ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 07月 13日

003 中国吉林省から眺める中朝露3カ国の国境風景

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図們江(豆満江)下流域に位置する中国、北朝鮮、ロシアの3カ国の国境が見渡せる防川展望台にて撮影。前方に見える橋はロシアと北朝鮮をつなぐ国境の鉄道橋で、左側がロシア領、右側が北朝鮮領。中国領は橋の手前までで、3国のうち中国だけが日本海に面していない。2017年現在、外国人の訪問は禁止されている。(撮影/2008年5月)


ボーダーツーリズム(国境観光)は、国境の町を訪ね、お隣の国の様子を眺めたり、ときには国境を渡って、両国の人々の暮らしや文化に触れる体験型の旅行です。四方を海に囲まれた日本には、陸続きの国境はありません。でも、日本海を隔てた北方には、朝鮮半島や中国東北部、極東ロシアなどの北東アジアの国々があり、そこにはたくさんの国境があります。

今年4月、ボーダーツーリズム(国境観光)をテーマにした以下のサイトを立ち上げました。同サイトの一コーナー「北東アジア《ボーダーNOW》 」では、北東アジアに広がるユニークな国境の風景を、佐藤憲一の写真を中心に紹介しています。

ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう
http://border-tourism.jp/
Facebook:ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう
https://www.facebook.com/bordertourism.jp/
北東アジア《ボーダーNOW》
http://border-tourism.jp/northeast-asia-borders/

※現在、同サイトは鋭意コンテンツを積み増し中で、エリア名のみ記載されているものの、コンテンツが用意されていないページが多くあり、お見苦しいことをお詫びします。少しずつ時間をかけて構築していくつもりなので、ご理解ください。
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by sanyo-kansatu | 2017-07-13 06:04 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 07月 12日

002 中国吉林省延辺朝鮮族自治州、延吉のナイトネオン

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延吉では、国境の町らしく、ハングルと中国語が併記されたネオンがきらめく。両国語併記は自治州の法律で定められている。(撮影/2014年7月)


ボーダーツーリズム(国境観光)は、国境の町を訪ね、お隣の国の様子を眺めたり、ときには国境を渡って、両国の人々の暮らしや文化に触れる体験型の旅行です。四方を海に囲まれた日本には、陸続きの国境はありません。でも、日本海を隔てた北方には、朝鮮半島や中国東北部、極東ロシアなどの北東アジアの国々があり、そこにはたくさんの国境があります。

今年4月、ボーダーツーリズム(国境観光)をテーマにした以下のサイトを立ち上げました。同サイトの一コーナー「北東アジア《ボーダーNOW》 」では、北東アジアに広がるユニークな国境の風景を、佐藤憲一の写真を中心に紹介しています。

ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう
http://border-tourism.jp/
Facebook:ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう
https://www.facebook.com/bordertourism.jp/
北東アジア《ボーダーNOW》
http://border-tourism.jp/northeast-asia-borders/

※現在、同サイトは鋭意コンテンツを積み増し中で、エリア名のみ記載されているものの、コンテンツが用意されていないページが多くあり、お見苦しいことをお詫びします。少しずつ時間をかけて構築していくつもりなので、ご理解いただけるとさいわいです。
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by sanyo-kansatu | 2017-07-12 06:04 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2017年 07月 08日

「ウラジオストクから万景峰号で行く北朝鮮(羅先)6泊7日」ツアーも始まり、定期運航は続く!?

今年5月18日、極東ロシアのウラジオストクと北朝鮮の羅先を結ぶ定期フェリー航路が開設され、ひそかに注目されています。

万景峰号は貨客船としての運航でもあり、両国間で取引される荷物の中身も気になるところでしょうが、そもそも乗客が少なければ定期運航を続けるのは厳しいものがあります。

以前、万景峰号を利用したロシアと北朝鮮の2国をめぐる中国発の周遊ツアーを催行している中国吉林省延辺朝鮮族自治州の旅行会社の話を書きましたが、結果的にほとんど集客はできなかったようで、予定されていた5月~6月の6回のツアー募集も終わってしまいました。

ロシア・北朝鮮間を結ぶ「万景峰号」の乗客はわずか10名足らず。定期航路化は難しい?(2017年05月28日)
http://inbound.exblog.jp/26886620/

そんなこともあり、7月最初の木曜日(6日)万景峰号はウラジオストク港に入港するのか、気になっていました。

そこで、現地在住の友人に6日、7日の両日、ウラジオストクのフェリーターミナルを訪ねてもらいました。以下、その報告です。

結論から先にいうと、万景峰号は確かに運航を続けていました。

「6日(木)の夜、ファリーターミナルを訪ねたところ、万景峰号はいませんでした。ところが、ウラジオストクを訪れる中国客が必ず立ち寄る宝石店に聞くと、確かに万景峰号はその日の朝、入港していたとのこと。他の客船の入港もあり、その日は別の場所に停泊しているらしいのです。
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翌7日(金)の午後、再びフェリーターミナルに行くと、ロシア人客が30人くらい出航を待っていました。聞くと、彼らは万景峰号で朝鮮旅行に行くとのこと。アジア客は見当たりませんでした」

中国発のツアーは客を集められなかったものの、どうやら今度はロシア沿海地方のロシア人を対象にした北朝鮮ツアーが始まるようです。

いったいどんなツアーなのでしょうか。さっそく調べてみました。以下のツアー募集が見つかりました。催行しているのは、DAL'RASSVET(ДАЛЬРАССВЕТ)というロシアの旅行会社です。
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ウラジオストクからフェリーで行く北朝鮮(羅先)6泊7日
Cеверная корея: Паромом из Владивостока. Отдых. Море. Экскурсии !

https://www.farpost.ru/vladivostok/rest/asia/cevernaja-koreja-paromom-iz-vladivostoka-otdyh-more-exkursii-54777007.html

ロシア語しかないので、ざっとツアーの内容を超簡訳で以下紹介します。

このツアーは、金曜19時に万景峰号に乗ってウラジオ港を出港し、翌朝羅津港に入港。復路は水曜夜同じく万景峰号に乗って木曜朝9時ウラジオストク着というものです。つまり、土曜日から水曜日までの5日間を羅先に滞在するというものです。

料金は、万景峰号の8人部屋を利用する最低価格で27000RB(約5万4000円)。1週間の海外旅行としては、お値打ち価格といえるかもしれません。

ツアー催行日も決まっています。7月から10月まで募集があるようです。

июль(7月)14, 21, 28
август(8月)4, 11, 18, 25
сентябрь(9月)1, 8, 15, 22, 29
октябрь(10月)6, 13, 20, 27

このツアー代金に含まれるものとして、以下の事項が書かれています。

ウラジオ・羅先往復フェリーチケット
フェリー内(往復)朝食、夕食
宿泊代(海水浴場のキャンプ場利用含む)
羅先での市内観光

日程も以下のように記されています。

1日目(金)
ウラジオストク港集合。出国手続きをすませ、万景峰号乗船。出航。

2日目(土)
羅津港に入港。入国手続き後、ホテルに送迎、チェックイン。午前自由。ランチ後、市内観光(金日成花温室、ソビエト兵士慰霊碑、勝利石油コンビナートを訪問。少年少女による歓迎コンサートあり)。夕食。
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3日目(日)
ホテルで朝食。琵琶島海水浴場へ。エンペラーホテル&カジノ訪問。琵琶島ではオプションでオットセイのいる島への遊覧船あり。ランチ。午後は、外国文書店(朝鮮書籍、切手の販売)、朝鮮土産店、海浜公園のビヤハウスで生ビール、市場歩きなど。夕食。
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4日目(月)
ホテルで朝食。市内観光(革命博物館などを訪問)。ランチ。外貨両替可能なゴールデン・トライアングル・デルタ・バンク、縫製工場で女性労働者の仕事ぶりを参観、大学訪問など。夕食。
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5日目(火)
ホテルで朝食。農場見学(キノコ栽培)、ミネラルウォーター工場を訪問。ランチ。孤児のための中等学校寄宿学校他(一部内容不明)訪問。コーヒーショップで休憩。夕食。

6日目(水)
ホテルで朝食。羅先市美術展覧館(絵画販売)訪問。ランチ。ホテルに戻り休憩。夕刻、出国手続き後、万景峰号乗船。羅津港出航。
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7日(木)
朝9時、ウラジオストク港入港。入国手続きを経て解散。

上記日程で挙げた羅先観光の訪問スポットについては、以下参照。

北朝鮮 羅先観光の現在
http://inbound.exblog.jp/19752652/
朝鮮観光のしおり
http://inbound.exblog.jp/i32/

このように、羅先観光は、首都平壌で実施されている朝鮮観光のモデルを踏襲した地方版で、海水浴場などの自然体験を除けば、内容はほとんど変わりません。少年少女の歌謡ショーは、朝鮮全土のどの町でも用意されています。外国人にとって、それが魅力的かどうかは、個人の価値観によるとしかいえません。

それはロシア人にとっても同じことで、興味深いことに、ツアー案内には以下の注意書きもあります。

「北朝鮮旅行における観光客の行動については、他の外国とはまったく異なる独自のローカル原則があることをご確認ください。

豊かな自然が残る北朝鮮では、本格的な朝鮮料理やスキー、海浜でのリラックスな体験ができます。また、他の国々とはまったく類似しない特殊な社会体制の中に現実に人々が住んでいることを知ることになるでしょう。北朝鮮ツアーは、この国でしかない特別な体験をしてみたい若者の間で人気があります」

諸外国の人々に比べると、多くの建設労働者を受け入れているロシア人の目から見て、北朝鮮は(「悪の枢軸」などではなく)、きわめて特殊な政治体制ではあるけれど、貧しくて勤勉な人々が働く国です。おそらく今日の中国人のほうが厳しい目で北朝鮮を見ているように思います(たとえ、同胞が多く住んでいるとしても)。

この時期、中国の大連などにも少なくないロシア人観光客が海水浴のために訪れます。経済発展が遅れているぶん、自然もそれなりに豊かな北朝鮮を海水浴や休暇を目的に訪れるロシア人観光客というのは、これまで決して多いとはいえませんが、存在していました。今回、ロシアの船会社が万景峰号の定期運航を始めることにした以上、自国民を乗船させようとするのは自然なことでした。

いずれにせよ、中国や北朝鮮を旅行先に選ぶロシア人は中間層以下の人たちで、経済的にゆとりがある層はタイなどの東南アジアを目指します。

こうしたことから考えても、10月まで万景峰号の定期運航が続くかどうかは疑問がないではありません。今後を占ううえで、国際的な観点も重要ですが、ローカルな視点も欠かせません。これからも注視していきたいと思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-07-08 13:24 | 日本に一番近いヨーロッパ 極東 | Comments(0)
2017年 05月 28日

万景峰号の羅津(北朝鮮)からウラジオストク(ロシア)の運賃は片道9800円から

先週5月18日(木)の朝、北朝鮮船籍の万景峰号がロシアのウラジオストク港に初入港しました。当初は9日からと報じられていましたが、ロシア側の事情で延期になりました。今後は、毎週1回、水曜夜に北朝鮮の羅津港を発ち、翌朝ウラジオストク着、金曜夜に同港を発ち、北朝鮮に戻るというスケジュールだそうです(ただし、7月以降は未定)。
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↑ウラジオストク港に入港する万景峰号。運航を行うロシア企業が外観を白粉直しし、内観も旅客用にリノベーションしたという

日本のメディアも同船の入港を以下のように伝えています。

北朝鮮の万景峰号、ロシア・ウラジオストクとの間で定期便始まる(HuffPostJapan2017年05月18日)
http://www.huffingtonpost.jp/2017/05/18/mangyongbong_n_16682488.html

北朝鮮の貨客船・万景峰(マンギョンボン)号が5月18日朝、ロシア極東のウラジオストクに入港した。両国間で客船の定期便が運航するのは初めて。ロシアのインタファクス通信などが伝えた。

万景峰号は平壌郊外にある山の名前にちなんで付けられた。1990年代から主に新潟港とを行き来していたが、北朝鮮が2006年にミサイル発射実験と地下核実験を相次いで実施したため、日本は万景峰号を含め、すべて北朝鮮の船舶の入港を禁止にした。

インタファクス通信によると、定員約190人、積載量約1000トン。ロシア側は船舶輸送会社「インベストストロイトレスト」(ウラジオストク)が運行に携わるという。

また、タス通信によると、万景峰号は17日夕、北朝鮮北東部の羅津(ラジン)港を出発。中国人の観光客ら約40人を乗せてウラジオストクに向かった。19日にロシア人観光客らを乗せて北朝鮮に戻る予定。

インタファクス通信によると、6月までは毎週水曜日に羅津を出発、金曜日にウラジオストクから戻るスケジュールだ。

北朝鮮はミサイル発射実験や核開発などを続けており、アメリカが空母打撃群を朝鮮半島近海に派遣するなど、緊張状態が続いている。

アメリカの圧力などもあって友好国の中国との関係も悪化している。ロシアとの間で定期航路を開いた背景には、北朝鮮が孤立化を防ぎ、観光によって外貨を稼ぎたい思惑もありそうだ。


日本の大手メディアは、アメリカ主導による対北朝鮮制裁が強化されるなか、同船の定期運航の背景に「北朝鮮とロシアの融和的な関係」があることを気にしています。

万景峰号がウラジオストク入港 ロシアと関係強化図る?(朝日デジタル2017年5月18日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK5L21B4K5LUHBI009.html

かつて日本と北朝鮮を往来していた貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」が18日朝、ロシア極東のウラジオストク港に入港した。新たに開設された北朝鮮との定期航路に就航したためで、月4回往復する予定だ。核・ミサイル開発を進める北朝鮮へは日米韓に加えて中国も姿勢を強めており、ロシアとの結びつきが強まる可能性もある。

万景峰号は17日夕、北朝鮮北東部の羅先(ラソン)経済特区にある羅津(ラジン)港を出港。約10時間かけてウラジオストクに到着した。到着ターミナルは多数の警官が警備し、岸壁付近への立ち入りを禁止するなど、物々しい雰囲気となった。

接岸した白い船体には、ハングルで「万景峰」と書かれている。乗客は中国の観光会社の代表ら。そのうちの1人は「時間も短く、料金も安い。とても快適だった」と話した。ロシアから食料品、北朝鮮から衣料品なども運ぶ計画だ。

ロシア極東には北朝鮮の出稼ぎ労働者が多く、航空や鉄道の直行便もある。運営するロシアの物流会社インベスト・ストロイ・トレストは「運航は庶民のため。北朝鮮に大きな利益は入らない」としている。

ロシア当局も計画を許可したとみられるが、5月上旬の就航予定が延期され、回数も月6回から4回に減った。今後も順調に運航できるかは不透明だ。

今回就航した万景峰号は92年に建造された2代目とは別の船で、就航に向けて全面改装した。北朝鮮の船は、北朝鮮のミサイル発射を受け、2006年に制裁の一環として日本への入港が禁止された。(ウラジオストク=中川仁樹)


万景峰号がウラジオストクに到着 ロシア、対北融和の姿勢鮮明に(産経ニュース2017.5.18)※共同ニュースの動画付き
http://www.sankei.com/world/news/170518/wor1705180037-n1.html

(一部抜粋)「核・ミサイル開発を進める北朝鮮への国際的な圧力が強まるなか、同国に融和的なロシアの姿勢が改めて浮き彫りになった」

一方、韓国や中国のメディアは、同船の乗客に注目しています。下記の韓国メディアの中国語版によると、「40名いた乗客のうち、90%は中国の旅行会社の関係者」だったと指摘しています。

北韩客货船“万景峰”号开始通航俄罗斯远东港口(KBS World Radio2017-05-19)
http://world.kbs.co.kr/chinese/news/news_In_detail.htm?No=54789

(一部抜粋)「本月17日从北韩罗津港出发的“万景峰”号于18日抵达俄罗斯远东符拉迪沃斯托克。北韩与俄罗斯通航定期客轮还尚属首次。在40多名乘客中,90%是关注海上旅游商品的中国旅行社负责人」。

また以下の中国メディアは「万景峰号の運賃が600元(9800円)から750元(1万2000円)であること。また乗客は、中国からロシアのウラジオストクに行く観光客で、その帰りに航路を利用すること。またロシアで働く北朝鮮の労働者たち」だと指摘しています。

北韩万景峰号客货船 定期驶往海参崴受注目(中广新闻网2017年05月19日)
http://dailynews.sina.com/gb/news/int/bcc/20170519/21007871554.html

(一部抜粋)「根据负责承运的俄投资建筑联合公司网站消息,不同舱位的船票价格为600至750元人民币(约5000-6000卢布)不等。根据获批的6月底之前的时刻表,渡轮每周三从罗津出发,每周五从符拉迪沃斯托克出发。”此外,俄罗斯卫星通讯社同日的另一篇报道《……国旅行社测试从朝鲜到俄远东的海上路线》里介绍说:“渡轮初步计划搭载来自……国珲春的游客赴俄,俄罗斯游客去往罗津港,以及朝鲜工人往返俄罗斯」

確かに、日本メディアのいうように、万景峰号の定期運航は国際社会の対北朝鮮制裁に一定の距離を置くロシア独自の動きという面もありますが、中国を巻き込む動き、すなはち中国人観光客を乗せることで運航を維持しようとしていることがわかります。

万景峰号によるロ朝新航路とウラジオストクで増加する北朝鮮人の事情 (2017年 04月 24日)
http://inbound.exblog.jp/26810634/

実は、中国ではすでに万景峰号を利用したロシア・北朝鮮の周遊ツアーが販売されていることが判明しています。次回は、そのツアーの内容や今週2度目の万景峰号のウラジオストク入港の様子について報告します。

ロシア・北朝鮮間を結ぶ「万景峰号」の乗客はわずか10名足らず。定期航路化は無理?
http://inbound.exblog.jp/26886620/
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by sanyo-kansatu | 2017-05-28 10:01 | 日本に一番近いヨーロッパ 極東 | Comments(0)
2017年 04月 25日

中国からの北朝鮮旅行は中止になっていないようです

先週、ある韓国メディアは以下のニュースを報じました。

中国旅行社 北朝鮮観光を全面中止(韓国聨合ニュース2017/04/16)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2017/04/16/0200000000AJP20170416000900882.HTML

トランプ米大統領が北朝鮮の核開発阻止に向け軍事的圧力を強めたことで朝鮮半島の緊張が高まる中、中国の旅行会社が北朝鮮への観光をすべて中止した。香港の有力英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが16日、伝えた。

同紙は国有最大手の中国国際旅行社(CITS)などの多くの旅行会社が北朝鮮への観光を中止したと報じた。

中国で唯一北朝鮮便を運営している中国国際航空も17日から北京と北朝鮮の首都・平壌を結ぶ便の運航を停止する。

中国は北朝鮮の同盟国だが、米国の圧力や朝鮮半島での緊張の高まりもあり、北朝鮮の核実験やミサイル発射に反対している。今回の観光の中止は北朝鮮に圧力をかける意図があるとみられる。

中国は故金日成(キム・イルソン)主席の生誕105年(太陽節)に合わせ、15日に平壌で行われた大規模な軍事パレード(閲兵式)にも政府高官を派遣しなかった。


中国国際航空の北京・平壌線の一時的な運航休止もすでに伝えられ、FNNは「停止の直接の理由は明らかにされていないが、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対する中国の圧力の可能性もある」と述べています。ただし、北朝鮮の高麗航空は運航を続けています。

中国国際航空が平壌線休止(FNN2017/4/15)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00355424.html

はたしてこの韓国メディアの報道は本当なのでしょうか。

地理的に北朝鮮に近く、朝鮮族も暮らし、これまで多くの旅行者を送ってきた中国東北三省の旅行関係者に以下の質問をぶつけたところ、次のような回答がありました。

「御社や同じ市内の旅行会社は、北朝鮮ツアーを中止していますか?」

◆丹東(遼寧省。中朝国境の町。3月下旬から平壌線のチャーター便を週2便で運航)

北の高麗航空、平壌-中国・丹東の定期便を運航(産経ニュース2017.3.29 )
http://www.sankei.com/world/news/170329/wor1703290022-n1.html

「朝鮮旅行中止という知らせは、丹東ではまだ受け取っていません。丹東の各旅行会社はいまも通常通り朝鮮旅行を手配してます。現在週2便(火・金)の平壌線については、定期便ではなく、試験的にチャーター便を飛ばしているだけなので、いつまで続くかはわかりません」

※ちなみに韓国聨合ニュースは「同チャーター便は5月いっぱいで終了する見通し」と報じているそう。

◆瀋陽(遼寧省。北朝鮮領事館があり、瀋陽・平壌線が運航中)

「確かに北京・平壌便は中止しましたが、政府からの命令ではないと聞きました。あくまで乗客が少ないことが理由とのことです。中国国際航空に問い合わせたところ、5月5日には運航を再開するらしいです。

なお、弊社では北朝鮮旅行をやってないのでよくわかりませんが、4月11日までは他の旅行会社はまだ募集しているようでした」

中国、閉鎖したエアチャイナの平壌運航を来月再開(中央日報日本語版 4/25)
http://japanese.joins.com/article/434/228434.html

◆ハルビン(黒龍江省)

「弊社は扱っていませんが、ハルピンの他の旅行会社ではいまでも北朝鮮旅行を募集をしているようです。特に中止せよという指示はありません。でも、多くのお客様は、いま北朝鮮に行く気にならないでしょう」

◆大連(遼寧省)

「現段階では中国人の北朝鮮ツアーは正常に実施されており、中国政府の北朝鮮渡航に関する発表、通知は何もありません。

ごく一部の旅行会社が北朝鮮旅行の募集を中止したことは事実ですが、記事にある中国国際旅行社が全面中止した事実はなくデマ情報です。

通常より緊張感が増していることは確かですが、言葉による威嚇行動は毎度のことであり、今年も複数回のミサイル発射実験を実行していますが、朝鮮情勢緊迫化を理由に旅行を中止する場合の当社の基準は以下のとおりです。

※朝鮮側から受入中止連絡が来た場合
※中国政府が北朝鮮旅行に関する渡航制限を発令した場合
※実際に軍事攻撃等の有事が起きた場合
※北朝鮮が内部崩壊する可能性が高い場合

現段階では該当するものはなく、通常通りに旅行申込みを受付けています」

韓国旅行を中止させた中国政府は、北朝鮮旅行は中止しないようです。

これらはあくまで2017年4月25日現在の情報です。
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by sanyo-kansatu | 2017-04-25 20:18 | 朝鮮観光のしおり | Comments(0)
2017年 04月 24日

万景峰号によるロ朝新航路とウラジオストクで増加する北朝鮮人の事情

国際社会の制裁強化やトランプ政権の対北政策で朝鮮半島が揺れるなか、先週こんなニュースが報じられています。
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ロシア、北朝鮮に新航路=万景峰号使い来月から(時事通信2017.4.20)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017042001014&g=prk
ロシア、北朝鮮間に新航路 月6回定期便 米けん制を狙う(東京新聞2017.4.20)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201704/CK2017042002000118.html

【モスクワ=栗田晃】ロシア極東のウラジオストクと、北朝鮮北東部の羅先(ラソン)特別市を結ぶ定期の貨客船が五月中旬に就航することが分かった。ロシア通信が十九日伝えた。旅客を乗せた両国間の定期航路は初めてという。核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対し、米国などが軍事的、経済的な圧力を強める中、ロシアによるけん制の意味合いもあるとみられる。

ロシアの運航会社「インベスト・ストロイ・トレスト」のバラノフ社長によると、対北朝鮮制裁で日本への入港が禁じられた貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」を利用し、月六便を運航。ロシア、北朝鮮による石炭関連共同事業などのビジネス利用のほか、ロシアの沿海州で働く北朝鮮労働者や、ロシア人、中国人観光客の輸送も目的としているという。

バラノフ氏は「これまでは運賃の高い航空機か、混雑した電車しか行き来できなかった。船は夜間八~十時間で移動でき、とても便利になる」としている。

米トランプ政権による北朝鮮への軍事的な圧力に対し、ロシアのプーチン政権は「武力行使の警告はリスクが高い道で、国際法違反だ」(ラブロフ外相)と対話路線を主張する。定期船の就航は従来通りの経済的な関係を保って欧米と一線を画し、外交で存在感を示す思惑もありそうだ。


TBSでも報じていました。

北朝鮮の貨客船「万景峰号」、ロシアとの定期便に(TBS2017.4.19)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3033076.html
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この報道をみて、ぼくはちょっと違和感を覚えました。それ自体はたいして重要なことではないのでしょうが、万景峰号でウラジオストクから北朝鮮の羅先に行くのに「夜間八~十時間」かかると言っています。でも、そんなに時間がかかるものだろうか、と思ったのです。ウラジオストクから中国経由で羅先に陸路で移動した経験から、両都市間はそれほど離れているとは思えなかったからです。

この点について、この地域に精通した事情通に聞くと「まあそんなものですよ。ウラジオと羅先は130マイルほどですが、一般にコンテナ船は10ノットなので、13時間かかるんです。フェリーなら25ノット程度で、万景峰号はもう少し早いとしても、6時間はかかるのではないか」とのこと。さらに、ある知人は「万景峰号は(波の揺れに対する復元力の指標である)GM値が高いので、波に弱く、そんなにスピードが出ないんですよ」と、どこから仕入れた情報かわかりませんが、おっしゃいます。

なるほど、そういうものかと思うほかなかったのですが、境港から韓国の東海経由でウラジオストクへ向かうDBSクルーズフェリーも、境港を毎週土曜の19時に出港し、翌9時半東海入港。午後2時に出港し、ウラジオストクに入港するのは月曜日の午後2時です。日本海を渡るフェリーというのは、実にのんびりしているのです。

DBSクルーズフェリー
http://www.pref.tottori.lg.jp/116802.htm

さて、本題に入ります。この報道からうかがえるのは、「ロシア、北朝鮮による石炭関連共同事業などのビジネス利用のほか、ロシアの沿海州で働く北朝鮮労働者や、ロシア人、中国人観光客の輸送も目的」(東京新聞)とあるように、極東ロシアと北朝鮮間の人の移動に関する事情です。ウラジオストク在住の友人に話を聞きました。

-ウラジオストクには北朝鮮の人たちが相当数いるようですね。

「その多くは建設労働者です。しかしここ数ヶ月、なにしているかわからない、つまり建設労働のような力仕事はしないで、ぶらぶらしているような人をよくみかけます。彼らの顔つきをみると、日焼けした様子がないのでわかるんです。彼らは単独行動はせず、常に2~4人でつるんで行動しています。

先日もウラジオストク駅に行ったら、北朝鮮行き(豆満江駅行き)の国際列車の車両は北朝鮮人で満席でした。ウラジオストクにはこんなに北朝鮮人がいたのかと、あらためて思いました。

北朝鮮からの留学生も増えています。彼らは、北朝鮮の富裕層や幹部の子弟で、その多くが甘やかされて育っているようです」

※ちょうど1980年代後半に日本に留学に来た中国共産党幹部の子弟に近い存在なのかもしれません。権威主義体制の国にはこの種の甘やかされた人間がいるもの。いかにも、という気がします。

-どうして彼らはウラジオストクにそんなに多くいるのでしょう。今後増えていきそうですか。

「増えそうな気がします。これはあくまでも個人的な意見ですが、今後も彼らがウラジオストクに出没しそうな理由として以下のことが考えられます。

・昨年4月、北朝鮮領事館がナホトカからウラジオストクに移ってきたこと。
・ウラジオストクの建築作業員は慢性人不足で、外国人労働者に依存しているが、その中で北朝鮮人が一番真面目で腕もいいというのが地元での評判。極東ロシアにとって貴重な外国人労働者といえること。
・北朝鮮人の行き先として、中国よりも極東ロシアのほうがビザが取りやすそうなこと(中国では脱北者問題もあり、貿易などに従事するビジネスマンを除くと、北朝鮮の労働者は徹底して管理された工場内などでの労働に従事するほかない)。
・ウラジオストクでは、北朝鮮人だという理由で差別を受けることは基本的にない。たまに北朝鮮との文化交流イベントなども開かれるほど。
・(そのせいか)ウラジオストク経済サービス大学の北朝鮮留学生が昨年2倍になり、今年も増えていると聞く(2017年4月現在)」

これは面白い話です。日本では、中朝や中ロの関係については、それなりに報道されますが、ロ朝の関係や人の移動に関するこうした事情は、あまり知られていないのではないでしょうか。

確かにロシア人からみて、中国人よりも朝鮮人のほうがまじめで付き合いやすいと感じるのは理解できなくありません。拉致問題についても、一般のロシア人はほとんど知らないそうです。国家間の関係はともかく、極東ロシアに住む民間人の感覚では、ウズベキスタンなど旧ソ連圏の中央アジアから来た労働者の質が良いとはいえないこともあり、北朝鮮人は「貧しい国から来た、よく働く外国人労働者」という存在としてみなされているのでしょう。

では、極東ロシアから北朝鮮への人の移動はどうなのか。ウラジオストク在住の彼によると「中国に比べるとそんなに多くはないが、旅行やビジネスで北朝鮮に行くロシア人はいる」ようです。

沿海地方に住むロシア人の中国旅行はよく知られています。日用品や衣料雑貨を買いに年に2度くらい中国との国境の町、琿春や綏芬河に行きます。また夏になると、大連あたりまで海水浴に行きます。鞍山にある日本時代につくられた湯崗子温泉が湯治のためのサナトリウムになっていて、ここでもロシア人の姿をよく見かけます。

極東ロシア人の中国旅行~買い出しバスツアーの訪問先は?
http://inbound.exblog.jp/20610573/

走遍中国 珲春俄罗斯人的幸福生活(CCTV4 20140419) ※琿春を訪れるロシア人観光客の中国TV報道
https://www.youtube.com/watch?v=AEkFq23gYDU

一方、北朝鮮へは国境を接している羅先から入ります。ロシアと北朝鮮は直接鉄道で結ばれているので、中国を経由せずに行けるのです。

欧米人の朝鮮旅行は、北京やロンドンにある英国系旅行会社が手配する北京からのフライトで入るものがほとんどなので、ロシア人が羅先から入るというケースは、全体からみると数は多いとはいえません。それでも、彼によると「たいてい10数名の団体客で羅先に数日滞在するか、羅先から平壌まで行き、帰りは平壌・ウラジオストク線のフライトで戻ってくるか、その逆もある」とのこと。ただし、北朝鮮に行くのは、珍しい物好き、比較的富裕層に限られるようです。この種の北朝鮮ファンは、日本でもアメリカでもそうですが、どこの国にもいるものです。
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ぼくは羅先には2012年と14年の2度訪ねており、市内には2軒のロシア料理店もあるなど、中国人ビジネスマン以外にロシア人ビジネスマンもいることを知っていました。また羅先には海水浴場があり、そこは中国人ではなくロシア人向けにつくられていました。

一般に外国人の北朝鮮旅行はどこに行くのも監視員付きで、自由行動はできませんが、貿易特区の羅先に限っては、しかもビジネスがからんだロシア人であれば、比較的自由に行動できるのかもしれません。

ただし、北朝鮮から極東ロシアに向かう人の移動は増える一方、逆の動きは減りつつあるようです。さすがに、北朝鮮の声高な威嚇をともなう核武装で、ロシアも中国同様、危機感が強まりつつあります。

先週は、米軍の北朝鮮包囲に対するロシア軍の動向を伝えるこんな報道もありました。

ロシア軍が北朝鮮に向け装備移動と報道、大統領府はコメント拒否(朝日新聞2017年4月21日)
http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKBN17N0Y2.html

同じように中国軍も中朝国境沿いに集結しているという情報もあります。

中国、北国境の警戒強化…兵士10万人展開か(読売新聞2017.4.24)
http://www.yomiuri.co.jp/world/20170424-OYT1T50159.html

両国ともに、それを表向きは否定しているわけですが、こうした軍の動きがあるのは、この地域ではごく普通のことでしょう。どこまで本格的なものかはともかく。

それはそうなのですが、人口の少ない極東ロシアにおいて、それこそ自由貿易構想の実現に必要とされるインフラ建設のためにも、北朝鮮労働者の存在は欠かせません。中ロは経済的にはまったく逆転していますから、(領土回復を胸に隠し持つ)中国による投資攻勢で極東ロシアをかき回されることに、ロシアは警戒的だと思います。ですから、ロ朝のささやかな新航路開設の話題も、この地域ならではの動静として興味深く思われるのです。

【追記】
万景峰号の運航開始が延期になったようです。

万景峰号 ロシア初出航延期、各所の許可調整つかず(TBS2017年5月4日)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3044490.html

延期の理由は「入港の申請を受理していたウラジオストクの沿海地方港湾管理当局が8日までに各所の許可をとる調整がつかないとして、再び、日程を組み直すことになった」からとか。いかにもロシアらしい話です。

現段階では、5月17日に羅先を出港し、翌日ウラジオストクに入港予定だそうです。
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by sanyo-kansatu | 2017-04-24 10:23 | 日本に一番近いヨーロッパ 極東 | Comments(0)
2017年 04月 08日

ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう

今月3日、こんなサイトを立ち上げました。
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ボーダーツーリズム(国境観光)を楽しもう
http://border-tourism.jp

ボーダーツーリズム(国境観光)は国境の町を訪ね、お隣の国の様子を眺めたり、ときには国境を渡って両国の人々の暮らしや文化に触れる体験型の旅行です。

そこには3つの面白さがあります。

①日本では見ることのできない陸続きや川の国境の風景を眺めること

②実際に、お隣の国に渡ってみる、ちょっとスリリングな体験(でも、地元の人たちにとって、それは日常的な光景です)

③国境を隔てた両国の違いを見比べること(町の様子や人々の暮らし、文化がいかに違っているか、体感できます。それは私たちにとって新鮮な体験です)

四方を海に囲まれた日本には、陸続きの国境はありません。でも、日本海を隔てた北方には、朝鮮半島や中国東北部、極東ロシアなどの北東アジアの国々があります。私たちは長い間、この地域のことをよく知らないまま過ごしてきました。

ぼくはある仕事で、この地域の国境地帯を何度も訪ねました。その記録を残してくれたのは、相棒の写真家・佐藤憲一氏です。

彼の写真をもっと多くの人に知ってもらいたいと思いました。ある友人のすすめで、旅行サイトとして立ち上げ、この地域に関心のある人たちの渡航をお手伝いしながら、佐藤氏の写真を紹介することにしました。

いわば、このサイトは北東アジアのリアルを伝えるドキュメンタリーサイトでもあります。

ぜひアクセスしていただけるとさいわいです。そして、一緒にこの地域の国境を訪ねる旅に出かけませんか。
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by sanyo-kansatu | 2017-04-08 12:06 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2016年 12月 13日

神社の跡地にできた公園の展望台は北朝鮮を望む絶景スポット(中国遼寧省丹東市)

中国東北地方の各都市には、満洲国時代に建てられた神社の跡地があり、そこはたいてい公園となっています。大連の労働公園(大連神社跡地)がそうですし、今夏訪ねた内モンゴル自治区のフルンボイル市ハイラル区の市街地にある西山広場(ハイラル神社跡地)もそうです。
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中朝国境最大の町、丹東にもかつて神社がありました。安東神社です。創建は1905(明治38)年10月3日といいますから、日露戦争直後に建てられたことがわかります。
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当時の絵葉書をみると、巨大な鳥居の向こうにスロープ状の参道と小鳥居、拝殿が見えます。
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これが跡地で、当時もいまも錦江山公園といいます。以下は、今年7月に訪ねたときの写真です。安東神社の廃絶は、日本の終戦の1945年ですが、いまでは日本の鳥居が中華風の派手な門に置き換えられています。
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これが当時の参道です。
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拝殿に至る階段の手前に石橋が残っています。
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日本時代の年号などが塗りつぶされています。
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ここが拝殿跡地だそうです。
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公園は錦江山の山腹に広がっていて、市民の散策コースになっています。
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緑に囲まれた散策コースは整備されています。
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15分ほど登ると、高台に中華風の「錦江亭」という展望台が立っています。ここからは、鴨緑江の対岸の北朝鮮の新義州の町並みが見渡せます。
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この日は空がかすんでいて、はっきりとは対岸が見渡せませんでしたが、右手に見える丹東駅とその先に鴨緑江断橋が見えます。
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これではつまらないので、2012年夏に錦江山公園の東にある黄海明珠(テレビ塔)から見た写真をお見せしましょう。

鴨緑江遊覧ボートで見る中朝の発展格差をどう考える?(遼寧省丹東市)
http://inbound.exblog.jp/20510174/

鴨緑江をはさんだ中朝の経済格差は歴然としています。はるかかなたに見えるビル群は、旧市街地から政治機能を移転するべく開発が進められている丹東新区です。

ところで、錦江山公園にはもうひとつ「曙光閣」という展望台があるのですが、日本の天守閣を模した不思議な外観をしています。
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さらに面白いのは、「錦江亭」のそばの茂みの中に、「皇帝陛下安東地方巡狩紀念」と刻まれた石碑が立っていることです。
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「巡狩」とは、古代中国で天子が諸国を巡視したことを意味しますが、ここでいう天子は、満洲国皇帝溥儀のことです。

石碑の裏には、満洲国崩壊時に国務院政務長官を務めた武部六蔵の名が刻まれています。
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なぜこんなものがいまも残っているのか。旅順の二〇三高地の山腹に戦死した乃木希典大将の次男の保典の碑が置かれているケースはありますが、基本的に「偽」満洲国時代の石碑等は打ち壊されたはずでした。金州南山の乃木の句を刻んだ碑も倒され、台座のみしか残っていません(碑自体は、旅順日露刑務所旧址に展示)。こんなに堂々と石碑が立っているのはちょっと驚きでした。

地元の日本語ガイドの閻宇飛さんによると「いったん倒して山の中に埋めたのだが、2000年代に入って「愛国歴史教育」の素材として、土から掘り出し、同じ場所に置いた」そうです。
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まあいろんなことがあるものです。錦江山公園は約1時間もあれば散策できますし、何より北朝鮮の町並みが見渡せるので、ぜひ訪ねてほしいスポットです。
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これは1940年代の丹東(当時は安東)の観光マップです。確かに、駅の北側に安東神社があります。
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by sanyo-kansatu | 2016-12-13 13:29 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2016年 12月 13日

これが2015年9月に完成した中朝国境に架かる新鴨緑江大橋です

今年7月下旬、中国遼寧省丹東を訪ねています。2015年9月に完成した中朝国境に架かる新鴨緑江大橋を見に行きました。
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あいにくの梅雨空で、鴨緑江を霧が覆っているため、巨大な橋梁を確かめることはできましたが、対岸はまったく見えません。
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中国の大手検索サイト「百度」によると、全長約2km、幅33mの吊り橋です。場所は鴨緑江断橋の約20km下流に位置します。

新鸭绿江大桥(百度)
http://baike.baidu.com/view/3301989.htm

以下のデイリーNK情報によると、ちょうどぼくが丹東にいた日(2016年7月27日)は、かつて中朝間で合意されたという丹東から平壌を経て韓国との軍事境界線に近い開城に至る全長410kmの高速道路建設の着工日とされていたそうです。

中朝高速道路、着工式行われなかった訳(デイリーNK2016年08月02日)
http://dailynk.jp/archives/71687

その日、中国側の起点となる新鴨緑江大橋のたもとを訪ねたわけですが、ぼくが見たのは、ご覧のように川べりの釣り人や地元の若者たちがたむろする光景だけでした。
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着工式どころではなかった理由についてデイリーNKは「中国当局は、北朝鮮の相次ぐ核実験、ミサイル発射実験、国連安保理の対北朝鮮制裁決議の採択などで負担を感じ、着工を避けているとの見方がある」と書いています。

中国側は大橋の手前にすでに「国門大廈」というビルやイミグレーション施設を建設しています。地元の人によれば、「国門大廈」には、中国のビジネスホテルチェーン大手「錦江之星」のホテルが入るそうです。
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ぼくはこの橋の着工の決まった2009年頃から2年おきに丹東を訪ねています。以来、いつ開通するのか、毎回地元の人に尋ねてきました。でも、橋の完成をもってもいまだに開通には至っていません。

「新鴨緑江大橋が半分くらいできた」と地元の人に聞きました(2013.6.5)
http://inbound.exblog.jp/20555737/

中朝新国境橋が完成しても開通できない理由(2014.12.30)
http://inbound.exblog.jp/23944673/

この橋からも近い丹東新区には北朝鮮総領事館もあります。
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また中朝が共同で開発するといわれて久しい「黄金坪」も、2年ぶりに訪ねましたが、水田の中に一軒、管理事務所ビルができていただけでした。
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中朝共同開発の工業団地「黄金坪」はいまだ停滞中(2014.12.30)
http://inbound.exblog.jp/23944634/
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今回、鴨緑江を眺めていてちょっと面白かったのは、朝鮮の人たちが乗る船を見かけたことくらいでしょうか。朝鮮領沿いを航行するため、遠く離れているのですが、船に自転車を積んで、上流に向かっていました。
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by sanyo-kansatu | 2016-12-13 11:53 | ボーダーツーリズム(国境観光) | Comments(0)
2016年 12月 13日

高速鉄道で大連から2時間! 日帰り可能になった中朝国境の町、丹東

2015年12月17日、中国遼寧省の大連から中朝国境最大の町、丹東までを結ぶ「丹大快鉄(丹大高速鉄道)」が開通しました。おかげで、これまでバスや車で4時間近くかかっていた両都市間の移動が約2時間に短縮され、日帰りが可能になりました。

今年7月下旬、丹東・大連間を乗車しました。以前は起伏のないトウモロコシ畑の中の高速道路の1本道をバスで延々4時間走り続けるしかなかったのですが、いまや快適な旅と時短が実現されたので、大連を訪ねる人は、ぜひ丹東まで足を延ばしてほしいです。丹東はとても面白い町だからです。特に北朝鮮情勢に関心のある人には、たまらない町でしょう。

これが丹東駅です。この駅は、瀋陽への高速鉄道「瀋丹高鉄」(2015年9月1日開通)の発着駅でもあります。
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高速鉄道の予約はネットででき、駅構内の自動発券所で受け取れます。ただし、中国の身分証名書を持つ国内客のみ利用可能です。外国人のパスポートを読み取るしくみがないため、我々は中国オンライン旅行大手のCTripで予約はできますが、チケットの受け取りは窓口に並ばなければなりません。
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さらに、丹東駅は鴨緑江をまたいだ対岸の北朝鮮・平壌行きの国際列車の中国側国境駅でもあります。
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国際列車95次★丹東~平壌
発 丹東10:00(毎日)
着 平壌17:45

列車編成
1号車  硬臥車 丹東~平壌 ①  
2号車  硬臥車    〃 
3号車  硬臥車 北京~平壌 ②  
4号車  軟臥車    〃 
http://gb-travel.jugem.jp/?eid=9

丹東駅は20世紀初頭に朝鮮鉄道から接続させるべく、鴨緑江に橋を架け、建設した駅です。その歴史については、駅ターミナルにパネルが並べられ、解説されています。

ターミナル構内に展示された駅舎の変遷の記憶(中国瀋丹線・丹東駅)
http://inbound.exblog.jp/20541074/

今回、乗車したのは、18時42分丹東発大連行きでした。瀋陽から丹東を経て大連まで走る便です。
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改札を抜け、ホームに至る通路に2015年10月中旬に丹東で開かれた中朝(貿易)博覧会の電光ポスターがいまだに残っていました。中朝関係の変調で、今年の開催は見送られています。
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これが乗車した「和諧号」で、車両には「CRH380BG」や「CRH5型」などがあるようです。丹東・大連間のチケット代は、2等が108.5元、1等が173.5 元です。2016年12月現在、1日14本走っています。
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両都市間には、13の駅がありますが、1日数回しか停車しない駅もあります。中国の大手検索サイト「百度」をみると、すべての駅の写真が載っていました。

丹大高速铁路
http://baike.baidu.com/view/3898992.htm

ところで、この高速鉄道の正式名は「丹大快鉄(丹大高速鉄道)」で、その理由は最高時速200kmだからです。250km以上を出すのが「高鉄」というわけです。ところが、中国のネット上では、「百度」もそうですが、そのへんはあいまいなようで、一般用語として定着している「高鉄」と表記される場合が多いようです。

20時42分、大連北駅に到着しました。あっという間の列車旅でした。
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今回初めて大連北駅を利用しました。中国の新しい鉄道駅はどこでもそうですが、やたらと巨大です。
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市内へは地下鉄もつながっているのですが、バスも出ています。
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今年5月に続き、10月末大連の地下鉄の2本目が開通しました
http://inbound.exblog.jp/25064248/

これ以外にも、中国東北地方にはすでに6本の高速鉄道が開通しています。おかげで、いまの満洲では都市間移動が飛躍的に便利になっています。
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「地球の歩き方 大連、瀋陽、ハルビン」(2017-18年版)p40より
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by sanyo-kansatu | 2016-12-13 11:52 | 日本人が知らない21世紀の満洲 | Comments(0)