ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 03月 24日

中国クルーズ船乗客の済州島の下船拒否には呆れたが、今後困るのは中韓双方の民間業者(日本への影響 も)

3月11日、中国クルーズ船乗客が済州島で下船拒否したことが報じられました。中国政府による韓国旅行禁止がスタートする3月15日以前であるにもかかわらず、このようなことをしでかすとはまったく悪辣な輩たちです。

済州島に下船拒否した中国人観光客3400人、ごみ2トンを捨てて出港(中央日報日本語版2017年03月14日)
http://japanese.joins.com/article/813/226813.html

11日、済州(チェジュ)港に入港したが、下船を拒否した遊客(中国人団体観光客)約3400人が済州海にごみを2トン程度捨てて行ったことが分かった。

13日、済州税関などによると、11日に済州港に入港した国際クルーズ船コスタ・セレーナ号(11万4000トン級)が寄港する間、約2トンに達するごみを捨てた後、この日の午後5時ごろに次の寄港地に向かった。

中国のある企業のインセンティブ観光を出た3400人余りの遊客は11日、済州に到着したが、下船するなという会社側の通告を受け、全員が船に留まって寄港4時間後である午後5時ごろ、次の寄港地に出発した。

ごみは全部リサイクルごみのペットボトルや紙くず、缶の種類だ。このごみは済州税関の申告手続きを経て済州道某廃棄物会社で処理し、廃棄物処理の費用は船社側が負担した。

11日に入港したセレーナ号には遊客3400人余りが乗っていた。中国のある企業のインセンティブ観光団だった。イタリア・ドイツなど欧州から来た一部の旅行客もいた。

しかし、遊客は入港したが下船はしなかった。下船せず出港した理由は、中国政府のTHAAD(高高度防衛ミサイル)体系の報復措置の一つとして韓国観光禁止発表に従ったものとみられている。

世界的コスタ船社のクルーズであるコスタ・セレーナ号は、中国を母港にして運営されている。中国共産党機関紙の人民日報はこの日、中国人の大々的な下船拒否事態に対して「中国人観光客のこのような行為は愛国的行動であり、方式も文明的」と評価した。


中国の報復が直撃した韓国のメディアはこのように淡々と事実を伝えています。これだけの仕打ちを受けた以上、もっと怒っていいはずですが、対日報道の場合とは違って、ずいぶんおとなしいんですね。それにしても呆れるのは、ゴミだけ捨てて帰るという不埒ぶり。クルーズ会社と現地の港湾施設との契約を履行したにすぎないのだと思いますが、韓国側も中国の非道ぶりを伝えるうえで、この話をどうしても言いたくなったのではないでしょうか。何より残念なのは、人民日報が「愛国的行動」と称える下船拒否を行ったのが、イタリア系クルーズ会社のコスタ・セレーナ号であること。いまや中国では外資系も政府の恫喝に従うほかないことがわかります。なんとみじめな話でしょう。

普通に考えて、乗客が一斉に同じ行動を取ることはありえないように思われますが、記事によると、同船の乗客が「中国のある企業のインセンティブ観光団」という社員旅行のような組織化されたグループであったことから、それが可能になったのだと理解するほかありません。下船拒否した中国客にこっそり話を聞けば、「自分は本当は下船したかったけど、やむを得なかった」というコメントが聞けそうな気がします。

彼らの下船拒否が悪辣といわねばならないいちばんの理由は、中国側が韓国側関係者へのビジネス契約を一方的に破棄した裏切り行為にあります。

彼らのクルーズ旅行は、寄港地でのバスを利用した上陸観光でのショッピングによる現地手配業者へのキックバックを前提として割安な料金に設定されているからです。この構造は今回のコスタ社の船に限った話ではありません。たとえ「愛国的」理由で下船拒否するとしても、中国側のクルーズ会社または乗客を集めた旅行会社は韓国の手配業者に相応の補填をすべきではないでしょうか。上陸していないのだから、その必要はないと言うことはできるのでしょうが、それでは無責任すぎます。これまで何年も、両者がお互いに協力して継続してきたビジネスモデルなのですから。

要するに、「愛国的行動」を中国メディアに称賛されたこの船の乗客は本来はありえない安いツアーに参加しているくせに、相応の代価を払わなかったということです。

最近は少なくなりましたが、以前はよく日本でも2万9800円上海3泊4日というような激安ツアーがありました。これは今日の中国人の訪日団体旅行と同様、現地のおみやげ屋に連れて行かれ、その購入代のキックバックで現地滞在費などが補填されるしくみなのですが、日本客の中にもみやげもの屋に行くのをパスする人がいました。これと同じです。これがツアー客の中のほんの一部であればともかく、全員が一斉にパスしてしまえば、このモデルは崩壊してしまいます。

ところで、この話はもっと込み入っています。もともと韓国の手配業者はキックバックの一部を中国側の旅行会社に支払っていた経緯もあるからです。手配業者は中国の旅行会社から乗客の手配を請け負う際に、通称「人頭税」と呼ばれる費用を支払います。中国側からすれば、乗客を韓国側に預けるから、せいぜい買い物をたくさんさせて、その上がりで手配費用はまかなってくれ。こちらは送客してやっているんだから、当然その一部をいただきますよ、というわけです。ところが、今回韓国側から渡すものがない以上、中国側も赤字となるはずです。

「中国人は旅行に行くと必ずたくさんおみやげを買う」。それを前提としたこのモデルのおかげで、中国のクルーズ旅行の料金は驚くほど安く販売されています。そう考えると、中国政府の報復により今後痛い目に遭うことになるのは、中韓双方の民間業者といえそうです。

これまで韓国では、2015年のMERS(中東呼吸器症候群)のときもそうでしたし、台風などの天候上の理由でクルーズ船が上陸できなくなることが多々ありました。でも今回は、事情が大きく異なります。

そして、3月15日以降、中国クルーズ船は韓国に寄航しなくなりました。

しかし、日本も「明日はわが身」かもしれません。というのは、中国側が寄港地側に求めていた「人頭税」が、韓国に寄航しなくなることで、日本側からだけ徴収されることになるからです。クルーズ客にはこれまで以上に日本で買い物してもらわないといけなくなるわけですが、「爆買い」の時代は終わり、そうはならないでしょう。でも、それでは今日の不当と思えるほど安価な中国のクルーズ旅行商品が成立しなくなるおそれがあります。

そうなると、中国の旅行会社も困ってしまいます。共倒れです。

まったく中国政府のやることは愚かにしか見えません。
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by sanyo-kansatu | 2017-03-24 13:10 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 03月 22日

内蒙古の大草原でパオのお宅訪問

内蒙古自治区の東北部に位置するフルンボイル平原には、なだらかな丘陵と草原がどこまでも広がり、馬や羊が群れなしている。ただし、この絶景が見られるのも、1年のうちわずか3ヵ月間ほど。この時期、中露国境に近い草原とその起点になる町は多くの観光客でにぎわう。
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↑モンゴル族のスー・チンさん一家をパオの前で記念撮影。11歳になる男の子は、わざわざ民族服に着替えてくれた。
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↑パオの中は思ったより広い。5歳になる末娘はひとみしりで、突然の訪問客に身をガチガチに固め、うつむいてばかり。最後には泣き出してしまった。ごめんね。

お邪魔してわかったパオの暮らしはシンプルで快適

内蒙古の草原を訪ねるのが決まったときから、ある計画を胸に秘めていた。モンゴル族の暮らすパオ(中国語。モンゴル語はゲル)を訪ねててみたいと思っていたのだ。

中露国境の町、満洲里から北に向かって草原の一本道を走っていたときのことだった。道路からはるかに離れた地平線沿いにいくつものパオが点在していたが、路端から数百メートルほどのそれほど遠くない場所にひとつのパオを見つけたのだ。「よし、あのパオを訪ねてみよう」。車を停め、同行してくれたフルンボイル市ハイラル区に住むモンゴル族のガイドの海鴎さんと一緒にパオのある場所まで歩いていくことにした。

いわゆるアポなし訪問だったが、そんな大胆なことができたのも旅空の下にいたからだろう。近くで見るパオは意外に小さく、少し離れた場所に何百頭という羊の群れがいた。

最初はためらいを見せていたパオの住人も「わざわざ日本から来たのだから」と温かく迎え入れてくれた。その日の気温は40度近かったが、パオの中がこんなに涼しくて過ごしやすいとは知らなかった。草原を渡る風が突き抜けるとき、熱を遮断する構造なのだ。お邪魔してわかったのは、彼らの住まいは限りなくシンプルで快適ということだった。
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↑パオの中の調理用具はコンパクトで、まるでキャンピングカーのような暮らしがうかがえる。自家製ソーラー発電機も使っている。

パオの主人はスー・チンさんという女性で、親戚の親子と一緒に過ごしていた。ちょうど彼らは食事の最中で、手扒肉の骨肉を口に運んでいた。彼女はモンゴルのミルク茶「ツァイ」をふるまってくれた。ちょっとぬるくてしょっぱかった。
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↑手扒肉はモンゴル族の日常食で、太い骨付き羊肉を塩で茹でた料理。レストランではタレを付けて食べる。 新鮮な肉は臭くない。
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↑羊の放牧は、空が朝焼けに染まる早朝4時半から日が昇るまでの3時間ほど。男の子も父親の仕事を手伝い、羊を追うのが日課。 
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↑3ヵ月間とはいえ、草原の暮らしには水が欠かせない。お隣のパオははるかかなただ。手前にあるのはゆで肉などを調理する鍋。

草原の暮らしについて話を聞いた。この時期、灼熱の日差しにさらされるフルンボイル平原は、9月になると雪が降り始めるそうだ。1年の大半は雪に覆われ、厳冬期にはマイナス40度以下になるという。ちょっと信じられない話だった。

内蒙古の草原を訪れ、意外に思ったことが他にもいくつかあった。近代的な工場があちこちに建てられていたし、丘陵の尾根には風力発電の巨大プロペラが延々と並んでいた。かつて遊牧民だった彼らの暮らしが大きく変わってしまったのも当然だろう。

モンゴル族の多くはずいぶん前から都市で定住生活を送るようになっている。それでも、1年のうち、雪が溶け、草原が狐色に染まる5月末から8月中旬までの間、スー・チンさんのようにパオ暮らしをする人たちがいる。パオは彼らにとって夏を心地よく過ごすための居場所なのだ。「町で暮らすよりパオのほうがずっといい。自由だから」と彼女は話す。

スー・チンさんは「日本人も私たちと同じ顔をしているのね」と笑った。お隣に暮らす最も身近な外国人であるロシア人に比べればずっと自分たちに近いと感じるのだろう。

国境の町、満洲里のホテルでロシア人ダンサーは舞う


スポットライトがステージに照らされると、にぎやかな音楽とともにロシア人ダンサーが一斉に現れた。華やかな衣装に身を包んだ彼女たちは、ロシア歌謡に合わせて舞い、ブロードウェイ風に踊り、サーカスの曲芸のようなパフォーマンスまで見せた。それは、話に聞く1930年代のハルビンのナイトシーンを思い起こさせる光景だった。
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↑観客は中国の国内客。ダンサーはロシア人。国境の町では、両国の経済力の差が「観る」「観られる」関係を決める。

内蒙古自治区フルンボイル平原の西端にある満洲里。龍港酒店という名のホテルで開かれるディナーショーは、ロシアとモンゴルにはさまれた国境の町の夏の風物詩である。ステージに登場するのは、ロシア娘たちだけではない。地元のモンゴル族の人気歌手による歌謡ショーや馬頭琴などのエキゾチックな演奏もある。

ホテルの宴会場では、この地が短い夏を迎える3カ月間、1日2回のショーが行われている。1年の大半を雪に閉ざされるこの町に、国内外の観光客が訪れるのはその時期しかない。ショーの花形であるロシア娘たちは、お隣の国から来た出稼ぎダンサーだ。

ロシア語で「満洲(Маньчжурия)」 を意味するのがこの町の名の由来である。1901年にロシアが東清鉄道の駅を開業したのが始まりで、以来モスクワと極東ロシアのウラジオストクを最短で結ぶ鉄路の要衝となった。戦後、シベリア鉄道の中露国境駅のある最果ての地として、ヨーロッパに向かう日本人旅行者が車窓から眺めた時期もあった。ここ数年前まではロシアから運ばれた木材の集積地として投資が盛んに行われ、バブル景気に沸いていたが、それも中国とロシアの経済減速によって過去のものとなったと地元の人は話している。それでも、市内には一時期の名残のように、高層ビルがいくつか建っている。
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↑満洲里駅にはロシアからの木材が積まれた車両が並んでいる。かつての好況はもはやないが、駅裏には高層ビル群が見える。
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↑短い夏の間、市内は派手なネオンで彩られる。道を歩く大半は中国の国内客だが、ロシア人の姿も見られる。
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↑内蒙古の草原のもうひとつの意外な光景は、白黒斑の乳牛が多く草を食んでいること。草原の産業化が進んでいる。

いまでは草原観光の起点として、中国国内の都市部の人たちが多く訪れるようになっている。高層ビルの林立する過密都市に住む彼らが、地平線のかなたまでなだらかな丘陵や草原の続く内蒙古の風景に憧れてしまうのも無理はない。草原の一本道をレンタカーでドライブすることは、国内レジャーの一大ブームとなっているのだ。
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↑シベリア鉄道の中露国境は、数年前までは観光地として外国人も訪れることができたが、2016年夏には入境禁止になっていた。

この町には、もうひとつの顔もある。中露国境観光(ボーダーツーリズム)の発地としてである。陸路の国境に囲まれた中国の人たちは、お隣の国への気軽な旅を楽しんでいる。

満洲里発の日帰りロシア観光では、朝6時にバスで国境ゲートを抜け、お隣の町ザバイカリスクへ。そこから約140km離れたクラスノ・カメンスク(红石市)を訪ね、ロシア情緒とグルメを楽しむという。日本人がこのツアーに参加しようと思ったら、入国地を記載したロシア観光ビザを事前に取得する必要がある。いつの日か参加してみたいものだ。

撮影/佐藤憲一(2016年7月)

中国の最果ての地、満州里からロシアへの日帰りボーダーツーリズム
http://inbound.exblog.jp/26545706/
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by sanyo-kansatu | 2017-03-22 15:15 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 03月 15日

今日から中国人の韓国旅行がストップします(まったくひどい話ではないか!)

本日(2017年3月15日)から中国人の韓国旅行、正確にいうと、旅行会社が募集したり、手配する団体ツアーやクルーズ旅行がすべてストップします(個人手配によるビジネス出張などは含みません)。

この影響は想像以上に大きなものがあります。韓国メディアはそれを報じ始めています。

韓国系航空会社、THAADの影響で中国路線相次ぎ減便(中央日報日本語版 3/15)
http://japanese.joins.com/article/876/226876.html

<中国のTHAAD報復>韓国から日本に旅先変える中国人観光客(中央日報日本語版 3/15)
http://japanese.joins.com/article/859/226859.html

今後も続々と韓国からの悲鳴の声が上がることでしょう。もともと韓国のインバウンド市場にとって数的に半数近くを占める中国客の動向(しかも、昨年は過去最高)は影響が大きいからです。その点、日本の場合は中国客の占める比率は4人に1人で、揺さぶりをかけられにくいところがあるのと対照的です。

訪韓外国人が過去最高を更新 中国人観光客がけん引 (聨合ニュース2016/12/27)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2016/12/26/0500000000AJP20161226003600882.HTML

相手国の政策が気に入らないから、突然人的交流をストップさせるよう旅行会社に通達を出す中国政府は、卑劣きわまりないといえます。民間人の交流を否定する政府に、国際社会の信用はありません。こんなことばかりしていては、自国の観光客が海外で尊重されなくなることに気づかないのでしょうか。愚かとしかいいようがありません。

先週、ぼくは上海にいましたが、現地の関係者もこの話題で持ちきりでした。「北京では上からの通達が直接あったが、上海では通達はないものの、自主的に販売停止をしている」のだそうです。ある上海の旅行関係者は「まさか政府がそこまでやるとは思ってもみなかった。これはやりすぎだ」と話しています。こう付け加えるのも忘れませんけれど…。「これまでの経緯でいえば、日中関係のほうがはるかに悪かった。日本旅行に対する制限ならまだわかるけど…」。やれやれ、彼ら中国の民間人というのは、まったくもって無力な存在でしかありません。こうした情勢をみて「明日はわが身」と感じた日本の関係者もいたことでしょう。

2010年以降、急拡大していた東シナ海クルーズも韓国をスルーすることになります。これまで最もスタンダードな4泊5日のコースでは、九州(福岡、長崎、佐世保、熊本、鹿児島、宮崎)および下関や境港などの日本側1都市と、済州島か釜山、仁川の韓国側1都市に寄航していたのですが、今日から韓国側への寄航がいっさいなくなります。日本側への寄航が増えるのは悪くないと思う人もいるかもしれませんが、ここ数年、特に福岡のように寄航数が増えすぎて受け入れが困難になっているケースもあり、手放しで喜んでいる場合ではありません。

韓国観光の「禁止」開始 クルーズ船も経由なし(聨合ニュース2017/03/15 )
http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2017/03/15/0900000000AJP20170315002200882.HTML

<中国のTHAAD報復>韓国から日本に旅先変える中国人観光客(中央日報2017年03月15日)
http://japanese.joins.com/article/859/226859.html

今回の中国側の動きは、今月3日に始まりました。

中国、韓国旅行商品の販売中止=THAAD配備に「報復」か-報道(時事通信2017.3.3)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017030201438&g=int

【ソウル時事】韓国の聯合ニュースなど複数のメディアは2日、中国政府が自国の旅行会社に対し、韓国旅行商品の販売を全面的に中止するよう指示したと報じた。

中国は、在韓米軍への最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備に強く反対しており、韓国ロッテグループによる用地提供で今年前半にも配備される見通しとなったことを受け、「報復措置」を取ったとみられるという。

昨年、韓国を訪れた観光客は約1700万人で、このうち800万人が中国人観光客だった。報道が事実なら、韓国の旅行関連業界が大きな打撃を受けることになり、中韓関係が一層悪化するのは必至。北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐる中韓の協調にも支障が出るのは避けられない。

聯合などによると、中国国家旅遊局は2日、北京の旅行会社を招集して会議を開き、韓国旅行商品の全面的な販売中止を口頭で指示した。

一方、ロッテグループは2日、ショッピングサイト「ロッテオンライン免税店」がサイバー攻撃を受け、一時接続できない状態になったと発表した。攻撃の発信源は中国とみられ、報復の可能性がある。大量のデータを送り付けてシステムをまひさせる「DDoS攻撃」が行われた。


同じことは、ニューズウィークや朝日新聞でも報じていました。

韓国THAAD配備に反発、中国が韓国旅行商品の販売停止へ(ニューズウィーク2017.3.3)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/03/thaad-6.php

中国、韓国への団体旅行禁止 THAAD計画に報復か(朝日新聞2017年3月3日)
http://www.asahi.com/articles/ASK3304H7K32UHBI02W.html

これらの記事の元ネタは、同日に発せられた以下の中国国家旅游局の通達です。

国家旅游局发布赴韩国旅游提示(2017-03-03)
http://www.globalview.cn/html/societies/info_16598.html

国家旅游局于今日中午11时左右,在官网更新发布一条信息,提醒中国公民赴韩国旅游存在一定风险:

最近一个时期,中国公民入境韩国济州岛受阻事件急剧增多,部分被拒入境者在当地机场等候遣返时间较长,引起舆论和社会各界广泛关注。国家旅游局对此高度重视,先后在京约见了韩国驻华大使馆、韩国文化院、韩国文化体育观光部驻华机构官员,就相关问题提出了严正交涉。

国家旅游局提醒中国公民,清醒认识出境旅行风险,慎重选择旅游目的地。赴韩旅游须于行前认真、全面了解韩国入境政策,并根据要求准备好相关材料。如遇紧急情况、受到不公正对待或发生纠纷,可及时与我驻当地使领馆联系,并收集和保存相关证据,以便日后通过投诉或司法途径解决。


ここでは、理由をはっきり明かしていませんが、その「真相」については、中国メディアが詳しく報じています。

赴韩游被叫停真相:没有收到相关部门正式文件(2017-03-03)
http://news.sina.com.cn/c/nd/2017-03-03/doc-ifycaafm5032380.shtml

3月3日,国家旅游局在官网上发布消息称,最近一个时期,中国公民入境韩国济州岛受阻事件急剧增多,部分被拒入境者在当地机场等候遣返时间较长,引起舆论和社会各界广泛关注。国家旅游局对此高度重视,先后在京约见了韩国驻华大使馆、韩国文化院、韩国文化体育观光部驻华机构官员,就相关问题提出了严正交涉。
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第一财经记者采访了解到,今天下午有不少旅行社正在就韩国旅游相关事宜开会,但目前为止并没有收到正式的文件。途牛、同程等OTA(在线旅游代理商)已经开始下架韩国旅游产品,而航空公司也在观望对韩国航线的影响,以便做出是否调整赴韩运力的决定。

目前韩国游是出境游市场非常主要的路线,业界预计,此次事件会给近期的韩国旅游带来直接的下滑影响。

旅游线路紧急下架

国家旅游局提醒中国公民,清醒认识出境旅行风险,慎重选择旅游目的地。赴韩旅游须于行前认真、全面了解韩国入境政策,并根据要求准备好相关材料。如遇紧急情况、受到不公正对待或发生纠纷,可及时与驻当地使领馆联系,并收集和保存相关证据,以便日后通过投诉或司法途径解决。

就在国家旅游局发布信息不久后,第一财经记者联系携程、途牛、同程、驴妈妈、春秋国旅、中青旅、锦江等旅游业者,不少业者透露,今天下午都在开会探讨韩国游线路如何处理的事宜,但是目前还没有收到相关部门的正式文件。目前一部分旅行社还在按照正常程序在走,而有一部分业者则开始主动下架韩国游产品。
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北京万众国旅已经发布公告称,将下架所有赴韩旅游产品。

而途牛在今天已经将所有的韩国跟团游、自助游产品下架,并表示强烈抗议韩国部署“萨德”系统及韩国乐天集团为“萨德”提供部署地。

途牛进一步表示,对于前期已预订相关产品近日出游团期的游客可正常出行,如涉及韩国乐天相关行程将对客沟通进行调整;相关产品远期出游订单途牛将对客沟通取消并全额退款或转至其它目的地。

同程旅游则向第一财经记者表示:“同程旅游对韩国方面部署‘萨德’反导系统以及乐天集团的行径表示强烈愤慨。我们将继续本着国家利益大于一切的原则开展业务,‘萨德事件’严重伤害了中国人民的感情,同程旅游已经采取措施,陆续全部下线赴韩旅游产品线路等相关业务。”

同程旅游进一步表示,对于韩国旅游产品的下架会在今天之内完成。

第一财经记者注意到,在2015年12月10日,同程旅游宣布与韩国乐天观光股份公司达成战略合作,双方将共同出资成立一家合资公司,致力于当地旅游资源的整合与采购。韩国乐天观光股份有限公司录属于韩国乐天集团。

谈及与乐天的合作,同程旅游方面表示,目前业务已经暂停,将视事态发展来决定如何处理与韩方合作者的关系,不排除采取进一步措施的可能。

同时还有部分旅行社表示,虽然还未开始全面下架韩国旅游产品,但是会考虑先将已经成团的旅游线路进行退团处理。至于后续如何与韩国的酒店方、地接旅行社以及景区等业者做进一步的处理,现在还在考虑中。

关于是否下架韩国旅游产品,截至第一财经记者发稿时,携程和驴妈妈方面还没有给予回复。上航旅游则表示3月15日开始不再受理韩国业务。

韩国旅游将受挫

据韩国官方统计数据显示,2016年1月至12月入境外国人为1741.8万余人。其中,中国游客人数最多,为826.8万多人,占47.5%。但2016年下半年中国游客赴韩旅游人数增幅锐减,韩媒称此或与韩国部署“萨德”反导系统带来的负面效应有关。

路透社随即报道称,部分中国旅游企业下架韩国游产品消息发出后,韩国旅游公司Hanatour 股价下挫7%,由此可见,“萨德”事件的持续发酵,引发了一系列连锁反应,而旅游业首当其冲。

“就出境游而言,韩国是非常主要的目的地,基本上日韩旅游是排在出境游前五位的,尤其是这几年,邮轮旅游非常盛行,日韩线路是常规的邮轮出游线路,因此这次部分旅行社下架韩国游产品后,会对韩国旅游、日韩邮轮旅游在近期造成直线下滑的影响。”劲旅咨询首席分析师魏长仁指出。

值得注意的是,中国游客赴韩国旅游的“买买买”热情也非常高涨,尤其是乐天等几家主要的免税店,经常挤满了中国游客。此次部分旅行社对韩国旅游产品下架后,旅游业界预计乐天等主要免税店的生意也会直接遭遇“滑铁卢”。

“以出境游而言,泰国、日本、韩国、欧美线路都是比较热销的,如今韩国游预计会直接下滑,那么接下来出境游的客流或许会分流到泰国、欧美等地区,出境游的格局会有所变化。”魏长仁认为。

航空公司观望

对航空公司来说,日韩航线也是航司开辟国际航线的首选目的地。目前三大国有航空在韩国航线上占有领先的市场份额,而包括春秋、吉祥、奥凯等民营航空近年来也在陆续开辟日韩航线。

据记者了解,目前春秋有国内多个城市直飞济州,以及上海、石家庄飞首尔的韩国航线,吉祥有到济州的航线,而奥凯则刚刚于去年底开始在韩国济州机场放置过夜飞机,希望打造以韩国济州为枢纽通往国内主要城市的航线网络。目前,奥凯已陆续开通天津、长沙、南京、重庆、宁波、杭州等国内城市往返济州的航线。

多家航空公司人士告诉记者,事实上韩国团队游的减少,从去年下半年开始已有体现,不过由于2015年有MERS疫情的影响,2016年的同比数据还是有所增长,北上广、东北地区前往韩国的航线客座率恢复到了同期水平,二线城市韩国航线的运力投入也逐步恢复。

记者从中航信获得的相关数据也显示,从2016年10月开始,中韩航线上国内航司的旅客量同比增减情况如下:10月3.15%,11月为-1.18%,12月8.46%,1月 6%,2月1.76%。

而对于旅行社陆续下架韩国游产品,多家航空公司也表示在密切关注后续的影响,有的已经在开会讨论对策,以便做出是否调整赴韩运力的决定。


記事によると、韓国のTHAAD配備に対する「強烈な抗議」があると政府に同調したもの言いをしていますが、本来メディアがすべきは、中国政府の今回のやり方に抗議することではないでしょうか。彼らには呆れてモノが言えません。

【追記】
中国は5月に実施される大統領選の結果をにらんで、クルーズの韓国寄航再開を決めるようです。THHAD配備を撤回すれば、クルーズ客を送るというわけでしょう。観光を政治の取引に使うこうした汚いやり方に怒りを禁じえません。

中国発クルーズの韓国経由便 6月まで運航中止継続か(朝鮮日報2017.3.16)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/03/16/2017031601446.html
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by sanyo-kansatu | 2017-03-15 12:01 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 03月 01日

中国バス客が減って東新宿のインバウンド商売も苦戦し始めています(ツアーバス路駐台数調査 2017年3月)

中国団体ツアー客の都内の昼食立ち寄りスポットだった東新宿界隈に異変が起きています。

中国バス客が減ってきているためです。いまや訪日中国客の半分は個人客。東新宿に現れるのは、中国の内陸都市などから来る初訪日組のゴールデンルートの団体客たちですが、彼らの数はもはや増えてはいないのです。

中国団体客を当て込んで、2015年9月中旬にオープンしたツアー客向け食堂「金鍋」は、ついにオーナーが代わり、新たに一般向けの居酒屋「うぬぼれ屋」に3月1日から営業を再開しました。
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新宿5丁目に中国客向けインバウンド居酒屋がオープン(2015年 09月 27日)
http://inbound.exblog.jp/24938094/

そこで、性懲りもなく、オープン初日に訪ねてみました。
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以前のオーナーは山東省出身者たちでしたが、彼らから営業権を買い取ったのは安徽省出身者でした。

彼ら在外華人は商機を求めて世界中どこにでも現われ、「発財」しています。店員のひとりの女性に聞くと、彼女は福建省出身。「去年は毎日300人以上中国のお客さんが来たけれど、最近は少なくなった。夜はもうほとんど来ない。だから、一般向けの営業を再開することにした」といいます。でも、大丈夫でしょうか…。

では、なぜこんなに中国バス客が減ったのか。訪日中国客数だけは増えているというのに…。それは前述したとおり、団体から個人へ旅行スタイルが移行したせいですが、もはや中国の地方都市はかつてのように海外旅行客を送り出せるだけの経済発展が見込めなくなったことを意味しているともいえそうです。で、訪日するのは、上海などの経済先進地域のリピーターたちばかりです。彼らは中国政府の政策により押し上げられた不動産価格に酔いしれています。彼らの中の数少ない人たちは個人ビザで訪日し、在日中国人の経営する民泊(マンション)に泊まり、同じく中国人が運転する白タクを利用しています。

この状況が、想像以上に進んでいることが、最近の取材で見えてきました。その点については、今後報告したいと思います。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(水)12:20 3台、18:00 0台
2日(木)11:40 3台
3日(金)~12日(日)未確認
13日(月)11:50 3台
14日(火)12:20 3台
15日(水)13:20 6台
16日(木)13:00 7台
※春めいてきたと思ったら、急にバスの数が増えてきました。もうすぐ桜のシーズン到来です。

17日(金)12:40 4台
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※この日は、例の金鍋で初めてランチを取りました。しばらくすると、中国の団体客が入店してきました。40名近いと思います。添乗員の中国人に聞くと、遼寧省大連からのツアーだそうです。安徽省出身の店長は言います。「開店以来、中国のいろんなところから来る。ことばのまったく通じない地方の人もいる」。予約の入りは思わしくないようで、店長の顔色も冴えませんが、中国全土から来店しているようです。

18日(土)未確認
19日(日)未確認
20日(月)未確認
21日(火)12:20 3台
22日(水)11:50 4台
23日(木)未確認
24日(金)12:50 3台
25日(土)未確認
26日(日)未確認
27日(月)未確認
28日(火)未確認
29日(水)未確認
30日(木)12:10 4台
31日(金)11:40 4台
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by sanyo-kansatu | 2017-03-01 18:43 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2017年 02月 08日

スノボのオージーもAirBnB。東新宿は民泊のメッカです(ツアーバス路駐台数調査 2017年2月)

今年の春節は中国の団体客の比率がかなり下がったようですが、新宿を訪れるツアーバスはそこそこでした。すでに一昨年前からその現象は起きていたことは、この定点観測のデータからもわかることです。

中国団体客が減って困る人、ほくそ笑む人?
http://inbound.exblog.jp/26614855/

おかげで、中国団体客専用に開業した在日中国人の食堂はかつてのような混雑もなく、この先いつまで営業を続けるのか気になるところです。彼らは儲かると思えば、すぐに投資をしますが、ダメだと思ったら、手を引くのが早いからです。面白いのは。例の「金鍋」の店内を覗くと、日本の酒造メーカーのポスターが貼ってあったり、まるで日本人も来店している居酒屋のようですが、いまはまったく一般客の利用はできないのです。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(水)未確認
2日(木)未確認
3日(金)17:50 3台
4日(土)未確認
5日(日)未確認
6日(月)12:40 5台、17:20 3台
7日(火)12:10 6台、16:20 2台
8日(水)12:20 6台、12:45 4台、17:40 4台
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この日は、朝から面白い光景を目撃しました。丸の内線新宿御苑前駅を降りたぼくは仕事場に向かって新宿1丁目を歩いていたのですが、とあるマンションから5人組の背の高い青年たちがスノボをひきずり、出てくるのに出くわしました。オージーだと思われます。彼らはAirBnBでこのマンションの一室で民泊しているものと思われます。まさに東新宿は民泊のメッカです。
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お昼になったので、ランチをしに仕事場を抜け出したところ、IMANO TOKYO HOSTELの前に大男のバックパッカーが立っていました。
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新宿5丁目の例のスポットに行くと、バスが6台も駐車していて、いままさに中国団体客ご用達焼肉店「味仙荘」の前からバスに乗り込むところでした。東京医大通りには、派手なおそろいの防寒コスチュームとサングラスをした、まるでスキーヤーのようないでたちのアジア系の女の子ふたり組が歩いていました。さすがに、この時期、東新宿界隈はにぎやかです。

9日(木)12:50 2台
10日(金)12:30  6台
11日(土)未確認
12日(日)未確認
13日(月)12:20 6台、17:40 2台
14日(火)13:10 2台
15日(水)12:40 4台
16日(木)13:10 1台
17日(金)17:50 2台
18日(土)未確認
19日(日)未確認
20日(月)13:10 2台
21日(火)11:50 2台
22日(水)12:40 4台

※この日もお昼頃、東京医大通りにひとりの欧米人青年がスノボの長いボードをひきずりながら歩いていました。彼はIMANO TOKYO HOSTELに入っていきました。彼もきっとオージーでしょうね。

23日(木)11:40 2台
24日(金)12:50 3台
25日(土)未確認
26日(日)未確認
27日(月)11:50 2台
28日(火)12:20 1台、17:50 1台
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by sanyo-kansatu | 2017-02-08 13:05 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2017年 02月 08日

アパホテルとデモ騒動、これじゃ中国の為政者に踊らされすぎです

この週末、新宿で例の「アパホテル問題」を発端にしたデモ騒動が起きました。

在日中国人「反アパホテル」デモ 対抗団体も登場、休日の新宿が混乱(産経ニュース2017.2.5)
http://www.sankei.com/affairs/news/170205/afr1702050015-n1.html

ホテルチェーンのアパホテルが「南京大虐殺」などを否定する書籍を客室に備えているとして、中国当局が猛反発している問題で、日本在住の中国人らが5日、東京都新宿区で同ホテルへの抗議デモを実施した。現場周辺にはデモに抗議する団体メンバーも多数詰めかけ、休日の新宿は混乱した。

デモを行ったのは、このデモのために結成された日本で生活している中国人企業経営者、会社員らで作る「中日民間友好委員会」。約300人(主催者発表)の参加者が午後3時から、新宿中央公園から新宿御苑に近い同ホテル周辺まで行進した。「中日友好」「民族の尊厳を守る」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げながら道路を歩いたが、シュプレヒコールを上げることはなかった。

デモには抗議する右翼団体の構成員らが併走。「JAPANが好きだ」と書かれた横断幕を奪い取ろうとしたほか、デモに飛びかかろうとして、警戒に当たっていた警察官に静止される場面が何度も見られた。

デモを主催した来日10年になるという中国人女性は「(周囲の)みなさんにはご迷惑をおかけした。今回声を上げたのは勇気ある中国人だ」などとコメント。年齢や名前などは明らかにしなかった。


騒動の始まりは「ニューヨークに住む米国人女子大学生Katさんと中国人男子大学生Sidさんのコンビ「KatAndSid」が15日夕方に投稿」した「告発」でした。それにしても、アンチデモの連中の暴走のため、まるで中国人のデモ関係者のほうが被害者のように見えてくる始末ですが、彼らもわざわざ垂れ幕に「JAPAN」と書くあたり、なんだか真意がすっきりしませんね。

これらの一連の件について、以前ぼくは中国が日本に限らず対外的に繰り広げてきた「宣伝戦」の一環であると書きました。その目的は、短期的には中国の歴史認識を否定する私企業(標的)に対してなんらかの経営的な打撃を与えることでしょうが、在日中国人まで巻き込んで騒動を拡大することで、結果的に、中国の主張を広く喧伝することでしょう。でも、こういうことはこれまでもしばしばあったことです。

中国SNSでアパホテル炎上 春節はどうなる?(2017年01月17日)
http://inbound.exblog.jp/26563241/

ささやかな記事ですが、BBCが動画付きでこれを報じています。

アパホテルに抗議、在日中国人らが東京でデモ(BBC2017年02月6日)
http://www.bbc.com/japanese/video-38877494

ビジネスホテル大手アパグループが日中戦争時の南京大虐殺を否定する本を客室に置いていることをめぐり、在日中国人らが5日、東京・新宿で抗議デモを行った。

本はアパグループの元谷外志雄代表が執筆したもので、大虐殺は起きていないと主張している。本の客室設置をめぐっては、中国政府が批判したほか、中国国内の予約サイトがアパホテルをボイコットするなどし、反発が広がっていた。


今朝、ネットを見たら、中国専門家の福島香織さんが今回の騒動についてこう書いていました。「結果的には、中国やアンチアパホテル側にとっていい感じの映像や記事が山のように出来上がった」。

「アパホテル問題」はスルーするに限る
中国の「公共外交」に踊らず、日本の魅力を示せ(日系2017年2月8日ビジネス)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/020600087/

まったく同感です。彼女は言います。

「それよりも、南京事件80周年の今年の春節前に、中国の動画サイトや微博で中国人向け投稿を頻繁にしているKat&Sidという米国人女性と中国人男性の二人組が、アパホテルの歴史本の存在を今更のように投稿して、批判し、中国のネットで炎上気味に拡散して、中国政府が旅行代理店や国民にはっきりと、アパホテルを使用するなと通達した一連の流れに、なにかしらの偶然とはいいがたいものを感じる。

もちろん、Kat&Sidが、中国共産党の手先だというつもりは毛頭ない。しかしながら、中国がこれまでとってきた、パブリックディプロマシー(公共外交)や歴史戦、国際世論戦の手法を思い返すと、最初のきっかけが偶然だとしても、中国当局はすぐさま戦略的に有効な展開を考えるものだ。そして、また日本のメディアも活動家も面白いようにそれに呼応してくれる」

さらに彼女は、中国の近年のパブリックディプロマシーの成果として「中国公共外交発展報告(2015)」の内容を紹介しています。その狙いは「安倍晋三の軍国主義復活を喧伝し、日米を離反させ、国際社会で日本を孤立させること」でした。中国出張中、テレビニュースを見ていると、今年に入っても日本に関する報道はそのような内容でほぼ占められていることを知るとき、まったく徹底していると感じます。中国メディアの特徴は、安倍首相が自衛隊といるときの映像を繰り返し使うことです。
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そして、今回の発端に象徴されるように、中国は今後ますますSNSを使った対日世論工作や国際世論形成に力を入れていくことになると指摘しています。

「こういう風に今年、中国が戦略的忍耐でもって、慎重に国際世論戦を展開してくるというなら、日本も慎重に迎え撃つしかない。右翼活動家の罵詈雑言による短絡的なカウンターデモは、はっきり言って、こうした公共外交、国際世論戦にとって日本の足を引っ張る以外の何者でもなかった」

ですから、今回の「カウンターデモ」は、中国の為政者に見事に踊らされてしまったも同然なんです。

最後に、福島さんは書きます。「日本の公共外交は、実のところ中国が歯噛みするほどの底力がある」。

そうなのです。いま多くの中国客が日本を訪れ、美しい風景や食事、サブカルチャーも含めた日本の多様な側面をSNSで広めてくれています。むしろ、こうしたことが中国の為政者に対するカウンターになるはずです。それ自体を目的とするのは本末転倒ですけれど、そのことに自覚的であってもいいと思います。

これからも彼らは私たちの嫌がることをあの手この手で仕かけてくるでしょう。今回は私企業に対する工作でもあり、義憤をおぼえた人も多かったのかもしれませんが、そうだとしたら、相手に乗せられたという話です。次回こうしたことが起きたときは、もう少し頭を冷やして、最も効果のある対応をすべきだと思います。それだけの手持ちは日本には豊富に揃っているのですから。

それからもうひとつ。日中の民間同士がいがみ合うことも、中国の為政者の思うつぼだということを頭に叩き込んでおきたいところです。民意によって選ばれたわけではない中国の為政者と民間人は区別しなければなりません。
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by sanyo-kansatu | 2017-02-08 07:54 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 02月 07日

中国団体客が減って困る人、ほくそ笑む人?

今年の春節休み、ぼくは中国黒龍江省ハルビンの氷雪祭りを観に行っていました。LCCのスプリング・ジャパンが成田・ハルビン線を就航し、その初便に乗ることになったからです。この写真は、零下20度以下に冷え込んだハルビン国際空港に着陸し、初就航ということで歓迎垂れ幕が用意されていたときのものです。ピリピリと肌を刺すような寒さでした。
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189人乗りのボーイング737-800機のハルビン線は行きも帰りも満席で、往路の乗客の多くは日本在住の黒龍江省出身者の帰省客で、日本人客は10数名といったところ。もっとも、復路は一部日本ツアーに参加した中国の団体客もいました。
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黒龍江省出身者といえば、都内の在日中国人経営の中国料理店に出稼ぎとして数年単位で働いている中高年の女性たちのイメージが浮かびます。実際、今回乗ったハルビン線には、家族客もいましたが、それ以上に中高年の女性の姿が多く見られました。かつてはなかば出稼ぎ労働者だった彼女たちが、いまやレジャー目的の観光客として日本を訪れるようになったことは、時代の変化を感じさせます。

ところで、メディアは今年の春節休みの中国団体客が減っていると報じています。

春節も続く中国人客減 富士山麓の土産物店など悲鳴「団体客が前年の半分以下に」(産経news2017.2.2)
http://www.sankei.com/life/news/170202/lif1702020024-n1.html

1月27日から始まった中国の旧正月にあたる「春節」休暇は、2日で幕を閉じるが、山梨県の富士北麓エリアでは宿泊施設や土産物店から「客数が激減した」「爆買いがなくなった」と悲鳴が上がっている。県によると、中国人の宿泊者数は昨年10月、前年同月比49%減の3万4640人と3年2カ月ぶりにマイナスに転じ、11月も3万820人(同32%減)と落ち込みが続いている。春節期間中、日帰り客も多い大規模施設では例年並みに集客を確保したものの、“爆買い”を含め、中国人の姿はめっきり減っている。関係者は今後もこの傾向が続くのか、気をもんでいる。

中国人客の減少の影響は春節にも出ている。外国人客が多い河口湖畔のレストランでは、「団体客が前年の半分以下に減った」と嘆く。土産物店を併設する郷土料理店も「理由は分からないが中国人客が減っているのは確実。春節後の見通しはつかない」とため息をついた。

これらに対し、富士急ハイランド(富士吉田市)では中国人観光客向けの恒例の「春節イベント」を開催中。富士急行は「春節の来場者数は過去3年、横ばいで推移しており、今年も前年並みでは」と見込む。

外国人客が宿泊者総数の9割近くを占める富士河口湖町のホテルのフロント担当者は、「中国人団体客が前年同期と比べ約2割減。その分は個人客を増やして補った」と苦労を明かした。

ただ、同ホテルも昨年11月以降、中国人客を中心に宿泊客数の減少が前年比1割強の水準で続いた。「春節後は以前の状況に戻ると思う」と懸念する。

富士河口湖町観光連盟は「団体から個人へのシフトは昨年の春節から続く傾向だ。店舗でも“爆買い”が見られなくなっている」と指摘する。

山梨県観光企画課は「中国経済低迷による旅行離れや静岡空港の中国路線の大幅縮小などが影響している」と分析。「要因は複合している。過去のような伸びを期待するのは難しい」と今後を厳しく見通している。


富士河口湖町といえば、中国団体ツアーのゴールデンルート上に位置し、富士山観光の拠点のひとつとなる温泉郷でした。もう7~8年前ですが、中国団体客向けの温泉ホテルを始めた経営者に話を聞きにいったことがあります。当時から河口湖温泉では一部のホテルや旅館しか中国団体客の受入れをしていませんでした。むしろ山梨県では石和温泉郷が中国団体客の受け皿として知られています。こちらの入りはどうだったのでしょうか。

こんな記事もあります。この筆者は毎回興味深い上海事情を報告してくれますが、今回に関しては若干煽り気味に感じます。

宿泊業界大混乱、中国の団体旅行客はどこへ消えた?
キャパ拡大の設備投資は完全に裏目(JBPRESS2017.2.7)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49099

記事にはこうあります。「東京~富士山~大阪を結ぶ「ゴールデンルート」といえば、訪日客が最も集中する行程だ。ここでも異変が起きていた」。

「現地のホテルに問い合わせてみたところ、次のような回答が返ってきた。「今年の春節は、中国の個人客は何組かいらっしゃいますが、団体のお客様はいないのです」 過去には30~40名ほどの中国からの団体客を扱ったこともあると言うが、「なぜか今年の春節は来ない」のだという」。

そりゃあそうでしょう。中国の訪日客の客層が団体から個人へ移行する動きはすでに2015年から始まっていました。

2015年の上海の訪日客、個人が団体を逆転 その意味するものとは? (2016年04月08日)
http://inbound.exblog.jp/25638388/

上海市場に限れば、すでに2015年に初めて団体客の数を個人客が上回っていたのです。そうなった背景には、15年1月の日本政府による個人マルチビザ取得要件の緩和がありますが、それをさらに加速させたのは、以下のような、いかにも中国的な事情がありました。

上海で個人旅行化が進んだ理由は貧乏人だと思われたくないから!? (2016年04月10日)
http://inbound.exblog.jp/25647061/

そして、個人化への流れはすでに半年遅れくらいで、地方の主要都市でも始まっていました。

中国内陸都市でも若い世代を中心に個人旅行化の機運が起きている(2016年03月09日)
http://inbound.exblog.jp/25481978/

その意味では、今年の春節休みの中国団体客の減少はすでに予測されていたものだったのです。

同記事は、その最も顕著な例として、静岡空港の中国路線が16年秋以降、一気に減ったことを挙げています。

「2014年7月末に3路線13便だった中国路線は、2015年7月末には13路線47便にまで拡大した。静岡空港における国際線の搭乗者数は40万人目前に迫った。ところが2016年は一転して減少し、約28万人にとどまった。減少の理由はほかでもない、中国からの団体客が減ったためである。

静岡県文化・観光部が行った調査によれば、2015年に静岡空港を利用した中国人客は97%が団体ツアーの客だったという。だが、そうした団体ツアーの利用客がめっきり減ってしまった。

その結果、2016年は中国からの旅客機の運休が相次いだ。結局、静岡空港では、13あった中国路線が上海経由武漢、寧波、杭州、南京の4路線だけに縮小してしまっている」

この点については、本ブログでも、ちょうど1年前に報告していました。ぼくは静岡空港を訪ね、関係者に話を聞いていましたが、彼らも当時はこれほど急増したことに疑心暗鬼のところもありました。ですから、16年に入って急減したことも、あり得ることとある程度予測していたと思います。

静岡空港行きの中国路線はなぜ1年でこんなに増えたのか? (2016年01月25日)
http://inbound.exblog.jp/25298380/

富士山静岡空港
http://www.mtfuji-shizuokaairport.jp/

同記事では「富士山静岡空港もその1つで、「急激に増えた中国人客により、手荷物検査や税関などで対応に苦慮した」(同観光部)という。そこで昨年11月より、ターミナルビルの増改築に乗り出している」「しかし、その目論見は早くも頓挫している。中国人の団体客が姿を消した今、「投資を回収できるのかという深刻な問題に直面している」(前出のホテル経営者)」と、中国団体客急増に備えて投資をした一部のホテルや同空港の「目論見は早くも頓挫」したと決めつけています。

まったく訪日中国旅行市場というのは、急に増えたり減ったり、人騒がせなところがあります。でも、こうしたアップダウンは、11年の東日本大震災、13年の「尖閣諸島国有化」への反発などで、これまでも数年おきに起きていたことです。ですから、いまさら「目論見は頓挫」というのはどうでしょう。

それにしても、2015年に中国の地方都市から一気に日本路線が拡充したものの、その後運休が相次いだ理由には、やはり中国の地方経済の問題がありそうです。要するに、地方都市では思ったほど団体客が集められないのでしょう。

さらにいうと、いまの中国の旅行会社も、特色もなく安いだけの、しかもキックバックモデルに依存した団体ツアーをいくらやっても儲からないので、以前のようなやる気を失っていることも考えられます。個人化とオンライン化が進んでいることが背景にあります。

こうして中国団体客が減ることで困る人たちも大勢いると思いますが、その一方でほくそ笑んでいる人たちもいるように思います。たとえば、不法ガイドやブラック免税店への対処を問われている監督官庁の関係者。要するに、これらの問題は団体客が多いから発生しているわけで、それが減れば問題も勝手に沈静化していくかもしれないからです。そう簡単にはいかないと思いますけれど。

それはともかく、今年の春節休みに中国客はどのくらい日本に来たのでしょうか。中国の海外旅行市場の専門家によると、今年の冬もPM2.5は猛威を振るっており、海外逃避旅行は増えると言っていました。方面としては、台湾、香港、韓国は政治的な理由で減少する一方、タイや日本が増えるとのことでした。

今年の春節休みも「肺を洗う旅」の中国客はどっと来るのだろうか? (2017年01月13日)
http://inbound.exblog.jp/26552082/

実際のところ、どうなのでしょう。今月中旬に、日本政府観光局(JNTO)が1月分の各国別訪日数を公表しますので、それを待つことにしましょう。
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by sanyo-kansatu | 2017-02-07 11:17 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 01月 26日

だから嫌われる!? 今年の春節も観光を政治の取引に使う中国にうんざり

まもなく春節休みに入りますが、ロイター通信が以下の記事を配信しています。

中国旧正月休暇の観光客渡航先、外交関係が影響も(ロイター2017.1.23)
http://jp.reuters.com/article/lunar-newyear-china-tourism-idJPKBN1570NQ

[上海/北京 22日 ロイター] - 中国は1月27日から2月2日まで旧正月の長期休暇に入り、連休中に海外を訪れる中国人観光客は600万人に上ると予想されている。台湾の旅行会社を経営するLi Chi-yueh氏にとって、旧正月は非常に重要な時期となる。

同氏の会社は売り上げの3分の1を中国本土の観光客から得ているが、今年は大きな期待は寄せていない。昨年5月に台湾で蔡英文政権が発足して以降、本土からの観光客は36%減少した。

同氏は「中国は観光客を外交面での武器として使っている」とし、「現状が改善しなければこの業界は生き残れないという懸念は強い」と述べた。

昨年8月に韓国を訪問した中国人観光客は前年同月比70.2%増、9月は22.8%増だったが、11月には増加率がわずか1.8%に急減。これは中東呼吸器症候群(MERS)の流行を受けて32%減となった2015年8月以来、最悪の数字となる。

米国は昨年11月、THAADが8-10カ月以内に韓国に配備される予定だと明らかにした。

<フィリピンやマレーシアでは急増>

対照的に、フィリピンとマレーシアについては、渡航勧告の解除やビザ規制の緩和を背景に中国人観光客の伸びが顕著だ。両国はいずれも過去数カ月間で中国との外交関係が緊密化している。

昨年3─12月にマレーシアを訪れた中国人観光客は前年同期比83%増加した。

マレーシアのナジブ首相は昨年11月に訪中し、約340億ドル相当の契約を締結した。

南シナ海の領有権をめぐって中国と対立してきたフィリピンでは、ドゥテルテ大統領が米国と距離を置く一方、中国に近づく姿勢を示している。昨年1─10月の中国からフィリピンへの観光客は前年同期比40%増となった。

中国人観光客は海外での支出額が最も大きく、ユーロモニターのデータによると、今年の支出額は2100億ドルに達する見通し。中国企業による2016年の海外企業合併・買収(M&A)総額の2倍となる。

<観光業は外交の一部>

中国本土の旅行会社はロイターに対し、一部の国への観光客の数が変わってきていることは認めたものの、特定の旅行先への訪問を控えさせるよう政府から指示があったかどうかについてはコメントしなかった。

国営旅行会社大手の中青旅(CYTS)の最高ブランド責任者は、「観光客は、訪れても歓迎されない可能性のある国は避ける」と述べ、「観光業は多くの面で外交の一部であることから政治・外交上の問題も影響する」と指摘。ただその上で、「パッケージ旅行を企画する際に基本となるのは旅行者の需要だ」と述べた。

春秋航空(601021.SS)の親会社である上海春秋国際旅行社はロイターに対し、台湾ツアーの運行頻度は減り規模も縮小したと明らかにした。韓国への団体ツアーは20%減少したという。「よく知られている」理由から、中国人観光客が「より友好的な他の旅行先を選びつつある」との見方を示した。

中国国際航空(エア・チャイナ)(601111.SS) (0753.HK)によると、欧州や東南アジアへの旅行者は増加している。同社のマーケティング責任者は「市場の需要に基づき運航路線を調整している」と説明した。


これまで本ブログで何度も指摘してきた話です。中国の旅行関係者から「観光客は、訪れても歓迎されない可能性のある国は避ける」というもっともらしいコメントを引き出していますが、上からの通達で彼らがそうしていることはすでに知られています。

香港、台湾に続き韓国も。中国政府が訪韓中国人観光客を20%減らすよう通達を出したそうです
http://inbound.exblog.jp/26367228/
フィリピンでも「爆買い」!?  それは中国が観光を政治の取引に使ったという話にすぎない
http://inbound.exblog.jp/26418629/

いまの中国において相手が「友好的」な国かどうかを判断するのは国民ではなく政府です。「観光は外交の一部」という言葉じりだけとれば、そのとおりなのかもしれませんが、本来、民間レベルの国際親善や異文化交流など、さまざまな意義のある観光をここまで露骨に政治の取引に使ってばかりいると、逆に多くの国々の人たちが旅行先として中国を選ばなくなるだろうということです。ここ数年の統計をみるかぎり、中国を訪れる外国人の数は伸び悩んでいることがそれを証明しています。

【追記】
先日、中国の旅行関係者から聞いた話では、今年中国から韓国へのチャーター便を利用したツアーはすべて禁止するよう当局からの通達があったそうです。航空機の座席を丸ごと旅行会社が買い取り、集客を図るチャーター便は大量送客の最も有効なビジネスモデルです。それを政府が民間企業に禁じるお国柄であることを知っておくべきでしょう。

そんなこともあって、いま韓国の旅行業者は日本客の誘致に力を入れようとしています。なかなか難しいのではないでしょうか。(2017.2.5)

【追記その2】
こんな記事も出ました。訪台中国人数が初の前年割れしたようです。

台湾に2016年、中国から訪れた旅行客の数が前年より約16%減少した。08年に中国人客の旅行が解禁されて以来、前年割れは初めて。一方、日本や韓国などからの訪問は増加し、海外から台湾を訪れた旅行客全体は1千万人を超えて、過去最高を記録した。

台湾の行政院(内閣)が今月、統計をまとめた。中国は昨年1月に当選した台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統に対して、台湾は中国の一部であるという「一つの中国」原則を認めるよう圧力を強めている。中国側の台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の報道官は先月、「台湾当局の政策変更により、両岸(中台)の交流の雰囲気が悪化し、台湾に向かう民衆の意欲に影響している」などと述べていた。

統計によると、昨年の旅行客は1069万人(前年比2・4%増)。最多は中国からの351万人(同16・1%減)で、減少したとはいえ全体では最大の3割以上を占める。日本は2番目の190万人(同16・5%増)、3番目の韓国は88万人(同34・3%増)だった。

蔡氏は9日、自身のツイッターで全体数の記録更新を報告。英語や中国で使われている簡体字、日本語、ハングルなどで、「ありがとうございました!」とつぶやいた


台湾への中国人客、初の前年割れ 全旅行客では過去最高(朝日新聞2017年2月9日)
http://www.asahi.com/articles/ASK2944RHK29UHBI00T.html
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by sanyo-kansatu | 2017-01-26 03:07 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 01月 23日

ついにVPN規制!? 外国人にSNSを使わせないようでは、誰も中国に行かなくなるぞ

中国では、LINEやFacebook、InstagramなどのSNSはもちろんのこと、GmailやYOU TUBE、ユーストリーム、ニコニコ動画をはじめ、YahooやExciteのブログなども閲覧不可です。

LINEやGmailが急に使えなくなったのは、2014年7月頃からでした。

LINEとGmailが使えない中国ってどうよ
http://inbound.exblog.jp/23696725/

いまの時代、海外旅行にとってSNSは欠かせないアイテムです。中国人も世界中を訪ね、旅先で撮った写真や動画を微信(WeChat)で送りまくっています。

自分たちが海外でいちばん楽しんでいることを、自国では外国人にやらせないのでは、誰も中国に足を運びたがらなくなるのではないでしょうか。こんなことでは、外国人は中国に来ることを歓迎されていないのだとみなされても仕方がありません。

外国客を呼びたいなら、中国はFacebookやLineを解禁すべきでは!
http://inbound.exblog.jp/25920704/

それでも、これまで中国でFacebookやTwitterを使うことが絶対できないわけではありませんでした。VPN(ヴァーチャル・プライベート・ネットワーク)を通すことで、中国在住の日本人や日本語のわかる中国人はFacebookを利用してきたのです。

ところが、今日、以下のニュースを知りました。

ネット規制、さらに強化=VPNを許可制に-中国(時事通信2017.1.23)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012300741&g=int

【北京時事】中国工業・情報化省は22日、当局の許可なくインターネットの仮想プライベートネットワーク(VPN)の提供を禁じる通知を出した。VPNは当局の検閲規制を乗り越えるもの。中国では、グーグルなどの規制対象サイトはVPNを通じて閲覧されてきたが、接続が一層困難となりそうだ。

中国では、当局に不都合な情報を規制する「グレート・ファイアウオール」という検閲システムが使われている。フェイスブック、ツイッターのほか、体制批判の記事を掲載する海外サイトなどの接続にVPNが利用されている。

今回の通知は、ネット情報の安全管理強化を名目に、来年3月末まで不正取り締まりを行うと定めている。

中国当局は海外からの情報流入に神経をとがらせ、これまでもVPNが機能しない状態になることがあった。今回の通知は、習近平指導部の2期目の人事を決める5年に1度の共産党大会を秋に控えた言論統制強化の一環とみられる。


先ごろ、中国の習近平国家主席はスイスのダボス会議で「保護主義」や「反グローバル化」を批判したそうです。

習近平、ダボス会議で主役 ――「鬼」のいぬ間に(Newsweek2017年1月18日)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/01/post-6748.php

「当局に不都合な情報」があっても、それを受けとめるのが為政者というもの。たかが海外のSNSを自国民や外国人が利用することすら警戒するなんて「保護主義」の極みではないか。どの口が言うのだろうか、と呆れてしまいますが、こういうことが平気で言えるわけですから、臆面もなくVPN規制を進めていくのでしょう。

これでは、外国人はますます中国に行かなくなってしまいますね。2022年には北京冬期五輪もあるのに、どうするつもりなのでしょう? 

中国の為政者というのは、きっと批判に打たれ弱いんでしょうね。
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by sanyo-kansatu | 2017-01-23 20:34 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 01月 20日

世界でいちばん複雑な東京の交通網を前にして(ツアーバス路駐台数調査 2017年1月)

2017年になりました。昨年の訪日外国人旅行者数が2403万人になったことが報じられたばかりですが、新宿5丁目に現れるバスの台数は例年に比べると、かなり減っているようです。

背景には、中国客の団体旅行から個人旅行への移行が進んだこともありますが、先日ある方に聞いた話では、いま八王子周辺のホテルに中国の団体客が集中しているそうです。もちろん、八王子だけでなく、千葉県の木更津や茨城県、埼玉県など、周辺に分散化が進んでいるため、都心の新宿に現れるバスが減ってきたことも考えられます。

ところで、先日大江戸線東新宿駅の改札の前で、東京の地下鉄路線図を見ながらああだこうだと言っている外国客を見かけました。会話を聞くと、中国南方方言です。東京の交通網の複雑さは世界一といってもかまわないでしょうから、外国客にとっては大変なことでしょう。
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※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(日)未確認
2日(月)未確認
3日(火)未確認
4日(水)未確認
5日(木)18:20 2台
6日(金)12:10 1台
7日(土)未確認
8日(日)未確認
9日(月)12:10 2台、17:50 1台
10日(火)未確認
11日(水)12:30 2台
12日(木)未確認
13日(金)12:40 2台
14日(土)未確認
15日(日)未確認
16日(月)未確認
17日(火)11:50 1台
18日(水)12:10 2台
19日(木)13:20 1台
20日(金)13:10 1台
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※この日も、中国客向け食堂「金鍋」の前には中国団体客がたむろしていました。

21日(土)未確認
22日(日)未確認
23日(月)11:40 5台
※春節休みが近づいてきて、さすがにバスの数が増えてきました。「金鍋」の店内はいつにもまして大勢の中国客が食事をしていました。

24日(火)11:50 5台
25日(水)12:20 4台
26日(木)12:40 4台
27日(金)11:30 5台
28日(土)12:20 4台
29日(日)未確認
30日(月)未確認
31日(火)未確認
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by sanyo-kansatu | 2017-01-20 14:58 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)