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ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 09月 10日

インバウンドの動きは地域によってタイムラグがあるのは自然なこと(鳥取でもゲストハウスラッシュ!)

先日、広島のゲストハウスに泊まった話を書きましたが、日本でおそらく最後に外国人が訪れるようになった中国地方では、ここ1、2年で鳥取のような小さな県でもインバウンドの動きが起きています。

広島のゲストハウスに泊まってみたら、なかなか楽しかった話(2017年09月08日)
http://inbound.exblog.jp/27102436/

それを感じたのは、鳥取にも昨年頃から外国人向けの安宿が数軒できたことです。

鳥取港に車で向かう途中、偶然見かけたのが「シャン亭」。インド好きの千石さんという30代前半の女性が昨年夏開業した宿なんですが、市内中心部から遠く、駅からバスで40分、しかも1時間1本というロケーション。鳥取砂丘も近ければいいんだけど、意外にそうでもないようで、本人も「私って経営のこととかよくわかんなくて…」。そう正直に語る彼女をみていると、少し心配になるのですが、部屋を覗かせてもらうと、スイス人の青年がパンツ一丁で歩いていたり、よくここを探し当てたなあという驚きも。サイクリストの人なんかもよく泊まりに来るとか。
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しゃん亭
http://shanti.guesthouse-tottori.com
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↑宿の看板の右に描かれた飾り傘は、鳥取の夏祭り「しゃんしゃん祭り」で使われるもの。地元愛が感じられます。

彼女の話では、駅の近くにはいま風のカフェバー付ゲストハウスもできているそう。

Y Pub&Hostel TOTTORI
http://y-tottori.com/

ネットで「鳥取 ゲストハウス」を検索すると、こんな地元発のサイトの記事がありました。

鳥取のゲストハウス一覧【2017年1月 更新】
http://tottorizumu.com/2016/03/02/tottori-guesthouse-matome/#Y-Pub-Hostel-TOTTOR-8211

これによると、今年1月現在、鳥取県には10軒のゲストハウスがあるようです。「しゃん亭」も紹介されています。

全国的にみると10年遅れかもしれませんが、鳥取県でも安宿ラッシュが起きているようです。

遅れて始まったからといって、なにも卑下するようなことはありません。インバウンドの動きは地域によってタイムラグがあるのは自然なことだからです。

観光庁などの統計によると、鳥取県を訪れる外国客の数は全国37位、宿泊者数は39位だそうです。しかもWifi登録件数は47位。コンサル系の人たちはこういう数字を見せて、地元を煽るのでしょうが、2000年代に始まった国レベルの訪日外国人の誘客キャンペーンがようやく鳥取のような日本海側の小さな地方都市にも及ぶようになっただけの話です。

それに合わせて行政も動き出そうとしていますが、当然課題はあります。10年前に比べれば、お金をかけずにプロモーションする手立てはいくつも開発されているので、新しい動きに行政ももっと敏感になってほしいと思います。

鳥取市の外国人向け大阪行きバス1000円は賢い施策だが、宣伝できていなくて残念 (2017年09月09日)
http://inbound.exblog.jp/27103837/

鳥取市は大阪からの高速バス外国人向け1000円キャンペーンを、これらのゲストハウスのサイトなどで宣伝してもらえばいのではないでしょうか。客層がマッチしている気がします。

ゲストハウスに泊まるような若い外国客は、なるべくお金をかけずに、日本の地方都市をのんびり旅しようとする、いわば日本旅行の先導者です。ささやかな地元の人たちとの交流が想い出となって、その後、結婚し、経済力を身につけた年代になったら、また訪ねてみようということはよくある話ですし、いまの時代、SNSで自国の友人たちに広めてくれます。

さらに、こういう話題で火がつけば、面白いことになるかもしれません。

まるでウユニ塩湖 鳥取砂丘で撮影された「奇跡の一枚」(朝日新聞2017年9月10日)
http://www.asahi.com/articles/ASK8Z7FXVK8ZPUUB00Q.html

鳥取砂丘(鳥取市)で撮影された「奇跡の一枚」と呼ばれる写真がネット上で話題になっている。波が引いた砂浜が「鏡」のようになり、空や人の姿を映し出す――。撮影に成功するには気象条件などがそろう必要があるが、同じような写真を撮ろうと訪れる人が増えている。

写真を撮影したのは、砂丘周辺で自転車ツアーを企画、運営する「TRAIL ON(トレイルオン)」(鳥取県湯梨浜町)代表の小椋宣洋さん(46)。ツアーは国などの許可を得ており、ファットバイクという通常よりタイヤの幅が広い自転車に乗って砂丘を走るもの。

昨年10月、ツアー客の思い出にとスマホで撮影。写真をフェイスブックに掲載したところ、旅行サイトで紹介された。SNSなどでも、空や人の姿が湖面に映される光景で知られる南米ボリビアのウユニ塩湖みたいと話題となった。県外客だけでなく、県民も砂丘の知らなかった一面に驚き、「同じような写真を撮りたい」とツアーに参加している。

8月25日午前の部に参加した10~20代の男女3人も、ネットに掲載された小椋さんの写真を見て興味を持ったという。ただ、「奇跡の一枚」はいつも撮れるわけではない。小椋さんによると、風や波、日光の差し具合などの条件が整う必要があるという。

この日、小椋さんはタイミングを見て、3人に波打ち際を走り抜けるよう指示。小椋さんは「今日のコンディションではこれが限界」と撮った写真を見せたが、ツアー客は「かっこいい」と声を弾ませた。奈良県の高校2年の岩井康洋さん(17)は「ウユニ塩湖っぽい写真が撮影できた。LINEのプロフィル画像にします」と満足げだった。

小椋さんは最近「写真だけが独り歩きしている」とも感じている。期待を込めて訪れた客がうまく撮影できず残念な思いをすることを心配する。「砂丘にはほかにも写真映えする場所があるので、砂丘の自然をもっと満喫してほしい」

ツアーは1回2時間程度で予約制。身長150センチ以上で、料金は1人5千円。不定休。問い合わせは(080・1649・1796)。


by sanyo-kansatu | 2017-09-10 10:38 | “参与観察”日誌


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