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2017年 07月 24日

4年ぶりに中国を抜き、韓国が訪日外客数トップ! 中国は伸び悩み

先週、日本政府観光局(JNTO)による「訪日外客数(2017 年6月推計値)」が公表されました。今年上半期(1~6月)の訪日動向が見えてきました。
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訪日外客統計 2017年6月推計値
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/170719_monthly.pdf

すでに3月の時点で見えていたことですが、4年ぶりに中国を抜き、韓国が訪日外客数トップとなっています。

日本を訪れる韓国人観光客が中国客を追い抜く勢いで増えています(2017年03月16日)
http://inbound.exblog.jp/26722251/

しかも、前年の上半期に比べ42.5%も伸びて339万5900人(以下、推計値)。この調子でいくと、年間で700万人近くなりそうです。韓国を訪れる日本人の数は減っているのに、対照的な現象です。

それにしても、なぜ韓国人はこんなに増えたのでしょうか。その理由については、今後関係者に話を聞いていくつもりですが、LCCの増加で関西方面、高速船で移動が安くて早い九州方面に増えていることは確かのようです。これまで多くの韓国人が中国を旅行していたのですは、今年に入って中国が不当な制裁をしてきたことから、韓国の人たちも嫌気がさして、旅先を中国から日本に振り返る動きが起きたのかもしれません。

一方、伸び悩んでいるのが中国です。前年の上半期に比べ6.7%増にすぎないこともそうですが、6月に限ると、前年比わずか0.8%増。ここ数年、毎年倍増ゲームのように訪日客を増やしてきたことを考えると、大きな変化といえます。これほど伸びが縮んだのは震災以来、初めてかもしれません。

では、中国客はなぜ伸び悩んでいるのか。この理由についても、今後調べていくつもりですが、明らかにいえることは、2015年に大幅拡大した中国の地方空港からの日本路線に減便、縮小傾向が見られることです。

実際、黒龍江省の旅行関係者に聞くと「今年の訪日客は昨年より減っている」と言います。やはり、中国経済の減速があり、それは上海や北京などの沿海先進地域ではなく、地方都市に影響しているものと考えられます。

その他、好調なのは香港インドネシアです。香港は上半期ですでに100万人を突破。その背景として、JNTOのレポートでは「昨今の世界情勢を受けて日本に対する安心感が相対的に高まっていることも、訪日旅行を後押ししている」と分析しています。

伸び率が最高なのがインドネシアで、上半期の前年比44.9%。最近、ビジャブを被ったムスリム系ツーリストの姿をよく見かけるようになったことは確かでしょう。ただし、18万4900人(上半期)と、この市場はまだ動き出したばかりです。

アセアン諸国では、さすがに伸び率は落ち着きましたが、タイは53万900人と、このままいくと年間で100万人を突破しそうです。このままいくと、タイに旅行に行く日本人より多くなる日が来るのかもしれません。隔世の感があります。

最後に、母数は小さいですが、ロシアも前年比40.6%と増えています。その理由に、今年1月ロシア人に対するビザ緩和が実施されたことと、4月末から成田・ウラジオストク便が毎日運航になったことなどから、日本を訪れるロシア人が増えてきたことがわかります。ここ数年、資源価格減による経済不振のため、ロシア人の訪日客は低迷していましたが、少し改善の傾向が見られます。

ロシア国民に対するビザ発給要件の緩和(外務省平成28年12月16日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_004069.html

【追記】
後日、韓国のランドオペレーターに、今年韓国客がこれほど増えた理由について話を聞いてみました。

韓国が訪日客数トップになった背景に出国率の著しい上昇がある
http://inbound.exblog.jp/27020112/
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by sanyo-kansatu | 2017-07-24 15:27 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)


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