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2016年 02月 21日
重慶からのスプリングジャパンの帰国便の話を書きます。 スプリングジャパン初の国際線(成田・重慶)に乗ってみた(第3ターミナルも初利用) http://inbound.exblog.jp/25378551/ ![]() 市内から40分ほどモノレールに乗り、空港駅を下車して約200mほど歩くと、国際線ターミナルがあります。 ![]() チェックインカウンターは大勢の出国客でにぎわっていました。カウンターこそ7か所くらいですが、いまの中国の地方都市の国際線はたいていこんな感じです。 ![]() よく見ると、そこは国営キャリアの中国国際航空や山東航空、深圳航空、西蔵航空、澳門航空などの専用カウンターでした。 ![]() スプリングジャパンと地元四川航空のカウンターは少しはずれた場所にありました。 ![]() ひときわ目を引くのが「重慶―東京 299元から」の看板です。そう、いまや重慶の人たちは片道5000円ほどで東京に来られるのです。この衝撃的な意味については、別の機会に説明します。 ![]() チェックインカウンターは成田と同様、「個人」と「団体」に分かれていました。圧倒的に多いのは団体客です。 ![]() 団体客に向かってツアーの注意事項を話しているのは、添乗員の男性です。スタジャンに黒縁メガネといういでたちは、いまから30年前の1980年代頃の日本を思い起こさせます。 ![]() 出国手続きをすませ、搭乗ロビーに足を運ぶと、先ほどの団体客が待っていました。機内食が有料だからでしょうか、タッパーに入れたおかずを食べてる人もいます。いかにも中国的なのどかさです。 ![]() 重慶空港の国際線は、19社のエアラインが運航しているようです。フィンエアーやマレーシア航空、カタール航空、アシアナ航空、チャイナエアラインなどナショナルフラッグ系に加え、エアアジア、ドラゴンエアー、復興航空(台湾系)、そしてスプリングジャパンなどLCCも多いことがわかります。 ![]() 機内はほぼ埋まっていました。ぼくの席は最後尾の一つ前の32番でしたが、その後ろが一列空いているだけでしたから。日本人客はざっと見た感じ5~6名です。 ![]() 一方、この便の客室乗務員は全員日本人。スプリングジャパンは日本のエアラインだということを印象付けようとしているようです。乗務員には男性も3名いて、みんな若々しく、他の日本のエアラインではちょっと見られないフレッシュさを感じさせます。現在、重慶線は週4便なので、重慶に宿泊するフライト日もあるそうで「初めて重慶の火鍋を食べた」とひとりの男性乗務員が話してくれました。 ![]() とはいえ、中国客が大半を占めるだけに、機内はまさに中国です。機体が離陸し、まだ水平飛行にもなっていないとき、突然「お席を立つのはおやめください」と機内アナウンスが轟きました。見ると、ひとりの女性客が席を立ち、荷物を勝手に開けようとしていました。 こういうことは、中国以外ではまず見たことはありません。まったく彼らはルールに縛られることなく、どこまでも自由気ままです。 ひとりのおばさんはトイレに入っても、ロックをかけていませんでした。乗務員が戸を開けそうになったので、思わず「おばさんが入ってますよ」と止めなければなりませんでした。 とにかく機内はにぎやかです。フライト時間が長いせいか、延々トイレの列が並んでいます。シートピッチが狭くて座っていられないのか、立っている人もやたらといる。最後尾の空いてる席を見つけ、そこに座ろうとして、乗務員に注意されている光景もしばしばです。 個人的には、空いてるんだから座らせてあげればいいじゃない、という気もしますが、乗務員は全員日本人ですから、そのへんはきちっとしています。他のお客様もいるのだから、例外は許さないということのようです。 だからでしょうか、中国客たちも「排队、排队(列に並びましょう)」と苦笑しながら、それに応えています。彼らも気持ちの上では、ここは(ルールに厳しい)日本なのかもしれません。 まったく中国客というのは子供のような無邪気なところがあります。海外慣れしていないせいか、「ちょっとびっくりするようなこともしがちですが、きちんと注意すれば、たいてい聞いてくれる」と乗務員は言います。 乗務員たちは乗客からいろいろ質問もされています。「いま日本で桜は見られるのか?」「いいえ、さくらは東京では3月下旬くらいからです」「それは残念」「でも、いま伊豆の河津で桜が見られますよ」「それはどこで見られるのか」……。 そんなこと事前に調べてくればいいのに…。そう思わないでもありませんが、たいていの団体客は日本に対する知識はほとんどないのが普通です。添乗員が案内してくれるので、調べてくる必要を感じていないのです。「ネットで事前にいろいろ調べてくる」というのは、あくまで若い個人客の話。最近、よくメディアで中国人観光客の行動スタイルが「モノからコトへ」と変わったなどといっていますが、それは少し先走りすぎの見方です。実際には、異なるふたつの層(団体客と個人客)に分かれているだけのこと。それが実態です。 最近増えてきた個人客には「モノからコトへ」というニーズが生まれていることは確かですが、後発の内陸都市から来た団体客はまだビギナーで、彼らが変わるにはまだ少し時間がかかります。そして、いま内陸都市からのフライトが急増し、従来型の中国団体客が増えているのです。ですから、こうした全体像が見えていないと、判断を誤ります。 中国「爆買い」の主役は内陸都市からの団体ツアー客 http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/IB-BU/010400002/ 中国沿海都市から新タイプの個人客、ニーズが多様化し新たな商機生まれる http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/IB-BU/011800003/ ツアーに参加した大学生は、2日目の自由行動の1日、都内を同行の友人たちと探索しようと計画しているそうです。彼の場合は、多少は事前にネットで日本のことを下調べしてきたでしょうが、実際に目にした東京の地下鉄路線網のあまりの複雑ぶりに面食らっているようでした。きっと次回はツアーなどには参加せず、日本を個人旅行したいと彼は思うはずです。 ![]() 帰国便でぼくの隣の席にいたのは、米国留学経験のある60代の男性で、奥さんは日本在住経験もあるというご夫婦でした。中学生の娘と3人の家族旅行です。ご主人は英語がお得意で、いろいろ話したのですが、孤児だった娘さんをひきとり、おふたりで養育しているそうです。おとなしそうな女の子でしたが、奥さんは機内で彼女の勉強を見たり、大切に育てていることが感じられました。 「今回、どうして日本旅行に来ようと思われたのですか」と尋ねると、奥さんはこう言いました。 「中国の学校教育では、日本のことを悪くばかり教えている。でも、そうではないことを私は知っている。だから、娘にも実際の日本を見せたかったの」。 まいりました。こういう品のいい旅客もいるのですね。 スプリングジャパンの成田・重慶線が就航したことで、重慶の人たち(武漢も同様)の日本旅行のアクセスはとても便利になります。これまで重慶から成田には中国国際航空の上海経由便しかなく、春秋航空も関空にしか運航していませんでした。そのため、以前は経由便で往復2日が丸まる移動に費やされ、春秋便でも関空から入国し、東京まで行くと、再び関空に戻って帰国しなければならなかったのですが、その必要がなくなったからです。 スプリングジャパンはこれからも続々と成田からの中国地方路線への運航を計画しているようです。 先週、日本政府観光局(JNTO)の2016年1月の訪日外国人旅行者数の発表がありましたが、中国客は47万5000人と昨年の2倍増で、数、伸び率ともにトップでした。 訪日外客数2016年1月推計値を発表 前年同月比52.0%増の185万2千人 http://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/index.html 今年も訪日中国客の勢いは止まりそうもありません。
by sanyo-kansatu
| 2016-02-21 16:24
| “参与観察”日誌
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