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ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2020年 07月 01日

サーカスという職場はとってもフォトジェニック!(ウラジオストクの写真家展 その14)

ウラジオストクの「ザリャー(фабрика ЗАРЯ)」で開催された企画展「FARFOCUS.PHOTOGRAPHERS OF VLADIVOSTOK(極東フォーカス、ウラジオストクの写真家たち)」3のテーマ「職場にて:"靴の修理"または黒い広場に飛び込む(На рабочем месте: «Ремонт обуви» или прыжок в Черный квадрат)」に移ります。

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ここでのテーマは「職場」です。これまで登場した何人かの写真家が、中国人労働者も含めたウラジオストクならではの働く現場を訪ねていますが、第1のテーマのような「ポートレイト(肖像画)」を通じてアイデンティティを深く考察するための題材というより、また教育的な意味での職場見学でもなく、極東ロシア社会の隠れた裏面を覗かせてくれます。

とはいえ、最初の作品群は、このテーマのエピグラムにある、20世紀のアメリカの女性ドキュメンタリー写真家ドロシア・ラングの「写真家はライオンの調教師と同じくらい何気なく写真家になる」という一文を受けて、2010年と15年にウラジオストクを訪れたロシアの有名サーカス一座の公演前の舞台裏のシーンを撮り収めたものです。


撮影したのは、<その9>ビーチで遊ぶサーカスのゾウと兵士を撮ったウラジーミル・シュタフェドフ
です。


最初の
1枚は踊り子風の女性。真っ赤なバラのリボンを頭につけて、空中ブランコで空を飛び交いそうなふたりです。


その下の
3枚は闘牛の練習風景のようです。サーカスでも闘牛をやるのですね。

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Владимир Шутафедов

Из серии ≪Цирк≫. 2015, 2010

ウラジーミル・シュタフェドフ

シリーズ「サーカス」より 2015、2010

次の6枚は稽古やメイク中の団員たちの光景です。

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団員の中には子供もいるのですね。サルもいますが、檻の中にはライオンがいます。

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稽古に夢中の団員もいれば、カメラ目線で応えてくれる団員もいます。サーカス一座という特殊な職場の世界は、華やかなステージの表舞台以上に興味をそそられるものがありますね。

サーカスという職場はとってもフォトジェニック!(ウラジオストクの写真家展 その14)_b0235153_16333215.jpg

ロシアではサーカスを専門に学ぶ学校があります。1983年にモスクワに開校された国立サーカス学校では、入学者たちはアクロバットやダンス、クラウン(道化師)の基礎から学びます。ロシアのサーカスの高度な技術は、専門学校での厳しい学びに裏打ちされています。


彼らはロシアで有名な
シャティロフ兄弟のサーカス団です。アルカディとアレクサンドルという双子の兄弟が座長で、ライオンやラクダ、馬などの動物ショーはもとより、7mもの巨大ニシキヘビまで登場します。


YOUTUBE
で検索すると、彼らの動画がいくつも見つかります。


Цирк
братьев Шатировых 2014/11/26

https://www.youtube.com/watch?v=lLKLDDyGNKw

В Курском цирке - шоу братьев-близнецовШатировых 2015/09/22

https://www.youtube.com/watch?v=VjEEZ_DVFIU


さらにネットで検索すると、2010年のウラジオストク公演時の座長のインタビュー記事が見つかりました。


время
гастролей братьев Шатировых воВладивостоке

ウラジオストクでのシャティロフ兄弟ツアー(2010716日)

https://vladnews.ru/ev/vl/2764/20194/arena_dvoih


この記事を取材しているのは特派員「
B」とあり、もしかしてウラジーミル・シュタフェドフ本人なのではないでしょうか(未確認)。「B」氏は双子の兄のアルカディに初演の前夜に会って、話を聞いています。


話は双子の幼少期から始まります。ふたりは当時からよく似ていて、どちらかがいたずらをしても見破られることがなかったそうです。サーカス一座で育った彼らは、6歳のとき、モスクワのサーカス劇場でふたり一役を演じました。そのとき、ふたりは別の場所に隠れていて、どちらかが顔を出しては姿を消したので、観客はテレポーテーションが起きたかのように驚いたそうです。


当時、ふたりはその意味を理解していませんでしたが、その後、彼らは双子の特徴を最大限に活かしたステージで人気を博していったそうです。


サーカス一座の興味深い舞台裏の世界は必ずしもウラジオストクに固有のものではありませんが、
とてもフォトジェニックで魅かれてしまいます。



by sanyo-kansatu | 2020-07-01 16:37 | 極東ロシアはここが面白い


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