ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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カテゴリ:“参与観察”日誌( 243 )


2013年 10月 30日

台湾で中国本土ブースが不人気な理由(台北ITF報告その2)

台北国際旅行博(ITF2013)の会場の一画に中国本土の旅行関係者の出展するブースの集まるゾーンがあります。他のゾーンとの仕切りも特になく、来場者は同じイベントの一部だと思うのですが、なぜかそこは「海峡両岸 台北旅展」と呼ばれ、ITFとは別の入り口まで用意されています。
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主催は、ITFと同じ台湾観光協会と海峡両岸旅游交流協会の共催となっています。後者の組織については調べていませんが、ITFとはあくまで別企画という位置づけのようです。そのためか、ITFの制作した会場マップには、中国本土ゾーンだけ、出展者の配置図が書き込まれていません。なぜそんなことをするのか……。わざわざ「海峡両岸 台北旅展」としてITFとは別仕立てのイベントに見せようとする中国側の押しつけに対する台湾側の反発のようにも見えますが、どうでしょうか。

2日目の午前中、「海峡両岸 台北旅展」の中国本土ゾーンは気の毒なくらい閑散としていました。同じ時間、他のゾーンでは人ごみで身動きすら取れないほどだったのと比べると、いったいどうしたことなのか。
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中国本土ゾーンを歩いてみることにしました。ぼくは中国国内のレジャーシーンの変遷をこれまでウォッチングしてきたので、基本的に関心はあるのです。

そこには、中国全土の省と直轄都市、旅行会社などのブースが並んでいました。一部ミャオ族の民族衣装の展示した貴州省や省内の観光地の写真パネルを並べた遼寧省など面白いものもありました。また上海市のブースでは、来場者に特典をふるまうイベントがあったときだけ、人ごみが見られました。
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とはいえ、全体的には、簡素なブースを並べただけで、ただのやっつけ仕事にしか見えません。

確かに、中国の観光プロモーションのクオリティは他のアジア諸国と比べても著しく低い(あるいは、やる気がない)というのは、JATA旅博やタイの国際旅行フェアの会場でも見られたとおりです。だとしても、スタッフすらいない状況というのは、どうしたものか。こんなんでやる意味あるの?

現地の関係者に聞くと、毎年そうなんだそうです。

「台湾人の海外渡航者の数では中国がいちばん多いのですが、ほとんどビジネス渡航。レジャーは少ないんです」

かつて(たとえば1980年代)「大陸探親旅行」といって本土にいる親族を訪ねる中国旅行が台湾で流行ったものですが、それも遠い昔の話。確かに、いまの中国は環境破壊の話題に事欠きませんし、観光地は国内客であふれ返り、のんびり外国人が旅行を楽しむ雰囲気ではなくなりつつあるかもしれません。台湾の人たちも、わざわざそんな混雑する場所に行くより、日本など海外に行ったほうがくつろげると感じているのかも。

実際、ある台湾の旅行関係者はこんなことを言いました。「いま台湾には中国本土客がたくさん来るので、国内の観光地は中国客だらけ。台湾人が海外に旅行に行きたがるのは、近場のレジャーでは彼らと出くわしてしまうため、それを避けたいからなんですよ」

なるほど。……というか、なんとも言い難い話ですね。

実際、中台間の航空路線は全土にくまなく張りめぐらされています。この大半はビジネス路線と考えられます。
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中台の複雑な関係が、実に見事に表れているともいうべき、「海峡両岸 台北旅展」でした。
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by sanyo-kansatu | 2013-10-30 09:30 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 29日

来場者数が過去最高となった台北国際旅行博(台北ITF報告その1)

8月のタイのトラベルフェア(Thai International Travel Fair #13)に続き、10月は台北国際旅行博(ITF2013)に行ってきました。日程は、10 月18 日(金)~21日(月)です。
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会場は、台湾を代表する超高層ビル「台北101」(高さ509.2m、地上101階)に隣接する台北世界貿易センター1号館と3号館です。午前10時から開門されるのですが、30分以上前から行列ができるほどの盛況ぶりでした。
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台北国際旅行博(ただし、サイトの内容はすでに来年の告知に更新)
http://www.taipeiitf.org.tw/

台湾からの訪日旅行者数の大幅な増加の背景に何があるのか、知りたいと思っていました。JNTOが10月23日に発表した訪日外客数統計によると、2013年1月~9月の訪日台湾人は前年比52.3%増の166万9900人。伸び率でみればタイ59.2%増、ベトナム49.8%増、香港49.5%増と並んで見えますが、母数が違います。台湾は香港の3倍、タイの6倍近い規模です。訪日外客全体の5人に1人(21%)を台湾が占めていることからも、今年いかに多くの台湾客が訪日旅行したかを物語っています。

台北国際旅行博(ITF)は毎年10月に開催されます。1987年から始まり、今年で27回目。夏期の旅行商品の販売のために5月に開催される台北国際観光博覧会(TTE)や台中国際観光旅展(TITF)、高雄国際旅展(KITF)などもありますが、ITFが台湾最大の旅行商品展示会といえます。主催者発表によると、今回の来場者数は31万5240人と過去最高になったそうです。
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では、会場を歩いてみましょう。以下のように構成されています。
①台湾ゾーン
②アジア太平洋ゾーン
③欧米・中東アフリカ・南米ゾーン
④旅行会社ゾーン
⑤航空・運輸交通ゾーン
⑥その他関連団体
⑦グルメゾーン
⑧海峡両岸(中国本土)ゾーン
⑨ホテルゾーン(※ここのみ3号館)
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このうち最大エリアを占めるのは①台湾ゾーンで、国内の自治体や旅行会社などのブースが集まっています。次は⑧海峡両岸(中国本土)ゾーンですが、どうやら同じ会期中に同じ会場にありながら、「第9回海峡両岸台北旅展」として別企画の位置付けのようです(その理由は次回)。
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ざっと海外ゾーンのブースを眺めていきましょう。アジア太平洋を中心に数多くの政府観光局のブースが出展していました。
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なかでも注目は、スノーレジャーにテーマを絞り込んでPRのコンセプトを明確化した韓国でしょうか。韓国は海外の旅行博において毎回オールコリアでワンテーマを打ち出してくるのが特徴です。各自治体がバラバラに地元の魅力をアピールする日本とは違って、いかにも戦略的です。韓国の観光プロモーションのスタイルは日本を先んじているといわれても仕方がなさそうです。
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現地関係者によると、台湾の訪韓客は現状では訪日客の半数くらいに過ぎないものの、この10年の韓流ドラマやK-POPの流行で、台湾の若者の中にも「一度は韓国に行ってみようかな」という動きはあるようです。しかも旅行商品の価格帯が日本の半分とくれば、日本にとってライバルとなりうる存在かもしれません。その一方、韓国ではリピーターが育っていないのでは、という指摘もあるようで、こればかりはすぐに答えが出る話ではなさそうです。
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韓国のPRとくれば、やっぱり絶大な知名度を誇るこの人なんでしょうね。
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ほかにも、台湾や海外の航空会社ゾーン(写真はエア・アジアのキャンペーンガール)や、今年のGWに東京湾に寄航して話題を呼んだ超大型クルーズ客船「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」、那覇と石垣島に寄航する台湾発のクルーズ客船「スーパー・アクエリアス」の予約ブースなど、さまざまな企業団体が出展し、PRを繰り広げています。
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広い会場の中で、最も活況を呈しているのは、やはり地元の旅行会社のツアー即売会でしょう。旅行会社の担当者はマイク片手にステージに上がり、びっしり貼り出された会期中限定のスペシャル価格のツアー商品を声を上げて販売します。「ツアー商品の叩き売り」といってしまうと、少し言い過ぎかもしれませんが、日本ではちょっと見ることのない光景です。売れ行きを見ながら、スタッフはその場でチラシも書き直します。
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各旅行会社のブース内にはPC端末がいくつも用意されていて、来場者はスタッフの説明を聞きながら商品を検討しています。
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海外から多くの関係者が集まっているだけに、会場内はフリーWifiです。
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台湾滞在中に見たテレビニュースや新聞でも、ITFのことは報道されていました。台湾の年間出国者数は1000万人相当で、総人口2300万人の40%にあたる高い出国率が知られています(日本は13%)。それだけに台湾の人たちにとって旅行博は、日本では想像できないほど話題性の高いビッグイベントなのです。
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by sanyo-kansatu | 2013-10-29 14:51 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 17日

【ホテル・飲食関係者必読】タイ人客はタバコがNGです

8月にタイの国際トラベルフェア(TITF)を視察した話を以前書きましたが、そのときぼくはHISバンコクの支店長にインタビューしています。

その内容については、後日刊行される書籍の中で記事にしている関係で、まだブログには出せないのですが、同社の企業戦略に関わらない、タイの消費者の特性に関する部分については、興味深い指摘が多く含まれていたので、ここに公開したいと思います。

お話いただいたのは、中村謙志支店長です。日々ローカル客と向き合いながら営業活動に取り組んでいる方の貴重な提言です。
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――先日、バンコクの旗艦店であるトラベルワンダーランドを訪ねましたが、日本と同じような店舗で、旅行商品のパンフレットがたくさん置かれていましたね。

「タイでは、日本のような旅行パンフレットやチラシはそれほど流通していません。しかし、タイ人はパンフレットを読むのが大好きです」

――市内を走る高架鉄道のBTSでも地下鉄でも、東京と同じように乗客はみんなスマホに夢中。いまさら紙のパンフレットなんですか。

「確かに、いまの時代、電子化すべきだと思いがちですが、やはり紙は有効なんです。日本と違ってタイは海外旅行の情報が紙の時代を経ずに、いきなり電子化から始まった。だから、ツアーの内容がぎっしり書き込まれたパンフレットをみると、手に取りたくなるところがあるようです。なにしろこちらでつくるツアーパンフレットのアイテナリー(旅行日程の説明)はすごく細かい。日本のパンフレットより詳しいくらいです」

――どんなことが書かれているのですか。

「どこに行って、何を観て、何を食べて、すべて書いてあります。観光地についても、バスを降りて歩くのか、車窓から眺めるだけなのか。とくに食事の内容は重要です。どんな料理が食べられるのか、詳しく書かないとタイのお客さまは納得しないんです」
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この話を聞きながら、紙に書かれた内容を信用せず、口コミに頼ろうとする中国の消費者との違いにあらためて気が付きました。中国の消費者は、いまや過去となった社会主義時代の経験からくるのか、もともと他人を信じない社会なのか、紙に書かれたものは最初から疑ってかかるところがあります(出版物は基本的にお上が検閲したもので、情報管理されている社会だったからです。これが彼らの著作権意識の低さにもつながっています)。

だから、日本の旅行会社がつくりあげてきたパッケージツアーを軸としたビジネスモデル(そのベースは年2回改訂され、新商品が掲載されるパンフレットです)がまったく通用しません。紙(情報誌)の時代を経ずに、いきなりネット時代に突入したところは、タイも中国も同じですが、基本的に(いい意味で)パンフレットに書かれた内容を疑うことを知らない(考えてもみない)のが、日本とタイの消費者に共通するところだといえそうです。だから、タイではビジネスがやりやすいといわれるのでしょう。

――タイのお客さんは日本旅行に何を望んでいるのでしょうか?

「これについては、私は日本人ですから、どんなに話を聞いても本当のところはわかりません。所詮推測にすぎない。だから、実際のツアーにもなるべく同行するようにしています。タイのお客さまが日本に来て、何を観て喜んでいるのか。何をおいしいというのか。どんな景色をバックに写真を撮りたがるのか……。勘が鈍るのがいちばんまずい。お客さまにも自分のことを明かすんです。お客さまもトップの人間が一緒だということで、安心なさるみたいです」

――ツアー客の方とどんなお話をされるのですか。

「何か感じたこと、困ったことがあったら話してくださいね、というと、これがよかった。これが気に入らない。けっこう話してくださいます。

なかでも、日本の関係者にいちばんわかってほしいのは、タイ人はタバコが嫌いということです。意外に知られていないことかもしれませんが、彼らは基本的にタバコを吸いません。一部の上流階級が吸うことはありますが。ところが、日本のホテルの部屋はとにかくタバコ臭い。タイ人はそう感じています。

だから、ホテルのアサイン(予約手配)は禁煙ルームがmustです。タバコが吸えるレストランも選びません。隣にいる日本人にタバコを吸われるのが嫌でしょうがない。お酒もあまり飲みません。夕食でビールを飲む人も、そんなにいません。皆さん、おとなしく食事をする。大声を出したりしない。中国や韓国の人たちとは違うんです。海外に出かけてまで、飲んで騒いでコミュニケーションするということはないんです。

日本人はアジア人ということで、一括りしてしまいがちですが、もしタイのマーケットを本格的にやりたいなら、それを知って対応していただきたいですね。タバコの問題は、タイ人の受け入れにとってとても大切なことです」

――それは知りませんでした。確かに、タイのレストランでタバコを吸っている人を見ることはほとんどありませんね。

「彼らは世界における自分たちの国や立場のことをよく自覚しています。世界の中心だなんて思っていない。控えめなんです。しかし、だからといって物事にあまりこだわらない(いい意味で鷹揚な)中国客と同じように扱われると傷つきます。

温泉旅館に泊まりたいというリクエストが多いですが、タイ人はシャイなので、人前で裸になりたがりません。最近は、慣れてきて共同浴場に裸で入る人も増えてきましたが、基本はバス付の部屋を好みます。共同風呂は足だけちょこっと浸かるか、人がいない時間を見計らってこっそり入るとか。タイは中国や韓国のようなサウナがある社会ではないんです」

――タイの人たちはとても繊細なんですね。食事についてはどうですか。

「これがいちばん重要です。タイ人は日本食が大好きで、滞在中すべて日本食でも構いません。よく日本人の海外ツアーだと日本食を入れたりしますが、タイ料理店に案内することはまずありません。

気をつけないといけないのは、生ものです。タイにも日本の寿司屋は増えていますが、出回っているネタは限られています。せいぜいサーモンやマグロ、イカ、しめ鯖。それ以外の、たとえば生だこや白身の魚は食べたがりません。初めて日本ツアーに参加したグループなどでは、おすしのランチのほとんどを残すということもありました。こちらがいいと思って高級なネタを出しても、それがいいとは限らない」

――だとしたら、事前に食事の中身はレストランと密に打ち合わせておかないと、お互い嫌な気分になってしまいますね。

「それからタイ人の中には牛肉はダメだという人がまだ多い。タイでは水牛が耕作に使われ、食べるものではないという観念があるようです。そのせいか、おいしい牛肉は市場に出回っていません。ところが、最近『和牛』はおいしい、ということになってきた。ビーフと『和牛』は別物なんです(笑)」

――観光地ではどんな様子なんですか?

「とにかく写真を撮るのが好きですね。お寺と神社の違いがどこまでわかっているのかわかりませんが、日本は自分たちと同じ仏教の国だと思っているので、熱心にお参りしています。タイの仏像は黄金色で日本とはまったく違いますが、法隆寺のような古い寺院に行くと、歴史の重みを感じるようです。アユタヤやスコタイに比べると、法隆寺はずっと古いことに気づかされますからね。

そして、周辺のお土産屋さんでいろいろ買いまくります。お菓子だけではなく、記念品のようなものも買っていかれます」
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――同じ仏教の国ということで、鎌倉や奈良などが定番の訪問地になるのは理解できますが、それ以外にはどんなところに行きたいのでしょうか。

「テレビの旅番組の影響が大きいと思います。いい例が、白川郷や高山です。あと富良野のラベンダー、岩国の錦帯橋、瀬戸内海のしまなみ街道、指宿温泉の砂蒸し風呂。これらはすべて旅番組で火がつきました。いきなり局地的な人気が起こるんです」

――だとすれば、タイ人の誘客にとってメディア戦略は有効ですね。ビザも不要となったことで、今後は個人旅行者も増えていくのでしょうね。

「確かに、個人客は増えるでしょう。ただし、ビザの障害がないから好きなところに行けるといっても、自分たちはタイ語しかわからないという人も多いので、ツアー客も増えていくと思います。団体ツアーの需要は、母国語の強い(=英語が通じない)国には残ります。日本はまさにそうですから」

タイの訪日旅行市場について、これまでぼくは多くの方に話を聞いてきましたが、ローカルの消費者にいちばん近い場所にいる方でなければわからないことはたくさんあります。それにしても、タバコの話は盲点でした。

ちなみに、HISタイについては、以下を参照。

「HISタイの訪日旅行の取り組みは要注目です」
「HIS、世界企業へ離陸 東南アジアで消費者開拓」【2013年上半期④HIS】
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by sanyo-kansatu | 2013-10-17 20:18 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 17日

チェンマイはこうして中国人の人気旅行先になった【タイで見かけた中国客 その3】

チェンマイは城壁と堀に囲まれた古都で、タイ第2の都市です。

ここでも多くの中国客を見かけました。バンコクに比べて小さい街だけによく目に付くんです。チェンマイ芸術センターのような観光施設は、どこも中国の団体客でいっぱいです。みんな大声でよくしゃべるので、彼らが現れると一瞬あたりは騒然とします。チェンマイは車こそ多いものの、静かなお寺の街ですから。
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中国本土客を呼び込むための簡体字の表示や看板も街にあふれています。昔はこんなことなかったのに……。久しぶりに来てそう思いました。なにしろ訪タイ外国人数のトップですから、当然のことでしょう。
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中国人だけ1割引というレストランの貼り紙もあったほどです。

中国客急増の背景には、昨年12月12日に中国で公開され、13億元超(約200億円)の大ヒットとなったコメディ映画『Lost in Thailand(人再囧途之泰囧)』の影響があるといわれています。
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Lost in Thailand(人再囧途之泰囧)

タイを舞台にした3人の中国男たちのドタバタ爆笑コメディですが、彼らが外国を自由に移動する姿は、まるでロードムービーです。しかも、中国人の北海道旅行のきっかけとなった中国映画『非誠勿擾』のように、ガイド運転手付きの旅ではありません。主人公たちはタクシーや三輪バイクのトゥクトゥク、そして自らバイクにまたがり、チェンマイの街を疾走していくシーンも出てきます。

非誠勿擾

チェンマイでは同映画のロケ地をめぐるオプショナルツアーも催行されていました。といっても、その内容は、実際のロケ地を訪ねるというものではなく、ゾウのショーを見たり、乗ったりというおなじみのアトラクションに加え、少数民族の村を訪ねたり、竹のいかだに乗って川下りをしたりするというアドベンチャーいっぱいの企画です。わりとよくあるオプショナルツアーですが、映画のイメージに引っかけることで中国客を集めようとしているのでしょう。
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タイとミャンマー、ラオスの3カ国の国境が接するゴールデントライアングルを訪ねるツアーもありました。内容は、タイ最北でミャンマーとの国境ゲイトのあるメーサイや首長族のいる村を訪ねたり、メコン川の遊覧船に乗ったりするものです。
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市内のあちこちにレンタルバイクの店があります。そこには必ず簡体字の説明があります。けっこう事故が起きているのか、その際の対処に関して詳しく書かれています。
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実際、ヘルメットを被ってバイクにまたがるふたり組の中国女性を見かけました。きっと映画に触発されたのでしょう。チェンマイに行ったら、レンタルバイクに乗るものだ、と彼女たちは来る前から決めていたに違いありません。

チェンマイは中国客にとって、ヒット映画が提示してくれたようなちょっとしたアドベンチャーを体験させてくれる海外旅行先となったようです。
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こうしてチェンマイは中国人にとっての新しい人気旅行先になりました。これを旅行業界用語で「デスティネーション」といいます。

デスティネーションというのは、一般の消費者にそこが明確な旅先(目的地)であると広く認知されたときに使われます。無名のうちは、消費者が頭に描く海外旅行地図に存在しないのと同じですが、ひとつのデスティネーションとしてあるイメージが認知されたとき、初めてツアーの候補となるからです。『非誠勿擾』がヒットしたことで、中国の人たちの頭の中にそれまでなかった「北海道」という地名が刻印されたのと同じです。
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『Lost in Thailand』の冒頭で、主人公がタイの空港に降り立ち、タクシーで市内に向かうとき、北京と同じような超渋滞の中、運転手から日本語で話しかけられ、思わず「No,I am Chinese」と英語で否定するシーンがあります。いかにもいまの中国人の心情を表しているようで、「やっぱりなあ」と思ったものです。
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by sanyo-kansatu | 2013-10-17 16:53 | “参与観察”日誌 | Comments(1)
2013年 10月 16日

観光バスの発着場で出待ちする法輪功【タイで見かけた中国客 その2】

前回(「中国、訪タイ外国人数トップになる」)、バンコクにあふれる中国人観光客の姿を紹介しましたが、今回は、タイで彼らを待ち受けている、なんとも気の毒な光景について報告しましょう。
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バンコクの王宮広場前、中国客の乗るツアーバスの前で大きなパネルを掲げるひとりの男がいます。彼は何者なのか。そうなんです。タイ在住の中国の気功集団「法輪功」の関係者です。

なんだかいろんなメッセージが書き込まれています。わかりやすいところでいうと、「中共≠中国」。その理由として、中国には5000年の歴史があるが、中共には100年に満たない……。
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さらに、中国共産党からの脱退を呼びかける、いわゆる「脱党運動」のすすめ。

こうした彼らの活動は、イギリスやフランス、ポーランド、ギリシャ、ロシア、香港、韓国、インドネシア、日本でも行われているとパネルには書かれています。
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傍で見る限り、これは相当たちの悪い嫌がらせといえなくもありません。せっかくの楽しい海外旅行。誰もがリラックスして気を抜いているのどかなひとときです。いざ観光に出かけようとバスを降りた瞬間、彼らはこのパネルを目撃することになるからです。
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法輪功サイドもよくもまあこんな手を思いついたものです。確かに、タイを訪れる年間約300万人の中国客の大半は間違いなくここに現れるでしょう。

彼らは、バスの発着場でツアー客の出待ちをし、決してスローガンを唱えることも、騒動を引き起こすこともなく、静かにパネルを掲げるのみです。一方中国客たちも、まるで何も見なかったかのような顔をして無言でバスに乗り込みます。

中国客の無関心ぶりは、彼らの心情を察するまでもなく理解できます。とはいえ、中国の海外旅行者数が9000万人を超えたといっても、総人口からすれば数パーセントに過ぎないわけで、ここにいる彼らは自国では上位の階層に属していると一応いえます。中国社会の暗部から目を背けるな、という法輪功の主張は誰も否定できないでしょう。ただ彼らの活動が国内で禁止される以上、海外で続けるほかないため、この皮肉な光景が現出するわけです。

それにしても、中国政府が「邪教」として迫害する「反政府勢力」と、いたいけなレジャー客との接点が、バンコクの有名観光地にあったとは……。これも、なにかと騒がれがちな中国人の海外旅行のワンシーンなのです。今日の中華世界のリアルな現実を象徴する光景といえるでしょう。
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公平を期すため、日本の法輪功公式サイトと中国大使館のHPの解説を参照しておきます。

●法輪功in Japan
法輪功の日本公式サイトでは、法輪功を「中国伝統の気功修煉法」だと解説しています。
http://www.falundafa.jp/

●中華人民共和国駐日本国大使館
中国政府の見解では、法輪功は「一口で言えば、中国の『オウム真理教』」だそうです。でもそれはちょっとどうでしょう?
http://www.china-embassy.or.jp/jpn/zt/xjflg/t62971.htm
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これが彼らが配っていたパンフレットです。
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by sanyo-kansatu | 2013-10-16 10:12 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 10月 14日

中国、訪タイ外国人数トップになる【タイで見かけた中国客 その1】

今年の初め、タイ政府観光庁のニュースアーカイブは「2012年の訪タイ者数2200万人突破」と以下のように報じています。

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「タイを訪れる外国人観光客数が2012年、前年比16%増の2230万人となり、過去最高を更新した。観光収入は総額9650億バーツ(約3兆200億円)で前年比24%増だった。外国人観光客がもたらす観光収入は同国の主要な外貨獲得手段であり、政府は今後も積極的に観光客誘致に取り組む方針だ。現地紙バンコク・ポストなどが報じた。

同国の観光・スポーツ省によると、国別で最多だったのは中国で270万人、以下、マレーシアが250万人、ロシアと日本が130万人で続いた。地域別の観光収入は首都バンコクが4300億バーツ、ビーチが人気の南部プーケットが1800億バーツなど。

タイ政府は15年までに観光収入2兆バーツ突破を国家目標に設定しており、今年は外国人観光客2450万人、観光収入1兆6000億バーツを目指す。今後は通常の観光に加え、国際会議や見本市、学会など「MICE」の誘致にも注力する方針だ」。

ランキングは以下のとおりです。

◆2012年 タイへの外国人到着者数(国/到着者数/変動)
1位 中国 2,789,354人 +62.5%
2位 マレーシア 2,560,963人 +2.43%
3位 日本 1,371,253人 +21.58%
4位 ロシア 1,317,387人 +24.97%
5位 韓国 1,169,131人 +16.18%
6位 インド 1,015,865人 +11.03%
7位 ラオス 951,090人 +6.63%
8位 オーストラリア 930,599人 +12.14%
9位 イギリス 870,164人 +2.98%
10位 シンガポール 821,056人 +20.33%

2012年、中国はタイの隣国マレーシアを抜いて堂々トップとなったようです。それまでは、日本はマレーシアに次ぐ2位でしたが、中国に一気に追い抜かれてしまいました。

どおりでバンコクでは、中国人観光客の姿をよく見るわけです。
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8月上旬、バンコクの王宮の周辺は中国人団体ツアー客を乗せたバスで込み合っていました。バスのフロントの車窓に、ツアーを主催した旅行会社のプレートが置かれているので、中国のどこから来たツアーかわかります。日本でもよく見かける広東省の南湖国旅、上海の春秋旅行社などが見えます。
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中国客の皆さんは相変わらずにぎやかで楽しそうです。
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ところが、水上ボートの乗り場の近くの小さな市場で、「禁止乱扔拉圾(ゴミ捨てるな!)」と手書きで書かれた中国語の貼り紙を目にしてしまいました。いまや彼らの出没する場所には必ず見られる光景といえます。
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たまたまバンコクの老舗ホテルのアジアホテルに立ち寄ると、ここは中国団体客が多いらしく、ホテルの前はバスでごった返しており、ロビーも中国客が埋め尽くしていました。実はこのホテル、1980年代は日本の団体客もよく利用していたはずです。
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中国の旅行関係者によると、中国人はタイの団体ツアーに参加する場合、ビザは免除されているそうです(個人客はビザが必要)。これが爆発的にタイに中国本土客が増えた理由でしょう。
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by sanyo-kansatu | 2013-10-14 10:43 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 09月 26日

タイ人客の誘致は食のプロモーションと連動させるべき(TITF報告その4)

8月中旬にバンコクで行われたタイのトラベルフェア(Thai International Travel Fair #13)で、日本からの出展団体で構成されるジャパンゾーンが盛況だったことを先日報告しましたが(→圧倒的なにぎわいを見せたジャパンゾーン。その理由は?(TITF報告その2))、その点について以前ぼくはこう書きました。

日本側がこれほど積極的だったのは、出展団体の多くが、昨年以降の中国に対する嫌厭感からにわかに進んだ日本経済の東南アジアシフトの機運と同調しているからだろうと。

ローカルブースに出展しているあるタイ在留邦人も、はっきりこう言います。「こんなに日本からの出展が増えたのは、中国問題にある。中国で痛い目に遭ったから、タイしかないというムードになったにすぎないのでは」。

日タイ関係を長く見てきた現地邦人たちは、今回のジャパンブース盛況の理由を意外に冷静に見ているのです。そして、彼はこう付け加えました。

「今後、日本の皆さんが期待するほどのタイの訪日旅行マーケットの爆発が起こるとは限らない。それは事前に了解しておいてほしいと思います」。

確かに、タイはここ数年、目覚ましい経済成長を遂げ、少なくともバンコクにいて巨大なショッピングモールに繰り出すタイ人たちの旺盛な消費力を目にしていると、この国に多くの海外旅行者が現れても、なんら不思議ではないとぼくは感じました。

実は、タイではこのところ政変や大洪水など、経済成長にブレーキをかける事態が頻発しました。それでも、現地関係者によると「タイの海外旅行市場は、2011年後半(10月末から12月前半)の大洪水の影響で12年度前半は落ち込みが見られましたが、後半は持ち直し、最終的に12年全体の統計では、タイ人の海外旅行者数は前年度比6%増の572万人」とのことです。

タイの海外旅行者数は、2012年時点で572万人という規模です(しかも、数では国境を接したマレーシアなど近隣国が上位を占めます)。そのうち、訪日したのは26万人。たとえば、同じ年の中国の海外出国者数は8300万人で、訪日は140万人です。確かに、インバウンドは市場規模がすべてではありません。むしろ市場の分散の必要こそが、昨年の教訓ですから。しかし、市場規模の違いは歴然としています。タイの人口は約6600万人ですが、広東省の人口だけで約9000万人いるのです。

その点について、別の在留邦人はこう指摘しています。「タイを訪れる日本人は1990年代に入り急増しましたが、2000年代に一時停滞しました。それでもここ数年また東南アジア経済の成長で持ち直し、だいたい年間120~30万人で落ち着いています。

つまり、渡航者数には頭打ちの時期があるのです。では、訪日タイ人数の落ち着きどころはどのくらいか? こればかりは誰にもわかりませんが、私はだいたい50万人くらいではないか、と考えています。根拠があるわけではないですが、タイの人口や経済規模からいって、そのくらいに見積もるのが妥当という考えです」

タイの訪日市場の伸び率は高いけれど、伸びしろには限りがあるのではないか。

昨年、中国で傷ついた日本人は、あらゆる面で好意的なムードと環境に恵まれたタイに来て癒された。実は、今回ぼく自身まったくそうでした。その気持ちはわかるけど、ムードだけで押し寄せても、どれだけの成果を得られるか、冷静に検討する必要があるだろう、という現地の声もあるのです。

タイで富裕層向け訪日旅行のフリーペーパー『The Cue Japan』を発行するO2 Asia Travel Design Co.,Ltd.の吉川歩代表取締役社長は、こう分析しています。
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The Cue Japan
https://www.facebook.com/pages/The-Cue-Japan/232035476859567

「タイの訪日旅行市場の規模を推定するポイントは2つあります。まず、すでにいるリピーターがあと何回日本に来てくれるか? そして、初めて来日するタイ人旅行者があとどれだけ残っているか?」

我々日本サイドが新しく“発見”したと思っていたタイという優良な訪日旅行市場も、現地の感覚ではすでにかなり成熟しているというのです。こうした現地サイドの客観認識をふまえ、これからタイ市場に対して何をすべきなのか。吉川さんはこう提言します。

「まず大事なのは、リピートできる都市を増やすことでしょう。現在、東京、大阪、札幌などがそれに当たると思いますが、もっと候補がないとリピーターを増やすことはできません。では、タイ人が1回しか訪れてくれない都市と何度もリピートしてくれる都市との違いは何か。それは食にあると思います」

タイ人の日本食好きについては、本ブログでも何度か紹介してきましたが(→タイ人はイチゴが大好き!? 旅行作家・下川裕治さんが語る「タイ人客はドーンと受け入れてあげるといい」)、やはり誘致のカギは食にあるというのです。吉川さんは言います。

「タイ人の訪日誘致は観光だけでは十分ではないと思います。地元の食の魅力を打ち出すことが、知名度を上げることにつながります。おいしいものを食べてみたいという動機だけで、その土地に訪れたいと思うのが、タイ人です。もっとそれぞれの地域が地元の食を強くアピールすべきでしょう。

そのためには、今回のトラベルフェアのような場でも、観光PRだけでなく、食のプロモーションと連動させるべきではないでしょうか」

なるほどと思いました。お祭りのようなタイのトラベルフェアですから、きまじめに「観光」PRだけに徹する必要はないのです。

実は、『DACO』(http:www.daco.co.th)という日本人の発行するタイ人向け情報誌の8月号に茨城県の食の物産展の広告が載っていました。そこには、いかにもタイ人が好きそうなイチゴやメロンなどのフルーツや地元食品が写真入りで紹介されていました。
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バンコクではこうした日本の自治体の物産展がよくあるそうですが、残念ながら同県はTITFには出展していませんでした。

つまり、吉川さんは、こうした食の物産展と観光誘致を連動させることが知名度を上げることにつながる。それがタイの訪日旅行市場の開拓にとって重要だと言っているのです。これはすべての国で当てはまる手法ではないかもしれませんが、少なくともタイでは有効なのです。

ところで、話は変わりますが、今回JNTOバンコク事務所がまとめた「TITF速報」には以下のような文面がありました。

・ 開催期間中、VJブースは常に来訪者で賑わっている状況であったが、他国NTOブースは閑散とした状況であり、訪日旅行の人気ぶりが顕著であった。

なかでも中国ブースの閑散とした状況は、たまたま隣にジャパンゾーンがあったことからも、その対照的な光景が印象に残りました。なぜだったのか。これにはいろいろ理由が考えられます。
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まず8月のTITFは2月に比べ、サブ的なイベントであることから、中国側のモチベーションは最初から低かったのかもしれません。いくつかの省ごとに机を並べただけの簡素な出展ブースにパンフレットを置くだけではPRにつながらないことは、最初から彼らもわかっていたことでしょう。午後になると、接客するスタッフすらいなくなっていたほどでした。

実は、先日東京ビッグサイトで開催されたJATA旅博でも、中国ブースでは同様の光景が見られました。「日本からの中国ツアー8割減」というニュースが伝えられる中、商機がないと悟ると、さっさと現場を立ち去る姿は、いかにも「中国人」らしいというべきなのか?

ただし、こんな事情もあるかもしれません。今年、タイを訪れる中国人観光客は過去最高になり、日本人客をはるかにしのいでいます。いまの中国の旅行業界はインバウンドよりもアウトバウンドに関心があるようです。国家旅游局の予算の配分にも影響があるのかも。

それからもうひとつ。日本より数の上では多くのタイ人客が訪れている韓国は、今回のTITFに出展すらしていませんでした(来年2月は出展するでしょうけれど)。今回のTITFにおいてジャパンゾーンが盛況だったことも、競合国のこうしたドライな対応を差し引いて考える必要があるのかもしれません。
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by sanyo-kansatu | 2013-09-26 12:40 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 09月 25日

タイで発行される日本旅行ガイドブックはよくできている(TITF報告その3)

8月中旬にバンコクで行われたタイのトラベルフェア(Thai International Travel Fair #13)で、日本の出展ブースが盛況だった背景に何があるのか。もう少し考えてみようと思います。
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その手がかりになるのが、旅行ガイドブックの物販ブースです。ぼくはタイ語はお手上げですが、編集者として旅行書籍を制作した経験から実用書としての約束事は了解していますから、文字や写真の配置やレイアウトなどを通して大まかにではありますが、どんな内容なのか、つかむことはできます。
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以前、このブログでもタイで発行される旅行雑誌について報告したことがありますが(→「タイの旅行雑誌には日本がこんな風に紹介されています」)、その物販ブースには、あらゆる国の多種多様なタイ語の海外旅行関連書籍や雑誌が販売されていました。

正直なところ、個人旅行のためのガイドブックがこれほど充実しているとは思っていませんでした。中国の旅行書籍の事情をぼくはそこそこ知っていますが、実用書としてのできばえを見る限り、明らかにタイは中国より進んでいます。誌面を通して実際に個人旅行している「タイ人読者=旅行者」の存在をうかがわせる企画内容や、情報伝達の仕掛けや工夫が見られるからです。タイで発行される日本旅行ガイドブックは実によくできているんです。これだけの書籍が存在する以上、成熟した旅行者がこの国には存在している。そう確信するに至りました。

なかでも印象的だったのが、「Japan World-Mook Series」という2010年に創刊した訪日旅行に特化したタイ語版ムックシリーズです。

Japan World-Mook Series
http://www.japan-mook.com

同書の編集は、1991年創刊の「まるごとタイランド」という現地邦人向け情報誌を発行していたMarugoto(Thailand)CO.Ltd(http://www.marugoto.co.th)。現在この情報誌は休刊となってしまいましたが、同社では、「富士山」「北海道」「東北」「日本食」「城」「お土産」「新幹線」など、地域や文化テーマ別に切り分けた24タイトル(2013年8月現在)のガイドブックシリーズを、タイ人スタッフによる編集で発行しています。
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何よりタイ人の視点で編集されていることが特徴です。Marugoto(Thailand)CO.Ltdの丸山純代表取締役社長によると、売れ筋ランキングの1位は「北海道」、2位は「富士山」、3位は「新幹線」だそうです。なぜこれらのエリア・テーマが売れるのか、タイ人の視点に立ってあらためて考える必要がありそうです。
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同シリーズでは、タイ人が日本でやりたいこと、それを実現するために理解しておくべきこと、それは実用情報だけでなく、文化的・歴史的バックグランドの解説まで、豊富な写真を使って解説しています。タイ語が読めないのがちょっと残念なくらいです。

実は、この「Japan World-Mook Series」は、2013年2月12日に在タイ日本国大使公邸で開催された“Reception for Japan-bound Tourism Promotion”において、訪日旅行の促進に貢献した旅行ガイドブックとして「Japan Tourism Award in Thailand」を受賞しています。

「Japan Tourism Award in Thailand」は、訪日ツアーを精力的に販売した旅行事業者や、訪日観光に貢献した個人・団体に対して「トップエージェント賞」「ユニーク・ガイドブック賞」など4つの賞に分けてJNTOバンコク事務所が表彰するものです。

「Japan Tourism Award in Thailand 2012」(JNTOプレスリリース2013.2.13)
※このプレスリリースには、2012年に訪日旅行の促進に貢献したタイの人気俳優や料理番組のシェフなども表彰されたことが報告されています。タイで日本旅行が人気となった背景に、テレビの影響は大きいといわねばなりません。

そのときのもうひとりの受賞書が、旅行ガイドブック『一人でも行ける日本の旅(Japan ญี่ปุ่น คนเดียวก็เที่ยวได้” )』を執筆したタイ人女性のBAS(バス:ペンネーム、オラウィン・メーピルン:本名)さんです。
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このガイドブックも、TITFの書籍物販ブースで見つけました。同書は2タイトルあり、日本全国31か所の観光地について、アクセス情報も含めて、詳しく説明しています。本書の特徴は、東京や大阪などの主要都市から離れた日本語の標記しかない地方の観光地についても、地名標記の写真を掲載したうえ、タイ語に翻訳して説明してあるなど、日本語ができないタイ人でも、一人で日本旅行できるよう工夫を凝らされた実用ガイドとなっていることです。また女の子らしいイラストも豊富に使われていて、楽しく読みやすいデザインになっています。

BASさんの本業はカメラマン&編集者。同書に掲載された写真はすべて本人が撮影しており、 「一人で行ける日本①」が初のガイドブック。その後、シンガポールなどのガイドブックも上梓しているそうです。

実はこれ以外にもいくつかの日本旅行に関するユニークな書籍を見つけたのですが、今現在、その内容について詳しくお伝えすることができません。今後、タイ人留学生の皆さんと一緒に、これらの書籍の内容について検討しようという計画があります。後日、あらためて報告したいと思います。

※その後、タイ人留学生とのガイドブック検討会を実施しました。以下を参照のこと。

ガイドブック『一人でも行ける日本の旅』をめぐるタイ人留学生との問答集
http://inbound.exblog.jp/22471323/
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by sanyo-kansatu | 2013-09-25 21:51 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 09月 25日

圧倒的なにぎわいを見せたジャパンゾーン。その理由は?(TITF報告その2)

今回のタイのトラベルフェア(TITF)で最もにぎわいを見せていたのは、ジャパンゾーン(日本の出展ブース)だったといっていいと思います。なにもこんなところで日本を持ち上げても仕方ないのですが、他国のブースと比べても、日本は出展数が多く規模が大きいというだけでなく、力の入れよう、やる気がまるで違っているように見えました。日本の関係者の皆さんはいつも通りの生真面目さで、日本観光のPRにいそしんでおられました。
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では、ジャパンゾーンを見ていきましょう。まず、ジャパンゾーンを束ねている日本政府観光局(JNTO)の「VJブース」です。秋以降の日本ツアーのイメージを打ち出すということもあり、テーマは「祭り」だそうです。
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ここでは日本の特定の地域のPRをすることは基本的にありませんが、来場客からの日本旅行に関する質問に答えるためにタイ人のスタッフを多数常駐させています。
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今回ジャパンゾーンには、以下の24団体が参加しています。

1)日本国観光庁・日本政府観光局(JNTO)
2)北海道観光振興機構
3)北海道観光ブランド育成協議会
4)札幌市
5)仙台市/東北観光推進機構
6)群馬県みなかみ町
7)静岡県
8)北陸国際観光テーマ地区推進協議会
9)日本中部(岐阜県・長野県・名古屋観光コンベンションビューロー)
10)関西&大阪(Jプロデュース)
11)紀伊半島滞在型観光プロモーション事業実行委員会
12)九州観光推進機構
13)ツーリズムおおいた
14)沖縄観光コンベンションビューロー
15)東日本旅客鉄道(びゅうトラベルサービス)
16)東京急行電鉄
17)EDOWONDERLAND日光江戸村
18)ドン・キホーテ
19)東京ディズニーリゾート
20)さっぽろかに本家
21)いわさきグループ
22)JTBグローバルマーケティング&トラベル
23)ジャパニカンドットコム
24)ジャパンショッピング&トラベルガイド

会場をめぐりながら関係者にいくつかヒアリングをしましたが、タイ人が最近急増している北海道や、「昇龍道」という特設ルートを設定し、広域連携する中部や北陸、タイ人誘客を模索している九州、沖縄などのブースが目を引きました。
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北海道のブースでは本物の雪だるまを展示していました。タイの子供たちが寄ってきて、おそるおそる触れていました。ありがちな演出かもしれませんが、常夏の国タイの人たちにはウケるのでしょうね。
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札幌市のブースには日本語を話すタイ人女性が2名いました。「北海道でタイ人がよくツアーに行くのは道南です。札幌、小樽、函館を訪ね、登別温泉に泊まります。雪まつりが人気です」とのこと。
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宮城県仙台市のゆるキャラ「むすび丸」と一緒に記念撮影するタイの女子大生。 
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今年、世界遺産となった富士山はタイ人のツアーには絶対はずせないスポット(静岡県ブース)。
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中部や北陸が広域連携して企画した「昇龍道」。ゴールデンルートに代わる新しい定番ルートになるか?
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ステージで沖縄のエイサーを披露した皆さん。
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Japanレイルパスの販売にも力を入れている。今後増えるであろうタイの個人旅行者の必須アイテムとなるはずだ。
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日光江戸村は早くからタイ人客の誘致に力を入れていた。
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小売業者として唯一日本から出展していたドンキホーテ。
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東京ディズニーリゾートはタイ人にも人気。
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JTBグローバルマーケティング&トラベルの運営する訪日外国人向け宿泊&ツアーサイト「JAPANiCAN」http://www.japanican.com/thai/は今年3月、タイ語のトップページを構築した。
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さらに、ジャパンゾーンとは別の場所で、HISとJTBのバンコク支店のブースがツアー販売を行っていました。彼らは地元の旅行会社と競合しながら、日々タイで営業を行っている現地法人です。興味深いのは、この日本を代表する旅行大手2社が出展したブースの雰囲気とそこに集まる客層、接客スタイルなどを比べると、まるで日本における両社の特徴をそのまま反映しているように見えたことです。
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ひとことでいえば、JTBのブースに集まる客層は比較的裕福に見える中高年が多く、HISには若い客層が多いのです。これは日本でもそうなので、面白いものだと思いました。

タイではJTBもHISもブランド力という観点でみれば、大差はありません。知名度は両社ともまだないといっていい。では、扱う商品や営業スタイルが違うのか。それもあるでしょうが、重要なのは、両社の世界戦略の違いです。つまり、ローカル客に対してどこまで営業に注力しているか、という姿勢の違いでしょう(→「HIS、世界企業へ離陸 東南アジアで消費者開拓」【2013年上半期④HIS】)。

そのせいでしょうか、HISのブースのほうが圧倒的に勢いがありました。その理由については、このブログでも以前少し触れましたが(→「HISタイの訪日旅行の取り組みは要注目です」)、今回は同バンコク支店を取材したので、別の回であらためてもう少し詳しく紹介したいと思います。
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日系企業という意味では、イオンのブースにも興味を持ちました。同社は自社の発行するクレジットカードのPRのための大きなブースを出していたのです。海外旅行者が増えるとクレジットカード需要が増えるのは当然です。イオンはタイで小売分野だけでなく、金融分野でも勢力を伸ばそうとしていると聞きます。
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さて、TITFでは別会場を使った商談会やビジネスセミナーが行われます。今回日本側が強くアピールしたかったのは、8月16日の午後に行われた在タイ日本国大使館による査証免除に関するプレゼンテーションでした。今年7月1日よりタイ人に対する観光ビザの免除が実施されたことに対する広報PRが目的です。
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VJ(JNTO)ブースにも「日本観光に、ビザは不要となりました」とタイ語で書かれたパネルが掲げられていました。

JNTOバンコク事務所のスタッフによると、「今回は8月のTITFとしては日本から過去最大の出展(24団体)となりました。タイ人にとって日本は憧れの国です。ですからビザ免除は、現地メディアでも大きく報道されました。タイの人たちは、今回の決定で自分たちは日本に認められたと喜んでいます」とのことです。

同事務所がまとめた「TITF速報」によると、以下のような問い合わせ、質問があったそうです。

・ 訪問地に関する問い合わせでは、東京~大阪のゴールデンルートに含まれるエリアが最も多く、これに北海道、高山・白川郷が続くといった状況であった。但し、問い合わせは人気地域に集中している訳ではなく、これまで問い合わせの少なかった中国・四国地方などの地域に関する質問も寄せられ、前回2月のTITF旅行フェア同様、FIT旅行者を中心としてタイ人の興味が全国に拡大していることが実感された。

・ 旅行内容についての問い合わせでは、10月をターゲット時期とする旅行フェアのため、紅葉に関する質問が相次いだ。また、FIT層の増加に伴う鉄道パスやレンタカー等の移動手段やWiFi等の携帯電話利用に関する質問、さらには、温泉や食・レストランに関する問い合わせが寄せられた。

・ リピーター増加に連れて質問内容が深化する一方で、「日本のどこに、いつ行くべきか」といった訪日未経験者からの質問も多数寄せられ、訪日旅行市場のすそ野が拡大していることを感じられた。

・ 年末年始に関する問い合わせや、スノーレジャーに関する質問も目立っていた。

・ 査証カウンターでは、滞在可能日数や入国審査時の必要資料について質問を受けた。

(第13回Thai International Travel Fair(通称TTAA旅行フェア)出展についてのご報告(速報)より抜粋)

これらの報告を見る限り、タイの日本旅行客はずいぶん成熟しつつあることを実感します。質問内容からも、彼らが個人旅行の意欲にあふれていることもうかがえます。タイの消費者がこうした状況を迎えた中で実施された観光ビザ免除は、両国にとってきわめて好タイミングだったというべきでしょう。

今回会場で会った多くの関係者に共通していた声があります。それは、ジャパンゾーン(日本の出展ブース)が盛況だったのは「円安、ビザ緩和」が主な理由だろう、というものでした。たまたま2013年が「日本アセアン友好協力40周年」にあたり、「(アセアン客)訪日100万人プラン」という明快な政策目標が掲げられていたこともあるでしょう。しかし、日本側がこれほど積極的だったのは、昨年以降の中国に対する嫌厭感からにわかに進んだ日本経済の東南アジアシフトの機運と同調しているからだと思います。

JNTO関係者によると、来年2月のTITFの日本からの出展団体はさらに増えるだろうと予測しているそうです。

こうしてみると、今回のタイのトラベルフェアにおけるジャパンゾーンの盛況ぶりは、日本とタイ両国の双方のそれぞれの事情が、偶然であれ何であれ、うまく結びついた結果なのだろうと思います。このようなことは、いつでも、どこの国との間でも起こるとは限りません。だからこそ、タイとの関係は大切にすべきだといえるでしょう。
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by sanyo-kansatu | 2013-09-25 16:39 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2013年 09月 25日

8月中旬、タイのトラベルフェアに行ってきました(TITF報告その1)

8月中旬、タイのトラベルフェア(Thai International Travel Fair #13)に行ってきました。日程は、8月15日(木)~18日(日)。会場はバンコクのシリキット国際会議場(Queen Sirikit National Convention Center)です。
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TITF(ただし、サイトの内容はすでに来年春の告知に更新)
http://www.titf-ttaa.com/
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タイのトラベルフェアは毎年2月と8月の年2回、開かれます。タイの旅行シーズンは4月のソンクラーン(旧正月)と10月のスクールホリデー(夏休み。タイでは10月がいちばん暑い!)なので、それを当て込んで2か月前に催されるのです。

というのも、日本や中国などで開催されるトラベルフェアとの大きな違いは、会場が旅行商品の一大即売会となることです。つまり、タイのトラベルフェアの会場には、単に観光局や旅行関連の展示ブースが並ぶだけでなく、航空券やホテルの宿泊券、パッケージツアーなどが特別価格で販売されるのです。当然会場は、この機を逃すまいと足を運ぶ一般客の姿であふれることになります。
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9月下旬現在、来場者数は集計中ということで発表されていませんが、参考までに昨年8月の同旅行フェアの主催者発表を挙げると、30万人だそうです。総売上も集計中ですが、昨年は3億バーツ(約9.3億円 1バーツ=3.1円)。

総出展ブース数もまだですが(昨年8月は597ブース)、今回出展した海外の主な政府観光局は、中国、台湾、マレーシア、フィリピン、インドネシアなどでした。大体の規模がおわかりになったかと思いますが、実はタイのトラベルフェアはもともと2月がメインで、8月のイベントの規模はそれに比べると小さいそうです(8月の開催は2011年から。また2月の来場者は毎年約80万人、売上も30億円規模とのこと)。

では会場をざっと眺めていきましょう。

会場は大きく各国の政府観光局、エアライン、ホテルといった展示が中心のブースと、海外や地元タイの旅行会社や旅行グッズ、ガイドブックなどの展示即売&物販ブースに分かれています。
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珍しいところでは、ブータンの政府観光局ブースもありました。また、レンタカーやアウトドア関連の物販、クレジットカードの入会など、あらゆる旅行にまつわる商品のブースが集まっています。こうしたブースを眺めているだけで、タイ人の旅行シーンの現在形が見えてきます。
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展示即売ブースでは、各社ともパネルに各種ツアー料金リストを大きく貼り出し、チラシやパンフレットを配るのはもちろんですが、その場に特設カウンターを設け、ツアーを販売しています。来場客はいくつもの会社をめぐり、ツアー商品の中身と料金を見比べ、これぞと思うツアーを見つけると、その場で予約申し込みをします。なぜなら、前述したように、各社はこの会期中限定のスペシャル料金で売上を競い合っているからです。
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会場には、床に座り込んで、ブースめぐりでかき集めた大量のチラシやパンフレットを整理している一般客の姿もよく見かけます。いかにもタイらしい光景ですね。
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また特設ステージも設置されていて、常時各国エリアのプロモーションイベントやショーが繰り広げられています。タイのトラベルフェアにはお国柄がよく表れていて、お祭りのような楽しさにあふれていました。
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最後は会場に華やぎを与えてくれた、エアラインのキャンペーンガールたちのスナップです。ともにタイのLCC、ノック・エアとジェット・アジアの2社です。タイはアジアのLCC先進国のひとつです。その件はまた後日。
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さて、出展していた日本のブースの様子はどうだったでしょうか。次回「圧倒的なにぎわいを見せたジャパンゾーン。その理由は?」をご参照ください。
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by sanyo-kansatu | 2013-09-25 11:35 | “参与観察”日誌 | Comments(0)