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ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2011年 11月 26日

インバウンド商談会って何?(トラベルマート2011 その1)

今週火曜日(11月22日)、パシフィコ横浜で開かれた「VISIT JAPAN トラベルマート2011」に行ってきました。
VISIT JAPAN トラベルマート

トラベルマートは、日本政府(観光庁)が主催するインバウンド商談会です。海外から日本ツアーを造成するバイヤー(大半は旅行会社)が来日し、国内からは彼らに旅行素材を提供するサプライヤー(セラーともいう。ランドオペレーターやホテル、観光地のアトラクション施設、全国の自治体など実に多彩)が集結。一堂に介して訪日旅行市場を盛り上げていこうという年に一度のイベントです。

ぼくにしてみれば、海外はもちろん全国各地からインバウンド関係者が集ってくるまたとない取材チャンスです。中国で知り合った関係者もそうですし、地方取材でお目にかかった現場の担当者にまとめてお会いできるので、こんなにありがたいイベントはありません。

こうした動機で会場をうろついているぼくとは違い、参加した関係者の皆さんにとっては真剣な商談の場であり、これほど収穫の多い海外の関係者とのマッチングの場はないといえます。

トラベルマートの初日には恒例の開会式があります。今年も溝畑宏観光庁長官のあいさつから始まりました。
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溝畑長官は日本人にしては珍しいオーバーアクションで、一部週刊誌に取り上げられたこともある個性的な人物です。今回も最初は原稿を読みながらの退屈な英語のスピーチでしたが、場が沈んでいることに気がついたからでしょうか。若かりし頃、当時付き合っていた彼女と横浜(トラベルマートの開催地)にデートに来た話をアドリブで紹介し、得意のアクションを披露していました。実際はかなり微妙な反応でしたが、一部外国人記者にはウケていたようです。

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それから何人かの関係者のスピーチのあと、2011年ミスジャパンの谷中麻里衣さんによるあいさつがあり、テープカットとなりました。やはり日本を世界に売り込む場には、着物の女性がつきものですね。彼女、慶応の学生だそうです。

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2011年度ミス日本グランプリの谷中麻里衣さん

会場に戻ると、すでに日本のサプライヤーと海外のバイヤーによる商談が始まっていました。日本のサプライヤーが幅2m×奥行き1.5m×高さ2.4mの出展ブースに支払う参加料は5万2500円。2日間にわたって海外のバイヤーと各20分間のマッチングタイムを利用して商談するチャンスを手にします。

とはいえ、相手は外国人ですから、限られた時間で商談を成立させるためには周到な準備が必要です。通訳は頼めばトラベルマート側が用意してくれますが、やはり売り込みのためには、自らの商材を外国人バイヤーにきちんと伝えられるスタッフの存在が不可欠です。
インバウンド商談会って何?(トラベルマート2011 その1)_b0235153_1815661.jpg一方、海外のバイヤーは、自国の消費者に売り込む価値のある日本の商材の提供者と出会うことを望んでいるわけです。実際には双方の思惑がマッチすることはそれほど多くありません。日本のサプライヤーが売りたいものと海外のバイヤーが買いたいものが一致するとは限らないからです。

トラベルマートではインバウンド商談会以外にも、ファムトリップといって、外国人記者や海外のバイヤーを国内観光地の視察に招待するツアーもあります。今回は以下のコースが設定されていました。

1. 北海道2泊3日:(札幌・小樽・ニセコ・富良野・旭川) 定員:30名
2. 関東近郊2泊3日:(鬼怒川・日光・スカイツリー) 定員:70名
3. ゴールデンルート2泊3日:(東京・大阪・京都) 定員:40名
4. 九州3泊4日:(熊本・ハウステンボス・長崎) 定員:30名
5. 沖縄本島3泊4日  定員:30名
6. FIT・ニューツーリズム1泊2日(箱根・都内) 定員:70名
7. メディア推奨コース3泊4日(東京・大阪・京都) 定員:30名限定
8. 東北応援コース2泊3日(平泉・松島) 定員:30名

日本の新しい魅力を海外の関係者に発掘してもらうため、毎年コースの内容は変えていますが、今年目を引くのはやはり「東北応援コース」でしょうか。日光とスカイツリーというのもありますね。

トラベルマートは日本の魅力を海外に売り込むビッグチャンスの場なのです。

by sanyo-kansatu | 2011-11-26 18:16 | “参与観察”日誌


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