今年3月、羽田深夜便(ピーチ)で上海出張に行ったとき、去年大学を卒業したばかりというOLさんふたりと知り合いました。深夜0時半、羽田の空港チェックインカウンターに並んでいたとき、たまたま列の前にいた子たちですが、そのうちひとりは会社帰りのワンピースにコートを着て片手に通勤バッグという軽装で、いまどきこういう子が深夜便を利用しているんだなあと思って声をかけたのです。
彼女たちは金曜深夜発、日曜夜便戻り、すなはち羽田深夜便を利用した「1泊3日弾丸上海旅行」(しかも、初めての中国旅行)にチャレンジしていたのです(もちろん、月曜朝には出勤です。元気ですね)。
帰国してから一度ご飯を食べたり、たまに連絡を取り合っていたのですが、なんでも秋休みにウラジオストクに行きたいと言い出しているんです。それは、ぼくがふたりにウラジオストクの話をさんざん聞かせたせいでもあるのですが…。
先日、彼女らのひとりからメールで以下の質問が届きました。誰でも初めての国に旅立つ前に、知っておきたいことです。
「円からルーブルに変えるのはどこが一番お得ですか?
ドルからルーブルに変えた方がお得など、、、
また、エアですが、直接アエロフロートからとる方がやはりお得ですか?」
そこで、ぼくはウラジオストク在住の旅行会社の友人に相談し、彼女らの質問に答えることにしました。以下、その回答メールを公開しつつ、彼女らのように、初めてウラジオストク旅行に行こうとしているみなさんへ、思いつく限りのアドバイスをしたいと思います。
【質問1】「円からルーブルに変えるのはどこが一番お得ですか?
ドルからルーブルに変えた方がお得など、、、」
【回答】
「出発前に、成田空港で5000~1万円を両替し、とりあえず現金(ルーブル)獲得は必須です。
そのうえで、現地で必要分をATMでキャッシング(成田レートよりは全然いいです)することをおすすめします。海外のATMでキャッシングするためには、「VISA」や「PLUS」マークの表示がある海外のCD・ATMで現地通貨を引き出せるカードを用意する必要があります。
海外ATMの使い方徹底ガイド(VISAの場合)
http://www.visa-news.jp/cu/atm_info/
新生銀行インターナショナルキャッシュカード ※「VISA」や「PLUS」マークの表示がある海外のCD・ATMで現地通貨を引き出せる。
http://www.shinseibank.com/atm/atm_kaigai.html
ただし、ロシアのATMでは、たまに札切れのケースもあるので、要注意。ウラジオストク市内には以下の両替所や銀行もあります。
「銀行」という名前の両替所
http://urajio.com/item/0812
レートがいいのは、やはり銀行で、「バンクプリモーレ」(ロシア語名:Банк Приморье) はおすすめです。
http://urajio.com/item/0813
ちなみに、ウラジオストク空港から市内への移動については、このブログの記事にわかりやすく書かれていますので、参考にしてください。
http://chiyo045.hatenablog.com/entry/2016/05/09/002344 」
【質問2】「エアですが、直接アエロフロートからとる方がやはりお得ですか?」
※なぜ彼女がこのような質問をしたのか、それには理由があります。
今年4月30日から成田・ウラジオストク線は毎日運航(夏季に限ります)となりました。おかげで日本人渡航者数が急増していますが、そうだとしても、1日何十便ものフライトがあるソウルや台北、上海などに比べれば、まだまだ小さな路線といわねばなりません。現在、両都市に就航しているのは、ロシア系航空会社のS7航空(週4便:火木土日)とオーロラ航空(週3便:月水金)です。S7航空は同じく4月末から関西・ウラジオストク線に水、金の週2便で運航を開始しました。
S7、オーロラ航空とも、ロシア系大手のアエロフロートのウエブサイトで予約を受け付けています。しかし、そこには競合はありません。その点、格安航空券を販売するサイトでは、ソウル経由の大韓航空便の予約も受け付けています。ただし、同社利用の場合、往路復路ともソウル泊しなければならないようです(同日乗継があるかどうかは不明)。休みが短い人には、これは考えられません。
となると、ウラジオストク便の予約は、直接アエロフロートのサイトでするのがいちばん安いのではないか、と彼女は考えたのでしょう。
さて、それをふまえて、以下回答します。
【回答】
「これは必ずしもそうではありません。ロシア系専門旅行社などでは、ツアー向けに飛行機の座席を買い取りしており、こちらで買うほうが安い場合が多いといえます。
JATM(ジャパンエアトラベルマーケティング)
http://www.jatm.co.jp/
ただし、これらの旅行会社では、基本的にツアー販売用に航空券を安く仕入れることができるわけで、航空券のみを販売することには、それほど積極的ではありません(もちろん、空席がある場合は、なるべく売りたいというのは確かですけれど)。
さらに、DENAトラベルのような格安航空券とホテルをセットにしたツアーを販売するサイトもあり、時期によっては、かなり安くなるケースあります。
DENAトラベル
http://www.skygate.co.jp/
ところで、今年8月1日よりウラジオストクへの渡航が「ノービザ」化すると本ブログでも伝えてきました。
8月1日からウラジオストクは8日間の「ノービザ」渡航が可能になります
http://inbound.exblog.jp/26806617/
これは、以下のロシア側の報道で確認されています。
外国人の極東への渡航を簡素化(2017年2月23日 ロシアNOW)
https://jp.rbth.com/travel/2017/02/22/708146
ここでいう「ノービザ」「簡素化」とは、台北やソウル、上海に行くときのように、航空券だけ自分で手配すれば簡単に入国できるのではなく、事前にネットで大使館に申請することで、ウラジオストク空港入国の際にビザ(アライバルビザといいます)を発行してくれることをいいます。これまでは日本国内にあるロシア大使館に申請にいかなければならなかったことに比べると「簡素化」といえるのです。申請しておけば、空港で無料でビザがもらえるのですから、「ノービザ」に近いともいえるのです。
そのためには、以下の手順で「観光ビザ」の申請をしなければなりません。ポイントは2つです。
①ロシアに入国する予定の日付の4日前に、インターネットの特別なサイト(8月1日に在日本ロシア大使館のHPにアップされる予定)でビザの申請を行うこと
②ビザは無料で、申請した時点から30日間有効。8日間以下の滞在が許可される
なぜこんな手続きが必要なのかについて、以下の記事は、わかりやすく説明されています。
ロシア観光ビザの申請方法と極東地域のビザ緩和について
http://trip-coffeex2.com/touristvisaforrussia
ひとまず、ウラジオストクへの旅行は、以前に比べると、簡単になったことは事実ですが、まだちょっと面倒な手間がかかるということを頭に入れてください。
それでも、行ってみたい。そういう気持ちがあるかどうか、少し考えてみてください。
もちろん、旅行会社のツアーに参加すれば、ビザも含めて、すべての面倒ごとを解決してくれます。限られた日程の旅行の場合、それも賢い方法といえます。ただし、ウラジオストクは、それほど大きな都市ではないので、数日あれば、自分の足でも旅行を楽しめるのも確かで、考えどころです。
【追記】
その後、8月1日ではなく、8日からウラジオストクの電子ビザが取得できるようになりました。取り方は以下のとおりです。
こんなに簡単!ウラジオストクのアライバルビザの取り方の手順を大公開
http://inbound.exblog.jp/27208186/