2013年 05月 15日
前回、丹東(中国遼寧省)の上流にある河口断橋について書きましたが、ここに来たら、ぜひ遊覧ボートに乗ってみましょう。 夏のシーズンになると、ここ河口断橋では、たくさんの遊覧ボートが観光客を乗せて、鴨緑江をクルーズします。ただし、その目的は、対岸にある北朝鮮の寒村を覗きに行くことですから、ちょっと悪趣味といえなくもない。豊かな国の人間が貧しい国の人たちが暮らす集落をわざわざ覗きにいくなんて、良識的に考えると、とてもほめられたことではありませんが、ここは中国。何事においても率直かつ好奇心旺盛な中国の人たちは、そういう遊興が大好きです。実際、中朝国境のほとんどの場所で、中国側からの遊覧ボートがあります(一方、北朝鮮側からのものは一切ありません)。 ボートは河口断橋のたもとから出ます。遊覧コースを紹介する看板があり、それによると、ボートはまず目の前の断橋の折れた近くを通り、東へ向かいます。北朝鮮側の断橋には国境兵士がいます。 ボートは鴨緑江の北朝鮮寄りを走ります。最初に見えるのは、監獄です。そして、珍しい女子の兵営が見えてきます。近くに女性兵士の歩く姿も見えます。その瞬間、乗客から「おおっ」という声が上がります。 川べりの道を歩く北朝鮮の人たちも間近に見えます。金日成の故居とされる建物も見えました。 国境地帯らしく、北朝鮮の監視所や船も見えます。とても中国に立ち向かう力はなさそうですが…。 そして、廃墟のような工場が見えてきました。それなりに大きな工場ですが、まるで爆撃を受けたような傷みの激しさに、驚きを禁じえません。まさか、60年前からこんなじゃないだろうに……。 ステテコ姿のような労働者たちの姿も見えました。何をしているのでしょうか。 最後に、中朝をつなぐ鉄道橋を見て、そこで折り返します。この鉄橋も日本統治時代に造られたものだと思われますが、いまはほとんど使われていないようです。 わずか20分ほどの遊覧でしたが、北朝鮮の生の姿を間近で見ることができ、ちょっと興奮しました。これは丹東の鴨緑江遊覧ボートよりずっと面白いと思います。
by sanyo-kansatu
| 2013-05-15 00:22
| ボーダーツーリズム(国境観光)
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