|
2017年 10月 04日
8月末に大阪を訪ねたとき、難波の高島屋の資生堂コーナーの前に並ぶ中国客の行列を見て驚いた話を以前書きました。 ![]() 大阪インバウンドのにぎわいは日本最強か!? (2017年 09月 09日) http://inbound.exblog.jp/27104053/ 中国客の「爆買い」は終わったはずなのに、相変わらず、すごいなと思ったものですが、行列しているのは団体客ではなく、個人客の皆さんです。 そして、メディアも訪日外国人の免税売上の伸張で、今夏は百貨店売上が好調だったと報じています。 全国百貨店売上高、8月は2.0%増 インバウンド需要好調続く(日本経済新聞2017/9/21) https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL21HJM_R20C17A9000000/ (一部抜粋)日本百貨店協会(東京・中央)が21日発表した8月の全国百貨店売上高は4127億円(全店ベース)だった。既存店ベースで前年同月比2.0%増と、2カ月ぶりに前年実績を上回った。インバウンド(訪日外国人)向け販売が好調だったほか、低温で初秋物を中心にした衣料品の売れ行き回復も寄与した。 商品別では、化粧品や貴金属の販売が伸びた「雑貨」が11.2%増加。高級ブランドを含む「身のまわり品」も3.5%増えた。紳士服がけん引した「衣料品」は0.1%減とマイナス幅が縮小した。 訪日客向けの免税売上高は約215億6000万円と前年同月に比べ70.2%増加。9カ月連続でプラスとなり、全体の売上高に占めるシェアは5.2%まで上昇した。化粧品や高級ブランドの人気が高かった。 8月の東京地区の百貨店売上高は全店ベースで1090億円だった。既存店ベースでは3.6%増と、2カ月ぶりに前年を上回った。 9月の全国売上高(サンプリング調査)は18日時点で7.3%程度のプラス、東京地区は8.2%程度のプラスで推移している。 この記事の元ネタである「平成29年8月 全国百貨店売上高概況」(日本百貨店協会)によると、「顧客別では、インバウンド(シェア5.2%)が215億円(70.2%増)と過去4番目の売上高を記録すると共に、一人あたり購買単価も約2割増(6.7万円)と引き続き高伸。一方、国内市場(シェア94.8%)もほぼ前年並み(0.2%減)にまで回復している」とのこと。都市別でみると、やはり大阪が伸び率トップで前年同月比8.6%増でした。 昨年のいま頃は百貨店売上の落ち込みを伝える報道ばかりだったのに、こうした変化はいつ起きたのでしょう。 実は、今年の春先以降で、上半期にはすでに(大都市圏に限りますが)上向きになっていたのでした。 大手百貨店6月売上高が5社とも前年超え 上期は滑り出し好調(Fashionsnap.com News2017年07月04日) https://www.fashionsnap.com/news/2017-07-04/department-2017june-sales/ 同記事によると、好調の理由を「株高による資産効果で宝飾、時計、ラグジュアリーブランドなどの高額品の売上が伸びたほか、訪日外国人の免税売上が伸長したため」と指摘しています。 確かに、日本百貨店協会の1年前のインバウンドシェアは「3.1%(2016年8月)」だったのに対し、今年8月は「5.2%」。確実に増えていることがわかります。 それにしても、中国客の「爆買い」が終わって、少し前までは小売業界は暗いムードかと思っていたのに、訪日外国人の数が着実に伸びていくと、その影響はきちんと出てくるものですね。冒頭の写真をみると、中国客ばかりが買い物をしているように見えてしまいますが、今日百貨店の免税売上に貢献しているのは、必ずしも彼らだけでなく、多くのアジア客だと思います。べつに彼ら一人ひとりは「爆買い」しなくても、数の力は大きいということでしょう。 では、中国の「爆買い」終了で大きな痛手を負った中国系家電量販店「ラオックス」はいまどうなっているのでしょう。以下は、昨年までの話です。 ラオックス赤字転落、売上高は3割減 爆買い失速響く(朝日新聞2017年2月14日) http://www.asahi.com/articles/ASK2G5VTBK2GULFA032.html (一部抜粋)免税店大手ラオックスが14日発表した2016年12月期決算は、売上高が627億円と前年から32・3%減った。営業損益は9億円の赤字(前年は85億円の黒字)、純損益が15億円の赤字(同80億円の黒字)で、ともに赤字に転落した。訪日外国人の「爆買い」失速の影響を受けた。来店客数は堅調だったが、客単価が平均で約2万2千円と、前年の約3万4千円から下がり、大幅な減収につながった。 では、今年8月の状況はどうか。 同社の「平成29年度 8月次状況報告」によると、昨年5月から7カ月連続で売上が前年割れしていたものの、12月から2月にかけていったんアップ、4月から6月までは再び前年割れ、そして7月から8月にかけてまたアップ。しかも8月は過去最高となり、一進一退を続けています。 8月の好調の理由については「8月のレジ通過数は前年比114.6%と大きく伸長、また、これまでの最高値であった2015年8月の月間レジ通過数を上回り、当社の過去最高値を記録した。クルーズシーズンに合わせて出店した新店はもちろん、既存店においても団体客・FIT客の来店者数が好調に推移しており、今年度下半期より、前年比プラス傾向に転じている。引き続き、中国国内での広告宣伝と販促活動で来店者数を向上させるとともに、買い物だけではなく体験(モノ+コト)を推し進め、訪日旅行を楽しめる工夫を行っていく」と分析しています。 ラオックス平成29年度 8月次状況報告 http://www.laox.co.jp/ir/upload_file/library_05/getsuji_201708_jp.pdf 相変わらず中国客の利用比率は高そうですが、九州方面を中心に拡大するクルーズ市場に助けられているようです。クルーズ旅行のビジネスモデルは、ラオックスのような免税店がなければ成り立たないわけですから、当然なのでしょう。 ただし、気がかりなのは、先月中国当局が日本への団体ツアーの人数を制限する旨、旅行会社に通知を出したことです。団体ツアーに頼るこの種の免税店ビジネスへの打撃はあるでしょう。だからこそ、「買い物だけではなく体験(モノ+コト)を推し進め」たいというわけでしょうし、それ以上に、中国客以外のアジア客にも来店してもらえるような抜本的な改革が必要なのではないでしょうか。 中国はついに日本への渡航制限を始めるのか? (2017年 09月 22日) http://inbound.exblog.jp/27130164/
by sanyo-kansatu
| 2017-10-04 15:56
| 気まぐれインバウンドNews
|
アバウト
カレンダー
検索
カテゴリ
極東ロシアのいまをご存知ですか? 東京ディープチャイナ ボーダーツーリズム(国境観光) 現代満洲記録プロジェクト 朝鮮観光のしおり “参与観察”日誌 定点観測ツアーバス調査 東京インバウンド・スポット のんしゃらん中国論 気まぐれインバウンドNews 歴史から学ぶインバウンド 最新インバウンド・レポート リアルチャイナ:中国独立電影 現代アートは中国社会の鏡である 中国の新人類「80后」世代 このブログの目的 問い合わせ先 タグ
中国(565)
エアライン・クルーズ・鉄道・バス(223) アート・建築・映画・サブカル(205) ロシア(196) エンタメ・アトラクション(165) ツアー(160) メディア(159) 朝鮮(136) レストラン・グルメ(102) FIT(99) アジア(94) ホテル・ゲストハウス(88) プロモーション(86) ショッピング(81) 旅行会社・ランドオペレーター(52) 通訳・多言語化(43) ガイドブック(38) 民泊・白タク(32) 台湾・香港(32) 富裕層(14) 記事ランキング
最新の記事
画像一覧
ブログジャンル
外部リンク
その他のジャンル
|
ファン申請 |
||