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ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 06月 27日

サハリンで聴いたロシア正教の鐘はカリヨンの演奏のよう

6月中旬、1週間ほどサハリンに行ってきました。

初めてのサハリン行きで、ロシア語もできないものですから、言葉がほとんど通じない外国で、バスや鉄道に乗るにも右往左往する毎日というのは久しぶりのことでした。でも、市井のロシア人たちの善良さに触れることができました。要するに、彼らは、周辺の国々の人たちに比べ、ガツガツしていないんです。北海道のさらに北にある北東アジアの最果ての地に、このような品のいい人たちが静かに暮らしていると思うと、なんだかホッとします。それが第一印象でした。

今回、州都のユジノサハリンスク以外に、サハリン鉄道の北の終着駅であるノグリキやポロナイスク、ドリンスク、ホルムスク、稚内と航路で結ばれているコルサコフなどを鉄道やバスで旅しましたが、どこに行ってもロシア正教会がありました。どの教会も、きれいにお化粧され、輝かんばかり。ロシアの人たちにとって教会がいかに大切な場所であるかを実感します。

これはユジノサハリンスクで広く知らているロシア正教会です。
サハリンで聴いたロシア正教の鐘はカリヨンの演奏のよう_b0235153_13505970.jpg

こちらはホルムスクの教会で、中に入ると、イコンがぎっしり並べられ、宗教的にとても濃密な世界があります。ヨーロッパのプロテスタント系の教会の簡素な世界とはまるで対極です。実は、同行した写真家の佐藤憲一氏がユジノサハリンスクの教会のミサの様子を撮影しており、近日中に公開したいと思います。
サハリンで聴いたロシア正教の鐘はカリヨンの演奏のよう_b0235153_1351152.jpg

サハリンで聴いたロシア正教の鐘はカリヨンの演奏のよう_b0235153_13512748.jpg

この時期、サハリンでは午前中は海霧のような雲に覆われ、曇り空は正午過ぎまで続き、午後3時くらいからようやく空が晴れてきます。日本と比べ、時差が2時間早いこともあり、日が暮れるのは夜の9時半頃。ですから、教会などの本格的な撮影は、時刻でいえば午後5時以降がベストといえます。

コルサコフには路線バスで約1時間。この日は午後4時くらいまでずっと曇り空だったので、コルサコフ港の青い海を撮影することを断念し、バスでユジノサハリンスクに戻ろうとしていたら、途中で急に空が晴れてきました。すでに午後5時を回っています。ロシア正教は見た目がとても美しいので、青空の下で撮影をしたいということになり、冒頭のガガーリン公園の近くにあるロシア正教会に行こうと、バスを降りたユジノサハリンスク駅からタクシーに乗ったところ、連れて行かれたのが、勝利広場の隣にある、もうひとつの大聖堂でした。
サハリンで聴いたロシア正教の鐘はカリヨンの演奏のよう_b0235153_1352610.jpg

こちらの聖堂は巨大です。中に入ってみたところ、まだ内装を工事中でした。それでも、修道女の人たちがお祈りを捧げている姿を目にしました。

教会の外に出ると、いきなり頭上から鐘の音が聞こえてきました。

ロシア正教特有の大小いくつもの鐘をカリヨンの演奏のように鳴らす音です。

その一部を動画に撮りました。

サハリンのロシア正教会の鐘 まるで楽器の演奏のよう(動画)
https://www.youtube.com/watch?v=9R3q1Cfs-3g

以前、函館のロシア正教会で鐘を鳴らしておられる神父さんにお話を聞いたことがありますが、上手に鳴らせるようになるには相当練習が必要だそうです。確かに、音色を聞いている限り、けっこう難易度の高い「演奏」のように思います。

異国情緒という言葉を強く引き起こされるサウンドスケープといえます。

サハリンは、ひとことでいえば、「日本にいちばん近いヨーロッパの田舎町」ですね。

これはミサの様子を撮ったものです。

サハリンのロシア正教会のミサに行ったら、心がゾゾゾと震えた
http://inbound.exblog.jp/27109705/

by sanyo-kansatu | 2017-06-27 13:53 | 日本に一番近いヨーロッパの話


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