人気ブログランキング |

ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

inbound.exblog.jp
ブログトップ

タグ:通訳・多言語化 ( 43 ) タグの人気記事


2015年 05月 05日

NHK報道をめぐり思う。通訳案内士って何だろう?

GWに入る前の週、NHKが以下のニュースを報じています。もうネットには記事が残っていないので転載します。

外国人向け「地域限定」通訳ガイド新設へ(2015年4月22日 NHKニュース)

「日本を訪れる外国人旅行者の増加に伴って、有料で通訳ガイドができる国家資格の「通訳案内士」が地方を中心に不足していることから、観光庁は自治体の研修を受ければ地域を限って有料で通訳ガイドができる新しい制度の創設を検討することになりました。

外国人旅行者に通訳をしながら、有料で観光ガイドをする場合、原則として通訳案内士の国家資格が必要ですが、外国人旅行者が増加するなかで地方を中心に通訳案内士が不足しています。

観光庁は有識者や旅行関係者などで作る会議で制度の改善を検討してきましたが、22日の会合で見直しの案が示されました。具体的には、自治体の研修を受ければ、一定の地域に限って、外国人に対して有料で通訳ガイドができる「地域ガイド制度」を全国的に導入することを検討するとしています。

また増加している東南アジアからの観光客の需要に応えるため、現在、英語や中国語など10か国語しかない通訳案内士の言語を増やし、インドネシア語やベトナム語などを加えることも検討することにしています。

一方、制度の罰則も強化し、資格を持たない通訳ガイドを有料で手配した旅行業者を罰則の対象にできないか議論することにしています。観光庁は制度の見直しによって、外国語ができる主婦や学生などを活用しやすいようにして、地域に根ざした通訳ガイドを増やしたい考えで、今後検討を重ねたうえで、ことしの夏までに結論を出すことにしています。
.
通訳案内士 大都市に集中

通訳案内士は、旅行会社などから依頼されてツアーに同行し、外国人の観光客に日本の地理や歴史、文化などを分かりやすく説明します。

原則として、「通訳案内士」の資格を持たない人が報酬を得てガイドの仕事をすることは法律で禁じられています。

60年以上前の昭和24年に創設されたこの制度は、このところ、多くの課題が指摘されるようになりました。

その1つは地方での通訳案内士の不足です。

通訳案内士は、去年の4月時点で全国に1万7000人余りいますが、そのうちの4分の3は東京や大阪などの大都市に集中しています。

このため観光庁は、3年前から全国の9つの地域(※)を特区に指定し、自治体の研修を受ければ、その地域に限り、報酬を受け取って通訳ガイドの仕事ができるようにしました。

この特区で、通訳ガイドになった人は633人いて、観光庁は「一定の成果を挙げ始めている」として、この制度を全国に拡充しようとしているのです。

※札幌市、福島県、高山市の中心市街地、和歌山県の一部、泉佐野市、奈良公園、沖縄県、九州、島根の一部

試験と言語は

通訳の言語にも偏りがあります。

案内士の資格を取ることができる言語は、10か国語。このうち7つが欧米のことばで、アジアは、中国語、韓国語、タイ語の3つだけです(※)。

しかも全体の67%は、英語の通訳で、中国語ができる人は12%韓国語は5%タイ語ができる人は僅か0.1%にとどまっています。

急増するアジアからの観光客の需要に、どう応えて行くかが課題となっています。
さらに通訳案内士の国家試験の見直しも課題です。

去年の案内士の合格率は22.7%。かつてより合格率は高くなったとは言え、難問や奇問が多く、およそ4人に1人しか受からない状況です。

問題は、複数の選択肢の中から1つの正解を選ぶ形式ですが、2012年の年末と2013年の年末の日経平均株価を問う問題や、高知県室戸岬での林産資源の活用方法を答える問題など、外国人向けの観光ガイドには、必ずしも必要とされないような細かい知識が求められています。

このように試験が実務に沿った内容になっていないという指摘があるため、観光庁は試験問題の見直しも行いたい考えです。

例えば、外国人のニーズの多様化に合わせて、ポップカルチャーなど新しい文化やトレンドの知識を盛り込むことや、外国人とのコミュニケーション能力を重視して行くことなどが検討される見込みです。

※対象言語=英、仏、独、露、スペイン、イタリア、ポルトガル、中国、韓国、タイ

鹿児島県 現状は

日本を訪れる外国人旅行者は、去年1年間で、1300万人を超えて過去最高となりましたが、多くの自治体では、通訳ガイドの不足に頭を痛めています。

温泉をはじめ、多くの観光地を抱える鹿児島県では、去年1年間に延べ25万人を超える外国人が宿泊しました。前の年よりおよそ36%増えています。

最近、増加が目立つのが海外からクルーズ船で訪れる外国人たち。船を下りた観光客の多くは、旅行会社が手配したバスで観光地に向かいますが、案内をするガイドが必要になります。

しかし鹿児島県内には、資格を持った通訳案内士が65人しかいないため、大型の船が入港する時には、他の県から応援を呼んで対応しているということです。

鹿児島県の通訳案内士の1人、内山眞弓さんは「観光していて、ただ通りすぎるのと、通訳案内士から詳しい話を聞くとでは全然捉え方が違う。大きい船が入ると、東京、大阪、福岡、広島あちこちから応援がきて、数が足りない状況です」と話していました。

このため鹿児島県は、通訳ガイドの育成に力を入れています。

韓国や中国からの観光客が多い九州では、おととし、国から特区の指定を受けて、自治体などが主催する中国語と韓国語の研修を受講すれば、九州内に限り通訳ガイドの仕事ができるようになりました。

報酬も受け取ることができるため、今回、国が検討を始める「地域ガイド制度」を先取りした形です。

鹿児島県では、特区の制度を使って、地元の通訳ガイドが26人誕生しました。地元の歴史や文化の紹介のしかたを教わりながら、ガイドとしての質の向上を図っています。

鹿児島県観光課の五田嘉博課長は「通訳案内士は非常に難しい試験なので、短期的に増えるのは難しい現状にある。急増する外国人旅行者に対応するためには、特区ガイドを増やしていかないといけない。鹿児島の魅力を多くの外国人に伝えて、また来たいと持ってくれるガイドをしてもらいたい」と話していました」。

さて、このニュース、視聴者はどう理解したでしょうか。そもそも「有料で通訳ガイドができる通訳案内士」とはどんな資格なのか。

一般の視聴者にとって、この問題をどのように理解すればいいか、よくわからないところが多いと思われます。あらためて言うまでもないことですが、通訳ガイドのサービスを受けるのは日本を訪れた外国人であり、日本の消費者ではないからです。もちろん、日本人も海外旅行先で通訳ガイドのサービスを受けたことはあるでしょうが、現在日本で行われている通訳ガイドの質や、居住都市、言語の片寄り、人材不足、制度の見直しといった問題について、ぴんとことないのは無理もない話だと思われます。

一方、この問題の当事者である現役の通訳案内士の人たちはこのニュースをどう受け取ったでしょうか。彼らは事業者のひとりとして、新設されるという「地域限定」通訳ガイドが自分の仕事にどう影響を与えるのか、気にしていることでしょう。

さらにいえば、東京五輪開催や訪日外国人旅行者の増加で、いはゆる「おもてなし人材」が求められるなか、将来観光ガイドとして外国人の旅行を案内したり、接遇する仕事に就きたいと考えている若い世代にとっても、この報道と議論の行方は関心のあるところでしょう。

そこで、通訳案内士の現状について考えてみたいと思います。観光庁の以下のサイトをみると、かなり具体的な状況が公開されています。

通訳ガイド制度
http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kokusai/tsuyaku.html

以下、その内容の一部を見ていきましょう。

通訳案内士とは
b0235153_16323643.jpg

通訳案内士試験に合格した人に与えられる資格です。

通訳案内士の仕事の受注の流れ
b0235153_16325647.jpg

通常、通訳案内士には旅行会社などから通訳ガイドの仕事が発注されます。

通訳案内士の合格者・登録者数
b0235153_1633124.jpg

受験者数は2005年頃から増えていますが、09年頃には下がり始めています。また13年に急に合格率が上がっています。といっても25.5%で、4人に1人の合格率です。NHKは、「去年(14年)の案内士の合格率は22.7%。かつてより合格率は高くなったとは言え、難問や奇問が多く、およそ4人に1人しか受からない状況です」と報じています。

この点については、関係者の間では逆の意見もあるようです。合格率が上がることで、質が低下するのではないかという懸念です。

通訳案内士の登録者数(都道府県別)
b0235153_16343584.jpg

東京都や神奈川県、大阪府、千葉県、兵庫県、埼玉県、京都府などの都市部で75%を占めています。都市への片寄りとはこのことです。

通訳案内士の登録者数(言語別)
b0235153_16345131.jpg

2014年4月現在、通訳案内士として登録しているのは17736人。そのうち66.9%が英語(11865人)で、次が中国語(2202人)です。14年に日本を訪れた1341万人のうち、アジア客が全体の約8割、また全体の半数近くが中国語圏(中国、台湾、香港)の人たちだったことからすると、中国語ガイドがわずか2202人と聞けば、なるほど人材不足であると思わざるを得ないでしょう。

通訳案内士の全体像
b0235153_1635479.jpg

これがすでに始まっている地域限定通訳案内士」「特例ガイド」の実態です。「3年前から全国の9つの地域を特区に指定し、自治体の研修を受ければ、その地域に限り、報酬を受け取って通訳ガイドの仕事ができるようにしました」と説明されています。NHKは「観光庁は『一定の成果を挙げ始めている』として、この制度を全国に拡充しようとしているのです」と報じています。

いずれにせよ、訪日外国人旅行者が東日本大震災以降のここ数年で500万人以上増えたという市場の激変があるだけに、通訳ガイドの人材育成は待ったなし、というのは多くの関係者の共通の認識でしょう。

ところが、観光庁では「通訳案内士の就業実態等について」(2014年12月)という報告もまとめていて、そこにはかなりショッキングな内容が書かれています。

通訳案内士の就業実態等について
http://www.mlit.go.jp/common/001066340.pdf

その一部を紹介します。

通訳案内士の年齢構成
b0235153_16381735.jpg

ここには「通訳案内士は、どの年代にも満遍なく分布している」と書かれていますが、年齢別で最も多いのは50代(31%)で、60代(24%)、40代(23%)と続きます。一般的に働き盛りと思われる30代(9%)、20代(1%)がこれほど少ないとは驚きではないでしょうか。

就業者の就業日数
b0235153_16383585.jpg

「就業者の年間就業日数は、30日以下が半数以上を占めており、より一層の活用方策が求められる」とあります。しかし、社会一般の通念からすると、年間30日以下の就業で生計を立てているとは考えられません。

通訳案内業に関わる年収
b0235153_16385439.jpg

「就業者の年収割合は、200万以下が約半数を占める」とあります。この数字からも、通訳案内業で生計を立てているといえるのだろうか、という疑問が生じます。

※ちなみに、観光庁の2009年の通訳案内士に関する報告書の中に、通訳ガイドのガイド料金の目安が記されています。そこには「1日25000円~45000円 半日20000円~30000円」とあります。
b0235153_1755388.jpg


通訳案内士の兼業先
b0235153_1640426.jpg

このデータをみて納得した人も多いでしょう。兼業先として「通訳・翻訳、学校教職員、塾・語学学校講師」があり、「主婦(夫)」の割合が高いというのが、通訳案内士の実態だったのです。

だとしたら、NHKが報じていた通訳ガイドの人材不足という指摘の妥当性はどうなのでしょうか。確かに、訪日外客がものすごい勢いで増えているのは事実なので、そう言って間違いではないとは思いますが、実際に資格を持ちながら、これほど就業実態が少ないという状況をどう考えたらいいのか。

次回以降、関係者の声を聞きながら、この問題をさらに考えてみたいと思います。

「通訳案内士制度のあり方に関する検討会」って何?
http://inbound.exblog.jp/24445622/

メディアは「通訳案内士」問題をどう報じてきたか
http://inbound.exblog.jp/24446629/

通訳案内士になるには? 適性は?
http://inbound.exblog.jp/24449064/

通訳ガイドの働き方、海外ではどうなのか?
http://inbound.exblog.jp/24450294/

海外の観光ガイドサービスのモデルを日本に持ち込もう
http://inbound.exblog.jp/24460875/

通訳案内士制度をめぐる議論がかみ合わないのはなぜか
http://inbound.exblog.jp/24463450/

無資格ガイド問題とは何か?
http://inbound.exblog.jp/24472149/

訪日旅行市場最大の中国語通訳案内士の現場は大変なことになっていた
http://inbound.exblog.jp/24486566/

中国語通訳案内士を稼げる職業にするための垂直統合モデル
http://inbound.exblog.jp/24489096/

by sanyo-kansatu | 2015-05-05 16:41 | “参与観察”日誌
2015年 04月 17日

これはやばい!? 日本にはおかしな中国語表示があふれている

昔アジアの国々では、おかしな日本語の使われ方をした表示や商品コピーが氾濫していました。今でも見かけることはありますが、そういう物件を見つけては脱力感を味わいつつ、面白がっていたものです。

たとえば、海外のお土産店などに書かれた「どうぞフタタビよくいらっしやいませ」(「またのお越しをお待ちしております」のつもり?)というような日本語表示です。

雑誌『宝島』で連載されていた「VOW街のヘンなもの」という読者コーナーには、国内外の看板や標識、商品コピーなどに見られる誤植や間違った日本語の例が数多く投稿されていました。海外旅行に行ってわざわざおかしな日本語を探したり、変な日本語が書かれたTシャツを土産にしたりする、なんてことを競い合っていたのです。

VOW街のヘンなもの
http://vowtv.jp/

ところがです。最近の訪日中国客とその爆買い旋風にあおられた全国各地の観光地や量販店などで、同じことが起きてしまっているようなのです。

そうなんです。いまや日本でも、間違った中国語が使われた看板や標識、商品表示が続々と現れ、中国語VOWな世界と化してしまっているのです。

海外でもそうであるように、そのまちに暮らすコミュニティの人たちはほとんどその間違いに気づいていません。この場合、それに気づくのは中国語を使っている人たちです。彼らから見れば、「なんじゃこりゃ!?」という感じでしょう。

このことをぼくに教えてくれたのは、台湾のドラッグストア研究家の鄭世彬さんです。以下、彼が見つけてぼくに送ってくれたVOWな中国語表示をいくつか紹介します。

台湾のドラッグストア研究家、鄭世彬さん
http://inbound.exblog.jp/24182824/

まず単純に笑っちゃうものから。これは大阪のあるコンビニに貼られていた中国語表示です。
b0235153_1021154.jpg

「从清晨到深夜 你可以购买便利店 上午7:00~2300(全年无休)」

これを見たとき、鄭さんは「エーっ」と思わず声を上げたそうです。なぜなら、これは「早朝から深夜まで、あなたはコンビニ店を購入できます」という意味になるからです。購入できるのは商品であって、コンビニ店舗そのものではありませんよね。

正しくはこうなります(以下すべて、ぼくが中国語を教えていただいている中国人大学院生に添削してもらったものです)。

「可以在便利店买东西 7:00~2300(全年无休息日)」

次は某量販店の告知です。「万引きは犯罪です。発見次第、警察に通報します」と日本語では書かれているのですが、中国語簡体字の表記はこうです。
b0235153_10211919.jpg

「高是犯罪,找到在次序和警察通」

ここでも、鄭さんは一瞬頭がポカーンとしたそうです。「高」って誰だ? 中国人の名字に高さんというのはよくありますが…。なぜこんな単純な間違いをしたのか、笑うしかなかったそうです。万引き=偷窃です。

正しくはこうなります。

「偷窃是犯罪,一旦被发现将被通知警察」

次はもうなんというか、たいして中国語のできないぼくから見ても、唖然としてしまいました。「多目的トイレ」の中国語繁体字表示です。
b0235153_10213973.jpg

「多功能馬桶」

「馬桶」というのは、室内で使用するふた付き簡易トイレ、要はおまるのことです。いまのように高層ビルが建つ30年くらい前、水洗化の遅れていた上海では、ふつうに使っていたそうですが……。このトイレ、ウォシュレットや赤ん坊を寝かせるベッドなども付いた最新式のものだと思われますが、なぜこういう中国語が充てられたのか。悪意すら感じられないでもない。トイレの中国語は、初級者でも知っている「洗手間」「廁所」でいいはずなのに。鄭さんも、さすがにびっくりしたそうです。

【追記】
後日、ネットで以下の記事を見つけました。

日本で爆買いされているウォシュレットが売れている理由
http://omiyagejapan.blue/omiyage/panasonicwashlet.html

この記事によると、ウォシュレットは中国では「馬桶蓋」と呼んでいるようです。そこで、鄭さんにこれは正しい理解かどうか尋ねてみました。以下、彼のメールによる回答です。

「「馬桶蓋」は台湾では、一般に便座の蓋の意味です。ウォッシュレットは「免治馬桶座」と言っています。調べたところ、中国では一部の人がウォッシュレットのことを「智能馬桶蓋」と呼んでいるようです。

もしかしてそこから略してそう呼んでいるのではないかと思います。でも、「馬桶蓋を買う」という言葉は中国人なら理解できるかもしれませんが、台湾人には便座の蓋を買うことに聞こえるため、なんで蓋だけ買うの? と理解不能かもしれません。やはり台湾と中国の言葉遣いは大きな差がありますね」。

以下は、ちょっと惜しい!という例。

これもある量販店の表示です。
b0235153_10215469.jpg

「我可以使用银联卡 可使用 各种信用卡」

「当店では、中国のデビットカードである銀聯カードが使えますよ」と伝えたかったのでしょう。でも、これでは「私は銀聯カードが使えます」と読めてしまいます。

正しくはこうなります。

「您可以使用银联卡 也可以使用各种信用卡」

あるいは、主語の「您(あなた)」を取って「可以~」でもいいはずです。

次は、成田空港行バス乗り場の表示。「未予約のお客様」という意味の中国語として以下が充てられています。
b0235153_1022858.jpg

「客户毫无保留」

「毫无保留」というのは、「保留なく(隠すことなく)、すべてを打ち明ける」といったときに使われる四文字熟語です。ただ予約の済んでいない乗客ということなのに、すごく大げさな表現になっているのです。こういうのも、中国客から見ればVOWそのものでしょう。

正しくはこうです。

「没约的乘客」

次は同じくバス乗り場の表示。
b0235153_10222263.jpg

「客人乘坐请等待巴士站」

これなどはぼくには、どこがどうおかしいかうまく説明できませんでしたが、通常お願いの場合、頭に「请」を持ってくるべきでしょうし、以下のように直すと中国人にはわかりやすいそうです。

「请乘坐(巴士的)乘客在巴士站等候」

最後の例は、かなりやばいことになっています。中国人向けにファストフード店がアルバイトの募集をしているようなのですが、鄭さんならびに中国人大学院生も、これでは何を伝えようとしているのか、よくわからないと言っていました。
b0235153_10224531.jpg

「新的船员大学招募
1周两次在1日从2小时起热烈欢迎!
每周能改变日程!
计时初次来访的用户放心,能工作。
如果日语能说的话,可以。
许多的外国人工作」

ここで仰天なのは、頭の「新的船员」です。「船員」すなはち「Crew(クルー)」という表現は日本では一般化しているようですが、中国人にはまずこれがわからないそうです。「船員」は文字通り船で働く人だからです。中国では一般にレストランなどのスタッフを募集する際、「服务员(服務員)」を使っています。

そして「如果日语能说的话,可以」ですが、これを直訳すると「もし日本語を話せればいい」というようなことになるのでしょうが、その前文の「初めての人でも安心して仕事ができます」の後に続く一文だとして、採用に当たって「日本語を話せなくてもいい」のか「話せた方がいい」のかよくわからないそうです。中国人大学院生による添削語の文章は以下のとおりです。

「新的服务员招聘
1天工作2个小时也可以
每周能改变工作日/时间
1000日元~/小时 从5:00到22:00
夜间1250日元~/小时 从22:00到6:00
第一次打工人也能放心地工作
不会说日语的人也可以(日本語が話せなくてもいい)/会说日语的话更好(日本語が話せればなおいい)
有很多外国人在这里工作」。

……とまあこんなことになっているのです。これらが中国客の脱力感を誘い、「日本人もかわいいところあるね」と好意的に解釈してもらえるといいのですが、鄭さんによると、このままではいろいろ支障もあるのではないか、といいます。

たとえば、高額なブランド品や化粧品のコーナーでこうした“とんでも”中国語表示を見かけると、なかには品質を疑いたくなる人も出てくるのではないか、というのです。笑いや脱力ではちょっとすまされないシーンであることは、確かに想像できます。

またこれは彼が台湾人であることからくるものですが、とにかく日本は簡体字に席巻されていることが不満だといいます。これは微妙な話ですが、一般に台湾の人たちは簡体字を見ると、目を背けたくなるといいます。つまり、台湾人は簡体字表記ばかりの店には足を運びたくないという心理があるということです。

鄭さんはこんなことも話してくれました。

「いま台湾では日本のオーブンレンジが人気で、購入する人が多いのですが、中国本土ではまだブームになっていません。先日、新宿のビックロに行ったとき、オーブンレンジのコーナーの商品表示に繁体字が使われていました。よくわかっているな、とぼくは思いました。オーブンレンジを買うのは、台湾客だけだから、繁体字を使っていたのです」。

ビックロの販売スタッフは、中国本土客と台湾客の売れ筋商品を理解したうえで、簡体字と繁体字を使い分けているというのです。実際に、ビックロの免税品コーナーに行くと、オーブンレンジは「過熱水蒸氣水波爐」と繁体字表記されていました。すごいですね。
b0235153_6523538.jpg

中国語をかじったことのない人からすると、こうした話をされてもお手上げと思うかもしれませんが、そんなに難しく考えることではないと鄭さんはいいます。

「最近では外国客がよく利用するショッピング施設に中国人スタッフを置いていることが多くなりました。であれば、まずは彼らにチェックしてもらうことが必要でしょう。ただし、中国人だからといって安心してはいけません。中国人は出身地によって方言もあり、言葉の使い方が異なります。正直なところ、台湾人からすると、中国本土の中国語はかなり違和感があります。ですから、そうした両岸や地方による違いも理解している正式な中国語翻訳会社に発注したほうがいいと思います。そのうえで、売れ筋ごとに簡体字と繁体字の使い分けまでできると、さすが!と思います」。

実をいうと、これは中国語に限った話ではありません。同じことは、タイ人留学生も気づいていました。日本のショッピング施設には、タイ語のおかしげなポップや表示も各所に見られるというのです。

タイ人留学生とお土産談義~なぜ日本の文房具は人気なのか?
http://inbound.exblog.jp/22471366

その留学生は、安易に翻訳ソフトを使うのは間違いのもと、と指摘しています。

訪日客が増えると、実にいろんなことが起きるものです。彼らといかにフレンドリーなコミュニケーションを築いていけるのか。そのためにも、台湾や中国、タイの皆さんからの指摘には謙虚に耳を傾けていきたいと思います。

【追記】
その後、中国本土の人たちも指摘してくるようになりました。

日本にあふれる「恥ずかしい中国語」をついに中国人に指摘されてしまいました
http://inbound.exblog.jp/26343657/

by sanyo-kansatu | 2015-04-17 10:27 | “参与観察”日誌
2015年 01月 25日

通訳案内士の第一人者、ランデル洋子先生の語る「求められるガイド」とは

訪日外国人旅行者の増加に伴い、活況が伝えられるインバウンド業界ですが、かねてより多くの関係者が危惧している懸案のひとつに、通訳ガイド問題があります。

これは単なる通訳ガイド不足という話にとどまりません。ガイドの質や待遇、市場とのミスマッチングとそれをもたらした制度上の問題を含めた現実的な解決が求められています。問題の詳細についてはおいおい触れていくとして、東京五輪開催も決まり、ますます多くの人材が必要とされるなか、通訳ガイドの仕事の現場はどうなっているのか。いま求められるガイド像とはどのようなものか。第一人者であるランデル洋子先生に先週、話をうかがうことができました。

当初取材をお願いした際、ぼくの先生に関する認識は、以下の通訳案内士団体の理事長というお立場でした。

NPO法人GICSS研究会
通訳ガイド&コミュニケーション・スキル研究会 理事長
http://www.gicss.org

ランデル洋子先生
http://www.randells.jp/president.html

名古屋市出身。南山大学英語学英文学科卒業。国際ロータリ財団奨学生として、ノーザンイリノイ大学に留学。YMCA英語学校などの英会話講師、通訳ガイド、海外旅行添乗員・海外駐在員・ツアーオペレーター、一般通訳翻訳業務など幅広く活動。

1980年にバイリンガル人材の派遣会社を設立し、1992年までに代表取締役。外国企業数社の日本代表業務を兼務。退職後に通訳、通訳ガイドとしての現場業務に復帰したが、その後は研修研究、執筆・講演活動、NPO法人主宰などで活躍中。日本を紹介する通訳ガイドの技術研鑽研究の基礎を築き、一方では国際プロトコルや、多様性対応コミュニケーション・スキルの研修など時代のニーズに応じた研修を提供しており、新入社員など大手企業の若手社員教育にも多く取り上げられている。(HPより)

同NPO法人は、通訳ガイドに求められるガイディングやコミュニケーションなどの研究や指導を行うために1999年に設立されたものです。HPによると、2014年現在会員は501名。会員にはタイ語を除く、9か国語(英仏独西露伊葡中韓)の通訳案内士が所属しています。

HPの内容で目を引いたのは、「新人通訳ガイド【実務】研修会」でした。そこにはこう書かれています。

「資格があるだけでは現場業務に繋がりません。資格+実務知識を習得しましょう。GICSSの新人実務研修は、即使える本物の実務力、ガイディングスキルが育成される定評のオリジナル特別研修です」

「無料説明会・講演会では、通訳ガイド業界の実態概要、合格後の資格の生かし方、実務の学び方、就業にあたっての注意点など合格者に必要な情報をご紹介します」

実は、ぼくはいま新しい時代の観光ガイドに関する書籍を制作中で、まさにそこが知りたいことでした。これはぜひお話をうかがわなければと思って取材を申し込んだわけです。

【追記】
これがその本です。

このたび『観光ガイドになるには』(ぺりかん社)を出しました(2015.8.6)
http://inbound.exblog.jp/24763487/

以下、先生との一問一答です。

――まず昨年8月に開催されたGICSS設立10周年記念イベント「第2回通訳ガイドコンベンション」についてお聞きしたいと思います。私は残念ながらこのイベントをあとで知ったのでうかがうことはできませんでしたが、案内には以下のように書かれていました。

GICSS設立10周年記念イベント「第2回通訳ガイドコンベンション」告知
http://www.gicss.org/9/img/event/20140831/2014-3.jpg

「心をつなぐ通訳ガイドに求められるコミュニケーション力とは?

活躍の場が広がりつつある通訳ガイドの世界! 魅力あるガイドのコミュニケーション力として求められているのは単なる知識情報の発信力だけでなく、お客様はもとよりビジネスパートナーや周囲の人的環境をつなぐ力。このコンベンションでは、国際的イベントが目白押しの日本を舞台に「世界に誇れる通訳ガイド像」を目指し、ガイド力アップのコツやヒントを楽しくご紹介します。通訳ガイド業務の獲得に関するホットな話題のあれこれや、業界で高く評価されているGICCSガイド研修の新メソッドもぜひ体験してください」。

プログラムをみると「オリンピックが視野に入ったインバウンドと通訳案内士、今後の課題と展開」というパネルディスカッションがありました。そこでは、観光庁の通訳ガイド担当者や旅行会社、バス、ホテルなどの関係者が一堂に会しています。どんな内容が話し合われたのでしょうか。

「通訳ガイドに必要なコミュニケーション力というのは、外国人に対するものだけでなく、現場のビジネスパートナーとの間にも求められるということです。バスのドライバーさんやホテルのスタッフ、また一般に通訳ガイドに仕事を発注する立場にある旅行会社の方たちとの現場でのやり取りや打ち合わせの場面などで何が求められているか。通訳ガイドの側もこうしたことを理解しておかなければならないのです。

実はちょうどいま、この内容を報告書にまとめているところなので、詳細についてはもう少しお待ちいただきたいのですが、たとえば、昨年バス業界で制度変更があった関係で、運転手さんの業務時間の制限などのルールが変わったことを通訳ガイドも知っておかないと現場で支障をきたすということを知りました。またホテルのコンシェルジュさんからは、ホテルにご宿泊の外国のお客様を案内したあと、通訳ガイドからフィードバックがあると助かる、というようなお話も聞き、なるほどと思いました」。

――「資格があるだけでは現場業務に繋がりません。資格+実務知識を習得しましょう」というのは、まさにそういうことなのですね。コミュニケーション力が問われるのは、外国客に対してだけでなく、国内のビジネスパートナーに対する理解や円滑な関係を築くことが通訳ガイド業者には必要不可欠だと。

「語学力が高いだけでは、通訳ガイドは務まりません。ガイドとしての資質や実務能力、体力も必要です。

GICSSでは毎年、通訳案内士の合格発表後に「新人【実務】研修会」を企画しているのですが、最近新しい傾向が見られます。これまで通訳ガイドの男女比率は男性3女性7といわれていましたが、昨年の受講生、つまり新人ガイドの男女比率が男性6女性4だったのです。

これらの男性の多くは現役をリタイアされた世代で、職歴をうかがうと、以前は名だたる多国籍企業で海外勤務をされていたとか、錚々たる方たちばかりでした。国際的なセンスや教養も高く、語学力にはまったく問題がないのですが、必ずしもこの仕事に向いているかどうかは疑問の方もいました。

たとえば、通訳ガイドは先ほど述べたように、バスの運転手さんや若い旅行会社の社員とのやり取りが多い。声をかけにくいような威圧的なオーラを放っているようなタイプだと、現場の仕事もそうですが、仕事の発注があるとは思えません。要は、能力ではなく、この仕事に対する基本姿勢の問題です。

そういう意味では、ライセンスを取得した方が、自分はこの仕事に向いているかどうかを見極めてもらうためにGICSSの研修に参加していただいてもいいと思います」。

――これは団塊の世代のリタイア後に起きた現象なのでしょうね。いま実際に通訳ガイドに従事しておられるのはどのような方が多いのでしょうか。

「通訳ガイド業界では高齢化が進んでいます。全体の4割が50代で最も多い。あとは40代と60代が2割ずつ、もちろん30代もいますが、まだ少ないです。なぜそうなるのかというと、通訳ガイド業だけでは生計を立てる保障がないからです。

通訳ガイドの仕事はいわば季節労働者。訪日する外国人は、一般に旅行シーズンの春と秋に集中します。そのため、夏と冬はどうするかという問題があり、若い世代の業界参入が難しくなっているのです。

実際、国家資格である通訳案内士の資格所有者のうち、就業しているのは全体の4分の1といわれています。多くは家庭の主婦で、趣味の延長として都合のいいときだけ通訳ガイドに従事するケースが多い。基本的に通訳案内士はフリーランス。それぞれの方が自分のライフスタイルに合わせて従事できる自由さが魅力ですが、こういう方は「お金はいくらでもいい」というようにおっしゃることも多いので、通訳ガイド全体のギャラの値崩れにつながるということもあります」。

――魅力的でやりがいのある仕事にもかかわらず、保障がないため、現役世代が従事することが難しくなっているのですね。しかし、時代的な要請もあり、通訳ガイドを志望する方は多いと思われます。どうすればいいのでしょうか。

「やはり兼業を勧めたいと思います。

私のこれまでの職歴について少しお話しましょう。私は名古屋出身で、大学時代にライセンス(通訳案内士資格)を取りましたが、26歳のとき、上京して通訳案内士としての仕事を始めました。当時は、訪日客の通訳ガイドだけでなく、日本人の海外旅行の添乗も兼業していました。春と秋は訪日客が多く、夏と正月は日本人の海外旅行が多いことから、1年を通じて仕事があり、スーツケースと一緒に暮らしていたといってもいいかもしれません。また英語学校の講師も兼任していました。日本の旅行会社の現地駐在員としてアメリカ西海岸で勤務していたこともあります。

そして29歳のとき、通訳ガイドの派遣会社を立ち上げました。現役の通訳案内士としての仕事も続けていましたが、この仕事はライセンスを取得しただけでは務まらないことを強く感じていたので、通訳ガイドのネットワークをつくるとともに、研修を通じて優秀な人材育成し、派遣しなければならないと考えたからです。

こうして私はいわばプレーイングマネージャーになったというわけですが、起業するかどうかは別にして、フリーランスとしての通訳ガイドが生計を立てていくには、語学力やコミュニケーション以外にも、営業マインドが必要ではないかと思います」。

――通訳ガイドをこれから目指す人たちにとって、ライセンスを取るための難易度が高いうえ、なってから職業として生計を立てていくことがさらに大変だとすれば、これはかなり覚悟のいる仕事だといえそうです。通訳ガイドの未来に向けた新しい動きは何かありませんか。

「昨年、TripleLights(トリプルライツ)という訪日外国人と通訳案内士を直接つなぐインターネット上のサービスが始まりました。このサイトの登場で、全国各地の通訳案内士が自分の提案するツアーを本人のコメント付き動画で紹介し、それを気に入った外国人と個別にやりとりしてガイド契約できるようになりました。GICSSの会員の中にも、登録している人がいます」。

TripleLights(トリプルライツ)
https://triplelights.com/

このサービスを提供しているトラベリエンスという会社とその代表に対するインタビュー記事は以下のとおりです。

“通訳案内士”による魅力的なツアーが人気!今、訪日旅行者が注目するサービス「travelience/TripleLights(トラベリエンス/トリプルライツ)」
http://smartbusiness.jp/news/2731
通訳案内士と旅行者をつなぐ新サービス、橋本CEO「ガイドのマッチングで世界一を目指す」
http://www.travelvoice.jp/20140630-22842

同サイトをざっとみたところ、多くの通訳案内士がそれぞれ自分の簡単なプロフィールや、自ら得意とする地元の案内やテーマについて英語で説明していました。こうしたプラットフォームの登場には新しい可能性が感じられます。これからは通訳ガイドも企画力やプレゼンテーション力が問われる時代になってきたといえそうです。

――これまで旅行会社や派遣会社を通しての仕事の受注が基本だった通訳ガイドのあり方が変わっていくかもしれませんね。自分の仕事をマネジメントする才覚も問われると思います。一方、通訳案内士をめぐる制度上の不備もずいぶん前から指摘されています。観光庁では、数年前から通訳ガイドのあり方をめぐって検討会が開かれていますが、先生のご見解をお聞かせいただけますか。

通訳ガイド制度(観光庁)
http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kokusai/tsuyaku.html

「私も先日、観光庁で開かれた検討会でお話申し上げてきたことなのですが、訪日外国人観光客が多様化するなかで、地域に即した通訳ガイドを特区ごとに設定することは必要だろうとは思うのですが、『通訳案内士』という名称は使わないでほしいと思っています。

一般に訪日客が増えて通訳ガイドが不足していると言われますが、実際に通訳案内士が不足するのは、クルーズ客船の寄港などで一度に大勢のお客様がいらっしゃるときや、一年でも春や秋など時期が集中していて、年中仕事があるというわけではないからです。東北地方にお住いの通訳案内士の方などは、『ガイドが不足しているのではない。仕事が不足しているのだ』とおっしゃっていましたが、地域によっても片寄りがあるなかで、ただでさえ“絶滅危惧種”と自嘲的にいわれている通訳案内士のプライドややる気をそぐことになってしまうことは避けてほしいと思っています」。

第2回「通訳案内士制度のあり方に関する検討会」(2015年1月20日)
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news05_000186.html

先生のご見解は、あくまで通訳案内士の多数を占め、これまで業界の主流をなしてきた英語ガイドの立場に沿ったものといえなくはありません。なぜなら訪日外客の5人に4人はアジア系である現状をふまえると、中国語や韓国語、タイ語などのアジア語系の通訳案内士を取り巻く状況は、さらに深刻というべきか、制度と実際のマーケットとの間に信じられないような乖離が見られるため、状況認識もかなり違っていると言えなくもないからです。解決の道筋も同じやり方でいいのか、関係者の苦悩が思いやられます。

先生は「通訳案内士は日本文化の発信者」であるとおっしゃいます。まさにおっしゃるとおりだと思います。自分が海外に取材に行くとき、優れた通訳ガイドにあたるかそうでないかによって現地で得られる情報の質や量はまったく違うので、その意味はよく理解できます。未熟なガイドにあたると、正直いって仕事にならないことさえあります。ガイドを見る目は、本来それほど厳しく、同じことは旅行でもいえるでしょう。日本の価値を正しく魅力的に伝えることのできる通訳ガイドの価値は国の宝といってもいいほどです。

たとえば、富裕層相手のガイドはまさにそう。こういうケースで活躍するのは選りすぐり通訳ガイドの方たちです。

日本滞在おひとり様100万円の富裕層旅行市場
http://inbound.exblog.jp/21754098/

そうした通訳案内士の役割の重さを考えると、制度的な保障は必要でしょう。社会における広い認知ももっと必要です。ヨーロッパはもとより、他のアジアの国々と比べても、日本はこの面で制度的に立ち遅れていることは、海外の旅行関係者からよく批判的に指摘されることなのです。

いずれにせよ、通訳案内士の制度問題を考えるうえで、訪日旅行に関わるさまざまな業界の人たちのコミュニケーションのあり方が大切のように思います。冒頭で触れた「通訳ガイドコンベンション」は、通訳ガイドの側から業界に対する理解を進めようとする取り組みであり、こうした積み重ねが大事だと強く思った次第です。

さて、最後にランデル洋子先生のもうひとつの顔について紹介したいと思います。ぼくはそのことをお会いするまで存じ上げておらず、大変失礼したとともに、とてもばつの悪い思いをしました。

それは先生がジャズ歌手でもあることです。

Yoko Randell(Jazz Vocalist)
http://jazz-yoko.randells.jp/

まさに通訳ガイド界のスターのような方だったのです。勉強不足でした。

まもなく出来上がるという「第2回通訳ガイドコンベンション」の報告書の内容を待つことにしたいと思います。

by sanyo-kansatu | 2015-01-25 11:15 | “参与観察”日誌