2014年 10月 06日
雑誌の仕事で、1年ぶりにロボットレストランを再訪することになりました。訪ねたのは9月末のことです。 歌舞伎町の「ロボットレストラン」はなぜ外国客であふれているのか? http://inbound.exblog.jp/21470518 【続編】「ロボットレストラン」はなぜ欧米客に人気なのか? http://inbound.exblog.jp/21477338/ 現在、ロボットレストランのステージは、1日3~4回行われています。その日の最初のショーは17時55分からということで、約1時間前に歌舞伎町の例の裏通りに足を運びました。 するといるいる。歌舞伎町を散策している外国人観光客の皆さんがいっぱいです。アジア系が目につきますが、ロボットレストランの前まで来ると、そこは欧米系の人たちが圧倒的多数派です。 1年前と違って客引きのお兄さんも英語を話しています。 相変わらずクレージーな女性型ロボットとそのひざの上にちょこんと座るのが、店のダンサーの女の子です。 入口には、予約済みのチケットを手にした欧米系ツーリストが並んでいます。 壁には来店した有名人の写真が貼り出されています。きゃりーぱみゅぱみゅさんは2012年9月27日来店だそうです。 店内に入ると、公演が始まるまでの時間、待合室で待機します。ギンギラギンの内装の中、ロボットコスチュームのギターリストやあとでダンサーとしても登場する女性シンガーなどによるライブ演奏が繰り広げられています。音楽のテイストは完全に欧米志向のポップミュージックです。よくアジアのシティホテルのラウンジでフィリピン人バンドが演奏しているような世界です。 ところで、1年前と比べ、客層に変化が起きていることがわかりました。 欧米客がメインであることは変わりませんが、中高年化が進んでいたことです。おじさん、おばさんなどのグループが目につくのです。もちろん、若いカップルなどもいないわけではありませんけれど。 要するに、この1年で欧米客の大衆化が進んだということらしいのです。確かに、館内のアナウンスは基本英語になっていました。 公演時間が近づき、ステージのある客席にみんな向かいます。客層はざっとこんな感じ。 国籍の多様化もそうですが、年代もまちまちです。 なかにはお子様連れのお母さんもいます。確かに、ロボットレストランに年齢制限はないのでしょうけれど、このいたいけな男の子にどれだけ楽しんでもらえるか、ちょっと気がかりです。 さて、いよいよステージです。和太鼓の演奏から始まりました。演目は1年前と少し変わっていました。もっとも、ロボットとセクシーダンサーの共演というコンセプトは変わりません。その馬鹿馬鹿しさだけはバージョンアップしていた、といっておきましょう。 最後の演目の前に、記念撮影の時間が用意されています。観客たちはステージに降りてきて、ロボットたちと一緒に撮影に興じています。 これらの光景をみても、ロボットレストランに来店する欧米系ツーリストの大衆化が起きていたことに納得いただけると思います。ここでいう大衆化とは、こういうことです。ロボットレストラン開店当初、訪ねてきたのは海外の映画関係者や文化人といったカルチャートレンドに敏感な新しモノ好きの人たち、しかも若い世代が多数派でした。しかし、開店して2年以上たち、メディアやネットで噂を聞きつけたふつうのおじさんやおばさんが訪れるようになったということです。だからいいとか悪いとか、それ自体がどうこういう話ではありません。 おそらくロボットレストランの営業スタッフが、都内の外国人比率の高いホテルにブローシャーを配りまわったことが奏功したのでしょう。彼らにとって夜をどう過ごすか、というのは大きな問題です。東京には外国人が気軽に楽しめるようなエンターテインメントと食事を組み合わせた施設が圧倒的に不足しているからです。 東京にはバーや居酒屋、レストランなどいくらでもあるではないか、と日本人は思ってしまいますが、初来日の外国人には、街の地名も土地勘もなく、食事の種類もよくわかっていないため、目の前にいくら店があっても、どこを選べばいいのか、わからないのです。日本好きの人ならネットやSNSを駆使して情報集めができるでしょうが、日本のことをまったく知らないツーリストの割合も実は高いのです。 だから、欧米系のメディアや口コミで広がったロボットレストランなら、彼らはひとまず安心して足を運べるのでしょう。日本のことなどまったく知らなくても、ロボットレストランの海外における知名度はずば抜けているのです。あるスポットが知名度を勝ちうるための条件は、日本人相手と外国人相手ではまったく別だということを物語っています。 それにしても、あのおばさんたち、まさかロボットレストランがこんなバカバカしい世界だったとは、思いもよらなかったかもしれません。でも、みなさん総じて楽しそうに見えるのは、やはり旅先の異文化体験ですから、なんだかよくわかなくても、満足しちゃうものだからでしょう。 いま東京に求められているのは、外国人客のためのナイトエンターテインメントです。第2、第3のロボットレストランがもっと出てきてもいいはずなのです。 同レストランの広報の話によると、毎月の来客数は約1万人。そのうち月にもよるが、6~8割が外国人とのこと。最近はアジア系やファミリーでの来店も多くなったようです。 ただし、東南アジア系は増えているけれど、中国系は少ないとか。実利を追い求める中国人には、この手の乱痴気騒ぎはピンとこないのでしょうか。最近は欧米だけでなく、タイやインドネシアなどのメディアも取材に来るようになったそうです。今後は東南アジア客も増えていくかもしれません。 「ロボットレストラン」 東京都新宿区歌舞伎町1‐7‐1 新宿ロボットビルB2F http://www.shinjuku-robot.com/pc/top.php
by sanyo-kansatu
| 2014-10-06 13:00
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