ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 08月 19日

039 延辺朝鮮族の名物グルメは意外や、極ウマ羊肉串

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中国吉林省延辺朝鮮族自治州では、朝鮮料理が一般に食されているが、肉質のいい羊肉串も広く知られている。最近、日本の朝鮮族料理店でも採用されている自動回転串焼き器を発明したのも延辺の人たちだ。トウガラシだけでなく、口の中がスッとするクミンなどをまぶして食べるのが特徴だ。(撮影/2012年7月)

※日本にも一説に10万人を超える中国朝鮮族の人たちが暮らしているといわれますが、上野や新大久保などの都内のエスニックタウンでは中国朝鮮族料理店がいくつもあります。そこには、韓国&朝鮮料理と違う独自の美食の世界があります。その代表例が延辺串焼きでしょう。延辺に行くと、必ず一度は串焼き店に行きます。写真は、延吉市内にある有名チェーン店「白玉串城」のものです。

ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう(延吉編)
http://border-tourism.jp/yanji/
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by sanyo-kansatu | 2017-08-19 09:50 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 08月 18日

2017年7月、訪日客トップは中国が返り咲き。でも、中国客の伸びの減速は明らか

先日、2017年7月の訪日外客数統計(JNTO)が出ました。

それによると、今年上半期の圧倒的な勢いにより韓国に抜かれていた訪日客数トップの座をわずかですが、中国が取り戻しています。

2017年1~7月訪日客数
韓国 4039900(前年比42.8%増)
中国 4062500(前年比6.7%増)

日本を訪れる韓国人観光客が中国客を追い抜く勢いで増えています(2017年03月16日)
http://inbound.exblog.jp/26722251/
4年ぶりに中国を抜き、韓国が訪日外客数トップ! 中国は伸び悩み(2017年07月24日)
http://inbound.exblog.jp/27007721/

訪日外客数統計(JNTO)2017年8月16日
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/170816_momthly.pdf

中国では7月前半から夏休みに入ることから、家族旅行のシーズンになり、団体旅行も含めた訪日旅行が増加したことが考えられます。とはいえ、増加したといっても、前年度比でわずか6.8%増(7月)にすぎず、(母数が違うので、単純に比較できませんが)これは世界金融危機が発生した2008年(6.2増)に近い伸び率です。ここ数年の2014年(83.3%増)と15年(107.3%増)、16年(27.6%増)と比較すれば、訪日中国客の伸びの減速は明らかです。

この感じでいくと、9月以降の中国客はそれほど増えるとは思えません。

背景には、春秋航空などの中国の地方都市からの日本路線の減便や運休が続いているという事情がありそうです。たとえば、中国の最も多い都市からのフライトがある関西国際空港に乗り入れる春秋航空は、昨年夏よりなんと11便もの減便となっています。関空の国際線の便数はこの夏過去最高となっていて、中国路線の総数も減っているわけではないので、ここからうかがえるのは、中国客の中身がますます沿海経済先進地域の大都市部の個人客に片寄っていく流れが強まっていることでしょう。

KIX 2017 年国際線夏期スケジュール
http://www.kansai-airports.co.jp/news/2016/2482/2017summer.PDF.pdf

こうした沿海経済先進地域からの訪日客が増えるということは、リピーターや「安近短」志向の旅行者になるということです。

実際、その傾向は昨年から現れています。

観光庁が集計する「訪日外国人消費動向調査」の最新動向(平成29年4月~6月期)をみると「訪日外国人1人当たり旅行支出は14万9,248円で、前年同期(15万9,933円)に比べ6.7%減少」「国籍・地域別にみると、英国(25万1千円)、イタリア(23万3千円)、中国(22万5千円)の順で高い」というわけで、もはや日本でいちばんお金を使うのは中国人ではありません。これは2016年の段階で、すでにそうなっています(1位オーストラリア(24万7千円)、2位中国(23万2千円)、3位スペイン(22万4千円))。

訪日外国人消費動向調査(平成29年4月~6月期)
http://www.mlit.go.jp/common/001194019.pdf

こうした市場の変化は、我々が想像する以上に早く進んでいます。今後、中国客を見る視点も、変えていく必要があるでしょう。

とはいえ、ボリュームとしては、中国客は訪日客の4人に1人を占める最大市場であることは変わりません。

こうした「消費動向調査」の結果から、これからは「欧州客」が訪日客の主役だなどと言い出すメディアや識者も現れていますが、これもどうなんでしょう。ちょっと近視眼的で表層的すぎる見方ではないでしょうか。なぜなら、中国客の一人当たりの消費金額が大幅に下がっているだけで、欧州のような遠方から日本を訪れる外国客は、「安近短」の東アジア客に比べると、滞在日数も長く、1回の日本の旅行にお金をかけるのは、ある意味当然だからです。日本人だって、イタリアに旅行に行くのと、台湾に行くのでは、滞在日数も予算も考え方が別でしょう。欧州客も同じなのです。

訪日消費、主役は欧州客 「爆買い」より体験(日本経済新聞2017/8/13)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO19940990S7A810C1EA3000/

もちろん、世界の海外旅行シーンやトレンドを牽引している欧州客の受け入れに力を入れようという主張自体は間違っていませんし、そうすべきです。でも、日本社会にもっと大きな影響を与えているのはアジア市場だということを忘れては本末転倒だと思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-08-18 17:05 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 08月 16日

037 アルグン河の対岸から手を振るロシア人の親子(室緯)

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黒龍江(アムール河)の支流のひとつ、アルグン河は中国内蒙古自治区とロシアを隔てる、川幅わずか100mほどの国境だ。対岸にはロシアの小さな村があり、中国側から出航する遊覧船に乗ると、村人たちの姿に出会える。(撮影/2016年7月)

※中国内蒙古自治区北東部に広がる草原は、北上するにつれて湿原に変わり、さらに白樺並木の深い森に変わっていきます。アルグン河は中ロ国境を隔てる川として、緩やかに蛇行しながら黒龍江にぶつかるまで流れています。室緯のあたりまではまだ川幅が狭く、両国民はのどかに交流しています。室緯には小さなイミグレーションと橋がありますが、中ロ国民以外は通行できません。


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by sanyo-kansatu | 2017-08-16 12:59 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 08月 15日

036 出稼ぎロシアダンサーによるディナーショー(満洲里)

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ロシア、モンゴル、中国の3カ国が接する満洲里では、夏の間のみ、ロシアからの出稼ぎダンサーによるホテルのディナーショーが毎夜繰り広げられる。龍港酒店というホテルにて。(撮影/2016年7月)

※これは本サイトのトップページに表われる最初の画像だが、彼女たちが身につけている派手な衣装が面白い。一見、ロシアオペラの名曲「イーゴリ公」(ボロディン作)の劇中歌として有名な「ダッタン人の踊り」に出てくるタタール人を模したダンサーのようでもあります。一般にダッタン人(韃靼:タタール人)とはロシア人から見たブリヤート系モンゴル人も含めた東方のチュルク系遊牧民を指しますが、よく見ると、清朝時代の旗袍のようでもあり(ただし、一般に旗袍には帯はない)、頭には扇子を開いたような被り物を着け、新体操のリボンのような吹き流しを回しているところなど、チャイナドレスを意識しているものと考えられそうです。所詮ダンサーの衣装ですから、創作的な意味合いが大きいのでしょうが、これが中ロ蒙3ヵ国国境に接する満洲里での出来事であることから、いろいろ想像をたくましくしてしまいます。


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by sanyo-kansatu | 2017-08-15 09:14 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 08月 13日

034 ネオンが照らす夜の鴨緑江断橋

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中国遼寧省丹東市は、中朝国境最大の町。かつて日本が建設した鉄道用の鉄橋は、朝鮮戦争時に米軍によって爆撃されたが、いまは観光用の鴨緑江断橋として残されている。中国側に比べ、対岸の北朝鮮の町は明かりは少なく、夜闇にネオンが照らされた断橋だけがぼんやりと川面に浮かんでいる。(2010年5月)

※日本のメディアでもアメリカの北朝鮮への経済制裁がさかんに報じられていますが、丹東はまさにその中心地です。この町の中国系銀行が北朝鮮との送金ルートにされているとのことから、北朝鮮企業への金融取引の停止や口座凍結などのかなり具体的な制裁が実施されています。一方、メディアはそれらの制裁が効いていないともいっています。 写真の橋は、米軍によって落とされたものですが、朝鮮戦争の休戦協定から70年近くたって、時代は同じことを繰り返そうとしているのでしょうか。


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by sanyo-kansatu | 2017-08-13 06:15 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 08月 12日

033 中朝国境に架かる図們大橋

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中国吉林省の東部に位置する延辺朝鮮族自治州の図們市は、北朝鮮との国境の町。両国を隔てて流れる図們江に架かる図們大橋には、時おり物資を載せたトラックが往来している。橋の真ん中が国境線だ。写真は、中国側の橋のたもとにある展望台の上から撮影したもの。(撮影/2012年6月)

※今年に入って北朝鮮の挑発がエスカレートしていますが、同国と国境を接する中国吉林省や遼寧省の人たちはいまどんなことを考えているのでしょうか。約1300kmに及ぶ中朝国境の中でも、朝鮮側の様子がほぼ丸見えといってもいいのが、図們から図們江越しに見える南陽の町です。中国側には対岸を眺める展望台などもあり、観光地としてにぎわっています。最前線であるここは、国際社会の喧騒も忘れてしまうほどのどかなのです。


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by sanyo-kansatu | 2017-08-12 12:22 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 08月 11日

032 中国側から見たノモンハン大草原

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中国内蒙古自治区のハイラルから南へ約200km。モンゴル国との国境地帯は草原がどこまでも続く。国境線に近い街道沿いにノモンハンと呼ばれる村がある。1939年5月から8月にかけて、当時の満洲国とモンゴル国の国境紛争から起きたノモンハン事件の舞台である。(撮影/2016年7月)

※国境を告げる看板には中国語とモンゴル語で「国境を越えるべからず」と書かれている。


ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう(中蒙国境(中国内蒙古自治区・モンゴル) 編)
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by sanyo-kansatu | 2017-08-11 20:52 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 07月 31日

聖なる高原リゾート、長白山に登る

長白山(朝鮮名:白頭山)は吉林省東南部に位置する標高2744mの名峰だ。清朝を興した満洲族や朝鮮民族の聖地とされるこの霊山には「天池」と呼ばれる美しいカルデラ湖がある。原生林に覆われた山麓は、野趣あふれる温泉や高山植物の宝庫として知られ、国内外から多くの登山客が訪れている。日本からのアクセスも悪くない。北京経由、同日着で山麓まで行ける。(2008年5月、12年7月、14年7月取材)
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↑コバルトブルーに輝く天池に映る白雲。山の天気は変わりやすく、このようなクリアな湖面を見せてくれるのは珍しい

1年の大半は氷に閉ざされた北緯42度の神話の山

5月中旬、長白山の山頂付近はまだ雪を被っていた。北坡の山門を抜け、林道を進むと「長白瀑布」と呼ばれる大きな滝が見えてきた。滝の周囲は氷雪にびっしり覆われていた。

天池に登るのはこれで2度目だった。誰でも安全に登れるように滝つぼの脇にコンクリート製の見栄えのよくないトンネルの登山道ができていたが、以前は滝つぼを間近に見ながら水しぶきで濡れた岩場をおそるおそるよじ登ったものだ。

階段を上りつめると視界が開け、天池から零れる雪解け水がまさに落下する滝口が目の前に見えた。手に触れるとしびれるほど冷たい。これが松花江の源流である。そこから厚い雪の壁の間にできた通り道をしばらく歩くと、ついに天池が目の前に現れた。

それは吹雪舞う北緯42度の極寒の光景だった。天池は一面厚い氷で閉ざされていた。時おり陽光が差し込む瞬間はあったが、頭上を覆う黒雲の変化は早かった。
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↑静寂に包まれた天池では、時おり氷結した湖面を滑るヒューという風の音が聞こえる。対岸は北朝鮮領だ。

1年の大半は氷結する天池だが、7月に入ると、風景は一変する。氷はウソのように消え、湖面は空の色を映して神々しいまでの紺碧に染まる。

天池にはこんな伝説がある。天女の三姉妹がこの湖で水浴びをしていたところ、神の使いのカカサギが赤い実を運んできた。その実を食べた三女は身ごもり、男子を産む。その彼こそ清朝を興した満洲族の始祖だという。朝鮮民族にもこの山麓を民族のルーツと結びつけた伝説がある。いずれも両民族の建国神話として伝わっているが、その舞台がかぶっているのは、いかにも大陸らしい話といえる。長白山系は中朝両国にまたがり裾野を広げているからだ。天池の半分は北朝鮮領でもあるのだ。

長白山は休火山で、歴史上何度も噴火している。特に大きかったのが約1000年前で、吹き飛ばされた岩石や灰は日本にまで届いたという記録も残っている。

このときの噴火の凄まじさを幻視した画家がいる。遼寧省出身の高斉環画伯だ。

彼の代表作『爆発』は、爆裂する長白山から大量の黒煙とマグマが噴き出す光景を描いたものだ。この作品が描かれたのは、改革解放後の1985年で、中国の長い政治動乱が収束し、しばらくたった頃のことである。彼が作品に込めたのは時代への怒りだったのか。

画伯の本来の作風は、大学時代にロシア美術を通じて学んだ油絵や水彩画、フランス印象派の手法を中国の水墨画に融合させた彩墨画を通じて表現される優美な世界にある。今日の中国ではもう出会うことの難しい、人と自然の暮らしが溶け合う夢心地のような原風景を多数描いてきた。その意味では、彼の作品の中でも特異な系列にあたる。

旅する画伯が描いた36年前の江南水郷の原風景
http://inbound.exblog.jp/24977546/
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↑天地から滝に落ちる雪溶け水。ここから松花江の支流に向かい、黒龍江(アムール河)に合流した後、オホーツク海に至る。
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↑外輪山のひとつ、北坡の天文峰展望台から望む氷結する天池。5月でも厚い防寒ジャケットがないと凍えてしまう。
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↑高斉環画伯は1935年遼寧省遼陽生まれ。幼少より高名な水墨画家から手ほどきを受けた彼は、瀋陽の魯迅美術学院卒業後、黒龍江省ハルビンの美術出版社に画家兼編集者として着任。東北三省をはじめ全国を旅しながら絵筆を執った。画歴60年間の集大成となる『高斉環画集』が2015年7月、東京で刊行された。

夏は高原植物の咲き乱れる山岳リゾートに変貌

神話の山にも時代の波が押し寄せている。長白山が今日のように大きく変貌するきっかけとなったのは、2008年夏の長白山空港の開港である。

長白山の観光開発は1980 年代後半から始まり、特に92年の中韓国交樹立以降、多くの韓国人が訪れるようになった。その後、2000年代中頃になると、豊かになった中国の国内レジャー客も大挙して現れるようになった。

登山シーズンは6月中旬から9月中旬の3ヵ月間。この時期、山麓のなだらかな草原に群生した高原植物が一斉に花を開く。北緯42度は北海道の駒ケ岳の緯度にあたるため、オダマキやオヤマエンドウ、キバナシャクナゲ、ツガザクラ、ヒナゲシなどが見られる。

長白山には北坡(北坂)、西坡(西坂)、南坡(南坂)の3つの外輪山から天池を望める登山コースがある。このうち最初に開発されたのは、長白山の北側に位置する北坡山門コースだ。山門からは長白瀑布に向かう道と、途中から中国側最高峰の天文峰に登る道に分かれている。原生林を散策する林道もあり、ショートトレッキングに最適だ。

長白山空港から最も近いのは西坡山門コース。近年本格的な開発が進められ、登山を楽しんだ後にくつろげる温泉付きの国際的な山岳リゾートホテルが続々と誕生している。朝1時起きで展望スポットまでの長い階段を上ると、天池越しにサンライズウォッチングできるのは西坡だけだ。

最近開発されたのが南坡山門コース。山門から頂上に向かう登山道に見られる高原植物の豊富さは随一。鴨緑江の源流となる長さ10kmの大峡谷の絶景もある。コースによってそれぞれ異なる景観や体験が楽しめる。

中国の名山といえば、黄山(安徽省)や廬山(江西省)、泰山(山東省)が有名だ。隆々しく変化に富む奇抜で神秘的な景観はいかにも中国人好みで、道教の世界観と縁が深い。一方、長白山は北方民族の霊山であり、なだらかに裾野の広がる富士山のような美しいシルエットが特徴。原生林やカルデラ湖、火山活動の跡を残す渓谷や溶岩痕、野趣あふれる温泉、高原植物の咲き乱れる光景など、どれを取っても中国では珍しい。

最近では冬季シーズンのスキーリゾート化も進められている。本格的なリゾートとなるにはまだ時間がかかりそうだが、1年中を通して観光客が訪れる山岳リゾートに生まれ変わろうとしている。一方、世界遺産登録を目指す地元吉林省では、野放図な開発は抑制しようとする動きも見られる。登山客の増加が環境悪化をもたらす懸念から、3年前から前述の長白瀑布の脇の登山道は閉鎖され、天池への観光客の立ち入りは禁止されている。
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↑長白山空港の開港以降、北京や上海、長春などから直行便が運航。空港から西坡山門まで車で15分という距離にある。
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↑天池の水は落差68mの長白瀑布から落ちていく。雪解けの頃には、水しぶきが登山路まで飛んでくるほど。
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↑北坡の天文峰展望台は天池を望むのに最もポピュラーなスポット。夏は展望台からあふれんばかりの登山客が訪れる。
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↑北坡の原生林の林道を歩くと、エメラルド色の水をたたえる緑淵潭をはじめ、美しい湖沼がいくつもある。
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↑西坡から南坡にかけた長白山中腹はフラワーハイキングのメッカ。キンポウゲの咲くのどかな草原が広がっている。
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by sanyo-kansatu | 2017-07-31 13:20 | 北東アジア未来形:満洲の今 | Comments(0)
2017年 07月 29日

中国客向けモバイル決済導入はどこまで進むだろうか?

先週、東京ビッグサイトで開かれていた展示会「インバウンドジャパン2017」に行ってきました。 
 
インバウンドジャパン2017
http://expo.nikkeibp.co.jp/ibj/2017/

日経BP社主催の同展示会には、越境ECや各種訪日客向けサービス、マーケティング系の企業が百数十社出展していました。全国の自治体などが多く出展する9月のツーリズムexpoジャパンとは違う、あくまでB2Bのイベントです。

さまざまな出展企業があり、それぞれ面白いのですが、注目はやはり、中国モバイル決済の雄であるアリペイ(支付宝)とWeChatPay(微信支付)の日本市場におけるシェア競争だったのではないでしょうか。日本の小売業界へ中国系モバイル決済の導入を進めるための代理店が何社も出展していたのです。

彼らのブースは入口正面右手にありました。

まずアリペイ系。謳い文句はこうです。

「インバウンド顧客の『爆買い』を呼び込むトータルソリューション
 アリペイ決済最強ツール! Cpay for Alipay in Japan」(日本恒生ソフトウェア)。
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加盟店のレジ処理の際の決済端末で、中国客の手にしたスマホのQRコードを読み込めばレシートが出て終わりというものです。

日本恒生ソフトウェア http://www.hundsun.co.jp

アリペイの本家本元アントファイナンスの日本法人ブースもありました。

アントファイナンスジャパン https://www.antfin.com/index.htm?locale=ja_JP

そのブースの中にはANA系の金融サービス会社もあります。

ANA Digital Gate http://www.ana-dg.com

アリペイ系の関係者に聞くと「今後、アリペイの決済は中国だけでなく、タイなど東南アジアにも普及するので、中国以外の訪日客でも利用が広がることでしょう」。

一方、WeChatPay系は「モバイル決済額はまだアリペイより小さいが、こちらは微信というSNSと連動した決済サービス。いずれシェアはアリペイを超えるといわれています」。
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以下のような関連企業が出展していました。

インタセクト・コミュニケーションズ http://www.intasect.com/
アプラス(新生銀行グループ) https://wechatpay.aplus.co.jp/

WeChatグループで、中国版食べログの「大衆点評」の日本法人も出展していました。

大衆点評 http://www.dianping.com/
同サービス東京のページ http://www.dianping.com/tokyo
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ざっと見た限り、まだ飲食店よりもショッピング施設の情報量のほうが多そうですが、ここでも中国国内向けのサービスがどんどん海外に「越境」していることがわかります。要するに、日本の飲食店も「大衆点評」に広告を出せば、中国客を集客できるというわけです。

今後、決済額でもアリペイをWeChatPayが超えるだろうという指摘は、以下の日本経済新聞でも報じられています。

スマホ決済 中国8億人に ネット大手テンセント
脱現金 利用者が急増 16年の市場倍増600兆円 (日本経済新聞2017/3/24)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDX23H1S_T20C17A3FFE000/

(一部抜粋)「もともと中国でスマホ決済の主役は、電子商取引最大手のアリババ集団だった。自社で展開するネット通販の商品購入時に「アリペイ(支付宝)」と呼ぶ決済機能を使ってもらうことを中心にユーザーを増やしてきた。

ところが、そこにテンセントが9億人近い微信ユーザーを連れ、昨年から本格的に攻めてきたのだ。自社のスマホ決済「微信支付」を主力に、すでに昨年9月末時点で8.3億人の決済ユーザーを獲得。同4億人のアリババの「アリペイ」を、あっさり抜き去った。

決済金額ベースでは、高額商品も扱うネット通販向けが主力のアリババにまだ及ばないが、2014年に79%あったアリババの市場シェアは昨年50%まで低下。逆にテンセントが38%を獲得し、猛烈な追い上げを見せている」


こうした中国での覇権争いが日本にまで波及しているわけです。ここに日本の金融サービスが見当たらないところは残念ですけれど、いまインバウンド市場において最もホットな話題といえるでしょう。

ところが、今年に入って訪日中国客が伸び悩んでいます。先週、日本政府観光局(JNTO)が公表した「訪日外客数(2017 年6月推計値)」によると、今年上半期(1~6月)の中国客の伸びは前年に比べ6.7%増にすぎないこともそうですが、6月に限ると、前年比わずか0.8%増。ここ数年、毎年倍増ゲームのように訪日客を増やしてきたことを考えると、大きな変化といえます。これほど伸びが縮んだのは震災以来、初めてかもしれません。

4年ぶりに中国を抜き、韓国が訪日外客数トップ! 中国は伸び悩み
http://inbound.exblog.jp/27007721/

さらに、観光庁が今年1月中旬に公表した2016年の「訪日外国人消費動向調査」によると、こちらも異変が起きています。「国籍・地域別にみると、オーストラリアが最も高く(24万7千円)、ついで中国(23万2千円)、スペイン(22万4千円)の順で高い。中国においては、1人当たり旅行支出が前年比18.4%減少し、全国籍・地域の中で最大の減少幅となった」。

つまり、もはや中国客は個人レベルでみると、日本でいちばんお金を使ってくれる人たちではなくなっているのです(数が多い分、全体ではトップですけれど)。

「モノ」から「コト」消費へ移行というのはデータからみれば、俗説じゃないかしら
http://inbound.exblog.jp/26654584/

はたして、こうした客観情勢の中で、中国系モバイル決済サービスの導入はどこまで進むでしょうか。かつて「爆買い」の恩恵を受けた百貨店や量販店、免税店の大手はほぼ導入が進んでいます。コンビニでも、ローソンがアリペイを全店導入。ファミリーマートでも一部店舗で導入を始めているそうです。

最後に、会場で知った情報を少し。まず今月、世界遺産になったばかりの宗像・沖ノ島(福岡県)の展示があり、現地の詳しい地図を入手しました。今後は沖ノ島への上陸自体が難しくなりそうですが、それ以外にもいくつかの美しい島があります。
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もうひとつは、都内新宿や浅草のハラルレストランマップを入手。最近、ヒジャブを巻いたムスリム客が増えていることもあり、この種の情報発信が大切になっていることを実感します。

インバウンド展示会は、世の中で次々といろんなことが起きていることを教えてもらえ、勉強になります。

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by sanyo-kansatu | 2017-07-29 16:43 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 07月 23日

0泊2日上海“弾丸”旅行モデルコース(地下鉄&バス活用編)はこれだ!

前回まで、羽田発深夜便の話をしてきましたが、最後に「0泊2日上海“弾丸”旅行」のモデルコースを考えてみました。

羽田国際ターミナルは、深夜便の増加で外国客でごった返している!
http://inbound.exblog.jp/27004150/
羽田深夜便、ピーチの上海便に乗ると見えてくる上海人の訪日事情
http://inbound.exblog.jp/27005226/

ピーチの公式サイトでは、若い女の子向けのおしゃれな“弾丸”旅行のモデルコースを紹介していましたが、初めての上海旅行であれば、やはり上海らしい観光スポットは訪ねたい人も多いでしょう。

【ピーチ/上海】Peach 上海0泊1日 体験レポート弾丸編:おしゃれ上海
http://www.flypeach.com/destination/shanghai_girlstrip/dangan.html

そこで、以下、上海が初めての人でも無理なく楽しめる、しかもお金をなるべくかけずに地下鉄と観光バスを使ったモデルコースを提案します。ポイントは、上海市内を周遊する1日乗り降り自由の観光バスを賢く利用することです。
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コースの始点は、深夜便で上海に到着後、浦東空港から地下鉄2号線で「人民広場」駅を降りたところからにしましょう。

AM7:00
人民公園でひと休み


さすがに深夜便は疲れるので、「人民広場」駅を降りたら、人民公園のベンチでひと休みしましょう。いずれにせよ、観光地やショッピングモールはまだ開いていないので、動き出すには早いからです。地元の老人たちの太極拳でも眺めながら、木陰で仮眠を取るのもよし。
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お腹がすいたら、公園の北側にある南京西路の裏路地を探して、地元の食堂でワンタンの朝食を取るのもいいでしょう。
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明細001
浦東空港からの地下鉄代 7元
上海ワンタン 12元

AM9:00
2階建てバスで市内観光

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公園の西側の南京西路に面した場所に観光バス乗り場があります。バス会社は2社ありますが、春秋旅行社の1号線が最もポピュラーなコースをめぐるのでおすすめ。人民公園から南京路、外灘、豫園、新天地などを周遊します。運行開始は9時から。約20分おきにバスは出ます。眺めのいい2階の最前列に座りましょう。
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バスの2階席から租界時代の町並みを見下ろすのは面白いです。
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やがて外灘(バンド)に近づいてきます。上海マンションが見えます。
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外灘の和平飯店前でいったん停車します。ここで途中下車してもかまいません。
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対岸の浦東の高層ビル群が見えます。中国の威信をかけて建てた上海タワー(上海大廈中心)がひときわ高くそびえています。バスは中山東路を南に下り、豫園に向かいます。

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観光バス30元(1日乗り放題)

AM10:00
豫園を散策


せっかくなので、豫園でいったん下車しましょう。中国式庭園の豫園や道教寺院の老城隍廟を囲むように、土産物屋や小吃(上海の地元グルメ)の店がひしめいています。
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いつも行列ができているのが、上海名物の小籠包の老店「南翔饅頭店」。
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ところで、豫園にはいくつもの美食街があるけれど、フードコートは作り置きのメニューが多く、おすすめできません。どうしても豫園で食事をしたいなら、豫園の南側にある上海老街のレストランを探すといいでしょう。

豫園から再び春秋旅行社の観光バスに乗って、新天地に向かいましょう。
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「南翔饅頭店」の小龍包 15 元

AM12:00
新天地で食後のお茶をする


新天地は昔ながらの上海の租界地区を再開発した、妙にハイソなスポットです。上海特有の石庫門と呼ばれる中洋折衷型の建築が残されていて、20分ほどあれば、歩いて回れます。正直なところ、ショップもレストランも高級店ばかりなので、昼食は周辺にあるショッピンモール地下のレストラン街などですませ、食後のお茶を楽しむのがいいかもしれません。
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今年1月にオープンしたくまモンカフェも覗いてみました。
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新天地のカフェ「The REFINRY」のカフェラテ 39元

PM2:00
水郷の町(七宝老街)を訪ねる


ここから先は、地下鉄で移動します。上海観光の定番メニューに郊外の水郷を訪ねるバスツアーがありますが、たいてい1日かかってしまいます。その点、市内から地下鉄で30分ほどで行ける水郷の町が七宝老街。地下鉄9号線「七宝」駅下車、徒歩5分。ただし、アクセスがいいぶん、観光客は多く、狭い路地を人がごった返しています。喧騒を逃れるには、水路沿いの茶館を見つけて、緑茶でもいただくといいでしょう。ここは静かです。
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新天地からの地下鉄代 4元

PM4:00
団子坊の路地を歩く


もともと地元のアート関係者が多く住んでいたことから、画廊や雑貨屋、カフェなどが集まってできた一角が田子坊です。狭い石畳の路地が入り組む構造や、いまだに住人もいることから生活感もあり、新天地より面白いかもしれません。七宝からそのまま地下鉄9号線「打浦橋」駅下車。
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七宝からの地下鉄代 3元

PM6:00
外灘の上海料理店で夕食


“弾丸”旅行の場合、たった1度の夕食をどこで取るかは、最重要ミッションといえるかもしれません。上海には高級レストランはいくつでもありますが、ロケーションも考えて、地元上海料理を味わうなら、外灘の「上海姥姥」がいいのではないでしょうか。場所は、地下鉄2号線「南京東路」駅から南に少し歩きますが、夕暮れ時の外灘散策を兼ねれば楽しめます。ただし、この店は値段も手ごろな有名店だけに、春秋の旅行シーズンには並ぶ覚悟は必要かもしれません。
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上海料理の定番こってり甘い紅焼肉はこの店の名物です。

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打浦橋からの地下鉄代 2元
「上海姥姥」の紅焼肉(豚の角煮) 66元

PM8:00
上海タワーの展望台に上る


もう十分上海を満喫したかもしれませんが、深夜便のフライトにはまだ時間があります。やはりしめは、中国最高峰で高さ632m(118階建て)の「上海タワー(上海中心大廈)」からの夜景でしょう。地下鉄2号線「陸家嘴」駅下車。徒歩5分の場所にあります。
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上海タワーの隣には、88階建ての金茂大廈や101階建ての上海ヒルズ(森ビル)が並んで建っています。

上海タワーに上るには、パスポートの提示が必要です。わずか55秒で展望台までに上るエレベーターのスピードにも驚かされますが、東方明珠塔をはるか頭上から見下ろす眺めは絶景です。
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この夜景を見納めにして、空港に向かいましょう。

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南京東路からの地下鉄代 2元
上海タワー入場料 180元
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by sanyo-kansatu | 2017-07-23 14:05 | “参与観察”日誌 | Comments(0)