2013年 03月 20日
2012年6月下旬、ぼくは北朝鮮の羅先に行きました。そのレポートは以前ある雑誌にも書きましたが、ここでは現地で見かけた北朝鮮の人たちのスナップを紹介します。 昨年秋以降の核実験騒動で状況が一変してしまった北朝鮮情勢ですが、ぼくら7名の「日本人観光団」が羅先に入るのは10数年ぶりとのことで、接待役の北朝鮮の担当者はとてもフレンドリーでした。直接市民に触れる市場などを除けば、こちらのリクエストする場所にはほぼ案内してくれます。写真の撮影に関しても、もうひとりいた朝鮮旅行社から派遣されたガイド氏が車窓からの撮影について神経質なまでにNGを告げてくるのに対し、接待役の彼は「大丈夫です。どうぞ撮ってください」と鷹揚な対応ぶりでガイド氏を制してくれたので、比較的自由にシャッターを切ることができました。 1泊2日のわずかな時間で撮られた数百枚の写真の中で、北朝鮮の民間人が写り込んでいるものを並べてみると、あることに気が付きました。それは考えてみれば当たり前のことなのですが、外国人を接待する仕事をしている人たちほど、我々に近い場所にいて、被写体としても寄った写真が撮れています。彼らは外国人を接遇するために選ばれたある意味特別な人たちだと思われます。 一方、一般の民間人には話しかけたりするチャンスはないため、大半は通りすがりの市民を少し遠目から押さえた写真ばかりです。それでも、羅先という中ロ国境に接した経済開発特区(名ばかりという気もしますが、内部の貧困地区に比べると、格段に生活環境はいいと考えられます)で見かけた北朝鮮の普通の人たちの姿であることは確かです。 まずは接待の仕事をする人たちから。撮影は佐藤憲一さんです。 ①羅先劇場歌謡ショーの少年少女たち 実は、この子たちと間近に接することができるとは思っていなかったのですが、ショーが終わると同時に、観客席から中国人のおばさんたちが一斉にステージに駆け上がり、北朝鮮の子供たちを抱き上げ、記念撮影を始めたため、ぼくらもその機に乗じて写真を撮った次第です。おしろいを塗りたくられた子供たちの表情は、いたいけというよりどこかうつろで、何かを演じきろうとしているように見えてしまいます。まぎれもなく、この子たちこそ、北朝鮮を代表する強力な接待要員といえるでしょう。 ②国際商品展示会の売り子たち みなさん派手なチマチョゴリを着飾った若い女性ばかりです。外国人の接客にも慣れていて、気さくな対応ぶりが印象に残りました。 ③羅先劇場の観光客相手のサービス要員 羅津市街地を一望にできる高台にある羅先劇場では、毎日夕刻になると、この地区を訪れた外国人観光客が全員集められ、少年少女の歓迎ショーを観ることになります。そのサービス要員(朝鮮旅行社のスタッフ)も大半が若い女性で、チマチョゴリを着ています。外国人観光客はここで金日成主席にご挨拶するというのがお約束のようで、その肖像画をバックに記念撮影するというのもツアーの行程に組み込まれています。シャッター役になるのが彼女たちです。 ④エンペラーホテル&カジノの服務員 香港資本のエンペラーホテル&カジノでも、北朝鮮の若い女性が服務員として働いています。
by sanyo-kansatu
| 2013-03-20 14:27
| 朝鮮観光のしおり
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