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ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2013年 10月 29日

来場者数が過去最高となった台北国際旅行博(台北ITF報告その1)

8月のタイのトラベルフェア(Thai International Travel Fair #13)に続き、10月は台北国際旅行博(ITF2013)に行ってきました。日程は、10 月18 日(金)~21日(月)です。
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会場は、台湾を代表する超高層ビル「台北101」(高さ509.2m、地上101階)に隣接する台北世界貿易センター1号館と3号館です。午前10時から開門されるのですが、30分以上前から行列ができるほどの盛況ぶりでした。
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台北国際旅行博(ただし、サイトの内容はすでに来年の告知に更新)
http://www.taipeiitf.org.tw/

台湾からの訪日旅行者数の大幅な増加の背景に何があるのか、知りたいと思っていました。JNTOが10月23日に発表した訪日外客数統計によると、2013年1月~9月の訪日台湾人は前年比52.3%増の166万9900人。伸び率でみればタイ59.2%増、ベトナム49.8%増、香港49.5%増と並んで見えますが、母数が違います。台湾は香港の3倍、タイの6倍近い規模です。訪日外客全体の5人に1人(21%)を台湾が占めていることからも、今年いかに多くの台湾客が訪日旅行したかを物語っています。

台北国際旅行博(ITF)は毎年10月に開催されます。1987年から始まり、今年で27回目。夏期の旅行商品の販売のために5月に開催される台北国際観光博覧会(TTE)や台中国際観光旅展(TITF)、高雄国際旅展(KITF)などもありますが、ITFが台湾最大の旅行商品展示会といえます。主催者発表によると、今回の来場者数は31万5240人と過去最高になったそうです。
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では、会場を歩いてみましょう。以下のように構成されています。
①台湾ゾーン
②アジア太平洋ゾーン
③欧米・中東アフリカ・南米ゾーン
④旅行会社ゾーン
⑤航空・運輸交通ゾーン
⑥その他関連団体
⑦グルメゾーン
⑧海峡両岸(中国本土)ゾーン
⑨ホテルゾーン(※ここのみ3号館)
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このうち最大エリアを占めるのは①台湾ゾーンで、国内の自治体や旅行会社などのブースが集まっています。次は⑧海峡両岸(中国本土)ゾーンですが、どうやら同じ会期中に同じ会場にありながら、「第9回海峡両岸台北旅展」として別企画の位置付けのようです(その理由は次回)。
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ざっと海外ゾーンのブースを眺めていきましょう。アジア太平洋を中心に数多くの政府観光局のブースが出展していました。
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なかでも注目は、スノーレジャーにテーマを絞り込んでPRのコンセプトを明確化した韓国でしょうか。韓国は海外の旅行博において毎回オールコリアでワンテーマを打ち出してくるのが特徴です。各自治体がバラバラに地元の魅力をアピールする日本とは違って、いかにも戦略的です。韓国の観光プロモーションのスタイルは日本を先んじているといわれても仕方がなさそうです。
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現地関係者によると、台湾の訪韓客は現状では訪日客の半数くらいに過ぎないものの、この10年の韓流ドラマやK-POPの流行で、台湾の若者の中にも「一度は韓国に行ってみようかな」という動きはあるようです。しかも旅行商品の価格帯が日本の半分とくれば、日本にとってライバルとなりうる存在かもしれません。その一方、韓国ではリピーターが育っていないのでは、という指摘もあるようで、こればかりはすぐに答えが出る話ではなさそうです。
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韓国のPRとくれば、やっぱり絶大な知名度を誇るこの人なんでしょうね。
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ほかにも、台湾や海外の航空会社ゾーン(写真はエア・アジアのキャンペーンガール)や、今年のGWに東京湾に寄航して話題を呼んだ超大型クルーズ客船「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」、那覇と石垣島に寄航する台湾発のクルーズ客船「スーパー・アクエリアス」の予約ブースなど、さまざまな企業団体が出展し、PRを繰り広げています。
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広い会場の中で、最も活況を呈しているのは、やはり地元の旅行会社のツアー即売会でしょう。旅行会社の担当者はマイク片手にステージに上がり、びっしり貼り出された会期中限定のスペシャル価格のツアー商品を声を上げて販売します。「ツアー商品の叩き売り」といってしまうと、少し言い過ぎかもしれませんが、日本ではちょっと見ることのない光景です。売れ行きを見ながら、スタッフはその場でチラシも書き直します。
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各旅行会社のブース内にはPC端末がいくつも用意されていて、来場者はスタッフの説明を聞きながら商品を検討しています。
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海外から多くの関係者が集まっているだけに、会場内はフリーWifiです。
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台湾滞在中に見たテレビニュースや新聞でも、ITFのことは報道されていました。台湾の年間出国者数は1000万人相当で、総人口2300万人の40%にあたる高い出国率が知られています(日本は13%)。それだけに台湾の人たちにとって旅行博は、日本では想像できないほど話題性の高いビッグイベントなのです。
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by sanyo-kansatu | 2013-10-29 14:51 | “参与観察”日誌


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