2013年 06月 03日
2009年に新改装された丹東駅(中国遼寧省瀋丹線)の広いターミナル構内に、約100年の歴史を持つ同駅の駅舎の写真が時系列で展示されています。丹東駅といえば、2010年5月初旬、いまは亡き北朝鮮の金成日総書記が特別列車で訪中した際、この駅でしばらく停車したことが、テレビで報道されたことがあります。 丹東駅が最初に建設されたのは、日露戦争中のことです。当時は安東と呼ばれた鴨緑江下流域の小鎮と瀋陽(奉天)を結ぶ軍用鉄道(のちの安奉線)は1904年12月3日に完成。翌05年正式に清国から日本の経営が認められています。 その後、1909年から11年にかけて安奉線は標準軌に改軌されます。 1911年10月、朝鮮総督府鉄道・京義線と鴨緑江大橋(現断橋)で接続され、釜山まで鉄道がつながることで、安東の国際駅としての重要性が高まります。 1943年4月には、鴨緑江第二橋梁(現中朝友誼橋)が完成。さらなる発展が期待されたものの、満洲国崩壊でその後、時間が止まってしまいます。 1965年に安東市が丹東市に改名され、駅名も丹東駅に変更されています。改革開放を迎え、1989年にようやく駅舎の建て替えが行なわれます。そのときから、丹東駅は味気のない現代建築に変わってしまいました。 2008年3月にはさらに大規模な改築が行われ、一時臨時駅舎で仮営業。 2009年1月17日、現在の新駅舎の使用が始まります。 新駅舎は国際駅にふさわしく空港のような巨大な構内と壮大なプラットホームが自慢です。税関などの施設も整っています。夕方6時発の北京行き夜行寝台列車は瀋陽経由。かつての安奉線(現瀋丹線)を通り、早朝北京に着くので、何度か利用したことがあります。 あとは北朝鮮との旅客の往来を待つばかりなのでしょうが、丹東駅が国際駅としてのかつての輝きを取り戻すのはいつのことになるのでしょうか。
by sanyo-kansatu
| 2013-06-03 13:33
| 日本人が知らない21世紀の満洲
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