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ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2016年 12月 25日

ロシア最果ての地の人たちは中国でどんな旅行を楽しんでいるのか(黒河編)

中国最北部に位置する黒龍江省は、周辺をロシアに囲まれていて、両国民の国境を越えた交流は盛んです。日本人は、このような国境を河で隔てた土地で生きる人たちの自由闊達な生活感覚について、ほとんど知らないのではないかと思います。

今年7月、黒龍江省北部でアムール河(黒龍江)のほとりにあるロシアとの国境のまち、黒河を訪ねました。
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省都のハルビンから夜行列車に乗って、朝6時に黒河到着。
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寝台車両ですでに見かけていたのですが、ロシア人観光客が多く乗っていました。
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これが黒河駅です。
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若いロシア人カップルも多くみかけました。彼らの多くは、黒河の対岸のブラゴビシェンスクというロシアの都市から中国旅行に来た人たちです。
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さて、ぼくは黒龍江のほとりに建つ黒河国際飯店に予約を入れていました。ホテルの屋上から見た対岸のブラゴビシェンスクの町並みです。川辺に浮かんでいるのは、中国人を乗せた国境観光を楽しむ遊覧船です。
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一方、こちらが黒河市内です。都市の規模も人口も、中国側が当然勝っています。
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駅で会ったロシア人たちは、黒河で一泊する場合、市内のもっと安いホテルに泊まるか、その日のうちに船でロシアに帰ります。1泊5000円相当の料金なので、えらそうに言うつもりはありませんが、黒河でいちばんいいホテルとされる黒河国際飯店には、ぼくのような外国人か、遠方から来た中国国内客、ロシア人ビジネスマンなどが利用することが多く、対岸のブラゴビシェンスクから格安ツアーで来るロシア人観光客が泊まる宿はもっとリーズナブルな場所がいくらでもあるのです。

さて、ロシア人たちは黒河で何をして過ごすのでしょうか。実は、黒河は中国にしては(なんていい方は失礼かもしれませんが)、空気も澄んでいて、中国的な猥雑さは少なく、信じられないくらいきれいな町です。1年のうち大半は厳寒の地だけに、短い夏(6月から8月くらい)を惜しむかのように、市民はこの季節を楽しんでいます。もちろん、ロシア側に比べると、町のにぎわいがあります。

ロシア人たちは、そこで買い物に明け暮れます。安価で役立つ日用品や衣料など、ここぞとばかりに買い込んで帰るのです。モスクワから遠く離れた極東という土地ゆえの物価高と慢性的なモノ不足という事情があります。
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彼らが繰り出すのは、ロシアに戻る船の出る国境ゲートに近い大黒河島貿易城のロシア人向けショッピングモールです。
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ここは中国の国内客がロシア産品、たとえば、ロシア産ビールやウォットカ、チョコレートなどを買っていく場所でありますが、ロシア人たちは、中国産の日用品などを購入していきます。
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これがロシアに戻る船です。
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ちょうど護岸工事をしていて、港の周囲は土盛り状態でした。
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黒河市のメインストリートである中央街の一部は歩行者天国で、「中央商業歩行街」と呼ばれています。この界隈もロシア人にとってのショッピングゾーンです。
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この通りで目につくのは、ロシア語の看板を掲げる商店です。
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ロシア料理店もいくつかあります。歩行者天国のはずれにある「レナ・レストラン(列娜餐庁)」はロシア客ばかりでした。
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これがメニューです。基本、西洋料理ですが、ボルシチがあるのが特徴です。
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パスタとボルシチを頼んだら、新疆(ウイグル)料理風のパンが出てきました。
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衣料品の店も人気のようで、ロシア人女性が何人かである店に入ったので、どんなものが売られているのか覗いてみました。3元=100ルーブルが相場のようです。
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失礼しました。下着のお店でした。でも、ロシアの人たちにとって、こういう日用衣料がロシアに比べ中国はとても安いので、まとめ買いしたくなるのです。
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もうひとつ目についたのは、100円ショップならぬ「2元ショップ」です。2元は日本円で35円くらいなのですが、きっと現地感覚では100円くらいの値ごろ感なのでしょう。ただし、売っているのは「安かろう悪かろう」という感じでした。こんなの、ロシアの人たちは買うのだろうか? 
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そんな疑問を感じていたところ、この町でいちばん大きなショッピングモールと思われる華宮商場に、日本の100円ショップそっくりの中国版10元ショップの「メイソウ(名創優品)」が出店していました。
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この10元ショップ、日本のダイソーと無印とユニクロをパクったといわれています。
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MINSO
http://www.miniso.jp/

店内には、中国客も多いですが、ロシア人の若い女の子も多いです。100円ショップは世界中の若い子に人気のようですね。

これは商場の装飾品売り場です。安い中国の装飾品は、彼女らにとってお値打ちでしょう。
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最後は、黒河空港で出会ったロシア娘です。彼女らはスマホを当たり前に使っています。もちろん、中国製でしょう。
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黒河空港では、搭乗まで歩いていきます。
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これまで見てきたのは、中国最北端、さらにいえばシベリアの僻地ともいうべき町での出来事です。

by sanyo-kansatu | 2016-12-25 19:46 | 日本に一番近いヨーロッパの話


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