ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌

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2017年 12月 27日

新しい中国人観光客像の5つの傾向とは?

今年もトップを走る訪日中国人は過去最高の年間700万人を大きく超えそうな勢いだ。訪日外国人の4人に1人を占める彼らの日本旅行の内実は、我々の理解が追いつかないほどの多様化と先進化を見せている。従来どおりの古いイメージだけで見ていると、対応にも間違いを起こしがちだ。日本を訪れた彼らのさまざまな声を聞いてみたい。

12月上旬、中国黒龍江省新世紀国際旅行社日本部の呼海友部長は、映画『男はつらいよ』の舞台である葛飾区柴又にいた。
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↑柴又駅前の寅さん像と今年3月にできたばかりのさくら像

彼は毎年この時期、東京に1週間ほど出張に来て、旅行会社回りの営業をするかたわら、訪日旅行のテーマ探しをするのがもうひとつのミッションになっている。なぜ彼は柴又に視察に訪ねることにしたのだろうか。「お定まりのコースしかない格安弾丸ツアーに飽きた中国の中高年のお客さんを寅さんの町に連れて来たいから」という。

寅さんの自由な生き方は平和な日本の象徴

訪れたのが朝9時と少し早かったせいか、帝釈天の参道は人通りも少なく、まるで映画のセットのようだった。境内の裏手の『邃渓園』と呼ばれる日本庭園で和み、中国には少ない法華経の説話を描いた帝釈堂の木彫りを鑑賞後、寅さん記念館に足を運んだ。
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↑さくらの主人の博が勤めるタコ社長の印刷所のセット

館内には、寅さんの実家である「くるまや」の店内セットやミニチュア模型など、映画を構成する象徴的なシーンが再現されている。中国の人たちは、寅さん映画のどんなところが面白いと思っているのか。

呼部長はこう話す。「寅さんがいつもあちこち旅をし、自由に生きているところです」。

いまの40代以上の中国人にとって寅さんは善良で平和的な日本人のイメージを象徴しているという。この映画が中国で観られるようになったのは1980年代以降だが、それまでの「日本といえば日本兵」という悪のイメージを払拭し、相対化するうえで、この映画が果たした役割は大きかったといえる。

今日、中国の若い世代が日本のアニメ作品『君の名は。』(岐阜飛騨市)や『スラムダンク』(神奈川県鎌倉市)のロケ地を訪ねる話はよく聞くが、中高年の中国人がよく知る日本人は寅さんであり、彼らにとっての「聖地巡礼」でもあるというのだ。

「中国にはこんな静かでのどかな下町はない」と呼部長はいう。「帰国したら、少人数で柴又を訪ねるツアーを企画します。中国にはファンが多いですから」。

新しい中国人観光客像に見られる5つの傾向

中国人の訪日団体旅行が解禁された2000年から10数年、これまで我々が思い描いていた中国人観光客のイメージを大きく変えなければならなくなっている。それは世間でよくいう「モノからコトへ」「買い物から体験に移っている」という話でもあるが、実際には、もっと中身は深化している。

今年、中国人観光客に見られた新しい傾向として以下の5つのポイントが挙げられる。

1.特定の文化的テーマで目的地を選ぶ
2.日本の田舎を楽しみたい
3.女子旅から親子旅へ
4.日本より進んだSNSによる濃密な情報環境の実現
5.肌で感じる日本社会の中国人嫌いに対する不安


それぞれについて、これから解説していく。

旅行体験共有会が個人旅行客の情報収集の場に

まず、「1.特定の文化的テーマで目的地を選ぶ」について。背景にはリピーターの増加にともなう日本に対する理解や関心の深まりがある。彼らがいま日本にどんな関心を持っているかについては個人によって千差万別で、ひと口では言えない。それを知るには、たとえば日本政府観光局(JNTO)や全国の自治体が中国各地で開催している旅行体験共有会がひとつの参考になる。

旅行体験共有会(中国語「旅游体验分享会」)は、普段はゆるいSNSで結ばれた特定の旅行テーマに関するファンたちが集まるオフ会で、個人化の進む中国におけるプロモーションとしてよく採用される手法のひとつだ。そこで集まるファンたちが核になり、SNSを通じて情報や話題が伝播されていくことで、日本国内のまったく無名の場所でさえ、誘客の効果が生まれているのだ。

日本のパワースポットめぐりを楽しむ中国のOLも

11月下旬、上海で開催された中部地方(東海、中央高地、北陸の9県)の旅行体験共有会では、この地域を実際に旅した3名の中国人がスピーカーとして登壇し、50名の参加者たちとの質疑応答が繰り広げられた。
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↑11月に上海で開催された旅行体験共有会「深体験 魅力遊 日本中部旅行分享会」

会場にいた上海在住OLの張麗さん(仮名)によると、面白かったのは『櫻追う』というブロガー名の女性の話。彼女は桜の季節に日本を訪れ、Yahoo!アプリで桜の開花した場所を調べて各地を旅して回ったという。「私のようなOLは自由に休みが取れないから、彼女のように無計画な旅ができるのがうらやましい。この会に来ると、いろんな旅をしている人の話が一度に聞けるから面白い」。

張さん自身も日本旅行のリピーターで、神社が好きという。「中国のお寺と違って、神秘的な雰囲気が魅力。2015年に伊勢神宮でご朱印を手にしたことをきっかけに、今年は諏訪神社と穂高神社に行きました。来年は出雲大社を訪ねる計画です」。

ここで注意したいのは、いま中国で日本のパワースポットめぐりが流行っているという話ではないことだ。個人化した中国人はさまざまな個別の動機と目的を持って日本国内のあらゆる場所に出没しているのである。

LCC深夜便を活用して訪日する上海の若い女性たち

なかでも今日の訪日中国客の主役は若い女性の個人客だ。

ある上海のアパレル企業に勤めるOLは、スカーフのおしゃれな巻き方を身につけるコーディネイターの資格を取るため日本に旅立った。中国にないこの種の日本の資格は、仕事の現場に活きるからだという。このようにレジャーや買い物目的を超えた個人的な趣味や職業上のスキルアップまで含めたさまざまな訪日動機が生まれており、情報収集にも余念のない一定層のリピーターがすでに存在しているのだ。

こうしたOLたちの気軽で多彩な訪日旅行を支えているインフラのひとつが、羽田空港や関西空港への中国からの格安深夜便の増加である。

たとえば、羽田・上海深夜便は、日系のピーチアビエーションに加え、春秋航空や上海航空、吉祥航空が運航している。これらの便は多くの場合、往復ともに深夜便なので、金曜夜に上海を発てば、土曜早朝に羽田に着き、1泊して日曜夜に羽田を発てば、月曜早朝に上海に戻れる。彼女らのアクティブな行動力には驚くばかりだ。
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左:ピーチアビエーションの羽田・上海の深夜便は中国客の利用も多い
右:上海浦東空港から日本に向かう中国人の女子旅

中国の若い世代が思い描く「日本の田舎」とは?

そうはいっても、「余暇を過ごす」ために日本を訪れるという中国人は若い世代ほど多い。最近、彼らに「日本のどこに行きたいか」と聞くと、たいてい最初に出てくる言葉が「日本の田舎」である。

彼らがそう語る真意はどこにあるのか。

中国の若い世代の「日本の田舎」志向を理解するうえで参考になる本がある。1986年生まれの史詩さんというブロガーが書いた日本を個人旅行するためのガイド書『自游日本(自由旅行日本)』(南海出版公司 2015年1月刊)だ。
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↑『自游日本(自由旅行日本)』は16年、17年と3冊目が出ている人気シリーズだ

今日中国では多くの旅行書が刊行されているが、同書が類書と異なるのは、彼女が自分の足で訪ねた日本の名所旧跡や日常食が写真入りで細かく紹介されていること。

一方、買い物に関する情報がほぼないのも特徴といえるだろう。

ここでいう「日常食」とは、日本人がふだん食べているカレーやラーメン、とんかつ、天ぷら定食といった料理のこと。基本的に冷めた食事を好まない中国人らしからず、駅弁と鉄道旅行の情報が詳しいのもユニークだ。

安全だからこそ楽しめる、地方の列車旅

この本の表紙として選ばれた一両きりのローカル線の車両と高く広がる青空の写真から、彼女の世代の想いが読み取れる。林立する高層ビルの中でストレスフルな競争社会を生きるいまの中国人にとって癒しとなるのは、こういう日本の澄み切った青空に違いない。

彼らの「日本の田舎」志向の背景にはもうひとつの理由がありそうだ。前述した張さんは「ローカル列車で若い女性が旅に出られるのも、日本が安全だから。中国で同じような地方の列車の旅に出る勇気は私にはない」。いかにも都会育ちの若者的な発言だが、日本の事情に精通したリピーターたちは日本と中国の社会の違いを知りぬいている。

「女子旅」から「親子旅」へ、子連れ旅行を指南する若い母親ブロガー

最近、都内の繁華街でベビーカーを押して歩く外国人ファミリー客の姿を日常的に見かけるようになった。当然、その中には中国客もいる。「3.女子旅から親子旅へ」についても見ていこう。

個人客として日本を訪れる中国の若い女性たちは一人っ子政策の申し子であり、すでに多くは母親になっている。

彼女たちの指南書として刊行されたのが、子連れ旅行ブロガーの王晶盈さんが書いた『日本东京亲子游(日本東京親子旅行)』(人民邮电出版社2017年1月刊)だ。
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↑『日本东京亲子游(日本東京親子旅行)』は姉妹編の関西版もある

同書は、親子で楽しめる東京の遊園地や動物園、水族館、レストラン、ホテル、キッズ&ベビー用品店、児童書店といった情報が満載だ。

体調が変わりやすい小さな子供を連れて日本を旅行する際の留意点や公共交通機関でのベビーカーの利用方法なども書かれている。

母親ブロガーが、親子旅行の様子を共有

2017年3月、上海で開催された長崎県主催の旅行体験共有会のテーマも「親子旅行」だった。登壇したのは、女性旅ブロガーの柳絮同学さん。

3歳の息子と一緒に長崎県に旅行に出かけた体験の報告だった。彼女は東京や大阪なども子連れで訪ねており、2回目の旅行先が九州。息子を連れて長崎県内の動物園を訪ねたり、天草でイルカをウォッチングしたり、日本旅館に泊まって手作り団子の体験をしたりと親子旅行を満喫したという。

日本は中国に比べ、小さな子連れ旅行をしやすい環境が整っていると彼女はいう。中国にはまだない便利なサービスやインフラも多い。彼女は日本を訪れて知った経験の数々をブログに紹介している。そこには中国人から見た日本の隠れた魅力や発見があふれている。
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左:長崎の日本旅館に泊まった柳絮さんと息子さん
右:上海で開催された、長崎県の旅行体験共有会に参加したみなさん

どの自治体も外国人ファミリー客向けの情報発信やサポートはまだ十分とはいえないが、自らの子連れ体験を発信する中国人がそれを補ってくれているのだ。

行先や目的を超えて行われる、SNS上での濃密な情報交換

これまで以上に、個人旅行化が進む中国人旅行客。彼らがいつどこで何をしているか、実際のところつかみようがない。そんな彼らを相手に、これまでと同様にパンフレットやサイトをつくって多言語化するだけのプロモーション手法では通用しなくなりつつある。微博(ウェイボー)や微信(ウィーチャット)といったSNSのアカウントを開設しても、ただ一方的に情報を発信するだけでは効果はない。

では、諦めるしかないのだろうか。実はそうではない。日本を訪れた彼らのニーズを捕捉するためのひとつの手がかりを与えてくれるのが、中国の海外渡航者用Wi-Fiルーターレンタルサービス事業者「北京環球友隣科技有限公司(Beijing Ulink Technology Co., Ltd. 、以下ULINK)」が採用しているグループチャットの運営である。

北京環球友隣科技有限公司 http://www.uroaming.com.cn 

同社のサービスがユニークで他社を圧倒しているのは、出発日ごとにまとめられた微信のグループチャットを運営していることだ。

このグループチャットに参加しているのは、たまたま同じ日に中国各地から日本各地へ向かう見ず知らずの個人客同士で、目的地も宿泊先も行動も違う。
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↑誰かが質問を投げると、すぐに誰かが答えてくれる

グループチャット上で飛び交う質問はあらゆる内容に及ぶ。

たとえば「関空にどうやって行くの?」「どのコンビニでアリペイが使える?」「SUICAはどこで買える?」など。なかには「SUICAの余ったお金はどうする?」といった具体的な質問も多い。

確かに、成田や羽田のJRトラベルサービスセンターはいつも外国人観光客で長蛇の列。多くの中国人観光客はSUICAの存在を知っており、もっと簡単に買える方法を知りたいというのだ。

「タビナカ」の中国人への情報提供が可能に

日々交わされるチャットの内容をみていると、いま彼らの周辺で何が起き、何に困っているのか。何をどこで買いたいのかといったことが具体的に見えてくる。

実は似たようなサービスを中国のいくつかのオンライン旅行社も実施しているが、北京環球友隣科技有限公司のグループチャットが優れているのは、本社サイドに管理人がいて、1日100通を超えるチャットの整理を行うかたわら、日本のクライアントからのPR情報の提供も随時行っている。
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↑管理人が随時、日本の小売店や飲食店などの特典情報を伝えている

同社の営業代理店である株式会社日本遊の田熊力也部長は「微博や微信のアカウントを開設している日本企業や自治体は多いが、それだけでは個人客の動向をグリップすることはできない。弊社ではこのグループチャットにお得なクーポン券などの情報をいま日本にいて、まさに観光や買い物をしている中国の個人客に提供できる」と力説する。

このような、不特定対数の同胞同士による「SNSを通じた海外でのリアルタイムの情報交換」の存在を知る日本人は多くはない。「4、日本より進んだSNSによる濃密な情報環境の実現」というのは、そういうことだ。

団体から個人へ、旅行形態の変化とともに発生する様々な課題

いま日本を訪れる中国客の地域的構成をみると、地方在住で団体ツアーでしか日本に旅行する手段のない人たちの比率が年々減少して約4割。残りの6割以上は、これまで見てきたようなツアーに参加する必要のない上海や北京、広州などの経済先進地域の個人客だ。

背景には、今秋中国政府が一部地域で始めた日本を訪れる団体客への渡航制限もある。現地関係者の声をまとめると、対象となっているのは黒龍江省や遼寧省、山東省などだ。これらの省では、まだ団体客が多く、かつての「爆買い」を思い起こさせる購買意欲の高さから、当局は各旅行会社に年間の取扱客数の上限を通達している。これが中国の観光行政の実態の一面である。

こうした事情に加え、より自由に個人で旅行したいという中国人のニーズの高まりから、今後もますます個人化やリピーター化に拍車がかかるだろう。

中国客の個人化は、その一方で在日中国人による「白タク」や違法民泊(※これは中国人に限らない)を増加させた。多くのメディアが報じるとおりである。外国人観光客の増加が日本の社会にもたらすのは経済効果のような良いことばかりではないことを多くの人が知ることになった1年だった。

中国人旅行客の民泊志向が高い理由

なぜこうしたことが起こるのか、中国の旅行関係者に聞いてみた。

前者の「白タク」については、日本の社会が中国に比べてライドシェアが遅れており、リーズナブルで利用しやすい移動手段がないため不便を感じていること。日本のドライバーには中国語が通じないため、同胞が運転する「白タク」のほうが安心なのだ。また、後者の民泊についてはどうだろうか。旅行形態の個人化に伴い、一都市の滞在日数が延びたことで、ホテルより使い勝手のいい民泊に流れがちであることだという。

前述の呼部長(黒龍江省新世紀国際旅行社)も「一カ所に連泊する場合、毎日外食だと飽きてしまうので、キッチンがあると便利。ホテルより民泊を選びたいと考える中国人は多い」と話す。ここ数年の大都市圏のホテル価格の高止まりの影響もあるだろう。これらの問題は来年にも持ち越されることは必至で、日本のインバウンド市場の健全な促進にとって懸念材料となっている。

「中国人は嫌われている!?」

気になる声もある。それは「5、肌で感じる日本社会の中国人嫌いに対する不安」である。

ある中国の旅行関係者は、今年中国人観光客を連れて数回大阪を訪ねたが、数年前に比べて日本人の中国人に対する風当たりの強さにショックを受け「中国人は嫌われている!?」という不安を感じることが増えているという。「私が初めて出張で日本に来たのは2000年だが、当時日本の方は本当に優しかった。道に迷っていると、どこまでも案内してくれる親切な人も多く、お世話になった。だが、最近は商店街を歩いているだけで、中国人に対して厳しい目つきや言葉を浴びせる人が多くなったと感じている」と話す。

彼女はなおも言う。「理由はわからないではない。かつて自分たちより貧しいと思っていた中国人が豪勢に買い物をしているのをみて面白くないのだろう。実は、同じことは中国にもある。不動産開発によって一部の農村の人たちが急に金持ちになって都会に遊びに来るようになったが、このような人たちをマナーが悪いと都会の中国人も嫌っている」。

日本をよく理解した旅行関係者だからこそ、こうした日本社会の変化とその理由に気づいているが、初めて日本を訪れる観光客は彼女と同じようには受けとめないだろう。

別の関係者はさらに気になる指摘をする。最近、関西方面の繁華街で中国客を狙ったスリが増えているというのだ。ある大阪心斎橋にあるビジネスホテルの中国人スタッフは言う。

「中国のお客様が外出する際には必ずスリに注意するよう呼びかけています。東南アジア系の外国人による中国客を狙った事件が増えているからです」。
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↑大阪心斎橋商店街は外国人観光客であふれているが、新たな問題が起きている

こうした実情は日本人には見えにくいが、ホテルやコンビニエンスストアで働く中国人らによる口コミで中国客の間では相当広まっているようだ。

こんな指摘をする中国の旅行関係者もいる。最近、ホテルの退出後に忘れ物が出てこないケースが増えているというのだ。

「あるお客様が日本で購入した高価な美顔器を洗面室に忘れて帰ったことに空港で気がついたのでホテルに連絡したところ、見つからないと言われました。以前なら、日本のホテルはお客様の忘れ物は預かっていたはずで、そんなことはあり得なかった」と話す。

一般に日本のシティホテルでは、ゲストの退出後、ゴミ箱に入っているもの以外はすべて一定期間預かっておくというのが常識だった。原因を特定するのは難しいが、外注の清掃業者へのチェックを怠ってはいないだろうか。そう前述の関係者は指摘する。

これらの好ましくない日本の評判は気がかりである。これまで日本は治安がいい、おもてなしの国だと言われてきたが、さすがにこれだけ外国人観光客が増えると、その評判を貶めるさまざまな問題が起きてくるのも当然かもしれない。

訪日客が抱える「不便解消」のための対応も必要

最後に、もうひとつだけ、新しい中国人観光客を理解するうえで知っておくべきことに触れておきたい。

これは多くの中国の旅行関係者が口を揃えて言うことだ。「多くの日本人は日本を訪れる外国人は日本が好きだから来てくれたと思うかもしれない。でも、必ずしもそうとはいえない。今日中国人は世界中どこにでも海外旅行に出かけており、日本はそのひとつの国に過ぎない。誰もが日本を好きだから来るわけではない」。

これも言われてみれば当然の話かもしれない。日本に来るのは日本好きなリピーターばかりではないのだ。だとすれば、モバイル決済への対応や免税店化促進など、彼らに気持ちよくお金を使ってもらえるような利便性の追求だけでなく、移動を快適化するためにSUICAや公共交通機関の1日乗車券などの入手場所を増やしたり、日本の事情に合ったライドシェアを進めるなど、彼らがいま、日本で不便に感じていることの解決に努めたいものだ。これは中国人観光客相手に限った話ではないが、彼らの声にどれだけ早く気づき、対応できるかが問われる時代になっている。

※やまとごころ特集レポート第70回 2017.12.24
https://www.yamatogokoro.jp/report/20489/
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by sanyo-kansatu | 2017-12-27 06:20 | 最新インバウンド・レポート | Comments(0)
2017年 10月 13日

どんな紅葉ツアーが外国人に人気なのか?

ここ数年、秋に日本を訪れる外国人が増えているという話を前回しました。増えている理由のひとつが紅葉です。

日本を訪れる外国人観光客は春より秋のほうが多いって知ってましたか?
http://inbound.exblog.jp/27325956/

では、彼らはどこでどのように紅葉を楽しんでいるのでしょうか。

旅行大手のクラブツーリズムは、2009年から外国人向けの国内バスツアーを催行しています。
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CLUB TOURISM YOKOSO Japan Tour
http://www.yokoso-japan.jp

同社は、東京、名古屋、大阪、九州、広島、北海道発の各種紅葉バスツアーを催行していて、ピークシーズンは10月下旬から11月にかけてだそうです。大半の商品は日帰りツアーです。

どこの国が多いかというと、トップは断然香港で、次いで台湾、シンガポール、マレーシア、タイ、最近はインドネシアの人が増えているそうです。一方、中国本土客は少なく、5%にも満たないとか。

同社はこれらアジア客をメインとした20万人のメルマガ会員がいて、季節に合わせて変わるツアーのリピーターも多いようです。

同社の担当者によると「以前は中華圏の旧正月時期や4月~5月が圧倒的に多く、秋は閑散期だったが、ここ数年はすごい勢いで増えている」といいます。実際、10月~12月のツアー客数が年々倍々ゲームで、なんと2017年10月~11月の予約数は前年同月比200%前後、12月は300%強。

なかでも最も人気があるのが、商品名が英語・中国語ともに、とても長いのですが、要するに、河口湖への日帰りツアーです。これは外国人専用ツアーで、英語や中国語のわかる添乗員が同乗します。
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Departure guaranteed! Mt. Fuji & 5-Storied Pagoda "Arakurayama Sengen Park"・Sagamiko Illumillion・Koro-kaki no Sato (Village of Dried Persimmons)・Autumn Leaves in Lake Kawaguchi
全日程保證出發! 富士山&新倉山淺間公園 五重塔・相模湖霓虹燈秀・曬柿子之里・河口湖賞楓
http://www.yokoso-japan.jp/en/05522.html
http://www.yokoso-japan.jp/tc/05522.html

日程はこうです。ツアー料金は、大人8900円、子供8600円、幼児5000円です。

ホテルグレイスリー新宿(8:10発)→新宿ワシントンホテル(8:30 発)→<首都高・中央道>→(10:00)シャトー勝沼(10:30)【買い物・試飲30分】→ころ柿の里(10:50)【散策】→信玄館(12:20 )【昼食】→(13:30)新倉山浅間公園(14:40)【散策70分】→(15:00)河口湖(16:00)【紅葉鑑賞60分】→<中央道>→(17:00)さがみ湖プレジャーフォレスト(18:00)【イルミネーション鑑賞60分】→<中央道・首都高>→新宿(19:00予定)

担当者によると「このツアーは、メインビジュアルに新倉山浅間神社を置いています。『五重塔と富士山と紅葉』という外国人が好む風景が組み合わさったもの。紅葉そのものというより、新倉山浅間神社の富士山ビューで人気を博しているものと考えます。またこのツアーは、昼食に松坂牛のローストビーフとほうとう鍋をつけています。これも人気の要因のひとつです」。

ツアー客たちが紅葉を楽しむうえでの最も重要なポイントは「紅葉を背景に自分の写真を撮ること」。それだけに、バックに富士山と紅葉、さらには五重塔まで入れることで、日本的な情緒を濃厚に伝える3点セットを丸ごと写真に収められること、そこに自分が主人公として映り込むことができる。それが河口湖ツアーが人気の理由だと思います。

実は、HISでも同じような外国人向けバスツアーを催行しています。HISのインバウンド担当者のイチ押しツアーは、クラブツーリズムと同じ河口湖への日帰りツアーでした。

でも、中身はちょっと違います。
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英語:Mt.Fuji Autumn Leaves Light-up Festival & Shosenkyo Gorge Bus Tour!(※英語添乗員付)
日本語:山梨の紅葉いいとこどりっ☆昇仙峡と河口湖もみじ回廊ライトアップ&ラストシーズン!秋めく富士山五合目
http://www.hisgo.com/j1/Contents/OptionalTour/DetailOptionalTour.aspx?TourCd=TYO1166&lang=en
(日本語:https://bus-tour.his-j.com/tyo/item/?cc=A1041

コースはこうです。ツアー料金は7990円~8490円。

新宿発→昇仙峡(秋めく渓谷美を観賞)→影絵の森美術館(世界初の影絵美術館で光と影のアートを鑑賞)→富士山五合目(ラストシーズン!標高2,305mの絶景散歩)→富士河口湖紅葉まつり(幻想的な河口湖もみじ回廊ライトアップの観賞)→新宿

HISの担当者によると「ポイントは何といっても、幻想的な河口湖もみじ回廊のライトアップをご覧になって頂けること。訪日旅行者に定番人気の富士山5合目や、今後人気が出てきそうな昇仙峡や影絵の森美術館など最新のスポットを入れております」とのこと。
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ちなみに、このバスツアーは日本人客と外国客の混乗です。11/5、11/11、11/19は、英語を話せる添乗員が同乗するそうです。実は、クラブツーリズムの場合も日本人と外国人が混載するツアーと外国人専用のツアーがあります。

このツアーのハイライトである「もみじ回廊」を訪ねる目安は16:40~17:00頃。滞在時間は約1時間~1時間半です。

このツアーは、HISの外国客向けサイトのhisgoや同社が運営する原宿の観光案内所(H.I.S. HARAJUKU Tourist Information Center)で販売しています。

hisgo
http://www.hisgo.com

H.I.S. HARAJUKU Tourist Information Center
https://www.his-j.com/japan-tourist/tyo/

どちらのツアーも1万円を切る手頃な料金で、日本人も普通に参加しても十分楽しめるし、実際、日本人と外国人が一緒にバスに混載する点も面白いと思います。いまや日本人も外国人と一緒にバスツアーを楽しむ時代なのです。

日本の旅行会社は、もう30年以上前から国内客向けに格安なのにコンテンツはボリューム満点、多種多様なバスツアーを季節ごとに催行してきました。その資源を、インバウンドの時代になって、そのまま外国客向けに提供したところ、アジア客にもウケたという話です。日本人が感じるお得感は、彼らも理解できるのでしょう。

ただし、クラブツーリズムの担当者によると、欧米客への訴求は同じようにはいかないとか。旅に対する考え方が違うせいなのでしょうが、この値段でこれだけ中身の充実した体験ができるのは彼らにとっても悪い話ではないと思います。PRの方法を考えるともに、欧米客にも好まれる商品の形とはどういうものなのか、検討する必要がありそうです。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-13 18:15 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 10月 07日

日本からの航路の玄関口としては垢抜けなさがちょっと残念な港町コルサコフ

ユジノサハリンスクからバスで南へ約1時間走ると、サハリン南部の港町コルサコフに着きます。
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市街地は河岸丘陵に沿って南北に延びていて、団地が多く並んでいます。
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郷土博物館や日本時代の記憶が残るいくつかのスポットを除くと、これといった見どころはないのですが、ユジノサハリンスクから乗ったバスを、港に近い稚内公園(コルサコフは稚内と姉妹都市)で降りて、そこからソビエト通りのゆるやかな坂をレーニン広場までのんびり歩くというのが基本散策コースでしょうか。

これは稚内公園の中央にあるロシアの提督で極東地方探検家のネベリスコイ(1814―1876)の像です。間宮林蔵より少し後に、ロシア側で最初にサハリンが島であることを確認した人物です。実はこの公園にはもうひとつ像があります。東シベリア総督でこの町の由来ともなったミハイル・セミョーノヴィチ・コルサコフ(1826-1871)の胸像なのですが、公園の北の端にあるのと、どちらかといえばネベリスコイ像のほうが新しく立派だったので、気づかず通り過ぎてしまいました。
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「コルサコフ」と書かれたストリートアートがあります。
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訪ねたのが週末だったせいか、通りには市が出ていました。
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果物はやはり中央アジア系の人が売っています。
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近海でとれるマスの缶詰も並んでいます。
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これがレーニン広場で、ここにもレーニン像が残っています。背後の建物は文化会館「アケアーン」といい、いわばこの町のコンサートホール兼劇場です。
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レーニン広場のそばに、この町でいちばん大きいホテル「アルファ」があります。港町らしいというべきか、ロシア語ではなく、英語表記のホテルです。
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この町で食事をしようと思ったら、すでに本ブログで書いたレストラン『カフェ・ヴァルハット』でしょうか。

サハリンで見つけたいい感じのロシアレストラン2軒
http://inbound.exblog.jp/27110266/

港の近くに地ビールが飲める「ペンギンバー」があります。
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町にはスーパーはありますが、たいていはこうした個人商店が多いです。
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ロシア名物の炭酸飲料「クワス」を飲ませるスタンドバーは、ユジノサハリンスク行きバス停の近くにあります。
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※ロシアの炭酸飲料「クワス」について
http://inbound.exblog.jp/27037090/

とはいえ、町を歩いていると、地元の子供たちや老人がいて、撮影するのが楽しみです。嫌がる人はほとんどいなくて、みんな笑って迎えてくれるのが、サハリンらしさでしょうか。
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次回に書くつもりですが、コルサコフへは北海道の稚内から夏の間、定期航路のフェリーが出ています。つまり、ここはサハリンの玄関口というわけですが、垢抜けなさがちょっと残念であることは否めません。

クルーズ客船がサハリンに寄航する際、コルサコフ港を利用するようですが、日ロを結ぶ航路がいまひとつ盛り上がらない理由のひとつに、コルサコフの現状がありそうです。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-07 15:06 | 日本に一番近いヨーロッパの話 | Comments(0)
2017年 10月 06日

外国客のレンタカー利用が増え、事故も増加。その防止対策に注目

外国人観光客が増え、団体から個人へ移行すると、自らハンドルを握って日本を旅したいニーズがふくらみます。当然、レンタカーを利用する人たちも増えていきます。ただし、海外での運転を経験したことのある人であればわかることですが、自国の運転ルールや常識が通じないことも多く、事故につながりやすいのは無理もない面があります。

ついに起きてしまった。運転できないはずの中国人レンタカードライバー事故(2017年08月21日)
http://inbound.exblog.jp/27062548/

国土交通省によると、レンタカーを利用する訪日外国人は、2011年から2015年の5年間で約4倍(17万9000人→70万5000人)に増加し、レンタカー利用者全体でみると死傷事故件数は減少しているものの、外国人レンタカー利用の死傷事故件数は増加(14年:28件→16年81件)。特に利用の多い沖縄県では物損事故を含む外国人レンタカーの事故件数は2014年から2016年(9648件)の3年間で約3倍に増加しているそうです。
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訪日外国人観光客レンタカーピンポイント事故対策について(国土交通省2017年8月23日)
http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000882.html

この勢いであれば、昨年はすでに年間100万人近い利用者がいたのではないでしょうか。今年はさらに増えているのかもしれません。

そこで、国土交通省は、訪日外国人観光客のレンタカー利用による事故を防止するため、レンタカー事業者や警察、観光部局と連携し、ETC2.0の急ブレーキデータを活用して、外国人特有の事故危険箇所を特定した上で、ピンポイント事故対策を講じる取り組みを開始するそうです。

訪日外国人によるレンタカーでの事故防止対策 今秋から実施(Response2017年8月23日)
https://response.jp/article/2017/08/23/298868.html

実験地域は新千歳空港、中部国際空港、関西国際空港、福岡空港、那覇空港のそれぞれを中心とする5つです。

外国人観光客のレンタカー交通事故対策、国内空港周辺の5カ所で実験へ(2017年9月7日)
https://response.jp/article/2017/09/07/299501.html

事故の原因は、自国との交通ルールの違いや標識の理解不足にあるといわれています。レンタカー利用の多い沖縄県や北海道では、貸し渡し前にオリエンテーションを行うなど独自の取り組みを続けてきましたが、利用者の全国的な広がりの中で、今後は国レベルでの取り組みを始めることになります。

外国客がレンタカーを利用することは、市場が縮小していたレンタカー関連業界にとっての朗報でしょうが、それ以上に、日本全国に張り巡らされた道路インフラを広く活用してもらうことで、今後の維持や質の向上につながることにこそ、意味があると思います。日本人の交通事故の数は昔に比べ、相当減っています。それだけに、外国客の運転する車による死亡事故が起こると、大きなニュースになることが考えられます。それだけに、こうした取り組みは本当に大事だと思います。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-06 17:36 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 10月 05日

スーツケースを引きずる外国客急増で、宅配&手荷物預かりサービス登場?

訪日外国人が増えて、町でスーツケースを引きずる観光客の姿を見ることが多くなっています。今朝も仕事場に近い地下鉄駅から地上に出ると、若い女性のグループがスーツケースを並べて広場でマックのハンバーガーを立ち食いしていました。バッゲジタグに「HND(羽田)」とあったので、おそらく韓国人ではないかと思われます。
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最近は、スーツケースを引きずったまま百貨店の中に入ってくる外国客も多く、さぞ不便だろうと思われます。これは自分の経験上思うことですが、スーツケースを入れるには日本のコインロッカーは小さすぎるのです。
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そこで、観光客の荷物を預かったり、配送したりというサービスが続々登場しているそうです。

日本観光、手ぶらでどうぞ 荷物預かるサービス続々(朝日新聞2017年10月5日)
http://www.asahi.com/articles/DA3S13166251.html

外国旅行では、大きな荷物に気を取られて思うように楽しめないことも多い。日本を訪れる外国人観光客が急増する中、「手ぶら観光」を楽しんでもらおうと荷物を預かったり配送したりする新サービスが広がり始めた。普及すれば、参入企業以外にも「プラスアルファ」の効果が期待できそうだ。

■ロッカー不足

スーツログイン前の続きケースを引いた外国人観光客が数人、構内を歩き回っている。彼らが目を皿のようにして探しているのは、コインロッカーだ。

9月下旬の昼、東京・JR秋葉原駅1階にある超大型ロッカー約10個はすべて使用中だった。クールジャパンを象徴し、外国人観光客にも人気の街では、週末を中心にこんな光景が繰り返される。

背景にあるのは個人客の増加だ。観光目的で訪日する外国人のうち個人が占める割合は7割を超える。この3年、全体数が伸びる中で10ポイント以上増えた。個人客は団体と違い、荷物は自分で管理しなければならない。一方、広さに限りがある駅構内のコインロッカーの増加数はわずかにとどまる。

政府は2020年に訪日客を4千万人に増やす目標を立てる。もくろみ通り、消費額の多い長期滞在客の割合が高まれば、大きな荷物を抱える外国人が今よりも増える。観光地からは、「すでに混雑しているバスや電車が余計に混雑している」(京都市の担当者)として、対策を求める声も上がっていた。

そこで手を組んだのが、JTB、ヤマトホールディングス、パナソニックの3社。来年1月から、空港や宿などの間で荷物を当日中に配送するサービスを使いやすくする。

荷物を送るための伝票記入といった手続きは、外国人観光客にとってはかなりの難題だ。そこで、多言語対応のアプリで来日前に申し込みと支払いを済ませ、伝票は宿に置いた専用端末で簡単に作れるようにした。

■お金使う機会を

もう一つ狙いがある。「訪日客は荷物が邪魔で、見学場所やお土産の購入を減らしている」(JTBの古野浩樹執行役員)。使い勝手をよくすることで手荷物の負担を軽くし、お金を使う機会を増やそうとしているのだ。

佐川急便やHISなども、駅や観光地から外国語でも手荷物を配送したり預けたりできる拠点を増やしている。

荷物を預けたい人と、ちょっとした空きスペースのある美容室や飲食店を仲介するサービスを1月に始めたのは、ベンチャー企業のエクボ(東京)。東京や大阪、福岡、沖縄などの計400カ所の預かり場所を用意。多言語対応の専用アプリに掲載している。料金も、大型の荷物で1日600円に抑えた。

同社の辻圭菜子広報担当は「利用者も預かり場所の登録も、毎日増えている。地方へも広げたい」と話す。(森田岳穂)


はたしてこのサービスは外国客に利用されるものでしょうか?

JTB、ヤマトホールディングス、パナソニックの3社の配送サービスがこれです。海外旅行の前に予約できることが特徴ですが、JTBの外国客向けツアー「サンライズ」でこのサービスを組み込んだ周遊コースの販売をすでに開始していて、来年1月5日よりサービス提供を開始するそうです。
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訪日外国人旅行者の手ぶら観光支援サービス「LUGGAGE-FREE TRAVEL」
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2017/09/jn170921-2/jn170921-2.html

確かに、外国客のニーズに正対したサービスだと思うのですが、日本を訪れる前にどうやって外国の人たちはこのサービスの存在を知るのだろうか、ちょっと疑問です。JTBのことを多くの外国人は知らないと思うからです。

もうひとつはシェアエコノミー的な発想から生まれた街角手荷物預かりサービスです。

ecbo cloak (エクボクローク)- コインロッカーいらずに手ぶら観光
https://cloak.ecbo.io/ja

こちらも一見面白そうですが、外国人が一般の美容室や商店に自分の荷物を安心して預けるものだろうか、という疑問もあります。

いずれにせよ、朝日の記事にもあるように、いまでは7割の訪日外国人が個人客であることを考えると、この種のサービスの存在をどうやって海外に伝えるかが課題といえそうです。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-05 15:08 | 気まぐれインバウンドNews | Comments(0)
2017年 10月 03日

こんなに簡単!ウラジオストクのアライバルビザの取り方の手順を大公開

今年8月8日よりロシア沿海地方のウラジオストクへのアライバルビザの申請がネット上でできるようになりました。
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ロシア電子ビザ申請サイト
FREE PORT OF VLADIVOSTOK E-VISA APPLICATION PROCESS
http://electronic-visa.kdmid.ru/index_jp.html

なんと日本語です。これが、ここで申請してからウラジオストク空港で入国するまでの5つのステップです。
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「電子ビザ取得の申請書を記入する」をクリックしてください。

最初に、この電子ビザを取得できる18の国名が並びます。日本は最後です。でも、ここに挙げられる中国や北朝鮮以外でウラジオストクに来る人はほとんどいないと思われます。またここになぜ韓国がないかといえば、2014年以降、ノービザだからです。
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クリックして次に進みましょう。

申請のためには、パスワードを設定する必要があります。
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パスワードを忘れないように印刷しなさいだなんて、なんて優しい気遣いでしょう。
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個人情報を以下、書き込みます。
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入国予定日を決めなければなりません。申請日の5日後以降の入国が可能です。
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パスポートナンバーやロシアに親戚がいるかなども聞かれます。
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次に、デジカメで自撮りした写真をアップロードします。
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写真については細かい仕様が書かれています。
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最後に入力した内容を確認し、申請ボタンをクリックして終了。
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その後、メールが届きます。
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こんな感じです。これをプリントアウトし、パスポートと一緒にウラジオストクの空港で渡すと、イミグレーションでアライバルビザがもらえるというわけです。
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意外に簡単ですね。当初、ウラジオストクの関係者はたして円滑な運用ができるのだろうかと心配していたようですが、特にトラブルはないようです。

いずれにせよ、もうロシア大使館に2度も足を運ぶ必要がなくなったのですから、ありがたいことです。あとは、自分で航空券と現地のホテルを予約すればいいのです。通常は、先にこちらをすませてから、最後にビザの申請ということでいいでしょう。
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by sanyo-kansatu | 2017-10-03 13:51 | 日本に一番近いヨーロッパの話 | Comments(0)
2017年 09月 10日

インバウンドの動きは地域によってタイムラグがあるのは自然なこと(鳥取でもゲストハウスラッシュ!)

先日、広島のゲストハウスに泊まった話を書きましたが、日本でおそらく最後に外国人が訪れるようになった中国地方では、ここ1、2年で鳥取のような小さな県でもインバウンドの動きが起きています。

広島のゲストハウスに泊まってみたら、なかなか楽しかった話(2017年09月08日)
http://inbound.exblog.jp/27102436/

それを感じたのは、鳥取にも昨年頃から外国人向けの安宿が数軒できたことです。

鳥取港に車で向かう途中、偶然見かけたのが「シャン亭」。インド好きの千石さんという30代前半の女性が昨年夏開業した宿なんですが、市内中心部から遠く、駅からバスで40分、しかも1時間1本というロケーション。鳥取砂丘も近ければいいんだけど、意外にそうでもないようで、本人も「私って経営のこととかよくわかんなくて…」。そう正直に語る彼女をみていると、少し心配になるのですが、部屋を覗かせてもらうと、スイス人の青年がパンツ一丁で歩いていたり、よくここを探し当てたなあという驚きも。サイクリストの人なんかもよく泊まりに来るとか。
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しゃん亭
http://shanti.guesthouse-tottori.com
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↑宿の看板の右に描かれた飾り傘は、鳥取の夏祭り「しゃんしゃん祭り」で使われるもの。地元愛が感じられます。

彼女の話では、駅の近くにはいま風のカフェバー付ゲストハウスもできているそう。

Y Pub&Hostel TOTTORI
http://y-tottori.com/

ネットで「鳥取 ゲストハウス」を検索すると、こんな地元発のサイトの記事がありました。

鳥取のゲストハウス一覧【2017年1月 更新】
http://tottorizumu.com/2016/03/02/tottori-guesthouse-matome/#Y-Pub-Hostel-TOTTOR-8211

これによると、今年1月現在、鳥取県には10軒のゲストハウスがあるようです。「しゃん亭」も紹介されています。

全国的にみると10年遅れかもしれませんが、鳥取県でも安宿ラッシュが起きているようです。

遅れて始まったからといって、なにも卑下するようなことはありません。インバウンドの動きは地域によってタイムラグがあるのは自然なことだからです。

観光庁などの統計によると、鳥取県を訪れる外国客の数は全国37位、宿泊者数は39位だそうです。しかもWifi登録件数は47位。コンサル系の人たちはこういう数字を見せて、地元を煽るのでしょうが、2000年代に始まった国レベルの訪日外国人の誘客キャンペーンがようやく鳥取のような日本海側の小さな地方都市にも及ぶようになっただけの話です。

それに合わせて行政も動き出そうとしていますが、当然課題はあります。10年前に比べれば、お金をかけずにプロモーションする手立てはいくつも開発されているので、新しい動きに行政ももっと敏感になってほしいと思います。

鳥取市の外国人向け大阪行きバス1000円は賢い施策だが、宣伝できていなくて残念 (2017年09月09日)
http://inbound.exblog.jp/27103837/

鳥取市は大阪からの高速バス外国人向け1000円キャンペーンを、これらのゲストハウスのサイトなどで宣伝してもらえばいのではないでしょうか。客層がマッチしている気がします。

ゲストハウスに泊まるような若い外国客は、なるべくお金をかけずに、日本の地方都市をのんびり旅しようとする、いわば日本旅行の先導者です。ささやかな地元の人たちとの交流が想い出となって、その後、結婚し、経済力を身につけた年代になったら、また訪ねてみようということはよくある話ですし、いまの時代、SNSで自国の友人たちに広めてくれます。

さらに、こういう話題で火がつけば、面白いことになるかもしれません。

まるでウユニ塩湖 鳥取砂丘で撮影された「奇跡の一枚」(朝日新聞2017年9月10日)
http://www.asahi.com/articles/ASK8Z7FXVK8ZPUUB00Q.html

鳥取砂丘(鳥取市)で撮影された「奇跡の一枚」と呼ばれる写真がネット上で話題になっている。波が引いた砂浜が「鏡」のようになり、空や人の姿を映し出す――。撮影に成功するには気象条件などがそろう必要があるが、同じような写真を撮ろうと訪れる人が増えている。

写真を撮影したのは、砂丘周辺で自転車ツアーを企画、運営する「TRAIL ON(トレイルオン)」(鳥取県湯梨浜町)代表の小椋宣洋さん(46)。ツアーは国などの許可を得ており、ファットバイクという通常よりタイヤの幅が広い自転車に乗って砂丘を走るもの。

昨年10月、ツアー客の思い出にとスマホで撮影。写真をフェイスブックに掲載したところ、旅行サイトで紹介された。SNSなどでも、空や人の姿が湖面に映される光景で知られる南米ボリビアのウユニ塩湖みたいと話題となった。県外客だけでなく、県民も砂丘の知らなかった一面に驚き、「同じような写真を撮りたい」とツアーに参加している。

8月25日午前の部に参加した10~20代の男女3人も、ネットに掲載された小椋さんの写真を見て興味を持ったという。ただ、「奇跡の一枚」はいつも撮れるわけではない。小椋さんによると、風や波、日光の差し具合などの条件が整う必要があるという。

この日、小椋さんはタイミングを見て、3人に波打ち際を走り抜けるよう指示。小椋さんは「今日のコンディションではこれが限界」と撮った写真を見せたが、ツアー客は「かっこいい」と声を弾ませた。奈良県の高校2年の岩井康洋さん(17)は「ウユニ塩湖っぽい写真が撮影できた。LINEのプロフィル画像にします」と満足げだった。

小椋さんは最近「写真だけが独り歩きしている」とも感じている。期待を込めて訪れた客がうまく撮影できず残念な思いをすることを心配する。「砂丘にはほかにも写真映えする場所があるので、砂丘の自然をもっと満喫してほしい」

ツアーは1回2時間程度で予約制。身長150センチ以上で、料金は1人5千円。不定休。問い合わせは(080・1649・1796)。

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by sanyo-kansatu | 2017-09-10 10:38 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 09月 09日

大阪インバウンドのにぎわいは日本最強か!?

9月頭に大阪に立ち寄りました。当初その予定はなかったのですが、予約していたLCCが欠航となり、新幹線で帰ろうか思案したのですが、週末にかかっていたこともあり、1泊することにしたんです。

おかげで1年ぶりの大阪を、ほんの一部ですが、歩くことができました。

それにしても、大阪のインバウンドのにぎわいは、相変わらずすごいですね。

そこで、東京ではなかなか見られない、大阪ならではのインバウンドな風景の数々をご紹介しようと思います。

まず大阪といえば心斎橋商店街。一部を除き、多くの店が開くのは午前11時ですが、10時過ぎると商店街は外国客だらけです。日本人はこの時間帯、少数派です。
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この日はアジア系の若い女性のふたり組というのが目に付きました。前者のスキのなさげな都会風は中国系で、ペアルック(?)でゆるい感じのふたりは台湾系でしょうか(あくまでイメージです…)。
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なぜかサッカー日本代表のユニフォームを身につけたタイ人の女の子たちもいました。日本代表のWカップ出場が決まった翌朝だったのですが、面白いですね。
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ビニール袋にいっぱい買い物をした若い女性のふたり組が歩いてきたので、袋の中身だけこっそり接写(失礼!)したところ、さきいかやユニチャームのシルコットやらチープな爆買い商品満載でした。
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なにしろマツキヨでは、外国客限定でFacebookや微信で優待券をダウンロードした客には、消費税8%プラス7%もの割引をするというのですから。「爆買い」は終わったといわれ、一時ほどの売上げはないと思われますが、大阪ではドラッグストア系を中心に客の争奪合戦が繰り広げられています。アジア客が買い物好きであることは変わらないのですから当然でしょう。じゃあ日本を旅行中どの町で買おうかというとき、商品が豊富で潔く割引してくれる大阪が選ばれるのだと思います。さすがは「商売の街」。
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ダイコク屋の中国人女性店員も、商品の書かれた宣伝パネルを掲げて大声で客引きをしています。
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難波に近い黒門市場にも足を運んでみました。もう数年前からですが、外国客であふれて縁日のようなにぎわいです。もともとここは高級食材専門の市場でした。ですので、カニやらウナギやらフルーツやら、あらゆる食材が観光客用に見せ前に並べられ、観光客は立ち食いしています。ここまで外国客で密集し、立ち食い客てにぎわう商店街は、全国を探してもないかもしれません。大阪すごいです。
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大阪城にもちょこっと寄ってみました。インド系の若い3人組に会いました。大阪城をバックに写真を撮りまくっていました。
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ところで、今回大阪でいくつかの発見をしました。もしかしたら、東京でも見られる光景なのかもしれませんが、まずは難波の高島屋の資生堂コーナーの前に並ぶ中国客です。なんでも限定商品の販売があることを聞きつけてきたからだそう。
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中国客は、すでに日本の家電商品は世界的なブランド性を喪失しており、むしろ中国家電のほうが広く支持されていることを知っていますから、家電量販店には以前ほど足を運ばなくなりましたが、化粧品をはじめとしたドラッグストア系商品の日本の価値は認めているため、どこで誰が情報を広めたのか、限定商品が販売されると聞くと、この行列です。彼らはやることがはっきりしていて、わかりやすいともいえます。

おかげで高島屋の1階はスーツケースを引きずる中国客であふれています。きっと中国人以外の人もいるのでしょうけれど、コスメ売り場で彼女と一緒に並んで買い物をするあたり、どう見ても華人的ふるまいです。ここまでやるのが優しい中国男なのです。
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興味深かったのが、難波のOCAT(大阪シティエアターミナル)と関西空港の国際線到着ロビーのHISカウンターで見た以下のパネルでした。
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これらは以下の中国の(一部、台湾、香港系もある)オンライン旅行会社で販売されているJRパスや大阪周遊パスなどの受け取り窓口であることを示すものです。

Kloock(客路) https://www.klook.com/ https://www.klook.com/zh-TW/ ※台湾、香港系
JTR WEB http://www.jtrweb.com/
大衆点評 https://www.dianping.com/ ※中国系
C-trip  http://www.ctrip.com   http://jp.ctrip.com ※中国系
蚂蜂窝 http://www.mafengwo.cn/  ※中国系
KKday https://www.kkday.com/zh-tw/home/index2 ※台湾系
出国去 http://www.chuguoqu.com/ ※中国系
穷游网  http://www.qyer.com/  ※中国系
最会游  http://www.zuihuiyou.com/  ※中国系
同程旅游 https://www.ly.com/  ※中国系
南湖国旅 https://www.nanhutravel.com/ 中国系

関空のHISの前には行列ができていました。もしかしたら、ここで並んでいる中国客の中には「こんなのわざわざ発券しないでアプリで対応してくれればいいのに。日本って遅れてる…」と心の中でつぶやいている人がいるかもしれません。中国では高速鉄道の発券は事前にネット予約し、窓口ではなく、発券機で簡単に受け取ることができますから。
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こうした中国オンライン旅行社の受け取りを東京各地にあるHISツーリストインフォメーションなどで行っているかどうかはまだ確認していません。

さて、最後にいくつか気づいたこと、新たに知ったことなどを書いておきます。

JR大阪駅のツーリストインフォメーションでは、海外のVIPに人気のとんだばやしを売り出そうとしていました。
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中国の富豪たちがショックを受ける町 「大阪・富田林」を歩く(2016年05月30日)
http://inbound.exblog.jp/25859112/

大阪環状線JR新今宮駅のホームの前に広がる空き地は、星野リゾートが購入した高級旅館の建設予定地です。線路の反対側には西成のあいりん地区が広がっています。
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関空行きの南海の急行電車はこのとおり、スーツケースが並んでいます。昨年秋、こんなこともありましたね。
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「外国人多くご不便を」とアナウンスした車掌さん 訪日客急増で日本人はストレスをためてる? (2016年 10月 11日 )
http://inbound.exblog.jp/26268458/

最後は関空第2ターミナルの国際線乗り場近くで見かけた、いま話題の中国「白タク」です。実は、成田空港でも何台も見かけました。
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大都市圏を中心に増殖中!中国系「越境白タク」の問題点を追跡 (2017年06月26日)
http://inbound.exblog.jp/26951467/

大阪の友人と梅田駅周辺を歩いていたときも、あるホテルのロビーに中国「白タク」がいました。

友人は「ここにもあそこにもですよ…」とぼやいていました。

最後のオチで少しがっかりさせてしまったかもしれませんが、大阪は日本のインバウンドの最前線であることは間違いありません。

大阪と東京のインバウンドの特徴の違いを外国人の視点で考えてみる (2016年01月31日)
http://inbound.exblog.jp/25315756/

【追記】
外国客でにぎわう大阪ですが、最近観光客を狙ったスリなど問題もおきているようです。以下のレポートをご参照ください。

新しい中国人観光客像の5つの傾向とは? (2017年 12月 27日)
http://inbound.exblog.jp/27901370/
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by sanyo-kansatu | 2017-09-09 13:31 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 09月 08日

広島のゲストハウスに泊まってみたら、なかなか楽しかった 話

前回広島に行った話を書きましたが、なるべく自分も外国人観光客になったつもりで旅してみることにしました。

2つも世界遺産がある広島県には欧米客が多く、インド人ツアーもいた
http://inbound.exblog.jp/27102301/
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そういうわけで、原爆ドームから徒歩5分の場所にあるジェイホッパーズ広島というゲストハウスに宿泊。なんと1泊2500円です。2006年11月開業といいますから、老舗のゲストハウスといえそうです。ゲストの8割は外国人だそうです。
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ジェイホッパーズ広島 ゲストハウス
http://hiroshima.j-hoppers.com/j_index.html
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元旅館を改装したものらしく、男女共用ドミトリーでは外国の女の子やイギリス人の青年と相部屋でした。実は、女の子と相部屋だったなんて知らなかったのですが、朝洗面台で歯磨きしているアジア系の女の子がいたので、最初は日本人かと思って声をかけたら、マレーシアから来たというんです。

午前中は宮島に行ってきたので、午後まで荷物を預かってもらっていたのですが、宿に戻るとちょうど部屋の掃除の最中。ここではスタッフの女の子たちが各部屋のシーツを取り替えたり、掃除機をかけたりしています。気さくで感じのいい子たちです。

ゲストたちはみな観光に出かけており、1階の共有スペースには誰もいなかったので、あちこち見せてもらいました。

これが共用のキッチンです。シェアハウスのようですね。
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冷蔵庫には自分の食べ物を入れてもいいけど、きちんと名前を書けだとか、分別ゴミの徹底だとか、周辺のお好み焼き屋さんの地図が置いてあったりとか…。ここに泊まっているゲストたちの過ごし方がうかがえて面白いです。
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この地図に書いてあった近所のお好み焼き屋さんに行ってみました。たまたま客はぼくひとりしかいなかったので、おばさんはいろんな話を聞かせてくれました。
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Jホッパーズのゲストもよくここに来るそうです。なかにはお好み焼きを注文しないで、ビールばかり飲む若い外国人がいて困ったとか、ある日突然知らないフランス人が店に入ってきたかと思うと、自分の写真をスマホで見せられてビックリしたとか。数年前にこの店に来たフランス人がおばさんの写真を撮っていて、友人に送ったのだそう。外国人もお好み焼きはいけるようですね。このおばさんの焼くのはもちろん広島風です。
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Jホッパーズは原爆ドームにも近いですが、宮島口行きの広電の土橋の停留所もすぐそばなので、とても便利です。

スタッフの子に宮島にもゲストハウスはあるかと聞いたら、宮島口にあるとのこと。朝食を食べ忘れていたので、覗きに行くと、ちょうどロビーにブッフェ式朝食が用意されていたので、いただくことにしました。
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すでに10時近くでしたが、ごそごそ起きてきた外国のゲストたちが自分でトーストを焼き、コーヒーを入れて、寝ぼけ眼で朝食を取っていたのがおかしかったです。
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バックパッカーズ宮島
http://www.backpackers-miyajima.com/

後日ネットで調べると、広島にはいくつものゲストハウスがあるようですね。やはり欧米客が多いと、ゲストハウスも続々できるんですね。

格安旅にもってこい!広島のおしゃれゲストハウス15選
https://retrip.jp/articles/44924/
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by sanyo-kansatu | 2017-09-08 17:21 | “参与観察”日誌 | Comments(0)
2017年 09月 08日

2つも世界遺産がある広島県には欧米客が多く、インド人ツアーもいた

8月下旬、広島を訪ねました。広島といえば、原爆ドームと宮島という世界遺産が2つもあるというインバウンドでは恵まれた県です。

広島市内から宮島行きのフェリーが出る宮島口に行くには、JR山陽本線で行くか、路面電車(広電)に乗って行くかの2通りがあります。外国客の多くはJRレイルパスを持っている人も多いので、JRで行く人が多いそうですが、路面電車で沿線の風景を眺めながらのんびり行くのも乙なものです(所要時間:JR約30分、広電約1時間)。
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朝8時半過ぎ、土橋という停留所から路面電車に乗ると、外国人のグループがどっと乗り込んできました。
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中高生くらいの子供連れのツアーもいます。たまたまぼくの席の隣にお母さんらしい女性が座ったので、話を聞くと、イギリスのウェールズから来たみなさんで、日本の滞在は16日間。東京から日光、箱根、富士山、京都、大阪、そして広島に来たそうです。これが本当のゴールデンツアーです(中国人のゴールデンツアーは日程が短いため、広島や日光がはしょられるため)。

ところが、今年の8月は天候不順でしたから、箱根でも富士五合目でも富士山の姿を見ることができなかったとか。なんだか申し訳ない気になってきます。

その日は晴れていたのですが、空が霞んでいて、宮島口に近づいたとき、車窓から「あっ、鳥居が見える」と教えてあげたのですが、かなり遠く、くっきりと見せることができませんでした。
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電車を降りると、フェリー乗り場に向かいます。フェリーは松大汽船(宮島に向かって左側)とJRフェリー(右側)の2社があるのですが(料金はともに片道180円)、JRフェリーは海の中に立つ大鳥居の側を少し大回りする航路をたどるので、ひそかな人気です。
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船に乗ると、日本人よりも外国客のほうが鳥居をカメラに収めたい気持ちで満々です。
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宮島に着くと、鹿が出迎えてくれます。この女性、かわいいので鹿とのツーショットが絵になりますね。もちろん、彼女以外のさまざまな国の子供やおばさんたちが鹿ととわむれていました。
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宮島には、インド人ツアーも来ていました。広島には中国の人は少ないけれど、インドの人は多く見かけます。彼らの志向は欧米的なので、原爆ドームのある広島は必ず訪れるべき場所だと考えているからです。
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さて、宮島から戻ると、原爆ドームと資料館に行きました。実をいうと、ぼくがここに入るのは、小学生以来です。

平日のせいか、外国客が多いです。
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展示については、中国に数ある歴史記念館とは違い、特定の国を断罪するというより、原爆の悲惨さを訪問者に強くイメージ化させるしかけになっていました。子供の頃見たおどろおどろしい展示の記憶だけが残っていましたが、いまのはかなり理知的な展示です。
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これを見せられると、日本人だけでなく、外国客も原爆の意味を悟ることになるはずです。
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原爆ドームの周囲にも多くの外国客が来ています。
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資料館の書店の人に聞いたところ、やはり昨年のオバマさんの広島訪問の影響が大きく、外国客はぐっと増えているそうです。外国客にとって広島の持つ意味は、日本人が想像する以上に重要といえると思います。
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日本銀行による以下のレポートは、広島県のインバウンドの特徴について、以下のように分析しています。

・外国人延べ宿泊者数を地域別にみると、広島県は全国に比べて欧米の割合が高い一方、アジアの割合が低い
・訪日外国人一人当たりの旅行消費単価が全国平均より低い水準に止まっている。背景としては、ウェイトの高い欧米の観光客の宿泊需要を上手く取り込めていないことや、アジアでの認知度の低さが影響

広島県のインバウンド需要の現状と需要拡大に向けた取り組み(日本銀行広島支店2017年3月)
http://www3.boj.or.jp/hiroshima/Tokubetu-tyousa/inbound.pdf

広島県は国際的な知名度が高いわりには、買い物好きのアジア客の取り込みが他の地方より遅れていたこともあり、旅行消費額が低いようです。欧米客が多いと、ついインバウンドが盛り上がっていると思いがちですが、消費の面からみると、そうともいえないことがわかります。

とはいえ、毎日運航のチャイナエアラインの台北便に加え、2015年10月、香港エクスプレス(週3便)の乗り入れが始まり、さらに今年10月からシンガポール航空の子会社であるシルクエアー(週3便)が加わります。状況は少しずつ変わっていくことでしょう。

なにしろ中国四国地方は(知名度の点で広島を除くとしても)、外国人に日本で最後に発見されたインバウンドエリアといえます。何もかもがこれから。他県の事例を学んで、賢く誘客を進めてもらいたいものです。
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by sanyo-kansatu | 2017-09-08 16:01 | “参与観察”日誌 | Comments(0)