年の訪日5人に1人が台湾客となった理由

8月のタイのトラベルフェア(Thai International Travel Fair #13)に続き、10月は台北国際旅行博(ITF2013)に行ってきました。日程は、10 月18 日(金)~21日(月)です。
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台北国際旅行博(ただし、サイトの内容はすでに来年の告知に更新)
http://www.taipeiitf.org.tw/

JNTOが10月23日に発表した訪日外客数統計によると、2013年1月~9月の訪日台湾人は前年比52.3%増の166万9900人。伸び率でみればタイ59.2%増、ベトナム49.8%増、香港49.5%増と並んで見えますが、母数が違います。台湾は香港の3倍、タイの6倍近い規模です。訪日外客全体の5人に1人(21%)を台湾が占めていることからも、今年いかに多くの台湾客が訪日旅行したかを物語っています。

【追記】
昨日(11月20日)、JNTOから10月の訪日外客統計が発表されました。それによると、台湾からの訪日客数は21万3500人と前年同月比58.0%増、1~10月の総計はすでに188万3400人となり、200万人超えは確実と思われます。

台湾からの訪日旅行者の大幅な増加の背景に何があるのでしょうか。その答えを探るべく、旅行博の会場に入ってみることにしましょう。

ツアーの叩き売りのような展示即売ブース

台北国際旅行博(ITF)は毎年10月に開かれます。1987年から始まり、今年で27回目。会場は、台湾を代表する超高層ビル「台北101」(高さ509.2m、地上101階)に隣接する台北世界貿易センター1号館と3号館です。午前10時から開門されるのですが、1時間前から行列ができるほどの盛況ぶり。主催者発表によると、今回の来場者数は31万5240人と過去最高になったそうです。

台湾滞在中に見たテレビニュースや新聞でも、ITFのことは報道されていました。台湾の年間出国者数は1000万人相当で、総人口2300万人の約40%にあたる高い出国率が知られています(日本は13%)。それだけに台湾の人たちにとって旅行博は、日本では想像できないほど話題性の高いビッグイベントなのです。
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広い会場の中で、活況を呈しているのは、やはり地元の旅行会社のツアー即売会でしょう。タイでもそうでしたが、台湾でも旅行博ではスペシャルプライスのツアー商品が多数販売されます。各旅行会社の担当者は、マイクを片手にステージに上がり、びっしり貼り出された会期中限定の商品を販売します。ツアーの叩き売りといってしまうと、少し言い過ぎかもしれませんが、日本ではちょっと見ることのない光景です。売れ行きを見ながら、スタッフはその場でチラシも書き直します。ブース内にはPC端末がいくつも用意されていて、来場者はスタッフの説明を聞きながら商品を検討しています。

※ITF会場についての詳細は、中村の個人blog「来場者数が過去最高となった台北国際旅行博(台北ITF報告その1)」を参照。

広域連携化と豊富なFIT向け商品

今回、日本の出展ゾーンのにぎわいはひときわ目立っていました。展示ブースの間の通りは、人ごみで身動き取れないほどでした。
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地方自治体のブースは、北は北海道から南は沖縄まで勢ぞろい。興味深いのは、各県単位のバラバラな出展ではなく、広域連携化が進んでいたことです。

なかでも注目は、中部広域観光推進協議会でしょうか。中部北陸9県を巻き込んだ「昇龍道」プロジェクトを展開していたからです。
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「昇龍道」プロジェクト
http://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/kikaku/syoryudo/index.html

関係者によると、「アルペンルートで人気を呼んだ富山県も、単独では集客に限界があるので石川県、福井県と横で連携し、さらに長野県、岐阜県、愛知県などとも縦で結び、『昇龍道』というネーミングをつけて一つのルートとして魅力付けした。日本は島国で、外国客は空から入ってくるしかないのだから、まず定期便の発着する空港同士を結ぶモデルコースをつくることが重要」とのこと。その点、台湾からは日本各地にフライトが多数就航しているぶん、モデルルートのバリエーションの可能性が広がっています。

自治体ブースがPR主体であるのに対し、企業グループはどれだけ旅行商品が販売できるかが勝負です。ITFでは、他の国の旅行博ではあまり見られない独特の販売スタイルとして、現地の旅行会社を自治体のブースの中に招き入れて、各地域のPRとツアー商品の販売を同時に行っています。これだけ競合相手がいると、価格競争が熾烈になるのは無理もなさそうです。

企業ブースで目に付いたのは、豊富なFIT向け商品が揃っていたことです。

なかでも近畿鉄道グループの中にある国内メディア販売大手のクラブツーリズムがFIT向けに販売しているバスツアーです。
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はとバスなどが催行する外国人向けバスツアーは、英語圏の利用者の比率が高いとされますが、クラブツーリズムの催行するツアーは、アジア客に好評です。最も人気があるのは富士山とフルーツ狩りを組み合わせたツアーだそうです。日本人向けと基本的に同じツアー内容で、最近では、日本人客とアジア客を混載する商品もあるといいます。

世界でいちばん目が肥えているといわれる日本の消費者を相手に長年練り上げられてきたクラブツーリズムのバスツアーが、アジアのFIT層にも受け入れられているというのです。日本人とアジア客が混載するバスツアーというのは、これからの新しい国内旅行のかたちを先取りしているといえるかもしれません。

ところで、異色のブースが日本の出版大手の角川書店です。同社では現地法人の台湾国際角川股份有限公司がローカル向け情報誌『台北ウォーカー』を発行していて、同誌の付録に日本旅行のための冊子『Japan Walker』があります。
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台湾国際角川股份有限公司 
http://www.kadokawa.com.tw/

近年、インバウンドビジネスにさまざまなメディア企業が参画していますが、長く現地に根付いて日本のコミックやライトノベルズ、情報誌などを発行してきた角川書店は、台湾の訪日旅行市場の下支えに大きく貢献してきたといえるでしょう。

※日本の出展ゾーンについては、中村の個人blog「地方自治体の広域連携化で活気づくジャパンゾーン(台北ITF報告その3)」、「FIT向け商品が続出する台湾市場(台北ITF報告その4)」を参照。

訪日客増加の背景にはオープンスカイがある

さて、そろそろ台湾からの訪日旅行者の大幅な増加の背景について、タネ明かししましょう。

それは、台湾と日本の間で結ばれた航空協定(オープンスカイ)です。

台湾と日本の航空協定は、2011年11月10日に調印されました。それによってチャイナエアライン(CI)とエバー航空(BR)の2社に加え、翌12年3月以降、マンダリン航空(AE)とトランスアジア航空(GE)を加えた4社が定期便を就航させています。

これに昨年以降、LCCが日本と台湾を結んでいます。日本のジェットスター・アジア(3K)やピーチ・アビエーション(MM)、そして元エアアジアのバニラエア(JW)、シンガポールのスクート航空(TZ)です。もちろん、これに日本航空と全日空が加わります。しかも、台湾のエアラインは日本の地方都市とも多く就航していることが特徴です。

台湾の訪日旅行は団体ツアーとFITが半々の割合だといいます。今回、台湾では、いわゆるスケルトン型といわれる航空券+ホテルのみの安いツアーが大量に販売されていることがよくわかりました。旅行会社はもちろんですが、エアラインも独自にツアーを販売しています。
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たとえば、今年9月に成田に就航したばかりのトランスアジア航空では、東京5日間のツアーが16900台湾ドル(約56000円)、大阪はなんと10999台湾ドル(約37000円)です。これなら軽い気持ちで日本に遊びにいこうと思えるでしょう。なにしろ台湾は2005年以降ビザが免除されていますから、前日でも予約できてしまうのです。

もちろん、日本側のプロモーションの成果も忘れてはいけないでしょう。もともと日台間には国交がないため、日本観光協会などが中心となって1990年代から細々と訪日PRを続けてきたそうですが、ビジットジャパンキャンペーンのスタートした2003年から本格的なプロモーションが始まっています。

関係者によると、台湾では新聞やテレビ、雑誌などあらゆるメディアを使った通常のプロモーションはすべて行っていますが、特に有効なのはFacebookだそうです。人口2300万人の台湾で1400万人がFacebookを利用しているからです。
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観光庁もFacebookのアカウントを持っていて、ブロガーの意見を載せたり、おすすめコースを紹介したり、新しいデスティネーションのショートムービーをつくって公開したりと、いろいろやっているようです。

日本政府観光局(台湾)公式サイト 
http://www.welcome2japan.tw/
日本旅遊活動 VISIT JAPAN NOW(Facebook) 
https://www.facebook.com/VisitJapanNow

現地で会った日本の関係者は台湾での訪日旅行プロモーションについてこう語ってくれました。「台湾というのはありがたいことに、何かやると必ず反応が返ってくるんです。レスポンスがすごくいい。やりたいことはだいたいできている。もともと台湾の人たちは日本に行く気があるので、うまく押してあげるといいんです」

では、この恵まれた台湾でのプロモーションは今後どうあるべきでしょうか。

「台湾の訪日旅行市場は多様化し、成熟化しているので、特定な地域を売ることも大事ですが、スポーツやグルメなど、新しい切り口を提案しながら呼び込むことではないでしょうか。たとえば、台湾国内ではマラソン大会が100近くあります。サイクリングも人気です。日本で走りたい人も多い。各種スポーツ団体と連携しながら、誘客を進めていくと面白いですね」

※訪日客増加の背景についての詳細は、中村の個人blog「過去最高200万人超えなるか!台湾客急増の背景にはオープンスカイがある(台北ITF報告その5)」を参照。

心温まる魅力いっぱいの訪日ツアーも続々

会場でお会いした現地の旅行関係者の話からも、台湾の訪日旅行市場の成熟ぶりを肌で実感できました。台湾の日本ツアーは実に多様化しています。以下、2つの例を紹介しましょう。

まず「日本輕井澤悠閒鐵馬泡湯自由行5日(軽井沢でのんびりサイクリングと温泉の旅)」です。長野県軽井沢で開催される「グランフォンド軽井沢」というサイクリング大会に参加し、温泉に浸かって過ごす4泊5日のツアーです。催行しているのは、台北の上順旅行社です。

上順旅行社 
http://www.fantasy-tours.com/
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このツアーを企画運営している海外個人旅遊部(FIT担当)の高世軒さんによると、「このサイクリングツアーは2011年夏から始めています。台湾ではサイクリングが盛んで、国内でも大会は多く開かれていますが、海外のスポーツ大会に参加したいと思っている人がたくさんいます。私自身もスポーツが大好きで、軽井沢で毎年5月末に開催されている『グランフォンド軽井沢』を最初のツアー先として選びました。軽井沢の新緑の一本道をサイクリングするのは最高の気分です。マイ自転車を日本に運んで走る人もいますよ。もちろん、温泉やショッピングもツアーに組み込まれています。うちのような専門の旅行会社が企画しているので、お客様も安心して参加できるんです」。

もうひとつのツアーは「田舎に泊まろう(來去郷下住一晩)」です。日本の農家に民泊(ホームステイ)するツアーです。舞台となるのは山形県飯豊町。特に観光名所があるわけではない、ごくふつうの日本の山村です。そこを訪ねた台湾客たちは民泊する農家の仕事を手伝ったり、家族と一緒に食事をしたりして、一晩過ごします。2010年春からスタートし、東日本大震災後に一時休止しましたが、12年に再開。年間200名以上の台湾客がツアーに参加しているそうです。

山形県飯豊町観光協会(ようこそThe日本の田舎へ)
http://samidare.jp/iikanjini/note?p=log&lid=310581

ツアーを企画したYUKIさんこと、名生旅行社の女性社員に話を聞きました。ちなみに彼女は元日本留学生です。

名生旅行社(トップページに同ツアーのミニ動画があります)
http://www.msttour.com.tw/web/major.asp

――「田舎に泊まろう(來去郷下住一晩)」について教えてください――

「ツアーは4泊5日か5泊6日の2パターンがあります。前者の場合、台北から仙台空港に飛んで、初日は山形県の上山温泉に泊まり、2日目は蔵王などをめぐります。午後に飯豊町の農家にホームステイし、翌日午前10時には家族とお別れになります。その日は銀山温泉に泊まり、最終日は松島などを観光して仙台空港から帰国します。

ホームステイの翌朝、車でお客さんを迎えにいくと、皆さん必ず涙を流して別れを惜しむんです。台湾のお客さんだけでなく、民家の方も泣いてしまう。一晩一緒に過ごしただけなのに、感動で涙があふれてくるんです」

――このツアーはどのようにして企画されたのですか?――

「数年前から台湾では日本のバラエティ番組の『田舎に泊まろう』が人気でした。こういうツアーが実現できたらいいなと思ったのが2009年。それから1年かけて弊社の会長と一緒に全国を訪ね、民泊にふさわしい農村を探したところ、飯豊町がいいということになりました。飯豊町では、もともと学生のホームステイを受け入れていたこともあり、観光協会に話をしたところ、快く受け入れてくれました」
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同ツアーは、2012年に台湾観光協会から優れたツアーとして金賞(金質旅游奨)が授与されています。実は、彼女が日本留学していたとき、TBSの『世界ウルルン滞在記』をよく観ていたそうで、それがこのツアー企画の原点だったそうです。まさに台湾発日本行き「世界ウルルン滞在記」のツアー版といえるでしょう。

これらのツアーに共通するのは、小規模の専門旅行社が催行していること。初めから数で稼ぐことは考えていないこと。そして、何より日本と縁があり、ベースとなる感動体験の持ち主である台湾サイドのキーパーソンが企画運営していることでしょう。加えて、日本の受け入れ側の鷹揚でかつ、きめの細かい対応が鍵だといえそうです。

こうした心温まる魅力いっぱいの訪日ツアーが台湾の旅行関係者自らの手によって生まれています。こういう話を聞いていると、うれしくなってしまいますね。逆に我々日本サイドは台湾に対してどんな新しい提案ができるのか、あらためて考えてみなければならないと感じました。

※本稿で紹介した2つのツアーの詳細は、中村の個人blog「台湾だから実現できた軽井沢サイクリングツアー(台北ITF報告その7)」、「台湾発日本行き『ウルルン滞在記』ツアーはこうして生まれた(台北ITF報告その8)」を参照。また本稿では触れなかった台湾の訪日旅行市場の最新動向については、「台湾で中国本土ブースが不人気な理由(台北ITF報告その2)」、「台湾でいまホットな話題は『シニア旅行』と『自由旅行』(台北ITF報告その6)」を参照。

※やまとごころ.jp http://www.yamatogokoro.jp/column/2013/column_143.html
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by sanyo-kansatu | 2013-11-21 10:07 | やまとごころ.jp コラム | Comments(0)
2013年 11月 15日

歌舞伎町の「ロボットレストラン」はなぜ外国客であふれているのか?

10月中旬、インバウンド(訪日外国人旅行)サイト「やまとごころ.jp」の仕事で、新宿歌舞伎町にある「ロボットレストラン」を取材しました。とても面白いスポットだったので、以下その記事を採録します。

やまとごころ.jp「ロボットレストラン」インタビュー
http://www.yamatogokoro.jp/inbound-interview/2013/index06.html
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新宿歌舞伎町に、毎夜外国客であふれる秘密のレストランがある。キュートなニッポン女子ダンサーチーム《女戦~ジョセン~》と巨大アンドロイドによるダンスショーが楽しめる「ロボットレストラン」だ。2013年9月現在、延べ6万9000人の来場者の多くは欧米からの観光客。なぜこの異次元アミューズメントレストランにこれほど多くの外国客が夜毎足を運ぶのか。ダンサーでもある社長の大澤奈美恵氏に話を聞いた。

――ロボットレストランのショーのコンセプトを教えてください。

巨大ロボットと女性ダンサーによる、世界でもオンリーワンのダンスショーをお楽しみいただけます。当レストランにはふたつの顔があります。ひとつはロボットで、高さ3.4mの巨大女性アンドロイド=通称『ロボコ』や、アメリカからやってきたロボット『KING ROBOTA』、小型のロボットダンサーなどがいます。もうひとつが総勢30名のダンサーチーム『女戦~ジョセン~』です。彼女たちは和太鼓を打ち鳴らし、異次元空間を行き交いながら、戦車や戦闘機に乗ってロボットと一緒にダンスパフォーマンスを繰り広げます。
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日本人のみならず、海外からも多くのお客様が訪れています。著名人では、『バットマン』のティム・バートン監督や『スター・トレック』のJ.Jエイブラムス監督、『パシフィック・リム』のギレルモ・デルトロ監督らがご来店いただいています。2013年9月現在、来店者数は延べ6万9000人になりました。
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ショーの構成や演出は、私自身で担当しています。「日本一の歓楽街であるはずの歌舞伎町もいまやシャッター通りになってしまった。強くて美しい女性が世界を元気にしなくては!」というのがコンセプトです。そこになぜロボットかというと、近未来のイメージを打ち出したかったからです。女性ダンサーと一緒にロボットが踊って見せたら面白いじゃないですか。世界中探しても「ここだけにしかないもの」を創りたいと考えていたのです。
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約1時間のショーにお弁当とソフトドリンク付きで料金は5000円です。アルコールなどのドリンクは追加注文できます。ショーは1日3回。その前後は、ロボットや女の子のウエイトレスのいる待合室でおくつろぎになれます。店内の装飾は、スタッフ自らがおもしろいというものを海外で見つけて買い付けました。店内のメンテナンスや営業、広報もすべて自社で行っています。
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――お客さんの反応、楽しみ方はどうですか?

ショーがはじまると、みなさんノリノリです。海外のお客様は比率でいうと欧米の方が多く、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアの方たちがメインですが、盛り上がり方がアジアのお客様と全然違います。それに便乗して日本人も盛り上がってくれます。日本人のお客様は都内の方が多いように思います。
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東京のナイトライフにはこういうショーが楽しめる場は少ないのかもしれません。大型アミューズメントショーレストランとしては、六本木に明治時代の遊郭をイメージした『香和』やニューハーフショーの『金魚』がありますが、うちとはコンセプトが少し違います。

――外国人客はいつごろからどうやって来るようになったのですか?

オープンは2012年7月18日ですが、実は海外のお客様はわりとすぐにいらっしゃいました。正直なところ、海外の方がこんなにたくさん来るとは、まったく想定していませんでした。

日本のメディアより先に海外のメディアが大勢取材にいらっしゃったんです。最初に来たのは、ドイツやアメリカ、イギリスのメディアでした。オープン当初は日本の雑誌にも紹介されたのですが、来店してきたのは、むしろ欧米のお客様だったんです。

欧米メディアの一部はネットでも読めますが、「ブレードランナー」とか「オースティン・パワーズ(007シリーズのパロディ)」のfembotsのようにハリウッドSF映画のキャラクターにうちのショーのイメージを重ねたものや、ダンサーのセクシーさを強調するものなどいろいろです。

外国のお客様はたいてい口コミでうちを知るようです。おそらくメディアの記事やネットを見て、ホテルのコンシェルジュに場所を聞いてご来店されるのでしょう。弊社では女性ロボットの『ロボコ』をトラックに載せて都内を走らせ宣伝しているのですが、そのトラックを見て「なんだろう?」と思われて、あとを付いてきて来店されたというお客様もいました。

ありがたいのは、来店されたお客様の多くがFacebookに書き込んだり、トリップアドバイザーに載せてくださったりして、知らず知らずに知名度が広がっていったことです。いまは空港や観光案内所などに置かれている英語のフリーペーパーに広告を出して、それを手に取られたお客様が……、といった流れでご来店いただいています。
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昨年11月、うちに来店された観光庁の方から新宿のPRビデオの制作のお仕事をいただき、ワンシーンで当レストランを紹介させていただいたこともあります。
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JAPAN VIDEOS Shinjuku
http://www.visitjapan.jp/en/m/player/?video=72

――今後の展望はどうお考えですか?

すべてが“後付け”なんです(笑)。オープン前には外国人向けのPRをするなんて考えていませんでしたから。

今後の展望ということですが、リピーターのお客様に喜んでもらえるよう、ショーの内容を不定期ですが、新しいロボットを登場させたり、ワイヤーアクションを取り入れたりと、どんどん進化させていくつもりです。

このショーを国内外に関わらず、どこかに出店させたり、輸出したりという考えはありません。実は、海外で出店しないかという話を持ちかけられたことはあります。でも、「絶対ここ(歌舞伎町)でしかやらない。支店もいっさい出す考えはない」とはっきりお断りしています。私たちの自慢は「ここだけにしかないもの」をやるということだからです。

自信を持っていいたいのですが、今日ショーをご覧になったら、絶対お友達に紹介したくなると思いますよ。

「ロボットレストラン」
東京都新宿区歌舞伎町1‐7‐1 新宿ロボットビルB2F
TEL:03-3200-5500 営業:18:00〜23:00(予約9:00〜22:00)
http://www.shinjuku-robot.com/pc/top.php
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

他にも興味深いエピソードが盛りだくさんの「ロボットレストラン」。ここで触れられなかったこぼれ話は次回紹介します。

※この1年後、ロボットレストランを再訪しました。その様子は、以下のレポートで。

1年ぶりに再訪。ロボットレストランの客層が変わった!?
http://inbound.exblog.jp/23664029/
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by sanyo-kansatu | 2013-11-15 15:24 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2013年 11月 01日

過去最高200万人超えなるか!台湾客急増の背景にはオープンスカイがある(台北ITF報告その5)

今年、訪日客の200万人超えが期待されている台湾。いまや訪日外客の5人に1人は台湾の人たちです。好調の背景には何があるのか。台北国際旅行博(ITF)会場でお会いした現地関係者にその理由を尋ねてみました。

――台湾の海外旅行は1979年の解禁。以来、30年以上の歴史をもつ成熟したインバウンド市場といえますね。

「台湾の訪日客は少しずつ増えていきました。当初は日本からの訪台客数のほうが多かったのですが、2000年前後一時逆転され、2005年以降はともに100万人を超えました。日台間には国交がないため、日本観光協会などが中心となって細々とPRを続けてきましたが、ビジットジャパンキャンペーンのスタートした2003年から本格的なプロモーションが始まりました。いまでも交流協会とJNTOで業務提携をしながら進めているのが現状です。

東日本大震災のあった2011年以降は、台湾からの訪日客のほうが日本の訪台客より多くなっています。昨年の訪日客数が146万人、そして今年200万人を超えそうな勢いです。ちょっとできすぎですかね」

――今年、台湾の訪日客がこんなに増えた背景には何があるのですか?

「最大の理由は、円安とオープンスカイが追い風になっていることです」

※台湾と日本の航空協定(オープンスカイ)改定は、2011年11月10日に調印されました。それによってチャイナエアライン(CI)とエバー航空(BR)の2社に加え、翌12年3月以降、マンダリン航空(AE)、トランスアジア航空(GE)の4社が定期便を就航させています。

現在、これに加えてLCCが日本と台湾を結んでいます。ジェットスター・アジア(3K)やピーチ・アビエーション(MM)、そして元エアアジアのバニラエア、シンガポールのスクート航空(TZ)です。もちろん、これに日本航空と全日空が加わります。しかも、台湾のエアラインは日本の地方都市とも多く就航していることが特徴です。

●オープンスカイ後、日台間に定期便を就航したエアライン
マンダリン航空
http://www.mandarin-airlines.com/index/index.html
トランスアジア航空(復興航空)
http://www.flytransasia.jp/
ピーチ・アビエーション
http://www.flypeach.com/jp/ja-jp/homeJP.aspx
バニラエア
http://www.vanilla-air.com/
スクート航空
http://www.flyscoot.com/index.php/ja/

――オープンスカイによる大幅な増便が背景にあることは当然として、JNTOでは早い時期からさまざまなプロモーションをしてこられたと思います。たとえば、1990年代、他の訪日マーケットに先駆けた北海道キャンペーンを打ち出し、ツアーを成功させたのも台湾市場でした。今回のITFでは、ジャパンゾーンを統括するJNTOブースはどんなテーマを掲げておられるのでしょうか。狙いや目的について一言教えてください。

「『日本で遊びまわろう』です。台湾の博覧会は即売会の意味合いが強いので、例年台湾の旅行会社を招き入れ、日本ツアーの販売増を目指しています」
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――台湾市場向けのプロモーションについてはどうですか。

「新聞やテレビ、雑誌などあらゆるメディアを使った通常のプロモーションはすべてやっていますが、台湾で特に有効なのはFacebookです。なにしろ人口2300万人の台湾で1400万人がFacebookを利用しているからです。若い世代はほぼ全員利用しているといっていい。
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日本の観光庁もFacebookのアカウントを持っています。ブロガーの意見を載せたり、おすすめコースを紹介したり、新しいデスティネーションのショートムービーををつくって公開したり、消費者の写真コンテストをやったりと、いろいろやっていますよ」

――そうしたSNSを活用した手法はいまや常道ともいえますが、仕掛けると最初に動き出すのが台湾市場なのでしょうね。

「台湾というのはありがたいことに、何かやると必ず反応が返ってくるんです。レスポンスがすごくいい。やりたいことはだいたいできている。もともと台湾の人たちは日本に行く気があるので、うまく押してあげるといいんです」

――同じことをやっても中国本土とは反応ずいぶん違うんですね。いちばん効くのは何でしょうか。

「やはりウエブ活用でしょう。最近は特に体験ものが人気があります。日本でサイクリングや農業体験、民泊をする。これといったキラーコンテンツがあるというより、目的が多様化しています。実際に体験した人がネットに書き込み、それを見て私もやりたいという動きがふつうに起きています。これからのプロモーションはFacebookやLINEが有効だと思います」

日本政府観光局(台湾)公式サイト
http://www.welcome2japan.tw/
日本旅遊活動 VISIT JAPAN NOW(Facebook)
https://www.facebook.com/VisitJapanNow

――それでも、台湾人の海外旅行は団体ツアーがかなりの割合を占めると聞きます。圧倒的にFIT化が進んだ香港とはどこが違うのですか。

「いまは台湾でも訪日旅行は団体とFITで五分五分です。香港の人たちは、考え方や行動スタイルが欧米化していて、何か気を引く情報があるとすぐに行ってみようとなるのですが、台湾の場合、最初はちょっとためらう人の割合が多いかもしれません。大丈夫かどうか、考えてから行動する慎重派が多い気がします。東京、大阪、北海道はFITでも大丈夫だけど、それ以外の地域はまだためらう人が多い。レンタカーもなかなか利用しない。中国語のナビがないからだといいます。香港人はとりあえず行って、あとで考えるという感じでしょうか。

ですから、プロモーションする側は彼らに安心感を与えてあげないといけない。後押しを丁寧にやってあげないといけません。ただ台湾の人たちはブームに弱いところもある。北海道やアルペンルートのツアーなどがそうでした。みんなが行くから私も行こう、となる」

――台湾の訪日旅行市場の特徴は他にもありますか。JNTOの重点五大市場に関する報告書によると、台湾は「M型社会」だと書かれていますね。

「それは台湾でも、中間層が減り、所得が両極端になって経済格差が起きているという話です。2000年代に入ってから言われていることです。富裕層専門の旅行会社もいくつかあります」

――鉄道旅行の可能性についても触れていますね。台湾では日本の鉄道旅行に関する雑誌の特集もよくあるようですね。
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「台湾には鉄道ファンが多いんです。九州の『ななつ星』がもし台湾でも買えれば必ず売れると思います。ジャパンレイルパスの売上がいちばん高いのは台湾でしょう。台湾は鉄道が発達していて、鉄道旅行に慣れています。だから、日本で鉄道旅をしてみたいという思いがあるのです。割引パスが普及してきたので、あとはポイントの情報をどう与えるかで、行き先が広がる。リピーターが多いのが台湾の特徴ですから、可能性はあります」

――今回のITFのフォーラムのテーマのひとつが「シルバー族」の海外旅行でした。

「台湾も少子高齢化が進んでいます。出生率は日本より低い。台湾も日本と同じで年寄りが多くて元気。これからはシニアを大事にしなければならないと思います」

――それにしても、ITFの会場を歩いて感じることは、台湾のツアーは驚くほど安いですね。その理由は何でしょうか。

「博覧会がなぜ人気があるか。割引して売ってくれるからです。香港に比べ台湾で団体ツアーの比率が高いのは、安いツアー商品が多いから。慎重派の台湾人にとってツアーは安心感があるのです」

――エアライン各社がFIT向けのスケルトンタイプ(航空券+ホテル)を破格の料金で売り出していますね。
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「台湾の場合、航空会社がキーエージェント制を敷いていて、特定の旅行会社に『座席買い取り制』に見られるようなビジネス慣行が通ってきたことが背景にあります。航空会社を頂点とした系列化で、優先的に席をあげるからと、押し売りもする。
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チャーター便は特に料金先払いで、売れないと旅行会社が損をするから、土壇場で叩き売りをする。まずいことに、消費者がそれを知ってしまったため、ぎりぎりまで待つ間際買いの傾向が出てしまった。いま日本にはビザがいらないから、前日でも申し込める。これには困っています。航空会社としては、飛ばせば飛ばすほど日本線は売れるからいいのですが、旅行会社は売り切れないと怖い」

――台湾の旅行業界は、日本のような大手は少なく小規模の会社が群雄割拠している感じでしょうか。それでもいくつか取扱規模の大きい企業はありますか。

「老舗は東南旅行社。北海道ツアーを最初に造成したのは同社です。取扱いでいうと、康福旅行社や雄獅旅行社、スタートラベルなどでしょうか」
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――今後、台湾の訪日旅行市場はどう発展していくと思われますか。

「いま台湾の海外旅行者数は年間1000万人程です。そのうち2割が日本というわけですが、これが4割や5割になることはちょっと考えられません。2~3割の間で落ち着くだろうと個人的には思います。これから先、欧米ツアーの料金が下がれば、そちらにずいぶん取られるかもしれません。

数もほしいが、質もほしい。それをどうやって実現できるか。(1990年代の日本人海外渡航者の急増を機に)アジアの安いツアーの造成のしくみを教えたのは日本です。コスト以下でランドに受けろという押し付けをやってきた。それをいまやり返されているんです。(インとアウトが拮抗してきた)ここらでお互い腹を割って話し合ういい時期になってきたかもしれませんね」

――これからの台湾向けプロモーションはどうあるべきでしょうか。

「これからはスター選手を次々作っていくことが大事だと思います。北海道の場合、東南旅行社と組んで造成したらよく売れた。すると2年後には他社もどんどん売り出し始めた。ひとつの成功事例をつくってしまえば、みんな売ってくれる。山形の蔵王もそう。どこでも売ろうと思えば売れるのが台湾です。

台湾の訪日旅行市場はますます多様化し、成熟化しているので、特別な地域を売ることも大事ですが、スポーツやグルメなど、いろんな新しい切り口での提案をすることではないでしょうか。たとえば、台湾国内ではマラソン大会が100近くあるんです。サイクリングも人気です。日本で走りたい人も多い。各種スポーツ団体と連携しながら、進めていくと面白いですね」
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by sanyo-kansatu | 2013-11-01 11:31 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 31日

FIT向け商品が続出する台湾市場(台北ITF報告その4)

台北国際旅行博(ITF)で、広域連携化とともに目に付くのは、FIT向け商品が続出していることです。

自治体ブースがPR主体であるのに対し、企業グループはどれだけ販売できるかが勝負です。まず鉄道グループのブースから見ていきましょう。
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近畿日本ツーリストを擁する近畿鉄道グループです。なかでも注目は、国内メディア販売大手のクラブツーリズムがアジアのFIT向けに販売しているバスツアーです。
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Club Tourism YOKOSO Japan Tour
http://www.yokoso-japan.jp/tc/index.htm

一般にはとバスなどが催行する外国人向けバスツアーの多くは、英語圏の利用者の比率が高いとされますが、クラブツーリズムの催行するツアーは、アジア客に好評です。たとえば、最も人気があるのは富士山とフルーツ狩りを組み合わせたツアーだそうです。関係者によると、日本人向けと基本的に同じツアー内容で、最近では、日本人客とアジア客を混載する商品もあるといいます。

世界でいちばん目が肥えているといわれる日本の消費者を相手に長年練り上げられてきたクラブツーリズムのバスツアーが、アジアのFIT層にも受け入れられているというのです。日本人とアジア客が混載するバスツアーというのは、これからの新しい国内旅行のスタイルを先取りしているといえるかもしれません。

阪急阪神集団のブースです。近年のLCCをはじめとした台湾と関空をつなぐ路線の急増で、関西方面を訪れる台湾客は増えています。
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もちろん、富士箱根方面も定番です。これは小田急電鉄と藤沢市の共催ブースです。
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鉄道グループでいうと、JR東日本とJR西日本も出展していて、同社が販売するJRパスのうち、台湾客の販売数が最も多いといわれています。

ジャパンレイルパス(外国人向けJR割引パス)
http://www.japanrailpass.net/ja/ja001.html

次は、キラーコンテンツを有する企業グループです。その筆頭はやはりTDLでしょう。東京ディズニー30周年を記念したスペシャル料金を打ち出しています。これもFIT商品です。
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タイの国際旅行フェアにも出展していた札幌の「かに本家」です。
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台湾人に人気の北海道に高級リゾートを展開する星野リゾートです。今年3月の新石垣空港オープンで、台湾から夏期のみトランスアジア航空やマンダリン航空が就航。竹富島にある「星のや 竹富島」への集客も期待されます。
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星のや 竹富島
http://www.hoshinoresort.com/resortsandhotels/hoshinoya/taketomijima.html

異色のブースは日本の出版大手角川書店です。同社では現地法人の台湾国際角川股份有限公司がローカル向け情報誌『台北ウォーカー』を発行しています。同誌の付録に日本旅行のための冊子『Japan Walker』があります。
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台湾国際角川股份有限公司
http://www.kadokawa.com.tw/
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同社では、日本国内で利用できるSIMカードパッケージ「台灣VISITOR SIM」を11月から発売するそうです。『JAPAN WALKER』がもつコンテンツの中で、救急対応など緊急連絡先情報、日本の旅行情報なども利用できるといいます。もちろんFIT向けのサービスです。
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近年、インバウンドビジネスにさまざまなメディア企業が参画していますが、角川書店のような古くから現地に根付いて日本のコミックやライトノベルズ、情報誌などを販売してきた出版社こそ、台湾の訪日旅行市場の下支えに大きく貢献してきたといえるでしょう。

日本の大手エアラインもブースを出展しています。JALとANAはそれぞれ台湾と日本の主要空港を結んでいますが、今回のブースではFIT向けに「日本自由行」と称して、割安な航空券や航空券+ホテルを販売していました。台湾のエアラインでもさらに価格を下げたFITパッケージを販売しており、競争は激化しています。おかげで台湾客はますます日本に行きやすくなっていると思われます。
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最後に、他の国の旅行博ではあまり見られない独特の販売スタイルについて紹介しておきましょう。台北国際旅行博(ITF)では、現地の旅行会社を日本のブースの中に招き入れて、各地域のPRとツアー商品の販売を同時に行っています。
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なかには、「日本専門店」を掲げる大興旅行社のようなエージェントもあります。ブースにはびっしりと日本全国を網羅したツアー商品の貼り紙が並べられています。こうして会場の中では、あの手この手の商戦が繰り広げられているのです。
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以下は、ジャパンゾーンの中にブースを置いた台湾の旅行会社です。これだけ競合相手がいると、価格競争が熾烈になるのは無理もなさそうです。

大興旅行社
http://www.tahsintour.com.tw/
山富旅行社
http://www.travel4u.com.tw/
大栄旅行社
http://www.gogojp.com.tw/
康福旅行社
http://www.colatour.com.tw/
スタートラベル(燦星旅行社)
http://www.startravel.com.tw/
湯桂禎旅行社
http://www.rolisa-tour.com.tw/
百順旅行社
http://e.ptrtour.com.tw/Web_3/major.asp
新台旅行社
http://www.eztour.com.tw/
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by sanyo-kansatu | 2013-10-31 15:33 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 31日

地方自治体の広域連携化で活気づくジャパンゾーン(台北ITF報告その3)

台北国際旅行博(ITF2013)では、出展規模が最大だったジャパンゾーンのにぎわいがひときわ目立っていたのは確かです。
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台湾人の渡航先は中国が1位で日本は2位ですが、海外旅行の人気先のトップは間違いなく日本です。しかし、それをいまさら強調することよりもっと大事なことがあります。アジアで最も成熟した旅行市場のひとつである台湾に対して、いかに効果的なプロモーションを進めるか、その手法を進化させることでしょう。

ざっとどんな団体が出展していたか見ていきましょう。

まずジャパンゾーンを統括する観光庁のVJゾーン。関係者によると、「テーマは特にないが、強いて言えば『日本で遊びまわろう』」。展示スペースと特設ステージが設置されていて、1日中イベントを繰り広げていました。
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たとえば、小林正典さんという2010年の「第4回全日本アニソングランプリ」で審査員特別賞を受賞したアニソン歌手のステージもありました。
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地方自治体のブースは、北は北海道から南は沖縄まで勢ぞろいです。興味深いのは、各県単位の出展ではなく、広域連携化がずいぶん進んでいたことです。

目についたブースを北から眺めていきましょう。まず台湾と多くの航空路線で結ばれている北海道。写真は、なぜかここだけジャパンゾーンの外にあった小樽と函館、道南地区のブースです。2013年3月に道内各地で撮影された台湾のトレンディードラマ『(邦題)ラブ・ラブ・ラブ』が、8月から放送を開始したことをふまえたPRのようでした。
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北海道マガジンの記事
http://pucchi.net/hokkaido/moviedrama/ftviuui.php

東北ブロック広域観光振興事業推進協議会です。東日本大震災後、国内客は戻って来たものの、唯一外客の戻りが遅いとされる東北だけに、台湾の人たちにはぜひ訪ねてほしいものです。今回のテーマは雪で、蔵王の樹氷が人気のあることから、統一したイメージで売り出そうとしています。ただし、海外では東北は紅葉が有名。雪はむしろ北海道やアルペンルートのほうが知名度が高く、競合してしまうところが気になります。海外の人たちは、やはりその国でいちばん有名な場所に行きたいと思うものだからです。
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もっとも、関係者によると、今年の秋は台湾から東北へのチャーター便が計画されているそうです。実際、福島を除くと東北には少しずつですが、台湾客が戻っていると聞きます。

関東ブロック広域観光振興事業推進協議会です。とかく東京一極集中しがちな外客の流れを分散させるべく、首都圏周辺の各県がそれぞれの魅力をPRしています。ただし、外国人の目から見ると、内容がいろいろありすぎて、テーマを絞りにくい印象があります。
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ほかにも、山陰山陽観光推進協議会、四国ブロック広域観光振興事業推進協議会、九州観光推進機構などの広域連携ブースがありました。
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なかでも注目は、中部広域観光推進協議会でしょうか。中部北陸9県を巻き込んだ「昇龍道」プロジェクトを展開していたからです。
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日本 中部北陸の旅「昇龍道」プロジェクト
http://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/kikaku/syoryudo/index.html

関係者によると、「アルペンルートで人気を呼んだ富山県も、単独では集客に限界があるので石川県、福井県と横で連携し、さらに長野県、岐阜県、愛知県などとも縦で結び、『昇龍道』というネーミングをつけて一つのルートとして魅力付けした。日本は島国で、外国客は空から入ってくるしかないのだから、まず定期便の発着する空港同士を結ぶモデルコースをつくることが重要」とのこと。
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その点、台湾からは日本各地にフライトが多数就航しているぶん、モデルルートのバリエーションの可能性が広がっています。同じ航空会社の就航地同士でないと、割引が利かないためツアーはつくりづらくなるので、当然制約はあります。

今回強く感じたのは、これだけ広域連携化が進むと、単独県での出展は来場客の目を引かないということです。地域固有の事情からではなく、外国客の視点や利便に合わせて用意周到練り上げられた広域連携が仕掛けられていくと面白いと思います。

最後に、旅行博ならでは、いかにも日本的だと思える雑多でのほのぼの&おとぼけシーンをいくつか。

彼女たちは「知多娘。」というご当地アイドルです。なんでも「知多半島の活性化」と「若者の就職支援」のために結成されたグループだそうです。
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知多娘。
http://www.chita-musume.com/

JRレイルパスのパンフレットを配っている台湾人のコスプレ案内嬢もいました。
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「徳川家康開運の旅」は中部国際空港を受け皿にした中部各県連携の企画のようです。
http://www.iyeyasu-mikawa.asia/ja/
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鳥取県は単独のブースはありませんが、21世紀梨と松葉ガニのパネルをつくって会場を歩かせていました。こういう手もあるんですね。
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by sanyo-kansatu | 2013-10-31 12:01 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 30日

台湾で中国本土ブースが不人気な理由(台北ITF報告その2)

台北国際旅行博(ITF2013)の会場の一画に中国本土の旅行関係者の出展するブースの集まるゾーンがあります。他のゾーンとの仕切りも特になく、来場者は同じイベントの一部だと思うのですが、なぜかそこは「海峡両岸 台北旅展」と呼ばれ、ITFとは別の入り口まで用意されています。
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主催は、ITFと同じ台湾観光協会と海峡両岸旅游交流協会の共催となっています。後者の組織については調べていませんが、ITFとはあくまで別企画という位置づけのようです。そのためか、ITFの制作した会場マップには、中国本土ゾーンだけ、出展者の配置図が書き込まれていません。なぜそんなことをするのか……。わざわざ「海峡両岸 台北旅展」としてITFとは別仕立てのイベントに見せようとする中国側の押しつけに対する台湾側の反発のようにも見えますが、どうでしょうか。

2日目の午前中、「海峡両岸 台北旅展」の中国本土ゾーンは気の毒なくらい閑散としていました。同じ時間、他のゾーンでは人ごみで身動きすら取れないほどだったのと比べると、いったいどうしたことなのか。
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中国本土ゾーンを歩いてみることにしました。ぼくは中国国内のレジャーシーンの変遷をこれまでウォッチングしてきたので、基本的に関心はあるのです。

そこには、中国全土の省と直轄都市、旅行会社などのブースが並んでいました。一部ミャオ族の民族衣装の展示した貴州省や省内の観光地の写真パネルを並べた遼寧省など面白いものもありました。また上海市のブースでは、来場者に特典をふるまうイベントがあったときだけ、人ごみが見られました。
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とはいえ、全体的には、簡素なブースを並べただけで、ただのやっつけ仕事にしか見えません。

確かに、中国の観光プロモーションのクオリティは他のアジア諸国と比べても著しく低い(あるいは、やる気がない)というのは、JATA旅博やタイの国際旅行フェアの会場でも見られたとおりです。だとしても、スタッフすらいない状況というのは、どうしたものか。こんなんでやる意味あるの?

現地の関係者に聞くと、毎年そうなんだそうです。

「台湾人の海外渡航者の数では中国がいちばん多いのですが、ほとんどビジネス渡航。レジャーは少ないんです」

かつて(たとえば1980年代)「大陸探親旅行」といって本土にいる親族を訪ねる中国旅行が台湾で流行ったものですが、それも遠い昔の話。確かに、いまの中国は環境破壊の話題に事欠きませんし、観光地は国内客であふれ返り、のんびり外国人が旅行を楽しむ雰囲気ではなくなりつつあるかもしれません。台湾の人たちも、わざわざそんな混雑する場所に行くより、日本など海外に行ったほうがくつろげると感じているのかも。

実際、ある台湾の旅行関係者はこんなことを言いました。「いま台湾には中国本土客がたくさん来るので、国内の観光地は中国客だらけ。台湾人が海外に旅行に行きたがるのは、近場のレジャーでは彼らと出くわしてしまうため、それを避けたいからなんですよ」

なるほど。……というか、なんとも言い難い話ですね。

実際、中台間の航空路線は全土にくまなく張りめぐらされています。この大半はビジネス路線と考えられます。
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中台の複雑な関係が、実に見事に表れているともいうべき、「海峡両岸 台北旅展」でした。
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by sanyo-kansatu | 2013-10-30 09:30 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 29日

来場者数が過去最高となった台北国際旅行博(台北ITF報告その1)

8月のタイのトラベルフェア(Thai International Travel Fair #13)に続き、10月は台北国際旅行博(ITF2013)に行ってきました。日程は、10 月18 日(金)~21日(月)です。
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会場は、台湾を代表する超高層ビル「台北101」(高さ509.2m、地上101階)に隣接する台北世界貿易センター1号館と3号館です。午前10時から開門されるのですが、30分以上前から行列ができるほどの盛況ぶりでした。
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台北国際旅行博(ただし、サイトの内容はすでに来年の告知に更新)
http://www.taipeiitf.org.tw/

台湾からの訪日旅行者数の大幅な増加の背景に何があるのか、知りたいと思っていました。JNTOが10月23日に発表した訪日外客数統計によると、2013年1月~9月の訪日台湾人は前年比52.3%増の166万9900人。伸び率でみればタイ59.2%増、ベトナム49.8%増、香港49.5%増と並んで見えますが、母数が違います。台湾は香港の3倍、タイの6倍近い規模です。訪日外客全体の5人に1人(21%)を台湾が占めていることからも、今年いかに多くの台湾客が訪日旅行したかを物語っています。

台北国際旅行博(ITF)は毎年10月に開催されます。1987年から始まり、今年で27回目。夏期の旅行商品の販売のために5月に開催される台北国際観光博覧会(TTE)や台中国際観光旅展(TITF)、高雄国際旅展(KITF)などもありますが、ITFが台湾最大の旅行商品展示会といえます。主催者発表によると、今回の来場者数は31万5240人と過去最高になったそうです。
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では、会場を歩いてみましょう。以下のように構成されています。
①台湾ゾーン
②アジア太平洋ゾーン
③欧米・中東アフリカ・南米ゾーン
④旅行会社ゾーン
⑤航空・運輸交通ゾーン
⑥その他関連団体
⑦グルメゾーン
⑧海峡両岸(中国本土)ゾーン
⑨ホテルゾーン(※ここのみ3号館)
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このうち最大エリアを占めるのは①台湾ゾーンで、国内の自治体や旅行会社などのブースが集まっています。次は⑧海峡両岸(中国本土)ゾーンですが、どうやら同じ会期中に同じ会場にありながら、「第9回海峡両岸台北旅展」として別企画の位置付けのようです(その理由は次回)。
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ざっと海外ゾーンのブースを眺めていきましょう。アジア太平洋を中心に数多くの政府観光局のブースが出展していました。
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なかでも注目は、スノーレジャーにテーマを絞り込んでPRのコンセプトを明確化した韓国でしょうか。韓国は海外の旅行博において毎回オールコリアでワンテーマを打ち出してくるのが特徴です。各自治体がバラバラに地元の魅力をアピールする日本とは違って、いかにも戦略的です。韓国の観光プロモーションのスタイルは日本を先んじているといわれても仕方がなさそうです。
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現地関係者によると、台湾の訪韓客は現状では訪日客の半数くらいに過ぎないものの、この10年の韓流ドラマやK-POPの流行で、台湾の若者の中にも「一度は韓国に行ってみようかな」という動きはあるようです。しかも旅行商品の価格帯が日本の半分とくれば、日本にとってライバルとなりうる存在かもしれません。その一方、韓国ではリピーターが育っていないのでは、という指摘もあるようで、こればかりはすぐに答えが出る話ではなさそうです。
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韓国のPRとくれば、やっぱり絶大な知名度を誇るこの人なんでしょうね。
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ほかにも、台湾や海外の航空会社ゾーン(写真はエア・アジアのキャンペーンガール)や、今年のGWに東京湾に寄航して話題を呼んだ超大型クルーズ客船「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」、那覇と石垣島に寄航する台湾発のクルーズ客船「スーパー・アクエリアス」の予約ブースなど、さまざまな企業団体が出展し、PRを繰り広げています。
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広い会場の中で、最も活況を呈しているのは、やはり地元の旅行会社のツアー即売会でしょう。旅行会社の担当者はマイク片手にステージに上がり、びっしり貼り出された会期中限定のスペシャル価格のツアー商品を声を上げて販売します。「ツアー商品の叩き売り」といってしまうと、少し言い過ぎかもしれませんが、日本ではちょっと見ることのない光景です。売れ行きを見ながら、スタッフはその場でチラシも書き直します。
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各旅行会社のブース内にはPC端末がいくつも用意されていて、来場者はスタッフの説明を聞きながら商品を検討しています。
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海外から多くの関係者が集まっているだけに、会場内はフリーWifiです。
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台湾滞在中に見たテレビニュースや新聞でも、ITFのことは報道されていました。台湾の年間出国者数は1000万人相当で、総人口2300万人の40%にあたる高い出国率が知られています(日本は13%)。それだけに台湾の人たちにとって旅行博は、日本では想像できないほど話題性の高いビッグイベントなのです。
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by sanyo-kansatu | 2013-10-29 14:51 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 02日

24回 この夏、日本の独壇場だった『タイ・トラベルフェア』レポート

8月中旬、タイのトラベルフェア(Thai International Travel Fair #13)に行ってきました。日程は、8月15日(木)~18日(日)。会場はバンコクのシリキット国際会議場(Queen Sirikit National Convention Center)です。
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TITF(ただし、サイトの内容はすでに来年春の告知に更新)http://www.titf-ttaa.com/
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タイのトラベルフェアは毎年2月と8月の年2回、開かれます。タイの旅行シーズンは4月のソンクラーン(旧正月)と10月のスクールホリデー(夏休み。タイでは10月がいちばん暑い!)なので、それを当て込んで2ヵ月前に催されるのです。

出展会場がそのまま旅行商品の一大即売会となるのが、タイのトラベルフェアの特徴です。単に観光局や旅行関連の展示ブースが並ぶだけでなく、航空券やホテルの宿泊券、パッケージツアーなどが特別価格で販売されるのです。当然会場は、この機を逃すまいと足を運ぶ一般客の姿であふれることになります。これは日本や中国のトラベルマートと大きく違うところです。

9月下旬現在、来場者数は集計中ということで発表されていませんが、参考までに昨年8月の同旅行フェアの主催者発表を挙げると、30万人だそうです。総売上も集計中ですが、昨年は3億バーツ(約9.3億円 1バーツ=3.1円)でした。

総出展ブース数もまだですが(昨年8月は597ブース)、今年2月の来場者は約80万人、売上も30億円規模でした。このことからタイのトラベルフェアは2月がメインで、8月はサブ的な位置付けであることがわかります。

※追記/その後、現地の英字紙の調べで、今回の来場者数は約40万人、売り上げは4億バーツ(約12.4億円)であることがわかりました。ただし、若干誇張された数字ではないかという感じもしますけど。

会場から見えてくるタイ人の海外旅行の現在形

では、会場を眺めていきましょう。

会場は各国の政府観光局、エアライン、ホテルといった展示が中心のブースと、旅行会社の展示即売、旅行グッズやガイドブックなどの物販ブースに分かれています。

「NTO(国家観光局)ゾーン」には、今回出展した中国や台湾、マレーシア、フィリピン、インドネシア、日本などのブースが並んでいました。珍しいところでは、ブータンのブースもありました。レンタカーやアウトドア関連の物販、クレジットカードの入会受付など、旅行にまつわるあらゆる商品のブースもあります。これらを眺めているだけでも、タイ人の海外旅行シーンの現在形が見えてきます。
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旅行会社の展示即売ブースでは、各社ともパネルにツアー料金のリストを大きく貼り出し、チラシやパンフレットを大量に用意してその場に特設カウンターを設け、ツアーを販売しています。来場客はいくつもの会社をめぐり、ツアー商品の中身と料金を見比べ、これぞと思うツアーを見つけると、その場で予約申し込みをします。なぜなら、前述したように、各社はこの会期中限定のスペシャル料金で売上を競い合っているからです。
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特設ステージも設置されていて、常時各国のプロモーションイベントやショーが繰り広げられています。タイのトラベルフェアにはお国柄がよく表れていて、お祭りのような楽しさにあふれていました。

※TITF会場の出展ブースの様子については、中村の個人blog「8月中旬、タイのトラベルフェアに行ってきました(TITF報告その1)」を参照。

圧倒的に盛況だったジャパンゾーン

今回のタイのトラベルフェア(TITF)で最もにぎわいを見せていたのは、ジャパンゾーン(日本の出展ブース)だったといっていいと思います。実際、他国のブースと比べても、日本は出展数が多く規模が大きいというだけでなく、力の入れよう、やる気がまるで違っているように見えました。日本の関係者の皆さんはいつも通りの生真面目さで、日本観光のPRにいそしんでおられました。それはまさに日本の独壇場といった光景でした。
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では、ジャパンゾーンを見ていきましょう。まず、ジャパンゾーンを束ねている日本政府観光局(JNTO)の「VJブース」です。ここには、来場客からの日本旅行に関する質問に答えるためにタイ人のスタッフが常駐しています。

今回ジャパンゾーンには、日本から24団体が参加しています。タイ人が最近急増している北海道。「昇龍道」というゴールデンルートに代わる特設ルートを設定し、広域連携する中部や北陸。タイ人誘客を模索している九州、沖縄などが、目を引きました。
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さらに、ジャパンゾーンとは別の場所で、H.I.SとJTBのバンコク支店がツアー販売を行っていました。彼らは地元の旅行会社と競合しながら、日々タイで営業を行っている現地法人です。

さて、TITFでは別会場で商談会やビジネスセミナーが行われます。今回日本側が強くアピールしたかったのは、8月16日の午後に行われた在タイ日本国大使館による査証免除に関するプレゼンテーションでした。今年7月1日よりタイ人に対する観光ビザの免除が実施されたことに対する広報PRが目的です。
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JNTOバンコク事務所によると、「今回は8月のTITFとして日本から過去最大の出展数(24団体)となりました。タイ人にとって日本は憧れの国です。ですからビザ免除は、現地メディアでも大きく報道されました。タイの人たちは、今回の決定で自分たちは日本に認められたのだと喜んでいます」とのことです。

同事務所がまとめた「TITF速報」によると、訪問地に関する来場客の問い合わせは、東京~大阪ゴールデンルートに含まれるエリアが最も多かったものの、これに北海道、高山・白川郷が続いたこと。また、これまで問い合わせの少なかった中国・四国地方などに関する質問も寄せられ、FITを中心としてタイ人の興味が全国に拡大していることが実感されたこと。旅行内容については、10月をターゲット時期とする旅行フェアのため、紅葉に関する質問が相次いだこと。鉄道パスやレンタカー等の移動手段やWiFi等の携帯利用に関する質問、温泉や食・レストランに関するものが多かったそうです。

これらの報告を見る限り、タイの訪日客はずいぶん成熟していることを実感します。質問内容からも、彼らが個人旅行の意欲にあふれていることもうかがえます。この夏実施された観光ビザ免除は、両国にとってきわめて好タイミングだったといっていいのでしょう。

JNTO関係者によると、来年2月のTITFの日本からの出展団体はさらに増えるだろうと予測しています。

※ジャパンゾーンの様子については、中村の個人blog「圧倒的なにぎわいを見せたジャパンゾーン。その理由は?(TITF報告その2)」を参照。

FIT仕様に進化するタイの日本旅行案内書

会場内には、旅行関連商品を扱う物販ゾーンもあり、タイ語の旅行ガイドブックが多数販売されていました。

正直なところ、タイで個人旅行のためのガイドブックがこれほど充実しているとは思っていませんでした。ぼくは中国の旅行書籍の事情にかなり精通していますが、実用書としての出来栄えを見る限り、明らかにタイは中国より進んでいます。誌面を通じて実際に日本を旅行している「タイ人読者=個人旅行者」の存在をうかがわせる企画内容や、実用に則したさまざまな編集的な仕掛けや工夫が見られるからです。これだけの書籍が存在する以上、成熟した旅行者がこの国には存在している。そう確信するに至りました。
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なかでも印象的だったのが、タイ人女性カメラマンのBAS(バス:ペンネーム、オラウィン・メーピルン:本名)さんの書いた旅行ガイドブック『ひとりでも行ける日本の旅』です。

このガイドブックは日本全国31か所の観光地について、アクセス情報も含めて、詳しく説明しています。同書の特徴は、東京や大阪などの主要都市から離れた日本語の標記しかない地方の観光地についても、地名標記の写真を掲載したうえ、タイ語に翻訳して説明してあるなど、日本語ができないタイ人でも、ひとりで日本旅行できるよう工夫を凝らさています。女の子らしいイラストも豊富に使われていて、楽しく読みやすいデザインになっています。タイの日本旅行案内書が、FIT仕様に進化していることがわかります。

実は、この本は今年2月に在タイ日本国大使公邸で開催された“Reception for Japan-bound Tourism Promotion”において、訪日旅行の促進に貢献した旅行ガイドブックとして「Japan Tourism Award in Thailand」を受賞しています。

※TITF会場で見つけた豊富な日本旅行案内書の世界については、中村の個人blog「タイで発行される日本旅行ガイドブックはよくできている(TITF報告その3)」を参照。

なぜ日本ブースはにぎわったのか

それにしても、今回のトラベルフェアでは、なぜジャパンゾーン(日本の出展ブース)がにぎわいを見せることができたのでしょうか。あらためて考えてみたいと思います。

まず考えられるのは、今年が「日本アセアン友好協力40周年」で、「(アセアン客)訪日100万人プラン」という観光庁の明快な目標が掲げられていたことがあるでしょう。それに加え、会場で会った多くの関係者から共通して聞かれたのは「円安とビザ緩和に対する期待の高さが主な理由だろう」という声でした。

もっともこんな声もありました。ローカルブースに出展していたあるタイ在住の日本関係者は、はっきりこう言います。「こんなに日本からの出展が増えたのは、中国問題にある。中国で痛い目に遭ったから、タイしかないというムードになったにすぎないのでは」。

日タイ関係を長く見てきた現地邦人たちは今回のジャパンブース盛況の理由を意外に冷静に見ているようです。確かに、日本側がこれほど積極的だったのは、昨年以降、中国に対する嫌厭感からにわかに進んだ日本経済の東南アジアシフトの機運と同調しているように思われます。そして、彼はこう付け加えました。

「今後、日本の皆さんが期待するほどのタイの訪日旅行マーケットの爆発が起こるとは限らない。それは事前に了解しておいてほしいと思います」。
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タイはここ数年、目覚ましい経済成長を遂げています。少なくともバンコクにいて、巨大なショッピングモールに繰り出すタイ人たちの旺盛な消費力を目にしていると、この国に多くの海外旅行者が現れても、なんら不思議ではないと感じたことは確かです。

タイではここ数年、政変や洪水など、経済成長にブレーキをかける事態が頻発しました。それでも、現地関係者によると「タイの海外旅行市場は、2011年後半(10月末から12月前半)の大洪水の影響で12年度前半は落ち込みが見られました。しかし、後半は持ち直し、最終的には12年全体の統計で、タイ人の海外旅行者数は前年度比6%増の572万人になりました」とのことです。

タイの海外旅行者数は、2012年時点で572万人という規模です(しかも、数では国境を接したマレーシアなどが上位を占めます)。そのうち、訪日したのは26万人。たとえば、同じ年の中国の海外出国者数は8300万人で、訪日は140万人。確かに、インバウンド振興において重要なのは市場規模がすべてではありません。むしろ市場の分散の必要こそが、昨年の教訓です。しかし、市場規模の違いは歴然としています。タイの人口は約6600万人ですが、広東省の人口だけで約9000万人いるのです。

その点について、別の在留邦人はこう指摘しています。「タイを訪れる日本人は1990年代に入り急増しましたが、2000年代に一時停滞しました。それでもここ数年の東南アジア経済の成長で持ち直し、最近はだいたい年間120~30万人で落ち着いています。

つまり、渡航者数には頭打ちとなる時期があるのです。では、訪日タイ人数の落ち着きどころはどのくらいか? こればかりは誰にもわかりませんが、私はだいたい50万人くらいではないか、と考えています。根拠があるわけではないですが、タイの人口や経済規模からいって、そのくらいに見積もるのが妥当という考えです」

タイの訪日旅行市場の伸び率は現状では高く見えるけれど、伸びしろは限りがあるのではないか。

昨年、中国問題で傷ついた日本の関係者の多くは、あらゆる面で好意的なムードと環境に恵まれたタイに来て癒されたのではないか、と思います。実は、ぼく自身まったくそうでした。その気持ちはわかるけれど、ムードだけで大挙して押し寄せても、どれだけの成果を得られるか、冷静に検討する必要があるだろう、という現地の声もあるのです。

食のプロモーションで連動しよう

タイで富裕層向け訪日旅行のフリーペーパー『The Cue Japan』を発行するO2 Asia Travel Design Co.,Ltd.の吉川歩代表取締役社長は、こう分析しています。

「タイの訪日旅行市場の規模を考えるポイントはふたつあります。まず、すでにいるリピーターがあと何回日本に来てくれるか? そして、初めて来日するタイ人旅行者があとどれだけ残っているか?」

我々日本側が新しく“発見”したと思っていたタイという優良な訪日旅行市場も、現地の感覚ではすでにかなり成熟しているというのです。こうした現地側の客観認識をふまえ、これからタイ市場に対して何をすべきなのか。吉川さんはこう提言します。

「まず大事なのは、リピートできる都市を増やすことでしょう。現在、東京、大阪、札幌などがそれに当たると思いますが、もっと候補がないとリピーターを増やすことはできません。では、タイ人が1回しか訪れてくれない都市と何度もリピートしてくれる都市との違いは何か。それは食にあると思います」

タイ人の日本食好きについては、本コラムでもこれまで何度か紹介してきましたが、やはり誘致のカギは食にあるというのです。

「タイ人の訪日誘致は観光だけでは十分ではないと思います。地元の食の魅力をいかに印象的に打ち出せるかが、知名度を上げることにつながります。おいしいものを食べてみたいという動機だけで、その土地に訪れたいと思うのがタイ人です。もっとそれぞれの地域が地元の食を前面に出してアピールすべきです。

そのためには、今回のトラベルフェアのような場でも、観光PRだけでなく、食のプロモーションと連動させるべきではないでしょうか」

実は、『DACO』(http:www.daco.co.th)という日本人の発行するタイ人向け情報誌の8月号に、茨城県の食の物産展の広告が載っていました。そこには、いかにもタイ人が好きそうなイチゴやメロンなどのフルーツや地元特産品が写真入りで紹介されていました。

バンコクではこうした日本の自治体の物産展がよくあるそうですが、残念ながら同県はTITFには出展していませんでした。

つまり吉川さんは、こうした食の物産展と観光誘致を連動させてPRすることが知名度を上げることにつながる。それがタイの訪日旅行市場の開拓にとって重要だというのです。これはすべての国で当てはまる手法ではないかもしれませんが、少なくともタイでは有効なのです。とても貴重な提言だと思います。

※やまとごころ.jp  http://www.yamatogokoro.jp/column/2013/column_140.html
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by sanyo-kansatu | 2013-10-02 13:36 | やまとごころ.jp コラム | Comments(0)