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ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2014年 12月 27日

川霧に浮かぶ朝鮮民家はいかにも国境の町らしい眺め(遼寧省丹東市)

今年7月丹東を訪ねたとき、ちょうど雨季で天候には恵まれなかったものの、珍しい光景を見ることができました。鴨緑江一面を川霧が覆うという、ちょっと神秘的な眺めでした。
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面白いのは、川霧のおかげで背景がすっかり消えるため、対岸の朝鮮民家がぐっと浮かび上がり、ふだんより近づいているように見えるのです。
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丹東市内の鴨緑江沿いはプロムナードになっていて、一般市民が散策を楽しんでいます。ふだんは対岸の民家の存在など誰も気に留めていないようですが、この日ばかりは白壁の朝鮮民家が目に飛び込んでくるように見えるので、じっと対岸を眺めている人も見かけました。こんなぐあいです。
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これは写真の撮り方でこう見えるのですが、このふたりにとって朝鮮の村は隣町のようです。
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ご覧のように朝鮮側の民家は質素なものですが、丹東側はどうか。振り向くと、高層マンションが並んでいます。
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いったい丹東の人たちは対岸の人たちについてどう思っているのでしょうか。こんなに経済格差が開いたうえ、これほど近くに対岸の様子が見えるとしたら、日本で語られる北朝鮮の話題とは当然のことながら、ずいぶん違うことでしょう。

丹東在住の友人によると、1970年代の文化大革命の頃、いまと違って中国より経済的に恵まれていた北朝鮮の人たちは、対岸からさかんに文革批判のメッセージを送り続けたそうです。それこそドラや太鼓を鳴らして騒いでいたとか。この距離なら相当うるさかったことでしょう。当時、中国では十分に食べることもできず、毎日トウモロコシのお粥ばかりだった、とその友人は語っていました。
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この写真を撮った1kmほど西には、鴨緑江断橋があります。

鴨緑江遊覧ボートで見る中朝の発展格差をどう考える?(遼寧省丹東市)
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by sanyo-kansatu | 2014-12-27 14:02 | ボーダーツーリズム(国境観光)


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