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2017年 04月 25日

「澤の屋」に次ぐ人気旅館の支配人が語る民泊被害とこれからの宿経営

駅前で偶然見かけた外国人旅行者が縁で、豊島区椎名町のユニークなゲストハウス兼カフェ「シーナと一平」を訪ねた話を前回書きましたが、今度はそこで聞いた「トリップアドバイザーの都内の旅館人気ランキングで老舗の澤の屋に次ぐ2位」という宿をその足で訪ねることになりました。

立ち食いうどん屋の外国人と豊島区椎名町のインバウンドの話
http://inbound.exblog.jp/26812925/

ところで、豊島区椎名町駅周辺は一見なんの変哲もない住宅街ですが、かつて「池袋モンパルナス」と呼ばれたアート関係者が多く住む町でした。豊島区のHPによると「1930年代、豊島区西部旧長崎町を中心に、絵や彫刻を勉強する学生向けにアトリエ付借家群が生まれました。これは、アトリエ村と呼ばれています」とのこと。
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池袋モンパルナス
http://www.city.toshima.lg.jp/brand/montparnasse/index.html

学生時代にある講義を受けて親しくなった先生が椎名町に住んでいて、お宅に呼ばれて食事会をしたことがあったのですが、確かにこの界隈には古い文化住宅がかつては多く残っていました。いまは、実際のところ、区がいうような面影がどれほど残っているかわかりませんが、駅を降りると、東横沿線のような気取った感じのない、温もりのある商店や食堂があって、悪くないんです。

そんな商店街を抜け、静かな住宅街の中にその旅館はあります。「ファミリーイン西向」といいます。

ファミリーイン西向
http://www.familyinnsaiko.com/
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正直なところ、たどりつくのにずいぶん道に迷いました。日本の住所表表示は、海外のようなストリート名+番号ではなく、区画(丁・番地)によるため、たとえ規則性があるにせよ、初めてその町を訪れた人にはわかりにくいものです。よくこれで外国人旅行者がここまでたどり着けるものだと思ったほどです。

ようやく見つけたと思ったら、玄関の前に支配人の大野政道さんがいたので、声をかけました。あとで知ったのですが、この旅館にはすでにいくつかのメディアや旅館を始めてみたいという人が話を聞きによく訪ねてくるので、慣れているのだそう。

たとえば、ネットには以下のような記事が見つかりました。

「日本最強のおもてなし」は池袋近郊にあった
無名の小さなホテルが、外国人に大人気のワケ(東洋経済オンライン2015年05月01日)
http://toyokeizai.net/articles/-/68145

家族経営のぬくもり ファミリーイン西向(毎日新聞経済プレミヤ2015年12月24日)
https://mainichi.jp/premier/business/articles/20151221/biz/00m/010/020000c

ファミリーイン西向を紹介する記事のポイントは、外国人旅行者による口コミサイトのトリップアドバイザーで無名の旅館が人気上位にあることを知り、その秘密を探りにいくというものです。で、その理由は「池袋まで1駅」という立地と「困ったらすぐ助けてくれるサービス」。ん? これが「日本最強のおもてなし」? 単にそういう話ではないんじゃないでしょうか。

これらの記事は、日本を訪れる外国客が1年で600万人以上増えた2015年のものでした。この年、45年ぶりに訪日外国人の数が日本人海外旅行者数を越え、大都市を中心にホテルの客室不足が話題となっていました。

大野さんに客室や共同風呂などを見せてもらった後、少し話を聞きました。

現在、同旅館の客室は14室。すべて和室の畳敷き。平均単価は1名7000円ほど。開業は6年前で、昭和40年代に建てた自宅の改装にあたり、何か新しいことを始めてみようと考えた。椎名町界隈には単身者向けのアパートやマンションが多いので、同じことをやってもつまらないし、何よりかつては自宅の前の通りも商店街だったことから、その雰囲気を残したいという思いが、外国人向け旅館を始めようと思った理由だといいます。日本人相手にこの町で旅館をつくっても仕方がないので、最初から外国人向けをつくるつもりで始めたところ、いきなり東日本大震災にやられたけれど、すぐに外国客は急増したそうです。

そんな大野さんの最近の懸念事項は、椎名町界隈でも急増している民泊だといいます。近所でも、マンションの一室で民泊を始めたオーナーがいるそうで、客足に影響がないとはいえないといいます。豊島区ではまだはっきりした方向性が出ていないのです。

こんなひどいこともあったそうです。Airbnbに同旅館に似た名前をつけて、マンションの一室を民泊として運営しているオーナーが近所に現れたそう。部屋の写真もよく似ていて、日本をよく知らない外国人なら間違えても仕方がないほどだったといいます。大野さんは繰り返しAirbnb側にクレームを入れたところ、ようやく削除されたそうですが、「彼らはこんなやり方を平気でするんだな」と呆れたとか。

「オリンピックまであと3年で投資を手早く回収してしまおうというような考えなんだろうけど、そんなに簡単じゃない」と大野さんはいいます。多くのホテルや旅館関係者が、安易に民泊を始める関係者に批判的になるのも当然でしょう。

だいたい「訪日外国人は東京オリンピックの2020年までは増える」などという俗説が大手を振っているのがおかしな話です。オリンピックはあくまで日本の都合であって、これまで訪日客が増えてきたのは、オリンピックとはまったく関係ない理由からです。その意味では、国際環境などの外的要因によっては、オリンピック前に失速してしまうかもしれませんし、実際のところは、訪日客の動向は、今後もアップダウンはあるものの、基本的にしばらくは増加基調にあることは変わりません。だからといって、政府目標の2020年までに4000万人というのは、ちょっと大きく出すぎたかもしれません。

2015年当時、客室不足が騒がれた大都市圏の宿泊事情が、昨年夏頃から少し落ち着いてきたという話をよく聞きますが、その理由はズバリ、民泊利用者の急増があると指摘されています。外国人旅行者の中には、安ければ施設はいまいちでもかまわないという人たちは多くいます。その国の住宅事情を反映する日本の民泊のクオリティは、世界的にみると最低ランクの評価であることは間違いありません。とにかく日本の物件はワンルームが多く、狭すぎるのです。民泊を始めようとする人は、この点をもっと知っておく必要があるでしょう。

実際、こうした低い評価ゆえに民泊離れの動きも出ているようで、まったくインバウンド市場の変化は早すぎるほどです。

これはどんなビジネスでもそうでしょうが、やはり相応のリスクを負い、利用者の声に耳を傾け、不断の品質向上を心がけないようでは、うまくいかないものです。特別に魅力的な物件でもないかぎり、家主不在型民泊など、本来あり得ない世界だったのです。

バケーションレンタルって何?
http://inbound.exblog.jp/26802073/

だからといって、投資コストを増やすことは簡単ではない以上、できることは、宿泊客が何を望んでいるか、日々接しながら知ろうとする努力でしょう。

フロントの前に数本の国旗があったので、大野さんに尋ねると、「その日、宿泊される方の国旗を歓迎の意味で、置いているんですよ」とのこと。欧米の主要国の人たちはともかく、アフリカや中南米などから来た宿泊客は、大いに感激したそうです。現在、100カ国近い国旗を特注で用意しているとか。
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同旅館の魅力は、このような気取らず、無理のない家族的なサービスにありそうです。そして、椎名町の商店街も魅力でしょう。

ファミリーイン西向では、オリジナルの英語によるこんな周辺地図を用意しています。この地図には、同旅館を訪れる外国人客が知りたい情報がコンパクトにまとめられています。
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同じことは、新宿歌舞伎町にある外国客に人気のデザインホテル「グランベルホテル新宿」でもありました。

自家製地図でわかる外国人ツーリストが知りたいこと(新宿グランベルホテルの例)
http://inbound.exblog.jp/24708078/

ところで、冒頭に書きましたが、この旅館は最寄の駅から10分くらい離れていて、住宅地の中を迷わずたどり着くのが大変だと思われます。にもかかわらず、外国人が訪れるのは、ネットのおかげです。無名であっても、外国客があとを絶たないホテルとしては、台東区池之端にある知る人ぞ知る隠れ家宿のホテルグラフィー根津もそうです。

シェアハウスのホテル化で外客受入に成功=「ゲスト交流型ホテル」とは?
http://inbound.exblog.jp/24596922/

これらの事例をみていると、いまの時代の宿経営のひとつの方向性が見えてくると思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-04-25 12:58 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2017年 04月 20日

バケーションレンタルって何?

昨晩のワールドビジネスサテライト(テレビ東京)で、バケーションレンタルの世界最大手HomeAwayの日本進出が報じられました。

出張の会社員向けも… ユニークな民泊ビジネスが続々(2017/04/19)
http://txbiz.tv-tokyo.co.jp/wbs/newsl/post_130526

きょうから日本市場への本格参入を発表した、米・民泊仲介大手ホームアウェイ。都心を中心に少人数向けの物件が多い、同じく業界大手のエアビーアンドビーに対し、ホームアウェイは大人数向けに地方の一棟貸しをするのが最大の特徴です。リピーターが6割という訪日観光客が地方へと足を伸ばしているのに合わせ、民泊解禁と共に需要取り込みに期待を寄せます。3月から始まった民泊予約サイト「トリップビズ」は、審査を通過した企業だけが利用できるビジネスマンの出張に特化した仲介サービスで、約20社が契約しています。インバウンドの増加などでホテルの予約が取りにくい中、手ごろな料金で泊まれると言います。「トリップビズ」を展開するのはメガネチェーン大手のオンデーズ。自社の社員の出張が多かったため、宿泊施設確保の時間や費用を削減するため作りました。


昨日午後、都内のHomeAway日本支社で以下の記者会見もありました。
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世界最大級のバケーションレンタル会社 X 日本最大級のDMO HomeAwayとせとうちDMO、インバウンド観光推進で業務提携~歴史的な資源を活用した広域インバウンド誘致を目指す~(記者会見リリース)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000024333.html

この記者会見のポイントは、HomeAwayが瀬戸内海に面した7県の観光地経営推進組織「せとうちDMO」と提携して、この地域の古民家を外国人観光客にPRを始めるという話です。ワールドサテライトでも「地方の古民家丸ごと貸し出す!? 世界最大級の“民泊会社”が日本に」と報じていました。

提携したのは以下の両者です。
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HomeAway(日本語版)
https://www.homeaway.jp/
せとうちDMO
https://www.setouchi-bc.co.jp/setouchi-dmo

この記者会見は短時間でよくポイントがよくまとめられたものでした。その内容を紹介する前に、そもそもバケーションレンタルって何? という話から始めたいと思います。

解説してくれるのは、HomeAway日本支社の木村奈津子社長です。

彼女はバケーションレンタルを「オーナーが部屋を使用しない期間、物件を旅行者等へ短期間貸出するレンタルサービス」だといいます。ゲストハウスやシェアハウス、ホームステイなどの「個室」を扱う民泊はバケーションレンタルの一部にすぎないとも。そして、同社が注力するのは、「個室」ではなく、一軒家や別荘、古民家、マンション、ヴィラ、ロッジなどの「貸切り」だといいます。
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背景には、訪日外国人が利用する宿泊施設のニースの多様化があります。このデータはどこまで信憑性があるのかわかりませんが、訪日客の60%がリピーターであることから、新しいタイプの宿泊施設が求められているとも。
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ここで彼女は今日の宿泊施設を「サービスの充実度」と「ホストとの交流/プライベートへの志向」というふたつの軸で以下のようにマッピングします。もちろん、これはバケーションレンタルをメインにすえたものですから、ホテルや旅館といった既存の施設の多様性には触れません。興味深いのは、同社ではサービスの充実度よりセルフサービス寄り、ホストとの交流よりプライベートな空間を求める「ペンション、ヴィラ(1~3名)」「町屋、古民家(2~10名)」「家主不在型民泊 マンション(1~6名)」「家主不在型民泊 一軒家(2~20名」を重視していることです。
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これらの説明は、ここ数年民泊市場を席巻してきたAirBnBとの差別化を強く意識したものと思われます。彼女は両者の違いについてこのように説明しています。

         HomeAway     AirBnB
利用者の年齢層  中年層が中心    若年層が中心
宿泊人数      家族・グループ    一人旅
物件の立地     地方・リゾート地   都市部
予約単価・日数   平均1032$・6日間 平均584$・4日間
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つまり、都市部を中心に少人数向けの物件を提供するAirBnBに対し、大人数向けに地方の物件を一棟丸ごと貸し出すのがHomeAwayというわけです。

ここで示されるターゲット層や利用の状況については、アメリカで放映されているHomeAwayのCMをみるとよくわかります。
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Get HomeAway from it all(Home Away CM)
https://www.youtube.com/watch?v=G19cDebTd2s

このCMに見られるのは、おなかの出た中年のお父さんがパンツ一丁で登場するような、徹底的な大衆性です。家族がプライベートな空間を気取らず楽しむイメージであふれています。これでは到底若い世代にはウケませんが、それでいいのです。

今年に入って訪日外国人数は増えてはいるものの、その伸びが鈍化していることもあり、そもそも問題の多い「家主不在型民泊」で市場を席巻してきたAirBnBが伸び悩んでいると聞きます。

訪日外客数(2017 年3 月推計値)
◇ 3 月 : 前年同月比9.8%増の220 万6 千人(JNTO)
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/170419_monthly.pdf

訪日客の大半を占めるアジアからの旅行者の団体から個人への移行が進むなか、彼らの多くは一人旅やカップルというより、家族や小グループでの旅行を好むため、都市部のワンルームマンションのような狭い物件は使いづらくなっていることが考えられます。訪日客のニーズの変化とAirBnBが主に提供する物件のミスマッチングが起きているのです。

3月上旬、上海で現地の旅行関係者からこんな話も聞きました。「昨年まで中国の個人客は、安く上げられることを理由に民泊に夢中でしたが、日本のマンションは狭すぎるので、もう利用したくないというんです」。

だからこそ、民泊ではなく、これからはバケーションレンタルでしょう。そう同社は訴えているのです。

こうした動きに乗ったのが、日本のインバウンド市場では後発だった瀬戸内海周辺の関係者でした。

今回の記者会見でも、せとうちDMOはHomeAwayとの提携の経緯について語っていましたが、そのひとつの理由が、全国に150万軒あるという江戸後期から近現代にかけての古民家の保存・再利用をきっかけにした地域振興でした。なんでも瀬戸内には30万軒もの古民家があり、その大半は朽ち果てていくのを待つばかりの状況だそうです。

今回の提携に基づく最初の取り組みとして、愛媛県の古民家を再生した宿のHomeAwayによる海外市場へのPRが始まります。
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記者会見会場には、けっこう多くの取材陣が集まっていました。昨年メディアで論議が盛り上がった民泊の次のステージを告げるバケーションレンタルに対する関心の高さからでしょうか。
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質疑応答のとき、週刊朝日の記者がいい質問をしていました。「古民家のオーナーたちはどれだけコストを負担する必要があるのか」。

せとうちDMOの関係者によると、理想的には行政からの補助なども含め、オーナーのコスト負担はなしを原則にしたいが、実際にはオーナーが物件の所有者なのか事業者となるかなど、ケースによって異なるとのこと。そして、以下のような目標も掲げていました。

HomeAwayとせとうちDMOが提携、21年までに年間5.5万人泊(Travel Vision2017年4月19日)
http://www.travelvision.jp/news-jpn/detail.php?id=77361

ここ数年、HomeAwayの親会社であるexpediaをはじめとした海外の宿泊予約サイトの日本市場参入によって、インバウンド宿泊市場は活性化してきました。どんな無名の宿泊施設でも、サイト上でうまくPRすれば外国客が押し寄せるという状況が生まれていたのです。その意味では、今後インバウンドのメインステージとなる地方でバケーションレンタルという新機軸を掲げるHomeAwayの展開には期待が持てます。

その一方で、どれだけ有望な施設を提供できるのか。せとうちDMO関係者の話では、新施設を開業させるのはそんなにたやすい話でもなさそうです。

実をいえば、すでに多くのマッチングサイトがこの市場に参入しています。バケーションレンタルというのは、そんなに新しいものではなく、日本人も以前からハワイでコテージなどを貸し別荘として利用するなどしていました。同じことを国内で外国人向けに始めようという話です。HomeAwayでも、たとえば、愛媛県のページをみると、すでにいくつかの物件が紹介されています。
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はたして日本のインバウンド向けバケーションレンタル市場は今後どう動いていくのでしょうか。

来月下旬には、バケーションレンタルのイベントもあるようです。巻き返しを図るべくということなのか、AirBnBも出展するとか。

バケーションレンタルEXPO
http://minpaku-expo.com/visitor/
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by sanyo-kansatu | 2017-04-20 12:17 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 02月 08日

スノボのオージーもAirBnB。東新宿は民泊のメッカです(ツアーバス路駐台数調査 2017年2月)

今年の春節は中国の団体客の比率がかなり下がったようですが、新宿を訪れるツアーバスはそこそこでした。すでに一昨年前からその現象は起きていたことは、この定点観測のデータからもわかることです。

中国団体客が減って困る人、ほくそ笑む人?
http://inbound.exblog.jp/26614855/

おかげで、中国団体客専用に開業した在日中国人の食堂はかつてのような混雑もなく、この先いつまで営業を続けるのか気になるところです。彼らは儲かると思えば、すぐに投資をしますが、ダメだと思ったら、手を引くのが早いからです。面白いのは。例の「金鍋」の店内を覗くと、日本の酒造メーカーのポスターが貼ってあったり、まるで日本人も来店している居酒屋のようですが、いまはまったく一般客の利用はできないのです。

※このカテゴリでは、2011年11月から始めた御苑大通り新宿5丁目付近におけるアジアインバウンドバスの路駐台数(≒中国客の動向)を記録しています。

1日(水)未確認
2日(木)未確認
3日(金)17:50 3台
4日(土)未確認
5日(日)未確認
6日(月)12:40 5台、17:20 3台
7日(火)12:10 6台、16:20 2台
8日(水)12:20 6台、12:45 4台、17:40 4台
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この日は、朝から面白い光景を目撃しました。丸の内線新宿御苑前駅を降りたぼくは仕事場に向かって新宿1丁目を歩いていたのですが、とあるマンションから5人組の背の高い青年たちがスノボをひきずり、出てくるのに出くわしました。オージーだと思われます。彼らはAirBnBでこのマンションの一室で民泊しているものと思われます。まさに東新宿は民泊のメッカです。
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お昼になったので、ランチをしに仕事場を抜け出したところ、IMANO TOKYO HOSTELの前に大男のバックパッカーが立っていました。
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新宿5丁目の例のスポットに行くと、バスが6台も駐車していて、いままさに中国団体客ご用達焼肉店「味仙荘」の前からバスに乗り込むところでした。東京医大通りには、派手なおそろいの防寒コスチュームとサングラスをした、まるでスキーヤーのようないでたちのアジア系の女の子ふたり組が歩いていました。さすがに、この時期、東新宿界隈はにぎやかです。

9日(木)12:50 2台
10日(金)12:30  6台
11日(土)未確認
12日(日)未確認
13日(月)12:20 6台、17:40 2台
14日(火)13:10 2台
15日(水)12:40 4台
16日(木)13:10 1台
17日(金)17:50 2台
18日(土)未確認
19日(日)未確認
20日(月)13:10 2台
21日(火)11:50 2台
22日(水)12:40 4台

※この日もお昼頃、東京医大通りにひとりの欧米人青年がスノボの長いボードをひきずりながら歩いていました。彼はIMANO TOKYO HOSTELに入っていきました。彼もきっとオージーでしょうね。

23日(木)11:40 2台
24日(金)12:50 3台
25日(土)未確認
26日(日)未確認
27日(月)11:50 2台
28日(火)12:20 1台、17:50 1台
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by sanyo-kansatu | 2017-02-08 13:05 | 定点観測ツアーバス調査 | Comments(0)
2016年 07月 05日

ついに報道された中国系「民泊」の実態~でも、正式解禁がアダとなりそうな気配も……

このところ、日経の古山和弘記者が「民泊」をめぐる実態を精力的に報道しています。今朝のネット記事では、ついに中国系「民泊」の実態が明かされました。

本ブログでも、この動きを身近な知り合いを通じて観察していました。中国ではすでにさまざまな「民泊」サイトが存在し、日本に中国客を送り込んでいることがうかがわれていました。

都内で民泊をやってる在日中国人の話を聞いてみた
http://inbound.exblog.jp/25579904/

この記事を読むと、東京や大阪の一部エリアでは「民泊」が一気に拡がっていることがわかります。以下、転載します。

「ヤミ民泊」中国系が荒稼ぎ 新宿・心斎橋を侵食
インバウンド裏街道を行く (日本経済新聞20160704)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO03920240S6A620C1000000/?n_cid=MELMG002

一般住宅に旅行者を有料で泊める「民泊」。訪日外国人(インバウンド)の急増でホテルが足りず、政府は民泊を解禁する方針だが、すでにフライング気味の「ヤミ民泊」は全国で急増している。最近目立ってきたのは中国人や台湾人などのアジア勢だ。泊まる側ではない。貸す側として、もうかる「民泊ビジネス」に押し寄せているのだ。その過熱ぶりにバブルを懸念する声も上がり始めた。

■新築マンションに観光客ゾロゾロ

「またや、まちごうて入ってきたで」。大阪市中央区の町工場「東洋タイマー製作所」の社長、北村久雄は事務所のドアを開けて入ってこようとする外国人の姿を見て声を上げた。工場のすぐ隣に新しい賃貸マンションができたのは昨年の秋だ。同時に近所でスーツケースをゴロゴロと引っ張りながら歩く外国人旅行者が増え始めた。いまでは毎週、1~2組の旅行者が間違えて事務所に入ってくるようになったという。

「大阪の台所」とされる「黒門市場」は事務所の目と鼻の先だ。外国人に人気の観光スポットは格好の民泊エリアでもある。民泊の仲介サイトで示されたマンションの場所をみてみると、確かに事務所と同じ場所に誤表示されていた。「マンションで民泊をしとるからや」。北村はため息をつくと、けげんな顔でドアの前に立っている来訪者に説明を始めた。

このマンションは全室が賃貸であるため、入居者が観光客を有料で泊めているとしたら「転貸」に当たる。賃貸契約上問題はないのか。管理会社に取材すると、「実際、マンションで民泊が行われていた」と認めた。どういう風に部屋を利用しているのか、入居者に確認を取っているという。

いま、世界で最も注目されている民泊エリアが大阪市中央区だ。民泊仲介の世界最大手、米エアビーアンドビーは「2016年に訪れるべき16の地域」の第1位に大阪市中央区を選び、世界中のゲスト(宿泊者)に滞在を薦めている。心斎橋や道頓堀といった、「ディープ大阪」を体感できる人気スポットが多いためか、現地はものすごい数の外国人観光客であふれかえっていた。道行く外国人に声をかけたら2人目で民泊の利用者が見つかった。

「オーサカの民泊は快適だったよ」。6月16日、台湾から彼女と来日した大学院生の林(25)は心斎橋のアーケード街にあるロブスターロール専門店の前で取材に応じた。1週間の日本滞在のうち、大阪市内のマンションに民泊で3泊した。エアビーアンドビーのサイトで予約。ワンルームの部屋は狭かったが、宿泊料は2人で1泊6000円。京都や神戸で泊まったホテルに比べると3分の1の安さだ。「学生だから安いほうが助かる」

■中国版エアビーアンドビー

年間2000万人規模の外国人が日本を訪れるようになり、東京や大阪などの都市部ではホテル不足が深刻だ。稼働率の上昇による宿泊料の値上がりも懸念されている。こうした事態を打開しようと浮上したのが民泊の活用だ。ただし、現在の法律のもとでは民泊は旅館業法に基づいた許可を受ける必要がある。民泊の仲介サイトに登録されている物件の多くは、許可を受けていない「ヤミ民泊」とされている。ただ仲介サイトの登録物件には許可を得ずに自宅やマンションを登録しているケースが目立つ。

民泊の仲介サイトは米エアビーアンドビーが有名だが、同じようなサイトは中国企業も運営している。そのひとつが「自在客(じざいけ)」だ。日本版サイトには1万4000室を超える物件が載っている。日本人だけでなく、外国人も登録しているようだ。その多くが中国人という。ほかにもいくつかの中国系サイトが日本に展開している。実際にどのような人物が登録しているのだろうか。あるサイトに掲載されている物件の住所をたよりに現地を訪ねてみた。

物件の住所が示していたのは東京都新宿区。JR山手線の駅から歩いて10分ほどのところにあるマンションだ。築40年という建物は、にぎやかな駅前とはうって変わって静かな場所にあった。目的の部屋にたどり着いてインターホンを鳴らすと若い日本人男性が出てきた。驚いた様子の男性に事情を話すと、この部屋で民泊をやっているのは同居している中国人男性で、「彼はいま、大学で授業を受けている」と教えてくれた。

連絡先を残して帰ったところ後日、男性(25)が電話をかけてきてくれ、会って話をきくことができた。男性は都内の大学に在籍する留学生だ。日本人2人と2LDKのマンションにシェアハウスで住んでおり、1部屋を民泊に使っている。物件は自在客とエアビーアンドビーに掲載している。新宿という場所柄、中国からの旅行者が利用するという。「多い月で25日くらい埋まり、家賃を差し引いて5万円程度の利益が出る」と話す。

■「双方が得ならいいじゃないか」

部屋は賃貸物件だという。賃貸で借りた部屋を民泊として貸している。「部屋のオーナーからOKもらっている」と説明するが、法的な問題について聞くと、「日本人は繊細だね。貸し手と借り手の双方にメリットがあるからいいのではないか」という答えが返ってきた。

いくつかの民泊仲介サイトをみると、賃貸物件を使っているケースが多くみられる。それらは部屋の大家であるオーナーから了解を得てから使っている場合もあるが、不動産会社と契約を交わす際に第三者に貸し出す契約を結んでいるとは限らない。なかには不動産会社にも大家にも無断で民泊として使っている物件も少なくない。そのため、「もし見つかったらすぐに退去させられる」(都内の不動産会社)というリスクを伴っている。

日本の大手企業で働く都内の台湾人男性(36)が副業として手がける民泊ビジネスも賃貸物件だ。昨年に東京の赤坂と新宿で民泊用にマンションを賃貸で借りた。めざましい稼働率をみせているのが新宿の物件で、家賃が月13万5000円のマンションは広さが2LDK。これを1人あたり1泊3000~4000円で貸している。外国人が多いエリアのため、多いときには月の9割ほどは埋まっている。5~7万円が利益として入ってくる計算だ。男性は「“利回り”は30%以上だ」と胸を張る。

オーナーから民泊で使うことの了解は得ているというが、「法律上はグレーということは知っている。でも、法律に合わせるとビジネスが成立しない」と男性は言う。今月には京都市内に4件の物件を見つけた。

なぜ京都かと聞くと、「もう東京は価格競争になっているし、バブルでしょう。京都はそこまでじゃない」と話した。その後も物件をもっと増やしたいと男性は語った。「日本はアジアの中でもマネーが集まりやすいし、東京オリンピックなど投資の条件がそろっている。民泊ビジネスやるなら、今がチャンスだ」

■分譲マンションにも波及

はたして賃貸物件を民泊として使うことは可能なのか。大阪市の心斎橋駅に近い不動産会社の担当者によると、「普通はNGですよ」と即答した。民泊と知っていて貸す不動産会社はほとんどないという。「客の話を聞いて怪しい場合に『民泊ですか』と聞くと、ズバリだったりする」。それでも不動産業界で今、引く手あまたなのが「民泊可能物件」だという。

「民泊可能物件を紹介してほしい」。大阪市内の不動産会社には同業他社からこうした問い合わせの電話が時々、かかってくる。電話の主は「賃料20万円でも30万円の物件でも借りたい。外国人旅行者の多い難波や梅田で民泊物件を出したら明日にでも契約が取れる」と持ちかけてくるという。それだけ民泊をやりたい人が多いということだ。仲介する不動産会社にとっては家賃が入ってきさえすれば、賃貸収入なのか民泊収入なのかは問わないようだ。

「民泊目的で分譲マンションを購入する外国人は増えていると思う」。大阪市内で不動産の仲介や販売を手がけるユーシン(大阪市)の高橋宏知は昨年に扱ったある物件のことをよく覚えている。それは築30年の1LDKだった。リフォームして1600万円でフィリピン人女性に販売した。その後、エアビーアンドビーにその物件が載っていると知らされ、サイトを見て驚いた。「最初から民泊目的で買うたんや」

日本の不動産を「爆買い」する外国人投資家。その勢いは衰えていない。不動産投資の多くは購入したマンションや一軒家を貸し出して賃貸収入を得ている。ところが、いま彼らの狙いは「民泊」に移っている。「チンタイよりもうかる」。そう信じているのだ。

「ここは駅から近くていいですよ」。中国人との取引がほとんどという都内の不動産会社社長は5月、上海から来た投資家の男性をJR山手線の駅に近い中古のワンルームマンションに案内した。最寄りの駅から徒歩10分という立地を気に入った投資家は築15年の物件を1800万円で購入した。「民泊でやりたい」と話していたという。

「10%は欲しい」。民泊を考えている中国人投資家が求めてくる利回りだ。年間の賃貸収入を購入価格で割った数字のことで、物件がどのくらいもうかるかを示している。都内では中古の場合「賃貸だと5~8%」(不動産会社社長)とみられ、10%の水準が高い要求ということがわかる。

■ホテル・旅館から規制の声

都市部ではバブルの声が上がり始めている民泊ビジネス。政府は民泊を全面的に解禁する方針で、これが追い風になると思いきや、民泊への熱気が一気にしぼみかねない「制限」が検討されている。観光庁と厚生労働省が設置した「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」は6月20日に最終報告書をまとめた。そこでは年間の提供日数に180日の上限が設けられている。これは単純に年間の稼働率が50%に制限されることを意味しており、民泊サービスの事業者からは「これでは利益が出ない」と悲鳴の声が出始めている。

一方、ホテルや旅館などの業界団体はさらに厳しい「年間30日」の制限を設けるべきだと主張している。既存の宿泊施設にとっては、お客を奪い合う存在と映っている民泊ビジネス。だが、ホテルや旅館などの宿泊施設を予約する旅行サイトの世界では、もはや両社を区別するのが難しくなっている実態があった。

たとえば、大手サイトの「エクスペディア」。宿泊施設を選ぶジャンルにホテルや旅館と一緒に「アパートメント」という項目がある。これをクリックすると、「○○アパート」「△△マンション」などの物件がずらりと並ぶ。写真ではマンションの外観や部屋がみられ、多くの物件の紹介ページで「この施設にはフロントデスクがありません」と表記してある。まさに民泊そのものといえる。

民泊の運営代行サービスを手がけるオックスコンサルティング(東京・品川)社長の原康雄は「利用者にとっては泊まる場所がホテルなのか、民泊なのかはあまり意味がない。旅行サイトに民泊の物件が出ていたり、民泊の仲介サイトに旅館が出ていたりする」と説明する。ホテル側にとっても民泊サイトに載せることで、稼働率を上げられるメリットがあるという。もちろん民泊にとっても同じだ。

中国の仲介サイト「自在客」に掲載している京都市内の老舗旅館は「『楽天』や『じゃらん』と同じつもりで載せている。旅行者を紹介してくれるサイトなので違和感はない」(旅館の経営者)と話す。旅館組合から抗議されたこともないという。

政府は2020年に訪日旅行者数を4000万人に引き上げる計画で、さらに6000万人超えも視野に入れる。東京オリンピックに向けて過熱しつつある民泊サービス。アジア勢の投資熱が入り交じり、ホテルや旅館、民泊事業者らの様々な思惑にも翻弄されている。=敬称略(古山和弘)

この記事のポイントはいくつかあります。まず利用者側の事情。「いま、世界で最も注目されている民泊エリアが大阪市中央区だ。民泊仲介の世界最大手、米エアビーアンドビーは「2016年に訪れるべき16の地域」の第1位に大阪市中央区を選び、世界中のゲスト(宿泊者)に滞在を薦めている」。実際の利用者に聞くと「ワンルームの部屋は狭かったが、宿泊料は2人で1泊6000円。京都や神戸で泊まったホテルに比べると3分の1の安さだ。「学生だから安いほうが助かる」」というわけです。

若い世代の旅行者にとっては当然そうでしょう。リーズナブルな価格帯の宿泊施設として、ゲストハウスなどのホステル系宿も増えていますが、多くの旅行者との共同部屋では落ち着かないという人もいそうです。カップルの場合は、特にそうでしょう。

一方、供給する側の動きとして「民泊目的で分譲マンションを購入する外国人は増えている」こと。結局、在日外国人は自国から来た旅行者の受け入れが当て込めるぶん、ビジネスになるのでしょう。

だから、外国人投資家が民泊用のマンションを次々と購入する動きが起きているのです。

「日本の不動産を「爆買い」する外国人投資家。その勢いは衰えていない。不動産投資の多くは購入したマンションや一軒家を貸し出して賃貸収入を得ている。ところが、いま彼らの狙いは「民泊」に移っている。「チンタイよりもうかる」。そう信じているのだ」。

もっとも、皮肉なことに、政府が正式に「民泊」を解禁したとたん、野放図なまま増殖してきた「民泊」ビジネスが一気にしぼむ可能性があるというのです。

「都市部ではバブルの声が上がり始めている民泊ビジネス。政府は民泊を全面的に解禁する方針で、これが追い風になると思いきや、民泊への熱気が一気にしぼみかねない「制限」が検討されている。観光庁と厚生労働省が設置した「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」は6月20日に最終報告書をまとめた。そこでは年間の提供日数に180日の上限が設けられている。これは単純に年間の稼働率が50%に制限されることを意味しており、民泊サービスの事業者からは「これでは利益が出ない」と悲鳴の声が出始めている」。

なんだか笑ってしまいますね。この記事には、周辺住民の声などについては一部しか触れていませんが、今後はこのあたりの問題もクローズアップされていくことでしょう。
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by sanyo-kansatu | 2016-07-05 10:29 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 05月 22日

「無許可のまま、ばれるまで続けた方が得」を続けてはいけない理由

今日もこんな記事が報じられています。要するに、現在の民泊市場の実態は「無許可のまま、ばれるまで続けた方が得」だということです。

民泊 35自治体、緩和せず フロント設置義務付け(毎日新聞2016年5月22日)
http://mainichi.jp/articles/20160522/ddm/041/010/126000c

個人宅を旅行者に有料で貸す「民泊」について、国が今年4月からフロント(玄関帳場)を設置しなくても営業許可が得られるよう規制緩和したにもかかわらず、47都道府県、20政令市、東京23区の約4割に当たる35自治体が今も条例でフロント設置を義務付けていることが、毎日新聞の調査で分かった。このうち都内の9区を含む17自治体は近隣トラブルの懸念などから当面は条例改正しないとしており、民泊の需要が高い都心部などで普及のめどが立っていない実態が浮かぶ。【熊谷豪、黒田阿紗子】

政府は、今後さらに民泊の規制緩和を進める構えだが、近隣トラブルの増加や既存の旅館・ホテルの反対を懸念して拡大に慎重な自治体が、国に歩調を合わせるかどうかは不透明だ。

空き家や空き部屋を利用した民泊は、これまで事実上放置されていたが、国は外国人観光客の増加などを見越したルール化を検討。4月から民泊を旅館業法が定める「簡易宿所」と位置付けて営業できる場所などを制限する一方、一般住宅にはないフロントの設置は許可要件から外すことを決め、営業許可を出す自治体に必要な条例改正などを促す通知を3月末に出した。

しかし、厚生労働省のまとめや、毎日新聞の5月中旬の調査によると、12道県、13政令市、都内の10区が、条例でフロント設置を求めていた。このうち約半数の18自治体は条例改正や弾力的な運用で要件を緩和する意向だったが、残りは義務化を当面続けるとし、9自治体(2県6市1区)が「条例改正するか検討中」、8区が「条例改正しない」と答えた。フロント設置義務があると、現行の無許可営業の民泊のほとんどは許可を得るのが難しいとみられる。

国は6月にも、住宅地での営業も認めるなど民泊のさらなる規制緩和策をまとめる方針で、大阪市などは「住民の安全が保てるのか、国の動向を見たい」としている。一方、世田谷区は「良好な住環境を悪化させる必要はない」、渋谷区は「民泊利用者の安全確保にも必要な規制だ」と指摘。台東区は国の通知と逆行する形で、3月末に条例改正してフロント設置要件を加えた。

また、都内各区に4月以降に民泊を簡易宿所として許可したケースがあったか聞いたところ実績はゼロだった。

■「無許可のまま営業が得」 条例で要件、改修の負担重く

4月から旅館業法に基づく合法的な営業が認められたはずの民泊だが、許可権限を持つ自治体の条例などが壁になり、違法営業が依然として横行している。東京都心部では、慎重姿勢を崩さない行政に業者も申請を尻込みし、民泊の「解禁」にはほど遠いのが実情だ。

「無許可のまま、ばれるまで続けた方が得」。今年3月から渋谷区の住宅地にある2階建て集合住宅(計9室)を仲介サイト「Airbnb」に登録した男性(35)は、違法を承知で旅行者に部屋を貸している。

シェアハウスだった物件を丸ごと借り、民泊を始めた。今月、所有者に促され、要件が緩和された「簡易宿所」の許可申請の相談に保健所に行った。だが、区はラブホテルの乱立を防ぐため、フロントの設置や会議室、食堂の整備など、条例で独自の要件を課している。これらを満たすには高額な設備投資が必要だ。窓口の職員からは「最低でも3カ月はかかる」「まずは近隣住民を集めて説明会を開いて」と言われ、申請をあきらめた。

「最大20人が集団で泊まれる」と人気の物件は、月の8割以上が予約で埋まり、許可が出るまで営業を中止するのは痛手という。男性は「お金のある大企業でないと民泊営業はできなくなるのでは」と悲観的だ。

浅草などの観光地を抱える台東区の条例も、3月の改正でフロント設置と営業中の従業員常駐が義務化された。マンションや集合住宅での民泊を事実上認めない措置だ。

区によると、2014年度に4件だった無許可民泊に関する苦情・相談は、15年度は25件に増えた。今もごみ捨てのマナーや騒音などの苦情が相次いでおり、斎藤美奈子・生活衛生課長は「住民の生活環境を守る対策が不十分。国は安全安心の確保を先にすべきだ」と指摘する。

ただし、こうしたトラブルは、民泊を合法化すればさらに増えるとは限らない。1月から国家戦略特区として独自の民泊制度を始めた大田区は、事前に近隣住民の理解を得ることを努力義務にした。今月17日までに一戸建て6軒とマンション8棟(30室)の計14物件が認定を受けたが、うち12物件を管理する業者によると、近隣からの具体的な苦情はないという。【黒田阿紗子、早川健人、柳澤一男】

フロント設置を義務化している自治体と今後の対応(○は条例改正などで要件緩和予定、△は検討中、×は改正予定なし)

<都道府県>
北海道○
群馬県○
神奈川県○
新潟県△
岐阜県○
愛知県○
三重県○
奈良県○
島根県△
徳島県○
高知県○
宮崎県○

<政令市>
札幌市△
仙台市△
さいたま市○
横浜市△
川崎市○
新潟市○
静岡市○
名古屋市○
京都市△
大阪市△
堺市○
北九州市△
福岡市○

<東京23区>
千代田区×
中央区×
新宿区×
文京区×
台東区×
大田区△
世田谷区×
渋谷区×
杉並区○
豊島区×


「無許可のまま、ばれるまで続けた方が得」。

これは、前にも言いましたが、中国人ツアーのガイド問題と同じです。今後規制緩和されるにせよ、現行においては違法となる就労資格や通訳案内士資格がなくても、ばれなければ気にせずガイドを続けている人たちが多数派を占めている問題のことです。

気になるのは、後者(中国人ガイド)の場合は、一般の日本人の預かり知らない場所で、よくわからないまま起きていることなのでピンとこない話だとしても、民泊の実態はいずれ広く一般の日本人の目にも明らかになると思われることです。

「民泊」の問題は、結局「非居住型」をどうするかにある
http://inbound.exblog.jp/25811104/

毎日新聞の調査のように、民泊の需要の高い東京などの大都市圏の自治体ほど、政府の規制緩和を受け入れようとしない背景には、「非居住型」民泊の増加が地元にもたらすであろう問題を避けたいと考えているからでしょう。もっとも、すでに新宿区や渋谷区などでは、無許可民泊が相当数あることがわかっている以上、規制緩和を受け入れないと言っていても、あまり意味がないともいえるわけですけれど。これらの区では、現状の市場をどう管理するかが問われています。

23区内でAirbnb物件が最も密集している新宿区が無法地帯になっている?
http://1manken.hatenablog.com/entry/2016/04/12/083740

地方自治体の取り組みとしては、京都市の事例が知られています。ただし、なかなか難しい問題もありそうです。なぜなら民泊サイトは海外に拠点があるからです。詳しくは以下をご参照ください。

外国の民泊仲介サイトに無視された「京都市民泊実態調査」
http://1manken.hatenablog.com/entry/2016/05/10/120000
違法民泊退治!京都市長・市議会あげての口コミ介入に成果?
http://1manken.hatenablog.com/entry/2016/05/12/120000

でも、もしこのまま何も手を打たずにいると、民泊のホストたちに対する世間の非難がいずれわき起こる日が来るかもしれません。なぜなら一般の地域住民は、小売店や飲食店の関係者とは違い、外国客との間に利害関係はないからです。彼らを受け入れなければならない理由はないのです。にもかかわらず、ホストたちが近隣住民の許可も得ず、「非居住型」民泊を始めたとしたら、いろんな声が出てくるのは当然でしょう。

違法民泊の監視は「近隣住民・宿泊者等からの通報」に頼らざるを得ない?
http://1manken.hatenablog.com/entry/2016/04/23/103713

これが未許可民泊の実態だ! 部屋をこっそり貸し出す入居者と管理会社の攻防を追った(産経新聞2016.5.2)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1605/02/news045.html

懸念するのは、こうした騒ぎが飛躍して、こんなことなら、もうこれ以上外国人観光客なんか誘致しなくてもいいではないか、という論調すら生まれるかもしれないことです。日本で多くの買い物をしてくれる外国人観光客なのだから、少々気になることはあっても歓迎すべきだろうとの国民的なコンセンサスが、これまではある程度共有されていたと思われますが、それが変わる可能性もあると思うのです。これは本来のインバウンド振興の意義からいって大変残念なことです。

※ぼくの考える日本のインバウンド振興の意義については以下のとおり。
戦前期も今も変わらない外客誘致の3つの目的(このブログの目的その4)
http://inbound.exblog.jp/22361086/

さらに別の視点でも、思うことがあります。この記事には触れられていませんが、そもそも地方では民泊の緩和よりも先にすべきことがあるのでは、と思います。

それは、地元旅館の外客受入を促進するための取り組みです。

以前、本ブログでも書きましたが、大都市圏のホテルをはじめとした宿泊施設の客室稼働率は高くなっていますが(それゆえ、民泊需要も高まっている)、地方に目を転じると、それほどでもないですし、旅館に関しては、おそろしく低い稼働率となっています。
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※2015年の全国の宿泊施設タイプ別の客室稼働率は、シティホテル(79・9%)、ビジネスホテル(75・1%)、リゾートホテル(57・3%)、旅館(37・8%)。加えて、都道府県別客室稼働率も見てください。地方によって稼働率が相当違います。

都道府県別延べ宿泊者数(2015年)
http://www.mlit.go.jp/common/001131278.pdf

中国人の旅館買収には理があり、背景には業界の長期低迷がある
http://inbound.exblog.jp/25808051/

なぜこうなるかという理由として、地方の場合、特に旅館業者らの間で、外国人を受け入れたくないという意向が未だ強いことが考えられます。ですから、このネット予約時代でも、外客も利用可能な宿泊サイトに登録していない施設も多そうです。民泊市場の急拡大は、AirBnBをはじめとしたマッチングサイト(事実上の予約サイト)がなければありえなかったことです。本当は地方の旅館こそ、宿泊予約サイトに登録すべきなのですが、そういったモチベーションがあまり感じられないケースが多そうです。いやむしろ、そんなことをして外国人が来られたら困るとすら考えている可能性があります。

ですから、地方では民泊を推進する前に、既存の旅館を外客に利用してもらうための手立てや支援策を打つべきだと思います。そうでないと、本末転倒の話だからです。自治体の関係者は、民泊市場が急拡大しているいまこそ、地元の旅館業界に働きかけて、外客の受入を促進すべきではないでしょうか。

旅館であれば、民泊の規制緩和でも問題になっていることなど、当たり前ですが、最初からクリアしています。こうした既存の施設をどう活用するかという議論ももっと必要だと思います。

【追記】
そんなことを思っていたら、6月に入り、こんな話になってきました。AirBnBが近隣問題の解決に向けて動き出そうとしたようですが、一方で政治的にはかなり厳しい裁定が下りそうなのです。

Airbnb、近隣民泊への苦情報告ツールを公開(2016.6.1)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1606/01/news095.html

民泊ビジネス終了か?「民泊180日以下」で閣議決定(2016.6.3)
http://airstair.jp/minpaku_180/

さあ、これからどうなるか。民泊推進派のため息が聞こえるようです。でも、もう少し状況を見ていきましょう。
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by sanyo-kansatu | 2016-05-22 16:18 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 05月 18日

「民泊」の問題は、結局「非居住型」をどうするかにある

今年に入り、メディアは訪日外国人市場の拡大にともなう政府の「規制緩和」をいくつも報じています。

資格不要の有償ガイドを認めるなら、せめて登録制にすべき (2016年 5月17日)
http://inbound.exblog.jp/25807497/

そして、今日は「民泊」の解禁です。以下、朝日のネット記事です。

民泊、住宅地で解禁へ 訪日客増にらみ新法 政府方針(朝日新聞2016年5月18日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12362375.html

空き部屋などに旅行者を有料で泊める「民泊」について、政府は住宅地でも一定の条件を満たせば営業を認め、本格的に解禁する方針を固めた。19日にまとまる規制改革会議の答申を受け、今月末に閣議決定する規制改革実施計画に盛り込み、今秋以降に「民泊新法」を国会に提出する。

民泊をめぐっては4月、旅館業法で許可を出す最低面積が5分の1に緩和されたが、都市計画法の「住居専用地域」では依然として営業は認められていない。

都市部で宿泊施設が不足する中、訪日観光客の増加に対応するため、政府は営業日数制限などを条件に対象地域を全面的に広げる。家主がいる場合だけでなく、ワンルームマンションなどで家主が不在でも騒音など近隣トラブルを防ぐ管理者が登録されれば、行政へ届け出ることで営業を可能にする。インターネット仲介サイトも登録制とし、取引条件の説明などを義務づける。

家主や新設される民泊管理者は、利用者名簿の作成保存のほか、マンションの管理規約や賃貸契約に違反しないことや、民泊営業の「表札」を掲げることなども義務化する。


民泊とは、一般住宅の空いている部屋を旅行者に貸し出すことで、近年の訪日外国人の急増で、大都市圏の客室不足や料金の高騰が背景にあることは広く知られるようになりました。米国系民泊サイトのAirBnBの日本法人の設立は2014年5月。空室を提供する登録数は急増し、2016年1月現在で約2万6000軒を超えたそうです。

実は、ぼくの仕事場の向かいにある一戸建てのお宅でも、数日おきに外国人ツーリストが入れ替わり来て、民泊している様子を窓越しに見かけます。たいてい西洋人のカップルで、彼らを迎え入れるホストであるその家のご夫婦が玄関先で若いツーリストたちと語らっている姿はとても楽しそうです。天気のよい日には、2階の物干しに白いシーツが干してあります。

一般に民泊には3つの類型があります。アイドルのコンサートが地方都市で開かれるときなどの大規模イベント時に臨時に部屋を貸し出す「イベント型」、ホストの自宅内の空いた部屋を提供する「ホームステイ型」、そしてホストの住んでいない賃貸マンションなどを貸し出す「非居住型」です。前述のご夫婦の場合は、「ホームステイ型」でしょう。

結局のところ、問題は「非居住型」民泊にあると思います。

ぼくの知り合いのひとりも、横浜の住人ですが、大阪の賃貸マンションを借りて民泊をやっています。こういうケースが、人ごとながら、とても心配なのです。

なぜなら、民泊を市場にまかせて運営していくうえでの課題を解決するための取り組みが圧倒的に足りないと思われるからです。これは日本に限った話ではなく、世界的にいえることです。

そのため、当然ホテル業界からの反発があります。「ホテルに義務付けられる環境・食品衛生・防火安全対策が(民泊のホストらに)免除されているのは不公平」だからです(実際は、民泊は「簡易宿所」という位置づけで、ホテルとまったく同じ基準ではないですけれど…)。

懸念事項の最たるものは、近隣住民へのケアがおざなりなことでしょう。もし自分の住むマンションの隣の部屋に、数日ごとに見ず知らずの外国人がやって来るとしたら、どう思いますか。

前述のぼくのご近所のケースのような「ホームステイ型」であれば、近隣住民へのケアはご本人たちの努力でそれなりに対処できると思いますが、「非居住型」の場合、旅行者と住民の間に何か問題が起きた場合、誰が対応するのか。

もともと「カウチサーフィン」のような無料で部屋を貸し合うSNSから始まったのが世界の民泊ムーブメントでしたが、AirBnBという金銭の授受を含む民泊サービスが登場してきて以来、状況は変わってきたといえます。要は、儲かるからと始めたホストたちが急増したことで、あやうげなことになってきたのです。彼らの目的ははっきりしているので、グレーゾーンなど気にしません。まずくなれば、すぐに手を引けばすむと考えているはずです。それは、中国人の団体ツアーのビジネスとよく似ています。彼らもまたグレーゾーンの存在をものともしないからです。そうこうするうちに、在日中国人による民泊ビジネスも相当な勢いでうごめき始めています。

都内で民泊をやってる在日中国人の話を聞いてみた(2016年3月27日)
http://inbound.exblog.jp/25579904/

こうした「非居住型」民泊に対する懸念の解消は、実際には、最近次々に生まれている民泊運営代行業者が担うことになるのでしょうが、市場の拡大にどこまで追いついているのでしょうか。彼らの取り組みが、今後民泊市場が日本社会に受け入れられるかどうかを決めるのだと思います。でも、大丈夫かしら?

だいたいAirBnBのサイト自体がお粗末なもので、自動翻訳でホストとゲストがやりとりするような世界でもあると聞くと、ゾッとしてしまいます。なぜそんなことで平気なのでしょう? こういうところに、日本のIT系の人たちの甘さを感じてしまいます。

熊本地震の直後、AirBnBが被災者に部屋を無料提供する募集をしていました。彼らとしては、非常時における民泊の意義をアピールし、イメージアップを図りたかったようですが、問題はそっちじゃないと感じた人も多かったのではないでしょうか。

熊本地震  被災者に家を無料提供 民泊サイトが募集(毎日新聞2016年4月16日)
http://mainichi.jp/articles/20160416/k00/00e/040/228000c

こうした客観情勢から、不動産業界でも民泊に対する姿勢は分かれるようです。

民泊、割れる不動産大手 規制緩和、商機狙う動き(朝日新聞2016年5月18日)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12362264.html

「ライオンズマンション」を全国展開する不動産大手の大京が、戸建て住宅を使った「民泊」の事業化にこの夏にも乗り出す。政府が進める規制緩和が商機につながるとみる。一方で、新築の分譲マンションの管理規約で民泊を禁止する大手もある。

有料で自宅の空き部屋を旅行者に貸し出す「民泊」は、旅館業法で原則として規制されている。ただ、東京都大田区では1月、国家戦略特区の規制緩和を利用し、民泊が条件付きで認められることになった。

大京は7月にも、保有している大田区の2階建て中古住宅を使って民泊事業に乗り出す。羽田空港から乗り換え無しで行ける京急蒲田駅から徒歩10分。築17年で、ファミリー向けに賃貸していた。民泊ではより高い利益が見込めるという。

大田区の制度では1回の利用で7日以上の滞在が必要だが、周辺のビジネスホテルより割安な料金設定とすることで、「十分に稼げる」(青本隆担当部長)と自信をみせる。羽田、東京都心、横浜へのアクセスの良さが「売り」だ。

大京は、民泊は全国に広がるとみている。今年度には空き家になっている中古住宅100戸程度を買い取り、事業を拡大する計画を描いている。

■住民に配慮、禁止も

民泊の広がりは、不動産会社にとって良いことばかりではない。

管理会社は、マンションの住民たちから「うるさい」「ゴミが散らかっている」などの苦情を受けることが増えた。マンション販売の現場でも、「(民泊で使われると)防犯や衛生面で心配だ」「民泊に使われないマンションが欲しい」との声があがる。

東急不動産は1月下旬に売り出した大阪市内の二つのマンションの管理規約に、「対価を得て宿泊施設として使用することを禁止する」と明記し、民泊に使えないようにした。東京都大田区の物件(2月発売)と横浜市の物件(5月発売)でも、同様の対応をしたという。

野村不動産は、3月以降に販売開始の広告を出した分譲マンションのすべてで、あらかじめ民泊を禁止している。また、すでに分譲済みのマンションでも「専有部分は専ら住宅として使うこと」と定められている場合がほとんどで、民泊はできないと解釈するのが一般的だ。相談があれば明確に民泊を禁止するような管理規約の変更案を示して助言しているという。

マンション管理規約をめぐっては、国交省が現在の標準的な規約を改正しなければ民泊に使えない、と業界などに通達しようとしたところ、民泊を推進したい内閣府などから「待った」がかかった。現時点でも民泊に使えるかどうか、あいまいなままだ。

ニッセイ基礎研究所不動産市場調査室長の竹内一雅氏は、「不動産会社の住民への配慮は当然だ。不安をほぐせるルールが整備されなければ、民泊が大きな商機になるとは考えにくい」と指摘する。(下山祐治)

■民泊をめぐる不動産各社の対応

<大京>    東京都大田区の戸建てで7月にも民泊事業を開始。全国展開も検討
<東急不動産> 大田区や大阪市、横浜市で販売中の一部分譲マンションで民泊を禁止
<野村不動産> 3月以降に販売開始の広告を出した分譲マンションすべてで民泊を禁止
<三菱地所>  マンションの管理組合に対する相談体制の強化を検討
<三井不動産> 当面は大田区などの取り組み状況を見守る


日本には人口減にともなう深刻な空き家問題もあります。その対策として渡りに船ともいえる民泊だけに、政府も規制緩和を進めたいのでしょう。そのためには、民泊の存在を受容する社会のコンセンサスをいかにつくっていくか。いまの民泊をめぐる状況は、中国人団体ツアーのガイド問題にとてもよく似ています。グレーゾーンであることをいいことに、利益を得たい人たちだけが都合よく暗躍しているように見えるからです。

いろいろ気になることばかりではありますが、訪日外国人の増加が、これに限らず、国内へのさまざまな投資を生んでいることは確かです。それこそがインバウンド振興の意義のひとつといえるわけですから、個人的にはうまく進めてほしいと願うばかりです。

民泊の市場動向や問題について詳しい情報を発信しているのが、以下のサイトです。

マンション・チラシの定点観測
http://1manken.hatenablog.com/

このサイトを日々チェックしていると、「民泊」問題のさまざまな側面が見えてきます。

【追記】
あとで知ったのですが、この報道はすでに先週出ていたのですね。

民泊を全面解禁、住宅地で営業認める 政府原案 (日本経済新聞2016/5/13)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS29H3C_T10C16A5MM0000/

NHKでも以下の記事を配信していました。

民泊 管理者置けば届け出で営業可能に(NHKオンライン2016年5月13日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160513/k10010518831000.html

住宅の空き部屋などを有料で貸し出す「民泊」について厚生労働省と観光庁は家主が同居していなくても管理者を置くことを条件に都道府県への届け出を行えば営業を認める方針を決めました。

住宅やマンションの空き部屋を有料で貸し出す「民泊」を巡っては、外国人観光客の増加で宿泊施設の不足が深刻となる中厚生労働省と観光庁がルール作りを進めています。先月からは「民泊」をカプセルホテルなどと同様に旅館業法で「簡易宿所」と位置づけ、貸主が都道府県から許可を得れば営業が認められるようになりました。

このうち、一般の家庭で受け入れる「ホームステイ型」については家主がいるため宿泊者の安全管理がしやすいなどとして、今後、許可制ではなく都道府県への届け出だけで認める方針です。

さらに「民泊」を広げるため厚生労働省などは家主が同居していない場合でも管理者を置くことを条件に、旅館などと競合しないよう営業日数の制限を設けたうえで、「ホームステイ型」と同様に都道府県への届け出を行えば営業を認める方針を決めました。管理者は近隣とのトラブルの対応や宿泊者の名簿の作成などが義務づけられるということです。

厚生労働省と観光庁は今後、インターネットなどで仲介を行う業者への規制について検討することにしています。

ここで気になるのは「非居住型」民泊でも、「管理者」を置けば問題ないとのことのようですが、これはどのような存在を指しているのでしょうか。民泊運営代行業者でいいのでしょうか。もうひとつよくわからない内容です。
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by sanyo-kansatu | 2016-05-18 11:00 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(2)
2016年 05月 17日

中国人の旅館買収には理があり、背景には業界の長期低迷がある

ネットで興味深いレポートを読みました。中国人が地方の旅館を次々買収しているという内容です。

ポイントは、老朽化し、後継者もなく、売りに出された旅館を彼らが買い、急増する中国人旅行者の宿として使うこと。さらには、中国富裕層の「資産移転」になること。この種の話題が出ると、すぐに中国脅威論に結びつけたがる人がいますが、彼らの買収には、それなりの理があることを理解すべきだとぼくは考えます。

以下、転載します。

温泉宿を“爆”買収 中国人は地方観光の救世主か
インバウンド裏街道を行く(日本経済新聞2016.5.16)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO99915080R20C16A4000000/

 2015年度の訪日外国人(インバウンド)数が2000万人を超えた。観光地は盛り上がりをみせているが、その裏で異変が起きている。温泉地にある旅館やホテルの経営者が次々と外国人に入れ替わっているのだ。政府や自治体が「観光立国」に熱を上げる一方、経営難や後継者不足にあえぐ旅館やホテルの衰退は確実に進んでいた。経営を断念した売却物件を買っていくのは外国人ばかりで、その多くは中国人だ。日本の温泉旅館を狙う彼らの思惑はどこにあるのか。

■10億円の物件を即決

 「この場でサインしましょう」。中国人男性が3軒の旅館購入を決めた瞬間だった。総額10億円にのぼる。中国人男性は「詳細を詰めるために近いうちに来日する」といって中国に帰っていった。「最初から買うつもりの場合は値引き交渉をしない。そして即決する」。物件を仲介したホテル旅館経営研究所(東京・中央)代表の辻右資はあらためて強く実感した。

 東京・銀座にある辻のオフィスに、中国人男性が訪れたのは3月中旬のこと。約束の10時前に受付のベルを鳴らしたその男性は、上海で複数のホテルを運営している経営者だという。そこから4時間に及ぶ商談が始まった。

 「この旅館の敷地は建て増しできるか」「運営は誰かに任せられるのか」――。中国人の男性は電卓をたたきながら細かい質問をしていく。最大の関心事は投資に対するリターン(利益)がどのくらいあるかだった。辻が提案したのは日本各地の有名温泉地にある5カ所の旅館とホテル。売却額はどれも3億円以上になる。なかには高級旅館で知られる関東近郊の老舗旅館もあった。「いずれの物件も企業や個人が所有していたが、オーナーの高齢化で後継者がみつからず、やむなく手放すことにしたようだ」(辻)。

 金沢、箱根、蔵王……。中国人の男性は辻と面談する前、6泊7日の日程で5カ所の物件をすべて駆け足で視察し、うち2カ所は実際に宿泊した。通訳や物件の案内役など3人を引き連れた「視察ツアー」の目的は、購入する価値があるかどうか。その見極めだった。来訪の目的は旅館側に明かさず、あくまで一般の旅行者としてふるまったという。

 男性はもともと日本の温泉が好きで、観光でなんども来日していた。真剣な表情で建物の状態や客室スタッフのサービスなどを見ていた。夕食にも舌鼓を打った。同行した案内役は「本気で買うつもりできている」と感じたという。

■経営だけ入れ替わる
 外国人による旅館やホテルの買収は増えているが、正確な実態をつかむのは難しいとされる。昨年12月に「雲海テラス」で知られる星野リゾート・トマム(北海道占冠村)の全株式を中国企業が180億円で取得した買収劇。これは大きく報道されたが、通常は表に出ることは少ないという。宿泊客が知らない間にオーナーが入れ替わっているケースがほとんどだ。経営者が交代しても従業員はそのまま雇用されることが多い。

不動産シンクタンクの都市未来総合研究所(東京・中央)によると、公表された案件をまとめただけでも外国企業による旅館・ホテルの売買件数は2015年に46件と前年比2.7倍になった。主任研究員の下向井邦博は増加の背景について「訪日外国人が増え、大都市では旅館やホテルの稼働率が上がっている。客室単価も上昇し、投資先として魅力が高いと感じている」とみる。

 一気に増え始めたのは2020年の東京五輪・パラリンピック開催が決まってからだ。売買を仲介する辻のもとには毎日のように購入を打診する問い合わせが入る。売却リストには箱根や伊豆、金沢、湯布院など日本の代表的な温泉地が並ぶ。最近は中国人だけでなく、台湾やシンガポールの投資家からも問い合わせが増えている。「この物件の概要を送ってほしい」。資料を受け取って気に入ると、あとは現地を見て購入するかどうかすぐ決断する。一見すると強気にも思えるが、彼らが当て込んでいるのが急増する訪日外国人だ。
 
日本政府が政策として推し進める訪日外国人の誘致。その数は2015年度に2000万人を突破した。2020年には2倍の4000万人に増やす計画だ。外国人ツアー客の観光プランは東京、大阪、富士山などいわゆる「ゴールデンルート」を回るものだが、大都市ではホテルなどの部屋不足が深刻化している。その波は地方の温泉地にも波及し、各地で苦境にあえぐ旅館やホテルにとって「救世主」となる可能性を持っている。

■客も中国人に絞る
 「手を挙げたのは中国人だけだった」。2014年冬、大阪府内にある温泉ホテルを売却した不動産会社の関係者は当時を振り返る。大阪市内から離れた場所にあるホテルは客室数35、築40年以上で老朽化が目立っていた。客数も減少し、経営を立て直すには部屋のリニューアルや浴室の改修などに1億円以上が必要だった。ただ改修しても客数が上向く見込みはなく、この不動産会社は売却を決めたという。

 買い手を募ったが、名乗りを挙げた3人すべてが中国人だった。物件としての魅力はそれほど高くはなかったが、「ゴールデンルートにあったことで救われた」という。売却額は1億5000万円。購入したのは訪日外国人を専門に扱う旅行会社の中国人経営者だった。ところが所有権が移った直後、ホテルは様変わりする。宿泊客のターゲットを中国人に絞ったのだ。

 部屋ごとに出していた朝食はバイキング形式になり、宴会場として使っていた大広間は客室に改装。家族客の自家用車がとまっていた駐車場は大型観光バスで埋まった。その結果、日本人客はあっという間に減っていったという。ただ、客室の稼働率は急上昇し、「ほぼ満室に近い状態になっている」(関係者)。運営コストをギリギリまで抑えることで格安の中国人ツアーを取り込み、利益を上げる戦略だ。

 買収された旅館やホテルの多くは中国人専門の宿泊施設へと変わる。それは地元にとっても決して悪いことばかりではないようだ。

■ある旅館の復活
 桃の産地で知られる山梨県笛吹市。東京から電車で1時間半ほどの「奥座敷」といわれる石和温泉がある。全盛期には年間300万人いた日本人の宿泊者は半分弱にまで落ち込んでいる。最近、目立つようになったのが外国人だ。なかでも6割を占める中国人は2~3割増で伸びている。そして、この地でも数年前から中国系企業による買収が相次いでいる。石和温泉で営業している旅館・ホテルは49。このうち6施設を中国人経営者が所有する。

 その一つが「緑水亭 やまぶき」だ。旅館は経営破綻した後、いったん日本語学校になったがそれを中国人が買い取った。旅館にはいまも日本語学校の名残を感じる看板が残されている。JR石和温泉駅前の観光案内所で「いまは営業していないと思いますよ」と言われたが、実際には営業は続いていた。なぜ地元では知られていないのか。

 元留学生だという中国人支配人に聞くと、「うちはPRする必要がない。中国の旅行会社から直接、ツアー客を紹介されるから」と説明する。毎日40人程度の中国人ツアー客が宿泊するという。昼過ぎの館内は電気が消されており、薄暗い。到着はいつも夜7時ごろで、翌朝には次の宿泊地へ慌ただしく出発する。滞在中はホテルの外に出ることがないという。「日本人のようにタクシーに乗って買い物や飲みに行くことはない。お金は落としていかないよね」。タクシー運転手は複雑な表情で話す。

 それでも地元で歓迎の声は少なくない。石和温泉旅館共同組合の理事長で、自らも旅館を経営する山下安広は「中国系の旅館とは共存共栄でやっている」と話す。日本人宿泊者が減り続けるなか、「外国人が来ないと経営が成り立たない」からだ。中国系の旅館だけでは対応できない宿泊客を紹介してもらうことがある。代わりに日本の接客スタイルである「おもてなし」を教えている。

■ステータス目的も
 中国人による旅館への投資は必ずしも利益を上げる目的だけではないようだ。東京都北区にある印刷会社、アールコーポレーション代表の舘正子は中国で生まれ、30年前に来日して日本国籍を取得した。中国の北京市にも事務所を持ち、日本企業の海外進出を支援するビジネスも手がける。彼女の幅広い人脈を見込んで最近、中国の富裕層から「日本の温泉旅館を案内してほしい」という要望が増えているという。

 1月に来日した中国・北京に住む不動産会社の男性経営者は、箱根や鬼怒川温泉、石和温泉に宿泊し、いたく気に入った様子だった。「いい物件があれば買いたい」と話したという。目的は旅館やホテルへの投資の見返りというより、「ステータス」にあると舘はみている。富裕層の多くは日本の食べ物や温泉が好きでしばしば観光に訪れている。ブランド価値の高い有名旅館を自分の所有にできることが、彼らのプライドをくすぐるようだ。

 そして、もう一つの理由が「資産の移転」だ。中国の富裕層は資産を国内だけでなく、海外にも分散して保有している。国内の不動産市場が冷え込んできており、資産を海外に移す動きが加速している。日本もその有力な候補となっているのだ。日本の地価はずっと下がり続けており、今が買い時と判断している。

 宿泊施設の経営に詳しい井門観光研究所(東京・千代田)代表の井門隆夫は「中小規模の旅館は老朽化した施設を改修する余裕がなく、客室の稼働率も低い」と指摘する。復活のカギとなるのが急増する訪日外国人だ。しかし、なかには外国人客のマナーの悪さを口実に積極的に受け入れをしない旅館も少なくないという。そうした旅館の姿勢が井門にはもどかしく見える。「客を増やす可能性があるのに動いていない」

 急増する訪日外国人は、投資家としても、顧客としても、地方の観光産業建て直しの鍵を握る。一方、このブームが去れば何が残るかという不安も残る。温泉地の旅館やホテルの経営者にとっては悩ましい選択だ。=敬称略(古山和弘)


中国の知人・友人から「旅館を買いたい。物件を知らないか」と聞かれることは、数年前からぼくにもありました。なにしろ、いま日本はホテル不足で、料金も高騰しています。中国の旅行関係者らは、自前の宿泊施設がほしいのです。安心して日本に送客したいからです。

一方、日本の旅館業界は、1990年代のバブル崩壊以降、長期低迷しています。

観光庁の宿泊旅行統計調査(平成27年)によると、2015年の延べ宿泊者数は前年比6・7%増の5億545万人泊と過去最高。そのうち訪日外国人は前年比48・1%増の6637万人泊(全体の約13%を占める)と大幅に拡大し、日本の国内客も円安で海外旅行から国内旅行にシフトしたことなどの理由で、2・4%増の4億3980万人泊と増えています。

その結果、宿泊施設全体の客室稼働率は全国平均60・5%と過去最高を記録しました。ところが、宿泊施設タイプ別にみると、シティホテル(79・9%)、ビジネスホテル(75・1%)、リゾートホテル(57・3%)、旅館(37・8%)と明暗が大きく分かれました。
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都道府県別延べ宿泊者数(2015年)
http://www.mlit.go.jp/common/001131278.pdf

観光白書(平成28年版)によると、国内の宿泊施設数は7万9519軒(14年)で、10年前の05年が8万9289軒だったことから、実は減少傾向にあります。ホテル建設は好調に進んでいるように見えますが(ホテルは11%増)、旅館はなんと25%も減少しているからです。この傾向は今後も続くと考えられます。

観光白書 平成28年版
http://www.mlit.go.jp/common/001131318.pdf

バブル期にふくらんだ旅館業界を国内市場で維持することはできなかったのです。そこに現れたのが、中国人でした。

記事の中に、山梨県の石和温泉の話がでてきますが、ここは10年前から中国人団体客の定宿になっていたことから人的交流があるはずで、買収が進むのは自然の流れでした。

しかし、いくら彼らの買収意欲が高いといっても、日本の旅館業を低迷から救うことは難しい話です。では、この事態をどう受け止めればいいのでしょうか。

おそらく彼らが購入した旅館の経営は、中国人スタッフのみで行われることでしょう。ちょうど都内の中華料理店と同じように、同じ出身地の中国人を呼び寄せ、同族経営をするのだと思います。

でも、そんなやり方に任せていてはいけないと思います。彼らの存在をアンタッチャブル化するのではなく、地元にいかに溶け込ませていくか考えるべきでしょう。

「中国系の旅館だけでは対応できない宿泊客を紹介してもらうことがある。代わりに日本の接客スタイルである「おもてなし」を教えている」(上記事より)。

こうした石和温泉旅館協同組合の理事長の言う「共存共栄」のあり方はもっと広く知られていいと思います。

そして、もし中国人投資家や地元の人たちに国際的な視野や経営の手腕があるなら、いっそのこと石和温泉を中国版のニセコリゾートのようにすることはできないものでしょうか。「共存共栄」のモデルケースにするのです。
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【追記】
世界に目を広げると、中国企業によるこんな巨額の買収話もあります。結局、話は流れたようですが…。こういう話に比べれば、日本の旅館買収なんて、かわいいもんじゃないでしょうか。むしろ、彼らの投資をうまく利用してやろうというくらいの心構えでいいのでは。そう思います。

高級ホテルも爆買いの中国 投資手腕はバブル期の日本以上
http://forbesjapan.com/articles/detail/9839

スターウッド買収提案を安邦が撤回(ウォールストリートジャーナル2016年4月1日)
http://jp.wsj.com/articles/SB12495755728542884874804581633713611137524

「中国の安邦保険集団は米ホテルチェーン大手スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイドに対し、安邦率いる企業連合が先に提示した140億ドル(約1兆5800億円)での買収提案を撤回すると伝えた」。

マリオットのスターウッド買収が正式決定 -世界最大のホテル企業が誕生(2016年4月9日)
http://www.travelvoice.jp/20160409-64724

結局、マリオットが買収したようです。
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by sanyo-kansatu | 2016-05-17 15:02 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 03月 27日

都内で民泊をやってる在日中国人の話を聞いてみた

上海から戻ってきた翌週、地下鉄の中吊り広告で目にしたのが、『ウェッジ』(4月号)の「中国民泊」の特集でした。
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特集「訪日外国人を囲い込む中国民泊」
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6347

今年に入ってぼくは内陸都市の重慶や成都、そして上海を訪ね、現地の旅行関係者らにヒアリングを続けてきました。そのポイントは、中国では訪日客の個人旅行化のスピードが想像以上に早く進んでいるということでした。

その背景には、日本政府によるビザ緩和の推進があります。詳しくは以下参照。

ビザ緩和とLCC日本路線の拡充が日本旅行ブームをもたらした(日経BPネット2016.3.22)
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/IB-BU/031800009/

で、その結果、何が起こるかというと、AirBnBを超える勢いの「中国民泊」市場の拡大だったのです。

同特集をざっと読みました。冒頭のレポート「日本でAirBnBを猛追する中国民泊」を執筆しているのは、現代中国事情の専門家の富坂聡さんです。さすがに情報が早いですね。

同記事は、上海に本社を置く中国最大の海外民泊サイト「自在客」の紹介から始まっています。「同社の提供している部屋は、台湾で21都市、韓国で27都市、中国大陸に46都市、そして日本に40都市、さらにアメリカにも4都市」。なかでも「予約の多い都市として挙げられた10都市のうち6都市が日本」「自在客のホームページで「日本」と入力すると、2090件、1万2760室と表示される」。これは「現在日本で2万6000室を提供しているAirBnBが1年前は1万件にも満たなかったことを勘案するとその存在感は既に甚大だ」といいます。

では、実際に「中国民泊」サイトにはどのようなものがあるのでしょうか。上海の旅行関係者に聞いたところ、海外民泊を扱う代表的なものは以下の3つです。
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自在客 http://www.zizaike.com/
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住百家 http://www.zhubaijia.com/
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途家 http://www.tujia.com/

実は、他にもいろいろあるのですが、以下の2つは中国国内の民泊がメインだそうです。
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游天下 http://www.youtx.com/
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蚂蚁短租 http://www.mayi.com/

いまの中国には数多くの民泊サイトがあります。前述の旅行関係者は「人気の理由は、ホテルより安くて、利用者の個別のニーズに応えられること。ホテルが取りにくいオンシーズンに役に立つサービスです。個人旅行の増加で、特に日本の民泊が大人気になっている」といいます。

では、もう少し「ウエッジ」4月号の記事を見ていきましょう。同誌の記事の一部はネットでも閲覧できます。

日本市場に吹き荒れる「中国民泊」旋風
最大手「自在客」CEO独占インタビュー
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6403

ここでは、同サイトの張CEOによるいくつかの興味深いコメントが載っています。一部抜粋してみます。

― 日本でのサービス開始はいつか? 現在どれぐらいの部屋数を提供しているのか?
張 日本では14年12月にサービスを開始した。現在、約2000人のホストがいて、約1万2000室を提供しているが、日々増加しており、1年後にはまったく違った数字になっているはずだ。

― 日本にいるホストは中国人が多いのか?
張 中国人、日本人、その他の国籍の人が、それぞれ3分の1ずつというイメージだ。以前は中国人ホストが多かったが、最近は日本人ホストが急増している。日本のホストのうち7割程度はAirbnbとの重複登録だと思う。

― 「自在客」以外にも、中国系民泊仲介事業者である「途家」や「住百家」なども日本市場へ参入している。
張 中国系民泊事業者のなかで比較すると、当社が日本でのシェアがもっとも高い。途家は中国国内での民泊に強く、住百家は富裕層に強いという特徴をもっている。当社はFIT(Free Individual Travel、個人手配の自由旅行)に強い。


AirBnBのホストたちの多くも、「自在客」に部屋を提供しているのですね。何人かのホストをしている知人がぼくにもいますが、部屋の回転率を上げたい彼らにすれば、窓口は多ければ多いほどいいということでしょう。実際、AirBnBでも中国本土客の利用が増えているからです。

張CEOはこんなことも言っています。

―― 現行の日本の法律では、特区等を除いて民泊は禁止されている。
張 その点は認識している。だが、中国では既に政府が民泊を許可しているなど、世界各国では合法化の流れがある。それに比べると、日本はやや法整備が遅れている印象をもっている。


この発言には少し違和感があります。確かに、中国では自国民を相手にした民泊ビジネスは盛んなのかもしれませんが、はたして外国人の受入は可能なのでしょうか。なぜなら、中国のホテルに泊まったことのある人なら誰でも知っていると思いますが、この国の宿泊施設では外国人のパスポートコピーを地元の公安に提出する義務があります。それは民泊でも同じはずです。そもそも中国では外国人を泊めていいホテルとそうでないホテルがいまだに存在します。それほど外国人の管理にうるさい国なのです。この状況を知る以上、張CEOの発言はずいぶん都合がよすぎる言い分だと思うからです。

さらに、彼はこうも発言しています。

Airbnbはホストとゲストの両方から手数料を取る仕組みだが、当社はゲストからは一銭も取らず、ホストから手数料10%を取る仕組みだ。中国の旅行者はホテルの仕組みに慣れており、「ゲストが手数料を徴収される」ということに慣れていない(笑)

おいおい、これは民泊本来の相互扶助の精神から逸脱するものではないでしょうか。ホテルと民泊は別物であるという感覚が麻痺しているように感じないではありません。経営者がこんな考え方で大丈夫なのでしょうか…。

そもそもAirBnBが登場する前から国を超えた個人同士が無料で部屋を貸し借りするというSNSは存在していました。カウチサーフィンといいます。
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カウチサーフィン
https://www.couchsurfing.com/
http://find-travel.jp/article/4012

上記サイトは、このサービスについて「直訳するとカウチ(ソファ)でサーフィンの意味。カウチゲスト(旅人)がカウチホスト(宿泊地提供者)を見つけることで旅が手軽になります。お金のやりとりはなく、無料でソファーに寝かせてもらうイメージ」と説明しています。

上海に住む友人のカメラマンもよくこのサービスを利用するといいます。地方出張に行くとき、カウチサーフィンに登録している中国人の家に泊まったり、地方から上海に遊びに来た中国人を部屋に泊めてあげたりするそうです。このサービスは2000年代の早い時期から存在していました。

ところが、AirBnBという金銭の授受を含む民泊サービスが登場してきて以来、状況は変わってきたといえます。

「中国民泊」について気になることは他にもいろいろあります。

上海でC-Tripのホテル予約を担当している関係者に話を聞いたところ、同サイトをよく利用する香港人と中国人ではホテル選びの考え方がまったく違うといいます。香港人は「要求がとても細かい。ロケーションはもちろん、部屋は何平米で、ベッドサイズはどうかなど、いろいろ聞いてくる。料金が少々高くても、自分の好みの部屋を探す傾向がある」のだとか。

一方、中国人が追求するのは安さのみだというのです。

これはひとことでいうと、香港と中国の消費者の成熟度の違いからくるものだといえるでしょう。海外のホテルの利用に慣れている香港人と、自分では慣れているつもりでも、実際はたいしてよくわかっていない中国人との違い。安さしか求めないというのは、残念ながら、それ以外の選択の基準を知らないからなのです。細かいリクエストを伝えることが身についていないわけです。

こうした中国人の消費感覚は、民泊市場の拡大につながっていると考えられます。いま東京や大阪のホテルは予約が取りにくいだけでなく、価格は高騰し、彼らが考える宿泊相場とは乖離が生まれています。だったら、どんな部屋でもかまわないから、安いところを見つけたい。

では、彼らはいくらくらいで泊まっているのか。

知り合いに池袋のマンションを数室借りて「住百家」で民泊ビジネスを始めた在日中国人がいます。彼は昨年、勤めていた会社をやめ、この商売に乗り換えました。彼によると、ワンルームマンション一部屋を1日800元(約1万5000円)相当で提供しているそうです。

ただし、たいてい家族4人、多い場合は6人くらいが1部屋に泊まるそうです。みんなで雑魚寝のイメージですが、かなり安上がりといえます。最低2泊以上を条件にしているようですが、実際、中国人の個人旅行は、カップルというより5~6人の小グループや家族が多いので、民泊は訪日中国市場に合っているという言い方もできそうです。

なにしろ100万人に近い在日中国人がいるので、できれば知人や親戚の家に泊まって安く上げたい、というのが彼らの本音なのです。本来AirBnBなどの民泊サービスは、海外のふつうの家に泊まって、現地で暮らすように滞在を楽しみたいというニーズから市場が拡大したはずですが、大半の中国人のニーズはそういうことではなさそうです。

実際、1泊800元ではホストである彼も、それほどの利益にはなりません。そこで、彼が始めたのは「空港からの送迎」です。家族や小グループで来日した中国個人客は、東京の交通機関に慣れていません。タクシーは片道数万円と法外な高さだし、香港人や台湾人には可能なレンタカーも利用できない。それゆえ、送迎サービスにはそれなりの需要があり、確実に利益も取れるからというわけです。

前述の富坂さんは記事の中で、在日中国人企業家の民泊ビジネスの実態について、「マンション丸ごと買い取るケースが多い」「外国人向けの寮、さらにはシェアハウスを買い取るか借り上げてしまうパターン」があると指摘しています。確かに、薄利とはいえ、今後も数の増加が見込める中国客相手に利益を上げようとすると、そういう発想になって当然かとは思いますが、彼らだって誰もがそんな資本力を持っているとは限りません。C-Tripや春秋国際旅行社などの中国の旅行会社が日本のホテルや宿泊に利用できる施設を買い上げる動きは起きていますが、民泊用に買い上げることがどれほど進むか、ちょっと疑問です。そもそも安く上げたい人向けのサービスだからです。

それに、言うまでもありませんが、民泊の法的規制の問題はまったく解決していないからです。これは日本に限った話ではなく、全世界的にいえることですが、ホテル業界の反発があります。彼らにしてみれば「ホテルに義務付けられる環境・食品衛生・防火安全対策が(民泊のホストらに)免除されているのは不公平」(「ウエッジ」4月号p31 英国のホテル業界のロビー活動の事例)だからです。

もうひとつは、近隣住民へのケアがおざなりなことです。自分の住むマンションの隣の部屋に、数日ごとに見ず知らずの外国人がやって来ることを、誰しも心よく思わないからです。

こうしたこともあり、富坂さんの記事でも、日本における「中国企業不在の民泊ルールづくり」を批判しており、これには大いに同意します。数の上では、いずれAirBnBを追い抜くかもしれない中国民泊の関係者らが、これまで政府の法規制のルールづくりの会合に呼ばれたことはなかったからです。彼らが外国人であったとしても、日本国内で事業を営む以上、本来は関係ないではすまされません。

中国民泊の話は今月初旬、九州で逮捕された中国人不法ガイドの問題と重なってきます。これほど訪日中国市場が拡大しているのに、団体ツアーの国内手配を実際に手がけている在日中国人関係者らは、日本の旅行業界の蚊帳の外、アンタッチャブルな存在として放置されてきたからです。だから、彼らは気兼ねなく中国式ビジネスを日本国内で続けてこれたわけです。

中国人不法ガイドの摘発は全国に波及するのか。訪日旅行市場に与える影響は?
http://inbound.exblog.jp/25461430/

もっとも、民泊に関してはAirBnBのホストの多くが日本人でもあるように、ガイド問題とは少し事情が違うのも確かです。市場が拡大し、儲かるとわかっていて、在日中国人らがこのビジネスに手を出さないわけがありませんが、それは日本人も同じなのですから。

いずれにせよ、訪日旅行市場の拡大をうまく仕かけたわりには、この領域に関する日本政府の法制度の整備を進める態度は、あまりに初心でおっかなびっくりという印象がぬぐえません。確かに、年間2000万人の外国人が訪れるということは、日本列島の歴史上初めてのことでしょうから、前例がなく、適正かつ果断な判断が難しいという面はあると思います。でも、これだけ外国人観光客を呼び込むことに成功した以上、それを日本社会の利益になるよう運営していかなければ、何のためにやってるの? という話になりかねません。AISOの王会長ら、外国人関係者ほど、この問題に関する政府の姿勢に首をかしげています。

お役所任せではもうどうにもならないのが、いまの日本なのかもしれせん。だとしたら、残念なことです。
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by sanyo-kansatu | 2016-03-27 14:40 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2015年 06月 17日

シェアハウスのホテル化で外客受入に成功=「ゲスト交流型ホテル」とは?

台東区池之端にあるホテルグラフィー根津は、知る人ぞ知る隠れ家ホテルです。開業は2013年3月で、いまや外国客が90%以上を占めるといいます。
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ホテルグラフィー根津
http://www.hotel-graphy.com

海外ホテル予約サイトのエクスペディアを通じて2014年に予約件数の多かったホテルが表彰される「エクスペディアアワード2015」でベストパートナー部門を受賞しています(http://www.travelvoice.jp/20150325-39644)。

このホテルのコンセプトは「ゲスト交流型ホテル」です。運営しているのは、ソーシャルアパートメント(シェアハウスの進化系)という新種の賃貸住宅を手がけてきた株式会社グローバル・エージェンツという会社です。

株式会社グローバルエージェンツ
http://www.global-agents.co.jp/

シェアハウスの発想で運営されている「ゲスト交流型ホテル」が、なぜ外国客に人気なのか。株式会社グローバルエージェンツの山崎剛代表取締役社長に話を聞くことができました。以下、そのやり取りです。

―こちらを初めて訪ねたとき、地下鉄千代田線根津駅から狭い路地を抜けていくと、突然ホテルが現れたという印象でした。こんな住宅街の中にどうしてホテルがあるのだろうと。もともとこの建物は何だったのですか?

「築40年の旅館をリノベーションしたものです。客室数は64室。旅の醍醐味は、地元の人との交流にある、というのが私の考えです。ですから、ここにはホテルの宿泊客だけでなく、日本人のレジデンスも住んでいます」

―ホテルでありながら住人もいる。ゲストとレジデンスが同じ空間を過ごすということが「ゲスト交流型ホテル」ということなのですね。

「『ゲスト交流型ホテル』を説明するためには、もともと弊社が手がけている『ソーシャルアパートメント』について話す必要があるでしょう。

これは、従来のマンションと違い、プライバシーがしっかり確保されたワンルームに加えて、入居者同士が集まれるラグジュアリーな共用ラウンジが備えられている賃貸物件です。

ワンルーム+αという発想です。家の中でもなく外でもない共用ラウンジというセミパブリックなスペースで行われる多様な入居者間のコミュニケーションこそが、ソーシャルアパートメントの一番の醍醐味。多様な世代、属性、国籍の人たちが住み、共用ラウンジでの日常的なコミュニケーションを通しえ、想像を超える気づきや可能性の発見に出会うことができ、自分の世界が数倍に広がるはずです」。
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世界が広がる隣人交流型マンション『SOCIAL APARTMENT』
http://social-apartment.com/

―住人同士のコミュニケーションにこそ価値がある住まい方ということでしょうか。その発想の先にあるのは、宿泊客同士がコミュニケーションできる空間を備えたホテルということなんですね。こういうスタイルは外国客に好まれるものなのでしょうか。実際の宿泊客の国籍はどうですか。

「欧米客とアジア客は半々。最近、アジア客が増えています。実際には、宿泊客のうちどれくらいの方がこのコンセプトを理解しているかはわかりません。それでも、海外を旅したことのある人ならたいていゲストハウスの世界を知っているので、ゲスト同士のコミュニケーションの場があることは喜んでもらえると思っていました。ただし、ホテルを開業する以上、多くの外国客に来てもらえるように、具体的には以下のことを考えました。

まず価格設定を都内のビジネスホテルの価格帯に合わせました。これは海外FITのボリュームゾーンにも見合っています。その代わり、フロントオペレーションを簡素化し、客室の内線電話も外しています。いわゆる“おもてなし”はやらない。サービスを売りにしない。国内のホテルがよくやる宿泊プランも一切なし。

そのぶんリノベーションで力を入れたのはデザインのクオリティです。外国客は海外の予約サイトの写真を見ながらホテル選びをする。価格以上の価値を感じさせるデザイン性、ここで勝負すればいい。むしろこれが外国客にはわかりやすく、選びやすいのです」。
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実際の宿泊客の様子を知りたくて、荒島浩二支配人にも話を聞きました。

―外国客はやはり海外のホテル予約サイトを通して予約されるのですか。

「expediaとBooking.com から予約が入るのがほとんどです。一般に外国客は、エリアと価格帯でホテルを選びます。うちは上野エリアとして検索されます」

―上野は成田空港からのゲートウエイですから、初めて日本を訪れる旅行者にとってホテルのロケーションとしては最適に映るでしょうね。

「でも実際には、上野駅からのアクセスはあまりよくありません。歩くと15分以上かかるので、タクシーでワンメーターと伝えるようにしています」

―確かに、住宅街の中にあり、外国客が歩いて探すのは大変だと思われます。しかし、山崎社長が話していたようにデザイン性と価格帯にそれ以上の価値を見出すことで選ばれているということなのでしょうか。

「そうだと思います。そこに価値を感じる方が選んでくれていると思います」
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―ロビーのカフェや共同スペースで見かけるのは、多国籍の方たちですが、やはり若い世代が多いように見受けられます。

「はい、若い世代の宿泊客が多いと思います。最近、日本にもデザイン性を売りにしたホテルが開業していますが、古い施設をリノベーションしたタイプが増えています。その先駆けが目黒にあるCLASKAというホテルで、若い旅行者に人気です」。

CLASKA
http://www.claska.com/

―いまでもレジデンスの方はいらっしゃるのですか。ゲストの方と一緒に共同キッチンを使ったりするのですね。

「ええ、そうです。開業して2年たちましたが、最初はレジデンスの方の比率も高かったのですが、だんだんゲストが増えてきました。現在では約8割がホテルゲストです」。

―外国客はどんな過ごし方をしているのでしょう。

「アジア客と欧米客ではずいぶん違います。アジア客は連泊といっても、2~3泊がふつう。滞在中の細かいすきのないスケジュールを組んでいて、ショッピングを中心に都内を散策しているようです。ですから、フロントに聞かれる質問も、たいてい『ここに行くにはどうすればいい?』というようなものです。やりたいことは決まっていて、そのための具体的な方法を知りたいのです。
 
一方、欧米客は1~2週間滞在する方が多い。予定もそんなに決まっていなくて、前の晩になって明日富士山に行く、日光に行くなんて言っている。聞かれるのは、『今日ヒマなんだけど、どうすればいい?』というような質問です」。

―なるほど、アジア客と欧米客では行動パターンがずいぶん異なるのですね。

今後、外国客向けに何か新しい取り組みはお考えですか。

「実は、うちのホテルには個室だけでなく、ドミトリー6人部屋があるのですが、先日50代のフランス人男性4人組が1週間滞在されました。欧米客にはそれぞれ自分のスタイルがあり、細かいことは気にしない。それでも、今度ふたつの客室をぶち抜いてスイートルームをつくる予定です。いろんなタイプのゲストがいらっしゃれるようになると思います。

課題に感じているのは、地元の谷根千の面白さをゲストの多くが知らないでいることです。上野に近い、価格帯、デザイン性の観点でうちを選んでくれるのはわかりましたが、せっかくホテルの周辺は面白いエリアなのに、そこを通り過ぎて行ってしまってはつまらない。ですから、今後はホテルを起点とした地元ツアーをやりたいと考えています」。

同社は今年8月、沖縄にホテルエスティネーション那覇を開業する予定です。こちらはホテルゲストのみの施設ですが、地元那覇の人たちも利用できるよう1階にバーを設け、レジとホテルのフロントを一体化しているそうです。 

ホテルエスティネーション那覇
http://hotel-estination.com/

こうした従来のホテル業界の既存概念にとらわれない自在な発想やオペレーションも「100室未満の規模だから可能」といえるのかもしれませんが、大学時代に起業したという若いベンチャー企業家(山崎社長)にとって、今日の訪日外客の増加というトレンドは自らの考える新しいビジネスの可能性を賭けるうえで追い風になっていることがよくわかります。

いまの時代、自分たちが考えるべきことは「多様なインバウンドのニーズのどこにニッチを見つけるか」(荒島支配人)だというのです。こうして新しいスタイルの宿泊施設が生まれていくのだとしたら、いい話だと思います。
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by sanyo-kansatu | 2015-06-17 14:58 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)