2020年 09月 08日
「ソ連時代を知らない世代」は、ロシア社会の中でも確実に増えていて、いまの30代を含めた下の世代はほぼそうだといえそうです。さらに、1990年代生まれになると、スマホとSNSの時代を謳歌し、ストリートフォトやファッション、アートを志向する「21世紀の新しい現実の中で作品を撮り始めた世代」といえるでしょう。
ウラジオストクの現代アートスペース「ザリャー」で開催された写真展に登場した、この世代の写真家たちは、いったいカメラのファインダー越しに何を見つめようとしているのでしょうか。いやもうカメラではなく、スマホの時代だよと言われてしまいそうでもありますが、ひとまず年長者から順々に取り上げていきます。
36回 スマホで切り撮られた一瞬の構図と色彩が生む断片の美学 1990年生まれのレオニード・ズメギンツェフは風変わりなストリートフォトばかりです。人々が休日を過ごしている一場面には違いないのでしょうが、そこで何をしているのかよくわからない路上の人々の姿を好んで撮っています。 これらはすべてストリートの断片であり、街角で出食わした一瞬をスナップショットし、リアルタイムで自身のインスタグラムにアップすることを忘れません。写真の撮り方もそうですが、撮ることの意味自体が、年長の世代とは異なっているようです。あと面白いのは、彼の場合、詩的ともとれる長いキャプションを一枚一枚につけているところです。少々意味不明なつぶやきのようなものばかりなのですが…。これも彼のスタイルといえそうです。
43回 若手写真家が提示するオルタナティブな身体性とニューエロティシズム
彼女は自分の部屋の壁に白いシートを貼って、それを背景に彼らを撮影。その後、彼らに木炭クレヨンを渡し、プリントアウトしたモノクロの自分のポートレイトに好きに描き込ませることにしました。視覚的に切り撮られた自らのポートレイトに不満があれば、非難したり、美化したり、落書きしたりして描き換える自由を与えたのです。
また自分の同世代の女性たちのヌード写真を撮っています。この初々しさと控えめさはかえって新鮮に感じられます。
38回 ロシアのティーンエイジャーたちが演じるファッション写真の可能性 43回 若手写真家が提示するオルタナティブな身体性とニューエロティシズム
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by sanyo-kansatu
| 2020-09-08 17:19
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