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2017年 10月 25日

中国のバイク便兄ちゃんの事故が多発する気の毒な事情-背景に地方出身者に対する戸籍差別がある

ここ数年、中国、特に上海などの経済先進都市に行くと、街にバイク便があふれている光景を見かけます。
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いま上海で通りに並んでいるのは、シェアサイクルの自転車か、各社のバイク便ばかりです。
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中国のECは世界でいちばん進んでいると言われますが、それが可能となるのも、バイク便兄ちゃんの数が世界でいちばん多いからともいえます。

日本より進んでいる中国ECサービス 支えているのは誰か? (2016年03月28日)
http://inbound.exblog.jp/25584174/

第19回中国共産党大会が終わり、今日はこんな報道もありました。

「ネット出前」中国爆走 遅配は罰金、配送員の事故多発(朝日デジタル2017年10月25日)
http://www.asahi.com/articles/ASKBM4SR2KBMUHBI014.html

習近平(シーチンピン)政権が2期目を迎える中国経済。24日に閉幕した共産党大会の期間中に発表された2017年7~9月期の国内総生産(GDP)成長率は、年間目標の6・5%前後を上回り、国家統計局は「経済は穏やかさを増している」と自信を深める。消費主導の経済への移行が順調に進むが、新たなひずみも目立ってきた。

お昼時の北京。赤、青、黄色のジャンパーをまとった人々が街中を電動バイクで駆け抜ける。スマートフォンで注文したレストランの料理を配達してくれるネット出前の配送員だ。

16年時点でネット出前の利用登録をしているのは全国で2億人を超える。スマホで決済まで完結できる便利さが受けている。

配送員の収入も悪くない。中国中央テレビによると、1回6~7元(102~119円)の配送を1日30~40回繰り返し、1カ月休まず働けば、業者が保証する賃金4千元程度と合わせて収入は1万元を超える。働いただけもうかる仕組みに、地方から出稼ぎに来た人々が飛びついた。

しかし、配送員の表情は浮かない。

「遅配や苦情があれば、給料から罰金を引かれる。バイクも自分で用意しなければならない」。東北部出身の20歳代の男性は、取材にそう語った。一定時間内に届けられないと20元、苦情があれば500元の罰金をとられるという。

遅配を避けたい配送員が猛スピードで運転するため、交通事故が頻発している。新華社ネットによると、江蘇省南京市では今年1~6月、出前によるバイク事故が3242件起き、3人が死亡。2473人がけがをした。

■習政権推進の新ビジネス、「格差」前提

ネット出前は、1期目の習政権が推進してきた技術革新による経済成長を象徴する新ビジネスだ。16年は全国で1千万人以上が配送員として登録していたとされ、大量の雇用を生み出している。

新ビジネスの発展について、李克強(リーコーチアン)首相は9月の政府の会議で「経済発展の新たな原動力をもたらしただけでなく、雇用をしっかり支えた」と称賛した。

とはいえ、低賃金で配送を請け負う出稼ぎ労働者がいて初めて成り立つネット出前は、「格差」が前提だ。大手の管理部門に勤める若手社員は、「安い労働力がないと成り立たない」とこぼす。

強まる批判を受けて、大手の一角の美団外売は9月、上海紙の取材に、配送員の労働環境を改善すると表明した。配送員の受け持つ量を減らし、バイクのスピードを監視するという。

「我が国の主要な社会矛盾は、日増しに増大する素晴らしい生活への人民の要求と発展の不均衡、不足との矛盾に変化している」

18日に開幕した共産党大会では、習総書記(国家主席)が今後5年の方針を示す政治報告でそう分析し、「より質が高く、より十分な雇用を図る」との目標を掲げた。

成長がもたらす新たなひずみにも配慮できるか。ネット出前の労働環境の行方は、習体制2期目を占う一つの指標になりそうだ。(北京=福田直之)


この記事では、中国のEC市場の拡大は「格差」前提の新ビジネスに支えられていると指摘しています。つまりは、「低賃金で配送を請け負う出稼ぎ労働者がいて初めて成り立つ」のが出前&宅配ビジネスなのです。では、彼らが背負う「格差」はどこから来るかといえば、中国の地方出身者に対する戸籍差別にあるといっていいと思います。これは共産党が建国当初から続けてきた政策によるものです。差別によって国を統治するのが彼らの伝統的なやり方です。

今年3月、上海を訪ねたとき、街を疾走するバイク便兄ちゃん(もちろん、中高年のおじさんもいます)の姿を知らず知らずのうちに追っていたので、その一部を紹介します。

朝早く通りを歩いていると、ブルーのジャケットを身につけた集団がいます。
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朝礼のようなことをしているようです。
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彼らこそ、朝日の記事に出てくる出前サイト「饿了吗(おなかすいた?)」の配達人です。
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饿了吗
https://www.ele.me/home/

これは市内のどこにいても近所の飲食店からお弁当や飲み物などを宅配してもらえるECサービスです。さすがは「食の国」中国らしく、地方都市でもかなり普及していて、いまや中国は「出前パラダイス」です。
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配達人の姿は真新しいショッピングモールの中でもよく見かけます。ショップ店員さんたちが注文しているからです。
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ある麺屋さんに入ったときも、その店では「饿了吗」と契約して出前をやっていました。上海ではほとんどの飲食店が「饿了吗」に限らず、なんらかの出前サービスと契約しているようです。
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オレンジ色のジャケットは、中国検索サイト大手「百度」の運営する「百度外卖」。
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黄色は「美団外卖」。町の食堂のような店でもどこかと契約しています。
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これらの出前サービスは、当然WeChatPayやアリペイで支払われます。この中国の2大決済アプリは現在、猛烈な加盟店獲得競争を続けているため、売上に応じて店にチップを渡すなどのインセンティブ合戦が起きており、町の果物屋さんでも「支付宝(アリペイ)」が使えるようになっています。
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これがよくいう「中国がキャッシュレス社会になっている」といわれるゆえんです。もちろん、地方に行けば、ここまで普及しているとはいえませんけれど。

とはいえ、中国のEC社会の実態はこんな場面にも現れています。たまたま通りを歩いていて、運送会社の前を通ることがありました。配送前の荷物が地面に放り出されており、これでは相当きちんと荷造りしないと大変です。
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バイクの後ろにこんなに荷物を積めば、事故も起きるでしょう。
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これなんか、走っていて荷崩れしないのかしら。
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最後に、これもたまたま上海駅近くの食堂で見かけたバイク便兄ちゃんたちの食事の光景です。
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みなさんスマホは手にしています。
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この種のローカルな食堂では、一品10元も出せばすみます。
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上海など大都市部の建設労働がひと段落した後、地方からの出稼ぎ労働者を待っていたのはバイク便兄ちゃんになる道だったというわけです。

【追記1】
以下のネット記事には、配送人たちの姿を映した動画が配信されていました。まさにこんな感じですね。

<上海だより>悲惨な労働環境の“闇”──激戦、中国宅配業界の配達員事情(The Page2017.05.12)
https://thepage.jp/detail/20170512-00000001-wordleafv

【追記2】
配送人の置かれた環境は、中国に限らず、欧州でも同じようです。欧州では周辺国から来た移民労働者が、中国では他の省や農村から来た都市戸籍を持たない外地人がこの仕事を担っているわけです。その意味で、中国をはじめとしたEC市場の拡大は彼らの存在抜きでは考えられないのです。

欧州のイケア運転手、トラック内で長期生活 低賃金で(BBC Japan2017年03月16日)
http://www.bbc.com/japanese/39276687
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by sanyo-kansatu | 2017-10-25 11:23 | のんしゃらん中国論 | Comments(0)
2017年 10月 25日

今年の国慶節時のバスはほどほどの感じでした(ツアーバス路駐台数調査 2017年9月)

今年の国慶節休暇中に新宿5丁目に現れた中国ツアーバスの数は、普段と比べて特に多くも少なくもないという感じでした。

9月中旬に伝えられた中国の日本の団体ツアーに対する数値制限の通達の影響がどうなるのか気がかりでしたが、少なくとも10月中のツアーは早い段階で予約されていたものだと思いますから、影響らしいものは感じませんでした。問題は、11月以降です。いくつかの省や都市ではもう1本もツアーは出せないと言っていますし、まったくそんなことはないという話も聞かれます。中国ではいつもこんな感じで、地域によって通達の中身も違うのかもしれませんし、よくわかりません。

中国はついに日本への渡航制限を始めるのか? (2017年 09月 22日)
http://inbound.exblog.jp/27130164/

ただし、10月8日までの国慶節休暇中は子供連れのファミリー客が多かったのですが、中旬を過ぎると、以前と同様中高年世代のグループの比率が増えたように思います。学校を休んでまで海外旅行というわけにはいかないでしょうから、これも当然でしょう。相変わらず、新宿5丁目界隈の中国団体客専用食堂では、中国のおばちゃんたちがにぎやかです。
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※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(日)未確認
2日(月)未確認
3日(火)12:00 4台
4日(水)12:50 5台
5日(木)12:20 4台
6日(金)未確認
7日(土)未確認
8日(日)未確認
9日(月)未確認
10日(火)12:10 5台
11日(水)11:50 4台、18:20 2台
12日(木)未確認
13日(金)12:40 7台
14日(土)未確認
15日(日)未確認
16日(月)12:10 5台
17日(火)11:50 4台
18日(水)12:20 4台
19日(木)12:10 3台
20日(金)未確認
21日(土)未確認
22日(日)未確認
23日(月)12:00 5台
24日(火)12:20 4台
25日(水)12:30 3台
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by sanyo-kansatu | 2017-10-25 11:13 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2017年 10月 25日

099 アールヌーヴォー建築はKFCになっていた

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かつてハルビンを代表するロシア正教会(中央寺院)のあった紅博広場の近くにある、ユニークなアールヌーヴォー建築も旧東清鉄道社宅だった。1990年代には中国への進出の早かったベネトンのショップだった時期もあったが、現在、KFCとして使われている。(撮影/2014年7月)

※この種の中国のユニークな建築の存在に最初に目を付けたのは、外資系企業でした。中国建国以降、灰色の社会主義建築で覆われていたハルビンのあちこちに残っていたロシア時代の建築は、文革当時はブルジョワ的とされ、その一部は破壊されたものもあったのですが、改革開放以降の新時代に見直されることになります。いまではお化粧直しされ、市を挙げたPRに使われています。時代の波に翻弄されながらも生き残ってきたこれらの老建築はハルビンの魅力のひとつとなっています。

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http://border-tourism.jp/haerbin/
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by sanyo-kansatu | 2017-10-25 08:30 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 24日

098  旧東清鉄道社員の宿舎(現ハルビン南崗展覧館)

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ハルビンに東清鉄道を建設したロシア人たちの社員宿舎だったという建物は、この町にあるアールヌーヴォー建築の代表作のひとつ。現在はハルビンの100年間の歴史を展示する博物館として使われているが、かつては幼稚園として使われた時代もあった。(撮影/2014年7月)

※ぼくはこのユニークな建物が幼稚園として使われていた1990年の頃、ここを訪ねたことがあります。子供たちが好むようにピンクや黄色などに塗りたくられ、あの当時のハルビンとしては斬新かつポップな様相を呈していました。いまは博物館で、1920~30年代のロシア文化が花咲くハルビンの写真や遺品を観ることができます。


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by sanyo-kansatu | 2017-10-24 08:44 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 23日

097 ハルビンはアールヌーヴォーの街

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19世紀末にロシア人に造られたハルビンには、ヨーロッパから多くの外国人が集まってきており、さまざまな様式の西洋建築が建てられた。なかでも当時隆盛を極めたアールヌーヴォー建築が、遠く離れたこの地に周回遅れで建てられた面がある。その有機的なモチーフや曲線を多用するデザインは遊び心にあふれていて、当時のハルビンはまるでおとぎの国のようでもあった。(撮影/2014年7月)

※いまでこそ、高層ビルもずいぶん建てられたハルビンですが、昔からロシアや日本時代のユニークな建築が印象的な街です。建築を訪ねて旅する人も多くいます。

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by sanyo-kansatu | 2017-10-23 09:25 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 22日

096 冷えた身体を温めてくれた長白温泉

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長白山の山麓には温泉がある。天池登山で心底冷えた身体を温めるには、温泉に限る。この源泉かけ流しの野趣あふれる露天風呂は、いまはなき長白山国際観光ホテルのもの。(撮影/2008年5月)

※長白山はいまから1000年ほど前、大噴火した「活火山」です。噴火で放出された岩石や灰は日本にも飛んできたという記録が残っています。最近、北朝鮮が付近で核実験をするため、火山の内部が活性化して噴火するんじゃないかなどという人もいるほどです。でも、そのおかげで周辺にはいい温泉があります。

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by sanyo-kansatu | 2017-10-22 09:41 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 20日

中国政府による訪日ツアー客への数値制限と国慶節の中国メディア報道

中国の国慶節休暇が10月8日に終わり、中国メディアは今年の海外旅行動向を報じています。これらの記事を簡約して伝えるレコードチャイナなどから紹介します。

まず、あいかわらずの民族大移動を大げさに伝える話。

中国の「スーパー連休」、延べ7億人が国内を大移動(レコードチャイナ2017年10月10日)
http://www.recordchina.co.jp/b193189-s1-c30.html

(一部抜粋)中国で建国記念日にあたる国慶節と中秋節を祝う超大型の8連休が8日に終わった。中国国家観光局データセンターによると、期間中に延べ7億人が国内を移動し、観光収入は5836億元(約9兆8924億円)に上ったという。

携程旅行網(シートリップ)は、連休期間中に旅行に出かける人のうち、「親子旅行客」と「家族旅行客」がそれぞれ32%、42%を占めるとする予測。

国家観光局や携程旅行網のデータによると、8連休中に海外旅行に出かける人は延べ600万人を超えるとされ、うちツアー客は64万1900人に上ると推計されていた。国内の約300都市から88カ国・地域の1155都市に出かけ、人気の旅行先は、国別ではロシア、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシアと続き、都市別では、モスクワが最多で、以下、サンクトペテルブルク、バンコク、パタヤの順だった。


この時期、家族や親子旅行が多かったことを記事は指摘しています。さらに、人気の旅行先としてアジアの国を中心に挙げていますが、意外だったのはロシアが入っていることと、日本がないことか。

一方、別の記事は日本での消費額はあいかわらず大きいと言っています。

国慶節休暇中の訪日中国人の消費金額は1000億円以上に?―中国ネット(レコードチャイナ2017年10月10日)
http://www.recordchina.co.jp/b185947-s0-c20.html

(一部抜粋)中国のポータルサイト・今日頭条に、国慶節休暇(10月1日〜8日)に日本旅行へ行った中国人の消費金額について伝える記事。

16年の国慶節では、訪日中国人数は50万6000人となり、この傾向からすると今年の国慶節の訪日中国人数はさらに増えたと考えられるとした。

最新の統計によると、国慶節期間中に訪日中国人が消費した金額は、合わせて1000億円を超えるという。統計によると、訪日中国人のうち、買い物が目的と回答した人が7割を占め、観光はわずか3割だったという。


これ本当なんでしょうか。

次は興味深いニュースです。2014年9月の雨傘革命以降、中国政府が渡航に制限を加えていた香港で、今年は過去最高の中国客が訪れているという話です。なるほど、学生運動家らも逮捕し、中国政府のいう「動乱」は解決したから、そのご褒美に大勢の観光客を送り、消費に貢献させようという腹でしょうか。それがみえみえです。

香港、中国の大型連休で観光業が大幅回復(レコードチャイナ2017年10月10日)
http://www.recordchina.co.jp/b193020-s10-c20.html

(一部抜粋)特区政府入境事務処発表の統計では、10月1日に大陸部から香港を訪れた観光客は過去5年で最多の延べ20万6000人(前年同期比9.4%増)で、最も多いのは個人旅行だった。

香港観光の目玉は今もショッピングだ。人気ショッピングエリアの銅鑼湾では、多くの店が「大型連休イベント」「建国記念日セール」などの宣伝文句を簡体字で掲げている。大陸部の銀聯カードや「微信支付」(ウィーチャット・ペイメント)で決済し、特別割引を得られる店も少なくない。

香港観光発展局の統計では、今年1〜8月に大陸部から訪れた観光客は前年同期比1.9%増の延べ2900万人に達した。


一方、こんなニュースもあります。国慶節中にアメリカに行く中国客が減っているというのです。

なぜ?「国慶節連休の中国人観光客が減った」と米観光業者(レコードチャイナ2017年10月11日)
http://www.recordchina.co.jp/b193297-s1-c30.html

(一部抜粋)600万人を超える中国人観光客が海外を訪れると期待された今年の国慶節(建国記念日)連休だが、米カリフォルニア州の観光業者からは「中国人客の数は例年より少なかった」との声が上がっている。

米中間を行き来する航空機でも中国人団体客の利用が減ったことが指摘されており、ある旅行会社の関係者は連休中の航空料金の高さやビザ取得が困難になったこと、米国の治安に対する旅行者の不安を原因として挙げる。また、「ピーク時を避けたいという考えが(国慶節シーズンの)団体客減少につながった」と話すバス会社の関係者は「連休中、個人客は比較的多かったが中国人観光客が増えたという実感はない。ただ、連休が終われば団体客も増え始める」「庶民の海外旅行にとって航空料金は大きな問題」などとコメント。


これはどういうことでしょう。国慶節休暇中は航空運賃が跳ね上がるので、団体ツアー客のような安価な料金で海外旅行したい層が、この時期をはずして連休後に移動しているということでしょうか。もしそうなら、市場の動きとしてはそれなりに健全な話です。

ところが、韓国の災いは続いているようです。いいかげん、中国は弱いものいじめはやめるべきではないでしょうか。

中国人の韓国ボイコットはここまで!大型連休中の団体客はゼロ=中国ネット「この時期に行くわけがない」「団体客は全部日本に行ったとか」(レコードチャイナ2017年10月12日)
http://www.recordchina.co.jp/b188859-s0-c30.html

(一部抜粋)10日付の中国・海外網によると、連休中の訪韓中国人観光客について韓国メディアは「THAADの影響下で団体客は依然としてゼロ。免税店の売り上げ減は避けられず、中国人消費者のロッテ免税店での購入額(1〜7日)は昨年の国慶節連休に比べ25%減った。国内の消費者をターゲットとしたセールも実施されたが期間全体の売り上げは前年同期に比べ15%縮小」などと報道。さらに今年1〜8月のデータとして訪韓中国人の数が前年同期の52.6%(延べ302万2590人)にとどまった。

しかし、同じ矛先は日本にも向かい始めています。9月下旬、日本のメディアが中国による日本ツアーの数を制限するよう自国の旅行会社に通達を出したと報じました。

いったん中国メディアはそれを否定しましたが、中国の複数の旅行会社に確認したところ、通達は確かに出ていたことが確認できました。理由についてはいろんな説があり、後日整理して報告したいと思います。

中国はついに日本への渡航制限を始めるのか? (2017年 09月 22日 )
http://inbound.exblog.jp/27130164/
中国メディアがTBS報道「中国、訪日旅行に制限」に反論! とはいうものの… (2017年 09月 25日)
http://inbound.exblog.jp/27147682/

中国メディアは通達のことなど知らぬふりで中国人の日本旅行が「買い物から体験にシフト」したといい、人気都市として「パリ、香港、大阪、東京、バンコク」を挙げています。

中国人600万人が国慶節に海外旅行  消費スタイルは買い物から体験へシフト(人民網日本語版 2017年10月16日)
http://j.people.com.cn/n3/2017/1016/c94475-9280429.html

今年の国慶節も終わり、数値制限の通達以降、訪日中国旅行市場はどう推移していくのか。要するに、これまでの訪日ツアーの代金が安価だったからこそ「行ってみてもいい」「行ってみようか」と参加してきた地方都市を中心とした客層が、通達以降、2倍近い料金になっても、これまでどおりツアーに参加するだろうか、ということではないかと思います。

今週、日本政府観光局(JNTO)が公表した今年9月の統計では、中国客は「前年同月比29.9%増の678,300 人で、9 月として過去最高」と好調だったことを伝えています。

訪日外客数(2017 年9 月推計値)
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/171018_monthly.pdf

この時期、まだ通達の影響はないのですが、今後については中国側と情報交換しつつ、行方を探っていきたいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-20 16:27 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 10月 20日

Laox銀座本店でひな壇座りする中国客。ここは中国なんだなと思う

今週水曜、観光庁の今年第3四半期の訪日外国人消費動向調査がリリースされ、朝日新聞も以下の記事を配信しています。昨春の「爆買い」終了の影響で落ち続けていた外国人1人あたりの消費額が1年9ヵ月ぶりに増えたというのです。

【訪日外国人消費動向調査】平成29年7-9月期の調査結果(速報)
http://www.mlit.go.jp/common/001206326.pdf
リピーター効果、訪日客の消費増 1人16.5万円(朝日デジタル2017年10月19日)
http://www.asahi.com/articles/DA3S13186795.html

訪日外国人客の7~9月期の1人当たり消費額は前年同期比6・6%増の16・5万円と、7四半期(1年9カ月)ぶりに増えた。かつての「爆買い」の勢いはないが、高額品が売れ、百貨店でも客単価が上がっている。

観光庁がサンプル調査をもとにした推計値を18日発表した。1人当たり消費額は、「爆買い」が盛り上がった2015年7~9月期の18・7万円がピークで、16年以降は前年同期を下回っていた。

上昇に転じたのは、繰り返し訪れるリピーターの効果が大きい。観光庁の田村明比古長官は「リピーターほど消費額が多い傾向がある」という。同庁の推計では、リピーターは前年同期より3・5ポイント増えた。

効果は百貨店で目立っている。日本百貨店協会によると、8月の全国の百貨店の訪日客の1人当たり消費額は、前年同月比2割増の6・7万円だった。(森田岳穂)


こうした傾向は、すでに今年の春先ごろから見られていました。本ブログでも、今夏の百貨店売上が好調だったことに触れています。

訪日外国人の免税売上の伸張で、今夏の百貨店売上は好調でした(2017年 10月 04日)
http://inbound.exblog.jp/27218265/

そこでも書いたのですが、中国の「爆買い」終了で大きな痛手を負った中国系家電量販店Laoxも、今夏の売上はまずまずだったようです。

国慶節休暇も終わった今週夕方、たまたま銀座に立ち寄る機会があったので、銀座8丁目本店を訪ねてみました。
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Laox銀座8丁目本店
http://www.laox.co.jp/stores/ginza/

相変わらず店の前には入れ替わり中国ツアー客を乗せたバスが駐停車していました。とはいえ、2年前の大混雑に比べると、適度な感じとでもいうのでしょうか。おそらくバスの停車時間や買い物時間などもきっちり決められていて、整然と配車が行われているのだと思います。
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本店の前はそれなりに中国客の人だかりができていました。買い物をすませたり、そもそも最初からする気のない人たちがバスを待っているのです。
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若い女性のツアー客もそれなりにいます。どれだけ個人化が進んだといっても、中国の地方都市から来る人たちはまず団体ツアーに参加するからです。
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Laoxの店舗は表も外も、イメージキャラクターの福原愛ちゃんであふれています。
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3階まである店内を見て回って気づいたのは、それぞれのフロアに置かれる商品の構成が大きく変わっていたことです。ひとことでいえば、日本製の電気炊飯釜と温水洗浄便座以外の家電製品は、細々したものを除くと、ほぼなかったのです。

それがこの1~2年の話だとわかるのは、店内の階ごとの商品構成を書いたプレートです。3階には「デジタルカメラ」と大きく書かれているのに、置いてないからです。実は、銀座にもう一軒銀座EXITMELSA店があり、そちらにはSONYのデジカメが置かれていましたが、これをみる限り、美容家電などの一部を除き、日本の家電は中国の消費者から相手にされなくなったということがわかります。家電メーカーの人たちはすでに承知していたことでしょうが、一般の日本人にとってこれはかなり衝撃的なことといえるかもしれません。

面白いのは、店舗正面奥の1階から2階に上がる階段に、ひな壇座りしている中国客がいたことです。さすがに正面から撮るのははばかられたので、こっそり背後から撮ってみました。
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この光景を見て「ここは中国なんだな」とあらためて思った次第です。

思えば、パリのルイヴィトン本店に押しかけ買い物した後、VAT(ヨーロッパの付加価値税)払い戻しの手続きを待つため、店内の床や階段に座って、ついにはおやつを食べ始めてしまう中国客が続出したことが問題になったことがありました。いくらなんでも呆れた話なので、中国のテレビニュースでも「こんなみっともないことはやめよう」と国民に啓蒙していたのが、確か2013年頃でした。

最近では、中国メディアも中国客のマナーは改善したと言っています。

訪日中国人観光客のマナー、ガイドが語る「数年前との違い」とは?―中国メディア(Record china2017年7月11日)
http://www.recordchina.co.jp/b183996-s0-c30.html

(一部抜粋)訪日ツアーを担当してきたあるガイドは「中国人観光客の印象はここ数年で明らかに変わった。以前の訪日ツアーではごみのポイ捨てや喫煙場所について何度注意してもマナー違反がたびたび起こったが、近年は出発前に自ら旅行中の注意事項を尋ねる客が増えていて、ルールを守ろうという意識も持っている」。

さすがにそりゃそうでしょうという話ですが、店舗の階段のひな壇座りを見て、これが許されるのもLaoxだからなんだろうと思った次第。これを三越や東急プラザでやられたら、さすがに問題でしょうから。

とはいえ、中国の地方都市から来た団体ツアー客の人たちが、あれほど自国で評判の悪いLaoxに来るのも、ツアー造成上のビジネスモデルの問題であり、ある意味仕方がないことです。それが破格に安いツアー料金に参加する条件なのですから。ここで買うつもりがなくても、ガイドに連れられてくる以上、買う買わないはともかく、1時間近くずっと待っていなければならないのは辛いことでしょう。ひな壇座りしている若い人たちが多いのも、彼らは買いものにそんなに興味がないからだと思われます。

今回訪ねてあらためて思ったのは、Laoxはもう「家電量販店」と呼ぶには無理があるということです(そう思っていたのは日本人だけだったのかもしれませんけれど)。免税小売店として、中国客のニーズに合わせて短期間で細かく商品構成を変えてきたことが同店の生き残った理由であり、その小回りの早さは日本の小売店にはなかなか真似できないことだと思います。

その一方、Laoxが今後も売上を伸ばすには、中国客以外の取り込みが必要でしょう。でも、この感じだと、他の国の人たちが銀座の中からわざわざここを選んでくるだろうか。今後、中国政府の通達で訪日団体ツアーの数値制限が始まるとすれば、ますます大変だと思います。

Laoxを出ると、今年4月にオープンした銀座シックスのブランドショップの明かりが目に入りました。こちらも中に入ってみましたが、1階のツーリストサービスセンターはコンビニとカフェが一体化したスペースで、気分よく時間をつぶすのに悪くない空間でした。
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銀座シックス
https://ginza6.tokyo/
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by sanyo-kansatu | 2017-10-20 13:55 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2017年 10月 20日

095  松花江の源流

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長白山の天池から零れ落ちる長白瀑布の滝口は、まさに松花江の源流といえる。手で触ると、しびれんばかりの冷たさ。この聖流が、満洲の大地をうねって下り、黒龍江(アムール河)につながり、やがてはオホーツクの海にへと注がれる。(撮影/2008年5月)

※今年の6月サハリンを訪ねたとき、オホーツク海を眺めたのですが、長白山の天池からずっとつながっていることを思うとき、とても不思議な気がしました。

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by sanyo-kansatu | 2017-10-20 12:20 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 19日

094 絶景、氷結する天地

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北坡の長白瀑布の脇にある登山道を上り、天池を訪ねた。風がヒューと鳴る以外は、無音の世界。流れゆく黒雲の合間に、時おり陽光が氷結した湖面を明るく照らす。環境保護の観点から、現在は中国側から天池に上る登山道の利用は禁止されている。(撮影/2008年5月)

※もう二度とこの場所に行くことができないと思うと、残念です。

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by sanyo-kansatu | 2017-10-19 16:29 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)