ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 10月 04日

訪日外国人の免税売上の伸張で、今夏の百貨店売上は好調でした 

8月末に大阪を訪ねたとき、難波の高島屋の資生堂コーナーの前に並ぶ中国客の行列を見て驚いた話を以前書きました。
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大阪インバウンドのにぎわいは日本最強か!? (2017年 09月 09日)
http://inbound.exblog.jp/27104053/

中国客の「爆買い」は終わったはずなのに、相変わらず、すごいなと思ったものですが、行列しているのは団体客ではなく、個人客の皆さんです。 

そして、メディアも訪日外国人の免税売上の伸張で、今夏は百貨店売上が好調だったと報じています。 

全国百貨店売上高、8月は2.0%増 インバウンド需要好調続く(日本経済新聞2017/9/21)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL21HJM_R20C17A9000000/

(一部抜粋)日本百貨店協会(東京・中央)が21日発表した8月の全国百貨店売上高は4127億円(全店ベース)だった。既存店ベースで前年同月比2.0%増と、2カ月ぶりに前年実績を上回った。インバウンド(訪日外国人)向け販売が好調だったほか、低温で初秋物を中心にした衣料品の売れ行き回復も寄与した。

商品別では、化粧品や貴金属の販売が伸びた「雑貨」が11.2%増加。高級ブランドを含む「身のまわり品」も3.5%増えた。紳士服がけん引した「衣料品」は0.1%減とマイナス幅が縮小した。

訪日客向けの免税売上高は約215億6000万円と前年同月に比べ70.2%増加。9カ月連続でプラスとなり、全体の売上高に占めるシェアは5.2%まで上昇した。化粧品や高級ブランドの人気が高かった。

8月の東京地区の百貨店売上高は全店ベースで1090億円だった。既存店ベースでは3.6%増と、2カ月ぶりに前年を上回った。

9月の全国売上高(サンプリング調査)は18日時点で7.3%程度のプラス、東京地区は8.2%程度のプラスで推移している。


この記事の元ネタである「平成29年8月 全国百貨店売上高概況」(日本百貨店協会)によると、「顧客別では、インバウンド(シェア5.2%)が215億円(70.2%増)と過去4番目の売上高を記録すると共に、一人あたり購買単価も約2割増(6.7万円)と引き続き高伸。一方、国内市場(シェア94.8%)もほぼ前年並み(0.2%減)にまで回復している」とのこと。都市別でみると、やはり大阪が伸び率トップで前年同月比8.6%増でした。

昨年のいま頃は百貨店売上の落ち込みを伝える報道ばかりだったのに、こうした変化はいつ起きたのでしょう。

実は、今年の春先以降で、上半期にはすでに(大都市圏に限りますが)上向きになっていたのでした。

大手百貨店6月売上高が5社とも前年超え 上期は滑り出し好調(Fashionsnap.com News2017年07月04日)
https://www.fashionsnap.com/news/2017-07-04/department-2017june-sales/

同記事によると、好調の理由を「株高による資産効果で宝飾、時計、ラグジュアリーブランドなどの高額品の売上が伸びたほか、訪日外国人の免税売上が伸長したため」と指摘しています。

確かに、日本百貨店協会の1年前のインバウンドシェアは「3.1%(2016年8月)」だったのに対し、今年8月は「5.2%」。確実に増えていることがわかります。

それにしても、中国客の「爆買い」が終わって、少し前までは小売業界は暗いムードかと思っていたのに、訪日外国人の数が着実に伸びていくと、その影響はきちんと出てくるものですね。冒頭の写真をみると、中国客ばかりが買い物をしているように見えてしまいますが、今日百貨店の免税売上に貢献しているのは、必ずしも彼らだけでなく、多くのアジア客だと思います。べつに彼ら一人ひとりは「爆買い」しなくても、数の力は大きいということでしょう。

では、中国の「爆買い」終了で大きな痛手を負った中国系家電量販店「ラオックス」はいまどうなっているのでしょう。以下は、昨年までの話です。

ラオックス赤字転落、売上高は3割減 爆買い失速響く(朝日新聞2017年2月14日)
http://www.asahi.com/articles/ASK2G5VTBK2GULFA032.html

(一部抜粋)免税店大手ラオックスが14日発表した2016年12月期決算は、売上高が627億円と前年から32・3%減った。営業損益は9億円の赤字(前年は85億円の黒字)、純損益が15億円の赤字(同80億円の黒字)で、ともに赤字に転落した。訪日外国人の「爆買い」失速の影響を受けた。来店客数は堅調だったが、客単価が平均で約2万2千円と、前年の約3万4千円から下がり、大幅な減収につながった。

では、今年8月の状況はどうか。

同社の「平成29年度 8月次状況報告」によると、昨年5月から7カ月連続で売上が前年割れしていたものの、12月から2月にかけていったんアップ、4月から6月までは再び前年割れ、そして7月から8月にかけてまたアップ。しかも8月は過去最高となり、一進一退を続けています。

8月の好調の理由については「8月のレジ通過数は前年比114.6%と大きく伸長、また、これまでの最高値であった2015年8月の月間レジ通過数を上回り、当社の過去最高値を記録した。クルーズシーズンに合わせて出店した新店はもちろん、既存店においても団体客・FIT客の来店者数が好調に推移しており、今年度下半期より、前年比プラス傾向に転じている。引き続き、中国国内での広告宣伝と販促活動で来店者数を向上させるとともに、買い物だけではなく体験(モノ+コト)を推し進め、訪日旅行を楽しめる工夫を行っていく」と分析しています。

ラオックス平成29年度 8月次状況報告
http://www.laox.co.jp/ir/upload_file/library_05/getsuji_201708_jp.pdf

相変わらず中国客の利用比率は高そうですが、九州方面を中心に拡大するクルーズ市場に助けられているようです。クルーズ旅行のビジネスモデルは、ラオックスのような免税店がなければ成り立たないわけですから、当然なのでしょう。

ただし、気がかりなのは、先月中国当局が日本への団体ツアーの人数を制限する旨、旅行会社に通知を出したことです。団体ツアーに頼るこの種の免税店ビジネスへの打撃はあるでしょう。だからこそ、「買い物だけではなく体験(モノ+コト)を推し進め」たいというわけでしょうし、それ以上に、中国客以外のアジア客にも来店してもらえるような抜本的な改革が必要なのではないでしょうか。

中国はついに日本への渡航制限を始めるのか? (2017年 09月 22日)
http://inbound.exblog.jp/27130164/
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by sanyo-kansatu | 2017-10-04 15:56 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 10月 03日

中国人は領袖の意向を“忖度”するのがホントに好きですね

今日の朝日新聞の朝刊にこんな記事がありました。

(核心の中国)一強:上 実績強調、再燃する習氏崇拝 バラ色の報道で権威付け(朝日新聞2017年10月3日)
http://www.asahi.com/articles/DA3S13162711.html

(一部抜粋)中国東北部にある吉林省延辺朝鮮族自治州光東村。9月半ば、一面に広がる水田で収穫を待つ稲穂が陽光に輝いていた。人口800人ほどの山村の様子が一変したのは、2年前の夏のことだ。

共産党総書記の習近平(シーチンピン)は2015年7月、朝鮮族の農村であるこの村を視察先に選び、民家や水田を見て回った。その様子が報道されると、全国から人が集まるようになった。

「習大大(習おじさん)が私の家にやってきた!」

そんな看板を掲げた民家の近くで、チマ・チョゴリ姿のガイドが、雲南省から来た約30人の一行に身ぶり手ぶりを交えて説明していた。

「総書記は朝鮮族がするように靴を脱ぎ、オンドルであぐらをかいたんです」

観光シーズンには1日千人以上がバスを連ねてやってきて、習が手にした地元の米には北京や上海などから注文が殺到。売り上げが3倍になった。村の農家を束ねる男性は「注文が途切れず、昨年収穫した2千トンも売り切れた」と声を弾ませた。

「総書記の言葉を学べ」と、動員される党員の視察旅行もあり、習が足を運んだ先々が「観光スポット」になっている。


これを読んで「あっ」と思いました。というのは、昨年この話の舞台である延辺朝鮮族自治州延吉市内の民族食品会館という地元農産品の展示場を訪ねたとき、習総書記が訪ねたという光東村の米が置かれていたのを見たからです。
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この記事にあるように、2015年7月15日、総書記がこの村の水田を視察したときの写真が商品パネルに使われていました。なるほど、いまの中国では領袖が訪れたという話がヒット商品や、観光客を呼び込んだりすることにつながるというわけです。中国人というのは、どんだけ領袖の意向を“忖度”するのが好きなんだよ、と思ってしまいます。
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ところで、延吉の民族食品会館では、地産品の展示だけでなく、実際に延辺の朝鮮族料理の調理を学んだり、試食を楽しめる体験館もあります。
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面白いのは、なにげに北朝鮮の工芸品や各種土産も紛れ込ませて紹介していることです。いまでこそ、制裁の対象である彼らの産品を扱うとは何事かという話かもしれませんが、彼らは同族なのですから。
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もうひとつおかしかったのは、習総書記が称賛した延辺米のパッケージに「光東越光 コシヒカリ」と日本語入りの商品名が書かれていたことです。ただし、この地で生産される米は、満洲国時代に寒さに強い東北地方の稲が持ち込まれ、品種改良された経緯もあり、「コシヒカリ」と呼んで日本米とのつながりを商品名に込めるのはまんざらウソでもないのです。
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まさか彼らも総書記がこの村を訪れたときは、決してそんな商品名は見せなかったと思いますけれど。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-03 09:49 | のんしゃらん中国論 | Comments(0)
2017年 09月 25日

中国メディアがTBS報道「中国、訪日旅行に制限」に反論! とはいうものの…

先週木曜日、TBSは中国当局が自国の旅行会社に日本行き観光ツアーを制限するよう通達したと報じました。同様の内容は日本経済新聞9月15日付でも報じられています。

「中国当局、旅行会社に日本行き観光ツアー制限を通達」(TBS News2017.9.21)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3164671.html
中国が訪日団体旅行を制限 外貨流出警戒か (日本経済新聞2017/9/15)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM14H3F_U7A910C1FF2000/

本ブログでも、これを取り上げ、今後について考察しました。

中国はついに日本への渡航制限を始めるのか? (2017年 09月 22日)
http://inbound.exblog.jp/27130164/

ところが、その2日後(9月23日)、中国メディアは日本メディアのネット記事の文面を取り上げ、以下のように反論しています。

日本メディア「中国が訪日団体旅行に制限」と報道。国家旅游局「そんな通達は出していない」(日媒称中国限制赴日团队游 国家旅游局:没有下过类似文件)(2017-09-23 国际在线 )
http://news.hexun.com/2017-09-23/190978288.html

9月21日傍晚,日本TBS电视台发布了一条新闻,称中国有关部门发出通知,要求旅行社限制赴日团体游客的数量。继韩国之后,难道赴日旅游也要受到限制了?请看记者的调查。

日媒:赴日团体游遭遇禁令
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TBS电视台的报道称,本月中旬,中国政府对旅行社发出了相关通知。各地情况各不相同,北京一些旅行社被口头通知“请减少赴日团体游数量”。而在山东、大连等地,各旅行社发团人数被限额,一些已经把一年内额度销售完毕的旅行社,甚至不再发团。关于原因,报道称还不清楚,猜测是为了防止资本流向海外。
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 《日本经济新闻》的报道说,福建省旅游相关部门要求各旅行社减少团体游数量。另外,河北、河南、湖北等地也收到了同样的指示。
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文章说,北京等大城市没有看到这样的情况,并且自由行不包含在内。中国国家旅游局也否认曾做出该类指示。

这篇文章同样分析称,限制团体游数量可能是一些地方为了防止外汇流出。

日媒报道是否属实?

对此,记者以游客的身份咨询了北京、山东、大连、河北等地的几家大型旅行社:

山东济南一家旅行社明确表示,现在不发日本团,日本、韩国旅游团均已停掉。另一家山东旅行社则透露,目前赴日团体游确实会有限额,但是具体限制到多少人,还没有决定。

辽宁大连一家旅行社的工作人员称,确实收到了限制团体游人数的通知,所以目前还没有制定今后的旅游产品。但今后赴日团体游的价格可能会提高到8000以上,从11月开始正式实行。

而河北石家庄、河南郑州的旅行社则表示,没有听说限额一事,所有旅行团照旧运作。北京一家旅行社的工作人员也表示,没有听说此事,并称如果属实,肯定会在旅游圈炸锅。

记者最后致电国家旅游局,得到的回复是:“没有下过类似文件,也没有听说过此事。”

日本网友的反应竟然是开心

TBS电视台的报道在日本雅虎新闻网上得到很多网友的回应,按照点赞最多的评论来看,网友简直是一片欢呼:
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她认为,或许限制团体游的理由是为了防止资本流出到海外。她说:“虽说‘爆买’有减速趋势,但中国游客的消费金额非常庞大,不得不表示担忧。”她提到,现在中国访日游客中,有40%是跟团游,60%是自由行,可以预想今后自由行将会迅速增加。因此,她猜测即使相关部门阻止,中国人出国游的热情也不会减退。而TBS电视台在报道中,却提到中国游客减少将对日本旅游业产生影响。

日本观光厅数据显示,2016年中国游客在日本的消费额是1.4754万亿日元,人均消费达23万1504日元。2016年日本接待2400万人次外国游客,其中中国大陆游客达637万人次。在日本政府大力发展“观光立国”的政策下,显然,失去中国游客将是一笔重大损失。


この記事では、中国メディアが実際に各地の旅行会社に取材をしています。それによると、山東省の旅行会社は「現在、日本や韓国への団体ツアーは止まっている。ただし、人数の制限は決まっていない」。大連では「確かに制限の通達を受け取っている。そのため、現在ツアー商品はない。今後ツアー価格を8000元以上に上げ、11月以降販売を開始する」。

一方、河北省や河南省、北京の旅行会社は「そのような通達はない」。国家旅游局も「そんな通達は出していない」といいます。

記事ではこの報道を聞いた日本のネット民から「うれしい」との声が出たと、そのコメントを上記のように画像にしています。どっちもどっち、嫌な話ですね。最後に「2016年に中国の観光客の日本での消費額は1兆4754円で、1人当たり23万1504円に達したこと。日本が中国の観光客を失うのは大きな損失だろう」と締めています。

それにしても、「通達を受けた」「受けていない」と、地域によって言い分が異なるのはなぜでしょう?

日本のメディアは「資本の海外流出を食い止めるための措置」との見方を示しています。そういう側面もあるかもしれませんが、中国側としては、かねてより問題となっていた安すぎる団体ツアーにつき物の「ブラックガイド」こそが問題で、その解決に向けた動きが起きているのだと主張しているように見えます。

というのも、確かに今年に入って中国からの訪日団体ツアーは減少傾向にありました。一方、個人客やリピーター、そしてクルーズ客は増えているため、中国客の数は以前に比べ伸びは落ちていますが、結果的に増えていました。

これは今年5月の中国メディアの記事で、数年前から散発的に繰り返し報じている内容でもあるのですが、なかなか興味深いことが書かれています。

低価格の海外団体旅行に繁殖する「ブラックガイド」が中国客を陥れる(出境低价团滋生海外“黑导游” 中国游客屡屡被坑)(2017/05/19 界面新闻)
http://www.jiemian.com/article/1333466.html

迅速增长的中国游客数量让海外目的地正规导游供不应求,而低价旅行团也衍生出强制购物等问题。无正规资质的黑导游破坏了出境体验,有什么可以防范的举措?

近日媒体曝光的海外“黑导游”事件引发广泛关注:日本无证黑导游夸大产品效果,联手商家诱导国内游客高价消费,并拿取回扣;5月4日,泰国也曝出黑导游甩客事件,这是今年2月泰国导游甩客之后的又一起引发国内热议的事件。随着中国游客出境游越来越普遍,海外遭遇黑导游的情形也频频发生。

黑导游一般指的是,在有导游资格认证体系的国家,没有取得资格认证而从事导游业务的人,黑导游往往可能做出伤害游客利益的行为。

一位在日本工作的导游告诉界面新闻,从2004年开始,旅行社出于竞争而压低日本旅游产品价格,尤其近两年,中国赴日旅游人数大幅增加,市场竞争激烈。旅行社为削减成本,会聘用非正规的导游来带团,带游客去购物店消费并收取佣金。

“一般是旅行社拿5%,导游拿7%,领队拿3%的佣金。去年有位导游被曝出每带一个团就能拿到至少百万日元的佣金。”这名导游说,“正规导游需要通过严格的通识考试,进入正规旅行社后有收入保障,不会刻意引导游客消费。而这两年由于非正规导游的出现,正规导游的工作越来越少。甚至有的旅行社聘用在日本的中国留学生,让他们花20至30万日元买一个没有实效的导游证,培训他们如何销售商品,欺骗客人。”

中国未来研究会旅游分会副会长刘思敏告诉界面新闻说,“东南亚、日本、韩国这些热门出境目的地的黑导游情况比较严重。中国出境旅游市场发展较快,鱼龙混杂。这种情况下,出售不合理低价团的旅行社,压低成本,就会启用黑导游,也就是薪酬低的非正规导游,并通过自费项目来补贴收入。”

2016年共有1.22亿人次中国游客出境旅游,花费高达1098亿美元。曾有业内人士透露,早在泰国等地作为出境热门目的地刚火起来不久,就有国内人去当地经营地接社、开设购物店,把国内低价团强制购物的现象延伸到出境游,中国游客的旅游消费观念也尚在提升的过程中。

中国出境游客的快速增长、当地中文导游的供不应求,也是海外黑导游出现的原因之一。“虽然日本原本有严格的导游资格考试,但由于导游严重供不应求,日本官方也放宽了要求。”刘思敏介绍说。

在泰国,2015年起国内的正规中文导游约8000人左右,而当年去泰国旅游的中国游客人数近800万人,一些旅行社只能启用有一定工作能力的非正规导游。

除了在低价旅行团中,游客自由行在海外当地雇请导游也可能遇到黑导游;或者借助网站聘请导游,而网站对导游的资质审核不严格,也可能遭遇黑导游。

刘思敏介绍,在有导游资格认证体系的国家,没有资质的黑导游就是非法执业,游客可以投诉,也可以通过旅游警察来执法;而在没有导游资质认证的国家,导游多为自由职业者或者兼职,管理的难度增加。

据上述在日工作的导游介绍,从去年起,日本国税局开始严查免税店账单,如果查到导游拿回扣,会对这些导游进行拘留、罚缴税金,部分在日工作的中国黑导游因此离开日本;另外也有几名领队因为被质疑是黑导游,在成田机场入境时被阻止入境。

该导游认为,出境旅游团都应聘用当地导游,来解决跨国管理的问题。“中国国内旅行社在出境游中往往会聘用领队兼任导游,其实旅游法规定不能如此。如果让领队兼任导游,而不雇请当地有备案的导游,一旦发生纠纷和事故,在境外目的地就很难追究责任。”

北京同创律师事务所杨航胜律师认为,对于自由行之类的当地国导游问题,国内旅游监管部门没有权力和方法进行监管,因为涉及行政权力的行使的国界范围限制,但国内旅游监管部门一定程度上也可以介入到黑导游问题的监管当中。

“比如通过对出境社做出要求,要求出境社对地接社和当地导游的选择上设置门槛,达不到门槛可以进行惩罚等。”杨航胜说,“应该对出境社加强管理,对它的合作伙伴选择进行监管,当然也可以设备黑名单、白名单制度等。”

另外,各地设置的旅游警察,作为专门针对旅游乱象设置的执法岗位,也在规范旅游市场、监督黑导游问题上起到一定作用。

去年8月开始,泰国政府开始大力打击零负团费的旅游现象,以维护泰国旅游的品牌,当地正规导游抗议黑导游扰乱了市场秩序,缺少关于泰国文化的专业知识,并损害泰国旅游的形象。据泰国当地媒体报道,今年4月,泰国特别警务警察、旅游警察和军方就突击查扣了一批正在参与导游和产品销售培训的人员。从2016年初到4月15日,泰国旅游警察已经逮捕了374个无证导游。

而在阿根廷、俄罗斯、埃及、夏威夷等地,也都有会外语的旅游警察,在酒店和旅游景区等地解决游客遇到的各类问题,包括帮忙指明方向、寻找遗失物品,或是处理与商家、导游发生的纠纷。

中国国内目前在三亚等地设立旅游警察的同时,也有与国外警察联合执法的尝试,例如今年4、5月间,有来自意大利的警察与中国警察在北京、上海有关景区联合巡逻,而在6月,中国警察将赴意大利与意方分别在罗马、米兰、佛罗伦萨、那不勒斯等4个旅游城市开展联巡。


この記事では、日本の「ブラック免税店」と結託した「ブラックガイド」の内実を簡単に紹介しています。彼らは国家の認証するガイドライセンスを持っておらず、中国側の旅行会社も価格競争のため、コスト削減の必要から正規ではないガイドを採用していると正しい指摘をしています。特に状況がひどいのが、東南アジアや日本、韓国だともいっています。

一方、日本の国税局がブラックガイドの摘発を始めたことや、昨年タイでも無資格ガイドを374名逮捕したことなども書かれています。さらには、イタリアに中国の警官をツーリストポリスとして派遣するような両国共同の取り組みも始まっているそうです。

今や日本を訪れる中国客の6割は個人客といわれますが、残りの4割は地方からの団体客で、彼らは現状では日本で「ブラックガイド」の添乗するツアーに参加せざるを得ません。一般の募集ツアーではそのような商品しかほぼないからです。この問題を解決したいというのが中国側の言い分で、それは理解できる話です。

ただし、これまで4000~5000元程度で集めていた日本ツアーの客を、大連の旅行会社のように「8000元以上」にするとなると、どれだけ集客できるのでしょうか。これまでは安かったから、多くの人が参加しただけで、結果的に、訪日中国客は、団体に限り、ますます減っていくことになるのではと思わないでもありません。

【追記】
その後、中国の複数の旅行会社に確認したところ、通達は出ていたことが確認できました。しかし、それで影響を受けるのは、団体客だけで、いまや6割以上が個人客なので、影響は限定的といえます。しかも、これまでの中国人観光客のイメージを変えていかなければなりません。ForbesJapanに以下の記事を書きました。ご参照ください。

これからの中国人観光、「爆買い」から「女子旅」へ(ForbesJapan2017.10.5)
https://forbesjapan.com/articles/detail/17954
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by sanyo-kansatu | 2017-09-25 16:56 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 09月 22日

中国はついに日本への渡航制限を始めるのか?

今週、日本政府観光局(JNTO)による8月の訪日外国客数が公表されました。

訪日外客数(2017 年8 月推計値)
◇ 8 月 : 前年同月比20.9%増の247 万8 千人
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/170920_monthly.pdf

トップは中国で「前年同月比21.1%増の81万9,700人」と過去最高となっています。今年上半期、韓国が一時中国を追い抜いていた時期もありましたが、夏休みの家族旅行が多かったこと、クルーズ客船の寄航数が相変わらず伸びていることなどから、1~8月までですでに488万2200人となっています。この調子でいけば、年間800万人に近い数になりそうな勢いです。

日本を訪れる韓国人観光客が中国客を追い抜く勢いで増えています (2017年 03月 16日)
http://inbound.exblog.jp/26722251/

ところが、昨日TBSは中国政府が日本への渡航制限を通達したと報じています。

中国当局、旅行会社に日本行き観光ツアー制限を通達(TBS News2017.9.21)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3164671.html

中国当局が今月中旬、北京などの旅行会社に対し、日本行きの観光ツアーを制限するよう通達を出したことがJNNの取材でわかりました。

関係者によりますと、当局からの通達の内容は地域によって異なっていて、首都・北京では一部の旅行会社に対して今月中旬、「日本への団体旅行を減らすよう」口頭で通達があったということです。山東省や大連市などでは、各旅行会社に今年1年間に許可する具体的な人数の割り当てが伝えられていて、すでに割り当て分を販売したとして、日本向けのツアーの受付をストップする会社も出始めています。

「当局から通達がありました。『(日本への)団体ツアーを停止せよ』と。数日前から販売を停止しています。(通達の)理由は分かりません」(山東省の旅行会社)

制限の理由は明らかにされていませんが、資本の海外流出を食い止めるための措置との見方が出ています。中国は10月1日から建国記念日の大型連休で、日本への航空便もほぼ満席状態ですが、年間600万人を超える中国からの観光客のおよそ4割が団体客で、今後、影響は避けられないものとみられます。


これは中国政府が昨年以降台湾に、そして今年韓国に仕かけた渡航制限を日本に対しても実施するということを意味します。

香港、台湾に続き韓国も。中国政府が訪韓中国人観光客を20%減らすよう通達を出したそうです (2016年 11月 10日 )
http://inbound.exblog.jp/26367228/

その後、台湾や韓国を訪れる中国客が大きく減ったことはすでに知られています。

もちろん、ここでいう渡航制限は旅行会社を通じて予約する団体ツアーに対するものなので、現状6割を占める個人客への縛りはないのですが、リーダーが世界に対して「自由貿易の推進」と「保護貿易への反対」の姿勢を公言した国とはとても思えないふるまいです。

【ダボス会議】中国が自由経済圏の救世主という不条理(Newsweek2017.1.18)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/01/post-6754.php

中国の場合、常に自らの外交や政治目標を押し通すためにこの種の渡航制限を行うわけですが、韓国に実施する際、実に嫌な混乱もありました。

中国クルーズ船乗客の済州島の下船拒否には呆れたが、今後困るのは中韓双方の民間業者(日本への影響 も) (2017年 03月 24日)
http://inbound.exblog.jp/26740314/

周辺国との友好や民間人の交流をぶち壊しにしてまで押し通さなければならない中国政府のやり方は、実に哀れといえます。

しかし、いまの中国、ますますおかしなことが起こり始めています。これも昨日のニュースです。

ヤフージャパン、中国で検索不能に=規制強化、在留邦人に戸惑い(時事通信2017.9,21)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092101030&g=eco

【上海時事】上海や北京など中国各地で、19日ごろから「ヤフージャパン」の検索サービスが利用できなくなり、現地に住む日本人の間で戸惑いが広がっている。

中国ではグーグルの検索サービスが使用できないため、多くの日本人がヤフージャパンを使っており、駐在員の間では「仕事に支障を来しかねない」と不安の声も聞かれる。

中国当局は今年6月、「ネット空間の主権と安全保障の確保」を目的に、インターネット安全法を施行。10月の共産党大会を控え、ネット規制を強化している。

当局の規制をかいくぐり、海外の情報にアクセスする手段として多くの日本人が利用する「仮想プライベートネットワーク(VPN)」も非常につながりにくい状況。

一方、ヤフーニュースの閲覧には、今のところ問題は生じていない。

ヤフージャパン広報は取材に対し「中国でサービスが利用できなくなったことは把握しているが、当社のトラブルが原因ではない。状況の推移を見守っていきたい」と回答した。


こんな報道もあります。

S&P、中国格下げ=債務の伸びを不安視(時事通信2017.9,21)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092101284&g=int

【北京時事】米格付け大手S&Pグローバル・レーティングは21日、中国の長期信用格付けを上から4番目の「AAマイナス」から「Aプラス」に1段階引き下げた。5年に1度の共産党大会を1カ月後に控える習近平指導部の反発も予想される。

S&Pは格下げの理由として、長期にわたる融資の伸びで債務が増大したことを挙げた。融資拡大が力強い経済成長を支えてきたとしながらも、「それによって経済と金融のリスクが高まっている」と不安視した。


まもなく10月の中国の国慶節休みが始まります。直近での影響はないかもしれませんが、数字の上では過去最高を重ねている訪日中国客、伸びはここ数年に比べて大きく減速しているのも確かです(今年1~8月の前年同期比は1桁の8.9%)。

今年春、中国政府は「日本は放射能汚染で危険」との広報活動や「APAホテル」問題など、あの手この手で自国民の日本旅行に影響を与えようとしましたが、今後同じようなことを始めるかもしれません。

日本が危ない!? 福島原発の放射能フェイクニュースが拡散中(Newsweek2017年02月20日)
http://www.newsweekjapan.jp/lee/2017/02/post-17.php
アパホテルとデモ騒動、これじゃ中国の為政者に踊らされすぎです (2017年 02月 08日 )
http://inbound.exblog.jp/26616851/

来春以降の影響が気になります。

【追記その1】
TBSの報道に対して、2日後、中国メディアが反論しています。なかなか興味深い内容です。

中国メディアがTBS報道「中国、訪日旅行に制限」に反論! とはいうものの… (2017年 09月 25日)
http://inbound.exblog.jp/27147682/

【追記その2】
その後、中国の複数の旅行会社に確認したところ、通達は出ていたことが確認できました。しかし、それで影響を受けるのは、団体客だけで、いまや6割以上が個人客なので、影響は限定的といえます。しかも、これまでの中国人観光客のイメージを変えていかなければなりません。ForbesJapanに以下の記事を書きました。ご参照ください。

これからの中国人観光、「爆買い」から「女子旅」へ(ForbesJapan2017.10.5)
https://forbesjapan.com/articles/detail/17954
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by sanyo-kansatu | 2017-09-22 07:28 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 09月 03日

「港湾使用料200万円」の滞納と核実験! 世界はまったく不条理です

今日の午後、北朝鮮の新たな核実験のニュースが報じられました。

北朝鮮、6回目核実験=「ICBM用水爆」成功と発表-過去最大の爆発規模(時事通信2017/09/03) 
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090300253&g=prk

ついにその日が来たかと思った人も多かったでしょう。

ところで、その前日深夜に以下の報道もありました。

ロシアに入港拒否され運航停止(FNN2017/09/03)
https://www.fnn-news.com/…/headl…/articles/CONN00369230.html

北朝鮮の羅先(ラソン)とロシアのウラジオストクを結ぶ、北朝鮮の貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」が、港湾使用料の未払いを理由に、ロシアの港湾当局に入港を拒否され、運航を停止していることがわかった。

ロシアの運航会社によると、万景峰号は8月24日、ウラジオストクに入港する際、200万円近い港湾使用料の滞納があるとして、ロシアの港湾当局が入港を拒否した。

万景峰号は現在、羅先に停泊していて、運航再開のめどはたっていない。

万景峰号は、5月の航路開設以降、羅先とウラジオストクを週1回往復しているが、運航会社は、「経済制裁なども影響し、採算性が厳しい」とコメントしている。

対北朝鮮制裁の抜け穴になるとの懸念もあったが、今後、定期航路が廃止される可能性もある。


時系列としては、核実験前のニュースです。FNNがいうには、万景峰号のロシア入港拒否の理由は「200万円近い港湾使用料」の滞納のためとか。もちろん、万景峰号はロシアの運航会社が運営しているため、実際に支払えなかったのはロシア側なのですが、ほとんど乗客のいない状況で利益が出るはずはありません。

こうしたなか、この人騒がせな核実験! なんと世界は不条理なのでしょう。

これまで現地関係者の情報を頼りに、この定期航路が存続するものなのか、実際の人の移動の観点から探ってきました。

万景峰号の羅津(北朝鮮)からウラジオストク(ロシア)の運賃は片道9800円から (2017年05月28日)
http://inbound.exblog.jp/26886405/
ロシア・北朝鮮間を結ぶ「万景峰号」の乗客はわずか10名足らず。定期航路化は難しい? (2017年05月28日)
http://inbound.exblog.jp/26886620/
「ウラジオストクから万景峰号で行く北朝鮮(羅先)6泊7日」ツアーも始まり、定期運航は続く!? (2017年07月08日)
http://inbound.exblog.jp/26975951/

結論からいえば、採算が合わないため、いずれ定期運航は断念せざるを得ないだろうというのが当初の予測でした。

それがちょうど核実験の時期と重なってしまったのでした。

高校時代の友人がある県の防災課長をしていて、日々この騒ぎに忙殺されているようです。しょっちゅう東京出張に来て、県民の避難ををどうするか協議の日々とか。地元テレビ局の会見にも毎日のように出ているそうです。

かつて「日本は北の問題で騒ぎすぎ」と発言した論客もいましたが、メディアは確かにそうだとしても、自治体の人たちは地震や津波の対策と同じように、この問題から逃れることはできないのです。

個人的に北朝鮮の羅津港に停泊していた万景峰号を見たこともありますし、ウラジオストクの港にも行ったことがあります。

現地の友人のメールでは、ロシア側でも地震があったそうです。

来週はウラジオストクで東方経済フォーラムが開催され、安倍プーチン会談があります。それもあって、さすがのロシアも北よりとの批判を避けるため、運航をストップさせたのでは、というのが現地の声です。
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by sanyo-kansatu | 2017-09-03 18:07 | 日本に一番近いヨーロッパの話 | Comments(0)
2017年 08月 27日

メディアもようやく中国「白タク」問題を報じ始めたようです

今朝のネットニュースで以下の記事が報じられています。

中国人白タク 横行 来日前予約、空港にお迎え スマホ決済、検挙困難(毎日新聞2017年8月27日)
https://mainichi.jp/articles/20170827/ddm/041/040/129000c

【上海・林哲平】旅行熱が続く中国からの観光客を当て込んだ「中国式白タク」が、成田空港や関西国際空港など日本各地の空港で横行している。「中国人による送迎・ガイド」をうたい、中国の業者に登録した在日中国人が自家用車を運転。集客から支払いまでスマートフォン上で完結するため、取り締まりを免れるケースが大半だ。急速なキャッシュレス化が進む中国。日本側の対応が追いついていないのが現状だ。

◇来日前に予約 空港にお迎え

中国式白タクは、運営する中国業者のスマホアプリで客が出発地と目的地、利用時刻を選べば、業者から日本にいる運転手に手配が届く仕組みだ。運転手が中国系のため、客は同胞意識と言葉が通じる安心感を抱く。

関西方面を旅行した際に利用した男性によると、飛行機が関西空港へ着陸すると、スマホに中国語で「あなたの運転手です。外でお待ちしています」というメッセージが届いた。指定された送迎用エリアでは、黒いワンボックス車の前でスーツ姿の男性が出迎えてくれた。空港から新大阪駅までタクシーでは1万8000円程度かかるが、白タクなら630元(約1万円)だ。

日本旅行の際によく利用するという上海の医師(46)は「便利だから使う。中国で日本人運転手がいれば使いませんか?」という。中国ではスマホを使った決済が市場でも使われるなど生活に浸透しており、自家用車を使った送迎サービスのアプリも人気だ。

関西国際空港タクシー運営協議会の川崎孝治専務理事は「中国の生活空間が日本の中にそっくり移ってきたようなもの」と指摘。中国の大手業者のアプリには東京1800人、大阪1200人など、日本各地で数千人の在日中国人らが運転手として登録している。

日本での中国式白タクの目撃情報は数年前から集まり始めた。有償で客を運ぶのに必要な国の許可を得ておらず、道路運送法違反にあたる疑いが強い。川崎専務理事は「タクシーは客の命を預かっている。保険がなく、事故があっても客や相手方が守られない」と取り締まりを求める。

また、日本での売り上げを中国で計上する業者も多いとみられ、日本で納税されることはない。近畿運輸局などは今年2度、対策会議を開き、成田空港会社も「警察との情報共有を進めている」と明らかにした。

ただ、支払いを含めてやりとりはすべてスマホ上で進められ、日本では客を運ぶだけ。警察の職務質問に運転手が「友人を乗せている」と答えれば、それ以上の追及は困難だ。

沖縄県警は今年6月、白タク行為をしていたとして、中国籍の男2人を道路運送法違反容疑で逮捕した。中国式白タクの初検挙だった。ただ、県警によると、別の事件で逮捕された両容疑者の口座などを調べる中で証拠を確保できた珍しいケースだった。近畿運輸局は「実態把握が難しい」と指摘している。


実は先月、ぼくは産経新聞の記者の方にこの問題で取材を受けています。

その記事は産経新聞8月3日の社会面に出ています。
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中国人観光客向け 在日「白タク」横行
東京富士山~格安1人8000円 ガイド付きも(産経新聞2017年8月3日)

(一部抜粋)在日中国人による無許可の「白タク営業」が空港や観光地で横行していることが2日、関係者への取材で分かった。主に観光で日本を訪れる中国人を対象にしているといい、人気観光地の沖縄では旅行シーズンを前に業者が摘発された。ただ、国内での金銭の受け渡しがないため、警察当局による摘発や全容解明は容易でないという、専門家からは「中国人観光客のニーズに適応しきれていない日本側にも問題がある」との指摘も上がっている。

同紙の取材でぼくはこう答えています。「摘発も大切だが、日本側が中国人観光客の受け皿となるサービスを充実させることも急務だろう」。ちょっぴり優等生すぎる発言にまとめられてしまっていますが、まあそういうことでしょう。

これまで本ブログでもこの問題は何回かに分けて説明してきました。

成田空港で中国系白タクの摘発が始まる!?
http://inbound.exblog.jp/26867015/
日本国内で増殖している中国の配車アプリとはどんなサービスなのか?
http://inbound.exblog.jp/26867237/
中国でライドシェア(配車アプリサービス)が一気に普及した理由
http://inbound.exblog.jp/26874125/
中国配車アプリを利用した「越境白タク」の何が問題なのか?
http://inbound.exblog.jp/26876191/
タクシー運転手に聞く「日本のライドシェアが進まない理由」と今後すべきこと
http://inbound.exblog.jp/26891045/

今後の議論の行方を注視していきたいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-08-27 11:13 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 07月 30日

韓国が訪日客数トップになった背景に出国率の著しい上昇がある

2017年、日本を訪れる韓国人観光客がすごい勢いで増えています。

最近、日本政府観光局(JNTO)が公表した「訪日外客数(2017 年6月推計値)」によると、4年ぶりに中国を抜き、韓国が訪日外客数トップになっています。

4年ぶりに中国を抜き、韓国が訪日外客数トップ! 中国は伸び悩み
http://inbound.exblog.jp/27007721/

上半期の韓国客の訪日数の伸びは前年度比42・5%増で、6月単月に限ると(これは昨年の熊本地震の反動といえますが)63.8%増です。中国客の6月の前年比が0.8%増にすぎないのと対照的に、目立った増え方です。

彼らの多くは、日本の社会に溶け込んでいるため、欧米客や中国客のように、その存在が気づかれる場面は少ないかもしれませんが、韓国から多くのLCCが運航されている関西方面やフェリーで気軽に来られる九州などでは、地域の人たちにも彼らの存在感が意識されるようになっていると思われます。

それにしても、なぜ韓国の人たちはこんなにたくさん日本を訪れているのでしょう。

韓国系のランドオペレーターの関係者に聞いたところ、以下のように答えてくれました。

「確かに、今年は多くの韓国人が日本を訪れています。この調子でいくと、過去最高の年間700万人が見込まれている。昨年の訪日韓国人は約500万人で、今年は100万人程度は増えるだろうと思っていたら、中国の影響でもっと増えそうです。

ご存知のように、THAAD問題で韓中関係が悪化し、中国を避けようとする韓国人もいて、そのぶん日本に流れている面があります。

しかし、これだけ増えたのは、韓国人の海外旅行の中身が変わったことも大きい。今日の韓国客の行動形態は香港客に近いといえます。7割以上がFITで、リピーターも多い。日本に来ても、国内旅行と同じ感覚で、ゲストハウスを利用したり、温泉や買い物を楽しんでいます。

韓国で個人旅行が一般化したのは10年前くらいからで、LCCの普及と関係あります。手ごろな料金で誰でも日本に行けるようになったことが大きいです。

でも、韓国人が訪れているのは日本だけではありません。日本に限らず出国者数が年々増えているからです。特にこの数年は年々300万人増という勢いです。2014年には日本の海外旅行者数約1600万人に並び、15年は追い抜きました。そして、今年17年は約5000万人の人口の韓国で海外旅行者数が約2500万人。出国率50%という高い上昇が見込まれているのです」

ここ数年の韓国の海外旅行者数の推移 (韓国観光公社より)

2014年 約1600万人
2015年 約1900万人
2016年 約2200万人
2017年 約2500万人(見込み)

彼の指摘のとおり、韓国の出国率は年々著しく上昇しているといえます。国民の2人に1人が出国している計算になるからです。しかし、ここで知っておきたいのは、出国率が高いのは韓国だけではありません。日本の近隣の東アジア諸国は、中国を除くと、すべて日本より高いのです。少し古いデータですが、以下のとおりです。

各国の出国者数・出国率・入国者数・受入率(2014年)※日本旅行業協会HPより
https://www.jata-net.or.jp/data/stats/2016/14.html

    人口/出国者数/出国率(%)/入国者数/受入率(%) ※単位千人
日本 127,061/16,903/13.3/13,413/10.6
韓国 50,424/16,081/31.9/12,619/25.0
中国 1,367,820/98,185/7.2/26,361/1.9 (※ただし、中国の出国率の半分は香港、マカオ渡航が含まれています)
台湾 23,434/11,845/50.5/9,910/42.3
香港 7,264/9,232/127.0/17,589/242.1

2014年の台湾の出国率は50.5%、香港はなんと127%です。

ちなみに、台北駐日経済文化代表処のサイトに2015年の台湾の海外旅行者数は1,318万人(前年比11.3%増加)とあり、出国率は56%になります。

台湾の2015年海外旅行者数、過去最高を記録(台北駐日経済文化代表処2016-04-07)
http://www.roc-taiwan.org/jp_ja/post/29994.html

これらの数字をみていると、いかに日本の出国率(13.3%)が低いか、逆に驚いてしまいますね。実際、日本人の出国率は2000年からほとんど伸びていません。この理由については、いろんな説明ができるのでしょうが、それはここで置くとしても、日本の近隣諸国の出国率がこれほど高く、さらに上昇していることは、確認しておかなければなりません。

前述の韓国系ランドオペレーターの彼は言います。

「日本ではどうしても韓国を政治的な目で見ることが多いと思います。そのせいか、韓国を訪れる日本人が減っています。でも、韓国人は『政治は政治、旅行は旅行』と分けて考える人も多いんです。日本の旅行を心から楽しみにしている人たちがこれほど多いことをぜひ知ってほしいと思います」

きっとそうなんだろうなあと思いつつも、日々メディアで報じられる韓国報道に触れる限り、どうして? と思わざるを得ないのも正直なところです。でも、現実には多くの韓国人が日本を訪ねています。こうした彼らの心理についての分析は、今後の課題としたいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-07-30 20:32 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 07月 24日

4年ぶりに中国を抜き、韓国が訪日外客数トップ! 中国は伸び悩み

先週、日本政府観光局(JNTO)による「訪日外客数(2017 年6月推計値)」が公表されました。今年上半期(1~6月)の訪日動向が見えてきました。
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訪日外客統計 2017年6月推計値
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/170719_monthly.pdf

すでに3月の時点で見えていたことですが、4年ぶりに中国を抜き、韓国が訪日外客数トップとなっています。

日本を訪れる韓国人観光客が中国客を追い抜く勢いで増えています(2017年03月16日)
http://inbound.exblog.jp/26722251/

しかも、前年の上半期に比べ42.5%も伸びて339万5900人(以下、推計値)。この調子でいくと、年間で700万人近くなりそうです。韓国を訪れる日本人の数は減っているのに、対照的な現象です。

それにしても、なぜ韓国人はこんなに増えたのでしょうか。その理由については、今後関係者に話を聞いていくつもりですが、LCCの増加で関西方面、高速船で移動が安くて早い九州方面に増えていることは確かのようです。これまで多くの韓国人が中国を旅行していたのですは、今年に入って中国が不当な制裁をしてきたことから、韓国の人たちも嫌気がさして、旅先を中国から日本に振り返る動きが起きたのかもしれません。

一方、伸び悩んでいるのが中国です。前年の上半期に比べ6.7%増にすぎないこともそうですが、6月に限ると、前年比わずか0.8%増。ここ数年、毎年倍増ゲームのように訪日客を増やしてきたことを考えると、大きな変化といえます。これほど伸びが縮んだのは震災以来、初めてかもしれません。

では、中国客はなぜ伸び悩んでいるのか。この理由についても、今後調べていくつもりですが、明らかにいえることは、2015年に大幅拡大した中国の地方空港からの日本路線に減便、縮小傾向が見られることです。

実際、黒龍江省の旅行関係者に聞くと「今年の訪日客は昨年より減っている」と言います。やはり、中国経済の減速があり、それは上海や北京などの沿海先進地域ではなく、地方都市に影響しているものと考えられます。

その他、好調なのは香港インドネシアです。香港は上半期ですでに100万人を突破。その背景として、JNTOのレポートでは「昨今の世界情勢を受けて日本に対する安心感が相対的に高まっていることも、訪日旅行を後押ししている」と分析しています。

伸び率が最高なのがインドネシアで、上半期の前年比44.9%。最近、ビジャブを被ったムスリム系ツーリストの姿をよく見かけるようになったことは確かでしょう。ただし、18万4900人(上半期)と、この市場はまだ動き出したばかりです。

アセアン諸国では、さすがに伸び率は落ち着きましたが、タイは53万900人と、このままいくと年間で100万人を突破しそうです。このままいくと、タイに旅行に行く日本人より多くなる日が来るのかもしれません。隔世の感があります。

最後に、母数は小さいですが、ロシアも前年比40.6%と増えています。その理由に、今年1月ロシア人に対するビザ緩和が実施されたことと、4月末から成田・ウラジオストク便が毎日運航になったことなどから、日本を訪れるロシア人が増えてきたことがわかります。ここ数年、資源価格減による経済不振のため、ロシア人の訪日客は低迷していましたが、少し改善の傾向が見られます。

ロシア国民に対するビザ発給要件の緩和(外務省平成28年12月16日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_004069.html

【追記】
後日、韓国のランドオペレーターに、今年韓国客がこれほど増えた理由について話を聞いてみました。

韓国が訪日客数トップになった背景に出国率の著しい上昇がある
http://inbound.exblog.jp/27020112/
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by sanyo-kansatu | 2017-07-24 15:27 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 07月 17日

「民泊は5万件を超えるが、ほとんどがヤミ民泊」と報じられる by朝日新聞

先週、朝日新聞が「民泊の行方」と題する2本の記事を配信しています。前半(上)では、6月に成立した民泊新法を受けた民泊周辺業界の動き、後半(下)では、施行前の現在における民泊の実態について。「民泊は全国で5万件を超えるが、そのほとんどがヤミ民泊とされる」という、身も蓋もない記述も見られます。

こうした問題を抱える民泊の現在形について、コンパクトにまとまっている記事だったので、以下、転載します。

民泊の行方:上 合法化で転機、大手参入(朝日新聞2017年7月14日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13035500.html

6月下旬、東京都心のオフィスビルの一室に十数人が集まっていた。「新しい民泊物件で出会える! 新法180日対策」と題するセミナーだった。

講師を務める不動産会社の男性が強調した。

「民泊はこれからも有望な投資先であり続ける」

新法とは、6月上旬に成立した住宅宿泊事業法(民泊新法)だ。住宅に旅行者を泊める「民泊」のルールを定めている。来春にも施行され、部屋を民泊用に貸し出せるのは「年180日まで」に規制される。

セミナーは個人投資家向けだった。マンションの一室を購入するか借りるかして民泊用に貸してもうけるのが、いまや人気の投資になっている。講師の男性によると、家賃月7万円が相場の物件でも、民泊で貸せば月40万円近い収入を得られる場合もあるという。

新法施行後は半年ほどしか民泊用に貸せなくなるが、男性は「二毛作で高収益を望める」。残る半年はマンスリーマンションやイベントスペースとして貸し出せばよいのだ、という。

民泊物件の紹介サイトを運営するスペースエージェント(東京)の出光宗一郎社長は「法整備が進んだことで、投資先としての注目度は上がる」と期待する。

増え続ける訪日外国人客を中心に、昨年は国内で少なくとも370万人が民泊を利用したとされる。ただ、関連ビジネスを手がけるのは、米国発の仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」や、部屋の清掃や管理をするベンチャー企業にほぼ限られていた。これまでは有料で人を泊める事業をするには、旅館業法の許可が必要で、許可を得ない「ヤミ民泊」は違法だった。それが新法で合法化されることになり、慎重だった大手企業も動き出した。

京王電鉄は、国家戦略特区で民泊事業が認められている東京都大田区に、民泊専用マンションを開業した。地下1階地上6階建てで、全14室。新法施行後は沿線にも建てていく予定だ。訪日客が沿線の施設を利用すれば、鉄道の乗客増につながる。阪急不動産も、同じグループの阪急・阪神沿線の空き室所有者に民泊事業を働きかける。

一方、楽天は6月末、民泊の仲介サイトを新設すると発表した。約800万件の物件情報を持つ不動産サイトと組み、5万件超を掲載するAirbnbを上回る物件数をめざす。

オランダの「ブッキング・ドットコム」、中国の「途家(トゥージア)」、台湾の「AsiaYo.com(アジアヨードットコム)」……。海外で実績のある外資系の仲介サイトも、日本の物件数を増やそうと動く。米国の「ホームアウェイ」の木村奈津子・日本支社長は「地方の別荘や空き家を民泊物件にしたい」と意気込む。

だが、ビジネスの先行きを不安視する声もある。東京・新宿のマンションを民泊用に貸す20代男性は「大手が入れないようなグレーな商売だから、もうかった。大手が出てきたら勝ち目はない」とこぼす。ピーク時は10室を貸し、月100万~200万円を稼いでいた。それが今では周りの民泊物件との競争激化に加え、清掃やトラブル対応の費用が高くつき、もうけが出にくくなったという。

民泊利用者の宿泊マナーをめぐり、周辺の住民から苦情も相次ぐ。各地のマンションでは管理規約で民泊を禁じるところが増えている。独自の条例をつくって民泊可能な期間を180日より短くしようとしている自治体も少なくない。大手不動産幹部は「違法性のある民泊が難しくなり、物件数は急減するだろう。成長市場だとは思えない」と話す。民泊物件の家具の処分を請け負う「民泊撤退ビジネス」も登場している。


これまでグレーゾーンだらけだった民泊も、新法によって合法化されることから、不動産業界を中心に参入の動きが強まっているようです。彼らにすれば、ホテルであれ、民泊用マンションであれ、投資の中身は問わないからです。

新法を強く意識した民泊支援業者の動きも活発化しています。

「180日ルール」の新法をふまえた「合法」的な民泊としての「マンスリー+民泊」って?
http://inbound.exblog.jp/26893756/

一方、記事にもあるように、従来型のやり方ではビジネスチャンスは拡大しないとの専門家の声もあります。

「民泊新法でビジネスチャンスが拡大は大ウソ!」by行政書士の戸川大冊氏
http://inbound.exblog.jp/26893431/

後半(下)では、民泊集中地区のひとつである東京・渋谷のマンションに、実際に記者がAirbnbで予約して泊まっています。

民泊の行方:下 郵便受けに鍵、「禁止」すり抜け(朝日2017年7月15日)
http://www.asahi.com/articles/DA3S13037547.html

東京・渋谷のスクランブル交差点から歩いて10分。大通りを少し入ったオフィス街に13階建てのこぎれいなマンションがある。6月下旬、民泊仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」で予約し、取材目的で泊まってみた。

「1泊7400円」。立地もよく、約40平方メートルという広さから考えると手頃だログイン前の続き。申し込むと、部屋の貸主から、詳しい住所と4桁の暗証番号を書いたメッセージが携帯電話に届いた。

マンションの入り口にはオートロックがかかり、入れない。メッセージで指示された通り、泊まる部屋の郵便受けの投函(とうかん)口に手を差し込む。指に触れたワイヤを引っぱると、先に南京錠と部屋のカギがついていた。暗証番号で南京錠を外し、カギを使ってオートロックを開ける。

ガラス張りの1階エントランスを入ると、目に飛び込んできたのが「民泊禁止」の貼り紙だ。マンションの管理会社に聞くと、全室で民泊を禁じているという。しかし、Airbnbにはほかにこのマンションの4室が掲載されていた。Airbnb日本法人は「希望があれば掲載するのが基本で、許可の有無は確認していない」(広報担当者)。

予約時に宿泊代と別に清掃代の約8千円を支払い済みだ。だが、部屋の床には髪の毛が落ち、タオルはかび臭い。民泊用の部屋の管理は主にベンチャー企業や小さな不動産会社が引き受けているが、「SNS上で学生や主婦を集めて掃除させる業者も多い」と業界関係者はいう。

6月に成立した民泊新法(住宅宿泊事業法)は来春施行の見込みだ。それまでは、お金をとって繰り返し人を泊めるには、衛生面などの基準を満たしたうえで、都道府県などから旅館業法の許可を得る必要がある。記者が泊まった部屋は無許可だった。宿泊者が罰せられることはないが、泊めた側は違法な「ヤミ民泊」として処罰の対象になる。民泊は全国で5万件を超えるが、そのほとんどがヤミ民泊とされる。

6月下旬、ヤミ民泊の多さで知られた東京・代々木のあるマンションを訪ねた。約800室のうち、一時は50~100室がヤミ民泊に使われていたとされる。1室を借りて民泊用に2年間、又貸ししていた20代男性は「月10万円の家賃を払っていたが、50万円の収入があった」と明かす。

騒音やゴミ出しなどのトラブルが相次いだため、このマンションの管理組合は昨年4月、規約で民泊を禁止した。しかし今も5部屋以上の民泊が残り、大きなスーツケースを持った外国人が出入りする。

ある管理会社の社長はあきれ顔だ。「ヤミ民泊だとばれないような受け答えや、保健所の職員が来たときの対策を指南するマニュアルが出回っている」

自治体も対策に頭を悩ます。情報を得ても、マンションのどの部屋がヤミ民泊で使われているかを特定するのが難しいからだ。ヤミ民泊の情報を受け付けるウェブサイト「民泊ポリス」には連日、問い合わせが相次ぐ。運営する中込元伸さんは「海外の普段の暮らしを体験し、文化に触れるという本来の民泊の姿からは遠くなっている」と嘆く。

こうした民泊のあり方に不満を漏らす訪日客も出ている。「『民泊禁止』の貼り紙を見て歓迎されていないと不快になった」「ゴミや悪臭のひどい部屋で、ひどい経験だった」……。Airbnbの利用者の感想コメントには、こんな書き込みがある。

新法は、民泊用の部屋を提供する貸主に都道府県などへの届け出を義務づける。違反した場合、100万円以下の罰金や1年以下の懲役を科す。

ヤミ民泊は新法で一掃され、健全なビジネスに生まれ変われるのか。取り締まる側、される側とも、重い責任を負うことになる。(森田岳穂)


ヤミ民泊の急拡大によって、宿泊業界は大きな影響を受けています。2015年頃、ホテルの客室不足が話題となりましたが、状況は一変しており、特に訪日客を多く受け入れていたホテルでは、以前のように客室が埋まらない事態にまで至っているからです。理由は、米国系Airbnbだけでなく、中国系民泊サイトの利用者が急拡大したためです。

「夜に消える? 訪日客」。背景には民泊による宿泊相場の価格破壊がある
http://inbound.exblog.jp/26877980/

記事の最後にあるように、新法によって民泊は健全なビジネスに生まれ変わることができるのか。これから半年の動きに注目したいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-07-17 11:32 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 06月 02日

民泊新法、衆院可決。中国民泊サイトは「合法」「ホテルより安い」「物件は自社管理」と言うけど、大丈夫?

昨日、民泊新法が衆院で可決されました。

「民泊」解禁法案が衆院通過 全国で可能に(日本経済新聞2017/6/1)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS31H4L_R00C17A6EAF000/

住宅に旅行者を有料で泊める民泊を全国で解禁する住宅宿泊事業法案が1日午後の衆院本会議で、与党と民進党、日本維新の会などの賛成多数で可決した。家主に都道府県への届け出を、仲介業者に観光庁への登録をそれぞれ義務付け、誰でも民泊を営めるようにする。参院での審議を経て今国会で成立する見通し。早ければ2018年1月にも施行する。

民泊は急増する訪日外国人の受け皿になっているが、近隣トラブルなどの問題が相次ぎルール作りが課題になっていた。通常は家主が許可を得ずに有料で繰り返し宿泊客を受け入れると旅館業法に違反する。国家戦略特区の制度を使って一部の自治体で旅館業法の適用が除外されているが、これを全国的に解禁する。

法案では営業日数は年間180日以内と定め、自治体が条例で日数を短縮できる規定も盛り込んだ。届け出を怠るなど法令に違反すると業務停止命令や事業廃止命令を受け、従わない場合は6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金が科される。


5月下旬に開催されたバケーションレンタルexpoの会場で、存在感を放っていたのは中国企業であったことは、すでに報告したとおりです。日本国内で開かれた商談会なので、正直かなり驚きました。率直に言って、民泊新法が施行された後、彼らはやっていけるのだろうか、と思ったからです。

中国系民泊サイトが続々出展「バケーションレンタルEXPO」って何?
http://inbound.exblog.jp/26889680/
民泊新法でビジネスチャンスが拡大は大ウソ! by行政書士の戸川大冊氏
http://inbound.exblog.jp/26893431/
「180日ルール」の新法をふまえた「合法」的な民泊としての「マンスリー+民泊」って?
http://inbound.exblog.jp/26893756/
ゲストとの鍵の受け渡しが不要となるスマートロックとは?
http://inbound.exblog.jp/26898163/

今回は、彼ら中国企業の関係者が会場でどんな発言をしていたかについて簡単に報告します。

午前11時から大セミナー会場で行われたのは、中国の大手民泊サイト「途家」役員の杜海COOのスピーチでした。北京清華大学卒でアメリカ留学組らしく、英語によるスピーチを強行する姿には苦笑してしまいましたが(いったい誰に聞かせるつもりだったのだろう?)、途家がExpediaグループの傘下となった背景には、彼のような人物がいたからかもしれません。
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途家
http://content.tujia.com/Japan/Index.htm
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スピーチの中で、彼は途家の右肩上がりの成長を淡々と語ります。2016年末には中国国内と海外の登録物件数が50万件を超えたそうです。日本国内の民泊事業では、市場のニーズが高い東京や大阪、京都、北海道、沖縄に重点を置くとしています。

さらに今年4月、中国富裕層に対する会員制ホテルならぬ、「会員制民泊サービス」(?)のためのプラットフォームVA Shareを立ち上げた話をしていました。会員を集め、国内外の賃貸物件や別荘に投資をし、民泊として使いながら資産運用にも使うということのようです。「所有権をシェアすることでコストを削減」「(会員は)毎年1週間の宿泊権利を獲得」「ホテル予約より50%安い」と話していますが、なんだか日本のバブル期を思い出します。
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以下の中国のネット記事によると「現在、国内外のシェア物件は800に達し、2年以内に6000まで増加する計画」だとか。

途家宣布推出共享度假交换平台VaShare(中国经济新闻网2017-04-17)
http://www.cet.com.cn/itpd/hlw/1916656.shtml
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スピーチが終わると、国内民泊サイトSTAY JAPAN(http://stayjapan.com/)を運営する株式会社百戦錬磨代表取締役社長との対談があり、杜海COOは日本における民泊ビジネスを「合法的に行うこと」をやたらと強調していました。

もうひとりの登壇者は、同じく中国民泊サイト「住百家」の日本法人の夏川峰社長です。彼は20年前に来日したハルビン出身の中国系日本人です。
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住百家 http://www.zhubaijia.com/

彼によると、住百家の設立は2012年で、現在世界70カ国、800都市で38万件の民泊登録物件があるそうです。ところが、彼の話はあまりに抽象的すぎるうえ、日本人でありながら中国語でスピーチしたものを同時通訳するという不可解なスタイルを採用したせいか、何が言いたいのか、よくわかりませんでした。

バケーションレンタルEXPO関係者の発信する記事によると、住百家で海外事業部マネジャーを務めるChoco Zhang氏は「日本には現在2万件ほど物件が登録されており、東京にはマンションが、京都では一軒家などが多く登録されている。住百家上で一番予約が多いのは日本なので、日本市場を重点的に開拓していく」のだそうです。

来場者3,000名超「バケーションレンタルEXPO」民泊事業者ら一堂に会する(MINPAKU.Biz ニュース編集部2017.05.29)
http://min-paku.biz/news/vr-expo.html

同じ記事には、中国系民泊サイト「小猪」の副社長を務めるMichael Sun氏のコメントも載っています。「今日は日本の民泊ホストや民泊運用代行会社、ホールセラーらとより多くのパートナーシップや協力関係を構築するためにやってきた。日本は中国で最も人気がある観光地。我々は日本市場に進出してまだ4ヶ月で物件数も500件だが、今後は5,000件を目指す」とか。

小猪 http://www.xiaozhu.com/

我々の知らないうちに、中国民泊サイトは日本国内の登録物件をこんなに増やしていたのでした。

日経では、中国民泊サイトの成長について、半年以上前のことですが、次のような記事を配信しています。

中国民泊「途家」、エアビーを猛追(日本経済新聞2016/9/7)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDX02H23_W6A900C1FFE000/

一般住宅の空室を有料で貸し出す「民泊」の仲介。世界の先頭を走る米エアビーアンドビーの強力な競争相手になりうる中国企業が台頭してきた。途家網(トゥージア)は景気減速下でも衰えない中国人の旅行熱を取り込み、創業から5年で40万を超える物件を抱えるまでに成長した。年1億2千万人を突破した中国人海外旅行客を巡り、アジアでは米中両巨頭のつばぜり合いも始まった。

■物件40万件超

「上海ディズニーに近く、全室テレビとエアコンを完備」。途家のサイトでは観光地やビジネス街の名前から、条件の良さをアピールする物件が簡単に見つかる。上海ディズニーリゾートに近い個人宅は広さ160平方メートルで最大6人が泊まれる。1泊約500元(約8千円)。周辺のホテルで複数の部屋を借りる場合の数分の1で済む。

途家は個人宅のほかにもアパートや古民家、別荘など国内外の宿泊施設を仲介する。2011年の創業で国内外の物件数は43万件。エアビーアンドビーの5分の1の規模だ。中国人の旅行ニーズの多様化に伴い、高級物件にも取り組む。

3月、シンガポールの不動産大手、キャピタランド傘下のアスコットと提携。新ブランド「トゥージア・サマーセット」のアパートを年内に計6棟、2千室を新設する計画で、すでに4月にリゾート地の中国海南島で開業した。世界で高級アパートを運営するアスコットと高品質なサービスを提供し、「中国の中間層を取り込む」と途家の羅軍(ジャスティン・ルオ)共同創業者兼最高経営責任者(CEO)は力を込める。

急成長を支えるのは、中国人の巨大な旅行需要だ。15年は国内旅行者が40億人、海外旅行者は1億2千万人を突破。国内旅行収入は3兆4200億元(約52兆円)に達する。大人数で旅行する中国人にとって戸建てや集合住宅を貸す民泊は比較的安く、利用しやすい。

■自社管理強み 

中国では近年の不動産ブーム過熱で空き部屋が急増。有効活用先を探すオーナーが増えた。途家は中国の不動産最大手の万科企業と提携するなどして貸主も取り込む。

エアビーアンドビーなど他の民泊サイトは物件管理を貸主に委ねるが、途家は全て自社で管理する。ベッドメークや掃除のほか、備品の破損や盗難などのトラブルにも対応。「欧米人オーナーは自分で管理できるが、中国人オーナーはそうはいかない」(羅軍CEO)

8月には1日の宿泊予約数が5万6千件と過去最高を記録。国内市場を盤石にした途家が次に狙うのは、中国人の海外旅行客だ。3月にはシンガポール同業で世界30万件の登録物件を持つ「ルーモラマ」と提携し、海外物件を拡充している。

「中国版エアビーアンドビー」と呼ばれるまでになった途家に立ちはだかるのは本家エアビーアンドビーだ。同社シンガポール法人でアジア太平洋地域を管轄するジュリアン・ペルサード地域代表は「16年6月時点で中国人利用者は前年比5倍に増えた」と話す。

同社は昨年、北京拠点を開設。7月からは中国の動画配信サイトを通じ、中国人旅行者の人気旅行先であるパリやバンコク、京都のイメージビデオを放送し始めた。

両社の勝負を左右する可能性があるのが手数料の違いだ。途家は貸主の収入から約12%の手数料を徴収するのに対し、エアビーアンドビーは貸主から3%、借り手から6~12%を徴収。物件数を増やす上ではエアビーアンドビーが優位に立つ。

中国で盤石の強さを誇る途家と、海外の物件数と知名度で先行するエアビーアンドビー。中国旅行者を巡る競争は熱を帯びていきそうだ。


途家に関する報道は他にもいくつかあります。

中国版AirbnbのTujia(途家)、Ctrip(携程)とQunar(去哪)のホームステイビジネスを買収(The Bridge2016.10.31)
http://thebridge.jp/2016/10/tujia-ctrip-and-qunar

中国の民泊大手「tujia(途家)」が日本の高級旅館700軒を掲載へ、「Relux」と業務提携(トラベルボイス2017年2月1日)
https://www.travelvoice.jp/20170201-82407

これら中国民泊サイトの日本進出や日本法人設立にはどんな背景があるのでしょうか。

その理由を普通に考えれば、来年1月に施行される民泊新法への対応だと思われます。これまでのような違法営業は許されなくなるからです。ところが、彼らの話を聞くかぎり、どうやらそういうことでもなさそうな気がしてきます。

日経の記事で興味深いのは「エアビーアンドビーなど他の民泊サイトは物件管理を貸主に委ねるが、途家は全て自社で管理する。ベッドメークや掃除のほか、備品の破損や盗難などのトラブルにも対応」という部分です。これはどういうこと? 彼らが日本法人を設立したのは、自社で民泊物件の管理をするということなのか?

「貸主の収入から約12%の手数料を徴収」(エアビーアンドビーは貸主から3%、借り手から6~12%を徴収)と途家の民泊ホストへの手数料が高いのも、そのせいだというのでしょうか?

疑問は尽きないのですが、今回これらの日本法人の担当者と知り合うことができたので、あらためて話を聞きいてみたいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-06-02 13:52 | “参与観察”日誌 | Comments(0)