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2016年 06月 01日

トリップアドバイザーで和風エンターテインメントが人気の理由

今年3月末に配信された世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」の外国人による東京の人気観光地ランキングをみると、2位にサムライミュージアムが堂々ランキングされています。

2015年にトリップアドバイザーの日本の観光地に寄せられた口コミを分析(2016.3.31)
http://tg.tripadvisor.jp/news/wp-content/uploads/2016/03/20160331_TripAdvisorPressRelease.pdf

※このランキングには、トリップアドバイザ上の「観光情報」に登録されている旅行者が訪れるスポットを対象とし、(料理、お茶などの)教室やガイドツアー(通訳ガイドが企画したプライベートツアーなど)、地下鉄のような移動手段等はランキングから除いているそうです。

実は、京都府のランキングでも、サムライミュージアムに類似したスポットであるサムライ剣舞シアターが2位になっています。

こうしたことから、以前、新宿歌舞伎町の中にあるサムライミュージアムを訪ねた話を書きました。

トリップアドバイザーで人気のサムライミュージアムとふくろうカフェを覗いてみた
http://inbound.exblog.jp/25702798/

サムライミュージアムは、2015年7月にオープンしたばかりの施設で、館内には日本刀や鎧兜の展示があり、鎧兜を身につけて撮影できるスタジオがあります。外に広がる喧騒の歌舞伎町とは違い、館内は静寂なスポットだったことが印象に残りました。やはり、東京を訪れた外国人旅行者が必ず向かう最強デスティネーションである富士山と箱根へのゲートウェイとしての新宿というロケーションが圧倒的な強みになっていると思います。

サムライミュージアム
http://www.samuraimuseum.jp

では、なぜトリップアドバイザーのユーザーである外国人の間で和風エンターテインメントが人気なのでしょうか。

上記リリースを配信したトリップアドバイザーの広報担当者に聞きました。以下、その一問一答です。

-トリップアドバイザーに口コミを書く人たちの国籍または欧米、アジアなどの比率はどのくらいですか? やはりまだ欧米の割合が高いですか?

「具体的な比率は出していませんが、やはり欧米が多いです。アジアも近年ユーザーは増えてはきていますが、「口コミを書く」という文化はまだまだ欧米の方が主流のようです」

なるほど。だとすれば、和風エンターテインメントは、主に欧米の旅行者から支持されているといえそうですね。

-これらのスポットに関する口コミはどんな内容が多いのか。

「「ショーとして面白い」「見る価値のあるエンタテイメント」「日本の文化を体験できて興味深い」など」

これは誰もが思い浮かべる月並みなコメントにすぎない気もしますが、東京都のランキングをみると、3位は浅草、5位は明治神宮、6位は両国国技館、7位に東京都江戸東京博物館、8位は八芳園、9位はホテルニューオータニ庭園といった具合に、ほぼ和のスペースが選ばれていることからも、彼らにとって「日本の文化を体験」することが最重要関心事であることがあらためてわかります。

-和風エンタメはいつ頃から人気なのか? 人気ある施設に共通する特徴などあるか。

「ご指摘の通り、サムライミュージアムは最近非常に人気です。和の文化を体験できるところが、口コミで徐々に広まってきた面もありますが、同時にインバウンドの高まりを受け、全国的に和の体験を提供する施設自体も増えてきているように思います。

そういった施設は、上手にトリップアドバイザーのようなサイトやSNSを活用してインバウンド旅行者にアピールする術を知っているように思います。

人気のある和のエンタメ施設は外国人旅行者の「日本の文化を体験したい」というニーズを上手に汲み取って、その体験を提供しつつ、情報発信が非常に上手であると感じます。また、英語が話せるスタッフがいて、きちんと説明をしていることも重要なポイントのようです」

―彼らは情報をどのように発信しているのか。

「どんなに魅力的な施設であっても、そこがトリップアドバイザー上に掲載されていなければ、ユーザーの目には触れません。

たとえば、サムライミュージアムは、オープン当初からトリップアドバイザー上に施設の所在地、オフィシャルサイトへのリンク、メールアドレス、営業時間などの詳細を掲載し、館内ではトリップアドバイザー上に掲載されていることを告知しながら、口コミ投稿を促しているのだと思われます。

トリップアドバイザーのような口コミサイトやFacebook、InstagramのようなSNSは、いまや海外旅行する人たちにとって欠かせない情報源になっています。東京を訪れる外国人旅行者が自国で、あるいは訪日してホテルの中でリサーチをしているときに、しっかり目に留まるようにするには、まずはSNSに施設を掲載し、口コミを集めることが必要になってきます。

以下は、サムライミュージアムがFacebookとinstagram上で来場されたお客さんの写真を掲載したりして、外国人が楽しんでいる様子を積極的に発信している例です」
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https://www.facebook.com/samuraimuseum.jp/
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https://www.instagram.com/samuraimuseumtokyo/

こうしたことは、いまや施設の集客を図るうえで常識となっているような気もしますが、どこまで手を抜かず、徹底的にやるかということも大事なのかもしれません。やはり外国人旅行者の目を惹きつけるには、写真のインパクトは大きいですね。Facebookに載せられていた、西洋人の小さな男の子が兜を被っているような写真はとてもかわいくて、ぜひ行ってみたいとファミリー旅行者たちの心をつかみそうです。

-ところで、トリップアドバイザーの外国人による都道府県別口コミ数トップ3は東京、京都、大阪で、全体の58%を占めるそうです。その理由をどうお考えですか。

「東京は言わずもがな世界の大都市のひとつ、日本の首都であり、やはり日本を最初に訪れる人は東京に来るのだと思います。

そして東京から次に足を延ばす場所として京都があります。

また、東京にしか行かなかった2回目以降の訪問者は、大阪・京都と、関西を中心に旅行する人が多いのではないかと思います」

訪れる数がそのまま反映しているような結果であることは仕方がないですが、少し残念ですね。でも、このリリースには、地方のランキングも出ていて、興味深いです。
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by sanyo-kansatu | 2016-06-01 10:17 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2016年 05月 26日

TBSテレビの「あさチャン」でも紹介されたサムライ体験ツアー(by夢乃屋)

昨年11月に浅草で外国人向けの着物変身スタジオを始めた夢乃屋では、サムライ体験ツアーもやっています。

JAPAN CULTURE EXPERIENCE TOURS 夢乃屋
http://www.tokyo-samurai.com/

浅草でいま大流行という外国人観光客向け変身スタジオを覗いてみた
http://inbound.exblog.jp/25840662/

5月4日、TBSテレビの「あさチャン」で紹介されました。
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TBSテレビ 【あさチャン!】2016/05/04
<あさトク>礼から立ち回りまで!本格サムライ体験・書道体験・作法に憧れる外国人
http://p.jcc.jp/news/10886712/
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以下は、放映された流れです。

外国人からの口コミが多く集まっている新名所候補地をパトリックが調査。
浅草をトリップアドバイザー・菊地加奈子が案内。
靴屋の2階にある夢乃屋-YUMENOYA-浅草伝法院通り店はサムライトレーニングができる店として外国人観光客に大人気。
創作日本舞踊孝藤流・押田幸宏が講師。
パトリックも体験。
サムライトレーニングは夢乃屋とHISが共同運営している。
東京・台東区の「Kanji House」では外国人観光客の名前を漢字で表す書道パフォーマンスが人気。
書道体験もできる。
ヴェニス靴店・井澤日高のコメント。
トリップアドバイザーへの口コミを紹介。

「あさチャン」では、3月にも同じようなテーマで番組をつくっています。

TBSテレビ あさチャン(2015年03月17日)「外国人から女性まで…殺陣ブーム」
http://www.tbs.co.jp/asachan/know/20150317.html

どうやら訪日外国人の間で侍や忍者、お城、着物といった和風エンターテイメント体験が人気というのは本当のようですね。

先日、NBAワシントン・ウィザーズに所属するブラッドリー・ビール(Bradley Beal)さんもお忍びで夢乃屋のサムライ体験をしたそうです。

NBAワシントン・ウィザーズのブラッドリー・ビール選手が来日、都内のイベントに出演(CDジャーナル2016.5.11)
http://www.cdjournal.com/main/news/-/71365

彼がブラッドリー・ビール選手です。
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さすが大きいです。
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講師を務めているのは、創作剣舞橘一刀流の家元の孝藤右近さんです。
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彼の剣舞、殺陣は以下のYoutubeで見ることができます。「花魁道中」や「連獅子」などの動画があります。

孝藤右近 剣舞・殺陣 作品集 Ukon Takafuji Sword battle and Samurai dance performance
https://www.youtube.com/watch?v=DGJ4F9-DGSM

実は、孝藤右近さんは、石川県金沢市で創流された創作日本舞踊孝藤流の二代目です。

創作日本舞踊孝藤流
http://www.takafujiryu.com

角田知弘さんが経営する株式会社バンリーエンターテイメントは、創作日本舞踊孝藤流を母体とした会社で、同派プロデュースの日本文化体験処を各地で運営しています。また「夢乃屋(YUMENOYA- Produced by 孝藤右近-UKON TAKAFUJI)」として、孝藤右近さんを座長とする殺陣・剣舞・日本舞踊などを織り交ぜた侍・花魁ショーの出張公演を国内外で行っています。話を聞いていると、とにかく動きが早い。思い立ったらすぐに動き出すフットワークの良さを感じます。

実は、昨日、都内のあるインバウンドレストランで中国の団体客相手に剣舞を披露している様子を見ることができました。とにかく、中国客の食いつきがすごいです。

その話は次回。

銀座インバウンドレストランのサムライショーは中国客の食いつきがすごい
http://inbound.exblog.jp/25841438/
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by sanyo-kansatu | 2016-05-26 10:27 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2016年 05月 26日

浅草でいま大流行という外国人観光客向け変身スタジオを覗いてみた

GW中の某日、浅草でいま大流行という外国人観光客向け変身スタジオを覗いてみました。

なんでも最近、訪日外国人の間で侍や忍者、お城、着物といった和風エンターテイメント体験が人気だそうです。口コミサイトのトリップアドバイザーによると、2015年の外国人に人気の東京の観光スポットの2位に、歌舞伎町に去年秋できたサムライミュージアムがランキングされているほどです。

トリップアドバイザーで人気のサムライミュージアムとふくろうカフェを覗いてみた
http://inbound.exblog.jp/25702798/

訪ねたのは 「JAPAN CULTURE EXPERIENCE TOURS 夢乃屋」です。
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場所は、仲見世通りを浅草寺に向かって歩き、伝法院通りを右折した少し先です。ここでは外国客が自分の好みの着物を選んで、その場で撮影してくれます。昨年11月にオープンしたそうです。
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JAPAN CULTURE EXPERIENCE TOURS 夢乃屋
http://www.tokyo-samurai.com/

変身スタジオといっても、現状では靴屋の2階の倉庫のような場所にあります。階段を上ると、着物がたくさん置かれた小部屋があり、中を覗くと、アフリカ系の女性ふたりが着物を着て、撮影に興じていました。
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なんでも彼女は、カタール航空のCAさんだそうです。日本へのフライトの休日に浅草に来たとか。南アフリカ出身のポーシャさんです。
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彼女には濃い色の着物が映えますね。ご本人もとても満足だそうです。
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もうひとりの彼女は、モロッコ出身のサラさんです。エキゾチックな顔立ちの女性です。
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どんな風に撮れたか気になりますね。
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この変身スタジオを運営をしているのは、株式会社バンリーエンターテイメントの角田知弘さん。1987年生まれの29歳です。
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実は、浅草にはこのような外国人向けの変身スタジオがたくさんあります。では、どうやって外国客を集客しているのか。

角田さんによると「人力車と提携して、営業してもらっているんです。浅草には、いくつもの人力車会社があって、そのうちの一社と提携し、人力車に乗ったお客さんに声をかけてもらい、そのままスタジオに連れてきてもらい、着物に着替えて、そのまま人力車に乗ることもできます」だそう。

さらに、近所の店舗との相互送客や宿泊施設とのコラボレーション、インバウンド向けメディアへの情報掲載、HISとの提携など、あの手この手で営業しているとのこと。
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なるほど。賢いやり方ですね。今度、原宿や渋谷にも同じような変身スタジオを開設する計画があるそうです。

実は、夢乃屋では、変身スタジオだけでなく、他にも訪日外国人観光客向けのエンタメ体験ツアーを行っています。

最近、テレビで紹介されたり、話題になりつつあるようですよ。

その話は次回。

TBSテレビの「あさチャン」でも紹介されたサムライ体験ツアー(by夢乃屋)
http://inbound.exblog.jp/25840817/
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by sanyo-kansatu | 2016-05-26 09:34 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2016年 04月 23日

原宿竹下通りは外国人の撮影スポットとなっていた

昨日の午後、原宿に行く用があったので、竹下通りを訪ねたところ、外国人の撮影スポットになっていました。このおふたり、すごく本格的ですね。竹下通りの入り口で動画を撮っているようです。
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※これも昨日の話。
トリップアドバイザーで人気のサムライミュージアムとふくろうカフェを覗いてみた
http://inbound.exblog.jp/25702798/

1年前に渋谷スクランブル交差点が彼らの撮影スポットになっていたことを書きました。

イースター休みに渋谷スクランブル交差点に出没した外国人をシューティング
http://inbound.exblog.jp/24348359/

それがいまや原宿竹下通りも注目のスポットのようです。彼らはここが1970年代からの日本のポップカルチャーの発信地であることをガイドブックかネットかなにかで知ったのでしょうか。それとも、渋谷と同様、狭い通りを人がぶつかることもなく、歩いていく光景を面白がっているのか。店先に並ぶたくさんの商品が、店員がそばにいなくても盗まれることもない、平穏な世界。ここでも、日本独特の“秩序”感覚が珍しがられているのかもしれません。
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もっとも、その種の本格派だけでなく、自撮りにいそしむ人たちも多そうです。
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通りの中でも彼らはカメラを構えています。何を撮っているんでしょうか。まあ人それぞれ、自由に面白いと思うものを見つけて、これらの写真がネットで拡散されていく。いまはそんな時代です。
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そして、竹下通りは人種のるつぼです。
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この全員がGAPで買い物した女性グループは中国系の人たちのようです。みんなで仲良く同じ店で買い物をする。こういう光景はかつては日本人のイメージでした。でも、いまは違います。
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だんだん東京が1980年代のヨーロッパの都市みたいになってきたと思います。

イースターが来ると、1980年代のヨーロッパを思い出す
http://inbound.exblog.jp/25634913/

イースターも近い原宿では非英語圏の言葉があちこちで聞かれた
http://inbound.exblog.jp/24322287/
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by sanyo-kansatu | 2016-04-23 13:47 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2016年 04月 23日

トリップアドバイザーで人気のサムライミュージアムとふくろうカフェを覗いてみた

3月末に配信されたトリップアドバイザーの人気観光地ランキングをみると、日本人と外国人では人気スポットがずいぶん違って面白いです。

2015年にトリップアドバイザーの日本の観光地に寄せられた口コミを分析(2016.3.31)
http://tg.tripadvisor.jp/news/wp-content/uploads/2016/03/20160331_TripAdvisorPressRelease.pdf

ランキングは、日本全体だけでなく、東京、北海道、京都、大阪、沖縄、神奈川、広島、福岡、兵庫、千葉、長野など、各地ごとに集計しています。なかでも東京の人気ランキングがこれです。
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堂々の1位は新宿御苑。4月上旬、仕事をさぼって新宿御苑に行って芝生にごろりとしようと思ったら、桜が満開だったせいか、すごい人出でチケット売り場も列をなしています。外国人も大勢いて見ているだけでも面白かったのですが、とてものんびりできそうになかったので、入園は断念しました。
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マレー系と思われる頭にスカーフを巻いたツーリストも多く見かけました。
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ムスリム・ジャンピング・ガール目撃!? ようこそ、21世紀の新宿御苑へ
http://inbound.exblog.jp/25020925/

2位は新宿歌舞伎町にあるサムライミュージアムです。
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サムライミュージアム
http://www.samuraimuseum.jp

2015年7月にオープンしたばかりの施設で、館内には日本刀や鎧兜の展示があり、鎧兜を身につけて撮影できるスタジオがあります。実は、ある媒体でここを取材させてもらおうと電話したことがあるのですが、基本的に外国語媒体以外は受け付けていないそうで、断られてしまいました。

そこで、昨晩友人のカメラマンと一緒に客を装い、訪ねてみました。玄関を入ると、たくさんの甲冑が並んでいました。スタッフに聞くと「98%が外国人」といいます。思うに、展示もあれこれ揃えるより、外国人が好む鎧兜と日本刀に絞っているところがわかりやすいうえ、撮影もできるというわけで、彼らのやりたいことがお手軽に実現できるという点が人気の理由なのではないでしょうか。ちなみに入場料は大人1800円です。

玄関の脇にショップがあり、日本刀のレプリカや扇子、ミニ甲冑などが販売されています。人気は7000円~3万円くらいの日本刀のレプリカだそうです。これは戦国武将のストラップです。
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歌舞伎町には、おなじみのロボットレストランがありますが、相変わらず欧米系ツーリストが多く押し寄せているようです。ちょうど1年近く前に行ったのが最後ですが、入場料8000円と値上がりしていて、その強気ぶりに驚きます。
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ロボットレストラン、まだまだ進化中(2015年 06月07日)
http://inbound.exblog.jp/24562884/

向かいにチケット売り場があり、客引きも多国籍軍団の様相を呈しています。最近、中国語のフリーペーパーなどにも「机器人餐厅(ロボットレストラン)」の広告がよく入っているようなので、中国系の人たちも訪れているのでしょうか。
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原宿界隈で配られていたタブロイド版の英字観光案内紙を見ると、赤ちゃんや子供連れの欧米客の写真まで入っていて、客層をいかに広げるかに苦心しているものと思われます。でも、あのクレイジーなショーに海外のお子様たちを連れていくというのはどういうものでしょう? 気にならないではいられません。ロボットレストランの終わることのない試行錯誤は続いているようです。隣にサムライミュージアムの広告もありますが、映画「ラストサムライ」のトム・クルーズらしき武将姿もあり、著作権どころではなさそうです。かつて20世紀の香港で、こんな感じのあやしげな広告があふれていたことを思い出します。
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最後は、変り種のスポットです。4位に秋葉原の「アキバフクロウ」というカフェがランキングされています。すでに猫カフェは広く知られていますが、その「ふくろう」版です。ネットで調べると、都内にずいぶんの数のふくろうカフェがあるようです。

昨日は午後に原宿に行く用があったので、竹下通りに近い「武蔵野カフェ&バー ふくろうの里(原宿店)」を覗いてみました。
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武蔵野カフェ&バー ふくろうの里(原宿店)
http://owlvillage.jp/harajuku/

当初は、このようなスポットが外国人に人気だとは半信半疑だったのですが、同店のある雑居ビルの4Fにエレベーターで上がると、店の前には3人の欧米客が待っていました。店内を覗くと、確かにふくろうとたわむれる外国客だらけでした。
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店の方に話を聞きました。吉祥寺店と原宿店があるそうで、それぞれ昨年2月、7月のオープンだそうです。基本的に60分の入れ替え制ですが、30分のお試しコースもあります。リピーターも多そうで、事前のネット予約をすすめられました。なんでもふくろうは音に敏感なため、電話は受け付けていないそうです。

ここがどのような世界なのかについては、同店のサイトに以下の動画があります。

ふくろうの里(動画)
http://owlvillage.jp/movies.html

店長によると、この種のカフェは海外にはないそうで、外国人観光客の間でひそかに人気を呼んでいるのだそうです。

訪日外国客が増えることで、都内に不思議なスポットが生まれ、にぎわっています。もっとも、すべてが当たるとは限りません。当たるかどうかは、チャレンジしてみなければわからない。その分かれ目はどこにあるのか。今後もこの種のスポットを探し歩いてみようと思います。
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by sanyo-kansatu | 2016-04-23 12:22 | 東京インバウンド・スポット | Comments(0)
2016年 04月 10日

上海で個人旅行化が進んだ理由は貧乏人だと思われたくないから!?

上海出張に行くと、いろんな人に会います。現地に住む日本人もいれば、中国人もいる。中国人といっても、地元生まれの上海人と大学のときから上海に来て働いている「新上海人」では考え方も、行動もずいぶん違います。その違いは旅行の形態にも現れるものです。

さらにいうと、上海でオフィスワーカーをしている人とそうでない人、後者の中には出稼ぎ労働者に近い階層の知り合いもぼくにはいるので、それぞれの人たちとの付き合い方はまったく変わります。ぼくは所詮外国人なので、異なる階層を自由に縦断しながら付き合うことができるのですが、おそらく彼らにはできないことでしょう。なぜなら、中国人というのは、自分の属する階層の中に閉じた社会を生きているからです。

ですから、中国人といっても考え方は人によってずいぶん違います。誰もがそれぞれ自分の立場からモノを言うからですが、それぞれの立場が日本では想像できないほど違っているからです。ですから、知り合いの中国人がこう言ったという話を、さも中国全体の話のようにいうのはたいてい間違いなのです。

そんな階層縦断を日々体験することになる上海出張で拾った話の中から、いくつかの興味深いネタを公開してみようかと思います。

ポイントは、なぜ上海ではこんなに急速に個人旅行化が進んだのか、です。

2015年の上海の訪日客、個人が団体を逆転 その意味するものとは?
http://inbound.exblog.jp/25638388/

この点について、上海翼欣旅游咨询有限公司という訪日旅行のプロモーションを手がける会社の代表の袁承杰さんはこんな風に語っています。ちなみに、彼は上海生まれの上海人です。以前、現地で日系旅行会社の日本語ガイドをやっていた人です。

「上海人が団体ツアーで日本に行きたくないのは理由があります。団体だと、確かにツアー代は安いけど、行きたくもない免税店に必ず連れていかれること。帰国して、その場で成り行きで買わされた商品を確かめてみると、決していいものではない。車内販売で中国人ガイドに売られる商品もそう。そんな後悔は2度としたくないんです。こんなことになるなら、渡航費用が高くても個人ビザで日本に行くほうがいいと思っているのです」。

これは健全な市場化の流れを実感する話です。彼は1980年代生まれのいわゆる「80后」世代。彼らの多くはすでに30代になり、結婚し、子供も産まれています。そんな上海人の日本旅行とは。

「私と同世代の上海人は、土日をはさんで4泊5日で日本に行くというのが標準的です。安く行くためには、LCCを使った羽田深夜着便だと航空運賃も相当安い。

私たちの世代の中国人は、日本人のライフスタイルを経験したいんです。日本人が好むような隠れ家レストランに行くとか。団体はありえないんです」。 

彼の話を聞いていると、もはや上海人の日本旅行は台湾人とそんなに変わらないことがわかります。

こうしたことが可能となった理由については、日経BPネット<インバウンドBiz>の以下の記事で説明したように、日本政府のビザ緩和と中国からの日本路線の拡充が大きいのです。

ビザ緩和とLCC日本路線の拡充が日本旅行ブームをもたらした
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/IB-BU/031800009/

とはいうものの、同じ上海の同世代のオフィスワーカーでも、上海戸籍を持たない外地人だと、ビザの条件が少し違っていることを、ある日系広告代理店に勤める女性と話して知りました。

彼女は長江が東シナ海に注ぐ場所にある浙江省寧波出身で、これまで何度も日本に旅行に来ています。でも、彼女の話では、上海戸籍の人たちと違い、日本への個人マルチビザを取得するために、いったん沖縄に入る必要があるというのです。これは日本政府が数年前、3年間有効の個人マルチビザを発給するのに、沖縄と東日本大震災の被災地である東北3県に立ち寄ることを条件にしたからですが(そういうインセンティブを与えて沖縄や被災県への中国客を増やそうとしたわけです)、上海戸籍の人間が個人ビザを取るのに、いまはその必要はありません。彼女が浙江省出身だから、いまでもその条件が適用されるのです。冒頭で、上海人と「新上海人」では、旅行の形態が異なるといったのは、そういうことです。

出身地によってこういう分け隔てすることは、日本社会では差別として糾弾されがちですが、中国ではこのような見えない「区別」はいたるところに散見されます。ビザ発給条件というのは、日本政府が決めたことですが、この点を批判するのは間違っています。中国社会というのは、このようにでもしなければ統制・管理できない世界であることは否定しにくいからです。

実際、2015年1月にビザ緩和が実施されたといっても、個人ビザの発給用件として、その人物の資産がある一定以上であること、場合によっては銀行口座の残高の明細を提出させることは変わりません。日本では個人情報をこのように強制する無茶苦茶な条件など絶対許されないことですが、これも仕方がない面があるのです。

ですから、中国客を誘致したいと考える人たちであれば、こうした事情はある程度知っておくべきでしょう。いまだに団体客の人たちは、ツアー料金のほかに、多額の保証金を旅行会社に預けていることも事実なのです。

さて、こうした日本では考えられない発給「条件」は、当然上海人の旅行形態にも影響を与えることになります。なぜ上海ではこんなに急速に個人旅行化が進んだのかという理由について、ある現地在住の日本人はこう説明してくれました。

「上海人の多くは、団体で行くのは恥ずかしいと思っているんです。なぜなら、個人でないと貧乏人と思われるから。個人ビザが取れないということは、一定以上の資産がないとみなされたも同然だからです」。

この話をしてくれたのは上海の外資系企業で働く日本人です。彼の奥さんは上海人で、中国人に対する理解の深さは一般の日本人とは違います。そんな彼が日常的に接している上海人の言動から、これほど直裁に、個人旅行化が進んだ理由を解説してくれたことに、ぼくは唖然としつつ、なるほどと、うなづくほかありませんでした。

上海人にとって、団体、個人どちらのビザが発給されたかで資産のほどが知られてしまうことを意味するのですから、メンツに大いにかかわることなのです。だから、とても知り合いに「団体で行った」なんて言えないのです。

さて、最後のネタとして、前述した袁承杰さんの開発した面白いアプリを紹介します。

これは、日本に観光に来た中国人向けの音声ガイドのサービスで、「导游说(ガイドトーク)」といいます。
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导游说
http://www.daoyoutalk.com/
https://itunes.apple.com/cn/app/dao-you-shuo/id1062285581?mt=8

彼は以前上海を訪れた日本人観光客のガイドをしていました。いまは訪日中国人向けのサービスやプロモーションを手がけているのですが、彼の書いた企画書がちょっと面白いので、以下紹介させてください。

彼は訪日旅行に団体、個人ともにいろんな問題があることを指摘しています。
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これがこのサービスの概要です。おそらくネットによるサービスが普及している上海人には比較的受け入れやすい内容なのでしょう。この点、日本人のほうがピンとこないかもしれません。
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もしこのサービスに興味がある方がいたら、彼をご紹介しましょう。おそらく若い上海人向けのサービスとなると思うので、彼らの好きな日本アニメなどのカルチャー関連施設や商業施設などで使えるのではないでしょうか。

中国人といえば「爆買い」というイメージだけではもうすまない時代になってきていることを実感します。
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by sanyo-kansatu | 2016-04-10 19:59 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2016年 04月 08日

2015年の上海の訪日客、個人が団体を逆転 その意味するものとは?

久しぶりに、3月中旬に上海出張に行ってきた話の続きです。

今年6月にオープンする上海ディズニーの公式ショップを覗いてみた
http://inbound.exblog.jp/25579060/

日本より進んでいる中国ECサービス 支えているのは誰か?
http://inbound.exblog.jp/25584174/

(公開されている情報ではないため)出所を明かせませんが、現地の事情通から興味深い情報を入手しました。

昨年(2015)、在上海日本総領事館が発給した訪日観光ビザのおおよその総数とその内訳です。

総数 約155万人
団体ビザ 66.7万人
個人ビザ 71.9万人
※これには上陸許可証で入国してくるクルーズ客は含まれていません。

訪日上海市場において、2015年に初めて団体客の数を個人客が上回ったのです。

在上海日本総領事館が担当している地区は、上海市だけでなく、江蘇省、浙江省、安徽省、江西省が含まれます。これらの省は上海に続く経済先進地域には違いありませんが、やはり旅行市場の成熟度は違いますから、団体客の比率はまだかなり高いと考えられます。つまり、上海市の住民が個人客の数を押し上げていることになります。

2016年1月の統計によると、個人化の勢いはさらに高まり、以下のような数字となっているようです。

2016年1月(在上海日本総領事館で発給した観光ビザ数)
総数 17万3000人
団体ビザ 5万4000人
個人ビザ 10万6000人

もはやダブルスコアで個人のほうが多いのです。上海の旅行関係者の言い方では「もう上海では8割は個人客」となるのも、この数字が物語っていたのです(彼らが上海というとき、江蘇省など上海以外は入っていないからです。実際、上海だけでしぼると、そうなるでしょう)。

これにはぼくもちょっと驚きました。こんなに早いスピードで個人旅行化が進んでいるとは……。

これはある上海の旅行会社の上海発九州行き個人客の手配の告知です。ビザと航空券と初日のホテル予約のみの料金です。これを見たとき、ぼくは1980年代の日本人の海外旅行がこんな感じだったことを思い出しました。実際、ぼくもこの当時、中国旅行に行くとき、ビザ(当時はまだ必要でした)と航空券と初日のホテル予約だけ旅行会社に頼み、あとは自由に旅行していたものです。
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この事実は日本で中国民泊サイトの利用が拡大していることを裏づけています。

都内で民泊をやってる在日中国人の話を聞いてみた
http://inbound.exblog.jp/25579904/

もはや上海人は、同じ中華圏の台湾や香港の旅行者とそれほど変わらない旅をするようになったといえそうです(厳密にいうと、まったく同じとは言えませんが)。

1980年代後半、バブル経済に沸く日本へ多くの上海人が就学生となって押し寄せました。日本が「失われた20年」に突入する90年代半ばくらいには、彼らの多くはさっさと帰国してしまいましたが、日本とのつながりは、その後の日本企業の上海進出ラッシュなどもあり、続いていました。その意味で、上海人たちは中国で最も日本をよく知る人たちでした。

ですから、彼らが個人客となって日本を訪れるようになっても、それほど困ることはないのでしょう。内陸都市などから日本に来た中国客が環境の違いに戸惑うのに比べ、いち早く経済成長し、日本の情報も広く流通していた上海人は慌てることはなかったのです。

ただし、上海市場の動向をもって中国を語るのは大きな間違いといえます。訪日旅行市場全体が昨年約500万人だったことから、上海市場は中国の3分の1を占めることもわかりますが、逆をいえば残りの3分の2は上海以外の人たちなのですから。

メディアにあふれる中国人観光客像の多くは、この点に無頓着、あるいは知ってか知らずか、ボカして語ろうとする話が目につきます。

ともあれ、これだけ個人客が増えたのですから、これまでのようなバスで免税店に送り込み、「爆買い」させるというような商法は、少なくとも上海人には通じません。

では、どうやって個人客に売ればいいのか。これはそんなに簡単ではなさそうです。

ある上海在住の事情通はこんなことを話してくれました。

日本の人たちは、ひとりよがりなところがあると思います。

彼らは「中国の富裕層をターゲットにしたい」と言います。もう団体客なんて相手にしない、と。

さらにこうも言います。「富裕層であれば、自分たちのサービスやおもてなしの心を喜んでくれるはず。それだけの自負はある」と。

でも、本当にそうなのでしょうか?

多様化した中国の訪日客のうち、そのような都合のいいターゲットがどれだけいるのでしょうか。

そもそも中国人富裕層って誰のこと? そういうことをわかって言っているのでしょうか……。


確かに、そうですね。中国人富裕層ってよくいうけど、どこにいるのでしょうか?

その点について最も詳しい人物のひとりをぼくは知っています。その話はまた別の機会に。

(上海出張で拾った話)
上海で個人旅行化が進んだ理由は貧乏人だと思われたくないから!?
http://inbound.exblog.jp/25647061/

中国おばさん軍団、日本のホテルロビーで踊り出し、顰蹙を買うとの噂
http://inbound.exblog.jp/25650474/
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by sanyo-kansatu | 2016-04-08 14:44 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2016年 04月 07日

イースターが来ると、1980年代のヨーロッパを思い出す

ここ数年、3月下旬から4月にかけてのイースター(復活祭)休暇の時節になると、多くの外国人ツーリストがまちをにぎわすようになりました。桜の開花も重なり、キリスト教圏以外の人たちも多いです。

ふとこのような光景は、日本列島の歴史が始まって以来のことではないだろうか、などと大げさに思ったりもします。

空気もぬるみ、まちに出かけるのが楽しくなるので、ぼくもつい仕事場を抜け出し、そこらをふらふらと散策してしまいます。

※ここ1、2年のイースターウォッチングの記録。

イースター(復活祭)休暇中の京都、大阪はにぎわってました
http://inbound.exblog.jp/25634021/

イースターも近い原宿では非英語圏の言葉があちこちで聞かれた
http://inbound.exblog.jp/24322287/

イースター休みに渋谷スクランブル交差点に出没した外国人をシューティング
http://inbound.exblog.jp/24348359/

自分の暮らすまちに外国人があふれる光景を見ていると、ぼくはよく1980年代のヨーロッパのことを思い出します。

いまでも鮮明に覚えているのは、1980年代半ばのイースターの頃に訪ねたウィーンの光景です。市の中心部に「リンク」と呼ばれる石畳の広場があり、その背後にはゴシック様式のシュテファン大聖堂の尖塔がそびえていました。

広場にはあふれんばかりの外国人ツーリストの大群衆がいたのです。ぼくもそのひとりでした。

当時は「ペレストロイカ」の時代。米ソ冷戦構造が雪解けを迎え、東側との境界に位置したウィーンには、周辺の国々から人々が集まっていました。

実は、同じ光景は、お隣のハンガリーの首都ブタペストでも見られました。学生だったぼくは、春休みを使って自由化の進む東ヨーロッパの国々を一つひとつ訪ねていたのです。イスタンブールからベルリンまでの旅でした。

ひとつの都市にこんなに大勢の外国人が姿を現わすということがあるものなのか……。

そして、思ったものです。日本にもこのような状況が起きる日は来るのだろうか……。

当時それはまったく考えられないことでした。80年代の東京には、確かにアジア系移民労働者の数が増えていましたが、彼らはツーリストと呼べる存在ではなかったからです。

ですから、2010年代半ばの日本の大都市に見られる状況は、驚きを禁じえないものがあります。

1980年代というのは、日本がグローバル・ツーリズムの大衆化を迎えた時期でした。

いまでは特別なことではありませんが、アルバイトで貯めたわずかなお金で、学生がヨーロッパを数ヶ月かけて旅して回れるようになったのは、この頃からです(それ以前の時代にもヒッピー的な放浪はありましたが、1980年代に起きたのは、大学のクラスの大半が卒業前に同じような旅行をしていたという意味で、大衆化していたわけです)。1985年のプラザ合意による円高が引き金であったことは確かです。

ちょうどいま、日本を訪れているアジアのツーリストたちの多くが、当時の日本のような時代の空気を吸って旅しているのだと思います。

ぼくが彼らの姿を写真に収めたり、ウォッチングをしたりしているのは、旅空の下にいる彼らの思いがよくわかる気がするからです。それが懐かしいからでもあるんです。
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by sanyo-kansatu | 2016-04-07 15:19 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2016年 04月 07日

イースター(復活祭)休暇中の京都、大阪はにぎわってました

キリスト教圏に暮らす人たちにとってイースター(復活祭)休暇は、春の訪れを実感し、旅心を満喫させる旅行シーズンです。

今年は3月27日がイースターの日でしたから、3月下旬から4月上旬にかけて、全国各地に欧米の旅行者が出没しました。おそらく1年のうち、彼らがいちばん目につく時節ではないでしょうか。

3月末、ぼくは京都、大阪方面に出張に行く機会がありました。桜は七分咲きといった感じですが、まあどこに行っても欧米のツーリストの姿を見かけました。以下、各地の行楽風景のスナップを紹介します。

まず京都から。これは鴨川の桜です。川向こうに見えるのは、京都を代表するラグジュアリーホテル、ザ・リッツカールトン京都です。
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京都地下鉄も、スーツケースを引いた外国客だらけです。左は西洋の女の子ふたり、右は上海人の女の子グループのようでした。
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京都駅にも欧米の若い小グループがいました。
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京都駅の観光案内所の前には、タイ人の女の子グループがいます。
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観光案内所の中には欧米のバックパッカーたち。
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ここは大阪のUSJ。今年で15周年。入園者の10人に1人は外国人だとか。最近ちょっと入園者が伸び悩んでいるTDLに比べ、大躍進だそうです。
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15周年のUSJ、来場者急増 映画以外も取り込み躍進(朝日新聞2016年3月19日)
http://digital.asahi.com/articles/ASJ3K4JWZJ3KPLFA004.html
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USJで意外に目につくのは、スカーフを頭に巻いたマレー系、インドネシア系と思われる旅行者たちです。
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彼らは東南アジアから来た家族のようですね。
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欧米人のカップルもあちこちで見かけます。背後にいろんな国の人たちがいて、思い思いのポーズを取っているのが面白いですね。ポーズやしぐさによって国や民族の特徴が出ているように思います。
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人目も気にせず、こんな派手なポーズをするのはどこの国の人か? そう中国人です。
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彼女らはこんなモデルポーズも日常です。
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この手のキャップとファッション、おそらく韓国人ですね。
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えっ、スーパーマンのペアルック!?  話し声を聞くと、韓国人のようです。
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イースターと桜の季節が重なり、関西では欧米客だけでなく、アジアの皆さんも日本の春を楽しんでいました。関西国際空港に乗り入れるアジア系エアラインの数は尋常ではないですから、これも当然のことでしょう。

さて、東京に戻ってきて、昨日は久しぶりにいい天気だったので、仕事場に近い新宿御苑に足を運んでみました。すると、入口は大行列。アルコールの持ち込みが禁止なので、入場前に持ち物チェックしています。
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チケット売り場の前もこの混雑。芝生に寝転がって桜を眺めようと思っていたのですが、これではのんびりできそうもありません。入園を諦めました。
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新宿御苑は新宿区を代表するインバウンドスポットだけあり、外国人の姿も多く見られました。ベビーカーを押す子連れのカップルもたくさんいます。
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ここでもスカーフ姿のマレー系とおぼしき家族の姿を見かけました。お土産もずいぶん買っているようです。
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春が来たんですね。にぎやかな春が。

※最近の新宿御苑はこんなことになっています。

ムスリム・ジャンピング・ガール目撃!? ようこそ、21世紀の新宿御苑へ(2015年 10月 23日)
http://inbound.exblog.jp/25020925/
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by sanyo-kansatu | 2016-04-07 10:13 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2016年 03月 27日

都内で民泊をやってる在日中国人の話を聞いてみた

上海から戻ってきた翌週、地下鉄の中吊り広告で目にしたのが、『ウェッジ』(4月号)の「中国民泊」の特集でした。
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特集「訪日外国人を囲い込む中国民泊」
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6347

今年に入ってぼくは内陸都市の重慶や成都、そして上海を訪ね、現地の旅行関係者らにヒアリングを続けてきました。そのポイントは、中国では訪日客の個人旅行化のスピードが想像以上に早く進んでいるということでした。

その背景には、日本政府によるビザ緩和の推進があります。詳しくは以下参照。

ビザ緩和とLCC日本路線の拡充が日本旅行ブームをもたらした(日経BPネット2016.3.22)
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/IB-BU/031800009/

で、その結果、何が起こるかというと、AirBnBを超える勢いの「中国民泊」市場の拡大だったのです。

同特集をざっと読みました。冒頭のレポート「日本でAirBnBを猛追する中国民泊」を執筆しているのは、現代中国事情の専門家の富坂聡さんです。さすがに情報が早いですね。

同記事は、上海に本社を置く中国最大の海外民泊サイト「自在客」の紹介から始まっています。「同社の提供している部屋は、台湾で21都市、韓国で27都市、中国大陸に46都市、そして日本に40都市、さらにアメリカにも4都市」。なかでも「予約の多い都市として挙げられた10都市のうち6都市が日本」「自在客のホームページで「日本」と入力すると、2090件、1万2760室と表示される」。これは「現在日本で2万6000室を提供しているAirBnBが1年前は1万件にも満たなかったことを勘案するとその存在感は既に甚大だ」といいます。

では、実際に「中国民泊」サイトにはどのようなものがあるのでしょうか。上海の旅行関係者に聞いたところ、海外民泊を扱う代表的なものは以下の3つです。
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自在客 http://www.zizaike.com/
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住百家 http://www.zhubaijia.com/
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途家 http://www.tujia.com/

実は、他にもいろいろあるのですが、以下の2つは中国国内の民泊がメインだそうです。
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游天下 http://www.youtx.com/
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蚂蚁短租 http://www.mayi.com/

いまの中国には数多くの民泊サイトがあります。前述の旅行関係者は「人気の理由は、ホテルより安くて、利用者の個別のニーズに応えられること。ホテルが取りにくいオンシーズンに役に立つサービスです。個人旅行の増加で、特に日本の民泊が大人気になっている」といいます。

では、もう少し「ウエッジ」4月号の記事を見ていきましょう。同誌の記事の一部はネットでも閲覧できます。

日本市場に吹き荒れる「中国民泊」旋風
最大手「自在客」CEO独占インタビュー
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/6403

ここでは、同サイトの張CEOによるいくつかの興味深いコメントが載っています。一部抜粋してみます。

― 日本でのサービス開始はいつか? 現在どれぐらいの部屋数を提供しているのか?
張 日本では14年12月にサービスを開始した。現在、約2000人のホストがいて、約1万2000室を提供しているが、日々増加しており、1年後にはまったく違った数字になっているはずだ。

― 日本にいるホストは中国人が多いのか?
張 中国人、日本人、その他の国籍の人が、それぞれ3分の1ずつというイメージだ。以前は中国人ホストが多かったが、最近は日本人ホストが急増している。日本のホストのうち7割程度はAirbnbとの重複登録だと思う。

― 「自在客」以外にも、中国系民泊仲介事業者である「途家」や「住百家」なども日本市場へ参入している。
張 中国系民泊事業者のなかで比較すると、当社が日本でのシェアがもっとも高い。途家は中国国内での民泊に強く、住百家は富裕層に強いという特徴をもっている。当社はFIT(Free Individual Travel、個人手配の自由旅行)に強い。


AirBnBのホストたちの多くも、「自在客」に部屋を提供しているのですね。何人かのホストをしている知人がぼくにもいますが、部屋の回転率を上げたい彼らにすれば、窓口は多ければ多いほどいいということでしょう。実際、AirBnBでも中国本土客の利用が増えているからです。

張CEOはこんなことも言っています。

―― 現行の日本の法律では、特区等を除いて民泊は禁止されている。
張 その点は認識している。だが、中国では既に政府が民泊を許可しているなど、世界各国では合法化の流れがある。それに比べると、日本はやや法整備が遅れている印象をもっている。


この発言には少し違和感があります。確かに、中国では自国民を相手にした民泊ビジネスは盛んなのかもしれませんが、はたして外国人の受入は可能なのでしょうか。なぜなら、中国のホテルに泊まったことのある人なら誰でも知っていると思いますが、この国の宿泊施設では外国人のパスポートコピーを地元の公安に提出する義務があります。それは民泊でも同じはずです。そもそも中国では外国人を泊めていいホテルとそうでないホテルがいまだに存在します。それほど外国人の管理にうるさい国なのです。この状況を知る以上、張CEOの発言はずいぶん都合がよすぎる言い分だと思うからです。

さらに、彼はこうも発言しています。

Airbnbはホストとゲストの両方から手数料を取る仕組みだが、当社はゲストからは一銭も取らず、ホストから手数料10%を取る仕組みだ。中国の旅行者はホテルの仕組みに慣れており、「ゲストが手数料を徴収される」ということに慣れていない(笑)

おいおい、これは民泊本来の相互扶助の精神から逸脱するものではないでしょうか。ホテルと民泊は別物であるという感覚が麻痺しているように感じないではありません。経営者がこんな考え方で大丈夫なのでしょうか…。

そもそもAirBnBが登場する前から国を超えた個人同士が無料で部屋を貸し借りするというSNSは存在していました。カウチサーフィンといいます。
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カウチサーフィン
https://www.couchsurfing.com/
http://find-travel.jp/article/4012

上記サイトは、このサービスについて「直訳するとカウチ(ソファ)でサーフィンの意味。カウチゲスト(旅人)がカウチホスト(宿泊地提供者)を見つけることで旅が手軽になります。お金のやりとりはなく、無料でソファーに寝かせてもらうイメージ」と説明しています。

上海に住む友人のカメラマンもよくこのサービスを利用するといいます。地方出張に行くとき、カウチサーフィンに登録している中国人の家に泊まったり、地方から上海に遊びに来た中国人を部屋に泊めてあげたりするそうです。このサービスは2000年代の早い時期から存在していました。

ところが、AirBnBという金銭の授受を含む民泊サービスが登場してきて以来、状況は変わってきたといえます。

「中国民泊」について気になることは他にもいろいろあります。

上海でC-Tripのホテル予約を担当している関係者に話を聞いたところ、同サイトをよく利用する香港人と中国人ではホテル選びの考え方がまったく違うといいます。香港人は「要求がとても細かい。ロケーションはもちろん、部屋は何平米で、ベッドサイズはどうかなど、いろいろ聞いてくる。料金が少々高くても、自分の好みの部屋を探す傾向がある」のだとか。

一方、中国人が追求するのは安さのみだというのです。

これはひとことでいうと、香港と中国の消費者の成熟度の違いからくるものだといえるでしょう。海外のホテルの利用に慣れている香港人と、自分では慣れているつもりでも、実際はたいしてよくわかっていない中国人との違い。安さしか求めないというのは、残念ながら、それ以外の選択の基準を知らないからなのです。細かいリクエストを伝えることが身についていないわけです。

こうした中国人の消費感覚は、民泊市場の拡大につながっていると考えられます。いま東京や大阪のホテルは予約が取りにくいだけでなく、価格は高騰し、彼らが考える宿泊相場とは乖離が生まれています。だったら、どんな部屋でもかまわないから、安いところを見つけたい。

では、彼らはいくらくらいで泊まっているのか。

知り合いに池袋のマンションを数室借りて「住百家」で民泊ビジネスを始めた在日中国人がいます。彼は昨年、勤めていた会社をやめ、この商売に乗り換えました。彼によると、ワンルームマンション一部屋を1日800元(約1万5000円)相当で提供しているそうです。

ただし、たいてい家族4人、多い場合は6人くらいが1部屋に泊まるそうです。みんなで雑魚寝のイメージですが、かなり安上がりといえます。最低2泊以上を条件にしているようですが、実際、中国人の個人旅行は、カップルというより5~6人の小グループや家族が多いので、民泊は訪日中国市場に合っているという言い方もできそうです。

なにしろ100万人に近い在日中国人がいるので、できれば知人や親戚の家に泊まって安く上げたい、というのが彼らの本音なのです。本来AirBnBなどの民泊サービスは、海外のふつうの家に泊まって、現地で暮らすように滞在を楽しみたいというニーズから市場が拡大したはずですが、大半の中国人のニーズはそういうことではなさそうです。

実際、1泊800元ではホストである彼も、それほどの利益にはなりません。そこで、彼が始めたのは「空港からの送迎」です。家族や小グループで来日した中国個人客は、東京の交通機関に慣れていません。タクシーは片道数万円と法外な高さだし、香港人や台湾人には可能なレンタカーも利用できない。それゆえ、送迎サービスにはそれなりの需要があり、確実に利益も取れるからというわけです。

前述の富坂さんは記事の中で、在日中国人企業家の民泊ビジネスの実態について、「マンション丸ごと買い取るケースが多い」「外国人向けの寮、さらにはシェアハウスを買い取るか借り上げてしまうパターン」があると指摘しています。確かに、薄利とはいえ、今後も数の増加が見込める中国客相手に利益を上げようとすると、そういう発想になって当然かとは思いますが、彼らだって誰もがそんな資本力を持っているとは限りません。C-Tripや春秋国際旅行社などの中国の旅行会社が日本のホテルや宿泊に利用できる施設を買い上げる動きは起きていますが、民泊用に買い上げることがどれほど進むか、ちょっと疑問です。そもそも安く上げたい人向けのサービスだからです。

それに、言うまでもありませんが、民泊の法的規制の問題はまったく解決していないからです。これは日本に限った話ではなく、全世界的にいえることですが、ホテル業界の反発があります。彼らにしてみれば「ホテルに義務付けられる環境・食品衛生・防火安全対策が(民泊のホストらに)免除されているのは不公平」(「ウエッジ」4月号p31 英国のホテル業界のロビー活動の事例)だからです。

もうひとつは、近隣住民へのケアがおざなりなことです。自分の住むマンションの隣の部屋に、数日ごとに見ず知らずの外国人がやって来ることを、誰しも心よく思わないからです。

こうしたこともあり、富坂さんの記事でも、日本における「中国企業不在の民泊ルールづくり」を批判しており、これには大いに同意します。数の上では、いずれAirBnBを追い抜くかもしれない中国民泊の関係者らが、これまで政府の法規制のルールづくりの会合に呼ばれたことはなかったからです。彼らが外国人であったとしても、日本国内で事業を営む以上、本来は関係ないではすまされません。

中国民泊の話は今月初旬、九州で逮捕された中国人不法ガイドの問題と重なってきます。これほど訪日中国市場が拡大しているのに、団体ツアーの国内手配を実際に手がけている在日中国人関係者らは、日本の旅行業界の蚊帳の外、アンタッチャブルな存在として放置されてきたからです。だから、彼らは気兼ねなく中国式ビジネスを日本国内で続けてこれたわけです。

中国人不法ガイドの摘発は全国に波及するのか。訪日旅行市場に与える影響は?
http://inbound.exblog.jp/25461430/

もっとも、民泊に関してはAirBnBのホストの多くが日本人でもあるように、ガイド問題とは少し事情が違うのも確かです。市場が拡大し、儲かるとわかっていて、在日中国人らがこのビジネスに手を出さないわけがありませんが、それは日本人も同じなのですから。

いずれにせよ、訪日旅行市場の拡大をうまく仕かけたわりには、この領域に関する日本政府の法制度の整備を進める態度は、あまりに初心でおっかなびっくりという印象がぬぐえません。確かに、年間2000万人の外国人が訪れるということは、日本列島の歴史上初めてのことでしょうから、前例がなく、適正かつ果断な判断が難しいという面はあると思います。でも、これだけ外国人観光客を呼び込むことに成功した以上、それを日本社会の利益になるよう運営していかなければ、何のためにやってるの? という話になりかねません。AISOの王会長ら、外国人関係者ほど、この問題に関する政府の姿勢に首をかしげています。

お役所任せではもうどうにもならないのが、いまの日本なのかもしれせん。だとしたら、残念なことです。
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by sanyo-kansatu | 2016-03-27 14:40 | “参与観察”日誌 | Comments(0)