ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2013年 11月 01日

過去最高200万人超えなるか!台湾客急増の背景にはオープンスカイがある(台北ITF報告その5)

今年、訪日客の200万人超えが期待されている台湾。いまや訪日外客の5人に1人は台湾の人たちです。好調の背景には何があるのか。台北国際旅行博(ITF)会場でお会いした現地関係者にその理由を尋ねてみました。

――台湾の海外旅行は1979年の解禁。以来、30年以上の歴史をもつ成熟したインバウンド市場といえますね。

「台湾の訪日客は少しずつ増えていきました。当初は日本からの訪台客数のほうが多かったのですが、2000年前後一時逆転され、2005年以降はともに100万人を超えました。日台間には国交がないため、日本観光協会などが中心となって細々とPRを続けてきましたが、ビジットジャパンキャンペーンのスタートした2003年から本格的なプロモーションが始まりました。いまでも交流協会とJNTOで業務提携をしながら進めているのが現状です。

東日本大震災のあった2011年以降は、台湾からの訪日客のほうが日本の訪台客より多くなっています。昨年の訪日客数が146万人、そして今年200万人を超えそうな勢いです。ちょっとできすぎですかね」

――今年、台湾の訪日客がこんなに増えた背景には何があるのですか?

「最大の理由は、円安とオープンスカイが追い風になっていることです」

※台湾と日本の航空協定(オープンスカイ)改定は、2011年11月10日に調印されました。それによってチャイナエアライン(CI)とエバー航空(BR)の2社に加え、翌12年3月以降、マンダリン航空(AE)、トランスアジア航空(GE)の4社が定期便を就航させています。

現在、これに加えてLCCが日本と台湾を結んでいます。ジェットスター・アジア(3K)やピーチ・アビエーション(MM)、そして元エアアジアのバニラエア、シンガポールのスクート航空(TZ)です。もちろん、これに日本航空と全日空が加わります。しかも、台湾のエアラインは日本の地方都市とも多く就航していることが特徴です。

●オープンスカイ後、日台間に定期便を就航したエアライン
マンダリン航空
http://www.mandarin-airlines.com/index/index.html
トランスアジア航空(復興航空)
http://www.flytransasia.jp/
ピーチ・アビエーション
http://www.flypeach.com/jp/ja-jp/homeJP.aspx
バニラエア
http://www.vanilla-air.com/
スクート航空
http://www.flyscoot.com/index.php/ja/

――オープンスカイによる大幅な増便が背景にあることは当然として、JNTOでは早い時期からさまざまなプロモーションをしてこられたと思います。たとえば、1990年代、他の訪日マーケットに先駆けた北海道キャンペーンを打ち出し、ツアーを成功させたのも台湾市場でした。今回のITFでは、ジャパンゾーンを統括するJNTOブースはどんなテーマを掲げておられるのでしょうか。狙いや目的について一言教えてください。

「『日本で遊びまわろう』です。台湾の博覧会は即売会の意味合いが強いので、例年台湾の旅行会社を招き入れ、日本ツアーの販売増を目指しています」
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――台湾市場向けのプロモーションについてはどうですか。

「新聞やテレビ、雑誌などあらゆるメディアを使った通常のプロモーションはすべてやっていますが、台湾で特に有効なのはFacebookです。なにしろ人口2300万人の台湾で1400万人がFacebookを利用しているからです。若い世代はほぼ全員利用しているといっていい。
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日本の観光庁もFacebookのアカウントを持っています。ブロガーの意見を載せたり、おすすめコースを紹介したり、新しいデスティネーションのショートムービーををつくって公開したり、消費者の写真コンテストをやったりと、いろいろやっていますよ」

――そうしたSNSを活用した手法はいまや常道ともいえますが、仕掛けると最初に動き出すのが台湾市場なのでしょうね。

「台湾というのはありがたいことに、何かやると必ず反応が返ってくるんです。レスポンスがすごくいい。やりたいことはだいたいできている。もともと台湾の人たちは日本に行く気があるので、うまく押してあげるといいんです」

――同じことをやっても中国本土とは反応ずいぶん違うんですね。いちばん効くのは何でしょうか。

「やはりウエブ活用でしょう。最近は特に体験ものが人気があります。日本でサイクリングや農業体験、民泊をする。これといったキラーコンテンツがあるというより、目的が多様化しています。実際に体験した人がネットに書き込み、それを見て私もやりたいという動きがふつうに起きています。これからのプロモーションはFacebookやLINEが有効だと思います」

日本政府観光局(台湾)公式サイト
http://www.welcome2japan.tw/
日本旅遊活動 VISIT JAPAN NOW(Facebook)
https://www.facebook.com/VisitJapanNow

――それでも、台湾人の海外旅行は団体ツアーがかなりの割合を占めると聞きます。圧倒的にFIT化が進んだ香港とはどこが違うのですか。

「いまは台湾でも訪日旅行は団体とFITで五分五分です。香港の人たちは、考え方や行動スタイルが欧米化していて、何か気を引く情報があるとすぐに行ってみようとなるのですが、台湾の場合、最初はちょっとためらう人の割合が多いかもしれません。大丈夫かどうか、考えてから行動する慎重派が多い気がします。東京、大阪、北海道はFITでも大丈夫だけど、それ以外の地域はまだためらう人が多い。レンタカーもなかなか利用しない。中国語のナビがないからだといいます。香港人はとりあえず行って、あとで考えるという感じでしょうか。

ですから、プロモーションする側は彼らに安心感を与えてあげないといけない。後押しを丁寧にやってあげないといけません。ただ台湾の人たちはブームに弱いところもある。北海道やアルペンルートのツアーなどがそうでした。みんなが行くから私も行こう、となる」

――台湾の訪日旅行市場の特徴は他にもありますか。JNTOの重点五大市場に関する報告書によると、台湾は「M型社会」だと書かれていますね。

「それは台湾でも、中間層が減り、所得が両極端になって経済格差が起きているという話です。2000年代に入ってから言われていることです。富裕層専門の旅行会社もいくつかあります」

――鉄道旅行の可能性についても触れていますね。台湾では日本の鉄道旅行に関する雑誌の特集もよくあるようですね。
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「台湾には鉄道ファンが多いんです。九州の『ななつ星』がもし台湾でも買えれば必ず売れると思います。ジャパンレイルパスの売上がいちばん高いのは台湾でしょう。台湾は鉄道が発達していて、鉄道旅行に慣れています。だから、日本で鉄道旅をしてみたいという思いがあるのです。割引パスが普及してきたので、あとはポイントの情報をどう与えるかで、行き先が広がる。リピーターが多いのが台湾の特徴ですから、可能性はあります」

――今回のITFのフォーラムのテーマのひとつが「シルバー族」の海外旅行でした。

「台湾も少子高齢化が進んでいます。出生率は日本より低い。台湾も日本と同じで年寄りが多くて元気。これからはシニアを大事にしなければならないと思います」

――それにしても、ITFの会場を歩いて感じることは、台湾のツアーは驚くほど安いですね。その理由は何でしょうか。

「博覧会がなぜ人気があるか。割引して売ってくれるからです。香港に比べ台湾で団体ツアーの比率が高いのは、安いツアー商品が多いから。慎重派の台湾人にとってツアーは安心感があるのです」

――エアライン各社がFIT向けのスケルトンタイプ(航空券+ホテル)を破格の料金で売り出していますね。
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「台湾の場合、航空会社がキーエージェント制を敷いていて、特定の旅行会社に『座席買い取り制』に見られるようなビジネス慣行が通ってきたことが背景にあります。航空会社を頂点とした系列化で、優先的に席をあげるからと、押し売りもする。
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チャーター便は特に料金先払いで、売れないと旅行会社が損をするから、土壇場で叩き売りをする。まずいことに、消費者がそれを知ってしまったため、ぎりぎりまで待つ間際買いの傾向が出てしまった。いま日本にはビザがいらないから、前日でも申し込める。これには困っています。航空会社としては、飛ばせば飛ばすほど日本線は売れるからいいのですが、旅行会社は売り切れないと怖い」

――台湾の旅行業界は、日本のような大手は少なく小規模の会社が群雄割拠している感じでしょうか。それでもいくつか取扱規模の大きい企業はありますか。

「老舗は東南旅行社。北海道ツアーを最初に造成したのは同社です。取扱いでいうと、康福旅行社や雄獅旅行社、スタートラベルなどでしょうか」
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――今後、台湾の訪日旅行市場はどう発展していくと思われますか。

「いま台湾の海外旅行者数は年間1000万人程です。そのうち2割が日本というわけですが、これが4割や5割になることはちょっと考えられません。2~3割の間で落ち着くだろうと個人的には思います。これから先、欧米ツアーの料金が下がれば、そちらにずいぶん取られるかもしれません。

数もほしいが、質もほしい。それをどうやって実現できるか。(1990年代の日本人海外渡航者の急増を機に)アジアの安いツアーの造成のしくみを教えたのは日本です。コスト以下でランドに受けろという押し付けをやってきた。それをいまやり返されているんです。(インとアウトが拮抗してきた)ここらでお互い腹を割って話し合ういい時期になってきたかもしれませんね」

――これからの台湾向けプロモーションはどうあるべきでしょうか。

「これからはスター選手を次々作っていくことが大事だと思います。北海道の場合、東南旅行社と組んで造成したらよく売れた。すると2年後には他社もどんどん売り出し始めた。ひとつの成功事例をつくってしまえば、みんな売ってくれる。山形の蔵王もそう。どこでも売ろうと思えば売れるのが台湾です。

台湾の訪日旅行市場はますます多様化し、成熟化しているので、特別な地域を売ることも大事ですが、スポーツやグルメなど、いろんな新しい切り口での提案をすることではないでしょうか。たとえば、台湾国内ではマラソン大会が100近くあるんです。サイクリングも人気です。日本で走りたい人も多い。各種スポーツ団体と連携しながら、進めていくと面白いですね」
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by sanyo-kansatu | 2013-11-01 11:31 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 31日

FIT向け商品が続出する台湾市場(台北ITF報告その4)

台北国際旅行博(ITF)で、広域連携化とともに目に付くのは、FIT向け商品が続出していることです。

自治体ブースがPR主体であるのに対し、企業グループはどれだけ販売できるかが勝負です。まず鉄道グループのブースから見ていきましょう。
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近畿日本ツーリストを擁する近畿鉄道グループです。なかでも注目は、国内メディア販売大手のクラブツーリズムがアジアのFIT向けに販売しているバスツアーです。
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Club Tourism YOKOSO Japan Tour
http://www.yokoso-japan.jp/tc/index.htm

一般にはとバスなどが催行する外国人向けバスツアーの多くは、英語圏の利用者の比率が高いとされますが、クラブツーリズムの催行するツアーは、アジア客に好評です。たとえば、最も人気があるのは富士山とフルーツ狩りを組み合わせたツアーだそうです。関係者によると、日本人向けと基本的に同じツアー内容で、最近では、日本人客とアジア客を混載する商品もあるといいます。

世界でいちばん目が肥えているといわれる日本の消費者を相手に長年練り上げられてきたクラブツーリズムのバスツアーが、アジアのFIT層にも受け入れられているというのです。日本人とアジア客が混載するバスツアーというのは、これからの新しい国内旅行のスタイルを先取りしているといえるかもしれません。

阪急阪神集団のブースです。近年のLCCをはじめとした台湾と関空をつなぐ路線の急増で、関西方面を訪れる台湾客は増えています。
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もちろん、富士箱根方面も定番です。これは小田急電鉄と藤沢市の共催ブースです。
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鉄道グループでいうと、JR東日本とJR西日本も出展していて、同社が販売するJRパスのうち、台湾客の販売数が最も多いといわれています。

ジャパンレイルパス(外国人向けJR割引パス)
http://www.japanrailpass.net/ja/ja001.html

次は、キラーコンテンツを有する企業グループです。その筆頭はやはりTDLでしょう。東京ディズニー30周年を記念したスペシャル料金を打ち出しています。これもFIT商品です。
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タイの国際旅行フェアにも出展していた札幌の「かに本家」です。
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台湾人に人気の北海道に高級リゾートを展開する星野リゾートです。今年3月の新石垣空港オープンで、台湾から夏期のみトランスアジア航空やマンダリン航空が就航。竹富島にある「星のや 竹富島」への集客も期待されます。
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星のや 竹富島
http://www.hoshinoresort.com/resortsandhotels/hoshinoya/taketomijima.html

異色のブースは日本の出版大手角川書店です。同社では現地法人の台湾国際角川股份有限公司がローカル向け情報誌『台北ウォーカー』を発行しています。同誌の付録に日本旅行のための冊子『Japan Walker』があります。
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台湾国際角川股份有限公司
http://www.kadokawa.com.tw/
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同社では、日本国内で利用できるSIMカードパッケージ「台灣VISITOR SIM」を11月から発売するそうです。『JAPAN WALKER』がもつコンテンツの中で、救急対応など緊急連絡先情報、日本の旅行情報なども利用できるといいます。もちろんFIT向けのサービスです。
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近年、インバウンドビジネスにさまざまなメディア企業が参画していますが、角川書店のような古くから現地に根付いて日本のコミックやライトノベルズ、情報誌などを販売してきた出版社こそ、台湾の訪日旅行市場の下支えに大きく貢献してきたといえるでしょう。

日本の大手エアラインもブースを出展しています。JALとANAはそれぞれ台湾と日本の主要空港を結んでいますが、今回のブースではFIT向けに「日本自由行」と称して、割安な航空券や航空券+ホテルを販売していました。台湾のエアラインでもさらに価格を下げたFITパッケージを販売しており、競争は激化しています。おかげで台湾客はますます日本に行きやすくなっていると思われます。
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最後に、他の国の旅行博ではあまり見られない独特の販売スタイルについて紹介しておきましょう。台北国際旅行博(ITF)では、現地の旅行会社を日本のブースの中に招き入れて、各地域のPRとツアー商品の販売を同時に行っています。
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なかには、「日本専門店」を掲げる大興旅行社のようなエージェントもあります。ブースにはびっしりと日本全国を網羅したツアー商品の貼り紙が並べられています。こうして会場の中では、あの手この手の商戦が繰り広げられているのです。
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以下は、ジャパンゾーンの中にブースを置いた台湾の旅行会社です。これだけ競合相手がいると、価格競争が熾烈になるのは無理もなさそうです。

大興旅行社
http://www.tahsintour.com.tw/
山富旅行社
http://www.travel4u.com.tw/
大栄旅行社
http://www.gogojp.com.tw/
康福旅行社
http://www.colatour.com.tw/
スタートラベル(燦星旅行社)
http://www.startravel.com.tw/
湯桂禎旅行社
http://www.rolisa-tour.com.tw/
百順旅行社
http://e.ptrtour.com.tw/Web_3/major.asp
新台旅行社
http://www.eztour.com.tw/
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by sanyo-kansatu | 2013-10-31 15:33 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 31日

地方自治体の広域連携化で活気づくジャパンゾーン(台北ITF報告その3)

台北国際旅行博(ITF2013)では、出展規模が最大だったジャパンゾーンのにぎわいがひときわ目立っていたのは確かです。
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台湾人の渡航先は中国が1位で日本は2位ですが、海外旅行の人気先のトップは間違いなく日本です。しかし、それをいまさら強調することよりもっと大事なことがあります。アジアで最も成熟した旅行市場のひとつである台湾に対して、いかに効果的なプロモーションを進めるか、その手法を進化させることでしょう。

ざっとどんな団体が出展していたか見ていきましょう。

まずジャパンゾーンを統括する観光庁のVJゾーン。関係者によると、「テーマは特にないが、強いて言えば『日本で遊びまわろう』」。展示スペースと特設ステージが設置されていて、1日中イベントを繰り広げていました。
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たとえば、小林正典さんという2010年の「第4回全日本アニソングランプリ」で審査員特別賞を受賞したアニソン歌手のステージもありました。
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地方自治体のブースは、北は北海道から南は沖縄まで勢ぞろいです。興味深いのは、各県単位の出展ではなく、広域連携化がずいぶん進んでいたことです。

目についたブースを北から眺めていきましょう。まず台湾と多くの航空路線で結ばれている北海道。写真は、なぜかここだけジャパンゾーンの外にあった小樽と函館、道南地区のブースです。2013年3月に道内各地で撮影された台湾のトレンディードラマ『(邦題)ラブ・ラブ・ラブ』が、8月から放送を開始したことをふまえたPRのようでした。
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北海道マガジンの記事
http://pucchi.net/hokkaido/moviedrama/ftviuui.php

東北ブロック広域観光振興事業推進協議会です。東日本大震災後、国内客は戻って来たものの、唯一外客の戻りが遅いとされる東北だけに、台湾の人たちにはぜひ訪ねてほしいものです。今回のテーマは雪で、蔵王の樹氷が人気のあることから、統一したイメージで売り出そうとしています。ただし、海外では東北は紅葉が有名。雪はむしろ北海道やアルペンルートのほうが知名度が高く、競合してしまうところが気になります。海外の人たちは、やはりその国でいちばん有名な場所に行きたいと思うものだからです。
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もっとも、関係者によると、今年の秋は台湾から東北へのチャーター便が計画されているそうです。実際、福島を除くと東北には少しずつですが、台湾客が戻っていると聞きます。

関東ブロック広域観光振興事業推進協議会です。とかく東京一極集中しがちな外客の流れを分散させるべく、首都圏周辺の各県がそれぞれの魅力をPRしています。ただし、外国人の目から見ると、内容がいろいろありすぎて、テーマを絞りにくい印象があります。
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ほかにも、山陰山陽観光推進協議会、四国ブロック広域観光振興事業推進協議会、九州観光推進機構などの広域連携ブースがありました。
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なかでも注目は、中部広域観光推進協議会でしょうか。中部北陸9県を巻き込んだ「昇龍道」プロジェクトを展開していたからです。
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日本 中部北陸の旅「昇龍道」プロジェクト
http://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/kikaku/syoryudo/index.html

関係者によると、「アルペンルートで人気を呼んだ富山県も、単独では集客に限界があるので石川県、福井県と横で連携し、さらに長野県、岐阜県、愛知県などとも縦で結び、『昇龍道』というネーミングをつけて一つのルートとして魅力付けした。日本は島国で、外国客は空から入ってくるしかないのだから、まず定期便の発着する空港同士を結ぶモデルコースをつくることが重要」とのこと。
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その点、台湾からは日本各地にフライトが多数就航しているぶん、モデルルートのバリエーションの可能性が広がっています。同じ航空会社の就航地同士でないと、割引が利かないためツアーはつくりづらくなるので、当然制約はあります。

今回強く感じたのは、これだけ広域連携化が進むと、単独県での出展は来場客の目を引かないということです。地域固有の事情からではなく、外国客の視点や利便に合わせて用意周到練り上げられた広域連携が仕掛けられていくと面白いと思います。

最後に、旅行博ならでは、いかにも日本的だと思える雑多でのほのぼの&おとぼけシーンをいくつか。

彼女たちは「知多娘。」というご当地アイドルです。なんでも「知多半島の活性化」と「若者の就職支援」のために結成されたグループだそうです。
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知多娘。
http://www.chita-musume.com/

JRレイルパスのパンフレットを配っている台湾人のコスプレ案内嬢もいました。
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「徳川家康開運の旅」は中部国際空港を受け皿にした中部各県連携の企画のようです。
http://www.iyeyasu-mikawa.asia/ja/
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鳥取県は単独のブースはありませんが、21世紀梨と松葉ガニのパネルをつくって会場を歩かせていました。こういう手もあるんですね。
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by sanyo-kansatu | 2013-10-31 12:01 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 30日

台湾で中国本土ブースが不人気な理由(台北ITF報告その2)

台北国際旅行博(ITF2013)の会場の一画に中国本土の旅行関係者の出展するブースの集まるゾーンがあります。他のゾーンとの仕切りも特になく、来場者は同じイベントの一部だと思うのですが、なぜかそこは「海峡両岸 台北旅展」と呼ばれ、ITFとは別の入り口まで用意されています。
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主催は、ITFと同じ台湾観光協会と海峡両岸旅游交流協会の共催となっています。後者の組織については調べていませんが、ITFとはあくまで別企画という位置づけのようです。そのためか、ITFの制作した会場マップには、中国本土ゾーンだけ、出展者の配置図が書き込まれていません。なぜそんなことをするのか……。わざわざ「海峡両岸 台北旅展」としてITFとは別仕立てのイベントに見せようとする中国側の押しつけに対する台湾側の反発のようにも見えますが、どうでしょうか。

2日目の午前中、「海峡両岸 台北旅展」の中国本土ゾーンは気の毒なくらい閑散としていました。同じ時間、他のゾーンでは人ごみで身動きすら取れないほどだったのと比べると、いったいどうしたことなのか。
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中国本土ゾーンを歩いてみることにしました。ぼくは中国国内のレジャーシーンの変遷をこれまでウォッチングしてきたので、基本的に関心はあるのです。

そこには、中国全土の省と直轄都市、旅行会社などのブースが並んでいました。一部ミャオ族の民族衣装の展示した貴州省や省内の観光地の写真パネルを並べた遼寧省など面白いものもありました。また上海市のブースでは、来場者に特典をふるまうイベントがあったときだけ、人ごみが見られました。
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とはいえ、全体的には、簡素なブースを並べただけで、ただのやっつけ仕事にしか見えません。

確かに、中国の観光プロモーションのクオリティは他のアジア諸国と比べても著しく低い(あるいは、やる気がない)というのは、JATA旅博やタイの国際旅行フェアの会場でも見られたとおりです。だとしても、スタッフすらいない状況というのは、どうしたものか。こんなんでやる意味あるの?

現地の関係者に聞くと、毎年そうなんだそうです。

「台湾人の海外渡航者の数では中国がいちばん多いのですが、ほとんどビジネス渡航。レジャーは少ないんです」

かつて(たとえば1980年代)「大陸探親旅行」といって本土にいる親族を訪ねる中国旅行が台湾で流行ったものですが、それも遠い昔の話。確かに、いまの中国は環境破壊の話題に事欠きませんし、観光地は国内客であふれ返り、のんびり外国人が旅行を楽しむ雰囲気ではなくなりつつあるかもしれません。台湾の人たちも、わざわざそんな混雑する場所に行くより、日本など海外に行ったほうがくつろげると感じているのかも。

実際、ある台湾の旅行関係者はこんなことを言いました。「いま台湾には中国本土客がたくさん来るので、国内の観光地は中国客だらけ。台湾人が海外に旅行に行きたがるのは、近場のレジャーでは彼らと出くわしてしまうため、それを避けたいからなんですよ」

なるほど。……というか、なんとも言い難い話ですね。

実際、中台間の航空路線は全土にくまなく張りめぐらされています。この大半はビジネス路線と考えられます。
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中台の複雑な関係が、実に見事に表れているともいうべき、「海峡両岸 台北旅展」でした。
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by sanyo-kansatu | 2013-10-30 09:30 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 29日

来場者数が過去最高となった台北国際旅行博(台北ITF報告その1)

8月のタイのトラベルフェア(Thai International Travel Fair #13)に続き、10月は台北国際旅行博(ITF2013)に行ってきました。日程は、10 月18 日(金)~21日(月)です。
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会場は、台湾を代表する超高層ビル「台北101」(高さ509.2m、地上101階)に隣接する台北世界貿易センター1号館と3号館です。午前10時から開門されるのですが、30分以上前から行列ができるほどの盛況ぶりでした。
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台北国際旅行博(ただし、サイトの内容はすでに来年の告知に更新)
http://www.taipeiitf.org.tw/

台湾からの訪日旅行者数の大幅な増加の背景に何があるのか、知りたいと思っていました。JNTOが10月23日に発表した訪日外客数統計によると、2013年1月~9月の訪日台湾人は前年比52.3%増の166万9900人。伸び率でみればタイ59.2%増、ベトナム49.8%増、香港49.5%増と並んで見えますが、母数が違います。台湾は香港の3倍、タイの6倍近い規模です。訪日外客全体の5人に1人(21%)を台湾が占めていることからも、今年いかに多くの台湾客が訪日旅行したかを物語っています。

台北国際旅行博(ITF)は毎年10月に開催されます。1987年から始まり、今年で27回目。夏期の旅行商品の販売のために5月に開催される台北国際観光博覧会(TTE)や台中国際観光旅展(TITF)、高雄国際旅展(KITF)などもありますが、ITFが台湾最大の旅行商品展示会といえます。主催者発表によると、今回の来場者数は31万5240人と過去最高になったそうです。
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では、会場を歩いてみましょう。以下のように構成されています。
①台湾ゾーン
②アジア太平洋ゾーン
③欧米・中東アフリカ・南米ゾーン
④旅行会社ゾーン
⑤航空・運輸交通ゾーン
⑥その他関連団体
⑦グルメゾーン
⑧海峡両岸(中国本土)ゾーン
⑨ホテルゾーン(※ここのみ3号館)
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このうち最大エリアを占めるのは①台湾ゾーンで、国内の自治体や旅行会社などのブースが集まっています。次は⑧海峡両岸(中国本土)ゾーンですが、どうやら同じ会期中に同じ会場にありながら、「第9回海峡両岸台北旅展」として別企画の位置付けのようです(その理由は次回)。
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ざっと海外ゾーンのブースを眺めていきましょう。アジア太平洋を中心に数多くの政府観光局のブースが出展していました。
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なかでも注目は、スノーレジャーにテーマを絞り込んでPRのコンセプトを明確化した韓国でしょうか。韓国は海外の旅行博において毎回オールコリアでワンテーマを打ち出してくるのが特徴です。各自治体がバラバラに地元の魅力をアピールする日本とは違って、いかにも戦略的です。韓国の観光プロモーションのスタイルは日本を先んじているといわれても仕方がなさそうです。
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現地関係者によると、台湾の訪韓客は現状では訪日客の半数くらいに過ぎないものの、この10年の韓流ドラマやK-POPの流行で、台湾の若者の中にも「一度は韓国に行ってみようかな」という動きはあるようです。しかも旅行商品の価格帯が日本の半分とくれば、日本にとってライバルとなりうる存在かもしれません。その一方、韓国ではリピーターが育っていないのでは、という指摘もあるようで、こればかりはすぐに答えが出る話ではなさそうです。
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韓国のPRとくれば、やっぱり絶大な知名度を誇るこの人なんでしょうね。
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ほかにも、台湾や海外の航空会社ゾーン(写真はエア・アジアのキャンペーンガール)や、今年のGWに東京湾に寄航して話題を呼んだ超大型クルーズ客船「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」、那覇と石垣島に寄航する台湾発のクルーズ客船「スーパー・アクエリアス」の予約ブースなど、さまざまな企業団体が出展し、PRを繰り広げています。
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広い会場の中で、最も活況を呈しているのは、やはり地元の旅行会社のツアー即売会でしょう。旅行会社の担当者はマイク片手にステージに上がり、びっしり貼り出された会期中限定のスペシャル価格のツアー商品を声を上げて販売します。「ツアー商品の叩き売り」といってしまうと、少し言い過ぎかもしれませんが、日本ではちょっと見ることのない光景です。売れ行きを見ながら、スタッフはその場でチラシも書き直します。
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各旅行会社のブース内にはPC端末がいくつも用意されていて、来場者はスタッフの説明を聞きながら商品を検討しています。
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海外から多くの関係者が集まっているだけに、会場内はフリーWifiです。
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台湾滞在中に見たテレビニュースや新聞でも、ITFのことは報道されていました。台湾の年間出国者数は1000万人相当で、総人口2300万人の40%にあたる高い出国率が知られています(日本は13%)。それだけに台湾の人たちにとって旅行博は、日本では想像できないほど話題性の高いビッグイベントなのです。
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by sanyo-kansatu | 2013-10-29 14:51 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 02日

24回 この夏、日本の独壇場だった『タイ・トラベルフェア』レポート

8月中旬、タイのトラベルフェア(Thai International Travel Fair #13)に行ってきました。日程は、8月15日(木)~18日(日)。会場はバンコクのシリキット国際会議場(Queen Sirikit National Convention Center)です。
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TITF(ただし、サイトの内容はすでに来年春の告知に更新)http://www.titf-ttaa.com/
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タイのトラベルフェアは毎年2月と8月の年2回、開かれます。タイの旅行シーズンは4月のソンクラーン(旧正月)と10月のスクールホリデー(夏休み。タイでは10月がいちばん暑い!)なので、それを当て込んで2ヵ月前に催されるのです。

出展会場がそのまま旅行商品の一大即売会となるのが、タイのトラベルフェアの特徴です。単に観光局や旅行関連の展示ブースが並ぶだけでなく、航空券やホテルの宿泊券、パッケージツアーなどが特別価格で販売されるのです。当然会場は、この機を逃すまいと足を運ぶ一般客の姿であふれることになります。これは日本や中国のトラベルマートと大きく違うところです。

9月下旬現在、来場者数は集計中ということで発表されていませんが、参考までに昨年8月の同旅行フェアの主催者発表を挙げると、30万人だそうです。総売上も集計中ですが、昨年は3億バーツ(約9.3億円 1バーツ=3.1円)でした。

総出展ブース数もまだですが(昨年8月は597ブース)、今年2月の来場者は約80万人、売上も30億円規模でした。このことからタイのトラベルフェアは2月がメインで、8月はサブ的な位置付けであることがわかります。

※追記/その後、現地の英字紙の調べで、今回の来場者数は約40万人、売り上げは4億バーツ(約12.4億円)であることがわかりました。ただし、若干誇張された数字ではないかという感じもしますけど。

会場から見えてくるタイ人の海外旅行の現在形

では、会場を眺めていきましょう。

会場は各国の政府観光局、エアライン、ホテルといった展示が中心のブースと、旅行会社の展示即売、旅行グッズやガイドブックなどの物販ブースに分かれています。

「NTO(国家観光局)ゾーン」には、今回出展した中国や台湾、マレーシア、フィリピン、インドネシア、日本などのブースが並んでいました。珍しいところでは、ブータンのブースもありました。レンタカーやアウトドア関連の物販、クレジットカードの入会受付など、旅行にまつわるあらゆる商品のブースもあります。これらを眺めているだけでも、タイ人の海外旅行シーンの現在形が見えてきます。
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旅行会社の展示即売ブースでは、各社ともパネルにツアー料金のリストを大きく貼り出し、チラシやパンフレットを大量に用意してその場に特設カウンターを設け、ツアーを販売しています。来場客はいくつもの会社をめぐり、ツアー商品の中身と料金を見比べ、これぞと思うツアーを見つけると、その場で予約申し込みをします。なぜなら、前述したように、各社はこの会期中限定のスペシャル料金で売上を競い合っているからです。
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特設ステージも設置されていて、常時各国のプロモーションイベントやショーが繰り広げられています。タイのトラベルフェアにはお国柄がよく表れていて、お祭りのような楽しさにあふれていました。

※TITF会場の出展ブースの様子については、中村の個人blog「8月中旬、タイのトラベルフェアに行ってきました(TITF報告その1)」を参照。

圧倒的に盛況だったジャパンゾーン

今回のタイのトラベルフェア(TITF)で最もにぎわいを見せていたのは、ジャパンゾーン(日本の出展ブース)だったといっていいと思います。実際、他国のブースと比べても、日本は出展数が多く規模が大きいというだけでなく、力の入れよう、やる気がまるで違っているように見えました。日本の関係者の皆さんはいつも通りの生真面目さで、日本観光のPRにいそしんでおられました。それはまさに日本の独壇場といった光景でした。
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では、ジャパンゾーンを見ていきましょう。まず、ジャパンゾーンを束ねている日本政府観光局(JNTO)の「VJブース」です。ここには、来場客からの日本旅行に関する質問に答えるためにタイ人のスタッフが常駐しています。

今回ジャパンゾーンには、日本から24団体が参加しています。タイ人が最近急増している北海道。「昇龍道」というゴールデンルートに代わる特設ルートを設定し、広域連携する中部や北陸。タイ人誘客を模索している九州、沖縄などが、目を引きました。
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さらに、ジャパンゾーンとは別の場所で、H.I.SとJTBのバンコク支店がツアー販売を行っていました。彼らは地元の旅行会社と競合しながら、日々タイで営業を行っている現地法人です。

さて、TITFでは別会場で商談会やビジネスセミナーが行われます。今回日本側が強くアピールしたかったのは、8月16日の午後に行われた在タイ日本国大使館による査証免除に関するプレゼンテーションでした。今年7月1日よりタイ人に対する観光ビザの免除が実施されたことに対する広報PRが目的です。
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JNTOバンコク事務所によると、「今回は8月のTITFとして日本から過去最大の出展数(24団体)となりました。タイ人にとって日本は憧れの国です。ですからビザ免除は、現地メディアでも大きく報道されました。タイの人たちは、今回の決定で自分たちは日本に認められたのだと喜んでいます」とのことです。

同事務所がまとめた「TITF速報」によると、訪問地に関する来場客の問い合わせは、東京~大阪ゴールデンルートに含まれるエリアが最も多かったものの、これに北海道、高山・白川郷が続いたこと。また、これまで問い合わせの少なかった中国・四国地方などに関する質問も寄せられ、FITを中心としてタイ人の興味が全国に拡大していることが実感されたこと。旅行内容については、10月をターゲット時期とする旅行フェアのため、紅葉に関する質問が相次いだこと。鉄道パスやレンタカー等の移動手段やWiFi等の携帯利用に関する質問、温泉や食・レストランに関するものが多かったそうです。

これらの報告を見る限り、タイの訪日客はずいぶん成熟していることを実感します。質問内容からも、彼らが個人旅行の意欲にあふれていることもうかがえます。この夏実施された観光ビザ免除は、両国にとってきわめて好タイミングだったといっていいのでしょう。

JNTO関係者によると、来年2月のTITFの日本からの出展団体はさらに増えるだろうと予測しています。

※ジャパンゾーンの様子については、中村の個人blog「圧倒的なにぎわいを見せたジャパンゾーン。その理由は?(TITF報告その2)」を参照。

FIT仕様に進化するタイの日本旅行案内書

会場内には、旅行関連商品を扱う物販ゾーンもあり、タイ語の旅行ガイドブックが多数販売されていました。

正直なところ、タイで個人旅行のためのガイドブックがこれほど充実しているとは思っていませんでした。ぼくは中国の旅行書籍の事情にかなり精通していますが、実用書としての出来栄えを見る限り、明らかにタイは中国より進んでいます。誌面を通じて実際に日本を旅行している「タイ人読者=個人旅行者」の存在をうかがわせる企画内容や、実用に則したさまざまな編集的な仕掛けや工夫が見られるからです。これだけの書籍が存在する以上、成熟した旅行者がこの国には存在している。そう確信するに至りました。
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なかでも印象的だったのが、タイ人女性カメラマンのBAS(バス:ペンネーム、オラウィン・メーピルン:本名)さんの書いた旅行ガイドブック『ひとりでも行ける日本の旅』です。

このガイドブックは日本全国31か所の観光地について、アクセス情報も含めて、詳しく説明しています。同書の特徴は、東京や大阪などの主要都市から離れた日本語の標記しかない地方の観光地についても、地名標記の写真を掲載したうえ、タイ語に翻訳して説明してあるなど、日本語ができないタイ人でも、ひとりで日本旅行できるよう工夫を凝らさています。女の子らしいイラストも豊富に使われていて、楽しく読みやすいデザインになっています。タイの日本旅行案内書が、FIT仕様に進化していることがわかります。

実は、この本は今年2月に在タイ日本国大使公邸で開催された“Reception for Japan-bound Tourism Promotion”において、訪日旅行の促進に貢献した旅行ガイドブックとして「Japan Tourism Award in Thailand」を受賞しています。

※TITF会場で見つけた豊富な日本旅行案内書の世界については、中村の個人blog「タイで発行される日本旅行ガイドブックはよくできている(TITF報告その3)」を参照。

なぜ日本ブースはにぎわったのか

それにしても、今回のトラベルフェアでは、なぜジャパンゾーン(日本の出展ブース)がにぎわいを見せることができたのでしょうか。あらためて考えてみたいと思います。

まず考えられるのは、今年が「日本アセアン友好協力40周年」で、「(アセアン客)訪日100万人プラン」という観光庁の明快な目標が掲げられていたことがあるでしょう。それに加え、会場で会った多くの関係者から共通して聞かれたのは「円安とビザ緩和に対する期待の高さが主な理由だろう」という声でした。

もっともこんな声もありました。ローカルブースに出展していたあるタイ在住の日本関係者は、はっきりこう言います。「こんなに日本からの出展が増えたのは、中国問題にある。中国で痛い目に遭ったから、タイしかないというムードになったにすぎないのでは」。

日タイ関係を長く見てきた現地邦人たちは今回のジャパンブース盛況の理由を意外に冷静に見ているようです。確かに、日本側がこれほど積極的だったのは、昨年以降、中国に対する嫌厭感からにわかに進んだ日本経済の東南アジアシフトの機運と同調しているように思われます。そして、彼はこう付け加えました。

「今後、日本の皆さんが期待するほどのタイの訪日旅行マーケットの爆発が起こるとは限らない。それは事前に了解しておいてほしいと思います」。
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タイはここ数年、目覚ましい経済成長を遂げています。少なくともバンコクにいて、巨大なショッピングモールに繰り出すタイ人たちの旺盛な消費力を目にしていると、この国に多くの海外旅行者が現れても、なんら不思議ではないと感じたことは確かです。

タイではここ数年、政変や洪水など、経済成長にブレーキをかける事態が頻発しました。それでも、現地関係者によると「タイの海外旅行市場は、2011年後半(10月末から12月前半)の大洪水の影響で12年度前半は落ち込みが見られました。しかし、後半は持ち直し、最終的には12年全体の統計で、タイ人の海外旅行者数は前年度比6%増の572万人になりました」とのことです。

タイの海外旅行者数は、2012年時点で572万人という規模です(しかも、数では国境を接したマレーシアなどが上位を占めます)。そのうち、訪日したのは26万人。たとえば、同じ年の中国の海外出国者数は8300万人で、訪日は140万人。確かに、インバウンド振興において重要なのは市場規模がすべてではありません。むしろ市場の分散の必要こそが、昨年の教訓です。しかし、市場規模の違いは歴然としています。タイの人口は約6600万人ですが、広東省の人口だけで約9000万人いるのです。

その点について、別の在留邦人はこう指摘しています。「タイを訪れる日本人は1990年代に入り急増しましたが、2000年代に一時停滞しました。それでもここ数年の東南アジア経済の成長で持ち直し、最近はだいたい年間120~30万人で落ち着いています。

つまり、渡航者数には頭打ちとなる時期があるのです。では、訪日タイ人数の落ち着きどころはどのくらいか? こればかりは誰にもわかりませんが、私はだいたい50万人くらいではないか、と考えています。根拠があるわけではないですが、タイの人口や経済規模からいって、そのくらいに見積もるのが妥当という考えです」

タイの訪日旅行市場の伸び率は現状では高く見えるけれど、伸びしろは限りがあるのではないか。

昨年、中国問題で傷ついた日本の関係者の多くは、あらゆる面で好意的なムードと環境に恵まれたタイに来て癒されたのではないか、と思います。実は、ぼく自身まったくそうでした。その気持ちはわかるけれど、ムードだけで大挙して押し寄せても、どれだけの成果を得られるか、冷静に検討する必要があるだろう、という現地の声もあるのです。

食のプロモーションで連動しよう

タイで富裕層向け訪日旅行のフリーペーパー『The Cue Japan』を発行するO2 Asia Travel Design Co.,Ltd.の吉川歩代表取締役社長は、こう分析しています。

「タイの訪日旅行市場の規模を考えるポイントはふたつあります。まず、すでにいるリピーターがあと何回日本に来てくれるか? そして、初めて来日するタイ人旅行者があとどれだけ残っているか?」

我々日本側が新しく“発見”したと思っていたタイという優良な訪日旅行市場も、現地の感覚ではすでにかなり成熟しているというのです。こうした現地側の客観認識をふまえ、これからタイ市場に対して何をすべきなのか。吉川さんはこう提言します。

「まず大事なのは、リピートできる都市を増やすことでしょう。現在、東京、大阪、札幌などがそれに当たると思いますが、もっと候補がないとリピーターを増やすことはできません。では、タイ人が1回しか訪れてくれない都市と何度もリピートしてくれる都市との違いは何か。それは食にあると思います」

タイ人の日本食好きについては、本コラムでもこれまで何度か紹介してきましたが、やはり誘致のカギは食にあるというのです。

「タイ人の訪日誘致は観光だけでは十分ではないと思います。地元の食の魅力をいかに印象的に打ち出せるかが、知名度を上げることにつながります。おいしいものを食べてみたいという動機だけで、その土地に訪れたいと思うのがタイ人です。もっとそれぞれの地域が地元の食を前面に出してアピールすべきです。

そのためには、今回のトラベルフェアのような場でも、観光PRだけでなく、食のプロモーションと連動させるべきではないでしょうか」

実は、『DACO』(http:www.daco.co.th)という日本人の発行するタイ人向け情報誌の8月号に、茨城県の食の物産展の広告が載っていました。そこには、いかにもタイ人が好きそうなイチゴやメロンなどのフルーツや地元特産品が写真入りで紹介されていました。

バンコクではこうした日本の自治体の物産展がよくあるそうですが、残念ながら同県はTITFには出展していませんでした。

つまり吉川さんは、こうした食の物産展と観光誘致を連動させてPRすることが知名度を上げることにつながる。それがタイの訪日旅行市場の開拓にとって重要だというのです。これはすべての国で当てはまる手法ではないかもしれませんが、少なくともタイでは有効なのです。とても貴重な提言だと思います。

※やまとごころ.jp  http://www.yamatogokoro.jp/column/2013/column_140.html
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by sanyo-kansatu | 2013-10-02 13:36 | 最新インバウンド・レポート | Comments(0)
2013年 09月 26日

タイ人客の誘致は食のプロモーションと連動させるべき(TITF報告その4)

8月中旬にバンコクで行われたタイのトラベルフェア(Thai International Travel Fair #13)で、日本からの出展団体で構成されるジャパンゾーンが盛況だったことを先日報告しましたが(→圧倒的なにぎわいを見せたジャパンゾーン。その理由は?(TITF報告その2))、その点について以前ぼくはこう書きました。

日本側がこれほど積極的だったのは、出展団体の多くが、昨年以降の中国に対する嫌厭感からにわかに進んだ日本経済の東南アジアシフトの機運と同調しているからだろうと。

ローカルブースに出展しているあるタイ在留邦人も、はっきりこう言います。「こんなに日本からの出展が増えたのは、中国問題にある。中国で痛い目に遭ったから、タイしかないというムードになったにすぎないのでは」。

日タイ関係を長く見てきた現地邦人たちは、今回のジャパンブース盛況の理由を意外に冷静に見ているのです。そして、彼はこう付け加えました。

「今後、日本の皆さんが期待するほどのタイの訪日旅行マーケットの爆発が起こるとは限らない。それは事前に了解しておいてほしいと思います」。

確かに、タイはここ数年、目覚ましい経済成長を遂げ、少なくともバンコクにいて巨大なショッピングモールに繰り出すタイ人たちの旺盛な消費力を目にしていると、この国に多くの海外旅行者が現れても、なんら不思議ではないとぼくは感じました。

実は、タイではこのところ政変や大洪水など、経済成長にブレーキをかける事態が頻発しました。それでも、現地関係者によると「タイの海外旅行市場は、2011年後半(10月末から12月前半)の大洪水の影響で12年度前半は落ち込みが見られましたが、後半は持ち直し、最終的に12年全体の統計では、タイ人の海外旅行者数は前年度比6%増の572万人」とのことです。

タイの海外旅行者数は、2012年時点で572万人という規模です(しかも、数では国境を接したマレーシアなど近隣国が上位を占めます)。そのうち、訪日したのは26万人。たとえば、同じ年の中国の海外出国者数は8300万人で、訪日は140万人です。確かに、インバウンドは市場規模がすべてではありません。むしろ市場の分散の必要こそが、昨年の教訓ですから。しかし、市場規模の違いは歴然としています。タイの人口は約6600万人ですが、広東省の人口だけで約9000万人いるのです。

その点について、別の在留邦人はこう指摘しています。「タイを訪れる日本人は1990年代に入り急増しましたが、2000年代に一時停滞しました。それでもここ数年また東南アジア経済の成長で持ち直し、だいたい年間120~30万人で落ち着いています。

つまり、渡航者数には頭打ちの時期があるのです。では、訪日タイ人数の落ち着きどころはどのくらいか? こればかりは誰にもわかりませんが、私はだいたい50万人くらいではないか、と考えています。根拠があるわけではないですが、タイの人口や経済規模からいって、そのくらいに見積もるのが妥当という考えです」

タイの訪日市場の伸び率は高いけれど、伸びしろには限りがあるのではないか。

昨年、中国で傷ついた日本人は、あらゆる面で好意的なムードと環境に恵まれたタイに来て癒された。実は、今回ぼく自身まったくそうでした。その気持ちはわかるけど、ムードだけで押し寄せても、どれだけの成果を得られるか、冷静に検討する必要があるだろう、という現地の声もあるのです。

タイで富裕層向け訪日旅行のフリーペーパー『The Cue Japan』を発行するO2 Asia Travel Design Co.,Ltd.の吉川歩代表取締役社長は、こう分析しています。
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The Cue Japan
https://www.facebook.com/pages/The-Cue-Japan/232035476859567

「タイの訪日旅行市場の規模を推定するポイントは2つあります。まず、すでにいるリピーターがあと何回日本に来てくれるか? そして、初めて来日するタイ人旅行者があとどれだけ残っているか?」

我々日本サイドが新しく“発見”したと思っていたタイという優良な訪日旅行市場も、現地の感覚ではすでにかなり成熟しているというのです。こうした現地サイドの客観認識をふまえ、これからタイ市場に対して何をすべきなのか。吉川さんはこう提言します。

「まず大事なのは、リピートできる都市を増やすことでしょう。現在、東京、大阪、札幌などがそれに当たると思いますが、もっと候補がないとリピーターを増やすことはできません。では、タイ人が1回しか訪れてくれない都市と何度もリピートしてくれる都市との違いは何か。それは食にあると思います」

タイ人の日本食好きについては、本ブログでも何度か紹介してきましたが(→タイ人はイチゴが大好き!? 旅行作家・下川裕治さんが語る「タイ人客はドーンと受け入れてあげるといい」)、やはり誘致のカギは食にあるというのです。吉川さんは言います。

「タイ人の訪日誘致は観光だけでは十分ではないと思います。地元の食の魅力を打ち出すことが、知名度を上げることにつながります。おいしいものを食べてみたいという動機だけで、その土地に訪れたいと思うのが、タイ人です。もっとそれぞれの地域が地元の食を強くアピールすべきでしょう。

そのためには、今回のトラベルフェアのような場でも、観光PRだけでなく、食のプロモーションと連動させるべきではないでしょうか」

なるほどと思いました。お祭りのようなタイのトラベルフェアですから、きまじめに「観光」PRだけに徹する必要はないのです。

実は、『DACO』(http:www.daco.co.th)という日本人の発行するタイ人向け情報誌の8月号に茨城県の食の物産展の広告が載っていました。そこには、いかにもタイ人が好きそうなイチゴやメロンなどのフルーツや地元食品が写真入りで紹介されていました。
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バンコクではこうした日本の自治体の物産展がよくあるそうですが、残念ながら同県はTITFには出展していませんでした。

つまり、吉川さんは、こうした食の物産展と観光誘致を連動させることが知名度を上げることにつながる。それがタイの訪日旅行市場の開拓にとって重要だと言っているのです。これはすべての国で当てはまる手法ではないかもしれませんが、少なくともタイでは有効なのです。

ところで、話は変わりますが、今回JNTOバンコク事務所がまとめた「TITF速報」には以下のような文面がありました。

・ 開催期間中、VJブースは常に来訪者で賑わっている状況であったが、他国NTOブースは閑散とした状況であり、訪日旅行の人気ぶりが顕著であった。

なかでも中国ブースの閑散とした状況は、たまたま隣にジャパンゾーンがあったことからも、その対照的な光景が印象に残りました。なぜだったのか。これにはいろいろ理由が考えられます。
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まず8月のTITFは2月に比べ、サブ的なイベントであることから、中国側のモチベーションは最初から低かったのかもしれません。いくつかの省ごとに机を並べただけの簡素な出展ブースにパンフレットを置くだけではPRにつながらないことは、最初から彼らもわかっていたことでしょう。午後になると、接客するスタッフすらいなくなっていたほどでした。

実は、先日東京ビッグサイトで開催されたJATA旅博でも、中国ブースでは同様の光景が見られました。「日本からの中国ツアー8割減」というニュースが伝えられる中、商機がないと悟ると、さっさと現場を立ち去る姿は、いかにも「中国人」らしいというべきなのか?

ただし、こんな事情もあるかもしれません。今年、タイを訪れる中国人観光客は過去最高になり、日本人客をはるかにしのいでいます。いまの中国の旅行業界はインバウンドよりもアウトバウンドに関心があるようです。国家旅游局の予算の配分にも影響があるのかも。

それからもうひとつ。日本より数の上では多くのタイ人客が訪れている韓国は、今回のTITFに出展すらしていませんでした(来年2月は出展するでしょうけれど)。今回のTITFにおいてジャパンゾーンが盛況だったことも、競合国のこうしたドライな対応を差し引いて考える必要があるのかもしれません。
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by sanyo-kansatu | 2013-09-26 12:40 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 09月 25日

圧倒的なにぎわいを見せたジャパンゾーン。その理由は?(TITF報告その2)

今回のタイのトラベルフェア(TITF)で最もにぎわいを見せていたのは、ジャパンゾーン(日本の出展ブース)だったといっていいと思います。なにもこんなところで日本を持ち上げても仕方ないのですが、他国のブースと比べても、日本は出展数が多く規模が大きいというだけでなく、力の入れよう、やる気がまるで違っているように見えました。日本の関係者の皆さんはいつも通りの生真面目さで、日本観光のPRにいそしんでおられました。
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では、ジャパンゾーンを見ていきましょう。まず、ジャパンゾーンを束ねている日本政府観光局(JNTO)の「VJブース」です。秋以降の日本ツアーのイメージを打ち出すということもあり、テーマは「祭り」だそうです。
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ここでは日本の特定の地域のPRをすることは基本的にありませんが、来場客からの日本旅行に関する質問に答えるためにタイ人のスタッフを多数常駐させています。
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今回ジャパンゾーンには、以下の24団体が参加しています。

1)日本国観光庁・日本政府観光局(JNTO)
2)北海道観光振興機構
3)北海道観光ブランド育成協議会
4)札幌市
5)仙台市/東北観光推進機構
6)群馬県みなかみ町
7)静岡県
8)北陸国際観光テーマ地区推進協議会
9)日本中部(岐阜県・長野県・名古屋観光コンベンションビューロー)
10)関西&大阪(Jプロデュース)
11)紀伊半島滞在型観光プロモーション事業実行委員会
12)九州観光推進機構
13)ツーリズムおおいた
14)沖縄観光コンベンションビューロー
15)東日本旅客鉄道(びゅうトラベルサービス)
16)東京急行電鉄
17)EDOWONDERLAND日光江戸村
18)ドン・キホーテ
19)東京ディズニーリゾート
20)さっぽろかに本家
21)いわさきグループ
22)JTBグローバルマーケティング&トラベル
23)ジャパニカンドットコム
24)ジャパンショッピング&トラベルガイド

会場をめぐりながら関係者にいくつかヒアリングをしましたが、タイ人が最近急増している北海道や、「昇龍道」という特設ルートを設定し、広域連携する中部や北陸、タイ人誘客を模索している九州、沖縄などのブースが目を引きました。
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北海道のブースでは本物の雪だるまを展示していました。タイの子供たちが寄ってきて、おそるおそる触れていました。ありがちな演出かもしれませんが、常夏の国タイの人たちにはウケるのでしょうね。
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札幌市のブースには日本語を話すタイ人女性が2名いました。「北海道でタイ人がよくツアーに行くのは道南です。札幌、小樽、函館を訪ね、登別温泉に泊まります。雪まつりが人気です」とのこと。
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宮城県仙台市のゆるキャラ「むすび丸」と一緒に記念撮影するタイの女子大生。 
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今年、世界遺産となった富士山はタイ人のツアーには絶対はずせないスポット(静岡県ブース)。
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中部や北陸が広域連携して企画した「昇龍道」。ゴールデンルートに代わる新しい定番ルートになるか?
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ステージで沖縄のエイサーを披露した皆さん。
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Japanレイルパスの販売にも力を入れている。今後増えるであろうタイの個人旅行者の必須アイテムとなるはずだ。
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日光江戸村は早くからタイ人客の誘致に力を入れていた。
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小売業者として唯一日本から出展していたドンキホーテ。
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東京ディズニーリゾートはタイ人にも人気。
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JTBグローバルマーケティング&トラベルの運営する訪日外国人向け宿泊&ツアーサイト「JAPANiCAN」http://www.japanican.com/thai/は今年3月、タイ語のトップページを構築した。
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さらに、ジャパンゾーンとは別の場所で、HISとJTBのバンコク支店のブースがツアー販売を行っていました。彼らは地元の旅行会社と競合しながら、日々タイで営業を行っている現地法人です。興味深いのは、この日本を代表する旅行大手2社が出展したブースの雰囲気とそこに集まる客層、接客スタイルなどを比べると、まるで日本における両社の特徴をそのまま反映しているように見えたことです。
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ひとことでいえば、JTBのブースに集まる客層は比較的裕福に見える中高年が多く、HISには若い客層が多いのです。これは日本でもそうなので、面白いものだと思いました。

タイではJTBもHISもブランド力という観点でみれば、大差はありません。知名度は両社ともまだないといっていい。では、扱う商品や営業スタイルが違うのか。それもあるでしょうが、重要なのは、両社の世界戦略の違いです。つまり、ローカル客に対してどこまで営業に注力しているか、という姿勢の違いでしょう(→「HIS、世界企業へ離陸 東南アジアで消費者開拓」【2013年上半期④HIS】)。

そのせいでしょうか、HISのブースのほうが圧倒的に勢いがありました。その理由については、このブログでも以前少し触れましたが(→「HISタイの訪日旅行の取り組みは要注目です」)、今回は同バンコク支店を取材したので、別の回であらためてもう少し詳しく紹介したいと思います。
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日系企業という意味では、イオンのブースにも興味を持ちました。同社は自社の発行するクレジットカードのPRのための大きなブースを出していたのです。海外旅行者が増えるとクレジットカード需要が増えるのは当然です。イオンはタイで小売分野だけでなく、金融分野でも勢力を伸ばそうとしていると聞きます。
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さて、TITFでは別会場を使った商談会やビジネスセミナーが行われます。今回日本側が強くアピールしたかったのは、8月16日の午後に行われた在タイ日本国大使館による査証免除に関するプレゼンテーションでした。今年7月1日よりタイ人に対する観光ビザの免除が実施されたことに対する広報PRが目的です。
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VJ(JNTO)ブースにも「日本観光に、ビザは不要となりました」とタイ語で書かれたパネルが掲げられていました。

JNTOバンコク事務所のスタッフによると、「今回は8月のTITFとしては日本から過去最大の出展(24団体)となりました。タイ人にとって日本は憧れの国です。ですからビザ免除は、現地メディアでも大きく報道されました。タイの人たちは、今回の決定で自分たちは日本に認められたと喜んでいます」とのことです。

同事務所がまとめた「TITF速報」によると、以下のような問い合わせ、質問があったそうです。

・ 訪問地に関する問い合わせでは、東京~大阪のゴールデンルートに含まれるエリアが最も多く、これに北海道、高山・白川郷が続くといった状況であった。但し、問い合わせは人気地域に集中している訳ではなく、これまで問い合わせの少なかった中国・四国地方などの地域に関する質問も寄せられ、前回2月のTITF旅行フェア同様、FIT旅行者を中心としてタイ人の興味が全国に拡大していることが実感された。

・ 旅行内容についての問い合わせでは、10月をターゲット時期とする旅行フェアのため、紅葉に関する質問が相次いだ。また、FIT層の増加に伴う鉄道パスやレンタカー等の移動手段やWiFi等の携帯電話利用に関する質問、さらには、温泉や食・レストランに関する問い合わせが寄せられた。

・ リピーター増加に連れて質問内容が深化する一方で、「日本のどこに、いつ行くべきか」といった訪日未経験者からの質問も多数寄せられ、訪日旅行市場のすそ野が拡大していることを感じられた。

・ 年末年始に関する問い合わせや、スノーレジャーに関する質問も目立っていた。

・ 査証カウンターでは、滞在可能日数や入国審査時の必要資料について質問を受けた。

(第13回Thai International Travel Fair(通称TTAA旅行フェア)出展についてのご報告(速報)より抜粋)

これらの報告を見る限り、タイの日本旅行客はずいぶん成熟しつつあることを実感します。質問内容からも、彼らが個人旅行の意欲にあふれていることもうかがえます。タイの消費者がこうした状況を迎えた中で実施された観光ビザ免除は、両国にとってきわめて好タイミングだったというべきでしょう。

今回会場で会った多くの関係者に共通していた声があります。それは、ジャパンゾーン(日本の出展ブース)が盛況だったのは「円安、ビザ緩和」が主な理由だろう、というものでした。たまたま2013年が「日本アセアン友好協力40周年」にあたり、「(アセアン客)訪日100万人プラン」という明快な政策目標が掲げられていたこともあるでしょう。しかし、日本側がこれほど積極的だったのは、昨年以降の中国に対する嫌厭感からにわかに進んだ日本経済の東南アジアシフトの機運と同調しているからだと思います。

JNTO関係者によると、来年2月のTITFの日本からの出展団体はさらに増えるだろうと予測しているそうです。

こうしてみると、今回のタイのトラベルフェアにおけるジャパンゾーンの盛況ぶりは、日本とタイ両国の双方のそれぞれの事情が、偶然であれ何であれ、うまく結びついた結果なのだろうと思います。このようなことは、いつでも、どこの国との間でも起こるとは限りません。だからこそ、タイとの関係は大切にすべきだといえるでしょう。
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by sanyo-kansatu | 2013-09-25 16:39 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 09月 25日

8月中旬、タイのトラベルフェアに行ってきました(TITF報告その1)

8月中旬、タイのトラベルフェア(Thai International Travel Fair #13)に行ってきました。日程は、8月15日(木)~18日(日)。会場はバンコクのシリキット国際会議場(Queen Sirikit National Convention Center)です。
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TITF(ただし、サイトの内容はすでに来年春の告知に更新)
http://www.titf-ttaa.com/
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タイのトラベルフェアは毎年2月と8月の年2回、開かれます。タイの旅行シーズンは4月のソンクラーン(旧正月)と10月のスクールホリデー(夏休み。タイでは10月がいちばん暑い!)なので、それを当て込んで2か月前に催されるのです。

というのも、日本や中国などで開催されるトラベルフェアとの大きな違いは、会場が旅行商品の一大即売会となることです。つまり、タイのトラベルフェアの会場には、単に観光局や旅行関連の展示ブースが並ぶだけでなく、航空券やホテルの宿泊券、パッケージツアーなどが特別価格で販売されるのです。当然会場は、この機を逃すまいと足を運ぶ一般客の姿であふれることになります。
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9月下旬現在、来場者数は集計中ということで発表されていませんが、参考までに昨年8月の同旅行フェアの主催者発表を挙げると、30万人だそうです。総売上も集計中ですが、昨年は3億バーツ(約9.3億円 1バーツ=3.1円)。

総出展ブース数もまだですが(昨年8月は597ブース)、今回出展した海外の主な政府観光局は、中国、台湾、マレーシア、フィリピン、インドネシアなどでした。大体の規模がおわかりになったかと思いますが、実はタイのトラベルフェアはもともと2月がメインで、8月のイベントの規模はそれに比べると小さいそうです(8月の開催は2011年から。また2月の来場者は毎年約80万人、売上も30億円規模とのこと)。

では会場をざっと眺めていきましょう。

会場は大きく各国の政府観光局、エアライン、ホテルといった展示が中心のブースと、海外や地元タイの旅行会社や旅行グッズ、ガイドブックなどの展示即売&物販ブースに分かれています。
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珍しいところでは、ブータンの政府観光局ブースもありました。また、レンタカーやアウトドア関連の物販、クレジットカードの入会など、あらゆる旅行にまつわる商品のブースが集まっています。こうしたブースを眺めているだけで、タイ人の旅行シーンの現在形が見えてきます。
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展示即売ブースでは、各社ともパネルに各種ツアー料金リストを大きく貼り出し、チラシやパンフレットを配るのはもちろんですが、その場に特設カウンターを設け、ツアーを販売しています。来場客はいくつもの会社をめぐり、ツアー商品の中身と料金を見比べ、これぞと思うツアーを見つけると、その場で予約申し込みをします。なぜなら、前述したように、各社はこの会期中限定のスペシャル料金で売上を競い合っているからです。
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会場には、床に座り込んで、ブースめぐりでかき集めた大量のチラシやパンフレットを整理している一般客の姿もよく見かけます。いかにもタイらしい光景ですね。
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また特設ステージも設置されていて、常時各国エリアのプロモーションイベントやショーが繰り広げられています。タイのトラベルフェアにはお国柄がよく表れていて、お祭りのような楽しさにあふれていました。
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最後は会場に華やぎを与えてくれた、エアラインのキャンペーンガールたちのスナップです。ともにタイのLCC、ノック・エアとジェット・アジアの2社です。タイはアジアのLCC先進国のひとつです。その件はまた後日。
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さて、出展していた日本のブースの様子はどうだったでしょうか。次回「圧倒的なにぎわいを見せたジャパンゾーン。その理由は?」をご参照ください。
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by sanyo-kansatu | 2013-09-25 11:35 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 07月 12日

香港客大躍進の背景に「Rail & Drive」プロモーションあり !?

このところ、タイの訪日旅行について報告を続けていますが、日本政府観光局(JNTO)の報道資料によると、香港が5月の統計では対前年同月比82.2%増とトップです。タイは確かに1~5月の総数ではトップですが、5月単月でみると香港がすごい伸びです。

タイ人もそうですが、香港人もたくさん日本旅行に来ているんです。どうしてなのか?

日本政府観光局(JNTO)2013年6月19日報道資料
http://www.jnto.go.jp/jpn/news/data_info_listing/pdf/130619_mothly.pdf

実は、先日タイ人に人気の西新宿の焼肉店「六歌仙」を訪ねたとき、「タイ人の来店も多いですが、最近は香港のお客さまの来店も増えていますよ」と社長は話していました。いま東京では特に香港の個人客が多く出没しているようなのです。

JNTOは香港の訪日客大躍進の背景について以下のように分析しています。

「香港は、仏誕節(5月17日(金))により3連休となり、近距離の海外旅行をしやすい環境だったことや、先月から続く航空会社によるプロモーション料金の設定が訪日旅行客数の大幅増加の要因となった。訪日旅行は円高の是正により都市圏へのショッピングを目的とした旅行者の増加が目立った。さらに、鉄道旅行とドライブ旅行のトレンドを醸成し、訪日旅行の需要拡大を図っている」

要するにどういうことなのか--。JNTO香港事務所所長の平田真幸さんに直接お尋ねしたところ、以下のコメントをいただきました。

「(訪日客急増の背景には)円高是正で、今まで我慢していた人たちが一気に動き出したことがあります。4月頃から割安の航空券が出ていることも、それを後押ししています。さらに、我々JNTOが今年から進めている『Rail & Drive』プロモーションで新たな日本の魅力が効果的に打ち出せていることが大きいと思います」

「Rail & Drive」プロモーションって何でしょうか?

JNTO香港の今年度のプロモーション方針によると、「『Rail & Drive』を活用した新しい訪日旅行のスタイルをテーマにプロモーションを『a different Japan Rail & Drive』と名づけて展開」しているそうです。

平成25年度 香港市場プロモーション方針・事業計画概要
http://www.jnto.go.jp/jpn/services/pdf/pp_hongkong.pdf

a different Japan Rail & Drive
http://www.welcome2japan.hk/differentjapan/
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地元香港経済新聞によると、「香港人で日本旅行に行く人は4人に1人が10回以上の渡航経験を持つ。75%がFITと呼ばれる個人旅行客で、最近では電車やレンタカーを駆使して旅行行程を組むパターンも多い。

日本人が観光するのと同じように、香港人が電車を使ったり、レンタカーを予約するなど高度な旅行プランを組めるようになったことで、これまで外国人観光客が訪れることが少なかった地域にも香港人が現れるケースはさらに増えそうだ」そうです。

レール&ドライブで渡航スタイル向上-香港人の日本旅行、過去最高の推移(香港経済新聞2013年5月13日)
http://hongkong.keizai.biz/headline/41/

要するに、我々日本人が鉄道や飛行機とレンタカーを組み合わせて国内旅行するのとまったく変わらないスタイルで香港の人たちが訪日旅行を楽しむようになったということなのです。それは日本人がハワイやアメリカでレンタカーを借りてドライブ旅行しているのと同じです。

香港の訪日客の約8割は、飛行機とホテルのみ予約を入れて来日し、自由旅行を楽しむFITです。日本人が3泊4日で香港グルメの旅に行くのと同じ気軽さで、日本を楽しみに旅行に来るのが香港人というわけです。

同記事の中には、香港客の受け入れをさらに進めるために日本側が努力しなければならない点として、前述の平田真幸JNTO香港支局長が以下の指摘をしています。

「香港人の渡航スタイルの成熟度を受けて、『訪日旅行をもっと増やすためには、日本の皆さんが海外をもっと経験する必要がある』と指摘。『ATMやWi-Fi(ワイファイ)・言語など日本はまだグローバルスタンダードに追いついていない点もある。外国人の求めるものを分かってこそ』」

香港から戻ってきた知り合いの多くが、東京ではWi-Fiが使えないとよく言います。この種のインフラ整備は、紙のパンフレットを量産するよりもっと優先しなければならないことを香港客は我々に教えてくれています。
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by sanyo-kansatu | 2013-07-12 12:06 | “参与観察”日誌 | Comments(0)