ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

inbound.exblog.jp
ブログトップ

タグ:朝鮮 ( 134 ) タグの人気記事


2017年 11月 24日

中朝最大の物流ルートの丹東・中朝友誼橋が一時的に閉鎖されるようですが、こういうことはよくあります

今朝、ネットで以下のニュースを知りました。中朝最大の物流ルートである遼寧省丹東市と北朝鮮新義州をつなぐ中朝友誼橋が一時的であるにせよ閉鎖されるようです。

北国境の橋、中国が閉鎖…貿易制限で北に圧力か(読売新聞2017年11月24日)
http://www.yomiuri.co.jp/world/20171123-OYT1T50091.html

(一部抜粋)【瀋陽=中川孝之】中国の政府当局が24日から、中国遼寧省丹東と北朝鮮の新義州を結ぶ鉄橋を一時閉鎖することがわかった。

丹東の税関関係者が本紙に明らかにした。鉄橋は中朝貿易の主要ルート。表向きは補修工事が理由だが、北朝鮮との貿易を一定期間制限することで、北朝鮮に圧力を加える意図があるとみられる。

一時閉鎖されるのは中朝国境の鴨緑江に架かる「中朝友誼ゆうぎ橋」。全長約940メートルの橋上を車道と線路が並行している。税関関係者は「補修工事のため、車道部分を10日間の予定で閉鎖する」と説明した。

丹東は中朝貿易の7割が通過する最大拠点。輸送には船舶も利用されるが、農業用機械や食糧など北朝鮮向け貨物の大半はこの鉄橋を往復するトラックで運ばれており、一時閉鎖は事実上の「貿易制限措置」となる。


これが中朝友誼橋です。どれだけ中朝関係が緊張しているといっても、橋のたともには中国国内や韓国などから来た観光客がくつろいでいます。
b0235153_10343620.jpg

鴨緑江の上流にあたる左が中朝友誼橋で、右にあるのが1909年に造られた「鴨緑江橋梁」で1950年に米軍の爆撃機によって破壊されたため、現在では「鴨緑江断橋」として観光スポットになっています。
b0235153_10345054.jpg

b0235153_10351813.jpg

今回の報道で、中国側が中朝友誼橋を一時的に閉鎖したとのことですが、この橋はかなり老朽化しているため(日本時代の昭和18年に造られたので)、この種の閉鎖はよくあります。昨年夏も1ヵ月近く、これは北朝鮮側の事情で車両の通行が停止していました。

この写真は一見怪しげですが、昨年7月末、バスが利用できないため、中国客が歩いて新義州に渡っているときのものです。さすがに中朝関係が悪化した今年は、新義州に遊びに行く中国人は激減したようですが、昨年まではこんな光景も見られたのです。
b0235153_10355324.jpg

実は、これは北朝鮮側から見た中朝友誼橋と丹東の街並みです。
b0235153_1036565.jpg

以前、ForbesJapanの連載で以下の記事を書いたことがあります。

なぜ中国は制裁中でも北朝鮮とつなぐ橋を架けるのか(2017/10/16)
https://forbesjapan.com/articles/detail/18081

今回の閉鎖もいつまで続くのか、中国側もどこまで本気なのかはわかりません。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-11-24 10:36 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 22日

096 冷えた身体を温めてくれた長白温泉

b0235153_94051.jpg

長白山の山麓には温泉がある。天池登山で心底冷えた身体を温めるには、温泉に限る。この源泉かけ流しの野趣あふれる露天風呂は、いまはなき長白山国際観光ホテルのもの。(撮影/2008年5月)

※長白山はいまから1000年ほど前、大噴火した「活火山」です。噴火で放出された岩石や灰は日本にも飛んできたという記録が残っています。最近、北朝鮮が付近で核実験をするため、火山の内部が活性化して噴火するんじゃないかなどという人もいるほどです。でも、そのおかげで周辺にはいい温泉があります。

ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう(長白山編)
http://border-tourism.jp/changbaishan/
Facebook:ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう
https://www.facebook.com/bordertourism.jp/
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-10-22 09:41 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 19日

094 絶景、氷結する天地

b0235153_16304487.jpg

北坡の長白瀑布の脇にある登山道を上り、天池を訪ねた。風がヒューと鳴る以外は、無音の世界。流れゆく黒雲の合間に、時おり陽光が氷結した湖面を明るく照らす。環境保護の観点から、現在は中国側から天池に上る登山道の利用は禁止されている。(撮影/2008年5月)

※もう二度とこの場所に行くことができないと思うと、残念です。

ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう(長白山編)
http://border-tourism.jp/changbaishan/
Facebook:ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう
https://www.facebook.com/bordertourism.jp/
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-10-19 16:29 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 18日

093 吹雪舞う長白山を訪れる中国登山客

b0235153_1304181.jpg

長白山登山の本格的オープンは、天池の氷が溶ける7月からだが、この時期でも登山客は訪れていた。麓は初夏を迎えているが、展望台は吹雪。厚手のコートは、長白山管理委員会がレンタルしてくれる。(撮影/2008年5月)

※10月もそろそろ下旬に向かい、長白山は同じように雪に覆われていて、登山客もさすがにもう少ないと思われます。シーズンは短いけれど、ひと夏に訪れる登山客は年々増えています。

ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう(長白山編)
http://border-tourism.jp/changbaishan/
Facebook:ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう
https://www.facebook.com/bordertourism.jp/
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-10-18 12:59 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 10月 04日

制裁のさなか、なぜ中国は北朝鮮と結ぶ新しい橋を建設するのか

先日、中国吉林省延辺朝鮮族自治州の延吉に住む友人から1枚の写真が届きました。
b0235153_17164897.jpg

これは中朝国境の町、図們で対岸の北朝鮮の南陽と結ぶ新しい橋を建設している光景です。写真の左手が日本時代の1941年に造られた図們大橋、右手が現在建設中の新橋です。旧橋が老朽化したのと、トラック1台しか走れない幅なので、もっと物流を増やせるように対面で2台が走れるような大きな橋になるそうです。再来年に完成の予定だとか。

この国境については、いまぼくが連載しているForbesJapanのサイトでささやかなレポートを書いています。

草むらには目を光らす北朝鮮兵、遊覧ボートから見る中朝国境の今(ForbesJapan2017/08/30)
https://forbesjapan.com/articles/detail/17498

実は、1ヵ月前に友人が送ってくれた写真をこのレポートに載せたのですが、最近あらたに撮ったという写真が届いたのです。

これをみると、いろんな発見があります。

まずこの写真は、高い場所から撮られていますが、図們大橋の手前にある国門の上からのものでしょう。そこは展望台になっているんです。

さらに気づくのは、図們江の水量がずいぶん少ないことです。今年北朝鮮は干ばつと聞いていた話がうなづける光景です。

すでに細い橋が朝鮮側とつながっているようですが、あくまで工事用の臨時橋で、その手前が建設中の橋の土台です。

朝鮮側をみると、昨年夏の大水後、急ピッチで建てられた南陽の集合住宅がたくさん見えます。今夏は雨が少なかったこの地域も、昨年は大雨で朝鮮側に限り、多くの人命が失われました。

しかし、被災後の南陽の復旧のスピードは早く、あっという間にこのようなピンク色の団地が建ち、古い町並みを隠してしまったのでした。
b0235153_1718794.jpg

今夏の大雨で北朝鮮・南陽のまちの景観は大きく変わりました (2016年 12月 10日)
http://inbound.exblog.jp/26443993/

中朝国境は、いまも少しずつですが、変わろうとしています。

写真を送ってくれた友人によると、核実験が行われた9月3日、これまでにない大きな揺れを感じたそうです。また8月中旬に中国商務部からの指示で、中朝国境西側の最大の物流ルートだった琿春・圏河税関で北朝鮮産海産物は輸入禁止となり、業者たちは当分再開はないだろうと話しているそうです。

では、国際社会が制裁を行うさなか、なぜ中国は北朝鮮と結ぶ新しい橋を建設するのでしょうか。

この国境を何度も訪ね、両国に暮らす人たちの様子を眺めてきたぼくがいえるのは「そこが国境だから」というものです。身もふたもない言い方ですが、中国からすれば、いまが非常事態だとはいえ、いずれは収まるもの。この2000年間ずっとそうだったように、隣り合った国との交流はこの先もずっと続くわけですから。

すでに2014年、中国は遼寧省の丹東にこんなに大きな橋を造り、莫大な投資をしているのに、すでにこの3年、放置されたまま、開通していません。投資をまったく回収できていないのです。
b0235153_1720955.jpg

中朝新国境橋が完成しても開通できない理由(2014年 12月 30日)
http://inbound.exblog.jp/23944673/

しかし、中国側のこうした気の長い意図ですら、現在の頑な北朝鮮のリーダーにとっては、素直に受け取れるものではないのでしょう。むしろ逆効果なのかもしれません。彼は周辺の大国からも畏れられるリーダーとして対等に扱われたいのでしょうから。まるで「裸の王様」ですが、いつまでこんなことが続くとも思えません。図們新橋が完成する再来年には、もうコトが収まっているだろう。中国側は、そんな気構えでいるのではないでしょうか。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-10-04 17:21 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 09月 26日

075 長白山、南坡からの天池の眺め

b0235153_8164734.jpg

長白山の中国側からの登山道は、北坡、西坡、南坡の3つのコースがあるが、最近整備されたのが南坡。北朝鮮領に近い場所からの天池の見え方は、北坡からののように絶壁の下にあるのではなく、手前にゆるやかな勾配が広がっている。ところが、2015年頃より、南坡の登山道は閉鎖されてしまった。中朝関係の影響もある。(2014年7月)

※かつては自由に登れた長白山も、吉林省政府による管理が進んでいる。環境保護の観点からすれば悪いことではないと思うけれど、南坡の場合、立派な山門や山頂までの自動車道も造ったのにどうしたことか。だが、南坡は北朝鮮との国境最前線でもあるのだ。


ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう(長白山編)
http://border-tourism.jp/changbaishan/
Facebook:ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう
https://www.facebook.com/bordertourism.jp/
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-09-26 08:17 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 09月 25日

074 長白山の麓にあるエメラルドグリーンの湖沼

b0235153_9201323.jpg

長白山の北坡には、エメラルドグリーンの湖沼も点在している。そのうち最も大きいのが、緑淵潭と呼ばれるもので、白樺並木の遊歩道を歩いていくと、高さ26mの滝も見える。(撮影/2014年7月)

※中国の沿海経済先進地の大都市圏に暮らす人たちにとって新鮮な空気やきれいな水に触れられる長白山は数少ない国内の山岳リゾートです。山登りの好きな韓国の人たちも、自分たちの民族的ルーツにつながる場所として、昨年までは多く訪れていました。


ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう(長白山編)
http://border-tourism.jp/changbaishan/
Facebook:ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう
https://www.facebook.com/bordertourism.jp/
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-09-25 09:20 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 09月 03日

「港湾使用料200万円」の滞納と核実験! 世界はまったく不条理です

今日の午後、北朝鮮の新たな核実験のニュースが報じられました。

北朝鮮、6回目核実験=「ICBM用水爆」成功と発表-過去最大の爆発規模(時事通信2017/09/03) 
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090300253&g=prk

ついにその日が来たかと思った人も多かったでしょう。

ところで、その前日深夜に以下の報道もありました。

ロシアに入港拒否され運航停止(FNN2017/09/03)
https://www.fnn-news.com/…/headl…/articles/CONN00369230.html

北朝鮮の羅先(ラソン)とロシアのウラジオストクを結ぶ、北朝鮮の貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」が、港湾使用料の未払いを理由に、ロシアの港湾当局に入港を拒否され、運航を停止していることがわかった。

ロシアの運航会社によると、万景峰号は8月24日、ウラジオストクに入港する際、200万円近い港湾使用料の滞納があるとして、ロシアの港湾当局が入港を拒否した。

万景峰号は現在、羅先に停泊していて、運航再開のめどはたっていない。

万景峰号は、5月の航路開設以降、羅先とウラジオストクを週1回往復しているが、運航会社は、「経済制裁なども影響し、採算性が厳しい」とコメントしている。

対北朝鮮制裁の抜け穴になるとの懸念もあったが、今後、定期航路が廃止される可能性もある。


時系列としては、核実験前のニュースです。FNNがいうには、万景峰号のロシア入港拒否の理由は「200万円近い港湾使用料」の滞納のためとか。もちろん、万景峰号はロシアの運航会社が運営しているため、実際に支払えなかったのはロシア側なのですが、ほとんど乗客のいない状況で利益が出るはずはありません。

こうしたなか、この人騒がせな核実験! なんと世界は不条理なのでしょう。

これまで現地関係者の情報を頼りに、この定期航路が存続するものなのか、実際の人の移動の観点から探ってきました。

万景峰号の羅津(北朝鮮)からウラジオストク(ロシア)の運賃は片道9800円から (2017年05月28日)
http://inbound.exblog.jp/26886405/
ロシア・北朝鮮間を結ぶ「万景峰号」の乗客はわずか10名足らず。定期航路化は難しい? (2017年05月28日)
http://inbound.exblog.jp/26886620/
「ウラジオストクから万景峰号で行く北朝鮮(羅先)6泊7日」ツアーも始まり、定期運航は続く!? (2017年07月08日)
http://inbound.exblog.jp/26975951/

結論からいえば、採算が合わないため、いずれ定期運航は断念せざるを得ないだろうというのが当初の予測でした。

それがちょうど核実験の時期と重なってしまったのでした。

高校時代の友人がある県の防災課長をしていて、日々この騒ぎに忙殺されているようです。しょっちゅう東京出張に来て、県民の避難ををどうするか協議の日々とか。地元テレビ局の会見にも毎日のように出ているそうです。

かつて「日本は北の問題で騒ぎすぎ」と発言した論客もいましたが、メディアは確かにそうだとしても、自治体の人たちは地震や津波の対策と同じように、この問題から逃れることはできないのです。

個人的に北朝鮮の羅津港に停泊していた万景峰号を見たこともありますし、ウラジオストクの港にも行ったことがあります。

現地の友人のメールでは、ロシア側でも地震があったそうです。

来週はウラジオストクで東方経済フォーラムが開催され、安倍プーチン会談があります。それもあって、さすがのロシアも北よりとの批判を避けるため、運航をストップさせたのでは、というのが現地の声です。
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-09-03 18:07 | 日本に一番近いヨーロッパの話 | Comments(0)
2017年 08月 20日

040 延吉、柳京飯店の北朝鮮ガールズ

b0235153_1535324.jpg

中国吉林省延辺朝鮮族自治州の延吉にある柳京飯店というホテルには、北朝鮮から出稼ぎに来た女性たちがいて、毎夜歌謡ショーが繰り広げられている。(撮影/2008年5月)

※最近、北朝鮮への経済制裁の観点からでしょうか、彼女らの存在も制裁の対象にすべきという論調すら一部のメディアに見られます。でも、そこまで言ってしまうと、もう何も自分の頭で考えるなと言われているような気がします。彼女らは朝鮮社会においてそれなりの階層で、さまざまな役割を担っていることも確かなので、「民間交流」などと安易にいうのは正しくないかもしれません。だとしても、彼女らの演奏する楽曲やダンスの振り付けなどを見ているだけでも、いろいろうかがえることもあり、興味深い存在です。数年後にはいずれ帰国する人たちですし、彼女らの海外での見聞がもたらす朝鮮社会への影響は見逃せないと思います。


ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう(延吉編)
http://border-tourism.jp/yanji/
Facebook:ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう
https://www.facebook.com/bordertourism.jp/
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-08-20 15:06 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 08月 13日

034 ネオンが照らす夜の鴨緑江断橋

b0235153_613964.jpg

中国遼寧省丹東市は、中朝国境最大の町。かつて日本が建設した鉄道用の鉄橋は、朝鮮戦争時に米軍によって爆撃されたが、いまは観光用の鴨緑江断橋として残されている。中国側に比べ、対岸の北朝鮮の町は明かりは少なく、夜闇にネオンが照らされた断橋だけがぼんやりと川面に浮かんでいる。(2010年5月)

※日本のメディアでもアメリカの北朝鮮への経済制裁がさかんに報じられていますが、丹東はまさにその中心地です。この町の中国系銀行が北朝鮮との送金ルートにされているとのことから、北朝鮮企業への金融取引の停止や口座凍結などのかなり具体的な制裁が実施されています。一方、メディアはそれらの制裁が効いていないともいっています。 写真の橋は、米軍によって落とされたものですが、朝鮮戦争の休戦協定から70年近くたって、時代は同じことを繰り返そうとしているのでしょうか。


ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう
http://border-tourism.jp/
Facebook:ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう
https://www.facebook.com/bordertourism.jp/
[PR]

by sanyo-kansatu | 2017-08-13 06:15 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)